JPH0743193B2 - 冷媒過充填防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は，冷媒循環回路に冷媒を充填する際に，充填の
完了を検出するための冷媒過充填防止装置に関するもの
である。

（従来の技術） 一般に冷却装置は，第２図に示すように，コンプレッサ
2,コンデンサ3,レシーバドライヤ4,膨張弁５及びエバポ
レータ６を流通管７によりループ状に接続して冷媒循環
回路１が構成され，この冷媒循環回路１内を冷媒が循環
するようになっている。従来，冷媒充填装置８は，冷媒
貯蔵用のボンベ９とゲージマニホルド10とが供給管11に
より接続され，ゲージマニホルド10から供給管11が分岐
してコンプレッサ２の高低圧両側の流通管７に接続され
ている。この冷媒充填装置８においては，冷媒の圧力を
ゲージマニホルド10のゲージを見ながら供給管11の途上
の弁12により調整するようになっている。

（発明が解決しようとする課題） 上記従来の冷媒充填装置８において，冷媒を充填する際
には，作業者が，冷媒循環回路１中の液ライン内または
レシーバドライヤ４内の冷媒の気泡が消滅するのを，サ
イトグラスを通して目視にて確認することにより充填作
業を終了している。即ち，冷媒の充填により冷媒循環回
路１内の冷媒の量が所定量に達すると，気泡が消えるの
で，これで充填の完了が確認できる。ところが，充填速
度が速すぎると，所定量に達しても気泡が消えず，その
まま充填を続けると過充填状態になってしまう。この冷
媒の充填速度と，気泡の消滅時期との関係を第３図，第
４図に示した。第３図，第４図において,AB間では適正
に充填量を確認することができる。ところが，冷媒の充
填速度が速すぎると，許容限界量のＣ点を越え,D点のよ
うに気泡が消える時点では既に冷媒の過充填状態になっ
ている。このように，冷媒の充填作業は，目視による確
認にばらつきが生じ易い上，充填速度によって気泡の消
滅と充填の完了にずれが生じるから，適量の冷媒を充填
することが困難で，作業に熟練を要する。

従って，本発明は，冷媒が過充填状態になることなく，
適正量を簡単に注入することができる冷媒過充填防止装
置を提供することを課題としている。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば，冷媒循環回路に包含され前記冷媒循環
回路の冷媒の圧力に応じて動作する第１のスイッチにて
駆動を制御されるコンプレッサにより前記冷媒循環回路
内に冷媒を充填する際の冷媒過充填を防止する装置にお
いて、前記第１のスイッチに前記コンプレッサの駆動の
制御を可能に接続された第２のスイッチと、前記冷媒循
環回路における高圧側で冷媒の気液混合状態を感知し前
記第２のスイッチを動作させる冷媒充填検出センサとを
設けたことを特徴とする冷媒過充填防止装置が得られ
る。

（作用） 本発明の冷媒過充填防止装置においては，冷媒充填装置
により冷媒を冷媒循環回路に充填する場合，循環回路内
に冷媒が注入されて所定の量まで上昇すると，高圧側の
流通管内で気液混合状態から液体のみの冷媒になる。液
体のみの冷媒になると，冷媒充填検出センサがこれを感
知して第２のスイッチを動作させる。第２のスイッチが
動作すると、第１のスイッチの動作時と同様にコンプレ
ッサの駆動が制御される。従って，冷媒の充填の完了を
確認することができ，コンプレッサが稼働を停止して冷
媒の注入を止める。この結果，過充填状態に至ることは
ない。

（実施例） 本発明の実施例を第１図に示す。なお，図中第２図に示
す従来のものと同一の構成部分には同一の符号を付して
説明を省略する。

第１図において，循環回路１のレシーバドライヤ４と膨
張弁５との間の流通管７には，高圧スイッチ（第１のス
イッチ）13及び冷媒充填検出センサ14が設けられてい
る。高圧スイッチ13は，流通管７内の冷媒の圧力が所定
の値以上になったら，スイッチOFFするようになってい
る。この高圧スイッチ13は，コンプレッサ２の駆動用電
源回路中に挿入されている。また，電源回路には電磁開
閉スイッチ（第２のスイッチ）15が挿入されている。

冷媒充填検出センサ14の一方の端子は電源に接続され，
他方の端子はアンプ16及び電磁開閉スイッチ15の電磁コ
イル17を介して接地されている。冷媒充填検出センサ14
には，光学式センサを用いる。光学式センサは，発光素
子と受光素子とを間隔をおいて突き合わせたものであ
る。そして，発光素子が冷媒中に発した光のうち透過光
を受光素子が受けることにより光の透過量を検出するよ
うになっている。一方，流通管７内の冷媒の量は，気液
の混合比に対応する。従って，光学式センサは，冷媒の
気液の混合比の相違による光の透過量の変化を感知し，
冷媒の気液の混合比に応じて電気出力を発することがで
きる。

この冷媒充填検出装置においては，冷媒充填装置８から
コンプレッサ２により冷媒の注入が行なわれる場合に，
冷媒充填検出センサ14が流通管７内の冷媒の気液の混合
比を光の透過量に基づいて検知する。もし，冷媒の充填
が完了すると気体状態の冷媒がなくなるので，これを冷
媒充填検出センサ14が感知して電気信号を出力する。こ
の電気信号をアンプ16で増幅する。この電流の通電によ
り電磁コイル17が励磁されて自動開閉スイッチ15がOFF
する。従って，コンプレッサ２の駆動電源回路が開き，
コンプレッサ２が稼働を停止する。この結果，たとえボ
ンベ９から冷媒循環回路１への流入速度が速くても，過
剰に充填することがない。

また，他の実施例として，上記実施例における光学式セ
ンサに代え，自己発熱タイプのサーミスタを用いてもよ
い。このサーミスタは，発熱抵抗体を主体として構成さ
れる。発熱抵抗体は，周囲の温度増加に応じて電気抵抗
が小さくなるようになっている。一方，例えばR-134aの
場合には，冷媒の熱伝導率は、液体の場合81.5mW/（m
K）、気体の場合13.1mW/（mK）であり、気化状態の冷媒
との混合比に応じて冷媒の熱伝導率は異なる。従って，
サーミスタは，発熱抵抗体の電気抵抗を利用することに
より冷媒の気液の混合比を感知して電気出力を発するこ
とができる。

また上述では冷媒供給源としてボンベを用いているが，
冷媒を収容した缶や，チャージングシリンダと一般に呼
ばれるものを使用可能なことは言うまでもない。

（発明の効果） 以上のように，本発明においては，冷媒循環回路の冷媒
の圧力に応じて動作しコンプレッサの駆動を制御する第
１のスイッチに対し第２のスイッチをコンプレッサの駆
動を同様に制御可能に接続し、冷媒循環回路における高
圧側の冷媒流通管に，冷媒の気液混合状態を感知し第２
のスイッチを動作させる冷媒充填検出センサを設けて冷
媒過充填防止装置を構成したため，目視による瞹味な確
認に頼らずに，冷媒を過不足なく，適正量を誰でも簡単
に注入することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】 第１図は冷媒循環回路及び本発明の冷媒充填検出装置の
概略図，第２図は従来の冷媒循環回路及び冷媒充填装置
の概略図，第３図は冷媒の充填量に対する圧力の変化を
示すグラフ，第４図は冷媒の充填時間に対する充填量の
変化を示すグラフである。 １……冷媒循環回路,2……コンプレッサ,7……冷媒流通
管,9……ボンベ,14……冷媒充填検出センサ,15……電磁
開閉スイッチ,17……電磁コイル。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 一光 群馬県伊勢崎市粕川町1671番地１ 日本電 子機器株式会社内 (56)参考文献 実開 平４−85079（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】冷媒循環回路に包含され前記冷媒循環回路
   の冷媒の圧力に応じて動作する第１のスイッチにて駆動
   を制御されるコンプレッサにより前記冷媒循環回路内に
   冷媒を充填する際の冷媒過充填を防止する装置におい
   て、前記第１のスイッチに前記コンプレッサの駆動の制
   御を可能に接続された第２のスイッチと、前記冷媒循環
   回路における高圧側で冷媒の気液混合状態を感知し前記
   第２のスイッチを動作させる冷媒充填検出センサとを設
   けたことを特徴とする冷媒過充填防止装置。
2. 【請求項２】前記冷媒充填検出センサが自己発熱タイプ
   のサーミスタであることを特徴とする請求項（１）に記
   載の冷媒過充填防止装置。
3. 【請求項３】前記冷媒充填検出センサが、冷媒の気液混
   合状態を光の透過量で検出する光学式センサであること
   を特徴とする請求項（１）記載の冷媒過充填防止装置。