JP5251141B2 - 電力変換システム - Google Patents
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Description
図11(a)の回路では、直流電源PSが直流中間コンデンサCdに直結されている。この場合、直流電圧Vdの変動によって三相インバータの出力が変動するため、直流電圧Vdの変動分を補償した三相インバータの出力制御が必要となる。
上記昇圧チョッパChopは、直流電源PSと直流中間コンデンサCdとの間に接続され、半導体スイッチQp,Qn及びリアクトルLcから構成されている。半導体スイッチQp,Qnを交互にオンオフすることにより、直流中間コンデンサCdの電圧Edを直流電源PSの電圧Vdよりも高く調整することができ、例えば直流電源PSにバッテリ等を用いてその電圧が垂下した場合でも、昇圧チョッパChopの動作によって三相インバータの直流中間電圧Edを一定に保ち、三相インバータの出力を安定させることができる。
図13(a)の従来技術によれば、図12に示した昇圧チョッパChopを用いずに、負荷Mのインダクタンスと三相インバータの半導体スイッチQu〜Qzのオンオフとを利用することにより、直流中間コンデンサCdの電圧Edを直流電源PSの電圧Vdよりも高い値に維持することができる。
これにより、図12の昇圧チョッパChopと同様の昇圧動作を三相インバータによって実現することができ、また、三相インバータを従来と同様に所定のスイッチングパターンに従って動作させることにより、出力電圧及び出力電流を制御して負荷Mに供給することができる。
なお、図13(a)において、idは直流電源PSから負荷Mの中性点に流入する電流を示している。また、図13(b),(c)は図13(a)の動作説明図であり、これらについては後述する。
すなわち、電力変換装置100B及び負荷Mには、三相インバータとしての動作責務のほかに、直流電圧Vdを約2倍に昇圧する昇圧チョッパとしての動作責務が加わることになる。
また、図14(b)に示す如く、出力電圧指令V*が小さい場合において、直流電圧Vdを昇圧することなく三相インバータの出力電圧を所望の値に制御できる場合には、昇圧動作自体が不要であるが、出力電圧指令V*の大きさにかかわらず昇圧チョッパ動作することで余分な損失が電力変換装置100B及び負荷Mに発生し、効率が低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明の解決課題は、零相コンバータとして動作可能な電力変換装置と負荷及び電源を備えた電力変換システムの効率を向上させることにある。
前記負荷の中性点と電源との間に第1のスイッチを接続し、
この第1のスイッチと前記電源との接続点と、前記電源が接続されていない側の電力変換装置の直流端子との間に、第2のスイッチを接続し、
前記第1のスイッチ及び第2のスイッチを交互にオンオフするものである。
図1は請求項1に相当する本発明の第1実施形態を示しており、図13(a)と同一の構成要素には同一の符号を付し、以下では異なる部分を中心に説明する。
図1において、直流電源PSの正極と負荷Mの中性点との間には第1のスイッチS1が接続され、直流電源PSの正極と電力変換装置100Bの正側直流端子Pとの間には第2のスイッチS2が接続されている。これらのスイッチS1,S2には、例えば半導体スイッチング素子等の電子式スイッチを用いることができるが、電磁接触器等の機械式スイッチを用いても良い。
図2は、図1の回路において、第1のスイッチS1を開放し、第2のスイッチS2を投入する状態を示している。この状態では、図2(a)から明らかなように、電力変換装置100Bの正側直流端子Pと負側直流端子Nとの間に直流電源PSと直流中間コンデンサCdとが並列に接続されて直流中間コンデンサCdが直流電源PSによって充電されることになり、図2(b)に示す如く、直流中間電圧Edは直流電圧Vdと同電位になる。
この場合、図3(a)の回路は等価的に図13(a)と同一になるので、図3(b)に示す動作波形は図13(c)と同一になる。
また、請求項1に記載するように、第1,第2のスイッチS1,S2を交互にオンオフすることにより、電力変換装置100Bから負荷Mに所望の電圧を供給することが可能である。
この図4は本発明の第2実施形態を示すものであり、図4(a)では、図1における第2のスイッチS2として、図示の極性でダイオードDdが接続されている。
また、図4(c)に示すように、第1のスイッチS1を投入した状態で電力変換装置100Bを昇圧動作させれば、直流中間電圧Edは直流電圧Vdの約2倍に昇圧される。
この場合、直流中間電圧Edが上昇してもダイオードDdが阻止するため、直流中間コンデンサCdから直流電源PSに電流が直接流れ込むことはない。
本実施形態によれば、第2のスイッチS2としてダイオードDdを用いることにより、スイッチS2の開放・投入動作が不要となる。
図6(a),(b)では、初期充電回路Chを第2のスイッチS2と並列に接続してあるが、第1のスイッチS1と並列に接続しても同様の作用効果が得られることはいうまでもない。
図8(a)は、第2のスイッチS2を投入し、二つの第1のスイッチS11,S12を開放する状態を示している。このとき、電力変換装置100B1,100B2の直流中間電圧Ed1,Ed2は何れも直流電源PSの電圧Vdと等しくなる。
従って、電力変換装置100B1,100B2の動作は何れも図2の第1実施形態と同様になり、各変換装置100B1,100B2は三相インバータの動作により直流電圧Vdを三相交流電圧に変換し、負荷M1,M2には図8(b)に示す三相交流電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2がそれぞれ供給される。
このため、各変換装置100B1,100B2から負荷M1,M2に供給される三相交流電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2は、図9(b)に示すようになる。
なお、図9(a)において、負荷M1に三相交流電力を供給する必要がないときには、図14(a)と同様に出力電圧指令V*をゼロで固定すればよい。
なお、この実施形態における第2のスイッチS2としては、図4の第2実施形態のようにダイオードDdを用いても良い。
また、図7では図1の回路を2台分、並列に接続してあるが、図1の回路を3台以上、並列に接続しても良いことは言うまでもない。
P:正側直流端子
N:負側直流端子
U,V,W:出力端子
M,M1,M2:負荷
PS:直流電源
Cd,Cd1,Cd2:直流中間コンデンサ
Qu,Qv,Qw,Qx,Qy,Qz:半導体スイッチング素子
S1,S11,S12,S2:スイッチ
Dd:ダイオード
Ch:初期充電回路
Rch:抵抗
Dch:ダイオード
Claims (5)
- 複数の半導体スイッチング素子を有する電力変換装置と、この電力変換装置の出力端子に接続された負荷と、この負荷の中性点と電力変換装置の正側直流端子または負側直流端子との間に接続された電源と、を備えた電力変換システムにおいて、
前記負荷の中性点と電源との間に第1のスイッチを接続し、
この第1のスイッチと前記電源との接続点と、前記電源が接続されていない側の電力変換装置の直流端子との間に、第2のスイッチを接続し、
前記第1のスイッチ及び第2のスイッチを交互にオンオフすることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1に記載した電力変換システムにおいて、
前記第2のスイッチとして半導体素子を用いたことを特徴とする電力変換システム。 - 請求項2に記載した電力変換システムにおいて、
前記第2のスイッチがダイオードであることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換システムにおいて、
前記第2のスイッチと並列に初期充電回路を接続したことを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載した電力変換システムを複数台並列に接続したことを特徴とする電力変換システム。
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