以下、本発明の実施形態のシート搬送装置500と、このシート搬送装置を備えたシート処理装置200と、シート処理装置200を装置本体100Aに接続した画像形成装置100とを図に基づいて説明する。
なお、シートの幅方向とは、図1のシートの搬送方向Cと交差する方向(図2の矢印E方向)を言う。シートSの側端Sc(図2、図10)とは、シートの搬送方向に沿った縁(端部)を言う。シートの先端Sa(図2)とは、シートの搬送方向の下流端を言う。シートの後端Sb(図7、図10)とは、シートの搬送方向の上流端を言う。本実施の形態において、逆送とは、シートがシートの搬送方向の下流から上流、例えば搬送ローラ対206側から入口ローラ対201側へ搬送されることを言い、その方向を逆送方向D(図1、図8)と言う。
図1に示す一連の白黒/カラー画像を形成する画像形成装置100は、装置本体100Aと、シート処理装置200とで構成されている。
ここで、図14のフローチャートにしたがって本実施形に係る画像形成装置の基本的動作について説明する。まず、画像形成装置100は、ユーザによって、操作パネル401から、普通紙、コート紙、サイズ等のシートの特性情報(S141)、白黒かカラーか等の画像形成モード情報(S143)が入力される。また、その他の諸条件として例えば、シートを綴じるか否かの情報(S145)も入力される。
画像形成装置の装置本体100A内の給紙カセット101乃至104から選択的に給送されたシートは、画像形成部としてのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光体ドラム105乃至108に給送される。そして、シートは、4色のトナー像を転写されて、定着器110に搬送され、定着後、装置外に排出される(S147)。画像形成装置100の装置本体100Aから排出されたシートは、シート処理装置200内に搬送される。
次に、シート処理装置200内でシートが搬送される状態を説明する。
先ず、シートSは、入口ローラ対201によってシート処理装置200内へ搬送される。入口ローラ対201の下流側には、シートに孔をあける穿孔装置240が配置されている。穿孔装置240の下流側には、シートのシート搬送方向と交差する方向の位置、すなわち、シートの側端の位置を検知するシート位置検知部300が配置されている。シート位置検知部300は、シート搬送路212から退避した退避位置に退避しており、シートが搬送されてくると、シートの幅方向に移動して、シートの側端の位置を検知するようになっている。
シート搬送路212の下流側には、シート位置検知部300の検知情報に基づいて、搬送中のシートを搬送方向と直交する方向(シートの幅方向)に移動させ、シートの位置の変更を行うシート移動手段である横方向移動装置231が配置されている。横方向移動装置231は、2対の搬送ローラであるシフト搬送ローラ対203,204を有しており、そのローラ対によって、シートを下流側に搬送しながら、モータ292(図2)により、図2の手前奥方向(シートの幅方向)に移動させられるようになっている。ここで、手前とは、ユーザが操作部に臨んだときの装置の前面側を言い、装置の背面側を奥と言う。
したがって、シート処理装置200内へ搬送されたシートは、孔をあけられる場合、シート位置検知部300と横方向移動装置231とによって、シートの幅方向の位置を調整されてから、穿孔装置240に逆送されて、穿孔装置240によって孔をあけられる。
シートを搬送する搬送ローラ対206,207,208(図1)の下流側には、切替部材221が配設されている。切替部材221は、綴じないシートや、1枚ずつ排出されるシートの場合、上段トレイ250へ通じる上排出経路223を選択し、綴じられるシートや、束状にするシートの場合、搬送経路224を選択する。上排出経路223に案内されたシートは、上排紙ローラ対211を経由して、昇降自在な上段トレイ250上に排出される。
搬送経路224に案内されたシートは、搬送ローラ対209,210を経由して、切替部材222に案内されて、処理トレイ253上に排出される。処理トレイ253上に排出されたシートは、所定枚数排出されて束状になると、整合されて、平綴じステイプラ260によって、図1において右側の端部を綴じられる。その後、綴じられたシート束は、中段トレイ251に排出される。なお、シート束は、平綴じステイプラ260で綴じられないで、整合されただけで中段トレイ251に排出される場合もある。
搬送経路224に案内されたシートの内、切替部材222によって搬送路226に案内されるシートがある。このシートは、所定枚数を溜められてシート束になった後、シート搬送方向の略中央近傍を中綴じステイプラ261によって綴じられる。中綴じされたシート束は、折り装置262によって、綴じられた箇所を折られて、冊子状になって、下段トレイ252に排出される。中綴じステイプラ261と折り装置262は、製本装置263を構成している。
図2は、シート搬送装置500を図1の右側から見た図である。シート搬送装置500は、シート位置検知部300と横方向移動装置231等を備えている。シート搬送装置500は、後述するセンサ301によるシートの側端の検知によりシートの搬送方向と交差する方向のずれを修正するようになっている。
シート位置検知部300は、1対のプーリ281と、一方のプーリ281を回転させるモータ282と、一対のプーリ281に懸架されたベルト280と、ベルト280に固定されたセンサ301等を備えている。シート位置検知部300は、モータ282の回転によって、センサ301をシートの幅方向に移動させて、図1のシート搬送路212から脇に外れた待機位置と、図10の後述する第1の位置P1と、第2の位置P2とに選択的に移動させるようになっている。センサ301は、シートのシート搬送方向に沿った側端を検知して検知信号を発する検知手段である。本実施形態のセンサ301は、光センサであるが、シートに接触する接触センサであってもよい。シート位置検知部300の内、モータ282、ベルト280等は、センサ301をシート搬送方向と交差する方向(シートの幅方向)に移動させる移動手段である。
横方向移動装置(シフトユニット)231は、1対のプーリ291と、一方のプーリ291を回転させるモータ292と、一対のプーリ291に懸架されたベルト290と、ベルト290に固定された移動フレーム232等を備えている。移動フレーム232は不図示のガイド部材に案内されてシートの幅方向に往復移動できるようになっている。横方向移動装置231は、シートをシート搬送方向と交差する方向に移動させるシート移動手段である。
移動フレーム232には、シートを搬送する搬送手段としての回転体対であるシフト搬送ローラ対203,204と、このシフト搬送ローラ対203,204を正転と逆転とをさせる不図示のモータとが設けられている。横方向移動装置231は、モータ292の回転によって、シフト搬送ローラ対203,204をシートの幅方向に位置を調整できるようになっている。
図3は、画像形成装置の装置本体100Aと、シート処理装置200との制御ブロック図である。画像形成装置の装置本体の制御部402は、操作部、入力部である操作パネル401からの入力情報等によって、装置本体の駆動部403であるモータ、ソレノイド、クラッチ等を制御して作動部404のローラ、ベルト、切替部材等を作動させるようになっている。シート処理装置200の制御部410は、装置本体100Aの制御部402との信号の授受によって、シート処理装置内の駆動部411であるモータ、ソレノイド、クラッチ等を制御して、作動部412のローラ、ベルト、切替部材等を作動させるようになっている。なお、制御部410はシート搬送装置の制御部でもある。また、装置本体100Aの制御部402とシート処理装置200の制御部410は、一体に形成されて、装置本体100Aとシート処理装置200とのいずれか一方に設けられていてもよい。
図4は、シート処理装置200の制御部410を示すブロック図であり、制御される部分を本発明に関係する主な構成要素に分けた図である。
制御部410は、画像形成装置の装置本体100Aからの信号に基づいて、シート搬送するのに関係する部品であるローラ等の搬送部420、シート位置検知部300、横方向移動装置231、及び穿孔装置240等を制御するようになっている。
次に、図5乃至図9に基づいて、シートに孔をあける穿孔処理を説明する。図5において、穿孔装置240内には、後端ストッパ241が配置されている。後端ストッパ241は、シートに孔をあけるパンチ242の上流側に配設された回動軸243を中心に回動して、シート搬送路212を出没するようになっている。後端ストッパ241は、不図示のばねによって、常時、シート搬送路212内に突出する方向に回転付勢されている。後端ストッパ241は、シート搬送路212を搬送されてくるシートに押し退けられて、シート搬送路212より退避した位置に回転し、シートが通過するとシート搬送路212内に戻って突出するようになっている。
また、図5において、シートの先端部がシート位置検知部300に到達すると、シート位置検知部300のセンサ301は、シート搬送路212から外れた待機位置からシートの幅方向に移動して、シートの先端部の側端を検知する(S149)。
図6は、シートSがシートの幅方向の位置(シートの側端の位置)を基準位置としての第1の位置P1に位置を調整されるときの図である。図6において、シートの後端は、図6に示すように、入口ローラ対201から抜けている。横方向移動装置231は、シート位置検知部300の側端検知情報に基づいて、シート全体をシートの幅方向へ移動させる(S151)。一方、シートの側端を検知したセンサ301は、基準位置に対応する第1の位置P1に移動する(S153)。待機位置から移動したセンサ301の移動量をモータの回転数のカウント等により算出してシートの基準位置に対する位置を判断し、それによってシートの移動距離と移動方向を決める。シートは、幅方向に移動して、シートの先端部の側端、或いはそれよりか上流側の側端の中間部が、第1の位置P1(図10)に対応する位置で待機しているシート位置検知部300に検知されて、その位置に停止する。センサ301は、第1の位置P1に対応する位置で、シートの側端が基準位置としての第1の位置P1にいるか否かを検知する(S155)。
なお、シートは、第1の位置P1に移動されるとき、シフト搬送ローラ対203,204の回転の継続によって、シート搬送方向Cの下流側に搬送を継続しているが、搬送を停止して移動させてもよい。
なお、基準位置としての第1の位置P1は、シートのサイズ情報に基づいてシートの幅方向に位置変更可能になっている。
図7は、シートが下流側にある程度搬送された後、逆送されて、後端ストッパ241に上流端を当接させられるため、一旦停止した状態の図である。このとき、シートSの後端(図7において下端)Sbは、穿孔装置240内に留まっているが、後端ストッパ241には留まっていない。このため、後端ストッパ241は、不図示のばねによって、シート搬送路212内に進入している。
なお、シートは、図6の第1の位置P1に位置調整された後、一旦停止させられるまでの間に後述する動作によってシートの斜行(傾斜方向)を検知される。
図8は、シートの搬送方向が逆方向に変更されたときのシートの状態図である。
シートSは、搬送方向が逆方向に切り替わるため、一旦停止し、その後、シフト搬送ローラ対203,204が逆転することにより、シート搬送路212内を逆送されて、入口ローラ対201の方へ搬送される。このとき、シートSは、所定の位置(図10に示す第1の位置P1又は第2の位置P2)に停止しているシート位置検知部300のセンサ301に対して、横方向移動装置231によってシート幅方向へ移動される。この結果、シートは、シートの側端検知の信号が変化した位置で停止し、穿孔装置240に対するシート幅方向の最終的な位置決めをされる。
図9は、シートが、図8よりさらに逆送されて穿孔させられる状態になった図である。
逆送されたシートは、シートの後端Sb(図9の下端)が後端ストッパ241に突き当たって停止する。シートは、後端ストッパ241に突き当たるまで搬送されることにより、シートの斜行補正、及び、実際に孔あけをするパンチ242に対するシートの後端の位置決めが行われる。シートSは、パンチ242により孔あけをされる(S167)。そしてシートは、図1のシフト搬送ローラ対203,204、搬送ローラ対206,207,208によって切替部材221へ搬送され、そのまま排出されるか、或いは種々の処理をされて排出される。
次に、シート位置検知部300と横方向移動装置231とによって、シートを幅方向へ移動させて幅方向の位置調整をする動作の説明をする。
図10は、シートS1,S2と、シート位置検知部300との位置関係を示した状態図である。また、図10は、図面を簡略化するため、搬送されるシートを固定し、シート搬送方向に移動しないセンサ301が移動するようにしてある。
符号S1のシートと、符号S2のシートはそれぞれ斜行の方向が異なっている。符号Aは、図5に示すようにシートの先端部をシート位置検知部300が検知するときの検知領域を示したものであり、先端角部検知領域とする。符号Bは、シート搬送方向に搬送されてセンサ301によって検知される図8の位置にいるシートの後端角部Seの領域を示す、後端角部検知領域とする。なお、図5におけるシートは、図10(A)、(B)に示すように、シートの側端Scが第1の位置P1と一致していることが少なく、ほとんどが、第1の位置P1から外れていることが多い。図10(A)、(B)は、図面を簡略化するため、シートの側端Scが第1の位置P1と一致している状態の図にしてある。
図5において、シートは、センサ301の傍まで、シートの先端角部Sdが搬送されると、図2のモータ282によりシート位置検知部300のセンサ301が待機位置からシートの幅方向に移動してシートの先端角部の側端を検知する(S149)。
このとき、センサ301が待機位置から移動してシートの先端角部Sdの側端を検知するまでの距離(L1)を、モータ282が回転したパルス数を図4の制御部410がカウントして求める。一方、センサ301の待機位置と第1の位置P1との距離(L2)は、予め設定されている。待機位置から移動したセンサ301は、第1の位置P1の手前でシートの先端角部Sdの側端を検知する場合もあるし、第1の位置P1を越えて検知する場合もある。したがって、制御部410は、シートの先端角部Sdを第1の位置P1に移動させる距離(L3)を両方の距離から算出する(L3=L1−L2)とともに移動方向を決め、その距離(L3)、シートを幅方向に移動させるべく、図2のモータ292を回転させる。また、制御部410は、シートの先端角部の側端を検知した後のセンサ301を第1の位置P1に移動させて停止させる。
図2のモータ292の回転により、シフト搬送ローラ対203,204は、図6に示す状態のシートを上記距離(L3)だけ、シートの幅方向に移動させる。シートの側端が第1の位置P1に停止しているセンサ301により検知され、検知信号が変化する。この場合、シートは、図5の位置から図6の位置にシート搬送方向に搬送されるのでセンサ301に対応するシートのシート搬送方向の位置も変わり、斜めになっていると、距離(L3)だけシート幅方向に移動させされても、検知信号が変化するとは限らない。このような場合、シートは、検知信号が変化するまで、シートの幅方向に移動される。シートは、センサ301に検知され、検知信号が変化した位置で移動を停止される(S151,S153,S155)。このとき、シートは、側端がセンサ301を覆った状態で移動を停止させられる。このように、第1の位置P1を越えてシートの先端角部Sdの側端を検知した場合は、側端がセンサ301を覆うと検知信号が変化するのでそのまま移動を停止させてよい。逆に、第1の位置P1の手前で先端角部Sdの側端を検知した場合は、側端がセンサ301から離れることで検知信号が変化するため、再び側端がセンサ301を覆うまで逆方向に移動してから停止する。シート搬送方向において、センサ301が待機位置から移動してシートの先端角部Sdの側端を検知した位置と、シートを移動させて側端がセンサ301を覆った状態で移動が停止される位置との距離は小さく、L3と実際の移動距離の差も微小である。
なお、本実施形態のセンサ301の検知信号は、シートを検知するとONになり、検知しないとOFFになるようになっているが、ONとOFFは逆であってもよい。
シートは、シート搬送方向下流側に、図7に示す位置まで搬送されて、シート搬送方向が切り替わるとき、一旦停止する。シートは、図6の側端を第1の位置P1にいるセンサ301に側端の位置を合わせられてから図7の一旦停止させられるまでの間を利用して、制御部410によって、シート搬送方向に対して傾いているか否かを判断される(S157)。この斜行判断は、後述する。
その後、シートは、図8の一旦停止されたときを利用して、シート幅方向の位置を修正される。このシート幅方向の位置修正は、後述する。以下の説明では、シートが一旦停止したときを利用してシート幅方向の位置修正をしているが、これに限定されるものではない。例えば、停止させられる前又は後を利用して、さらには停止を含めた前後を利用してもよい。
次に、シートの斜行判断とシート幅方向の位置修正との関係について説明する。
シートが図8、図10(A)のようにシートS1の後端角部Se近くの側端Scが、第1の位置P1に対応する位置にいるセンサ301の上にある場合、センサ301の検知信号はONのままである。また、図10(B)のようにシートS2の後端角部Se近くの側端Scが第1の位置P1に対応する位置にいるセンサ301の上にいない場合、センサ301の検知信号は、ONからOFFに切り替わっている。
図10(A)のように、シートS1がシート搬送方向に対して左回転した状態に傾いている場合、センサ301の検知信号はONのままである。この場合、センサ301によるシートの側端の検知信号がONのままで変化していないので(シートの側端の検知状態が変化していないので)、制御部410は、シートS1がシート搬送方向に対して左回転した状態に傾いているものと判断する。
そこで、シートが図8のように一旦停止したとき、制御部410は、モータ292を制御して、シフト搬送ローラ対203,204をシートの幅方向に移動させて、シートS1を図10(C)において、左方向(矢印X1方向)に移動させる。シートS1が矢印X1方向に移動させられて、シートS1の後端角部Se近くの側端Scがセンサ301から外れ始めると、センサ301は、後端角部Se近くの側端Scを検知できなくなって、センサ301の検知信号はOFFになる。制御部410は、モータ292の回転を停止させて、シフト搬送ローラ対203,204のシート幅方向への移動を停止させる。このとき、シートS1は、制御部410がモータ292の回転を停止させても、モータ292、シフト搬送ローラ対203,204及びシート等の慣性によって、直ちに停止しないで、多少、左に移動する。そして、シートS1は、従来の図17(C)の符号S1で示すような位置で停止する。
なお、図17(C)は、シートが、センサ301の検知信号がOFFになった位置で停止しないで、慣性によって多少ずれた位置で停止することを説明するための図である。このため、シートは、必ずしも符号S1の位置で停止するとは限らない。
図10(B)のように、シートS2がシート搬送方向に対して右回転した状態に傾いている場合、センサ301の検知信号は、ONからOFFに切り替わる。この場合、センサ301によるシートの側端の検知信号がONからOFFに変化しているので(シートの側端の検知状態が変化しているので)、制御部410は、シートS1がシート搬送方向に対して右回転した状態に傾いているものと判断する。
そこで、シートが図8のように一旦停止したとき、制御部410は、モータ292を制御して、シフト搬送ローラ対203,204をシートの幅方向に移動させて、シートS2を図10(C)において、右方向(矢印X2方向)に移動させる。シートS1が矢印X2方向に移動させられて、シートS2の後端角部Se近くの側端Scがセンサ301を覆い始めると、センサ301は、後端角部Se近くの側端Scを検知してセンサ301の検知信号はONになる。制御部410は、モータ292の回転を停止させて、シフト搬送ローラ対203,204のシート幅方向への移動を停止させる。このとき、シートS2は、制御部410がモータ292の回転を停止させても、モータ292、シフト搬送ローラ対203,204及びシート等の慣性によって、直ちに停止しないで、多少、右に移動して従来の図17(C)の符号S2の位置で停止する。
なお、図17(C)は、シートが、センサがONになった位置で停止しないで、慣性によって多少ずれた位置で停止することを説明するための図である。このため、シートは、必ずしも符号S2の位置で停止するとは限らない。
このように、シートは、上記慣性によって、図17に示すように、矢印X1方向に移動して停止した位置と、矢印X2方向に移動して停止した位置とで、符号Gで示す距離だけ、停止位置が異なることになる。このため、後に、パンチ242でシートに孔をあけたとき、シートによって孔の位置がシートの幅方向に多少ずれていることあるので、幅方向位置ずれGが所定の値以上になったとき、幅方向位置ずれGを所定値以下に調整する必要がある。
そこで、制御部410が、センサ301の位置を調節して幅方向位置ずれGが少なくなるようにしている。すなわち、シートの位置を幅方向に調整するとき、図12(A)に示すようにシートS1の停止位置S1cにシートS2の停止位置S2cを合わせるようにしている。なお、図12(B)に示すようにシートS2の停止位置S2cにシートS1の停止位置S1cを合わせるようにしてもよい。また、幅方向位置ずれGの中間の位置に両方のシートS1,S2の停止位置S1c,S2cを合わるようにしてもよい。いずれにしても、幅方向位置ずれGが少なくするのには、両方のシートS1,S2の停止位置S1c,S2cを合わる必要がある。
図12(A)に示すように、シートS1の停止位置S1cにシートS2の停止位置S2cを合わせる場合について説明する。制御部410は、センサ301の検知信号の変化によってシートの傾斜方向を判断し、センサ301の検知信号がONからOFFに変わった場合(シートの側端の検知状態が変化した場合)、シートが図10(B)のように右回転して傾いていると判断する。そして、制御部410は、図2のモータ282を作動させ、センサ301を、シートS2の移動方向X2とは逆方向(矢印X1方向)に移動させる。すなわち、図10(C)、図11、図12(A)に示すように、センサ301を実線の位置から破線の位置である第2の位置P2に微小量Lだけ移動させる(所定量変更、S159)。この微小量Lの距離は、幅方向位置ずれG分であってもよい。
シートは、センサ301が移動された微小量L分だけ早く検知されるので、図12(A)に示すように、停止位置S2cをシートS1の停止位置S1cに合わせることができる。よって、シート搬送装置500は、シートのシート幅方向の位置を調整するとき、シートをシート幅方向のどちら側の方向から調整しても、シートの位置を同じに調整することができる。パンチ242は、シートの所定の位置に孔をあけることができる。
センサ301の検知信号がONのままである場合(シートの側端の検知状態が変化しない場合、S157でNO)、制御部410は、シートが図10(A)のように左回転して傾いていると判断する。この場合、制御部410は、センサ301を移動させず、モータ292の回転によってセンサ301の検知信号がOFFに変わるまでシートS1を移動させて停止させる。
以上の説明で、微小量Lの距離は、予め、不図示の記憶部に記憶されている。制御部410は、センサ301によってシートの傾き方向が検知されてから、モータ282を回転させて、センサ301を微小量L分だけ移動させるようになっている。制御部410は、モータ282が回転するときに発するパルスをカウントして、センサ301を微小量L分だけ移動させている。
以上説明したように、微小量Lは、所定量であり、センサ301が、横方向移動装置231によるシートの側端の移動方向により有から無に検知信号が変化する位置と、シートの側端の無から有に検知信号が変化する位置との差に基づき設定される。
したがって、制御部410は、基準位置に対応する第1の位置P1にあるセンサ301がシートの側端を検知するように横方向移動装置231によりシートを位置調整する。そして、制御部410は、シートがシフト搬送ローラ対203,204により搬送されることに伴うセンサ301によるシートの側端の検知の有無によって、シートがいずれの方向に傾斜しているかを判断する。その後、制御部は、判断した傾斜方向に基づいてシート位置検知部300によりセンサ301を微小量L移動(所定量移動)し、補正されたセンサで、シフト搬送ローラ対により搬送されるシートの側端を検知して、シートのシート幅方向のずれを修正する。
ところで、斜行しているシートには、斜行量が多く、位置ずれが発生する可能性があるシートと、斜行量が少なく位置ずれが発生する可能性が少ないシートとがある。斜行量が少ないシートには、シート幅方向に位置調整をする距離が実際は上記の微小量L移動させる必要がない場合がある。すなわち、図13に示すシートS3のように僅かに傾いていても、シートの搬送によって、センサ301の検知信号がONからOFFに変わることがある。すると、制御部410は、センサ301を図13に示すように第1の位置P1から第2の位置P2に移動させる。しかし、シートS3の斜行量が微小量L未満であるので、センサ301が第1の位置P1から第2の位置P2に移動する間にシートS3の後端角部Se近くの側端を検知する(S161でYES)。このような場合、制御部410は、センサ301を元の第1の位置P1に戻して、シートをそのまま穿孔装置240に逆送させて(S163)、穿孔装置240に穿孔動作を行わせる(S167)。したがって、シート搬送装置500は、シートのシート幅方向への位置調整動作において、斜行量が少なく、シート幅方向への位置調整をする必要のないシートを位置調整をすることを防止することができる。
なお、斜行量の多いシートは、センサ301が第1の位置P1から第2の位置P2に移動する間に検知されないので(S161でNO)、第2の位置P2に移動したセンサ301に検知されてシート幅方向への位置調整がされる。そして、シートは、穿孔装置240へ逆送されて(S165)、穿孔処理される(S167)。
したがって、制御部410は、センサ301を微小量L移動させている途中において、センサがシートの側端を検知した場合、横方向移動装置231の横移動を停止させることができる。
また、以上の説明したシート搬送装置は、シート位置検知部300を第1の位置P1から第2の位置P2に変更させてから穿孔処理に至るまでの間に、シートの姿勢を補正するために上流側に逆送させて、後端ストッパ241に突き当てるようになっている。しかし、シートの姿勢の補正を行った後に、シートの位置合せを行うシート搬送装置においては、シートを搬送(逆送)させる必要がない。図15は、その場合のフローチャートであり、図14のフローチャートと比較して、S163におけるシートの搬送(逆送)を行う必要がない。また、図14のS165に対応する図15のS262も、シートの搬送(逆送)を行う必要がない。なお、図15のS241からS261までとS267は、図14のS141からS161まで及びS167と同一であるので、説明を省略する。
以上の説明は、図10(A)、(B)の先端角部検知領域Aにおいてシートの側端がセンサ301を覆った状態(ON信号)からスタートする場合についての説明である。しかし、先端角部検知領域Aにおいてシートの側端がセンサ301を覆っていない状態(OFF信号)からスタートしてもよい。
以下、先端角部検知領域Aにおいてシートの側端がセンサ301を覆っていない状態(OFF信号)からスタートする場合について説明する。
この場合、制御部410は、S147乃至S155において、センサ301によってシートのシートの先端角部の側端がセンサ301を覆った状態にした後、センサ301の検知信号がOFFになる位置にシートを僅かに幅方向に移動させる処理を行う。
その後、制御部410は、シートの搬送によって、センサ301の検知信号の変化によってシートの傾斜方向を判断する。センサの検知信号がOFFのままの場合(シートの側端の検知状態が変化しない場合、S157でNO)、制御部410は、シートが図10(B)のように右回転して傾いていると判断する。この場合、制御部410は、センサ301を移動させず、モータ292の回転によってセンサ301の検知信号がONに変わるまでシートS2を移動させて停止させる(S162)。このとき、シートS2は、図12(B)において、符号S2cで示す位置で停止する。
しかし、シートの搬送によって、センサ301の検知信号がOFFからONに変わった場合(シートの側端の検知状態が変化した場合、S157でYES)、制御部410は、シートが図10(A)のように左回転して傾いていると判断する。この場合、制御部410は、図2のモータ282を作動させ、センサ301を、図12(B)において、矢印X2方向に移動させて、実線の位置から破線の位置である第2の位置P2に微小量Lだけ位置を変える(所定量変更、S159)。この微小量Lの距離は、幅方向位置ずれG分であってもよい。
シートは、センサ301が移動された微小量L分だけ早く検知されるので、図12(B)に示すように、停止位置S1cをシートS2の停止位置S2cに合わせられる。よって、シート搬送装置500は、シートのシート幅方向の位置を調整するとき、シートをシート幅方向のどちら側の方向から調整しても、シートの位置を同じに調整することができる。パンチ242は、シートの所定の位置に孔をあけることができる。このように、検知信号が逆パターンで変化した場合であっても本発明は有効である。
なお、以上の説明の内、図10(A)、(B)の先端角部検知領域Aにおいてシートの側端がセンサ301を覆った状態(ON信号)からスタートする構成についての説明があった。その説明において、図10(A)のシートS1のように左回転して傾いている場合、センサ301は、図12(A)の実線の位置である第1の位置に停止したままになっている。そして、図10(B)のシートS2のように右回転して傾いている場合、センサ301は、図12(A)に示すように、実線の位置から破線の位置である第2の位置P2に移動するようになっている。
しかし、シートが図10(B)のように傾いている場合、センサ301を移動させないで、図10(A)のように傾いている場合、センサ301を移動させてもよい。以下、このような場合について説明する。
すなわち、制御部410は、図10(A)、(B)の先端角部検知領域Aにおいてシートの側端がセンサ301を覆った状態(ON信号)からシートを搬送させる。
そして、制御部410は、シートの搬送によって、センサ301の検知信号の変化によってシートの傾斜方向を判断する。センサ301の検知信号がONからOFFに変わった場合(シートの側端の検知状態が変化した場合)、シートが図10(B)のように右回転して傾いていると判断する。この場合、制御部410は、センサ301を移動させず、モータ292の回転によってセンサ301の検知信号がONに変わるまでシートS2を移動させて停止させる。このとき、シートS2は、図12(B)において、符号S2cで示す位置で停止する。
しかし、シートの搬送によって、センサ301の検知信号がONのままの場合(シートの側端の検知状態が変化しない場合)、制御部410は、シートが図10(A)のように左回転して傾いていると判断する。この場合、制御部410は、図2のモータ282を作動させ、センサ301を、図12(B)において、矢印X2方向に移動させて、実線の位置から破線の位置である第2の位置P2に微小量Lだけ位置を変える。この微小量Lの距離は、幅方向位置ずれG分であってもよい。
シートは、センサ301が移動された微小量L分だけ早く検知されるので、図12(B)に示すように、停止位置S1cをシートS2の停止位置S2cに合わせることができる。よって、シート搬送装置500は、シートのシート幅方向の位置を調整するとき、シートをシート幅方向のどちら側の方向から調整しても、シートの位置を同じに調整することができる。パンチ242は、シートの所定の位置に孔をあけることができる。このように、シートの傾きが逆の場合においてセンサを第2の位置に移動させても本発明は有効である。
以上の説明は、シートの幅方向に移動可能な1つのセンサ301でシートを検知しているが、図16に示す、多数の検知部を有するラインセンサ431で検知してもよい。なお、ラインセンサ431を使用した場合、図2に示す、移動手段としてのモータ282、ベルト280等は必ずしも必要としない。
検知手段としてのラインセンサ431は、シートの側端を検知する多数(複数)の検知部e1、e2・・enをシート搬送方向と交差する方向に配列して有している。ラインセンサ431は、固定されており、どの検知部でシートの側端を検知したかによって、制御部402がシートの傾きを検知するようになっている。また、上記微小量Lの位置に相当する検知部を選択することによって、シートの幅方向位置ずれGを解消することができる。
すなわち、制御部402は、基準位置としての第1の位置P1に対応する検知部e5を選択し、検知部e5がシートの側端を検知するように、横方向移動装置231によって、シートの側端を検知部e5に検知される位置に移動する。その後、制御部410は、シフト搬送ローラ対203,204によってシートを下流側に搬送させながら、シートの側端を検知する検知部が変わることによって、シートがいずれの方向に傾斜しているかを判断する。例えば、図16(A)に示すように、シートS1の側端を検知して検知信号を発する検知部が符号e5で示す検知部から符号e6で示す検知部に変わったとき、制御部410は、シートS1が左に回転して傾いていると判断する。また、図16(B)に示すように、シートS2の側端を検知して検知信号を発する検知部が符号e5で示す検知部から符号e4で示す検知部に変わったとき、制御部410は、シートS2が右に回転して傾いていると判断する。
ここで、図16(A)のように、左に回転した傾きのシートS1を基準にして、シートS2のずれを調整する場合(図12(A)に相当する調整)について説明する。この場合、制御部402は、図16(B)に示すように、シートS2が右に回転して傾いている場合、第1の位置P1の検知部e5から微小距離Lの位置にある(所定量離れた)検知部e4を選択して第2の位置P2とする。したがって、シートS2は、図16(C)において、検知部e4に検知されるまで、矢印X2方向に移動されて、右に回転した傾きのシートS2は、左に回転した傾きのシートS1と同じ位置に位置調整される。
図16(B)のように、右に回転した傾きのシートS2を基準にして、シートS1のずれを調整する場合(図12(B)に相当する調整)について説明する。この場合、制御部402は、図16(A)に示すように、シートS1が左に回転して傾いている場合、第1の位置に対応する検知部e5から微小距離Lの位置にある(所定量離れた)検知部e6を選択して第2の位置P2とする。したがって、シートS1は、図16(C)において、検知部e6に検知されるまで、矢印X1方向に移動されて、左に回転した傾きのシートS1は、右に回転した傾きのシートS2と同じ位置に位置調整をすることができる。
なお、斜行量が少ないシートには、シート幅方向に位置調整をする距離が実際は上記の微小量L移動させる必要がない場合がある。すなわち、図13に示すシートS3のように僅かに傾いていても、シートの搬送によって、シートを検知する検知部の数が変わることがある。すると、制御部410は、検知部を図16に示すように第1の位置P1に対応する検知部e5から第2の位置P2に対応する検知部e4に切り替える。しかし、シートS3の斜行量が微小量L未満であるので、切り替えられた検知部e4がシートS3の後端角部Se付近の側端を検知する。このような場合、制御部410は、第1の位置P1に対応する検知部e5に戻して、シートをそのまま穿孔装置240に逆送させて穿孔装置240に穿孔動作を行わせる。すなわち、制御部410は、基準位置としての第1の位置P1にある検知部e5から所定量離れた他の検知部e4を選択したとき、他の検知部e4がシートの側端を検知した場合、他の検知部e4の選択を解除して第1の位置P1にある検知部e5を選択する、
したがって、シート搬送装置500は、シートのシート幅方向への位置調整動作において、斜行量が少なく、シート幅方向への位置調整をする必要のないシートを誤って位置調整をすることを防止することができる。
以上の説明では、図10に示すように、シートの右側の側端を検知して位置調整を行っているが、左側の側端を検知して位置調整を行ってもよい。
また、穿孔装置240は、シート位置検知部300の上流側に設けられているが、横方向移動装置231の下流側に設けられていてもよい。この場合、シートは、逆送されることなく、シート搬送方向の下流側に搬送されて、ストッパに受け止められた後、穿孔装置によって孔をあけられる。この場合のストッパは、プランジャによって、シートの下流端を受け止めるときシート搬送路212内に進入し、受け止めないときシート搬送路212から退避するようになっている。
さらに、微小量Lはシートサイズ、普通紙、コート紙等のシートの種類、シートの坪量等によってその数値を変更してもよい。この場合、微小量Lの数値は、ユーザが図1の装置本体100Aの操作パネル401からシートの種類を入力すれば自動的に設定されてもよいし、或いは所望の数値を入力してもよい。操作パネル401は、シート処理装置200に設けられていてもよいし、装置本体100Aとシート処理装置200との両方に設けられていてもよい。
シート搬送装置500は、搬送中のシートの斜行を、センサ301で検知して、その検知状態によりセンサ301の位置を変更し、その位置に併せて横方向移動装置231でシートを移動させるようになっている。また、シートの側端を検知するラインセンサ431の検知部が変わることによってシートの斜行を検知して、シートの傾き方向に応じて、第1の位置P1に対応する検知部と異なる検知部でシートの位置補正を行うようになっている。このため、幅方向位置ずれGを少なくして、シートをシート幅方向へ位置調整をすることができる。
また、シート搬送装置500は、シートに穿孔処理をする場合には、穿孔装置240に対して、精度よく安定した位置にシートを停止させることが可能となり、穿孔装置240により精度でより良い穿孔処理を行わせることができる。
さらに、シート搬送装置500は、シートをシートの幅方向に精度良く安定した位置に停止させることができるので、シートが詰まるようなことが少なくなり、画像形成装置の装置本体に設けた場合、画像形成装置の画像形成効率、作動率等を高めることができる。