JP5250942B2 - 車輪用転がり軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の懸架装置に車輪を回転自在に支持するために使用される車輪用転がり軸受装置に関する。
2WD(2輪駆動)モードと4WD(4輪駆動)モードとの切換えが可能なパートタイム4WD車用の車輪用転がり軸受装置として、駆動力を断続する切換えが可能なものがある。
具体的には、車輪が取付けられるハブシャフトに対して車両の駆動力を断続する切換え機構として、ハブシャフトの車両インナ側(車輪が装着される側の反対側)の端部に外嵌装着され、外周面にスプライン溝を有するカプラーリングを備えるものが知られている。
この車輪用転がり軸受装置は、隣接する継手外輪(等速度自在継手外輪)の外周面に設けられ、前記カプラーリングと同径のスプライン溝と、隣接するこれら両スプライン溝上を軸方向に摺動可能なギアリングと、を備える車輪支持装置にカプラーリングを介して連結して用いられる。
この場合、前記両方のスプライン溝と係合する位置にギアリングを移動させると、ハブシャフトと継手外輪とが作動的に連結され、ハブシャフトにギアリングを介して車両の駆動力が伝達される。また、継手外輪のスプライン溝のみと係合する位置にギアリングを移動させると、ハブシャフトへの駆動力の伝達を切り離すことができる。
この車輪用転がり軸受装置において、カプラーリングをハブシャフトに固定する方法としては、ハブシャフトの軸端をかしめて径方向外方に屈曲変形させカプラーリングをかしめる手法(一般に軸端かしめという。)が採られている(特許文献1参照)。
このような車輪用転がり軸受装置を用いると、2WDモードにおいて従動輪となる2輪が、駆動系(アスクルシャフト、デファレンシャル、プロペラシャフト等)を回転させることがないので、燃費の向上、振動や騒音の低下、駆動部品の耐久性向上等を図ることができる。
特開2000−351336号公報
上述のように、特許文献1記載の軸受装置によれば、カプラーリングおよびそれに隣接する複列円すいころ軸受を軸端かしめにより押さえ付けることにより、複列円すいころ軸受およびカプラーリングをハブシャフトに対して確実に固定することができるとともに、複列円すいころ軸受やカプラーリングに予圧を与えることができる。
しかしながら、このような軸端かしめの場合、ハブシャフトの軸端を変形させる際のかしめ圧力がハブシャフトの径方向外方に分散され、しかも、かしめ部と複列円すいころ軸受との間にカプラーリングを介在させているため、量産時に複列円すいころ軸受に対して予圧を付与するための予圧管理が複雑になり工数がかかる。また、車輪用の転がり軸受装置は、走行時の操舵感を向上させるため等の目的で、剛性の向上に努めてきたが、最近はより、剛性を向上することが求められるようになってきた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の駆動力のハブシャフトへの伝達と切り離しに用いられるカプラーリングを有する車輪用転がり軸受装置において、予圧管理を容易に行えるとともに、より高い軸受剛性が確保された車輪用転がり軸受装置を提供することにある。
第1の手段は、「車両の車輪を支持する車輪用転がり軸受装置であって、前記車輪用転がり軸受装置は、ハブシャフト、転がり軸受、およびカプラーリングを有し、前記ハブシャフトは、前記車両の車輪が取り付けられるフランジ部を軸方向一端側に有し、前記カプラーリングがねじ込まれる雄ねじを軸方向他端側に有し、前記転がり軸受は、前記ハブシャフトの軸方向中間部分の外周面に取り付けられ、軸方向一端側の端面において前記フランジ部の軸方向他端側の端面に接触する内輪、前記車両の懸架装置に取り付けられる外輪、および前記内輪と前記外輪との間に配置される転動体を有し、前記カプラーリングは、内周側に雌ねじを有し、前記雌ねじが前記ハブシャフトの雄ねじにねじ込まれることにより前記ハブシャフトの外周面に取り付けられ、前記内輪の軸方向他端側の端面に接触して前記内輪を前記フランジ部に押し付けることにより前記転がり軸受に予圧を付与し、車軸の継手外輪に連結されているときに前記車両の駆動力を前記ハブシャフトに伝達し、前記継手外輪から切り離されているときに前記ハブシャフトへの前記車両の駆動力の伝達を遮断し、前記ハブシャフトの雄ねじおよび前記カプラーリングの雌ねじは、前記車両の前進移動時における前記継手外輪の回転により、前記ハブシャフトに締め付けられる方向に前記カプラーリングが回転するねじ方向を有する車輪用転がり軸受装置。」を含む。
上記手段によれば、カプラーリングのハブシャフトに対する締め込みによって、転がり軸受をフランジ部に押し付けて予圧を付与できる。これにより、予圧力が径方向に分散されることなく均等に転がり軸受に付与でき、軸受剛性を高めるために転がり軸受の予圧管理が簡単かつ確実に行えるようになる。さらに、かしめ操作に要する工程や設備を省略でき、車輪用転がり軸受装置の組立コストの低減が図れるようになる。
上記手段によれば、車両が前進移動する場合にカプラーリングがハブシャフトにねじ込まれるようになり、カプラーリングの緩みが効果的に抑制できるようになる。
第2の手段は、「前記ハブシャフトは、前記軸方向他端側の端部に突出部を有し、前記突出部は、前記ハブシャフトの径方向外方に突出して前記カプラーリングの軸方向他端側の端面に接触する車輪用転がり軸受装置」を含む。
上記手段によれば、ハブシャフトの突出部によってカプラーリングの緩み止めが図れ、当該カプラーリングがより安定してハブシャフトに螺合固定されるようになる。その結果、車輪用転がり軸受装置が備える高い軸受剛性をさらに継続的に維持し得るようになる。
第3の手段は、「前記ハブシャフトは、前記カプラーリングの抜け止めとして機能する部分が前記軸方向他端側の端部に形成されていない構成を有する車輪用転がり軸受装置」を含む。
本発明によれば、車両の駆動力のハブシャフトへの伝達と切り離しに用いられるカプラーリングを有する車輪用転がり軸受装置にあって、予圧管理を容易に行えるとともに、より高い軸受剛性を確保することができるようになる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
図1に示すように、ハブシャフト1の軸方向一端部(車両アウタ側)(図1の左側)の外周面には、径方向外方に延びるように円盤状または十字形状のフランジ部1aが設けられている。車輪のホイール(図示せず)はボルトbを介してフランジ部1aと締結される。また、ハブシャフト1の軸方向他端部(車両インナ側)(図1の右側)の端部1eの外周面には、後述するカプラーリング3がねじ込まれる雄ねじ部11aが形成されている。このハブシャフト1は自動車等の車両の左側に配置されるものを示しているので、車両の前進移動に伴いカプラーリング3がハブシャフト1に締め込まれるように、雄ねじ部11aは右ねじ方向に形成されている。ここで、カプラーリング3の内周面には、右ねじ方向に雌ねじ部3aが形成されている。
ハブシャフト1の軸方向中間部分の外周面には、ハブシャフト1を車体の懸架装置に対して回転自在に支持するための複列円すいころ軸受2が外嵌装着されている。
複列円すいころ軸受2の内輪は、軸方向一端部と他端部にこの順で配設された第1内輪部材2aと第2内輪部材2bとからなる。第1内輪部材2aの軸方向一端側の端面22aは、ハブシャフト1のフランジ部1aの軸方向他端側の端面1bに面接触している。第2内輪部材2bは、第1内輪部材2aの軸方向他端側に隣接して配置されている。第1内輪部材2aは、第1列の円すいころ21aの軌道面である第1内輪軌道201aを有しており、第2内輪部材2bは、第2列の円すいころ21bの軌道面である第2内輪軌道201bを有している。
一方、複列円すいころ軸受2の外輪2cは、第1内輪軌道201aに対向する第1外輪軌道202aと、第2内輪軌道201bに対向する第2外輪軌道202bとを有する。また、外輪2cの外周面には、径方向外方に延びるようにフランジ部2dが設けられている。フランジ部2dには、車体の懸架装置(図示しない)への取り付けに用いるボルト穴2fが形成されている。
ハブシャフト1と、等速自在継手の外輪としての継手外輪4の内側端面に設けられた車軸4aとの間には、玉軸受5および針状ころ軸受7が介装されており、ハブシャフト1を車軸4aに対して回転自在に支持している。玉軸受5は深溝玉軸受とされ、ハブシャフト1のフランジ部1aとほぼ同じ軸方向位置に止め輪6によって軸方向の移動を規制されるように配置されている。また、針状ころ軸受7は、玉軸受5よりも軸方向他端側に配置され、その軸方向位置は、ハブシャフト1の外周面に設けられた複列円すいころ軸受2の第2内輪部材2bとほぼ同じとされている。これら2つの軸受5,7を設けることで、ハブシャフト1と車軸4aとが互いに同軸状態で強固に支持される。また軸方向他端側の軸受を針状ころ軸受7とすることで、当該軸受7を取付けた部分におけるハブシャフト1の肉厚を確保し易くしている。
前述した複列円すいころ軸受2の第2内輪部材2bの軸方向他端側には、リング状部材であるカプラーリング3が設けられている。カプラーリング3は、第2内輪部材2bの軸方向他端側の端面2eに当接して設けられている。カプラーリング3の外周面にはスプライン溝3bが形成されており、カプラーリング3の内周面には、前述したように右ねじ方向に雌ねじ部3aが形成されている。また、ハブシャフト1の軸方向他端側の端部1eの外周面には、前述したように雄ねじ部11aが形成されている。そして、カプラーリング3は、フランジ部1aの車両インナ側の端面1bに向けて軸方向に第2内輪部材2bを押圧するように、ハブシャフト1の雄ねじ部11aに螺合装着されている。詳述すると、カプラーリング3は、ハブシャフト1への雌ねじ部3aの締め付け力により、第2内輪部材2bに隣接する第1内輪部材2aを介して当該第2内輪部材2bをフランジ部1aの端面1bに向けて強く押し付けている。このように、カプラーリング3から作用する締め付け力により、カプラーリング3および第1および第2内輪部材2a,2bのハブシャフト1に対する固定が確実とされている。
カプラーリング3の近傍における継手外輪4の外周面には、カプラーリング3の外周スプライン溝3bと同径かつ同形状の継手外輪側スプライン溝4bが配置されている。これら外周スプライン溝3bと継手外輪側スプライン溝4bとは、互いに同軸の関係にある。そして、軸方向に摺動可能なリング状のギアリング8の内周面のスプライン溝8bが、外周スプライン溝3bと継手外輪側スプライン溝4bの両者に噛み合った状態(図1に示す状態)で車軸4aの回転駆動力がハブシャフト1に伝達される。一方、ギアリング8が軸方向他端側(図1の右側)に移動すると、ギアリング8は、継手外輪側スプライン溝4bとは噛み合っているが、カプラーリング3の外周スプライン溝3bには噛み合っていない状態(図示省略)となり、車軸4aの回転駆動力はハブシャフト1には伝達されない。このように、ギアリング8を軸方向に前後に摺動させることにより、ハブシャフト1への車軸4aの駆動力を断続する切換えを可能としている。尚、特に図示しないが、ギアリング8の摺動は、エアや油圧など適宜の動力手段を用いた摺動機構によりなされる。
(軸受装置の組立方法)
次に、本実施形態の複列円すいころ軸受装置の組立方法、特にハブシャフト1にカプラーリング3を螺合装着する手順について説明する。カプラーリング3が螺合される軸方向他端側の円筒状の端部1eにおける雄ねじ部11aの雄ねじの外径は、カプラーリング3の雌ねじ部3aの雌ねじの内径と略同径とされている。この状態で、ハブシャフト1の端部1eは、第1内輪部材2aや第2内輪部材2bなどの装着を許容する形状とされている。また、ハブシャフト1の端部1eは、カプラーリング3が第2内輪部材2bに当接するまでねじ込まれた状態で、カプラーリング3の端面3cより僅かに車両インナ側に突出した状態となっている。
この状態のハブシャフト1の端部1e側から、複列円すいころ軸受2をフランジ部1aへ向けて外嵌する。次に、カプラーリング3の内周の雌ねじ部3aをハブシャフト1の外周の雄ねじ部11aに螺合させつつ、カプラーリング3をハブシャフト1の端部1eに外嵌装着する。
(車両の運転動作とカプラーリングの取り付け状態との関係)
本実施形態において、カプラーリング3は、自動車等の車両が前進移動する場合に継手外輪4(車軸4a)の回転に伴いハブシャフト1に対して締まる方向に螺合装着されている。即ち、車両の左側に配置される車輪用転がり軸受装置のカプラーリング3およびハブシャフト1には、それぞれ右ねじの方向に雌ねじ部3a,雄ねじ部11aが形成されている。一方、車両の右側に配置される車輪用転がり軸受装置では、それぞれ左ねじの方向に雌ねじ部3a,雄ねじ部11aが形成されている。これにより、車両が前進移動する場合において、カプラーリング3はハブシャフト1に対して緩む方向には回転せず、カプラーリング3の緩み止めや抜け止めの効果が得られる。尚、自動車等の車両の場合は、通常、前進移動の頻度が後退移動の頻度より圧倒的に多いと考えられるので、この点からもカプラーリング3の緩み止め等の効果が得られている。
以上、本実施形態の複列円すいころ軸受装置によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、カプラーリング3およびハブシャフト1の端部1eの各雌ねじ部3a,11aの締め付け(締結)によって、当該カプラーリング3が複列円すいころ軸受2の第2内輪部材2bをフランジ部1aに向けて軸方向に押圧するようにしてハブシャフト1に固定されている。これにより、複列円すいころ軸受2に対して適切に予圧が付与されるようになる。詳述すると、前述した第2内輪部材2bへの押圧力と、フランジ部1aの端面1bからの反力とにより、複列外向き構造をなす第1および第2内輪部材2b,2b同士が互いの背面から締め付けられる。そして、円すいころ21a,21bは、円筒状且つ剛性に形成された外輪2cによって第1および第2外輪軌道202a,202bから押圧されて弾性変形し、有効隙間が適正な状態とされる。尚、本実施形態では、図1に示すように、第2内輪部材2bとカプラーリング3は、それぞれの端面2eと端面3eにおいて互いに面接触している。このため、カプラーリング3のハブシャフト1への締め込みによる第2内輪部材2bへの押圧力がより均等に軸方向に付与されるようになっている。以上により、複列円すいころ軸受2に負の内部隙間を設定する予圧が、簡単かつ確実に付与できる。その結果、高い軸受剛性と振動・異音の発生に関する対策が確保された複列円すいころ軸受装置を提供することができるようになる。
(2)本実施形態では、カプラーリング3およびハブシャフト1の端部1eの雌ねじ部3a,11aの締め付けによって、複列円すいころ軸受2に対して予圧を付与するようにされている。かしめ操作では、軸端かしめに伴う径方向の分力によってカプラーリング3が径方向外方に押され、カプラーリング3に径方向に拡がる歪みが生じ易い。しかし、本実施形態では、軸端かしめの代わりにカプラーリング3の締め付けを用いるため、かかる歪みが効果的に抑制される。これにより、カプラーリング3とギアリング8のそれぞれのスプライン溝3bと8bとの噛み合わせ部に隙間が生じず、カプラーリング3と継手外輪4とが強固且つ作動的に連結される。その結果、車両の駆動力が車輪用転がり軸受装置を介して効率よく車輪に伝えられるようになる。
(3)カプラーリング3を複列円すいころ軸受2にかしめ固定する操作を車輪用転がり軸受装置の組立過程から廃止することができる。これにより、軸端かしめに要する工程や設備を省略でき、複列円すいころ軸受装置の組立コストの低減が図れるようになる。
(4)本実施形態の軸受2は、複列外向き円すいころ軸受の形態を備えるため、小さいサイズで大きな周方向、軸方向の荷重を受けることができる。このため、複列円すいころ軸受装置のコンパクト化や軽量化に有効であり、特に駆動輪として用いる場合に燃費の向上等の効果が大きい。
尚、上記実施形態は以下のように変形してもよい。
・上記実施形態では、カプラーリング3の抜け止めを行うための静的な構造をハブシャフト1に何ら設けることなくカプラーリング3を装着した。しかし、図2(a)および(b)に示すように、ハブシャフト1の軸方向他端側の端面1cにおいて、周方向に等角度間隔(図2(b)では約120度間隔)に3箇所、カプラーリング3の抜け止めを行うための突出部1d,・・・を形成することができる。図2においては、各突出部1dは、カプラーリング3の端面3cより外方に突出しているハブシャフト1の雄ねじ部11aをハンマー等の適当な治具によって打ち付けて径方向外方に突出させ形成したものである。これら突出部1d,・・・によって、車両が後退移動する場合において、カプラーリング3の緩みが効果的に抑制されるようになる。ここでは、図2(a)および(b)に示すように、カプラーリング3の緩みがより効果的に抑制されるように、各突出部1dをカプラーリング3の端面3cの径小領域に当接させることが好ましい。これにより、特に車両が後退移動する場合にカプラーリング3がハブシャフト1の端部1eから緩んで複列円すいころ軸受2に対する予圧が変化することを効果的に抑制できる。尚、図2(b)においては、各突出部1dは等角度間隔に3個形成した例を示したが、カプラーリング3の緩みや抜け落ちが有効に抑制できる限り、2個または4個を等角度間隔に形成してもよく、5個以上を等角度間隔に形成してもよい。さらに、カプラーリング3の緩みが有効に抑制できれば、各突出部1dを等角度間隔に配置することは必ずしも必要ではない。
・上記実施形態では、軸受2を軸方向一端部と他端部にこの順で配設される2個の第1および第2内輪部材2a,2bを備える複列円すいころ軸受とした。しかし、これに限らず、本実施形態の技術的思想は、図3に示すように、軸方向一端部の第1内輪部材2aがハブシャフト1と一体化された構造のものにも同様に適用できる。このように第1内輪部材2aとハブシャフト1とを一体にすることで、ハブシャフト1の肉厚が十分に確保され、ハブシャフト1の捩りや曲げに対する剛性が向上し、ハブシャフト1の強度向上がより効果的に図られる。また、ハブシャフト1と別体の内輪部材が軸方向他端部の第2内輪部材2bのみとなるため、カプラーリング3によってより効率的に当該第2内輪部材2bに押圧力が付与できる。これにより、複列円すいころ軸受装置の軸受剛性が全体としてより高められるようになる。
・上記実施形態では、転がり軸受を、転動体に円すいころ21a,21bを用いた複列円すいころ軸受としたが、これに限られず、例えば、転動体に玉を用いた複列外向きアンギュラ玉軸受であってもよい。この場合は、転動体が軌道面と転がり接触するようになり、摩擦トルクが小さくなって車輪用転がり軸受装置のさらなる低トルク化と高速化が実現される。
・上記実施形態では、カプラーリング3と第2内輪部材2bとの間には何ら部材を介在させることなく、第2内輪部材2bをフランジ部1aに向けて軸方向に押圧するように、カプラーリング3を装着した。しかし、例えば、カプラーリング3と第2内輪部材2bとの間に平座金を環装することもできる。この場合、座面接触部における摩擦係数が大きくなり、カプラーリング3の締め付けの際に、より適正なトルクが加えられるようになる。さらにこの場合、カプラーリング3の外周径が小さく、カプラーリング3の締め付けにより複列円すいころ軸受2に対して十分な押圧力を付与することが難しい場合においても、外周径の大きな平座金を選定することにより、十分な押圧力を加えることができる。さらに、前記した実施形態および変形例より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用転がり軸受装置において,前記内輪は、軸方向一端部と他端部にそれぞれリング状の内輪部材が複列配列されて構成され、前記軸方向一端部に位置する内輪部材が前記ハブシャフトと一体化されてなる車輪用転がり軸受装置。このように構成した場合、ハブシャフトと別体の内輪部材が軸方向他端側に位置する1個のみとなるため、カプラーリングを通じて転がり軸受にさらに効率的に予圧が付与できる。これにより、車輪用転がり軸受装置の軸受剛性がさらに高められるようになる。
・請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用転がり軸受装置において,前記カプラーリングと内輪との間にハブシャフトが貫通する平座金が介装されている車輪用転がり軸受装置。このように構成した場合、平座金と他部材との座面接触部における摩擦係数が大きくなってカプラーリングの締め付けに際してさらに適正なトルクが付与されるようになる。また、カプラーリングの外周径が小さく、内輪に十分な押圧力が付与できない場合においても、外周径の大きな平座金を選定することによってかかる不具合を是正し得る。
本発明の実施形態に係る複列円すいころ軸受装置の構造を示す軸方向の断面図。 本発明の実施形態に係る複列円すいころ軸受装置の軸方向他端部の構造を示す図であり、(a)は軸方向の断面図、(b)は(a)におけるA−A方向からみた端面図(内部構造は省略)。 本発明の変形例に係る複列円すいころ軸受装置の構造を示す断面図。
符号の説明
1…ハブシャフト、1a…フランジ部、1e…ハブシャフトの端部、2…複列円すいころ軸受、2a…第1内輪部材、2b…第2内輪部材、2c…外輪、3…カプラーリング、3a…雌ねじ部、11a…雄ねじ部、4…継手外輪

Claims (3)

  1. 車両の車輪を支持する車輪用転がり軸受装置であって、
    前記車輪用転がり軸受装置は、ハブシャフト、転がり軸受、およびカプラーリングを有し、
    前記ハブシャフトは、前記車両の車輪が取り付けられるフランジ部を軸方向一端側に有し、前記カプラーリングがねじ込まれる雄ねじを軸方向他端側に有し、
    前記転がり軸受は、前記ハブシャフトの軸方向中間部分の外周面に取り付けられ、軸方向一端側の端面において前記フランジ部の軸方向他端側の端面に接触する内輪、前記車両の懸架装置に取り付けられる外輪、および前記内輪と前記外輪との間に配置される転動体を有し、
    前記カプラーリングは、内周側に雌ねじを有し、前記雌ねじが前記ハブシャフトの雄ねじにねじ込まれることにより前記ハブシャフトの外周面に取り付けられ、前記内輪の軸方向他端側の端面に接触して前記内輪を前記フランジ部に押し付けることにより前記転がり軸受に予圧を付与し、車軸の継手外輪に連結されているときに前記車両の駆動力を前記ハブシャフトに伝達し、前記継手外輪から切り離されているときに前記ハブシャフトへの前記車両の駆動力の伝達を遮断し、
    前記ハブシャフトの雄ねじおよび前記カプラーリングの雌ねじは、前記車両の前進移動時における前記継手外輪の回転により、前記ハブシャフトに締め付けられる方向に前記カプラーリングが回転するねじ方向を有する
    車輪用転がり軸受装置。
  2. 前記ハブシャフトは、前記軸方向他端側の端部に突出部を有し、
    前記突出部は、前記ハブシャフトの径方向外方に突出して前記カプラーリングの軸方向他端側の端面に接触する
    請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置。
  3. 前記ハブシャフトは、前記カプラーリングの抜け止めとして機能する部分が前記軸方向他端側の端部に形成されていない構成を有する
    請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置。
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