JP5254646B2 - ワーク加工方法およびワーク加工装置 - Google Patents

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本発明は、例えばワークの複数の所望位置に貫通孔(ビアホール)を形成する如き、ワーク加工方法およびワーク加工装置に関するものである。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状の半導体ウエーハの表面の分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスが形成される。そして、このような半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って分割し個々の半導体チップを製造している。ここで、製品の小型化、高機能化を図るため、複数の半導体チップを積層し、積層された半導体チップの電極を接続するモジュール構造が実用化されている。このモジュール構造には、半導体ウエーハの電極が形成された箇所に貫通孔(ビアホール)を形成し、この貫通孔に電極と接続するアルミニウム等の導電性材料を埋め込む構造が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような貫通孔を形成するための加工を効率よく形成することができるレーザ加工装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。このようなレーザ加工装置では、ワークを保持するチャックテーブルとワークにレーザ光線を照射するレーザ光線照射手段とをX軸方向に相対的に移動させるX軸方向送り手段と、チャックテーブルとレーザ光線照射手段とをY軸方向に相対的に移動させるY軸方向送り手段とを備え、レーザ光線照射手段をワークの所望の加工位置に位置付けて貫通孔を形成するようにしている。ここで、これらX軸方向送り手段やY軸方向送り手段は、例えばモータ駆動により回転するボールねじを軸方向に配設することにより構成され、かつ、一方の送り手段の機構が他方の送り手段の機構上に搭載される形で構成されている。
特開2003−163323号公報 特開2006−247674号公報
しかしながら、このようなレーザ加工装置は、X軸方向送り手段とY軸方向送り手段との送り方向が直交するように設計・製造されるが、現実には、その直交精度が十分に調整・維持できない場合や、ボールねじ自身の機械的精度に起因して軸方向送り量や送り方向にズレによる誤差を生じてしまうことがある。特に、一方の送り手段の機構が他方の送り手段の機構上に搭載される形で構成されている場合、上部側の送り手段の方が送り方向がブレやすいため、下部側の送り手段による軸方向送り位置によって、上部側の送り手段による送り方向にズレを生じやすい傾向にある。
このようなX軸方向、Y軸方向の軸送りに機械的誤差があると、ワーク上の所望の位置に位置付けて貫通孔を形成する際に、軸送りの機械的誤差の影響を受けて所望の位置からずれた箇所に貫通孔を形成してしまうこととなり、高精度な加工要求に応えることができないものとなってしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、X軸方向、Y軸方向の軸送りの機械的誤差の影響を受けることなく所望の加工位置に対する高精度な加工が可能なワーク加工方法およびワーク加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるワークの加工方法は、 ワークを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたワークを加工する加工手段と、前記チャックテーブルと前記加工手段とをXY直交座標系のX方向に平行なX軸方向に相対的に移動させる第1の送り手段と、前記チャックテーブルと前記加工手段とをX軸方向に略直交するY軸方向に相対的に移動させる第2の送り手段と、前記チャックテーブルと前記加工手段との相対的なX軸方向位置を検出する第1の位置検出手段と、前記チャックテーブルと前記加工手段との相対的なY軸方向位置を検出する第2の位置検出手段と、前記加工手段との位置関係が固定されて、前記チャックテーブルに保持されたワークを撮像する撮像手段と、を備える加工装置を用いて、前記チャックテーブルに保持されたワークのXY直交座標系における所望の加工位置に前記加工手段で加工を施すワーク加工方法であって、前記チャックテーブル上で2次元平面内に分散配列されてXY直交座標系における設計座標値が各々設定された複数の基準パターンを用い、各々の設計座標値に基づいて前記チャックテーブルと前記加工手段とを順次相対的に移動させ前記第1の位置検出手段と前記第2の位置検出手段とに従って位置付けられて前記撮像手段によって順次撮像した前記各基準パターンの撮像座標値を求め、前記基準パターン毎に設計座標値に対する撮像座標値のズレ量を基準パターンズレ量として算出して第1のメモリに記憶させる基準パターンズレ量処理工程と、XY直交座標系における設計座標値が設定された所望の加工位置を含むワークを前記チャックテーブルに保持させるワーク保持工程と、前記チャックテーブル上に保持されたワークの所望の加工位置の設計座標値に基づいて前記チャックテーブルと前記加工手段とを相対的に移動させ前記第1の位置検出手段と前記第2の位置検出手段とに従って位置付けられて前記撮像手段によって当該所望の加工位置を撮像した場合の撮像座標値に生じ得る該加工位置の設計座標値に対する目標ズレ量を、前記第1のメモリに記憶された複数の基準パターンズレ量と該加工位置の設計座標値とに基づき予め算出して第2のメモリに記憶させる目標ズレ量処理工程と、前記チャックテーブル上に保持されたワークの所望の加工位置の加工に際して、前記第2のメモリに記憶された当該所望の加工位置に対する目標ズレ量に基づいて該所望の加工位置の設計座標値に補正を施し、補正された設計座標値に基づいて前記チャックテーブルと前記加工手段とを相対的に移動させ前記加工手段を当該設計座標値の加工位置に位置付けて加工させる加工制御工程と、を含み、前記基準パターンズレ量処理工程は、基準パターンズレ量として、X方向成分を記憶させ、前記目標ズレ量処理工程は、加工位置の設計座標値に対する目標ズレ量として、X方向成分を記憶させ、前記加工制御工程は、目標ズレ量のX方向成分に基づいて所望の加工位置の設計座標値のX座標値に補正を施し、前記第1の送り手段による送り量を前記第1の位置検出手段に従い制御するとともに、所望の加工位置の設計座標値のY座標値に基づいて前記第2の送り手段による送り量を1次元でリニアに制御することを特徴とする。
本発明にかかるワーク加工方法およびワーク加工装置によれば、チャックテーブル上で2次元平面内に分散配列されてXY直交座標系における設計座標値が各々設定された複数の基準パターンを用い、各基準パターンを順次撮像手段に位置付けて撮像することで基準パターン毎の基準パターンズレ量を記憶させておき、対象となるワーク上の所望の加工位置に加工手段を位置付けた場合に生じ得る目標ズレ量を、これら基準パターンズレ量と所望の加工位置の設計座標値とに基づいて予め算出して記憶させておき、実際の加工に際しては、この目標ズレ量に基づいて所望の加工位置の設計座標値を補正して加工手段を位置付けるようにしたので、第1の送り手段や第2の送り手段による各々の軸送りのXY直交座標系平面内における座標位置に応じた誤差分布を考慮した適正な補正が可能となり、よって、X軸方向、Y軸方向の軸送りの機械的誤差の影響を受けることなく所望の加工位置に対して高精度に加工を行わせることができるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態であるワーク加工方法およびワーク加工装置について図面を参照して説明する。本実施の形態は、ワーク加工装置として、ワークの所望の加工位置にレーザ光線の照射によりビアホール(貫通孔)を形成するレーザ加工装置への適用例で説明するが、本発明は、このようなレーザ加工装置に限定されるものではない。
図1は、本実施の形態のレーザ加工装置の制御系の一部を含め主要部を示す外観斜視図である。本実施の形態のレーザ加工装置1は、チャックテーブル2と、加工手段であるレーザ光線照射ユニット3と、第1の送り手段4と、第2の送り手段5と、第1の位置検出手段6と、第2の位置検出手段7と、撮像手段8と、制御手段10とを備えている。
チャックテーブル2は、多孔性材料から形成された吸着チャック21を備え、この吸着チャック21上に加工対象となるワークを図示しない吸引手段によって保持するとともに、円筒部材22内に配設された図示しないパルスモータによって回転可能とされている。また、チャックテーブル2には、後述する環状フレームを固定するためのクランプ23が配設されている。
また、レーザ光線照射ユニット3は、先端に装着された集光器31がチャックテーブル2に対して上空から対向するように固定基台11上に固定的に配置されたもので、集光器31からパルスレーザ光線を照射する。また、撮像手段8は、集光器31との位置関係が固定された状態でレーザ光線照射ユニット3の一部に配設されてチャックテーブル2に対向し、チャックテーブル2に保持されたワークを撮像するためのものである。この撮像手段8は、ワークを照明する照明手段と、この照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、この光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備え、撮像した画像信号を制御手段10に送る。
また、本実施の形態のレーザ加工装置1におけるXY直交座標系のX方向、Y方向を図1中の矢印で示す方向にとった場合、第1の送り手段4は、チャックテーブル2をレーザ光線照射ユニット3に対してX方向に平行なX軸方向に移動させるためのものであり、第2の送り手段5は、チャックテーブル2をレーザ光線照射ユニット3に対してX軸方向に略直交するY軸方向に移動させるためのものである。ここで、第2の送り手段5は、チャックテーブル2とともに第1の送り手段4を搭載した滑動ブロック51と、この滑動ブロック51をY軸方向に移動させるための一対の案内レール52と、一対の案内レール52間に平行に配設されたボールねじ53と、このボールねじ53を回転駆動するためのパルスモータ54等の駆動源とにより構成されている。ボールねじ53は、その一端が静止基台11に固定された軸受ブロック55により回転自在に支持され、他端がパルスモータ54の出力軸に連結されている。なお、ボールねじ53は、滑動ブロック51の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ねじブロックに形成された貫通雌ねじ孔に螺合され、パルスモータ54によってボールねじ53を正転および逆転駆動することにより、チャックテーブル2が搭載された滑動ブロック51は案内レール52に沿ってY軸方向に移動する。
一方、第1の送り手段4は、チャックテーブル2を搭載した滑動ブロック41と、この滑動ブロック41をX軸方向に移動させるために滑動ブロック51上に設けられた一対の案内レール42と、一対の案内レール42間に平行に配設されたボールねじ43と、このボールねじ43を回転駆動するためのパルスモータ44等の駆動源とにより構成されている。ボールねじ43は、その一端が滑動ブロック51に固定された軸受ブロック45により回転自在に支持され、他端がパルスモータ44の出力軸に連結されている。なお、ボールねじ43は、滑動ブロック41の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ねじブロックに形成された貫通雌ねじ孔に螺合され、パルスモータ44によってボールねじ43を正転および逆転駆動することにより、チャックテーブル2が搭載された滑動ブロック41は案内レール42に沿ってX軸方向に移動する。
また、第1の位置検出手段6は、第1の送り手段4に付設されて、チャックテーブル2とレーザ光線照射ユニット3との相対的なX軸方向位置を検出するためのものである。この第1の位置検出手段6は、滑動ブロック51上で案内レール42に沿って配設されたX軸リニアスケール61と、滑動ブロック41に配設されて滑動ブロック41とともにX軸リニアスケール61に沿って移動しこのX軸リニアスケール61を読み取る図示しないX軸読取ヘッドとからなる。X軸読取ヘッドにより読み取られた結果であるX軸座標値は、制御手段10に対して出力される。X軸読取ヘッドは、例えば1μm毎に1パルスのパルス信号を出力するように設定されている。そして、制御手段10は、入力されたパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル2に対するレーザ光線照射ユニット3の相対的なX軸方向位置を検出する。
なお、本実施の形態のように第1の送り手段4の駆動源としてパルスモータ44を用いている場合には、パルスモータ44に駆動信号を出力する制御手段10の駆動パルスをカウントすることにより、チャックテーブル2に対するレーザ光線照射ユニット3の相対的なX軸方向位置を検出するようにしてもよい。また、第1の送り手段4の駆動源としてサーボモータを用いた場合であれば、サーボモータの回転数を検出するロータリーエンコーダが出力するパルス信号を制御手段10に送り、制御手段10が入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル2に対するレーザ光線照射ユニット3の相対的なX軸方向位置を検出するようにしてもよい。
同様に、第2の位置検出手段7は、第2の送り手段5に付設されて、チャックテーブル2とレーザ光線照射ユニット3との相対的なY軸方向位置を検出するためのものである。この第2の位置検出手段7は、静止基台11上で案内レール52に沿って配設されたY軸リニアスケール71と、滑動ブロック51に配設されて滑動ブロック51とともにY軸リニアスケール71に沿って移動しこのY軸リニアスケール71を読み取る図示しないY軸読取ヘッドとからなる。Y軸読取ヘッドにより読み取られた結果であるY軸座標値は、制御手段10に対して出力される。Y軸読取ヘッドは、例えば1μm毎に1パルスのパルス信号を出力するように設定されている。そして、制御手段10は、入力されたパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル2に対するレーザ光線照射ユニット3の相対的なY軸方向位置を検出する。
なお、本実施の形態のように第2の送り手段5の駆動源としてパルスモータ54を用いている場合には、パルスモータ54に駆動信号を出力する制御手段10の駆動パルスをカウントすることにより、チャックテーブル2に対するレーザ光線照射ユニット3の相対的なY軸方向位置を検出するようにしてもよい。また、第2の送り手段5の駆動源としてサーボモータを用いた場合であれば、サーボモータの回転数を検出するロータリーエンコーダが出力するパルス信号を制御手段10に送り、制御手段10が入力したパルス信号をカウントすることにより、チャックテーブル2に対するレーザ光線照射ユニット3の相対的なY軸方向位置を検出するようにしてもよい。
また、制御手段10は、コンピュータによって構成されたもので、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)101と、加工処理用の制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)102と、後述するワークの設計値のデータや演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)103と、カウンタ104と、入力インタフェース105および出力インタフェース106とを備えている。入力インタフェース105には、第1の位置検出手段6、第2の位置検出手段7、撮像手段8等からの検出信号が入力される。出力インタフェース106は、パルスモータ44、54、レーザ光線照射ユニット3等に制御信号を出力する。なお、RAM103は、後述する基準パターン毎の基準パターンズレ量を格納する記憶領域である第1のメモリ103aや、所望の加工位置毎の目標ズレ量を格納する記憶領域である第2のメモリ103bおよびその他の記憶領域を備えている。また、本実施の形態のCPU101は、加工処理用の制御プログラムに従い実行される基準パターンズレ量処理手段、目標ズレ量処理手段、加工制御手段の機能を備えている。
図2は、本実施の形態のレーザ加工装置1に用いられるワーク200の構成例を示す平面図であり、図3は、その一部を拡大して示す平面図である。ワーク200は、主にシリコンウエーハ、サファイアウエーハ、チップパッケージ、基板、DAF、ガラス等であって、数μmオーダの加工精度が要求されるものである。本実施の形態のワーク200は、例えば半導体ウエーハであり、その表面200aに格子状に配列された複数の分割予定ライン201によって複数の領域が区画され、区画された領域にIC,LSI等のデバイス202が各々形成されている。各デバイス202は、全て同一構成のものである。また、デバイス202の表面には各々図3に示すように複数の電極203(203a〜203j)が形成されている。なお、本実施の形態では、電極203a,203f、電極203b,203g、電極203c,203h、電極203d,203i、電極203e,203jは、XY直交座標系におけるY方向の位置(Y座標値)が同一となるように設定され、これら電極203(203a〜203j)部分に各々ビアホール(貫通孔)が形成されるものである。
各デバイス202における電極203(203a〜203j)のY方向(図3における左右方向)の間隔A、および各デバイス202に形成された電極203における分割予定ライン201を挟んでY方向に隣接する電極、すなわち電極203e,203aの間隔Bは、各々同一間隔となるように設定されている。また、各デバイス202における電極203のX方向(図3における上下方向)の間隔C、および各デバイス形成された電極203における分割予定ライン201を挟んでX方向に隣接する電極、すなわち電極203f,203aの間隔Dは、各々同一間隔となるように設定されている。このように構成された半導体ウエーハからなるワーク200について、図2中に示す各行E1,E2,…,Enおよび各列F1,F2,…,Fnに配設されたデバイス202の個数と上記各間隔A,B,C,Dは、その設計値のデータがRAM103中の所定の記憶領域に格納されている。したがって、各電極203はワーク200上で所望の加工位置となるもので、後述のようにチャックテーブル2上に保持させてアライメントさせた状態では、電極203毎にXY直交座標系における設計座標値が予め設定されているものとなる。
このようなレーザ加工装置1において、まず、ワーク200に形成された各デバイス202の電極203(203a〜203j)部にレーザ加工によるビアホール形成の基本動作について説明する。
まず、上述のように構成されたワーク200は、図4に示すように、環状のフレーム210に装着されたポリオレフィン等の合成樹脂シートからなる保護テープ220に表面200aを上側にして貼着する。環状フレーム210に保護テープ220を介して支持されたワーク200は、チャックテーブル2上に保護テープ220を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによりワーク200は、保護テープ220を介してチャックテーブル2上に吸引保持される。また、フレーム210は、クランプ23によって固定される。
上述したようにワーク200を吸引保持したチャックテーブル2は、第1、第2の送り手段4,5によって撮像手段8の直下に位置付けられる。この状態で、チャックテーブル2に保持されたワーク200に形成されている格子状の分割予定ライン201がX方向とY方向とに対して各々平行に配設されているか否かのアライメント作業を実施する。すなわち、撮像手段8によってチャックテーブル2上のワーク200を撮像し、パターンマッチング等の画像処理を実行して分割予定ライン201がXY直交座標系に合うようにアライメント作業を行う。
次に、チャックテーブル2を移動させ、ワーク200に形成されたデバイス202中の最上位の行E1の図5において最左端のデバイス202を撮像手段8の直下に位置付け、さらにこのデバイス202に形成された電極203(203a〜203j)における図5において左上の電極203aを撮像手段8の直下に位置付ける。この状態で撮像手段8がこの電極203aを検出したら、そのX,Y座標値(a1)を制御手段10に送る。制御手段10は、このX,Y座標値(a1)を第1の送り開始位置座標値としてRAM103中の所定の記憶領域に格納する。このとき、撮像手段8とレーザ光線照射ユニット3の集光器31は、Y軸方向に所定の間隔をおいて配設されているので、Y座標値は撮像手段8と集光器31との間隔を加えた値が格納される(撮像に基づく座標値は、以下同様に処理される)。
このようにして図5において最上位の行E1のデバイス202における第1の送り開始位置座標値(a1)を検出したら、チャックテーブル2を分割予定ライン201の間隔でX軸方向に送るとともに、Y軸方向に移動させて、図5において最上位から2番目の行E2における最左端のデバイス202を撮像手段8の直下に位置付け、さらにこのデバイス202に形成された電極203(203a〜203j)における図5において左上の電極203aを撮像手段8の直下に位置付ける。この状態で撮像手段8が電極203aを検出したら、そのX,Y座標値(a2)を制御手段10に送る。制御手段10は、このX,Y座標値(a2)を第2の送り開始位置座標値としてRAM103中の所定の記憶領域に格納する。
以後、上述したX軸方向の送りとY軸方向の送り開始位置検出処理を図5において最下位の行Enまで繰り返し実行し、各行に形成されたデバイス202のY軸送りの開始位置座標値(a3〜an)を検出し、RAM103中の所定の記憶領域に格納する。
次に、ワーク200の各デバイス202に形成された各電極203(203a〜203j)部分にビアホールを穿孔する穿孔工程を実施する。穿孔工程は、まず、RAM103中に格納されている第1の送り開始位置座標値(a1)に基づいて第1、第2の送り手段4,5を作動しチャックテーブル2を移動させて、第1、第2の位置検出手段6,7に従い第1の送り開始位置座標値(a1)の位置を集光器31の直下に位置付ける。この状態で、集光器31から所望の加工を施すのに必要な所定パルス分のパルスレーザ光線を照射するようにレーザ光線照射ユニット3を制御するとともに、チャックテーブル2をY軸方向に所定の移動速度で送るように第2の送り手段5を制御する。したがって、第1の送り開始位置座標値(a1)の電極203a部分に所定パルス分のパルスレーザ光線が照射される。
一方、制御手段10は、第2の位置検出手段7のY軸読取ヘッドからの検出信号を入力しており、この検出信号をカウンタ104によってカウントしている。そして、カウント値が電極203の図3においてY方向の間隔Aに相当する値に達したら、レーザ光線照射ユニット3を作動し、集光器31から所定パルス分のパルスレーザ光線を照射するように制御する。この後も、制御手段10は、カウンタ104によるカウント値がY方向の間隔Aおよび間隔Bに達する度に、集光器31から所定パルス分のパルスレーザ光線を照射するようにレーザ光線照射ユニット3を制御する。
そして、ワーク200のE1行の最右端のデバイス202に形成された最右端の電極203jが集光器31に達したら、集光器31から所定パルス分のパルスレーザ光線を照射するようにレーザ光線照射ユニット3を制御した後、第2の送り手段5の作動を停止してチャックテーブル2の移動を停止する。この結果、ワーク200には、各電極203(図示せず)部分にビアホール用のレーザ加工孔が形成される。
次に、制御手段10は、集光器31に対してチャックテーブル2をX軸方向に送るように第1の送り手段4を制御する。また、制御手段10は、第1の位置検出手段6のX軸読取ヘッドからの検出信号を入力しており、この検出信号をカウンタ104によってカウントしている。そして、カウント値が電極203のX方向の間隔Cに相当する値に達したら、第1の送り手段4の作動を停止する。この結果、集光器31は電極203eと同列の電極203jの直上に位置付けられる。
この状態で、制御手段10は、集光器31から所定パルス分のパルスレーザ光線を照射するようにレーザ光線照射ユニット3を制御するとともに、チャックテーブル2をY軸方向に所定の移動速度で送るように第2の送り手段5を制御する。そして、制御手段10は、第2の位置検出手段7のY軸読取ヘッドからの検出信号をカウンタ104によりカウントし、そのカウント値がY方向の間隔Aおよび間隔Bに達する度に、集光器31から所定パルス分のパルスレーザ光線を照射するようにレーザ光線照射ユニット3を制御する。
そして、ワーク200のE1行の最右端に形成された電極203fが集光器31に達したら、集光器31から所定パルス分のパルスレーザ光線を照射するようにレーザ光線照射ユニット3を制御した後、第2の送り手段5の作動を停止してチャックテーブル2の移動を停止する。この結果、ワーク200には、各電極203部分にレーザ加工孔が形成される。
以上のようにして、ワーク200のE1行のデバイス202に形成された電極203部分にレーザ加工孔が形成されたら、制御手段10は、RAM103中に格納されている第2の送り開始位置座標値(a2)に基づいて第1、第2の送り手段4,5を作動し、ワーク200のE2行のデバイス202に形成された電極203用の第2の送り開始位置座標値(a2)の位置を集光器31の直下に位置付ける。そして、レーザ光線照射ユニット3、第1、第2の送り手段4,5を制御し、ワーク200のE2行のデバイスに形成された電極203部分に上述した穿孔工程を実施する。以後、ワーク200のE3〜En行のデバイス202に形成された電極203部分に対しても上述した穿孔工程を実施する。この結果、ワーク200の各デバイス202に形成された全ての電極203部分にレーザ加工孔が形成される。
ここで、上述した基本動作は、第1の送り手段4による送り方向であるX軸方向と第2の送り手段5による送り方向であるY軸方向とが直交し、かつ、送り量にバラツキがないとの前提によるものである。しかしながら、現実には、X軸方向とY軸方向との直交精度が十分に調整・維持できない場合や(X軸方向とY軸方向とは本来直交するように設計されるが、直交状態からずれる場合があるので、本発明では、Y軸方向をX軸方向に略直交する方向と規定する)、ボールねじ43,53自身の機械的精度に起因して軸方向送り量や送り方向にズレによる誤差を生じてしまうことがある。本実施の形態では、このような事情を考慮し、基本動作に適正な補正処理を加えることで、所望の加工位置である各電極203部分に精度よく貫通孔を形成できるようにするものである。
図6は、本実施の形態におけるワーク加工方法の制御例を示す概略フローチャートである。まず、CPU101により実行される基準パターンズレ量処理手段の機能によって、基準パターンズレ量処理工程を実行する。この工程は、概略的には、チャックテーブル2上で2次元平面内に分散配列されてXY直交座標系の設計座標値が各々設定された複数の基準パターンP11〜Pmnを用い、各々の設計座標値に基づいてチャックテーブル2とレーザ光線照射ユニット3とを順次相対的に移動させ第1、第2の位置検出手段6,7に従って位置付けられて撮像手段8によって順次撮像した各基準パターンP11〜Pmnの撮像座標値を求め、基準パターンP11〜Pmn毎に設計座標値に対する撮像座標値のズレ量を基準パターンズレ量として算出して第1のメモリ103aに記憶させるものである。
本実施の形態では、図7に示すように基準パターンP11〜Pmnを含むワーク類似のゲージワーク300を予め用意しておき、このゲージワーク300をチャックテーブル2上に吸引保持させる。このようにゲージワーク300がチャックテーブル2上にセットされることにより(ステップS1;Yes)、基準パターンズレ量処理工程が開始される。
ここで、基準パターンP11〜Pmnは、チャックテーブル2上の2次元平面内で等ピッチ、等間隔で均等に分散配列された点状マークからなり、アライメント処理後のXY直交座標系における設計座標値が予め設定されたものである。チャックテーブル2上に保持されたゲージワーク300は、例えば図7に示すように、第1の送り手段4による送り方向であるX軸方向にXY直交座標系のX方向が平行となるように撮像手段8による撮像画像を用いた画像処理によってアライメント処理される。
なお、本実施の形態では、各基準パターンP11〜Pmnの設計座標値のX座標値、Y座標値は、例えば図8に示すようにマトリックス状に設定されている。例えば、基準パターンP11,P21,P31,…,Pm1は、同じY座標値Y1をとるように設定され、基準パターンP12,P22,P32,…,Pm2は、同じY座標値Y2をとるように設定され、…、基準パターンP1n,P2n,P3n,…,Pmn、同じY座標値Ynをとるように設定されている。また、基準パターンP11,P12,P13,…,P1nは、同じX座標値X1をとるように設定され、基準パターンP21,P22,P23,…,P2nは、同じX座標値X2をとるように設定され、…、基準パターンPm1,Pm2,Pm3,…,Pmnは、同じX座標値Xmをとるように設定されている。このような基準パターンP11〜Pmnの各々の間隔は、狭いほど加工精度は上がる(解像度は上がる)が、基準パターンズレ量を求める処理時間が長くなってしまうので、精度、時間等を考慮して適宜設定すればよいが、本実施の形態では例えば5mm間隔に設定されている。
ゲージワーク300のセット、アライメントが終了したら、例えばゲージワーク300上の基準パターンP11の設計座標値(X1,Y1)に基づき第1、第2の送り手段4,5によってチャックテーブル2を移動させて第1、第2の位置検出手段6,7による移動位置の検出結果に従って基準パターンP11を撮像手段8の直下に位置付け、撮像手段8で基準パターンP11を撮像することで撮像座標値を求める。この際、送り誤差等がなければ、基準パターンP11は撮像手段8の画像上の中心に位置し、撮像座標値は設計座標値に一致するが、送り誤差があると、基準パターンP11は撮像手段8の画像上の中心からずれた位置に撮像される。そして、求められた撮像座標値の設計座標値(X1,Y1)に対するズレ量(ΔX11,ΔY11)を基準パターンP11の基準パターンズレ量として算出する(ステップS2)。算出された基準パターンズレ量(ΔX11,ΔY11)を基準パターンP11に対応付けてRAM103の第1のメモリ103aに格納する(ステップS3)。
このような基準パターンを撮像手段8に位置付けるように第1、第2の送り手段4,5で移動させて撮像しズレ量を算出してRAM103の第1のメモリ103aに格納する処理を、残りの全ての基準パターンP12〜Pmnについても同様に行う(ステップS4)。図9は、基準パターンズレ量処理工程で得られた基準パターンP11〜Pmn毎の基準パターンズレ量の格納例を示す説明図である。
なお、このような基準パターンズレ量処理工程において、基準パターン欠け等により撮像手段8によって基準パターンを認識できなかった場合には、周囲の基準パターンの基準パターンズレ量を参照して補間するようにすればよい。
基準パターンズレ処理工程(ステップS1〜S4)が終了したら、ゲージワーク300を取り除いた後、図示しないワーク搬送手段によって加工処理の対象となるワーク200をチャックテーブル2上に搬送し、吸引手段を作動させて保持させる(ステップS5:ワーク保持工程)。チャックテーブル2上に保持されたワーク200は、アライメント処理により、図5に示すようなXY直交座標系に従う配置となるようにする(第1の送り手段4による送り方向であるX軸方向がX方向に平行になるようにする)。
このようなワーク200の保持セット状態で、CPU101により実行される目標ズレ量処理手段の機能によって、目標ズレ量処理工程を実行する。この工程は、概略的には、チャックテーブル2上に保持されたワーク200の所望の加工位置の設計座標値P(X,Y)に基づいてチャックテーブル2を第1、第2の送り手段4,5によって相対的に移動させ第1、第2の位置検出手段6,7に従って撮像手段8の直下に位置付け、位置付けられて撮像手段8によってこの設計座標値P(X,Y)の加工位置を撮像したと仮定した場合の撮像座標値に生じ得る設計座標値P(X,Y)に対する目標ズレ量(ΔX,ΔY)を、所望の加工位置の設計座標値P(X,Y)と上述の基準パターンズレ量処理工程で記憶された周囲の複数の基準パターンズレ量を参照して予め算出し(ステップS6)、算出された目標ズレ量(ΔX,ΔY)を所望の加工位置の設計座標値P(X,Y)に対応付けてRAM103中の第2のメモリ103bに格納させ(ステップS7)、この処理を加工対象となる全ての加工位置について行わせる(ステップS8)ものである。第2のメモリ103bでは、
P(X,Y)→(ΔX,ΔY)
の如く、加工位置の設計座標値とその目標ズレ量とが対応付けられて格納される。
ここで、所望の加工位置の設計座標値P(X,Y)が例えば図7中に示すような例の場合の目標ズレ量の算出例について説明する。まず、処理対象となる所望の加工位置の設計座標値P(X,Y)を囲む周囲4つの基準パターンを抽出する。図7に示す例では、四角枠で囲んだ基準パターンP11、P12,P21,P22の4つが該当する。図10は、この四角枠で囲んだ部分を抽出して拡大して示す説明図である。図中、黒丸が基準パターンP11〜P22の各々の設計座標値上の位置を示し、白丸が基準パターンズレ量処理工程における撮像座標値上の位置を示している。また、図中には、各々の設計座標値に対する撮像座標値のズレ量(基準パターンズレ量)が示されている。これら4点の基準パターンP11、P12,P21,P22の基準パターンズレ量を参照して、所望の加工位置の設計座標値P(X,Y)を目標としてチャックテーブル2を移動させた場合に生じ得る目標ズレ量(ΔX,ΔY)を予め推定して算出するものである。黒塗り星印が所望の加工位置の設計座標値上の位置を示し、白抜き星印が推定により算出される撮像座標値上の位置を示している。
まず、図11を参照して所望の加工位置の設計座標値P(X,Y)に対するX方向のズレ量ΔXの算出例について説明する。図11を参照すれば、座標Yの位置で座標X1,X2上に生じ得るズレ量ΔX112,ΔX212は、比例配分により、
ΔX112=ΔX11+(ΔX12−ΔX11)(Y−Y1)/(Y2−Y1)
ΔX212=ΔX21+(ΔX22−ΔX21)(Y−Y1)/(Y2−Y1)
となる。よって、設計座標値P(X,Y)に対するX方向のズレ量ΔXは、座標Y上でのX方向の比例配分により、
ΔX=ΔX112+(ΔX212−ΔX112)(X−X1)/(X2−X1)
として求められる。
あるいは、図12に示すようにズレ量ΔXを算出するようにしてもよい。図12を参照すれば、座標Xの位置で座標Y1,Y2上に生じ得るズレ量ΔX121,ΔX122は、比例配分により、
ΔX121=ΔX11+(ΔX21−ΔX11)(X−X1)/(X2−X1)
ΔX122=ΔX12+(ΔX22−ΔX12)(X−X1)/(X2−X1)
となる。よって、設計座標値P(X,Y)に対するX方向のズレ量ΔXは、座標X上でのY方向の比例配分により、
ΔX=ΔX121+(ΔX121−ΔX122)(Y−Y1)/(Y2−Y1)
として求められる。
また、図13を参照して所望の加工位置の設計座標値P(X,Y)に対するY方向のズレ量ΔYの算出例について説明する。図13を参照すれば、座標Yの位置で座標X1,X2上に生じ得るズレ量ΔY112,ΔY212は、比例配分により、
ΔY112=ΔY11+(ΔY12−ΔY11)(X−X1)/(X2−X1)
ΔY212=ΔY21+(ΔY22−ΔY21)(X−X1)/(X2−X1)
となる。よって、設計座標値P(X,Y)に対するY方向のズレ量ΔYは、座標Y上でのX方向の比例配分により、
ΔY=ΔY112+(ΔY212−ΔY112)(Y−Y1)/(Y2−Y1)
として求められる。
あるいは、図14に示すようにズレ量ΔYを算出するようにしてもよい。図14を参照すれば、座標Xの位置で座標Y1,Y2上に生じ得るズレ量ΔY121,ΔY122は、比例配分により、
ΔY121=ΔY11+(ΔY21−ΔY11)(Y−Y1)/(Y2−Y1)
ΔY122=ΔY12+(ΔY22−ΔY12)(Y−Y1)/(Y2−Y1)
となる。よって、設計座標値P(X,Y)に対するY方向のズレ量ΔYは、座標X上でのY方向の比例配分により、
ΔY=ΔY121+(ΔY121−ΔY122)(X−X1)/(X2−X1)
として求められる。
このような目標ズレ量の算出処理は、所望の加工位置となるワーク200上の全ての電極203について同様に行われ、算出結果は、RAM103の第2のメモリ103bに格納される。
なお、目標ズレ量処理工程において、例えば図7中の所望の加工位置P´(X,Y)のように、周囲4点の基準パターンが存在しない場合には、同列の基準パターンの基準パターンズレ量を利用した最小二乗法等による補外処理により基準パターンズレ量を算出した仮想基準パターンPa,Pbを設定し、設定された仮想基準パターンを含む4点に基づいて加工位置P´(X,Y)の目標ズレ量を算出するようにすればよい。
全ての加工位置に対する目標ズレ量を算出して記憶させる目標ズレ量処理工程(ステップS6〜S8)が終了したら、チャックテーブル2上に保持されているワーク200の所望の加工位置にレーザ光線照射ユニット3によってレーザ光線を照射することにより貫通孔(ビアホール)を形成する穿孔工程を実行させる。この処理は、補正制御処理を伴うため、CPU101により実行される加工制御手段の機能によって、加工制御工程として実行する。まず、ワーク200上の対象となる加工位置を設定し(ステップS9)、対象となる加工位置の設計座標値を、RAM103の第2のメモリ103bに格納されている対応する目標ズレ量に基づいて補正し、補正された設計座標値に基づいて第1、第2の送り手段4,5によってチャックテーブル2を相対的に移動させ、第1、第2の位置検出手段6,7による位置検出結果に従い位置付けを行うことで、所望の加工位置をレーザ光線照射ユニット3の集光器31の直下に位置付ける(ステップS10)。この位置で、チャックテーブル2の移動を停止させ、集光器31からレーザ光線を照射させることで、加工位置(電極部分)に貫通孔(ビアホール)を形成する加工処理を実行させる(ステップS11,S12)。このような処理制御を、残りの他の加工位置についても同様に繰り返す(ステップS13)。
ここで、図10を参照して設計座標値の補正について説明する。例えば、設計座標値P(X,Y)の加工位置に加工を行う場合、この設計座標値P(X,Y)を目標として第1、第2の送り手段4,5によりチャックテーブル2を移動させ、その移動位置を第1、第2の位置検出手段6,7で管理する場合、送り手段4,5のX軸方向、Y軸方向の軸送りの機械的誤差に起因して、(ΔX,ΔY)だけずれた位置が集光器31に対して位置付けられてしまうことになる。すなわち、設計座標値P(X,Y)を目標とした場合、(X+ΔX,Y+ΔY)の座標位置にずれてしまう。そこで、実際の加工に際しての位置付けは、設計座標値を目標ズレ量ΔX,ΔY分だけ補正し(X−ΔX,Y−ΔY)、補正された設計座標値P(X−ΔX,Y−ΔY)を目標とすることで、丁度、設計座標値P(X,Y)の位置が集光器31の直下となるように制御することができる。
これにより、第1、第2の送り手段4,5のX軸方向、Y軸方向の軸送りの機械的誤差の影響を受けることなく所望の加工位置に対して高精度に加工を行わせることができる。特に、本実施の形態では、チャックテーブル2上で2次元平面内に分散配列された複数の基準パターンP11〜Pmnを用いて基準パターンズレ量を万遍なく算出しておくことで、XY直交座標系平面内における座標位置に応じた誤差分布情報を取得でき、このような複数の基準パターンズレ量を参照して所望の加工位置に対する目標ズレ量を予め算出しておき、実際の加工時には目標ズレ量に基づいて所望の加工位置の設計座標値を補正するので、各々の加工位置に応じた誤差分布を考慮した適正な補正が可能となる。従来のように補正をしない場合には、3〜10μm/200mm程度の誤差があったが、本実施の形態のように補正点となる基準パターンを5mm間隔で設定して上記のように補正を行った場合には、1μm/200mm以下の誤差に収めることができたものである。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、所望の加工位置に対してこれを囲む周囲4点の基準パターンの基準パターンズレ量を参照して目標ズレ量を算出するようにしたが、所望の加工位置を囲めばよく、最低3点の基準パターンの基準パターンズレ量を参照して目標ズレ量を算出するようにしてもよい。あるいは、所望の加工位置を囲む5点以上の多点の基準パターンの基準パターンズレ量を参照することで、算出される目標ズレ量の精度を上げるようにしてもよい。特に、基準パターンの間隔が粗い場合には効果的となる。例えば、所望の加工位置を囲む周囲16点の基準パターンの基準パターンズレ量を抽出し、曲面方程式である3次元ベジェ曲線等を用いた多項式近似により目標ズレ量を算出するようにすれば、周囲4点の場合の直線近似に比して、基準パターンズレ量の分布に応じた、より適正な値を算出することができる。
また、本実施の形態では、基準パターンズレ量を算出するために、基準パターンP11〜Pmnを有する専用のゲージワーク300を用いるようにしたが、各基準パターンのXY直交座標系における設計座標値が確定されたものであればよく、例えば、このような基準パターンを有する通常のワークであってもよい。さらには、ワークの加工痕を基準パターンとして利用することで、基準パターンズレ量を算出するようにしてもよい。或いは、ワークを用いることなく、チャックテーブル2の表面に直接基準パターンが設けられていてもよい。
また、このような基準パターンP11〜Pmnを用いて基準パターンズレ量を算出して記憶させる処理は、ワーク加工毎に毎回行うようにすれば、装置稼動中にX軸とY軸の直交度が変化したような経時的な軸送り誤差にも対処することができ、加工精度は向上するが、タクトは低下する。よって、基準パターンを用いて基準パターンズレ量を算出して記憶させる処理を行うタイミングは、要求される精度、効率等を考慮し、ワーク加工毎、カセットにセットされた一群のワーク加工毎、一日の加工開始時等、適宜設定すればよい。
また、本実施の形態では、基準パターンズレ量として、(ΔX11,ΔY11)の如く、X方向成分とY方向成分とを記憶させ、加工位置の設計座標値に対する目標ズレ量として、(ΔX,ΔY)の如く、X方向成分とY方向成分とを記憶させ、目標ズレ量のX方向成分ΔXとY方向成分ΔYとに基づいて所望の加工位置の設計座標値のX座標値およびY座標値に補正を施し、第1、第2の送り手段4,5による送り量を第1、第2の位置検出手段6,7に従い制御するようにしたが、基準パターンズレ量として、ΔX11の如きX方向成分のみを記憶させ、加工位置の設計座標値に対する目標ズレ量として、ΔXの如きX方向成分のみを記憶させ、目標ズレ量のX方向成分に基づいて所望の加工位置の設計座標値のX座標値に補正を施し、第1の送り手段4による送り量を第1の位置検出手段6に従い制御するとともに、所望の加工位置の設計座標値のY座標値に基づいて第2の送り手段4による送り量を、図示しないレーザ測長器等を用いて、1次元でリニアに制御するようにしてもよい。
これは、下方に位置してY軸方向の送りを行わせる第2の送り手段5と、第2の送り手段5に搭載されてX軸方向の送りを行わせる第1の送り手段4とでは、軸送りに際して生ずる機械的な誤差の大きさに差があり、第2の送り手段5による送りはY軸方向には直線的で比較的安定しているのに対して、第1の送り手段4による送りはブレやすいためである。例えば、図9等に示す基準パターンズレ量中、Y方向の成分に関しては、X座標の位置による誤差(ブレ)が少ないため、ΔY11≒ΔY21≒ΔY31≒…ΔYm1=ΔY1、ΔY12≒ΔY22≒ΔY32≒…ΔYm2=ΔY2、…、ΔY1n≒ΔY2n≒ΔY3n≒…ΔYmn=ΔYnの如く1次元にまとめることができ、Y軸方向の送り制御は、従来から行われているレーザ測長器等による1次元リニア制御で行わせるようにしてもよい。
また、本実施の形態は、レーザ加工により貫通孔(ビアホール)を形成する加工例についての適用例で説明したが、このような適用例に限らず、所望の加工位置に加工を施すものであれば、同様に適用可能である。また、加工手段としても、レーザ光線照射ユニット3を用いるレーザ加工に限らず、例えば、円盤状のブレードを用いてワークの所望の加工位置にチョッパカットを施すような場合にも同様に適用可能である。
本発明の実施の形態のレーザ加工装置の制御系の一部を含め主要部を示す外観斜視図である。 本実施の形態のレーザ加工装置に用いられるワークの構成例を示す平面図である。 ワークの一部を拡大して示す平面図である。 フレームに装着されたワークを示す斜視図である。 ワークがチャックテーブルの所定位置に保持された状態における座標との関係を示す説明図である。 本実施の形態におけるワーク加工方法の制御例を示す概略フローチャートである。 ゲージワークにおける基準パターン例を示す説明図である。 基準パターンのXY直交座標配置例を示す説明図である。 基準パターンズレ量の格納例を示す説明図である。 所望の加工位置に対する周囲4点の基準パターン例を示す説明図である。 目標ズレ量のX成分の算出例を示す説明図である。 目標ズレ量のX成分の他の算出例を示す説明図である。 目標ズレ量のY成分の算出例を示す説明図である。 目標ズレ量のY成分の他の算出例を示す説明図である。
符号の説明
1 レーザ加工装置
2 チャックテーブル
3 レーザ光線照射手段
4 第1の送り手段
5 第2の送り手段
6 第1の位置検出手段
7 第2の位置検出手段
8 撮像手段
103a 第1のメモリ
103b 第2のメモリ
200 ワーク
300 ゲージワーク

Claims (1)

  1. ワークを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたワークを加工する加工手段と、前記チャックテーブルと前記加工手段とをXY直交座標系のX方向に平行なX軸方向に相対的に移動させる第1の送り手段と、前記チャックテーブルと前記加工手段とをX軸方向に略直交するY軸方向に相対的に移動させる第2の送り手段と、前記チャックテーブルと前記加工手段との相対的なX軸方向位置を検出する第1の位置検出手段と、前記チャックテーブルと前記加工手段との相対的なY軸方向位置を検出する第2の位置検出手段と、前記加工手段との位置関係が固定されて、前記チャックテーブルに保持されたワークを撮像する撮像手段と、を備える加工装置を用いて、前記チャックテーブルに保持されたワークのXY直交座標系における所望の加工位置に前記加工手段で加工を施すワーク加工方法であって、
    前記チャックテーブル上で2次元平面内に分散配列されてXY直交座標系の設計座標値が各々設定された複数の基準パターンを用い、各々の設計座標値に基づいて前記チャックテーブルと前記加工手段とを順次相対的に移動させ前記第1の位置検出手段と前記第2の位置検出手段とに従って位置付けられて前記撮像手段によって順次撮像した前記各基準パターンの撮像座標値を求め、前記基準パターン毎に設計座標値に対する撮像座標値のズレ量を基準パターンズレ量として算出して第1のメモリに記憶させる基準パターンズレ量処理工程と、
    XY直交座標系における設計座標値が設定された所望の加工位置を含むワークを前記チャックテーブルに保持させるワーク保持工程と、
    前記チャックテーブル上に保持されたワークの所望の加工位置の設計座標値に基づいて前記チャックテーブルと前記加工手段とを相対的に移動させ前記第1の位置検出手段と前記第2の位置検出手段とに従って位置付けられて前記撮像手段によって当該所望の加工位置を撮像した場合の撮像座標値に生じ得る該加工位置の設計座標値に対する目標ズレ量を、前記第1のメモリに記憶された複数の基準パターンズレ量と該加工位置の設計座標値とに基づき予め算出して第2のメモリに記憶させる目標ズレ量処理工程と、
    前記チャックテーブル上に保持されたワークの所望の加工位置の加工に際して、前記第2のメモリに記憶された当該所望の加工位置に対する目標ズレ量に基づいて該所望の加工位置の設計座標値に補正を施し、補正された設計座標値に基づいて前記チャックテーブルと前記加工手段とを相対的に移動させ前記加工手段を当該設計座標値の加工位置に位置付けて加工させる加工制御工程と、
    を含み、
    前記基準パターンズレ量処理工程は、基準パターンズレ量として、X方向成分を記憶させ、
    前記目標ズレ量処理工程は、加工位置の設計座標値に対する目標ズレ量として、X方向成分を記憶させ、
    前記加工制御工程は、目標ズレ量のX方向成分に基づいて所望の加工位置の設計座標値のX座標値に補正を施し、前記第1の送り手段による送り量を前記第1の位置検出手段に従い制御するとともに、所望の加工位置の設計座標値のY座標値に基づいて前記第2の送り手段による送り量を1次元でリニアに制御することを特徴とするワーク加工方法。
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