JP5212710B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1、2では、内輪の端部と等速ジョイントの外輪の端部に、それぞれ歯筋が内輪の軸方向と交差方向に延びる複数の歯からなる歯部を形成し、互いの歯部を噛み合わせた状態で、内輪の中心を貫通させたボルトを等速ジョイントの端部の中心に形成したボルト穴に螺合して前記噛み合わせを固定することで、両者を動力伝達可能に連結している。
車輪を回転可能に保持する車輪用軸受装置(1)であって、駆動源からの駆動力を車輪に伝達するための等速ジョイント(3)と、前記等速ジョイントの端部を構成する外輪(27)に動力伝達可能に連結された軸体(6)、および前記軸体と同軸となるように一体的に連結された軌道輪(7)としての筒状体を含む内輪と、複数の転動体(8)を介して前記内輪に回転自在に連結された外輪(9)とを含み、前記軸体および等速ジョイントは、前記軸体の端部に設けた平坦面(28)を、前記等速ジョイントの外輪の、前記車輪(4)側の外面に形成された平坦面(31)に対向させた状態で、一方の平坦面の複数箇所に形成したボルト穴(29)に他方の平坦面の複数箇所に形成した貫通孔(34)を通してボルト(35)を螺合することで、互いに連結されていると共に、前記軸体は、前記平坦面側の端部(18)が前記筒状体に内嵌されて、前記筒状体に設けられた突き当て部(25)が当該軸体の外周に形成された環状段部(21)に突き当てられ、かつ前記筒状体は、前記突き当て部と背向させて前記軸体の平坦面より中心軸(X)方向に突出させた平坦面(30)を前記等速ジョイントの外輪の平坦面に当接させた状態で、前記ボルトの螺合により前記軸体を前記等速ジョイントの外輪に連結することによって、前記環状段部への突き当て方向に予圧されていることを特徴とする車輪用軸受装置である。
この発明によれば、軸体および等速ジョイントの端部に形成する平坦面、ボルト穴および貫通孔は、いずれも形状が単純で加工が容易であり、歯部のような厳密な寸法管理を必要としない。そのため、車輪用軸受装置を構成する各部品の構造を簡素化して寸法管理を容易化することができる。また前記平坦面同士を対向させて、ボルトを、貫通孔を通してボルト穴に螺号するだけで軸体と等速ジョイントとを連結できる。そのため、車輪用軸受装置の組み立ての工程を簡素化することができる。
この発明によれば、軸体および等速ジョイントを、前記突起および凹部の嵌め合いによって位置決めしながら、前記両者をボルトの螺合によって連結できるため、車輪用軸受装置の組み立ての工程を、より一層、簡素化することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車輪用軸受装置1が備えられた車両の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、左右一対の車輪用軸受装置1、1は、それぞれ、ドライブシャフト2の先端側に等速ジョイント3を介して取り付けられている。左右の車輪4、4は、それぞれ対応する車輪用軸受装置1によって回転可能に保持されている。エンジン5からの駆動力はドライブシャフト2に与えられ、ドライブシャフト2から等速ジョイント3を介して車輪用軸受装置1に伝達される。そして車輪用軸受装置1に保持された車輪4が回転される。
図2は、車輪用軸受装置1の概略構成を示す図解的な縦断面図である。
図2を参照して、車輪用軸受装置1は、軸体としてのフランジシャフト6および軌道輪7と、複数のボール8(転動体)を介してこれらの部材に回転自在に連結された外輪9と、前記等速ジョイント3とを備えている。フランジシャフト6および軌道輪7は、同軸となるように一体回転可能に連結されている。フランジシャフト6および軌道輪7は、車輪用軸受装置1の内輪として機能する。
一方の列を構成する複数のボール8は、第1軌道形成部17の周囲に配置されている。基部16と第1軌道形成部17の結合部の外周面には、環状の第1軌道面20が設けられている。また嵌合部18と第1軌道形成部17との結合部には、環状段部21が設けられている。
軌道輪7には、当該軌道輪7を、車輪用軸受装置1の中心軸X方向(図2では左右方向)に貫通する、内周面が円筒状とされた貫通孔24が形成されている。貫通孔24の内径は嵌合部18の外径とほぼ等しくされており、嵌合部18が嵌合されている。嵌合部18が貫通孔24に嵌合した状態で、環状段部21には、第2軌道形成部23の先端部である突き当て部25が突き当てられている。
図2ないし図4を参照して、フランジシャフト6の嵌合部18の、ドライブシャフト2側の端部は、車輪用軸受装置1の中心軸X方向と直交する円形の平坦面28とされ、当該平坦面28の4箇所から車輪4の方向に凹入させてボルト穴29が形成されている。各ボルト穴29の中心軸線は、中心軸Xと平行とされている。また、各ボルト穴29は、それぞれの中心軸線が中心軸Xから等距離で、かつ互いに等間隔となる位置に形成されている。
図5は、図2の車輪用軸受装置1のうち等速ジョイント3の外輪27の、車輪4側の端部の概略構造を拡大して示す図解的な斜視図である。
また、この連結の際に、フランジシャフト6の平坦面28より中心軸X方向に突出した軌道輪7の平坦面30が外輪27の平坦面31と当接し、ボルト35の、ボルト穴29への締め付けによって、前記軌道輪7が、前記平坦面31と、フランジシャフト6の環状段部21との間に挟持されて固定されている。
エンジン5からの駆動力はドライブシャフト2に与えられ、等速ジョイント3の内輪、複数のボールおよび外輪27を介してフランジシャフト6および軌道輪7に伝達される。これにより、フランジシャフト6および軌道輪7が外輪9に対して相対回転し、フランジシャフト6の回転に伴って車輪4が回転する。このようにして、エンジン5からの駆動力が車輪4に伝達される。
また平坦面28、30を対向させると共に平坦面30、31を当接させて、ボルト35を、貫通孔34を通してボルト穴29に螺号するだけでフランジシャフト6と等速ジョイント3の外輪27とを連結し、軌道輪7を固定すると共に、ボール8を適正に予圧できるため、車輪用軸受装置1の組み立ての工程を簡素化することができる。
突起36は、その外周面が円筒状とされ、底板32と同軸(すなわち中心軸Xと同軸)となるように、外輪27と一体形成される。突起36の外径は、平坦面31の直径よりも小さくされる。凹部37は、その内周面が円筒状とされ、嵌合部18と同軸(すなわち中心軸Xと同軸)となるように形成される。凹部37の内径は、突起36の外径とほぼ等しくされる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、前述の実施形態では、転動体としてボール8が用いられ、車輪用軸受装置1が複列アンギュラ玉軸受として機能するように構成されている場合について説明したが、転動体としてはボールに限らず円すいころであってもよいし、車輪用軸受装置1は、複列アンギュラ玉軸受以外の軸受として機能するように構成されていてもよい。
また実施形態の変形例では、外輪27側の平坦面31に突起36、フランジシャフト6側の平坦面28に凹部37を設けていたが、逆に平坦面28に突起36、平坦面31に凹部37を形成してもよい。
Claims (2)
- 車輪を回転可能に保持する車輪用軸受装置であって、
駆動源からの駆動力を車輪に伝達するための等速ジョイントと、
前記等速ジョイントの端部を構成する外輪に動力伝達可能に連結された軸体、および前記軸体と同軸となるように一体的に連結された軌道輪としての筒状体を含む内輪と、
複数の転動体を介して前記内輪に回転自在に連結された外輪とを含み、
前記軸体および等速ジョイントは、前記軸体の端部に設けた平坦面を、前記等速ジョイントの外輪の、前記車輪側の外面に形成された平坦面に対向させた状態で、一方の平坦面の複数箇所に形成したボルト穴に他方の平坦面の複数箇所に形成した貫通孔を通してボルトを螺合することで、互いに連結されていると共に、
前記軸体は、前記平坦面側の端部が前記筒状体に内嵌されて、前記筒状体に設けられた突き当て部が当該軸体の外周に形成された環状段部に突き当てられ、かつ
前記筒状体は、前記突き当て部と背向させて前記軸体の平坦面より軸方向に突出させた平坦面を前記等速ジョイントの外輪の平坦面に当接させた状態で、前記ボルトの螺合により前記軸体を前記等速ジョイントの外輪に連結することによって、前記環状段部への突き当て方向に予圧されている
ことを特徴とする車輪用軸受装置。 - 前記軸体および等速ジョイントの平坦面に、互いに嵌め合わされる突起および凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
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