JP4601521B2 - ポリオレフィン系繊維及びそれを用いた織編物 - Google Patents

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本発明は、後加工工程で染料により染色可能なポリオレフィン系繊維に関する。
ポリオレフィン系繊維は、軽量性、撥水性、易リサイクル性などに優れている点から、養生シート、建築工事用メッシュシートやカーペット原糸などさまざまな産業用途に用いられている。
しかしながら、着色されたポリオレフィン系繊維を得るためには、いくつか問題点があった。ポリオレフィン樹脂に顔料及び染料をあらかじめ練り込むことにより得られる原着繊維は、紡糸時に顔料や染料を練り込むため、品種ごとの色替等に多量のロスが発生する、細繊度のフィラメント糸を得るには制限があるなどの問題があった。
ポリエステル系繊維などで汎用されている分散染料等による後加工による染色が可能であれば、かかる問題は解決できるが、ポリオレフィン系繊維を構成するポリオレフィン系樹脂は疎水性が高いため、ポリエステル系繊維などで汎用されている分散染料等による染色ができなかったため、従来からあるポリオレフィン系繊維を、衣料用途などの後加工工程での染色が必要となる用途に用いることは困難であった。
このため、後加工工程で染色が可能なポリオレフィン系繊維の開発がさかんに行われている。例えば、特許文献1、特許文献2には、ポリオレフィン系繊維中に、可染性の樹脂を分散させる方法が記載されており、その可染性の樹脂として、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂を用いることが記載されている。
特開平4−209824号公報 特開平6−25912号公報
しかし、これらの方法では十分な染色性を得るために必要なポリエステル樹脂を添加すると紡糸安定性が低下するために、ポリエステル系樹脂の添加量を増やすことが困難となり濃染性が不十分となりやすく、また、ポリオレフィン系樹脂とポリエステル樹脂の相溶性が悪いために、溶融紡糸の際に糸切れ等が発生しやすく、紡糸安定が不十分となりやすかった。
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、後加工工程で染料により濃色に染色することが可能なポリオレフィン系繊維及びその織編物を提供することにある。
本発明の第1の要旨は、イソフタル酸単量体単位を20〜40mol%含有するイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレート(A)と、ポリオレフィン系樹脂(B)とが混練されてなり、イソフタル酸単量体単位を20〜40mol%含有するイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートを繊維中に5〜15質量%含むポリオレフィン系繊維にある。
本発明の第2の要旨は、イソフタル酸単量体単位を20〜40mol%含有するイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートを繊維中に5〜15質量%含むポリオレフィン系繊維を含む織編物にある。
本発明のポリオレフィン系繊維は、後加工工程で染料により濃色に染色が可能で、紡糸工程の安定性にも問題がなく、カーペットやその他椅子張り地などの織編地又は衣料用途などに用いることが可能であり、特に、細繊度の紡糸が可能となるので水着、靴下、スポーツ用インナーなど衣料用途に好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、ポリオレフィン系繊維中に分散させる可染性の樹脂としてイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートを用いることが必要である。イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートや未変性のポリブチレンテレフタレートよりも、結晶性が低く非晶部の割合が大きいため、染料が浸透しやすく濃色に染色が可能となる。
本発明のイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートは、直接重合法やエステル交換法など公知のいかなる重合方法によって得たものであってよく、市販品も用いることができる。またその構造も、ランダムコポリマー、テレフタル酸/1,4−ブタンジオールのブロックとイソフタル酸/1,4−ブタンジオールのブロックとからなるブロックコポリマーのいずれでも良いが、ランダムコポリマーを用いると、同じ組成比を有するブロックコポリマーと比較して結晶性が低くなるため、染色性が良好となるので好ましい。
また本発明では、該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートが、イソフタル酸単量体単位を20〜40mol%含有することが必要である。通常、可染性樹脂として添加するポリエステル系樹脂の融点は、ポリオレフィン系繊維を構成するポリオレフィン系樹脂に比べ高いため、ポリオレフィン系繊維を溶融紡糸する温度では、ポリエステル系樹脂が十分に溶融せず、ポリオレフィン系樹脂との相溶性も悪いために、溶融したポリオレフィン系樹脂中の異物として存在し、溶融紡糸の際に紡糸安定性が低下する。また、ポリエステル系繊維を溶融紡糸する温度では、ポリオレフィン樹脂の溶融粘度が低下し、紡糸安定性が低下する。(POLYMER HANDBOOK、second edition(J.Brandrup、E.H.Immergut編集 1975年)III−5頁〜III−50頁によれば、結晶性アイソタクチックポリプロピレンの融点は176℃〜208℃程度、ポリエチレンテレフタレートの融点は245℃〜284℃程度であり、ポリブチレンテレフタレートの融点は、221℃から232℃程度である。)
本発明では、該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートが、イソフタル酸単量体単位を20mol%以上含むことで、ポリオレフィン系樹脂との融点差が小さくなり、ポリオレフィン系樹脂の紡糸温度において、安定して溶融紡糸が可能となる。
該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートが、イソフタル酸単量体単位を20mol%含む場合の融点は190℃程度、30mol%含む場合の融点は175℃程度となる。該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートとポリオレフィン系樹脂との融点差は、30℃以内であることが紡糸安定性の点から好ましい。
イソフタル酸単量体単位が40mol%を越えると、十分な重合度を有するポリマーとすることが困難であり、低分子量のオリゴマーが混入する可能性があるため、これを用いた場合、繊維強度の低下や紡糸や延伸の際の工程通過性が低下する。
なお、本発明のイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートは、イソフタル酸の変性量が20〜40mol%の範囲にあり、融点その他の物性値を大きく変化させない程度であれば、必要に応じて基本構造を構成するジカルボン酸単位以外の他のジカルボン酸単位、及び/又は基本構造を構成するジオール単位以外の他のジオール単位を有していてもよい。ジカルボン酸単位の例としては、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、ジオール単位の例としては、ヘキサンメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。
本発明のポリオレフィン系繊維には、該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートを繊維中に5〜15質量%含むことが必要である。該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートが5質量%未満であると、十分な染色性が得られない。一方、15質量%を超えると、糸切れ等が発生し紡糸安定性が悪くなる。
また、ポリオレフィン系繊維を構成するポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1など、従来公知のポリオレフィン系樹脂のいずれも用いることができ、またこれらの共重合体であってもよい。中でもポリプロピレンは製糸性、繊維物性等から好適に用いることができる。なお、ここでいう、ポリプロピレンとは、プロピレンを主成分とするポリマーも含み、すなわち、エチレン単位等他のオレフィン単位とプロピレン単位との共重合体も含まれる。
さらに、本発明のポリオレフィン系繊維には、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂の双方に対し接着性、相溶性に優れた樹脂を添加することが、イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートとポリオレフィン系樹脂の溶融紡糸における安定性、延伸工程等の後加工工程における糸切れ、剥離等を防ぐ点で好ましい。また、難燃剤やヒンダードアミン系化合物などの耐光安定剤やその他の機能剤を染色性並びにその他の性質を悪化させない程度に含有させることもできる。
さらに、本発明のポリオレフィン系繊維の断面形状には特に限定はなく、円形又は楕円、三角或いは四角等の多角形であっても良く、トリローバル等の多葉形状であっても良い。繊維は中実であっても中空形状であってもよい。また、衣料用途としては単繊維繊度が2dtex以下であることが好ましい。
次に本発明のポリオレフィン系繊維の製造方法の一例を示す。
本発明のポリオレフィン系繊維は、イソフタル酸単量体単位を20〜40mol%含有するイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートと、ポリオレフィン系樹脂とを均一に混合した後、公知の方法で溶融紡糸することにより製造できる。
該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートとポリオレフィン系樹脂との混合は、それぞれの成分からなるチップをブレンドして紡糸しても、あらかじめ2軸押出機などを使用して該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートとポリオレフィン系樹脂を溶融押出機内で混練してペレット状に溶融賦型したものを用いて紡糸してもよい。またこのとき、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂の双方に対し接着性のある変性ポリオレフィン樹脂などからなる接着剤、分散剤、難燃剤、耐光安定材などを混合してもよい。
次に、溶融押出機により溶融した原料をノズルから押出し、紡糸油剤を給油し、糸条を巻き取ることより未延伸糸を得る。未延伸糸はそのまま連続工程で延伸をおこなっても良く、或いは一旦巻取った後、延伸しても良い。延伸工程は1段或いは2段以上の多段であっても良く、多段延伸における延伸倍率比の設定も特に限定されない。また延伸工程で接触或いは非接触型の熱源を用いても何ら問題ない。延伸倍率は2〜7倍とすることが好ましく、延伸倍率が2倍未満であると得られた長繊維の繊維強度が低くなる恐れがあり、7倍を超えると延伸時に糸切れ等が発生する可能性が高くなる。また、延伸温度は50〜130℃が好ましい。延伸温度が50℃未満であると延伸倍率が低くなり得られた繊維の強度が低くなる。一方、130℃を超えると糸切れ等によって工程通過性が悪くなる恐れがある。
さらに本発明のポリオレフィン系繊維には、公知の方法で捲縮付与加工を行っても問題はない。延伸糸を一旦巻き取った後に捲縮加工しても良く、延伸工程から連続で捲縮付与加工を行っても良い。
本発明の本発明のポリオレフィン系繊維を含む織編物は、ポリエステル系繊維で汎用されている分散染料等で染色が可能であり、また従来の原着繊維では不可能であった、製織又は製編後の染色も可能である。したがって、後加工工程で染色が必要な用途、特に衣料用途として好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本実施例における融点の測定及びポリオレフィン系繊維の染色性の評価は次の方法で行った。
<樹脂の融点の測定>
JIS K 7122に準拠し、示差走査熱分析装置(セイコー社製DSC220)を用い、チッソ60ml/分の雰囲気化にて、試料約10mg、昇温速度10℃/分の条件で測定したDSC曲線の融解ピークにおける温度を融点とした。
<染色性評価方法>
(1)染色性評価サンプルの作成
以下に示す1)〜6)の手順に基づき、染色性評価用のサンプルを作成した。
1)得られた可染性ポリオレフィン系繊維の筒編地を作成する。
2)染料 ダイスタージャパン(株)製 Dianix Biue UN−SE
助剤 明成化学工業(株)製 ディスパーTL 0.7cc/L
中和剤 大和化学工業(株)製 ウルトラMT 0.55cc/L
3)染料濃度 2%
4)染色条件 4℃/1分昇温+100℃×30分
5)ソーピング 花王(株)製 エマルゲン909 1g/L
条件 70℃×20分
水洗
6)乾燥 風乾
(2)染色性評価
乾燥後、目視による評価により次の基準で判定した。
○:濃色に染色可能
△:淡く着色はするが、染色性が良好とはいえない程度
×:全く着色しないか表面が汚染される程度
(参考例1)イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレート樹脂の重合
(1)イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートの重合
窒素雰囲気下で、重合反応釜にジメチルテレフタレート(以下、DMTと略記する。)とジメチルイソフタレート(以下、DMIと略記する。)とを表1に示した所定の割合になるように投入し、さらに1,4−ブタンジオール(以下BDO)が、DMTとDMIの合計の仕込み量とBDOの仕込み量とがモル比で1対1.4となるように投入した。さらに触媒としてテトラブトキシチタンをDMT,DMI,BDOの総量に対して600ppm添加した後、240℃まで昇温を行い180分間反応させた後、引き続き、釜内温度を260℃まで昇温釜内の圧力を0.15kPa以下まで減圧し、系外にBDOを排出しながら所定の重合度まで120分間重合を行った。室温・常圧まで戻すことにより重合を停止した後、ポリマーを窒素加圧によりストランド状に水中に押し出して洗浄しあったと、切断してチップ化し、120℃にて8時間減圧下で乾燥を行った。
得られたイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートの同定は、核磁気共鳴装置(Varian UNITY INOVA 500)を用いた1H−NMR(500MHz)測定により行った。すなわち、得られたイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートを、内部標準物質としてテトラメチルシランを含むCDClの4w/v%の溶液を調整した後、この溶液を用いて1H−NMR(500MHz)を測定し、イソフタル酸由来のピーク、テレフタル酸由来のピーク及びBDO由来のピークそれぞれの積分値の比を計算することにより、DMT及びDMIのモノマー転化率が99%以上であり、仕込み比どおりの組成比となっていることを確認した。
表1に、得られたイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートのイソフタル酸変性量と融点の関係を表1に示す。
Figure 0004601521
(参考例2)テトラメチレングリコール変性ポリブチレンテレフタレート(以下、PTMG変性PBTと略記)の重合
窒素雰囲気下で、重合反応釜に、DMTとBDO及びテトラメチレンエーテル(以下、PTMGと略記する。)とをBDO:TMGが70mol%:30mol%かつDMTの仕込み量とBDOとPTMGの合計の仕込み量がモル比で1対1.4の割合になるように投入した以外は、参考例1(イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレート)と同様の重合方法で、テトラメチレングリコール変性ポリブチレンテレフタレートを得た。得られたPTMG変性PBTの同定は、参考例1同様1H−NMR(500MHz)測定により行った。
(実施例1)
上記参考例にて得られたイソフタル酸30mol%変性ポリブチレンテレフタレートと、ポリプロピレンホモポリマー(日本ポリプロ(株)製 SA03 融点:165℃)とを、90質量%:10質量%の割合で2軸押出機に投入し、200℃の条件で均一に混練し、ペレット状に賦型した。
得られたペレットを、溶融紡糸機の一軸押出機に投入した。押出機温度は225℃、紡糸ノズル温度を225℃とし、ホール径が0.6mmφ、ホール数48である紡糸ノズルより吐出量21g/minでポリマーを吐出し、巻き取り速度400m/minで巻き取り未延伸糸を得た。この未延伸糸を、ローラー温度80℃で最終延伸速度400m/minにて、3.24倍で延伸を行い、繊度165dtexのポリプロピレン系繊維を得た。この繊維は製糸性は良好であり、染色性も良好であった。
(実施例2)
イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートの変性量を20mol%とし、延伸倍率を3.30倍に変更した以外は、実施例1と同条件で158dtexのポリプロピレン系繊維を得た。製糸性も良好であり、染色性は実施例1と同等に良好であった。
(実施例3)
ペレットを賦形する際のイソフタル酸30mol%変性ポリブチレンテレフタレートと、ポリプロピレンホモポリマーとの割合を85質量%:15質量%とした以外は、実施例2と同条件で214dtexのポリプロピレン系繊維を得た。製糸性も良好であり、染色性も実施例1及び2のサンプルよりも濃色に染色することができた。
(比較例1)
ポリプロピレンホモポリマーのみを用い、延伸倍率を4.27倍に変更した以外は、実施例1と同条件で121dtexのポリプロピレン系繊維を得た。製糸性は良好であったが、染色性は表面が汚染された程度しか染色されていなかった。
(比較例2)
ペレットを賦形する際のイソフタル酸30mol%変性ポリブチレンテレフタレートと、ポリプロピレンホモポリマーとの割合を80質量%:20質量%とした以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系繊維を得ようとしたが、紡糸口金下が不安定になり、製糸できなかった。
(比較例3)
ペレットを賦形する際のイソフタル酸30mol%変性ポリブチレンテレフタレートと、ポリプロピレンホモポリマーとの割合を96質量%:4質量%とした以外は、実施例1と同条件で142dtexのポリプロピレン系繊維を得た。製糸性は良好であったが、染色性は実施例1より淡色で染色可能と呼べる程度まで濃色に染色することはできなかった。
(比較例4)
イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートのイソフタル酸変性量を10mol%とした以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系繊維を得ようとしたが、紡糸口金下が不安定になり、製糸できなかった。
(比較例5)
イソフタル酸30mol%変性ポリブチレンテレフタレートに代えて、未変性のポリブチレンテレフタレートを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系繊維を得ようとしたが、紡糸口金下が不安定になり、製糸できなかった。
(比較例6)
イソフタル酸30mol%変性ポリブチレンテレフタレートに代えて、参考例2で得られたテトラメチレングリコール30mol%変性ポリブチレンテレフタレートを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン系繊維を得ようとしたが、紡糸口金下が不安定になり、製糸できなかった。
表2に、各実施例の結果をまとめたが、各実施例記載のポリプロピレン系繊維は製糸性も良好で、一方、各比較例の場合、染色性に難がある繊維であったか、そもそも紡糸することができないかのいずれかであった。
Figure 0004601521

Claims (3)

  1. イソフタル酸単量体単位を20〜40mol%含有するイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレート(A)と、ポリオレフィン系樹脂(B)とが混練されてなり、イソフタル酸単量体単位を20〜40mol%含有するイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレート(A)を、繊維中に5〜15質量%含むポリオレフィン系繊維。
  2. 該イソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートの融点と、ポリオレフィン系繊維を構成するポリオレフィン系樹脂の融点との差が30℃以下である請求項1記載のポリオレフィン系繊維。
  3. 請求項1又は2に記載のポリオレフィン系繊維を含む織編物。
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