JP5252578B2 - 水中探知装置及び魚種判別方法 - Google Patents

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本発明は、所定のビーム幅を有する超音波信号を周期的に水中に送信すると共に、魚等の探知対象物で反射した信号を受信し、受信信号から探知対象物に関する情報を生成する水中探知装置、並びに受信した受信信号から探知対象物の種類を判別する魚種判別方法に関する。
従来から、漁業資源の保全、漁業の効率化を目的として、魚体長計測機能や魚種判別機能を備えた水中探知装置の開発が強く望まれている。この種の水中探知装置として、例えば、特許文献1、2に記載のものがある。
特許文献1は、送受波器から送波された超音波の音圧レベルと、魚で反射して帰来する反射信号の音圧レベルとの比、すなわち反射強度TS(Target Strength)から魚単体の体長を探知し、検知結果を表示器に表示する計量魚群探知機を開示している。
また、特許文献2は、魚で反射して帰来した反射信号から包絡線を検出し、検出した包絡線の持続時間やピーク数に基づいて、魚の尾叉長、魚体高、魚体幅などの魚の外形に関する情報や、魚種を判別する水中探知装置を開示している。
特開2005−249398号公報 特開2008−267834号公報
しかしながら、特許文献1は、魚からの反射強度TSに基づいて魚体長を算出しているため、得られた魚体長情報に基づいて大よその魚種判別は可能であるが、魚体長が近似する魚種の判別は困難であった。
また、特許文献2は、魚からの反射信号の包絡線より得られる持続時間やピーク数に基づいて魚の外形を推測することができ、鯛と鯖など、外形が大きく異なる魚種を判別することが可能である。しかしながら、特許文献2の手法を用いたとしても、アジと鯖など、魚体長、外形とも近似する魚種の判別は、依然として困難であった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、本発明は、水中を遊泳する魚の魚種をより正確に判定する水中探知装置及び魚種判別方法を提供することを目的とする。
本発明は、所定のビーム幅を有する超音波信号を水中に送信し、物標からの反射波を受信する送受信部と、前記送受信部で受信した受信信号に基づいて探知対象物の魚種を判別する演算処理部と、を備え、前記演算処理部は、前記送受信部で受信した受信信号から、探知対象物の反射信号を抽出する抽出部と、前記探知対象物の反射信号から検出された横軸を時間とし縦軸を振幅とする反射信号の包絡線における振幅値の最も高いピークと当該ピークの前又は後に存在するピークの情報に基づいて、前記探知対象物の魚種を判別する魚種判別部と、を有する。
魚種判別部による魚種判別は、例えば、前記包絡線の振幅値の最も高いピークの前又は後に、所定の振幅値以上のピークが存在するか否かを判定基準として、前記探知対象物の魚種を判別することができる。前記包絡線のピークの位置は対象物体の内部にある音響反射構造を反映しているため、魚の内部構造が異なれば、包絡線のピーク位置も異なる。
また、魚種判別部による魚種判別は、異なるタイミングで取得された同じ探知対象物からの複数の包絡線を用いて、前記探知対象物の魚種を判別することで、魚種判別結果の正解率をより向上させることができる。
また、同じ探知対象物からの反射信号を異なる複数のチャンネルで受信することで、探知対象物からの反射信号の到来方位を示す方位情報を検出することができる。そのため、この情報を利用して、例えば、前記包絡線が有するピークの三次元の位置を推定することもでき、該推定したピークの三次元位置から前記探知対象物の魚種をより正確に判別することが可能になる。
また、魚種判別部による魚種判別は、前記探知対象物に対する超音波信号の入射角を考慮することで、魚種判別結果の正解率をより向上させることができる。なお、この探知対象物に対する超音波信号の入射角は、例えば、単体魚の遊泳方向と、探知対象物からの反射信号の到来方位を示す方位情報に基づいて検出することができる。
本発明によれば、今まで困難であった魚体長や魚の外形が近似する魚種(サバとアジなど)の判別が可能になる。この手法は、外部形状が相似で内部構造が異なる探知対象物について適用可能である。
本発明に係る水中探知装置の一実施形態を示す回路構成図である。 送受波器から送信した超音波信号と単体魚の位置関係を示す図である。 スプリットビームを用いたSSBL(Super short base line)法による方位情報の検出原理を説明する図である。 本発明の魚種判別部の機能ブロック図である。 本発明の魚種判別部33の処理を説明するためのフローチャートである。 サバからの反射信号の包絡線を示す図である。 アジからの反射信号の包絡線を示す図である。 単体魚に対する超音波信号の入射角を説明するための図である。 本発明に係る水中探知装置の改良例を示す回路構成図である。 単体魚の遊泳方向の推定手法を説明するための説明図である。 超音波信号内の単体魚の位置と単体魚に入射される超音波信号との関係を説明するための説明図である。
図1は、本発明に係る水中探知装置100の一実施形態を示す回路構成図である。図1において、送受波器1は、船舶の船底等に固定配備され、超音波を水中に送信し、ターゲットである、水中を遊泳する魚や鯨などの探知対象物で反射した信号を受信するものである。受信結果は、信号線を介して船内等に配置された表示部9に表示される。以下では、魚を例にして説明する。
送受波器1は、送波面が周方向に4分割され、各分割面がチャンネルCH1〜CH4とされ、かつそれぞれ共通の指向特性、特に所定のビーム幅を有している。送受波器1は、送受信部21〜24から供給されるパルス状の超音波信号S1を水中に送信し、魚Fiで反射して帰来する超音波の反射波S2を各チャンネルCH1〜CH4で受信する。各チャンネルCH1〜CH4で電気信号に変換された反射波は、送受信部21〜24へ送られる。
各チャンネルCH1〜CH4と船舶方位との関係は、チャンネルCH1とCH4とが船首(fore)側であり、チャンネルCH2とCH3とが船尾(aft)側であり、さらに、チャンネルCH1とCH2とが右舷(starboard)側であり、チャンネルCH3とCH4とが左舷(port)側である。送受波器1は、探知パルスである超音波信号の送信時には、全てのチャンネルCH1〜CH4の振動子から超音波を同位相で送信し、エコーの受信時には、チャンネルCH1,CH4の組と、チャンネルCH2,CH3の組とにより、及びチャンネルCH1,CH2の組と、チャンネルCH3,CH4の組とにより、ビーム幅内において船首−船尾方向、及び右舷−左舷方向からのエコーを受信可能にする。
送受信部21〜24は、送受波器1のチャンネルCH1〜CH4の各振動子に対応して接続されている。送受信部21〜24は、パルス状の送信信号を送受波器1のチャンネルCH1〜CH4の各振動子に供給する送信回路と、各振動子で受信された反射信号に対して増幅等の処理を行う受信回路と、送信と受信の動作を切り換える送受信切換回路とを備えている。
演算処理部3は、例えばマイクロコンピューターで構成され、図略の記憶部に記録されている制御プログラムを実行することによって、単体魚抽出部31、受信方位検出部32、魚種判別部33及び表示制御部34として機能する。
単体魚抽出部31は、送受信部21〜24の合成信号から公知の手法を用いて単体魚の反射信号を分離抽出する。なお、単体魚を検出するための公知手法としては、例えば、所定の振幅以上の反射信号の継続時間に基づいて行う手法がある。これは、継続時間が所定の期間以上であれば魚群からの反射信号と判定し、所定の期間以内であれば単体魚からの反射信号と判定するものである。また、近年では、距離分解能が1cm以下の高分解能を有する水中探知装置が開発されており、このような水中探知装置を用いた場合には、魚群内で遊泳する魚を単体分離することも可能である。このようにして分離抽出された単体魚の反射信号は、受信方位検出部32に入力される。
受信方位検出部32は、送受信部21〜24で受信された各チャンネルCH1〜CH4の受信信号を用いて、抽出された単体魚の反射信号の到来方位である方位情報を検出する。なお、受信方位検出部32による方位情報の検出手法は、図3を用いて後述する。
魚種判別部33は、受信方位検出部32で検出した方位情報に基づいて、単体魚抽出部31で抽出された単体魚の反射信号の時間情報と振幅情報が補正する。
図2は、送受波器1から送信した超音波信号と単体魚の位置関係を示す図である。図2に示すように、超音波信号の同じ位相面に単体魚が存在する場合、水面からの距離が異なるにもかかわらず、単体魚の反射信号の時間情報は、同じタイミングで得られる。そのため、魚種判別部33は、単体魚の反射信号の方位情報に基づいて、実測値を水面から鉛直方向へ超音波信号を送信した場合に得られる時間に補正する。また、単体魚の反射信号の振幅情報は、超音波信号の中心部と周辺部で信号強度が異なる。そのため、魚種判別部33は、同様に、単体魚の反射信号の方位情報に基づいて、実測値を送受波面に対して鉛直方向から得られた受信信号の振幅に補正する。
そして、魚種判別部33は、補正された単体魚の反射信号から包絡線を検出し、検出した包絡線の振幅値の最も高いピークと、当該ピークの前又は後に存在するピークの情報に基づいて、前記探知対象物の魚種を判別する。この時、魚種判別部33は、さらに、受信方位検出部32で検出した方位情報に基づいて、ピークの三次元位置を推定することも可能であり、ピークの三次元位置からより正確な魚種判別を行うことが可能になる。
一般に、単体魚からの反射信号は、最も反射強度の強い浮き袋からの反射波と、それ以外の部位からの反射波に大別されるが、本発明の魚種判別部33は、この浮き袋以外から反射波が魚種によって異なることに着目し、この情報をもとに探知対象物の魚種を判別している。なお、魚種判別部33の詳細は、図4から図8を用いて後述する。
表示制御部34は、魚種判別部33での判別結果に基づいて表示部4に表示する画像データを生成すると共に、操作部6からの操作に応じた表示制御を行うものである。
表示部4は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等からなり、1画面分のビデオRAM等を備える。操作部5は、探知及び表示に関する種々の指示を行うものである。
次に、受信方位検出部32の処理について図3を用いて詳細に説明する。
図3は、受信方位検出部32によって行われる、スプリットビームを用いたSSBL(Super short base line)法による方位情報の検出原理を説明する図である。検出原理としては、時間差による検出方法と位相差による検出方法とがある。いずれの場合にも、船首(fore)側のチャンネルCH1とCH4の振動子での受信信号を加算(CH1+CH4)し、船尾(aft)側のチャンネルCH2とCH3の振動子での受信信号を加算(CH2+CH3)し、右舷(starboard)側のチャンネルCH1とCH2の振動子での受信信号を加算(CH1+CH2)し、左舷(port)側のチャンネルCH3とCH4の振動子での受信信号を加算(CH3+CH4)する。次いで、時間差を用いる場合には、受信信号の船首−船尾方向における到達時間差Δx、右舷−左舷方向における到達時間差Δyは、各チャンネルCH1〜CH4の船首−船尾方向及び右舷−左舷方向における重心間距離d、水中音速c、鉛直方向に対する仰角θ、船首方向に対する振れ角φとしたとき、(1)式が成立し、その結果、(2)式によって到来角θ、φが求まる。
Figure 0005252578
Figure 0005252578
同様に、位相差を用いる場合には、受信信号の船首−船尾方向におけるδx、受信信号の右舷−左舷方向におけるδyについて(3)式が成立し、その結果、(4)式によって位置角θ、φが求まる。
Figure 0005252578
Figure 0005252578
以上により、単体魚抽出部31で抽出された単体魚の反射信号の360°方向に対する到来角(方位情報)が算出される。この単体魚の反射信号の到来角(方位情報)と、単体魚の反射信号の時間情報とから、単体魚の反射信号の三次元位置情報を得ることが可能になる。なお、かかる方位情報の算出処理は、単体魚抽出部31で抽出された各単体魚の反射信号に対して行われる。
次に、魚種判別部33の処理について図4から図8を用いて詳細に説明する。
図4は、本発明の魚種判別部33の機能ブロック図である。
魚種判別部33は、包絡線検出部331、ピーク検出部332、最大ピーク検出部333及び判定部334を備える。
包絡線検出部331は、単体魚抽出部31で抽出された単体魚の反射信号を入力とし、ヒルベルト変換等の公知の手法を用いて、入力された合成信号の包絡線を検出する。
ピーク検出部332は、包絡線検出部331で検出された包絡線から、所定の振幅値以上のピークを検出するとともに、受信方位検出部32で検出した方位情報に基づいて、ピークの三次元位置を推定する。なお、所定の振幅値以上のピークのみを検出するのは、ノイズ等の影響により発生したピークを単体魚からの反射点として誤検出することを防止するためである。
最大ピーク検出部333は、ピーク検出部332で検出されたピークのうち、振幅値の最も大きいピークである最大ピークを検出する。なお、ここで、検出される最大ピークは、単体魚が有する浮き袋からの反射信号と予測される。
判定部334は、最大ピーク検出部333で検出された最大ピークと、最大ピークの前後に存在するピークの情報に基づいて、探知対象物の魚種を判別する。ここで、最大ピークの前後に存在するピークの情報とは、最大ピーク以外にピークが存在するか否かの情報、最大ピーク以外のピークの振幅情報、最大ピーク以外のピークの数、最大ピークに対する他のピークの三次元位置情報など、最大ピーク以外のピークに関する情報であればよい。
なお、判定部334が判定する単体魚からの反射信号は、1回の超音波信号の送受信により得られた単体魚からの反射信号に限られず、複数回の超音波信号の送受信により得られた同一単体魚からの反射信号を用いて、魚種判別を行うようにしてもよい。これは加算平均処理などにより信号雑音比向上させ、あるいは複数の角度からの反射信号構造を得ることに用いられる。
以下に、図5を用いて魚種判別部33が行う処理を具体的に説明する。図5は、本発明の魚種判別部33の処理を説明するためのフローチャートであり、魚体長及び魚の外形がともに近似するサバとアジを判別する際の一例を示すものである。なお、ここで説明する魚種判別手法は、これはあくまで一例であり、魚種判別部33による魚種判別手法はこれに限定されるものではない。
(ステップS1)魚種判別部33に単体魚抽出部31で抽出された単体魚の反射信号が入力されると、まず、包絡線検出部331が入力された単体魚の反射信号の包絡線を検出する。検出された包絡線の情報は、ピーク検出部332に出力される。
(ステップS2)ピーク検出部332は、検出された包絡線から、所定の振幅値以上のピークを検出するとともに、受信方位検出部32で検出した方位情報に基づいて、ピークの三次元位置を推定する。ピーク検出部332により、検出・推定されたピークの位置情報及び振幅情報は、最大ピーク検出部333に出力される。
(ステップS3)次に、最大ピーク検出部333は、ピーク検出部332で検出されたピークのうち、振幅値の最も大きいピークである最大ピークを検出し、次段の判定部334に出力する。
(ステップS4〜S6)判定部334では、先ず、最大ピーク検出部333で検出された最大ピーク以外のピークを検出する。この時、最大ピーク以外にピークが存在する場合には、判定部334は、入力された単体魚の反射信号をサバからの反射信号であると判定する。一方で、最大ピーク以外にピークが存在しない場合には、判定部334は、入力された単体魚の反射信号をアジからの反射信号であると判定する。
図6はサバからの反射信号の包絡線を示す図であり、図7はアジからの反射信号の包絡線を示す図である。
図6及び図7は、水深5m付近に測定魚(サバまたはアジ)を固定し、測定魚の姿勢を0(deg)から5(deg)刻みで−25(deg)まで回転させながら、測定魚から得られる超音波信号の反射信号を測定した結果である。縦軸は反射信号の振幅値、横軸は時間を示す。なお、測定魚の姿勢は図8に示すように、測定魚の真上から超音波信号が入射する場合を0(deg)、測定魚の頭方向から超音波信号が入射する場合を+(プラス)、測定魚の尾方向から超音波信号が入射する場合を−(マイナス)と定義する。
図6及び図7に示すように、サバから得られる反射信号の包絡線は、何れの姿勢においも、最大ピーク以外にピークが見られる(図6)。一方で、アジからの反射信号の包絡線は、幾つかの姿勢で最大ピーク以外にピークらしきものがみられるものの、ほとんどの姿勢で最大ピーク以外にピークが見られない(図7)。
超音波信号を単体魚に送信した際の超音波信号の反射点は、魚の構造に起因し、一般に、頭、浮き袋、尾などで反射した反射波がピークとして現れているものと考えられる。図6及び図7に示した実験結果では、最大ピークが得られる浮き袋以外の部位からの反射波に、サバとアジとで大きな相違がみられる。サバは、最大ピークである浮き袋以外の頭部や尾などの部位からの反射波が得られ、最大ピーク以外に複数のピークが見られる。一方で、アジは、最大ピークである浮き袋以外の部位からの反射波がほとんどみられない。特に、アジの場合は、最大ピークよりも図示左側に全くピークが現れていないことから、浮き袋よりも後ろ側、つまり尾周辺からの反射はほとんどないものと考えられる。
そこで、図5に示す処理例では、判定部334が最大ピークの前後にピークが存在するか否かをサバとアジとの判別条件とし、これまで魚種の判別が大変困難であったサバとアジとの判別を行っている。もちろんこの判定条件は適宜変更可能であり、水中探知装置の性能や、判別対象とする魚種等の条件に応じて適宜変更可能である。
このように本発明は、最大ピークが得られる浮き袋以外から反射波が魚種により異なることに着目し、探知対象物の反射信号の包絡線から、包絡線の振幅値の最も高いピークと、当該ピークの前又は後に存在するピークの情報に基づいて、探知対象物の魚種を判別することにより、アジとサバなど、魚体長や魚の外形が近似する魚種であっても、その魚種を判別することができる。
(実施の形態2)
次に、図9を用いて図1で示した水中探知装置の改良例について説明する。
図9に示す水中探知装置は、図1で示した水中探知装置の新たな構成要素として入射角検出部35をさらに設けたものである。図8からも明らかなように、頭、浮き袋、尾などの部位からの反射波は、単体魚が図8に示す+(プラス)または−(マイナス)方向に、より大きな角度をとるほど大きな時間差をもって得られ、頭、浮き袋、尾などの部位から得られた反射波は、独立したピークとして検出されやすくなる。そのため、魚種判別部33において単体魚に対する超音波信号の入射角は、正確な魚種判別を行う上で重要な情報となる。
以下、図9に示す水中探知装置では、単体魚抽出部31で抽出された単体魚に対する超音波信号の入射角をも考慮して、より正確な魚種判別を行う水中探知装置について説明する。なお、図1で示した水中探知装置と同一の構成要素については、同一符号を付し、ここでは説明を省略する。
入射角検出部35は、単体魚抽出部31で抽出された単体魚に対する超音波信号の入射角を検出するものである。以下に、図10及び図11を用いて入射角検出部35による単体魚に対する超音波信号の入射角検出手法の一例について説明する。
図10は、単体魚の遊泳方向の推定手法を説明するための説明図である。
図10に示すSPは自船、黒丸は1回前の送受信で得られた単体魚の三次元位置、白丸は今回の送受信で得られた単体魚の三次元位置を示す。なお、単体魚の三次元位置は、受信方向検出部32で検出される。
入射角検出部35は、前回と今回の送受信により得られた単体魚の三次元位置情報を元に、同一単体魚からの反射信号をそれぞれ関連付け、関連付けた単体魚の三次元位置情報に基づいて、単体魚の遊泳方向を検出する。なお、単体魚の遊泳方向の検出に用いる単体魚からの反射信号は、少なくとも2回以上の反射信号から検出可能である。
そして、入射角検出部35は、単体魚の遊泳方向をもとに、超音波信号内の単体魚の位置と単体魚に入射される超音波信号の関係から、単体魚に対する超音波信号の入射角を検出する。
図11は、超音波信号内の単体魚の位置と単体魚に入射される超音波信号の関係を説明するための説明図である。なお、ここでは超音波信号のビーム幅が20°であるものとする。
遊泳する魚が所定のビーム幅を有する超音波信号のビーム内を横切る場合、魚が送受波器1の真下にいる場合には、魚が水面(送受波面)に対して水平に遊泳していると仮定すると、水泳魚に対して0(deg)の入射角で超音波信号が入射する。一方で、遊泳する魚が所定のビーム幅を有する超音波信号内に入った場合には、魚が水面(送受波面)に対して水平に遊泳していると仮定すると、ビーム幅が20°であることから、遊泳魚に対して+10(deg)の入射角で超音波信号が入射していることになる。また、遊泳する魚が所定のビーム幅を有する超音波信号内から外に出る場合には、魚が水面(送受波面)に対して水平に遊泳していると仮定すると、ビーム幅が20°であることから、遊泳魚に対して−10(deg)の入射角で超音波信号が入射していることになる。
そのため、入射角検出部35は、単体魚の遊泳方向に加え、送受波器1から送信される超音波信号のビーム幅、受信方位検出部32で検出される単体魚からの反射信号の到来方位に基づいて、単体魚に対する超音波信号の入射角を検出する必要がある。
魚種判別部33は、この入射角検出部35により検出された単体魚に対する超音波信号の入射角に基づいて、より正確な魚種判別を行うことができる。
例えば、図6及び図7で示したサバとアジの例のように、サバは尾からの反射信号(ピーク)があるのに対し、アジは尾からの反射信号(ピーク)がない場合、魚種判別部33は、単体魚の尾からの反射波に注目して、魚種の判定を行うことが可能にある。
このように、魚種判別部33は、単体魚抽出部31で得られた単体魚の反射信号より得られるピークを、単体魚に対する超音波信号の入射角に基づいて、魚の頭、浮き袋、尾の何れに相当するものかを推測することができ、サバとアジのように、魚種によって頭、浮き袋、尾からの反射波に差がある場合には、この情報を利用してより正確な魚種判別を行うことができる。
また、魚の頭、浮き袋、尾からの反射波は、単体魚に対する超音波信号の入射角が大きいほど、反射対象物(魚の頭、浮き袋、尾)の間の距離差が大きくなるため、反射波に起因するピークの位置が分離しやすい。そのため、魚群内を遊泳する魚の魚種を判別するような場合には、単体魚に対する超音波信号の入射角が大きい情報を選別して、魚種判別を行うようにしてもよい。
なお、本発明の実施例では、送受波器1に複数のチャンネルを備えるスプリットビーム方式の水中探知装置を例に説明を行ったが、これに限定されるものではなく、単一振動からなる水中探知装置にも応用可能である。また、本発明の水中探知装置は、魚群探知機だけでなく、ソナー等にも応用可能である。
1 送受波器
CH1〜CH4 チャンネル
21〜24 送受信部
3 演算処理部
31 単体魚抽出部(抽出部)
32 受信方位検出部
33 魚種判別部
34 表示制御部
35 入射角検出部
4 表示部
5 操作部

Claims (8)

  1. 所定のビーム幅を有する超音波信号を水中に送信し、物標からの反射波を受信する送受信部と、
    前記送受信部で受信した受信信号に基づいて探知対象物の魚種を判別する演算処理部と、を備え、
    前記演算処理部は、
    前記送受信部で受信した受信信号から、探知対象物の反射信号を抽出する抽出部と、
    前記探知対象物の反射信号を演算処理して検出された横軸を時間とし縦軸を振幅とする前記反射信号の包絡線における振幅値の最も高いピークと当該ピークの前又は後に存在するピークの情報に基づいて、前記探知対象物の魚種を判別する魚種判別部と、を有することを特徴とする水中探知装置。
  2. 前記魚種判別部は、前記包絡線の振幅値の最も高いピークの前又は後に、所定の振幅値以上のピークが存在するか否かにより、前記探知対象物の魚種を判別する、請求項1に記載の水中探知装置。
  3. 前記魚種判別部は、異なるタイミングで取得された前記探知対象物の複数の包絡線を用いて、前記探知対象物の魚種を判別する、請求項1又は2に記載の水中探知装置。
  4. 前記演算処理部は、
    送受信部で受信した受信信号に基づいて、前記探知対象物に対する超音波信号の入射角を検出する入射角検出部を有し、
    前記魚種判別部は、前記探知対象物に対する超音波信号の入射角と、前記包絡線の振幅値の最も高いピークと、当該ピークの前又は後に存在するピークの情報に基づいて、前記探知対象物の魚種を判別する、請求項1から3の何れかに記載の水中探知装置。
  5. 前記送受信部は、複数に分割されたチャンネルを介して、チャンネル毎に超音波信号の送受信するものであり、
    前記演算処理部は、
    前記チャンネル毎に得られる受信信号に基づいて、探知対象物からの反射信号の到来方位を示す方位情報を検出する受信方位検出部を有する、請求項1から4の何れかに記載の水中探知装置。
  6. 前記入射角検出部は、単体魚の遊泳方向と、前記方位情報に基づいて、前記探知対象物に対する超音波信号の入射角を検出する、請求項5に記載の水中探知装置。
  7. 前記魚種判別部は、前記探知対象物の反射信号及び前記方位情報に基づいて、前記包絡線が有するピークの三次元の位置を推定し、該推定したピークの位置関係から前記探知対象物の魚種を判別する、請求項5に記載の水中探知装置。
  8. 水中に送信した超音波信号の反射波を受信した受信信号から、探知対象物の反射信号を抽出する工程と、
    前記探知対象物の反射信号から検出された横軸を時間とし縦軸を振幅とする前記反射信号の包絡線における振幅値の最も高いピークと、当該ピークの前又は後に存在するピークの情報に基づいて、前記探知対象物の魚種を判別する工程と、を有する魚種判別方法。
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