JP5253359B2 - 冷媒状態判定装置 - Google Patents
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圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器がこの順に配管で接続されて冷媒を循環して熱交換を行う冷凍サイクル装置における冷媒流路の途中の所定の配置箇所に配置され、冷媒と周囲空気との間の熱流束を検出する熱流束検出センサと、
前記熱流束検出センサによって検出された熱流束検出値に基づいて、前記配置箇所における冷媒の状態を判定する判定部と
を備えたことを特徴とする。
(システム構成)
図1は、実施の形態1における冷媒状態判定システム1000の構成を示している。冷媒状態判定システム1000は冷媒状態判定装置100と冷凍サイクル装置500とを備えている。冷媒状態判定装置100は、複数の熱流束検出センサ110と、冷媒漏れ検知部300(判定部)とを備えている。冷媒漏れ検知部300は情報を記憶する記憶部310を備えている。
冷凍サイクル装置500の冷媒回路は、圧縮機501、凝縮器502、液溜503(冷媒槽の一例)、膨張機構504、蒸発器505、凝縮器用送風機506、蒸発器用送風機507、高圧液配管508、低圧ガス配管509から構成されている。液溜503の外周部(外郭)に複数の熱流束検出センサ110が高さ方向に任意の間隔を空けて複数個並んで取り付けられている。
図1での冷媒の流れ方と、液面検出の動作とを説明する。
(1)圧縮機501で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器502へ流入し、凝縮器502で放熱し、高温高圧の液冷媒または気液二相状態になり、液溜503へ液溜流入口503−1から流入する。
(2)液溜503へ流入した冷媒は、液溜503の下部から流出し、高圧液配管508を通って膨張機構504に流入し、膨張機構504で減圧されて低温低圧の二相冷媒となる。
(3)低温低圧の二相冷媒となった冷媒は蒸発器505へ流入し、蒸発器505で吸熱し低温低圧のガス冷媒となり、低圧ガス配管509を通って圧縮機501へ吸入される。
液面の測定については、図2に示すように、液溜503の外周に熱流束を測定可能な熱流束検出センサ110を、液溜503の高さ方向に任意の間隔を空けて複数個取り付ける。液溜503内の液相部分、気相部分と、液溜外郭との熱伝達は、凝縮を伴う気相部分のほうが大きい。
すなわち、
「液相部熱流束<気相部熱流束」
となる。よって、液相部と気相部との区別が容易に判定できる。
「熱流束検出センサ110−1の検出値>熱流束検出センサ110−2の検出値」
となった場合は、冷媒漏れ検知部300は、熱流束検出センサ110−1と熱流束検出センサ110−2との間に液面があると判断可能である。この場合、冷媒漏れ検知部300は、高さ方向に隣接する2つの熱流束検出センサ(熱流束検出センサ110−1、110−2)により検出された2つの熱流束検出値の差が、ゼロ(所定の値の一例)を超えるかどうかに基づいて、冷媒の液面位置を検出することになる。
なお、ノイズ等による誤判定を防ぐために、冷媒漏れ検知部300は、ある一定の「閾値α」を用いて、
「熱流束検出センサ110−1の検出値>熱流束検出センサ110−2の検出値+α」
となった場合に、熱流束検出センサ110−1と熱流束検出センサ110−2との間に液面があると判定しても良い。この場合、冷媒漏れ検知部300は、高さ方向に隣接する2つの熱流束検出センサ(熱流束検出センサ110−1、110−2)により検出された2つの熱流束検出値の差が、閾値α(所定の値の一例)を超えるかどうかに基づいて、冷媒の液面位置を検出することになる。
次に図4、図5を参照して、実施の形態2の冷媒状態判定システム1000を説明する。
実施の形態2の冷媒状態判定システム1000は、冷媒状態判定装置100の熱流束検出センサ110が第一の温度検出部111を備えた構成である。この第一の温度検出部111の検出温度に基づき、実施の形態1で述べた液面判定に使用する「閾値α」を補正する。
また、冷媒漏れ検知部300は、熱流束検出センサ110によって検出された液面位置から冷媒の体積を算出する場合、実施の形態1と同様に、次のように算出する。冷媒漏れ検知部300は、冷媒飽和圧力検出部210と冷媒温度検出部220を備えているが、まず熱流束検出センサ110によって検出された液面位置から冷媒の体積を算出する。そして、冷媒漏れ検知部300は、冷媒飽和圧力検出部210と冷媒温度検出部220とから液冷媒密度を算出し、この液冷媒密度と液面位置から算出した冷媒の体積とから、液溜めに貯留している冷媒量を算出する。なお、熱流束検出センサ110、冷媒飽和圧力検出部210、冷媒温度検出部220により検出すべきデータ以外の冷媒量計算に必要なデータ(液溜503の形状を示す冷媒槽形状データなど)は、記憶部310に予め格納されている。
図6を参照して実施の形態3を説明する。実施の形態3は簡易な構成とした熱流束検出センサ120に関する。熱流束検出センサについては、一般に市販されている熱流束センサを用いても良いが、図6に示す簡易構造の熱流束検出センサ120を用いてもよい。図6の熱流束検出センサ120は、第二の温度検出部121(底面側温度検出部)と、第三の温度検出部122(上面側温度検出部)と、熱伝導率の低い熱抵抗部材123とを備えている。
上記のように、熱流束検出センサ120は、第二の温度検出部121、第三の温度検出部122、熱抵抗部材123を備えている。熱抵抗部材123は、底面121−1と、底面121−1から厚みぶん離れた上面122−1とを有する板状体であり、液溜503の外郭部材の熱伝導率よりも低い熱伝導率の断熱材である。例えば熱抵抗部材123の熱伝導率は液溜503の外郭部材の熱伝導率よりも3桁程度小さく、0.1W/(m・K)以下である。第二の温度検出部121(底面側温度検出部)は、底面121−1に接触して取り付けられ、温度を検出可能である。底面121−1側は液溜503の外郭側に取り付けられる。第三の温度検出部122(上面側温度検出部)は、上面122−1に接触して取り付けられ、温度を検出可能である。上面122−1側は周囲空気側である。
図6の構成の熱流束検出センサ120については、液溜503の外周(外郭)に接触する第二の温度検出部121は、液溜外郭の熱伝導率が大きいため、気相部、液相部によらず同じ温度が検出される。そこで、第二の温度検出部121と第三の温度検出部122との間に、熱伝導率の低い熱抵抗部材123を挟むことで、気相部と液相部との間で、第三の温度検出部122の検知温度に差が生じる。これにより、冷媒の気相部、液相部を判定できる。
「液相部の熱流束<気相部の熱流束」
である。このため、液溜503側の第二の温度検出部121の検出温度と、第三の温度検出部122との検出温度との検出温度差が次のようになる。
すなわち、
「液相部の検知温度差>気相部の検知温度差」
となる。冷媒漏れ検知部300は、熱流束検出センサ120による検知温度差から、液面位置を判定することができる。
図7を参照して実施の形態4の熱流束検出センサ130を説明する。熱流束検出センサ130は、実施の形態3で述べた熱流束検出センサ120が、さらに、熱を発する発熱体131を備えた構成である。図7に示す自己発熱型の熱流束検出センサ130は、第二の温度検出部121(液溜503側は温度略一定)と第三の温度検出部122との温度差を大きくして検知精度を向上させようとする構成である。冷媒と周囲空気温度の差が小さい場合は、熱流束の差が小さくなり、検知精度が低下する可能性がある。このような場合、図7のように抵抗などの発熱体131を設けて熱抵抗部材123加熱することで熱流束を強制的に大きくすることができ、検知精度が向上する。ただし、この場合は、熱の流れが逆となるため、蒸発を伴う液相部のほうが熱流束が大きくなる。つまり、
「液相部の熱流束>気相部の熱流束」
となり、
「液相部の検知温度差<気相部の検知温度差」
となる。
次に図8〜図10を参照して実施の形態5の冷媒状態判定システム1000を説明する。実施の形態5では冷凍サイクル装置500が液溜503を備えず、アキュムレータ512を備えている。そして熱流束検出センサは、液溜503に設置されたのと同様の状態でアキュムレータ512に設置され、アキュムレータ512内の冷媒の液面、あるいは、オイル層を検出する。
「液相部熱流束>気相部熱流束」
となり、
「液相部の検知温度差<気相部の検知温度差」
となるため、液面位置の検出が可能である。
図9に示すように、冷媒飽和圧力検出部210、冷媒温度検出部220を備えた冷媒回路において、図5の場合と同様に、冷媒漏れ検知部300は、熱流束検出センサ110によって検出された液面位置から冷媒の体積を算出し、冷媒飽和圧力検出部210と冷媒温度検出部220との検出値から液冷媒密度を算出し、この液冷媒密度と液面位置から算出した冷媒の体積とから、アキュムレータ512内に貯留されている冷媒量を算出できる。
また、冷媒漏れ検知部300は、アキュムレータ512内に溜まっているオイルの熱伝達と、液相冷媒の熱伝達と、ガス冷媒の熱伝達との違いを利用して、アキュムレータ内に溜まっているオイル量の検知(オイル層の検知)も可能である。冷媒漏れ検知部300は、熱流束検出センサ110、冷媒飽和圧力検出部210、冷媒温度検出部220による検出情報以外に必要なデータは記憶部310に予め保有している。
「液冷媒密度>オイル密度>ガス冷媒密度」
となる場合は、図10に示すように、アキュムレータ512の下層に液冷媒、中間層にオイル、上層にガス冷媒が溜まる。このため、冷媒漏れ検知部300が複数の熱流束検出センサ110を介して、高さ方向の熱流束の違いを検出し、比較することで、オイルの体積(オイル層の一例)も判別可能である。
例えば、
「液冷媒部熱流束>オイル部熱流束>ガス冷媒部熱流束」
であれば、冷媒漏れ検知部300は、下部の熱流束に対して熱流束が小さくなる箇所がオイルの最下面と判定し、小さくなった熱流束が更に小さくなった箇所をオイルの最上面として、オイルが存在する範囲を判断する。これにより、冷媒漏れ検知部300はアキュムレータ512内に溜まっているオイル量を算出できる。
次に図11、図12を参照して実施の形態6を説明する。実施の形態6は、冷媒漏れ検知部300が、冷媒の乾き度を算出する実施形態である。
Claims (3)
- 冷媒の状態を判定する冷媒状態判定装置において、
圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器がこの順に配管で接続されて冷媒を循環して熱交換を行う冷凍サイクル装置における冷媒流路の途中の所定の配置箇所に配置され、冷媒と周囲空気との間の熱流束を検出する熱流束検出センサと、
前記熱流束検出センサによって検出された熱流束検出値に基づいて、前記配置箇所における冷媒の状態を判定する判定部と
を備え、
前記冷凍サイクル装置は、
前記冷媒流路の途中に配置されて気液二相の冷媒を溜める冷媒槽を備え、
前記冷媒状態判定装置は、
複数の前記熱流束検出センサを備え、
前記複数の熱流束検出センサは、
前記冷媒槽の外郭において前記冷媒槽の高さ方向に並べて設置され、
前記判定部は、
前記複数の熱流束検出センサのそれぞれによって検出されたそれぞれの熱流束検出値に基づいて、前記冷媒槽に溜められた液状の冷媒の液面位置を検出し、
前記冷凍サイクル装置は、前記冷媒槽として、
前記蒸発器の出口と前記圧縮器の吸入口とを接続する流路の途中に配置されたアキュムレータを備え、
前記判定部は、
前記複数の熱流束検出センサのそれぞれによって検出されたそれぞれの熱流束検出値に基づいて前記アキュムレータ内に溜められた液状のオイル層を検出し、検出されたオイル層から前記オイル層に相当するオイルの量を算出することを特徴とする冷媒状態判定装置。 - 冷媒の状態を判定する冷媒状態判定装置において、
圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器がこの順に配管で接続されて冷媒を循環して熱交換を行う冷凍サイクル装置における冷媒流路の途中の所定の配置箇所に配置され、冷媒と周囲空気との間の熱流束を検出する熱流束検出センサと、
前記熱流束検出センサによって検出された熱流束検出値に基づいて、前記配置箇所における冷媒の状態を判定する判定部と
を備え、
前記冷凍サイクル装置は、
前記冷媒流路の途中に配置されて気液二相の冷媒を溜める冷媒槽を備え、
前記冷媒状態判定装置は、
複数の前記熱流束検出センサを備え、
前記複数の熱流束検出センサは、
前記冷媒槽の外郭において前記冷媒槽の高さ方向に並べて設置され、
前記判定部は、
前記複数の熱流束検出センサのそれぞれによって検出されたそれぞれの熱流束検出値に基づいて、前記冷媒槽に溜められた液状の冷媒の液面位置を検出し、
前記判定部は、
それぞれの熱流束検出センサによって検出されたそれぞれの熱流束検出値のうち前記高さ方向に隣接する2つの熱流束検出センサにより検出された2つの熱流束検出値の差が、所定の値を超えるかどうかに基づいて、冷媒の液面位置を検出し、
前記冷媒状態判定装置は、さらに、
前記冷媒槽の冷媒流入口の手前に設置されて前記冷媒槽に流れ込む冷媒の温度を検出する冷媒温度検出部を備え、
前記複数の熱流束検出センサのそれぞれの熱流束検出センサは、
周囲空気の温度を検出する周囲空気温度検出部を備え、
前記判定部は、
前記冷媒温度検出部によって検出された冷媒温度と、それぞれの熱流束検出センサの周囲空気温度検出部によって検出されたそれぞれの周囲空気の温度との差に基づいて、前記所定の値を補正することを特徴とする冷媒状態判定装置。 - 前記判定部は、
前記冷媒槽の形状を示す冷媒槽形状データを格納した記憶部を備えると共に検出された前記液面位置と前記冷媒槽形状データとに基づいて、前記冷媒槽に存在する液状の冷媒量を算出することを特徴とする請求項2記載の冷媒状態判定装置。
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