JP5254292B2 - 自動車用灯火または指示装置の構成部品上に、装飾図柄を形成する方法 - Google Patents

Description

本発明は、自動車用の灯火または指示装置の構成部品上に、装飾的な図柄または図形を形成する方法に関する。さらに具体的には、この方法を適用して、前照灯または指示灯のカバーまたは本体上に図柄を形成することに関する。

自動車メーカは、ほとんど大抵の場合、特定の図柄または図形が、灯火または指示装置に付いていることを要求する。これらの図柄は、精密で消えることのないものであり、前照灯用カバーまたは指示灯の本体などの幾つかの構成部品上に形成され、通常は、ほとんど美的外観のためだけに設けられている。

第１の方法では、これらの構成部品を成形する金型に刻印することによって、このような図柄または図形を形成するが、この方法は、融通性が欠けるため、金型内部で摩耗が生じるおそれがある。また金型は、摩耗しやすく、不純物が混入する恐れもある。

第２の方法は、装飾すべき構成部品上にインキを付着させることである（スクリーン印刷）。この方法は、構成部品の耐用期間にわたるインキの固着性に問題があり、紫外線に対する耐性にも問題がある。

第３の方法は、マスキング、すなわち選択的塗布システムによって、塗料を使って図柄を描くことである。しかし、この方法は、装飾対象の構成部品とマスクの間に塗料が浸潤するので、必ずしも厳密な境界を画することができない。

第４の方法は、いわゆるイン・モールド装飾（ＩＭＤ）式の装飾フィルムなどの挿入物を追加することである。この方法は、コストが高く、しかもフィルムの熱成形に関して問題がある。

本発明の目的は、自動車用灯火または指示装置の構成部品上に、装飾図柄を作成する方法を提供することである。本方法によれば、特定の刻印の付いた金型を利用せずに、また塗料、不退色インキ、またはフィルムなどの挿入物を使用せずに、カバーまたは本体、もしくは基部材などの構成部品上に、低コストで精密な図柄を形成することができる。

この目的のために、本発明は、自動車用灯火または指示装置上に装飾図柄を形成する方法を提案するものであるが、この方法には、前記構成部品自体を所定の材料で作製するステップが含まれる。

本発明の方法は、前記構成部品の少なくとも１つの表面をレーザ放射に曝すステップを含んでいる。

本明細書では、「構成部品」という用語は、灯火または指示装置の要素を意味し、この装置から外に向けて発する光線の生成に関与するものではなく、例えば、灯火または指示（方向指示）装置のカバー、または本体もしくは基部材である。

本発明では、プラスチック材（金属被覆しても、しなくてもよい）などの材料で、例えば、成形によって作製した構成部品から始める。次いで、レーザ技術によって、前記構成部品が金属被覆してある場合は、それに施した金属被覆を選択的に除去可能であり、あるいは構成部品のプラスチック材を直接照射することもできる。

特定の金属被覆表面を除去しても、プラスチック材に影響を与えることはなく、したがって、プラスチック材料の部分を露出させることができる。この部分が、特定の装飾図柄に対応する。プラスチック材を着色すれば、出現する図柄自体は、この着色した色になる。

レーザをプラスチック材に直接照射すると、プラスチック材の色を変化させることができる。このようにして、プラスチック材上に図柄を直接作成できるが、その色は、レーザ放射のパラメータによって決まる。

したがって、このような方法は、無地の構成部品から開始可能であり、任意の種類の図柄を作成するために、高い融通性を提供する。本方法は、マスク、挿入物、またはマーキング材料のいずれも使用するものではない。

前記構成部品の複数の表面を、前記レーザ放射に曝すことが好ましい。

したがって、構成部品上に複数の図柄を形成することができる。これらの図柄は、同一形状でもよいし、互いに異なっていてもよい。

第１実施形態では、本方法は、前記構成部品をレーザ放射に曝す前記ステップの前に、この部品を完全に金属被覆するステップを含むが、前記曝すステップは、前記金属被覆した構成部品の少なくとも１つの表面上の金属を、レーザ放射によって選択的に除去するステップである。

第２実施形態では、前記所定の材料はプラスチック材であり、それをレーザ放射に曝す前記ステップは、前記表面の色を前記プラスチック材の色に対して変化させるものである。

ＹＡＧレーザ、炭酸ガス・レーザ、または機械加工用レーザによって、レーザ放射を実行することが好ましい。

本発明は、本発明の方法によって得られる、自動車用灯火または指示装置の構成部品にも関するが、前記構成部品は、所定の材料からなり、レーザ放射に曝した後に得られる少なくとも１つの表面を有する。

さらに本発明は、本発明の方法によって得られる、自動車用灯火または指示装置の構成部品にも関する。この構成部品は、プラスチック材であり、金属被覆表面と、レーザ放射による金属の選択的な除去後に得られる非金属被覆表面とを有する。

前記プラスチック材を着色することが好ましい。

前記プラスチック材は、熱可塑材であることが好ましい。

前記構成部品は、レーザ放射に曝した後に得られる複数の表面を有することが好ましい。

したがって、構成部品上に複数の装飾図柄を得ることができる。

本発明の他の特徴および利点は、本発明の実施形態の以下の説明から明らかになるが、その説明は単なる例示であり、決して限定するものではない。

図１は、本発明の方法によって得られた装飾図柄を有するカバーを含む前照灯４１を模式的に示す。

詳細には、前照灯４１は、
ハウジング４２、
保護用の前面ガラス４６、
楕円形の前照灯レンズ４７、および
カバー４３を備えている。

ハウジング４２、保護ガラス４６、およびカバー４３から成る３つの要素を、熱可塑材で射出成形する。

カバー４３は、楕円形の前照灯レンズ４７用に、２つの開口４４を有する。

カバー４３は、２つの表面４８を有し、これらの２つの表面４８は、それぞれ複数の黒い菱形４９を備えている。

カバー４３は、黒体の色に着色した熱可塑材で射出成形してある。

次いで、カバー４３をアルミニウム被膜で完全に被覆する。

次いで、黒い菱形４９が出現するように、このアルミニウム被膜を選択的に除去する。

したがって、本方法によると、装飾図柄またはロゴを有するカバーを、低コストで作製することができる。

当然であるが、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。

具体的には、レーザ放射に曝した説明の材料は、プラスチックとアルミニウムであったが、他の金属その他の材料でもよい。

さらに、本発明を前照灯カバーの場合のみについて説明したが、後部灯火要素など、自動車分野の灯火、または方向指示目的に使用する他の装置にも、等しく適切に応用可能である。

図１は、本発明の方法によって作成した装飾図柄を有するカバーを備える前照灯の模式図である。

４１ 前照灯
４２ ハウジング
４３ カバー
４４ 開口
４６ 保護用前面ガラス
４７ 前照灯レンズ
４８ 表面
４９ 黒い菱形

Claims (7)

1. 自動車用灯火または指示装置の構成部品上に装飾図柄を形成する方法であって、所定の材料で前記構成部品を作製するステップを含み、前記方法は、
   前記構成部品の１つの表面をメタライズするステップと、
   前記構成部品のメタライズされた表面を直接レーザー放射に曝すステップを含み、
   前記レーザー放射に直接曝すステップは、構成部品のメタライズされた表面上の金属をレーザー放射により選択的に除去するステップであり、前記構成部品は、灯火または指示装置の要素であり、前記装置から外側に放射する光線の生成に関与しない、方法。
2. 前記構成部品は、灯火または指示装置のマスク、本体または基部材である、請求項１記載の方法。
3. 前記構成部品は、プラスチック材である、請求項１または２記載の方法。
4. 前記プラスチック材は、熱可塑性プラスチック材である、請求項３記載の方法。
5. 前記構成部品は、成形により作製された、請求項１〜４のいずれか１項に記載の方法。
6. 特定表面の除去は、熱可塑性プラスチック材に影響を与えず、また特定の装飾図柄に対応するプラスチックの領域が表れるようにする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の方法。
7. 装飾図柄またはロゴを有するマスクを低コストで作製することが可能である、請求項１〜６のいずれか１項に記載の方法。

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