JP5251608B2 - 電動車両のモータ制御方法および電動車両用駆動装置 - Google Patents

電動車両のモータ制御方法および電動車両用駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両の駆動輪を回転駆動する電動モータの出力特性を、制御マップ上の切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法等に関する。
従来から、自動車の分野では、エミッション性や燃費性能等のさらなる向上を目的として、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関を用いた従来の自動車に代えて、電動モータを動力源としたいわゆる電気自動車や、内燃機関と併用して電動モータを用いるいわゆるハイブリッド自動車等が開発されてきたのは周知の通りである。
このように、動力源の少なくとも一部として電動モータを用いた車両(以下、このような車両のことを電動車両という)では、車両の様々な走行シーンに電動モータの出力特性を対応させるために、比較的幅広い範囲の回転速度をカバーできるように電動モータを制御することが望まれる。
例えば、下記特許文献1では、電動モータの回転速度が所定の閾値(切替回転速度)を越えること等の条件が成立すると、電動モータの巻線の結線状態を切り替えたり、界磁制御方式を切り替えたりすることにより、電動モータの出力特性をより高回転寄りの領域まで対応可能な特性に変化させることが行われている。
特開平6−225588号公報
ところで、上記のような結線の切り替え等に応じて、電動モータの出力特性が、低回転寄りの運転領域に対応した出力特性と、高回転寄りの運転領域に対応した出力特性との間で切り替わる際には、電動モータの出力が断続的に変化する等により、車両の駆動輪に伝達されるトルクが一時的に変動すると考えられる。このとき、トルク変動の幅があまりに大きいと、車両に大きなショックが発生して乗員の快適性が損なわれるため、上記のようなトルク変動を軽減して車両に発生するショックをできるだけ緩和することが望まれる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、車両の駆動輪を回転駆動する電動モータの出力特性が切り替わる際に発生するショックを低減して乗員の快適性を良好に維持することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、車両の駆動輪を回転駆動する電動モータの出力特性を、制御マップ上の切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法であって、上記電動モータに電力を供給する電源装置の電圧値を検出する電圧検出ステップと、このステップで検出された電圧値に基づいて上記切替ラインを設定するライン設定ステップと、上記電源装置の電圧値が低下することを予測する予測ステップと、このステップで電圧値が低下することが予測された場合に、電圧値の実際の低下に先立って、上記ライン設定ステップで設定された切替ラインを上記予測された低下度合いに基づいて低回転側にシフトさせるシフトステップとを含むことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、電動モータの出力特性を切り替える際の基準となる制御マップ上の切替ラインを、電源装置の電圧値の低下に先立って、予測された低下度合いに基づき低回転側にシフトさせるようにしたため、例えば電源電圧の実際の低下に合わせて切替ラインを再設定した場合と異なり、電動モータの出力特性が意図しないタイミングで低速モードから高速モードに切り替わるのを回避でき、その際に車両に発生するショックを低減して乗員の快適性を良好に維持できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、上記シフトステップで、上記切替ラインのシフト量を高負荷域ほど低回転側に補正する(請求項2)。
このようにすれば、電動モータに大きな負荷がかかって電源装置の電圧値が低下したような場合に、高速モードへの切り替えタイミングを高負荷域で相対的に早めることにより、モータ電流のサージ現象(電動モータに一時的な高電流が流れる現象)を抑制することができ、上記サージ現象によるモータの損失・損傷を効果的に防止できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、上記予測ステップにより電圧値の低下が予測されとしても、上記電動モータの運転状態が、上記シフトステップでの切替ラインのシフト予定位置よりも高回転側にある場合には、上記シフトステップによる切替ラインのシフトを禁止する(請求項3)。
このようにすれば、シフト後の切替ラインよりも高回転側で出力特性が高速モードに切り替わるのを回避でき、その際に車両に大きなショックが発生するのを効果的に防止できるという利点がある。
また、本発明は、車両の駆動輪を回転駆動する電動モータと、この電動モータの出力特性を、制御マップ上の切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える制御手段と、上記電動モータに電力を供給する電源装置の電圧値を検出する電圧検出手段とを備えた電動車両用駆動装置であって、上記制御手段は、上記電圧検出手段により検出された電圧値に基づいて上記切替ラインを設定するライン設定手段と、上記電源装置の電圧値が低下することを予測する予測手段と、この予測手段により電圧値が低下することが予測された場合に、電圧値の実際の低下に先立って、上記ライン設定手段により設定された切替ラインを上記予測された低下度合いに基づいて低回転側にシフトさせるシフト手段とを有することを特徴とするものである(請求項4)。
本発明による場合でも、上述したモータ制御方法による場合と同様の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、車両の駆動輪を回転駆動する電動モータの出力特性が切り替わる際に発生するショックを低減して乗員の快適性を良好に維持できるという利点がある。
本発明の一実施形態にかかるモータ制御方法が適用される電動車両用駆動装置の全体構成を示す概略平面図である。 上記電動車両用駆動装置の制御系を示すブロック図である。 上記電動車両用駆動装置における電動モータやインバータ等の電気的な構成を示す回路図である。 上記電動モータの出力特性を示す図である。 上記出力特性がバッテリ電圧により変化することに対応して設定された上記電動モータ用の制御マップを示す図である。 上記電動モータに対し行われる制御動作の内容を示すフローチャートである。 バッテリ電圧が低下する前に切替ラインを低回転側にシフトさせる様子を説明するための図である。 上記切替ラインのシフトをバッテリ電圧が低下する前に行わないと大きな切替ショックが発生する可能性があることを説明するための図である。
図1は、本発明の一実施形態にかかるモータ制御方法が適用される電動車両用駆動装置の全体構成を示す概略平面図、図2は、電動車両用駆動装置の制御系を示すブロック図である。これらの図に示される電動車両用駆動装置は、ハイブリッド型自動車からなる電動車両1(以下、単に車両1という)を駆動するための駆動装置として構成されている。具体的に、この電動車両用駆動装置は、発電用の動力源として設けられたガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等からなるエンジン2と、必要時にエンジン2を始動するとともに、エンジン2から駆動力を得て発電を行うジェネレータ3と、走行用の動力源として設けられた電動モータ5と、上記ジェネレータ3で発電された電力を蓄えて必要箇所に供給するバッテリ9(本発明にかかる電源装置に相当)と、このバッテリ9からの供給電力を交流に変換して上記ジェネレータ3および電動モータ5を駆動する第1インバータ11および第2インバータ12と、これら各部を統括的に制御するコントローラ15(本発明にかかる制御手段に相当)とを備えている。
上記電動モータ5は、ギヤトレイン6および差動装置7を介してドライブシャフト8と連動連結されており、これらギヤトレイン6、差動装置7、およびドライブシャフト8を含む動力伝達経路を経由することにより、上記電動モータ5の駆動力が、上記ドライブシャフト8に連結された左右一対の駆動輪16に伝達されるようになっている。なお、当実施形態の車両1では、その前後左右に備わる4つの車輪のうち2つが駆動輪16であり、残りの車輪は従動輪17である。
上記電動モータ5は、例えば3相の交流同期モータ等からなり、必要時にバッテリ9から第2インバータ12を介して電力の供給を受けることにより、上記ギヤトレイン6等を介してドライブシャフト8および駆動輪16を駆動する一方、減速時や下り坂走行時等には、上記ドライブシャフト8から駆動力を得て発電を行い、その発電電力を上記バッテリ9に蓄電するように構成されている。
上記ジェネレータ3は、エンジン2の始動時にバッテリ9から第1インバータ11を介して電力の供給を受けることにより、エンジン2のクランク軸を強制回転させてエンジン2を始動するスタータとしての機能、および、エンジン2のクランク軸から駆動力を得て発電するオルタネータとしての機能の両方を兼ね備えたものである。
上記コントローラ15は、周知のCPU、ROM、RAM、およびI/O(入出力インターフェース)等からなり、このうちROMには、車両1の運転に必要な各種制御プログラム等があらかじめ格納されている。なお、RAMには制御プログラムの実行に必要な種々のワークメモリが格納されている。
図2に示すように、上記コントローラ15には、車両1の各部に設けられた種々のセンサ類が電気的に接続されている。具体的に、コントローラ15には、車両1の走行速度(車速)を検出する車速センサ30と、ドライバーにより踏み込み操作される図外のアクセルペダルの開度TVOを検出するアクセル開度センサ31と、エンジン2のクランク軸の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ32と、ジェネレータ3の軸回転速度を検出するジェネレータ回転速度センサ33と、バッテリ9からジェネレータ3に入力される入力電流またはジェネレータ3からバッテリ9へと出力される出力電流を検出するジェネレータ電流センサ34と、電動モータ5の軸回転速度Nを検出するモータ回転速度センサ35と、電動モータ5の入出力電流を検出するモータ電流センサ36と、バッテリ9の端子間電圧Vbを検出するバッテリセンサ37(本発明にかかる電圧検出手段に相当)とがそれぞれ接続されており、これら各センサ30〜37により検出された各種制御情報が上記コントローラ15に電気信号として入力されるようになっている。
そして、上記コントローラ15は、上記各センサ30〜37からの入力情報に基づいて種々の演算を実行し、その結果に基づいて上記エンジン2、ジェネレータ3、電動モータ5、およびインバータ11,12等の動作を統括的に制御する。そして、このようにコントローラ15によって各部が制御されることにより、当実施形態の車両1では、ドライバーのアクセル操作等に基づき電動モータ5が駆動制御されて車両1の走行速度等が調節されるとともに、例えばバッテリ9の残容量が少なくなったとき等に、エンジン2の始動およびジェネレータ3による発電が行われ、その発電電力がバッテリ9に補充されるように構成されている。
また、上記コントローラ15には、ナビゲーションユニット40が電気的に接続されている。このナビゲーションユニット40は、あらかじめ記憶された地図データ上のどの位置を自車両が走行しているのかをGPS衛星からの電波に基づいて特定するとともに、乗員により設定された目的地に対し最適経路等を演算して図外のディスプレイ上に表示する等の各種情報処理を実行するものである。
図3は、上記ジェネレータ3、電動モータ5、およびインバータ11,12の回路図である。本図に示すように、上記電動モータ5の各相(U相、V相、W相)には、直列に接続された第1巻線L1および第2巻線L2からなる2つの巻線がそれぞれ設けられており、これら各相の巻線L1,L2に流れる電流の経路を切り替える手段として、上記第2インバータ12にはスイッチング素子Swが設けられている。そして、このスイッチング素子Swによる切替動作に応じて、上記第2インバータ12からの電流Imが上記第1・第2巻線L1,L2の両方を流れる状態と、このうちの第1巻線L1のみに電流Imが流れる状態との間で通電状態が切り替わるようになっている。
図4は、電動モータ5の出力特性を示す図である。この図4において、太線で示す特性線A1は、上記第1および第2巻線L1,L2の両方に電流を流したときの出力特性を、細線で示す特性線A2は、上記第1巻線L1のみに電流を流したときの出力特性を、それぞれ示している。本図に示すように、第1巻線L1のみに電流を流した場合(特性線A2の場合)には、両巻線L1,L2に電流を流した場合(特性線A1の場合)と比べて、電動モータ5の軸トルクTは低下するものの、より高い回転速度まで電動モータ5を駆動できるようになる。これは、以下の理由による。
すなわち、電動モータ5の第1および第2の巻線L1,L2に電流が流れているとき、この電動モータ5には、図3に示すように、モータ回転速度Nに応じた誘起電圧Vaが発生するが、この誘起電圧Vaがインバータ12側の電圧Vdcよりも小さい間は、その電位差によりインバータ12側から電動モータ5へと電流Imが流れる。ただし、この状態からさらにモータ回転速度Nが上昇し、上記誘起電圧Vaがインバータ側の電圧Vdcと略等しくなると、電動モータ5に電流Imが流れなくなり、図4の特性線A1の限界ラインALに示すように、電動モータ5のトルクTが急低下する。そこで、電流Imが流れなくなる前に、上記スイッチング素子Swにより電流経路を切り替えて、電流Imが第2巻線L2を迂回して第1巻線L1にのみ流れるようにすれば、その分だけ電動モータ5の誘起電圧Vaが低下するため、上記限界ラインALよりも高回転側の領域においても、インバータ12と電動モータ5の間に電位差を生じさせることができ、より高回転まで電動モータ5を駆動できるようになる。
このように、当実施形態では、直列に接続された複数の巻線L1,L2を電動モータ5の各相に設け、これら複数の巻線L1,L2の全部または一部に電流が流れるようにその経路を切り替えることにより、電動モータ5の出力特性を、低回転寄りの運転領域に対応する特性(図4の特性線A1)と、高回転寄りの運転領域に対応する特性(特性線A2)との間で適宜切り替えるようにしている。なお、以下では、上記第1および第2の巻線L1,L2の両方に電流を流すことにより、特性線A1のような出力特性が得られるように電動モータ5を制御した状態を低速モード、上記第1巻線L1のみに電流を流すことにより、特性線A2のような出力特性が得られるように電動モータ5を制御した状態を高速モードと称する。
図4に示すように、上記低速モードと高速モードとの間の切り替えは、電動モータ5の回転速度Nが、低速モードと高速モードとの重複部分にあらかじめ設定された切替ラインPを通過したときに実行される。例えば、図中の矢印D1に示すように、回転速度Nが切替ラインPよりも低速側にあるために電動モータ5が低速モードで駆動されている状態で、上記回転速度Nが切替ラインPよりも高回転側の領域まで上昇した場合には、電動モータ5の出力特性が低速モードから高速モードに切り替えられる。一方、上記矢印D1とは逆に、電動モータ5が高速モードで駆動されている状態で、その回転速度Nが上記切替ラインPよりも低回転側の領域まで低下した場合には、上記電動モータ5の出力特性が、高速モードから低速モードに切り替えられる。
ここで、低速モードと高速モードとの間の境界線である上記切替ラインPは、コントローラ15によって変動的に設定される。具体的に、コントローラ15は、車両1の走行中に上記バッテリセンサ37により検出されるバッテリ9の端子間電圧Vbの値に基づいて、上記切替ラインPを所定の回転速度の範囲で変動的に設定するように構成されている(詳細は後述する)。
再び図2に戻って、上記切替ラインPの設定に関するコントローラ15の機能について具体的に説明する。本図に示すように、上記コントローラ15は、その機能要素として、ライン設定手段15a、予測手段15b、シフト手段15c、および記憶手段15dを有している。
上記ライン設定手段15aは、上記切替ラインPをバッテリ9の端子間電圧Vbに応じた所定の位置に設定するものである。
上記予測手段15bは、上記ナビゲーションユニット40から特定される車両1の走行予定経路に基づいて、上記バッテリ9の端子間電圧Vbが低下することを予測するものである。すなわち、車両1の直近の走行予定経路に、上記電動モータ5に大きな負荷がかかるような経路が含まれる場合には、その負荷の増大に応じてバッテリ9の残容量が低下することが予測されるため、このようなときに上記端子間電圧Vbが低下すると予測する。
上記シフト手段15cは、上記予測手段15bによりバッテリ9の端子間電圧Vbが低下することが予測された場合に、電圧値Vbの実際の低下に先立って、上記ライン設定手段により設定された切替ラインPを上記予測された低下度合いに基づき低回転側にシフトさせるものである。
上記記憶手段15dは、上記ライン設定手段15aが切替ラインPを設定する際に参照する制御マップを記憶するものである。
図5は、上記記憶手段15bに記憶されている制御マップを説明するための図である。本図に示される制御マップMは、条件に応じて設定される複数のマップM1,M2…の束により構成されている。具体的には、上記バッテリセンサ37により検出されるバッテリ9の端子間電圧Vbに応じて、回転速度域の異なる複数のマップM1,M2…が用意され、これら複数のマップの束が上記制御マップMとして記憶手段15eに記憶されている。
すなわち、電動モータ5に電力を供給するバッテリ37の残容量が減ることにより、その端子間電圧(バッテリ電圧)Vbが低下すると、電動モータ5の上限の回転速度がその分低下するため、電動モータ5の出力特性は図示のように横軸の方向に縮小する。そこで、上記バッテリ電圧Vbの値に対応して設定された複数のマップM1,M2…が用意され、このうちの適当なマップが、上記バッテリセンサ37の検出値に基づき適宜選択されるようになっている。なお、図5中のマップM1は、上記バッテリ電圧Vbが最大値(満充電時の電圧)付近にあることにより、電動モータ5の回転速度域を最も広く確保できる場合のマップであり、マップMnは、上記マップM1からn番目に狭いマップを示している。これらマップM1とマップMnを比較すると分かるように、各マップの切り替えによる回転速度域の変化に伴って、上記切替ラインPの位置も横軸の方向に移動するようになっている。
次に、以上のように構成されたコントローラ15により行われる制御動作の具体的内容について図6のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートがスタートすると、コントローラ15は、まず、上記バッテリ電圧Vbの低下予測に基づき切替ラインPをシフトさせる制御が実行済みかどうかを示すラインシフトフラグFに、そのデフォルト値として「0」を入力する制御を実行する(ステップS1)。ラインシフトフラグFが「0」であれば切替ラインPが未だシフトされていないことになり、「1」であればシフト済みとなる。
次いで、コントローラ15は、アクセル開度センサ31およびモータ回転速度センサ35から、電動モータ5の回転速度Nおよびアクセルペダルの開度TVOを読み込む制御を実行するとともに(ステップS2)、ここで読み込まれたアクセル開度TVO等に基づいて、現時点での電動モータ5の要求トルクを算出する制御を実行する(ステップS3)。
次いで、コントローラ15は、上記ラインシフトフラグF=1であるか否かを判定し(ステップS4)、ここでNOと判定されて上記フラグF=0であることが確認された場合、つまり、上記切替ラインPが未だシフトされていないことが確認された場合に、上記バッテリ9の端子間電圧(バッテリ電圧)Vbをバッテリセンサ37から読み込む制御を実行する(ステップS5)。
次いで、コントローラ15は、上記バッテリ電圧Vbに応じた所定の位置に切替ラインPを設定する制御を実行する(ステップS6)。すなわち、コントローラ15は、上記記憶手段15cに記憶されている複数の制御マップM1,M2…(図5参照)の中から、上記ステップS5で読み込まれたバッテリ電圧Vbに応じた適当なマップを選択することにより、上記バッテリ電圧Vbに応じた所定の位置に切替ラインPを設定する。このとき、上述したように、バッテリ電圧Vbが高いほど電動モータ5の回転速度域がより広く確保されることから、上記切替ラインPは、バッテリ電圧Vbが高いほど高回転側に設定され、バッテリ電圧が低いほど低回転側に設定される。
このようにして切替ラインPの設定が完了すると、コントローラ15は、上記電動モータ5の出力特性が低速モードに設定されているか否かを判定する制御を実行する(ステップS7)。すなわち、先にも説明したように、スイッチング素子Swの作動状態に応じて、電動モータ5の2つの巻線L1,L2の両方に電流が流れるように電流経路が設定されていれば、上記電動モータ5の出力特性として低速モードが選択されていることになるため、スイッチング素子Swが上記のような作動状態にあるときに、電動モータ5が低速モードで駆動されていると判定する。
上記ステップS7でYESと判定されて低速モードに設定されていることが確認された場合、コントローラ15は、上記バッテリ電圧Vbがまもなく低下するか否かを予測する制御を実行する(ステップS8)。具体的には、車両1の走行予定経路を上記ナビゲーションユニット40から読み出し、この読み出された予定経路に基づいて、上記電動モータ5にかかる負荷が近いうちに大きく増大するか否かを予測し、増大すると予測された場合に、上記バッテリ電圧Vbが低下すると予測する。例えば、比較的長い登坂路や、長期間の加速が必要な高速道路の入口などでは、電動モータ5にかなり大きな負荷がかかって消費電力が急激に増大する(つまりバッテリ9の残容量が低下する)ため、これに応じてバッテリ電圧Vbが急低下すると予測される。そこで、上記のような経路を車両1が近いうちに通過すると予測された場合に、上記バッテリ電圧Vbが低下すると予測する。
上記ステップS8でバッテリ電圧Vbの低下が予測された場合、コントローラ15は、現時点での電動モータ5の運転状態、つまり、上記ステップS2,S3で取得されたモータ回転速度Nと要求トルクとに基づき特定される運転状態が、上記バッテリ電圧Vbの低下予測に基づきシフトされる切替ラインPのシフト予定位置よりも低回転側にあるか否かを判定する(ステップS9)。すなわち、後述するステップS10では、上記ステップS8で予測されたバッテリ電圧Vbの低下度合いに基づき切替ラインPを低回転側にシフトさせる制御が実行されるが(図7参照)、その前に、まずステップS9において、上記切替ラインPがシフトされた後の位置(図7の実線の位置)を想定し、現時点での運転状態がその位置よりも低回転側にあるか否かを判定する。
上記ステップS9でYESと判定されてシフト予定位置よりも低回転側にあることが確認された場合、コントローラ15は、上記ステップS6で設定された切替ラインPを、図7の矢印Xに示すように低回転側に所定量シフトさせる制御を実行する(ステップS10)。ここでのシフト量は、上記ステップS8で予測されたバッテリ電圧Vbの低下度合いに基づき決定される。すなわち、予測されるバッテリ電圧Vbの低下量および低下速度が大きければ、上記切替ラインPのシフト量も大きくされ、予測されるバッテリ電圧Vbの低下量および低下速度が小さければ、上記切替ラインPのシフト量も小さくされる。これにより、上記バッテリ電圧Vbが実際に低下する前に、その低下後の電圧値に応じた適正な位置に上記切替ラインPが先行してシフトされる。
このように、バッテリ電圧Vbの実際の低下に先立って切替ラインPをシフトさせるのは、上記電動モータ5の出力特性が低速モードから高速モードに切り替わる際に車両1に発生するショック(切替ショック)を低減するためである。
すなわち、上記ステップS10のような切替ラインPの先行シフトを行わなかった場合、上記切替ラインPは、電度モータ5にかなり大きな負荷がかかる経路を車両1が実際に走行し始めるまでシフトされず、このような高負荷走行によりバッテリ電圧Vbが実際に低下したときに、初めて低回転側にシフトされることになる。具体的には、車両1が登坂路を走行したり急加速したりすることでバッテリ電圧Vbの低下が起きると、その低下した電圧値が上記ステップS5で読み込まれることにより、次のステップS6で切替ラインPが低回転側に再設定される。このとき、例えばバッテリ電圧Vbの低下が比較的急であったような場合には、バッテリ電圧Vbの前回の読込み値と今回の読込み値にある程度の差が生じ、これに応じて図8に示すように、再設定後の切替ラインPの位置(実線の位置)が、再設定前の位置(破線の位置)と比べて大きく低回転側にずれると考えられる。
このように再設定後の切替ラインPが大きく低回転側にずれると、この再設定後の切替ラインPとは異なる位置で電動モータ5の出力特性が切り替わり、その際に発生する切替ショックが通常よりも増大してしまうおそれがある。例えば、切替ラインPの再設定に伴いその位置が破線から実線の位置へと移動したときに、電動モータ5の運転状態が図8の点Qに示す位置(再設定前の位置と再設定後の位置との間)にあったとすると、上記切替ラインPの再設定に伴って、上記電動モータ5の運転状態としての点Qは、突然上記切替ラインPよりも高回転側に位置することになる。すると、本来は切替ラインP上で出力特性が切り替わるべきところが、上記切替ラインPよりも高回転側にずれた位置で出力特性が高速モードに切り替わってしまい、その際の切替ショックが増大してしまうおそれがある。
そこで、当実施形態では、上記バッテリ電圧Vbが低下することが予測された場合に、電圧値の実際の低下に先立って、予測された低下度合いに基づき上記切替ラインPを低回転側にシフトさせるようにしている(ステップS10)。このようにすれば、電動モータ5の運転状態が低回転領域(シフト後の切替ラインPよりも低回転側)にあるうちに上記切替ラインPを先行して低回転側にシフトさせることにより、その後の登坂走行や急加速等に伴って実際にバッテリ電圧Vbが低下したときに、上記切替ラインPの位置が急変更されて出力特性が不意に切り替わるといった事態を回避でき、このような不意な切り替わりによる切替ショックの増大を防止することができる。
ここで、上記ステップS10で低回転側にシフトされる切替ラインPは、図7に示すように、高負荷域(縦軸のプラス側)ほどより低回転側に大きくシフトされる。すなわち、現時点でのバッテリ電圧Vbの値に応じて設定される本来の切替ラインP(図7の破線で示すライン)に対し、これとほぼ平行になるように切替ラインPをシフトさせたときの位置が図7の1点鎖線であるとすると、上記ステップS10では、この1点鎖線のラインに対し、その高負荷部分を低回転側に補正した位置に上記切替ラインPをシフトさせる。これは、上記切替ラインPを境に電動モータ5の出力特性が低速モードから高速モードに切り替わる際に発生するモータ電流のサージを軽減するためである。
一般に、高速モードへの切り替え時に発生するモータ電流のサージ(一時的に電流が過大になる現象)は、モータの制御上、ある程度のレベルで起きることは避けられないが、サージ量があまりに大きいと、不要な高電流が流れることによるモータの損失が増大する上に、モータが損傷してしまうおそれがある。特に、上記切替ラインPをシフトする制御(ステップS10)が実行されるような状況、つまり、バッテリ電圧Vbが大きく低下するほど電動モータ5の負荷が増大すると予想される状況では、上記サージ量が過大になることが懸念される。そこで、このようなサージ量の増大を抑制するために、上記ステップS10では、図7に示すように、上記切替ラインPのシフト量を高負荷域ほど低回転側に補正するようにしている。
すなわち、モータ電流のサージ量は、より高い目標電流値が設定される高回転・高負荷域ほど大きくなる傾向にあるため、高負荷域ではできるだけ低回転側で高速モードへの切り替えを行った方が、サージ量を小さくできる点で有利である。このような点を考慮して、上記ステップS10では、高負荷域ほど上記切替ラインPをより大きく低回転側にシフトさせており、これにより、高負荷域における高速モードへの切り替えがより早期に行われ、上記のようなサージ現象が抑制されるようになっている。
再び図6に戻ってフローチャートの続きを説明する。上記のようにして切替ラインPのシフトが完了すると、コントローラ15は、上記ラインシフトフラグFに、切替ラインPが既にシフトされたことを表す「1」を入力した後(ステップS11)、現時点での電動モータ5の運転状態が、上記シフト後の切替ラインP(図7の実線の位置)よりも高回転側にあるか否かを判定する制御を実行する(ステップS12)。
上述したように、先のステップS9で電動モータ5の運転状態が切替ラインPのシフト予定位置よりも低回転側にあることが確認されているため、上記ステップS12の判定では、最初NOとされる。すると、コントローラ15は、上記ステップS2に戻ってモータ回転速度Nおよびアクセル開度TVOを読み込むとともに、次のステップS3で要求トルクの算出を行い、さらにステップS3でラインシフトフラグF=1であるか否かを判定する。
このとき、ラインシフトフラグFには既に「1」が入力されているため(ステップS11)、上記ステップS3の判定はYESとなる。すると、コントローラ15は、上記ステップS8でバッテリ電圧Vbが低下すると予測した結果が妥当であったか否かを判定する(ステップS14)。例えば、車両1がナビゲーションユニット40に設定されていた予定経路から外れたときに、上記予測結果が妥当でないと判定し、車両1が予定経路通りに走行しているときに、上記予測結果が妥当であると判定する。
上記ステップS14でYESと判定されて予測結果が妥当であることが確認された場合、コントローラ15は、ステップS12に移行して、上記ステップS2,S3での新たな取得値(モータ回転速度Nおよび要求トルクの最新の取得値)から特定される電動モータ5の運転状態が、上記シフト後の切替ラインP(図7の実線のライン)よりも高回転側にあるか否かを判定する制御を実行する。そして、ここでYESと判定された場合に、上記第2インバータ12のスイッチング素子Swを作動させ、電動モータ5の第1・第2巻線L1,L2のうち第1巻線L1のみに電流が流れるように電流経路を切り替えることにより、電動モータ5の出力特性を低速モードから高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS13)。なお、上記ステップS14でNOと判定されて予測結果が妥当でない(つまりバッテリ電圧Vbが低下しない)ことが確認された場合には、リターンして最初のステップS1から制御がやり直される。
次に、上記ステップS9でNOと判定された場合、つまり、電動モータ5の運転状態が上記切替ラインPのシフト予定位置よりも高回転側にあることが確認された場合の制御動作について説明する。この場合、コントローラ15は、上記電動モータ5の運転状態が、上記ステップS6で設定された通常の切替ラインP、つまりバッテリ電圧Vbの現在の検出値に基づき設定された切替ラインPよりも高回転側にあるか否かを判定する制御を実行する(ステップ15)。そして、ここでYESと判定された場合に電動モータ5の出力特性を高速モードに切り替える一方(ステップS16)、NOと判定された場合にはリターンする。
これにより、車両1が加速中であれば、間もなくして上記通常の切替ラインPを基準に電動モータ5の出力特性が高速モードに切り替わり、減速中であれば、上記ステップS10における切替ラインPのシフト予定位置より低回転側に領域移行するのを待ってから、上記切替ラインPのシフトが実行されることになる。
次に、上記ステップS8でNOと判定された場合、つまり、バッテリ電圧Vbの低下が予測されなかった場合の制御動作について説明する。この場合には、バッテリ電圧Vbの低下による影響を考慮しなくてよいため、コントローラ15は、電動モータ5の出力特性が通常の切替ラインP(ステップS6で設定されたライン)よりも高回転側に移行したか否かを判定し(ステップS15)、ここでYESと判定された場合に、電動モータ5の出力特性を低速モードから高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS16)。
また、上記ステップS7でNOと判定された場合、つまり、電動モータ5の出力特性が高速モードに設定されている場合には、ステップS17に移行して、電動モータ5の出力特性が通常の切替ラインPよりも低回転側に移行したか否かを判定する。そして、このステップS17でYESと判定されて切替ラインPよりも低回転側に移行したことが確認された場合に、上記電動モータ5のスイッチング素子Swを作動させて第1・第2巻線L1,L2の両方に電流が流れるように電流経路を切り替えることにより、電動モータ5の出力特性を高速モードから低速モードに切り替える制御を実行する(ステップS18)。
以上説明したように、当実施形態の電動車両用駆動装置は、車両1の駆動輪16を回転駆動する電動モータ5と、この電動モータ5の出力特性を、制御マップM上の切替ラインPを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替えるコントローラ15(制御手段)と、上記電動モータ5に電力を供給する電源の電圧値としてのバッテリ電圧Vbを検出するバッテリセンサ37(電圧検出手段)とを備えている。そして、当実施形態では、上記電動モータ5に対する制御として、上記バッテリセンサ37によりバッテリ電圧Vbを検出するステップ(S5)と、このステップで検出された電圧値Vbに基づいて上記切替ラインPを設定するステップ(S6)と、上記バッテリ電圧Vbが低下することを予測するステップ(S8)と、このステップでバッテリ電圧Vbが低下することが予測された場合に、電圧値の実際の低下に先立って、予測された低下度合いに基づき上記切替ラインPを低回転側にシフトさせるステップ(S10)とを含む制御動作が、上記コントローラ15により実行されるようになっている。このような構成によれば、上記電動モータ5の出力特性が切り替わる際に発生するショックを低減して乗員の快適性を良好に維持できるという利点がある。
例えば、登坂走行や急加速等により電動モータ5の負荷が増大し、これに応じてバッテリ電圧Vbが急低下したときに、このバッテリ電圧Vbの実際の低下に合わせて切替ラインPを低回転側に再設定したような場合には、図8に示したように、上記切替ラインPの位置が急に変更されることにより、電動モータ5の出力特性が意図しないタイミングで低速モードから高速モードに切り替わり、その切り替え時のトルク変動により車両1にかなり大きなショックが発生するおそれがある。これに対し、上記実施形態では、バッテリ電圧Vbの低下に先立って、予測された低下度合いに基づき上記切替ラインPを低回転側にシフトさせるようにしたため、バッテリ電圧Vbが実際に低下したときには既に切替ラインPの位置が変更されていることになり、上記のような不意な出力特性の切り替えが回避される。このため、上記実施形態によれば、バッテリ電圧Vbが低下しても適正なタイミングで出力特性を切り替えることができ、その際に発生するショックを低減して乗員の快適性を良好に維持できるという利点がある。
また、上記実施形態では、図7に示したように、上記バッテリ電圧Vbの低下に先立って切替ラインPをシフトさせる際に、そのシフト量を高負荷域ほど低回転側に補正するようにした。このような構成によれば、電動モータ5に大きな負荷がかかってバッテリ電圧Vbが低下したような場合に、高速モードへの切り替えタイミングを高負荷域で相対的に早めることにより、電流のサージ現象(高速モードへの切り替え時に電動モータ5に一時的な高電流が流れる現象)を抑制することができ、上記サージ現象によるモータの損失・損傷を効果的に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、上記ステップS8でバッテリ電圧Vbの低下が予測されたとしても、上記電動モータ5の運転状態が、上記ステップS10での切替ラインPのシフト予定位置よりも高回転側にあった場合(つまりステップS9でNOの場合)には、上記ステップS10ではなくステップS15に移行することにより、上記切替ラインPの低回転側へのシフトを禁止するようにした。このような構成によれば、シフト後の切替ラインPよりも高回転側で出力特性が高速モードに切り替わってしまうのを回避でき、その際に車両1に大きなショックが発生するのを効果的に防止できるという利点がある。
また、上記構成によれば、シフト前の通常の切替ラインPよりも高回転側から低回転側へと運転状態が移行し、これに応じて出力特性が高速モードから低速モードに切り替わった場合に、その直後においては上記切替ラインPの低回転側へのシフトが禁止されるため、上記低速モードへの切り替わりが起きた直後に再度高速モードに切り替わるといったことがなく、上記切替ラインPのシフト前後で出力特性が頻繁に切り替わることに起因して乗員が違和感を覚えるのを効果的に防止できるという利点がある。
なお、上記実施形態では、エンジン2と電動モータ5とを動力源として併用したハイブリッド型自動車に対して本発明の制御方法を適用した例について説明したが、本発明の制御方法は、電動モータ5を動力源の少なくとも一部として用いた電動車両であれば、特にその種類を問わず適用可能である。
1 車両
5 電動モータ
9 バッテリ(電源装置)
15 コントローラ(制御手段)
15a ライン設定手段
15b 予測手段
15c シフト手段
16 駆動輪
37 バッテリセンサ(電圧検出手段)
M(M1,M2…) 制御マップ
P 切替ライン
Vb バッテリの端子間電圧(電源装置の電圧値)

Claims (4)

  1. 車両の駆動輪を回転駆動する電動モータの出力特性を、制御マップ上の切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法であって、
    上記電動モータに電力を供給する電源装置の電圧値を検出する電圧検出ステップと、
    このステップで検出された電圧値に基づいて上記切替ラインを設定するライン設定ステップと、
    上記電源装置の電圧値が低下することを予測する予測ステップと、
    このステップで電圧値が低下することが予測された場合に、電圧値の実際の低下に先立って、上記ライン設定ステップで設定された切替ラインを上記予測された低下度合いに基づいて低回転側にシフトさせるシフトステップとを含むことを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  2. 請求項1記載の電動車両のモータ制御方法において、
    上記シフトステップでは、上記切替ラインのシフト量を高負荷域ほど低回転側に補正することを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  3. 請求項1または2記載の電動車両のモータ制御方法において、
    上記予測ステップにより電圧値の低下が予測されたとしても、上記電動モータの運転状態が、上記シフトステップでの切替ラインのシフト予定位置よりも高回転側にある場合には、上記シフトステップによる切替ラインのシフトを禁止することを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  4. 車両の駆動輪を回転駆動する電動モータと、この電動モータの出力特性を、制御マップ上の切替ラインを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える制御手段と、上記電動モータに電力を供給する電源装置の電圧値を検出する電圧検出手段とを備えた電動車両用駆動装置であって、
    上記制御手段は、
    上記電圧検出手段により検出された電圧値に基づいて上記切替ラインを設定するライン設定手段と、
    上記電源装置の電圧値が低下することを予測する予測手段と、
    この予測手段により電圧値が低下することが予測された場合に、電圧値の実際の低下に先立って、上記ライン設定手段により設定された切替ラインを上記予測された低下度合いに基づいて低回転側にシフトさせるシフト手段とを有することを特徴とする電動車両用駆動装置。
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