JP5200836B2 - 電動車両のモータ制御方法および電動車両用駆動装置 - Google Patents

電動車両のモータ制御方法および電動車両用駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両の左右両輪を独立に回転駆動する左右一対の電動モータの出力特性を、所定の切替回転速度を境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法等に関する。
従来から、エミッション性や燃費性能により優れた自動車として、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等からなる内燃機関に代えて電動モータを動力源としたいわゆる電気自動車や、内燃機関と併用して電動モータを用いるいわゆるハイブリッド自動車等が開発されてきたのは周知の通りである。
このように、動力源の少なくとも一部として電動モータを用いた車両(以下、このような車両のことを電動車両という)では、車両の様々な走行シーンに電動モータの出力特性を対応させるために、比較的幅広い範囲の回転速度をカバーできるように電動モータを制御することが望まれる。
例えば、このような制御の一例として、電動モータの各相に、直列に接続された複数の巻線を設け、回転速度が所定値以下となる領域ではこれら複数の巻線に電流を流す一方、回転速度が上記所定値を越えるときには、上記複数の巻線のうちの一部のみに電流が流れるように電流経路を切り替えることが考えられる。このように、一部の巻線にのみ電流が流れるようにすれば、インダクタンス成分を小さくして誘起電圧を抑えることにより、より高回転まで電動モータを駆動することが可能になる。
なお、上記のように巻線に流れる電流経路を切り替えて出力特性を変化させるという技術としては、例えば下記特許文献1に示される交流発電機が公知である。
特開平6−292329号公報
ところで、電動車両の中には、その左右両輪を一対の電動モータで独立に駆動するタイプのものがある。このようなタイプの電動車両において、当該車両が旋回中である場合に、左右の電動モータの出力特性を、例えば同一の回転速度を境に切り替えてしまうと、内輪側および外輪側の各電動モータの出力特性がそれぞれ異なるタイミングで切り替わってしまい、旋回中の車両の挙動が不安定になるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、左右両輪が独立した電動モータにより駆動される電動車両の挙動が旋回時に不安定になるのを効果的に防止することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、車両の左右両輪を独立に回転駆動する左右一対の電動モータの出力特性を、所定の切替回転速度を境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法であって、車両が旋回中であるか否かを判定する第1のステップと、このステップで旋回中であると判定された場合に、左右の電動モータの出力特性が同じタイミングで切り替わるように両モータの少なくとも一方の切替回転速度を補正する第2のステップとを含むことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、旋回中であるために内輪側と外輪側で電動モータの回転速度が異なるにもかかわらず、これら両電動モータの出力特性を同一のタイミングで切り替えることができるため、出力特性の切替タイミングが内輪側と外輪側でずれてしまうのを有効に回避でき、そのタイミングのずれが車両の旋回動作を乱して車両の挙動が不安定になるのを効果的に防止できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、上記電動モータの負荷が所定以上の高負荷であるか否かをあらかじめ判定し、そこで高負荷と判定された場合にのみ、上記第2のステップで切替回転速度の補正を行う(請求項2)。
このように、電動モータの負荷が小さいために出力特性の切替タイミングがずれることによる旋回動作への影響が小さい状況では、上記切替回転速度の補正を行わないようにした場合には、制御負荷を効果的に軽減しつつ車両の挙動安定化を図れるという利点がある。
本発明の制御方法において、上記第1のステップで車両が旋回中であると判定された場合には、上記第2のステップとして、内輪側の電動モータの切替回転速度を低回転側にシフトさせるとともに、外輪側の電動モータの切替回転速度を高回転側にシフトさせることが好ましい(請求項3)。
このようにすれば、内輪側および外輪側の電動モータの出力特性が切り替わるタイミングを車両の旋回時にそれぞれ適正に補正することにより、両モータの出力特性の切替タイミングを一致させて車両の挙動を効果的に安定化できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、車両の旋回半径の変化についてあらかじめ調べ、その結果旋回半径が低下していることが確認された場合に、上記第2のステップとして、左右の電動モータの出力特性が切り替わるタイミングを、両モータのうちその回転速度が上記切替回転速度に達するのが早い方のモータの切替タイミングに一致させるように制御する(請求項4)。
また、本発明において、好ましくは、車両の旋回半径の変化についてあらかじめ調べ、その結果旋回半径が増大していることが確認された場合に、上記第2のステップとして、左右の電動モータの出力特性が切り替わるタイミングを、両モータのうちその回転速度が上記切替回転速度に達するのが遅い方のモータの切替タイミングに一致させるように制御する(請求項5)。
これらの方法によれば、内輪側および外輪側の電動モータの間で出力特性の切替タイミングを揃え、しかもその同時切り替えを車両の旋回半径の変化に基づいた適切なタイミングで実行することにより、旋回中の車両の挙動をより効果的に安定化させることができるという利点がある。
また、本発明は、車両の左右両輪を独立に回転駆動する左右一対の電動モータと、これら各電動モータの出力特性を、所定の切替回転速度を境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える制御手段とを備えた電動車両用駆動装置であって、上記制御手段は、車両が旋回中であるか否かを判定し、その判定によって旋回中であることが確認された場合に、左右の電動モータの出力特性が同じタイミングで切り替わるように両モータの少なくとも一方の切替回転速度を補正することを特徴とするものである(請求項6)。
本発明による場合でも、上述したモータ制御方法による場合と同様の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、左右両輪が独立した電動モータにより駆動される電動車両の挙動が旋回時に不安定になるのを効果的に防止できるという利点がある。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるモータ制御方法が適用される電動車両用駆動装置の全体構成を示す概略平面図、図2は、電動車両用駆動装置の制御系を示すブロック図である。これらの図に示される電動車両用駆動装置は、ハイブリッド型自動車からなる電動車両1(以下、単に車両1という)を駆動するための駆動装置として構成されている。具体的に、この電動車両用駆動装置は、発電用の動力源として設けられたガソリンエンジンやディーゼルエンジン等からなるエンジン2と、必要時にエンジン2を始動するとともに、エンジン2から駆動力を得て発電を行うジェネレータ3と、このジェネレータ3で発電された電力を蓄える蓄電装置としてのバッテリ9と、走行用の動力源として設けられ、上記バッテリ9から電力の供給を受けて左右の駆動輪16A,16Bをそれぞれ独立に駆動する左右一対の電動モータ5A,5Bと、上記バッテリ9からの供給電力を交流に変換して上記ジェネレータ3を駆動するジェネレータ用インバータ13と、同じくバッテリ9からの供給電力を交流に変換して上記各電動モータ5A,5Bをそれぞれ駆動する第1および第2のインバータ11A,11Bと、これら各部を統括的に制御するコントローラ15(本発明にかかる制御手段に相当)とを備えている。
上記左右一対の電動モータ5A,5Bは、車軸8A,8Bを介して左右の駆動輪16A,16Bと連動連結されており、これら各電動モータ5A,5Bの駆動力に応じて、上記各駆動輪16A,16Bがそれぞれ独立に回転駆動されるようになっている。なお、当実施形態の車両1では、その前後左右に備わる4つの車輪のうち前側の2つ(前輪)が駆動輪16A,16Bであり、後側の2つ(後輪)が従動輪17A,17Bである。
上記各電動モータ5A,5Bは、例えば3相の交流同期モータ等からなり、必要時にバッテリ9からインバータ11A,11Bを介して電力の供給を受けることにより、車軸8A,8Bを介して左右の駆動輪16A,16Bをそれぞれ独立に駆動する一方、減速時や下り坂走行時等には、上記車軸8A,8Bから駆動力を得て発電を行い、その発電電力を上記バッテリ9に蓄電するように構成されている。
上記ジェネレータ3は、エンジン2の始動時にバッテリ9からジェネレータ用インバータ13を介して電力の供給を受けることにより、エンジン2のクランク軸を強制回転させてエンジン2を始動するスタータとしての機能、および、エンジン2のクランク軸から駆動力を得て発電するオルタネータとしての機能の両方を兼ね備えたものである。
前輪からなる上記駆動輪16A,16Bは、その向きをステアリングホイール10(以下、単にステアリング10という)の操舵角に応じて変更可能に設けられており、上記ステアリング10が運転者により操作されることにより、上記駆動輪16A,16Bの操向角が制御されて車両1の進行方向が直進方向または左右任意の方向に変更されるようになっている。
図2に示すように、上記コントローラ15は、周知のCPU、ROM、RAM、およびI/O(入出力インターフェース)等を有し、このうちROMには、車両1の運転に必要な各種制御プログラム等があらかじめ格納されている。なお、RAMには制御プログラムの実行に必要な種々のワークメモリが格納されている。
上記コントローラ15には、車両1の各部に設けられた種々のセンサ類が電気的に接続されている。具体的に、コントローラ15には、車両1の走行速度(車速)を検出する車速センサ30と、運転者により踏み込み操作される図外のアクセルペダルの開度AOを検出するアクセル開度センサ31と、エンジン2のクランク軸の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ32と、ジェネレータ3の軸回転速度を検出するジェネレータ回転速度センサ33と、バッテリ9からジェネレータ3に入力される入力電流またはジェネレータ3で発電されてバッテリ9に出力される出力電流を検出するジェネレータ電流センサ34と、各電動モータ5A,5Bの軸回転速度Nを検出するモータ回転速度センサ35と、各電動モータ5A,5Bの入出力電流を検出するモータ電流センサ36と、バッテリ9の残容量を検出するバッテリセンサ37と、ステアリング10の操舵角γを検出する舵角センサ38とがそれぞれ接続されており、これら各センサ30〜38により検出された各種制御情報が上記コントローラ15に電気信号として入力されるようになっている。
上記コントローラ15は、上記各センサ30〜38からの入力情報に基づいて種々の演算を実行し、その結果に基づいて上記エンジン2、ジェネレータ3、電動モータ5A,5B、ジェネレータ用インバータ13、第1および第2のインバータ11A,11B等の動作を統括的に制御する。そして、このようにコントローラ15によって各部が制御されることにより、当実施形態の車両1では、運転者のアクセル操作等に基づき電動モータ5A,5Bがそれぞれ駆動制御されて車両1の走行速度等が調節されるとともに、例えばバッテリ9の残容量が少なくなったとき等に、エンジン2の始動およびジェネレータ3による発電が行われ、その発電電力がバッテリ9に補充されるように構成されている。
図3は、上記ジェネレータ3、電動モータ5A,5B、ジェネレータ用インバータ13、第1および第2のインバータ11A,11Bの電気的構成を示す回路図である。なお、本図では、電動モータ5A,5B、およびこれら各モータ用のインバータ11A,11Bについては、構成が同一であるため、それぞれ一つにまとめて図示している。
図3に示すように、上記電動モータ5A,5Bの各相(U相、V相、W相)には、直列に接続された第1巻線L1および第2巻線L2からなる2つの巻線がそれぞれ設けられており、これら各相の巻線L1,L2に流れる電流の経路を切り替える手段として、上記各インバータ11A,11Bには、スイッチング素子Swが設けられている。そして、このスイッチング素子Swによるスイッチング動作に応じて、上記インバータ11A,11Bからの電流Imが上記第1および第2巻線L1,L2の両方を流れる状態と、このうちの第1巻線L1のみに電流Imが流れる状態との間で電流経路が切り替わるようになっている。
図4は、このように構成された電動モータ5A,5Bの出力特性を示す図である。この線図のうち、太線で示す特性線A1は、上記第1および第2巻線L1,L2の両方に電流を流した場合の出力特性を、細線で示す特性線A2は、上記第1巻線L1のみに電流を流した場合の出力特性を、それぞれ示している。本図に示すように、第1巻線L1のみに電流を流した場合(特性線A2の場合)には、両巻線L1,L2に電流を流した場合(特性線A1の場合)と比べて、電動モータ5A,5Bの軸トルクTは低下するものの、より高い回転速度まで電動モータ5A,5Bを駆動できるようになる。これは、以下の理由による。
すなわち、電動モータ5A,5Bにおける第1および第2の巻線L1,L2に電流が流れているとき、この電動モータ5A,5Bには、図3に示すように、モータ回転速度Nに応じた誘起電圧Vaが発生するが、この誘起電圧Vaがインバータ11A,11B側の電圧Vdcよりも小さい間は、その電位差によりインバータ11A,11B側から電動モータ5A,5Bへと電流Imが流れる。ただし、この状態からさらにモータ回転速度Nが上昇し、上記誘起電圧Vaがインバータ側の電圧Vdcと略等しくなると、電動モータ5A,5Bに電流Imが流れなくなり、図4の特性線A1の限界ラインALに示すように、電動モータ5A,5BのトルクTが急低下する。そこで、電流Imが流れなくなる前に、上記スイッチング素子Swにより電流経路を切り替えて、電流Imが第2巻線L2を迂回して第1巻線L1にのみ流れるようにすれば、その分だけ電動モータ5A,5Bの誘起電圧Vaが低下するため、上記限界ラインALよりも高回転側の領域においても、インバータ11A,11Bと電動モータ5A,5Bの間に電位差を生じさせることができ、より高回転まで電動モータ5A,5Bを駆動できるようになる。
このように、当実施形態では、直列に接続された複数の巻線L1,L2を電動モータ5A,5Bの各相に設け、これら複数の巻線L1,L2の全部または一部に電流が流れるようにその経路を切り替えることにより、電動モータ5A,5Bの出力特性を、低回転寄りの運転領域に対応する特性(図4の特性線A1)と、高回転寄りの運転領域に対応する特性(特性線A2)との間で適宜切り替えるようにしている。なお、以下では、上記第1および第2の巻線L1,L2の両方に電流を流すことにより、特性線A1のような出力特性が得られるように電動モータ5A,5Bを制御した状態を低速モード、上記第1巻線L1のみに電流を流すことにより、特性線A2のような出力特性が得られるように電動モータ5A,5Bを制御した状態を高速モードと称する。
上記電動モータ5Aの出力特性を低速モードから高速モードに切り替える制御は、同モータ5Aの回転速度Nが、図4に示される切替ラインPaよりも高回転側の領域まで上昇したとき(例えば図中の矢印Q1参照)に実行される。また同様に、電動モータ5Bの出力特性を低速モードから高速モードに切り替える制御は、同モータ5Bの回転速度Nが、図4の切替ラインPbよりも高回転側の領域まで上昇したときに実行される。なお、これら切替ラインPa,Pbは、電動モータ5A,5Bごとに個別に設定されるものであるが、通常時はモータ5A,5Bによらず同一のラインに設定されるため、図4では上記各切替ラインPa,Pbを重複して示している。
上記各切替ラインPa,Pb上の任意の1点における回転速度Nta,Ntbは、電動モータ5A,5Bの出力特性を低速モードと高速モードとの間で切り替える際の閾値となる回転速度(切替回転速度)をそれぞれ示しており、これら各切替回転速度Nta,Ntbは、電動モータ5A,5Bのトルク値に応じて異なる値に設定されている。すなわち、各電動モータ5A,5Bについて、その切替回転速度Nta,Ntbがモータのトルク値ごとにマップ形式で定められ、それら各切替回転速度Nta,Ntbが連続的につなげられることにより、上記切替ラインPa,Pbが形成されている。
ところで、図4では、上記切替ラインPa,Pbが若干右上がりに傾斜するように設定されているが、これは電気的な効率を考慮してのものである。また、切替ラインPa,Pbの上端部が、高速モード時の特性線A2の上限ラインに沿うように形成されているのは、矢印Q2に示すように、上記上限ラインより高トルク側の領域から低トルク・高回転側に運転状態が移行した場合にも、その移行線が切替ラインPを横切ることにより、電動モータ5が高速モードに切り替わるようにするためである。
なお、上記矢印Q1,Q2とは逆に、電動モータ5が高速モードで駆動されている状態で、その回転速度Nが上記切替ラインPよりも低回転側の領域まで低下した場合には、上記電動モータ5の出力特性が、上記高速モードから低速モードに切り替わるようになっている。
ここで、低速モードと高速モードとの間の境界線である上記切替ラインPa,Pbは、コントローラ15により変動的に設定される。具体的に、コントローラ15は、舵角センサ38からの入力情報に基づいて車両1が旋回中であること等を判定し、その判定結果に応じて、上記切替ラインPa,Pbを所定の回転速度の範囲で変動的に設定するように構成されている。
次に、以上のように構成された電動車両用駆動装置において、電動モータ5A,5Bの駆動中に行われる制御動作につき、図5のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートがスタートすると、コントローラ15は、上記アクセル開度センサ31により検出されたアクセル開度AO、上記モータ回転速度センサ35により検出された電動モータ5A,5Bの各回転速度N、および上記舵角センサ38により検出されたステアリング10の操舵角γをそれぞれ読み込む制御を実行する(ステップS1)。
次いで、コントローラ15は、電動モータ5A,5Bの各スイッチング素子Swの作動状態に基づいて、現時点での電動モータ5A,5Bの出力特性が低速モードに設定されているか否かを判定する制御を実行する(ステップS2)。すなわち、先にも説明したように、スイッチング素子Swの作動状態に応じて、電動モータ5A,5Bの2つの巻線L1,L2の両方に電流が流れるように電流経路が設定されていれば、上記電動モータ5A,5Bの出力特性として低回転寄りの運転領域に対応した特性(特性線A1)が選択されているため、スイッチング素子Swが上記のような作動状態にあるときに、電動モータ5A,5Bが低速モードで駆動されていると判定する。なお、当フローチャートでは、後述するように、電動モータ5A,5Bにおける出力特性の切替タイミングがなるべく同一となるように制御が行われるため、以下の説明では、2つの電動モータ5A,5Bの出力特性がともに低速モードにある場合と、ともに高速モードにある場合の2つのパターンに分けて説明する。ただし、電動モータ5A,5Bの出力特性が異なる場合(つまり一方のモータが低速モードで他方のモータが高速モードの場合)には、上記ステップS2の判定でモータごとに異なる判定が下され、その後は別々のフローに分岐することになる。
上記ステップS2でYESと判定されて電動モータ5A,5Bの出力特性が低速モードに設定されていることが確認された場合、コントローラ15は、上記ステップS1で読み込まれたアクセル開度AO等に基づいて、電動モータ5A,5Bの負荷が所定以上の高負荷であるか否かを判定する(ステップS3)。
さらに、上記ステップS3でYESと判定されて高負荷であることが確認された場合、コントローラ15は、上記ステップS1で読み込まれたステアリング舵角γが、所定の閾値γ0以上であるか否かに基づいて、車両1が旋回中であるか否かを判定する制御を実行する(ステップS4)。
図6は、このステップS4でYESと判定された場合、つまり車両1が所定の操舵角(γ0)以上で旋回しているときの状態を説明するための図である。図例では、車両1が左向きに旋回している場合が示されており、前輪からなる駆動輪16A,16Bがそれぞれ所定の操向角だけ左向きに傾いている。すなわち、この場合は、左側の駆動輪16Aが内輪、右側の駆動輪16Bが外輪となる。なお、以下では、この図6のように車両1が左旋回している場合、つまり左側の駆動輪16Aが内輪で右側の駆動輪16Bが外輪である場合を前提として説明を進めるが、車両1が右旋回している場合は、内輪と外輪が逆になるだけで、制御内容としては同じである。
上記ステップS4でYESと判定されて車両1が所定の操舵角(γ0)以上で旋回中であることが確認された場合、コントローラ15は、図7の矢印Xに示すように、内輪側(図6の駆動輪16A側)の電動モータ5Aを低速モードから高速モードへと切り替える際の閾値となる上記切替回転速度Ntaを、低回転側に所定量シフトした新たな切替回転速度Ntaxに変更する制御を実行する(ステップS5)。これにより、上記切替回転速度Ntaに対応する切替ラインPaは、低回転側に所定量シフトした新たな切替ラインPaxに再設定される。
図8は、上記ステップS5で上記切替回転速度Nta(切替ラインPa)を低回転側へシフトさせる際のシフト量と、上記ステアリング舵角γとの関係を説明するための図である。本図に示すように、上記切替回転速度Ntaのシフト量は、上記ステアリング舵角γが大きいほど大きい値に設定される。すなわち、上記ステップS1で読み込まれたステアリング舵角γと、上記ステップS4での判定閾値γ0との差に比例するようにシフト量が可変的に設定され、そのシフト量の分だけ上記切替回転速度Ntaが低回転側にシフトされる。
次いで、コントローラ15は、図7の矢印Yに示すように、外輪側(図6の駆動輪16B側)の電動モータ5Bを低速モードから高速モードへと切り替える際の閾値となる上記切替回転速度Ntbを、高回転側に所定量シフトした新たな切替回転速度Ntbyに変更する制御を実行する(ステップS6)。これにより、上記切替回転速度Ntbに対応する切替ラインPbは、高回転側に所定量シフトした新たな切替ラインPbyに再設定される。なお、このときの高回転側へのシフト量は、上記ステップS5のときと同様に、ステアリング舵角γに比例して大きくなるように設定される。
次いで、コントローラ15は、上記ステップS1で読み込まれた内輪側の電動モータ5Aの回転速度Nが、上記ステップS5で低回転側にシフトされた新たな切替回転速度Ntax以上であるか否かを判定する制御を実行する(ステップS7)。すなわち、上記電動モータ5Aの回転速度Nと、アクセル開度AO等から定められる現時点での要求トルクとに基づいて、現時点での電動モータ5Aの駆動状態が図7の特性図上でどの位置にあるかを特定し、その位置が上記シフト後の新たな切替ラインPaxよりも高回転側にあるか否かを判定することにより、モータ回転速度Nが上記切替回転速度Ntax以上であるか否かを判定する。
上記ステップS7でYESと判定されて内輪側のモータ回転速度N≧切替回転速度Ntaxであることが確認された場合、コントローラ15は、内輪側の電動モータ5Aに対応するスイッチング素子Swを作動させ、第1および第2巻線L1,L2のうち第1巻線L1のみに電流が流れるように電流経路を切り替えることにより、内輪側の電動モータ5Aの出力特性を、図7の特性線A2のような特性が得られる高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS8)。
また、コントローラ15は、上記ステップS1で読み込まれた外輪側の電動モータ5Bの回転速度Nが、上記ステップS6で高回転側にシフトされた新たな切替回転速度Ntby以上であるか否かを判定する制御を実行する(ステップS9)。すなわち、上記電動モータ5Bの回転速度Nと、アクセル開度AO等から定められる現時点での要求トルクとに基づいて、現時点での電動モータ5Bの駆動状態が図7の特性図上でどの位置にあるかを特定し、その位置が上記シフト後の新たな切替ラインPbyよりも高回転側にあるか否かを判定することにより、モータ回転速度Nが上記切替回転速度Ntby以上であるか否かを判定する。
上記ステップS9でYESと判定されて外輪側のモータ回転速度N≧切替回転速度Ntbyであることが確認された場合、コントローラ15は、外輪側の電動モータ5Bに対応するスイッチング素子Swを作動させてその出力特性を低速モードから高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS10)。なお、図5のフローチャートでは、内輪側モータ5Aの回転速度Nに関する判定およびその結果に応じた出力特性の切り替え(ステップS7,S8)と、外輪側モータ5Bの回転速度Nに関する判定およびその結果に応じた出力特性の切り替え(ステップS9,S10)とが順番に実行されるようになっているが、実際には、これらの制御動作は並行に実行される。このことは、例えば後述するステップS19〜S22でも同様である。
上記のように、内輪側および外輪側の電動モータ5A,5Bの切替回転速度Nta,Ntbを、低回転側および高回転側にそれぞれシフトさせ(ステップS5,S6)、そのシフト後の新たな切替回転速度Ntax,Ntbyを閾値として上記両電動モータ5A,5Bの出力特性を低速モードから高速モードに切り替えるようにした上記フローによれば、上記両モータ5A,5Bの出力特性の切り替え(ステップS8,S10)をほぼ同時に実行することが可能である。
すなわち、車両1が旋回している最中は、外輪(図6の駆動輪16B)の方が内輪(駆動輪16A)よりも速く回転するため、外輪側の電動モータ5Bの回転速度の方が、内輪側の電動モータ5Aの回転速度よりも速くなる。このため、外輪側の電動モータ5Bにおける切替回転速度Ntbと、内輪側の電動モータ5Aにおける切替回転速度Ntaとを図4に示したように同一の値に維持したままでは、外輪側の電動モータ5Bが高速モードに切り替わるタイミングの方が、内輪側の電動モータ5Aが高速モードに切り替わるタイミングよりも早くなり、両者の切替タイミングの間にずれが生じてしまう。これに対し、上記フローのように、車両1が旋回中であるとき(ステップS4でYESのとき)に、内輪側の電動モータ5Aの切替回転速度Ntaを低回転側にシフトさせるとともに(ステップS5)、外輪側の電動モータ5Bの切替回転速度Ntbを高回転側にシフトさせる(ステップS6)ようにした場合には、内輪側の電動モータ5Aが高速モードに切り替わるタイミングを早め、かつ外輪側の電動モータ5Bが高速モードに切り替わるタイミングを遅らせることができるため、上記のような切替タイミングのずれを解消して上記両電動モータ5A,5Bを同一のタイミングで高速モードに切り替えることが可能になる。
次に、上記ステップS3,S4のいずれかでNOと判定された場合、つまり、電動モータ5A,5Bの負荷が高くないこと、もしくは車両1が旋回中でないことが確認された場合の制御動作について説明する。この場合、コントローラ15は、内輪側の電動モータ5Aの回転速度Nが、図4に示した通常の切替回転速度Nta以上であるか否かを判定し(ステップS11)、ここでYESと判定された場合に、内輪側の電動モータ5Aの出力特性を低速モードから高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS12)。
また、コントローラ15は、外輪側の電動モータ5Bの回転速度Nが、通常の切替回転速度Ntb以上であるか否かを判定し(ステップS13)、ここでYESと判定された場合に、外輪側の電動モータ5Bの出力特性を低速モードから高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS14)。
一方、上記ステップS11,S13、または先のステップS7,S8でいずれもNOと判定されて各電動モータ5A,5Bの回転速度Nが対応する切替回転速度Nta,Ntb(またはNtax,Ntby)より小さいことが確認された場合には、上記ステップS8,S10,S12,S14のような出力特性の切り替えを行うことなくリターンし、電動モータ5A,5Bの出力特性を低速モードのまま維持する。
次に、上記ステップS2でNOと判定された場合、つまり、現時点での電動モータ5A,5Bの出力特性が高速モードに設定されている場合の制御動作について説明する。この場合、コントローラ15は、上記ステップS1で読み込まれたアクセル開度AO等に基づいて、電動モータ5A,5Bの負荷が所定以上の高負荷であるか否かを判定するとともに(ステップS15)、上記ステップS1で読み込まれたステアリング舵角γに基づいて、車両1が所定の操舵角(γ0)以上で旋回中であるか否かを判定する制御を実行する(ステップS16)。
上記ステップS15,S16でともにYESと判定された場合、つまり、電動モータ5A,5Bが高負荷でかつ車両1が旋回中であることが確認された場合、コントローラ15は、図7に示すように、内輪側の電動モータ5Aの切替回転速度Ntaを、低回転側に所定量シフトした新たな切替回転速度Ntaxに変更するとともに(ステップS17)、外輪側の電動モータ5Bの切替回転速度Ntbを、高回転側に所定量シフトした新たな切替回転速度Ntbyに変更する制御を実行する(ステップS18)。なお、これらステップS17,S18での切替回転速度のシフト量は、図8に示したようにステアリング操舵角γの大きさに比例して設定される。
次いで、コントローラ15は、上記ステップS1で読み込まれた内輪側の電動モータ5Aの回転速度Nが、上記ステップS17で低回転側にシフトされた新たな切替回転速度Ntaxより小さいか否かを判定し(ステップS19)、ここでYESと判定された場合に、内輪側の電動モータ5Aの出力特性を高速モードから低速モードに切り替える制御を実行する(ステップS20)。
また、コントローラ15は、外輪側の電動モータ5Bの回転速度Nが、上記ステップS18で高回転側にシフトされた新たな切替回転速度Ntbyより小さいか否かを判定し(ステップS21)、ここでYESと判定された場合に、外輪側の電動モータ5Bの出力特性を高速モードから低速モードに切り替える制御を実行する(ステップS22)。
このとき、内輪側の切替回転速度Ntaxが低回転寄りに、外輪側の切替回転速度Ntbyが高回転寄りに設定されていることから、先に説明したのと同様の理由で、各電動モータ5A,5Bの出力特性を低速モードに切り替える上記ステップS20,S22の実行タイミングは、車両1が旋回中であるにもかかわらず略一致することになる。
次に、上記ステップS15,S16のいずれかでNOと判定された場合、つまり、電動モータ5A,5Bの負荷が高くないこと、もしくは車両1が旋回中でないことが確認された場合の制御動作について説明する。この場合、コントローラ15は、内輪側の電動モータ5Aの回転速度Nが、図4に示した通常の切替回転速度Ntaより小さいか否かを判定し(ステップS23)、ここでYESと判定された場合に、内輪側の電動モータ5Aの出力特性を高速モードから低速モードに切り替える制御を実行する(ステップS24)。
また、コントローラ15は、外輪側の電動モータ5Bの回転速度Nが、通常の切替回転速度Ntbより小さいか否かを判定し(ステップS25)、ここでYESと判定された場合に、外輪側の電動モータ5Bの出力特性を高速モードから低速モードに切り替える制御を実行する(ステップS26)。
一方、上記ステップS23,S25、または先のステップS19,S21でいずれもNOと判定されて各電動モータ5A,5Bの回転速度Nが対応する切替回転速度Nta,Ntb(またはNtax,Ntby)以上であることが確認された場合には、上記ステップS20,S22,S24,S26のような出力特性の切り替えを行うことなくリターンし、電動モータ5A,5Bの出力特性を高速モードのまま維持する。
なお、以上のような図5のフローチャートによる制御においては、ステップS4,S16が本発明にかかる第1のステップに、ステップS5,S6,S17,S18が本発明にかかる第2のステップに、ステップS3,S15が本発明にかかる第3のステップにそれぞれ相当する。
以上説明したように、当第1実施形態の電動車両用駆動装置は、車両1の左右両輪(駆動輪16A,16B)を独立に回転駆動する左右一対の電動モータ5A,5Bと、これら各電動モータ5A,5Bの出力特性を、所定の切替回転速度Nta,Ntbを境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える制御手段としてのコントローラ15とを備えている。そして、上記電動モータ5A,5Bを制御するにあたり、当第1実施形態では、コントローラ15の制御の下、ステアリング10の操舵角γに基づいて車両1が旋回中であるか否かを判定し(ステップS4,S16)、このステップで旋回中であると判定された場合に、内輪側の電動モータ5Aの切替回転速度Ntaを低回転側にシフトさせるとともに(ステップS5,S17)、外輪側の電動モータ5Bの切替回転速度Ntbを高回転側にシフトさせるようにした(ステップS6,S18)。このような制御方法によれば、左右両輪(16A,16B)が独立した電動モータ5A,5Bにより駆動される車両1の挙動が旋回時に不安定になるのを効果的に防止できるという利点がある。
すなわち、上記第1実施形態では、車両1が旋回中であることが確認されると、内輪側の電動モータ5Aの切替回転速度Ntaを低回転側に、外輪側の電動モータ5Bの切替回転速度Ntbを高回転側にそれぞれシフトさせる(つまりNta→Ntax、Ntb→Ntbyに補正する)ようにしたため、旋回中であるために内輪側と外輪側でモータ回転速度Nが異なるにもかかわらず、上記両電動モータ5A,5Bの出力特性を同一のタイミングで切り替えることができる。このため、出力特性の切替タイミングが内輪側と外輪側でずれてしまうのを有効に回避でき、そのタイミングのずれが車両1の旋回動作を乱して車両1の挙動が不安定になるのを効果的に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、車両1が旋回中か否かを判定するステップ(S4,S16)の前に、上記各電動モータ5A,5Bの負荷が所定以上の高負荷であるか否かを判定し(ステップS3,S15)、ここで高負荷と判定された場合にのみ、上記ステップS5,S6等で切替回転速度Nta,Ntbの補正を行うようにしたため、電動モータ5A,5Bの負荷が小さいために出力特性の切替タイミングがずれることによる旋回動作への影響が小さい状況では、上記切替回転速度Nta,Ntbの補正を行わないことにより、制御負荷を効果的に軽減しつつ車両1の挙動安定化を図れるという利点がある。
なお、上記第1実施形態では、内輪側の電動モータ5Aの切替回転速度Ntaを低回転側にシフトさせ(Nta→Ntax)、外輪側の電動モータ5Bの切替回転速度Ntbを高回転側にシフトさせる(Ntb→Ntby)ことにより、内輪側および外輪側の両方の切替回転速度を補正するようにしたが、上記のように旋回中の車両1の挙動安定化を図るには、左右の電動モータ5A,5Bの出力特性が同じタイミングで切り替わるように両者を制御すればよく、上記各回転速度Nta,Ntbを具体的にどのように補正するかは特に問わない。例えば、内輪側および外輪側の各切替回転速度Nta,Ntbの一方を固定して、他方のみを補正することにより、内輪側と外輪側で出力特性の切替タイミングを揃えることも当然に可能である。
また、上記第1実施形態では、電動モータ5A,5Bの回転速度Nが所定の切替回転速度Nta,Ntbまで上昇または低下したときに、スイッチング素子Swを作動させることにより、電動モータ5の各相に備わる複数の巻線L1,L2の全部または一部に電流が流れるように電流経路を切り替え、その切り替えに応じて電動モータ5A,5Bの出力特性を低速モードと高速モードとの間で切り替えるようにしたため、スイッチング素子Swを作動させて電流経路を切り替えるだけの比較的簡単な構成で、電動モータ5A,5Bの出力特性を自在に変化させることができ、より幅広い走行シーンに対応可能な電動モータ5A,5Bの性能を容易に実現できるという利点がある。
なお、上記のような構成に代えて、インバータ11A,11B側の電圧Vdcを、図9に示すような昇圧コンバータ50の作動に応じて変化させることにより、電動モータ5A,5Bの出力特性を低速モードと高速モードとの間で切り替えるようにしてもよい。
すなわち、この図9に示される昇圧コンバータ50は、第1および第2のスイッチング素子Sw1,Sw2を有しており、電動モータ5A,5Bが低速モードにあるときには、上記両スイッチング素子Sw1,Sw2の両方がOFF状態とされることにより、図10の特性線A1’に示すように、電動モータ5の出力特性が低回転寄りの特性に設定される。一方、電動モータ5A,5Bが低速モードから高速モードに移行した際には、第1スイッチング素子Sw1がOFF状態とされかつ第2スイッチング素子Sw2がスイッチング制御される(ON/OFFが繰り返される)ことにより、インバータ11A,11B側の電圧Vdcが増大(昇圧)され、これに応じて図10の特性線A2’に示すように、電動モータ5A,5Bの出力特性が高回転寄りの特性に変化するようになっている。このとき、上記第2スイッチング素子Sw2のスイッチング制御次第で、昇圧時の電圧Vdcを多段階に制御できるため、車両1の運転状態等に応じて電動モータ5A,5Bの出力を適宜の幅で自在に増大させることが可能である。なお、電動モータ5A,5Bが高速モードにあるときに、例えば車両1が減速状態となり、電動モータ5A,5Bがドライブシャフト8A,8Bから駆動力を得て発電を行う際には(つまり回生ブレーキが行われる際には)、上記とは逆に、第1スイッチング素子Sw1がスイッチング制御されて第2スイッチング素子Sw2がOFF状態とされる。
図10におけるラインPa’,Pb’は、電動モータ5A,5Bの出力特性を低速モードから高速モードに切り替える際の閾値となる切替回転速度Nta’,Ntb’に対応するラインであり、電動モータ5の回転速度Nが上記ラインPa’,Pb’上における任意の一点の切替回転速度Nta’,Ntb’まで上昇または下降したときに、上記昇圧コンバータ50の第2スイッチング素子Sw2がスイッチング制御されるかまたはOFF状態とされることにより、上記電動モータ5A,5Bの出力特性が低速モードと高速モードとの間で切り替わるようになっている。そして、このような構成において、上記第1実施形態と同様に、車両1が旋回中であること等の所定の条件が成立したときに、上記切替回転速度Nta’,Ntb’の少なくとも一方を補正することにより、左右の電動モータ5A,5Bの出力特性が切り替わるタイミングを一致させるようにすれば、車両1の旋回時にその挙動を効果的に安定化させることができる。
なお、図10において、低速モードに対応する特性線A1’と高速モードに対応する特性線A2’とを比較すると分かるように、昇圧コンバータ50を用いた上記構成では、上述した第1実施形態の場合(図4)と異なり、低速モード時の最大トルクと高速モード時の最大トルクとの間に差がない。このため、昇圧コンバータ50を常に昇圧状態(スイッチング素子Sw2がスイッチング制御される状態)に維持することにより、電動モータ5A,5Bを常に高速モードで駆動しても、車両1の運転上は特に支障がない。しかしながら、昇圧コンバータ50が昇圧状態にあるときには、スイッチング素子Sw2のスイッチング動作(ON/OFFを繰り返す動作)により、ある程度のスイッチング損失が発生することが避けられないため、電動モータ5A,5Bを常に高速モードで駆動してしまうと、上記スイッチング損失によるエネルギーロスが大きくなり、エネルギー効率の悪化を招いてしまう。そこで、このようなエネルギー効率の悪化を防止するために、通常時には電動モータ5A,5Bを低速モードで駆動しておき、必要時(例えば加速時等)にのみ電動モータ5A,5Bの出力特性を高速モードに切り替えるという制御が必要になるのである。
(実施形態2)
図11および図12は、本発明の第2実施形態にかかるモータ制御方法を説明するためのフローチャートである。これらの図において、破線で囲った部分(ステップS35,S46〜49,S52,S63〜S66)以外のステップは、上記第1実施形態のフローチャート(図5)と同様であるので、以下では、上記破線で囲った部分の制御動作を中心に説明する。また、この第2実施形態において、上記フローチャートの相違点を除く電動車両用駆動装置の基本構成は、上記第1実施形態の場合(図1〜図8)と同様である。
まず、図11のステップ32でYESと判定された場合、つまり、電動モータ5A,5Bの出力特性が低速モードに設定されている場合の制御動作について説明する。この場合、コントローラ15は、電動モータ5A,5Bが高負荷の状態にあり、かつ車両1が所定の操舵角(γ0)以上で旋回しているか否かを判定するとともに(ステップS33,S34)、ここでいずれもYESと判定された場合に、ステアリング10の操舵角γが一定に維持されているか否かを判定する制御を実行する(ステップS35)。具体的には、先のステップS31で読み込まれた現時点の操舵角γと、前回読み込まれた操舵角γとの差が所定の閾値より小さいか否か等を判定することにより、上記ステアリング舵角γが略一定の値に維持されているか否かを判定する。
上記ステップS35でYESと判定されてステアリング舵角γが一定であることが確認された場合、コントローラ15は、ステップS36以降の処理に移って電動モータ5A,5Bの切替回転速度Nta,Ntbをシフトさせる制御等を実行するが、その制御内容は上記第1実施形態のフローチャート(図5)におけるステップS5〜S14と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
一方、上記ステップS35でNOと判定されてステアリング舵角γが一定でないことが確認された場合、コントローラ15は、このステアリング舵角γが増大しているか否かを判定する制御を実行する(ステップS46)。すなわち、ステアリング舵角γの今回の読込み値と前回の読込み値との差等に基づいてステアリング舵角γの変化率を求め、その変化率を所定の閾値と比較する等により、上記ステアリング舵角γが増大しているか否かを判定する。
上記ステップS46でYESと判定されてステアリング舵角γが増大していることが確認された場合、つまり、舵角γの増大に伴い車両1の旋回半径が低下していることが確認された場合、コントローラ15は、外輪側の電動モータ5Bの回転速度Nが、図4に示した通常の切替回転速度Ntb以上であるか否かを判定する制御を実行する(ステップS47)。
そして、コントローラ15は、ここでYESと判定されて外輪側のモータ回転速度N≧切替回転速度Ntbであることが確認された場合に、内輪側および外輪側の各インバータ11A,11Bに対し、スイッチング素子Swを作動させる制御信号を出力することにより、左右の電動モータ5A,5Bの出力特性をともに低速モードから高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS48)。すなわち、上記ステップS47でYESと判定された時点で、内輪側の電動モータ5Aについては、旋回中であるために相対的に回転が遅く、その回転速度Nが未だ図4の切替回転速度Ntaまで上昇していないはずであるが、これとは関係なく、回転の速い外輪側の電動モータ5Bが切替回転速度Ntbに達した時点で、内輪側の電動モータ5Aをも同時に高速モードに切り替えるようにする。言い換えると、ここでの制御は、回転速度の異なる内輪側および外輪側の電動モータ5A,5Bが、回転の速い外輪側の電動モータ5Bが切替回転速度Ntbに達した時点で同時に高速モードに切り替わるように、内輪側の電動モータ5Aの切替回転速度Ntaを低回転側(つまり出力特性の切り替えを早める側)に所定量シフトさせたのと同じことである。
上記ステップS46でNOと判定されてステアリング舵角γが低下していることが確認された場合、つまり、舵角γの低下に伴い車両1の旋回半径が増大していることが確認された場合、コントローラ15は、内輪側の電動モータ5Aの回転速度Nが、図4に示した通常の切替回転速度Nta以上であるか否かを判定する制御を実行する(ステップS49)。
そして、コントローラ15は、ここでYESと判定されて内輪側のモータ回転速度N≧切替回転速度Ntaであることが確認された場合に、内輪側および外輪側の電動モータ5A,5Bをともに低速モードから高速モードに切り替える制御を実行する(ステップS48)。すなわち、上記ステップS49でYESと判定された時点で、回転の速い外輪側の電動モータ5Bについては、その回転速度Nが既に図4の切替回転速度Ntbを超えているはずであるが、これとは関係なく、回転の遅い内輪側の電動モータ5Aが切替回転速度Ntaに達するまで、外輪側の電動モータ5Bを低速モードのまま維持し、上記切替回転速度Ntaに達した時点で上記両電動モータ5A,5Bを同時に高速モードに切り替えるようにする。言い換えると、ここでの制御は、回転速度の異なる内輪側および外輪側の電動モータ5A,5Bが、回転の遅い内輪側の電動モータ5Aが切替回転速度Ntaに達した時点で同時に高速モードに切り替わるように、外輪側の電動モータ5Bの切替回転速度Ntbを高回転側(つまり出力特性の切り替えを遅らせる側)に所定量シフトさせたのと同じことである。
一方、上記ステップS49、および先のステップS47でNOと判定されてモータ回転速度Nが切替回転速度(NtaまたはNtb)より小さいことが確認された場合には、上記ステップS48のような出力特性の切り替えを行うことなくリターンし、電動モータ5A,5Bの出力特性を低速モードのまま維持する。
次に、上記ステップS32でNOと判定された場合、つまり、電動モータ5A,5Bの出力特性が高速モードに設定されている場合の制御動作について説明する。この場合、コントローラ15は、図12のステップS50,S51に移行して、電動モータ5A,5Bが高負荷の状態にあり、かつ車両1が所定の操舵角(γ0)以上で旋回しているか否かを判定する制御を実行する。そして、ここでいずれもYESと判定された場合に、ステアリング舵角γが一定に維持されているか否かを判定する制御を実行する(ステップS52)。
上記ステップS52でYESと判定されてステアリング舵角γが一定であることが確認された場合、コントローラ15は、ステップS53以降の処理に移って電動モータ5A,5Bの切替回転速度Nta,Ntbをシフトさせる制御等を実行する。なお、その制御内容は上記第1実施形態のフローチャート(図5)におけるステップS17〜S26と同様である。
一方、上記ステップS52でNOと判定されてステアリング舵角γが一定でないことが確認された場合、コントローラ15は、このステアリング舵角γが増大しているか否かを判定する制御を実行する(ステップS63)。
そして、コントローラ15は、このステップS63でYESと判定された場合、つまり、ステアリング舵角γの増大に伴い車両1の旋回半径が低下していることが確認された場合に、内輪側の電動モータ5Aの回転速度Nが、図4に示した通常の切替回転速度Ntaより小さいか否かを判定し(ステップS64)、ここでYESと判定された場合に、内輪側および外輪側の電動モータ5A,5Bをともに高速モードから低速モードに切り替える制御を実行する(ステップS65)。すなわち、相対的に回転が遅い内輪側モータ5Aの回転速度Nが切替回転速度Ntaまで低下した時点で、回転が速い外輪側モータ5B(つまり回転速度Nが未だ切替回転速度Ntbまで低下していない電動モータ5B)をも同時に低速モードに切り替えることにより、上記両モータ5A,5Bの低速モードへの切替タイミングを、切替回転速度に達するのが早い方のモータ(電動モータ5A)の切替タイミングに合わせるようにする。
上記ステップS63でNOと判定された場合、つまり、舵角γの低下に伴い車両1の旋回半径が増大していることが確認された場合、コントローラ15は、外輪側の電動モータ5Bの回転速度Nが、図4に示した通常の切替回転速度Ntbより小さいか否かを判定する制御を実行する(ステップS66)。
そして、コントローラ15は、ここでYESと判定されて外輪側モータ5Bの回転速度N<切替回転速度Ntbであることが確認された場合に、内輪側および外輪側の電動モータ5A,5Bをともに高速モードから低速モードに切り替える制御を実行する(ステップS65)。すなわち、相対的に回転が速い外輪側モータ5Bの回転速度Nが切替回転速度Ntbに低下するまで、回転が遅い外輪側モータ5A(つまり回転速度Nが既に切替回転速度Ntaを下回っている電動モータ5A)を高速モードのまま維持することにより、上記両モータ5A,5Bの低速モードへの切替タイミングを、切替回転速度に達するのが遅い方のモータ(電動モータ5B)の切替タイミングに合わせるようにする。
一方、上記ステップS66、および先のステップS64でNOと判定されてモータ回転速度Nが切替回転速度(NtaまたはNtb)以上であることが確認された場合には、上記ステップS65のような出力特性の切り替えを行うことなくリターンし、電動モータ5A,5Bの出力特性を高速モードのまま維持する。
以上説明したように、当第2実施形態では、ステアリング舵角γが増大しているか否かを判定するステップS46,S63の処理(本発明にかかる第4のステップに相当)に基づいて車両1の旋回半径の変化を調べ、そこでYESと判定されて旋回半径が低下していること(つまり車両1が急旋回しつつあること)が確認された場合に、左右の電動モータ5A,5Bのうち、通常の切替回転速度Nta,Ntbに達するのが早い方の電動モータ(低速モード時は外輪側モータ5B、高速モード時は内輪側モータ5A)の切替タイミングに合わせて、両方の電動モータ5A,5Bの出力特性を同時に切り替えるようにした。このような制御方法によれば、車両1の旋回時に、電動モータ5A,5Bの出力特性の切替タイミングが内輪側および外輪側でずれることによる挙動の不安定化を防止しつつ、その切替タイミングを早めに設定することにより、車両1の旋回動作が進行してその旋回半径がさらに小さくなる前に、上記出力特性の切り替えを完了させることができ、その切り替え時に生じる電動モータ5A,5Bのトルク変動により車両1の旋回動作が乱されるのを効果的に防止できるという利点がある。
また、上記第2実施形態では、上記ステップS46,S63でNOと判定されて旋回半径が増大していること(つまり直進状態に戻りつつあること)が確認された場合に、左右の電動モータ5A,5Bのうち、通常の切替回転速度Nta,Ntbに達するのが遅い方の電動モータ(低速モード時は内輪側モータ5A、高速モード時は外輪側モータ5B)の切替タイミングに合わせて、両方の電動モータ5A,5Bの出力特性を同時に切り替えるようにした。このような制御方法によれば、電動モータ5A,5Bの出力特性の切替タイミングが内輪側および外輪側でずれることによる挙動の不安定化を防止しつつ、その切替タイミングを遅めに設定することにより、車両1の旋回半径がより大きくなってから、もしくは車両1が直進状態に復帰してから上記出力特性の切り替えを実行することができ、その切り替え時に生じる電動モータ5A,5Bのトルク変動により車両1の旋回動作が乱されるのを効果的に防止できるという利点がある。
このように、上記第2実施形態の制御方法によれば、内輪側および外輪側の電動モータ5A,5Bの間で出力特性の切替タイミングを揃え、しかもその同時切り替えを車両の旋回半径の変化に基づいた適切なタイミングで実行することにより、車両1の旋回時にその挙動をより効果的に安定化させることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態の一例を上記第1および第2の実施形態として説明したが、本発明の制御方法はこのような例に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上記各実施形態では、ステアリング10の操舵角γに基づいて車両1が旋回しているか否か等を判断するようにしたが、左右の駆動輪16A,16Bにそれぞれ車輪速センサを設け、その検出値から求められる両者の車輪速の差に基づいて車両1の旋回動作を判断するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジン2と電動モータ5A,5Bとを動力源として併用したハイブリッド型自動車に対して本発明の制御方法を適用した例について説明したが、本発明の制御方法は、電動モータ5A,5Bを動力源の少なくとも一部として用いた電動車両であれば、特にその種類を問わず適用可能である。
本発明の第1実施形態にかかるモータ制御方法が適用される電動車両用駆動装置の全体構成を示す概略平面図である。 上記電動車両用駆動装置の制御系を示すブロック図である。 上記電動車両用駆動装置における電動モータやインバータ等の電気的な構成を示す回路図である。 上記電動モータの出力特性を説明するための図である。 上記電動モータの駆動中に行われる制御動作の内容を示すフローチャートである。 車両の旋回中の状態を示す図1相当図である。 切替回転速度をシフトさせる状況を説明するための図4相当図である。 上記切替回転速度のシフト量とステアリング舵角との関係を説明するための図である。 上記第1実施形態の変形例を説明するための回路図である。 上記変形例における電動モータの出力特性を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかるモータ制御方法を説明するためのフローチャート(その1)である。 上記第2実施形態にかかるモータ制御方法を説明するためのフローチャート(その2)である。
符号の説明
1 電動車両(車両)
5A,5B 電動モータ
15 コントローラ(制御手段)
N (電動モータの)回転速度
Nta (内輪側の電動モータの)切替回転速度
Ntb (外輪側の電動モータの)切替回転速度

Claims (6)

  1. 車両の左右両輪を独立に回転駆動する左右一対の電動モータの出力特性を、所定の切替回転速度を境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える電動車両のモータ制御方法であって、
    車両が旋回中であるか否かを判定する第1のステップと、
    このステップで旋回中であると判定された場合に、左右の電動モータの出力特性が同じタイミングで切り替わるように両モータの少なくとも一方の切替回転速度を補正する第2のステップとを含むことを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  2. 請求項1記載の電動車両のモータ制御方法において、
    上記電動モータの負荷が所定以上の高負荷であるか否かを判定する第3のステップを含み、
    このステップで高負荷と判定された場合にのみ、上記第2のステップで切替回転速度の補正を行うことを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  3. 請求項1または2記載の電動車両のモータ制御方法において、
    上記第1のステップで車両が旋回中であると判定された場合に、上記第2のステップとして、内輪側の電動モータの切替回転速度を低回転側にシフトさせるとともに、外輪側の電動モータの切替回転速度を高回転側にシフトさせることを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  4. 請求項1または2記載の電動車両のモータ制御方法において、
    車両の旋回半径の変化について調べる第4のステップを含み、
    このステップで旋回半径が低下していることが確認された場合に、上記第2のステップとして、左右の電動モータの出力特性が切り替わるタイミングを、両モータのうちその回転速度が上記切替回転速度に達するのが早い方のモータの切替タイミングに一致させるように制御することを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  5. 請求項1または2記載の電動車両のモータ制御方法において、
    車両の旋回半径の変化について調べる第4のステップを含み、
    このステップに基づき旋回半径が増大していることが確認された場合に、上記第2のステップとして、左右の電動モータの出力特性が切り替わるタイミングを、両モータのうちその回転速度が上記切替回転速度に達するのが遅い方のモータの切替タイミングに一致させるように制御することを特徴とする電動車両のモータ制御方法。
  6. 車両の左右両輪を独立に回転駆動する左右一対の電動モータと、これら各電動モータの出力特性を、所定の切替回転速度を境に、低回転寄りの運転領域に対応する低速モードと、これよりも高回転寄りの運転領域まで対応可能な高速モードとの間で切り替える制御手段とを備えた電動車両用駆動装置であって、
    上記制御手段は、車両が旋回中であるか否かを判定し、その判定によって旋回中であることが確認された場合に、左右の電動モータの出力特性が同じタイミングで切り替わるように両モータの少なくとも一方の切替回転速度を補正することを特徴とする電動車両用駆動装置。
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