JP2012066602A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インホイールモータ駆動装置の部品点数の削減により、軽量化を図り、しかも、ハブ輪と減速部の出力軸との連結作業性に優れ、連結部のガタと異音の発生を防止する。
【解決手段】ハブ輪32の筒部34の内径面と、ハブ輪32の筒部34に嵌挿される減速部の出力軸28の軸部28bの外径面との、どちらか一方に軸方向に延びる凸部を設け、減速部の出力軸28の軸部28bとハブ輪32の筒部34とを、軸方向に沿って一方を他方に圧入することにより、他方に凸部で削り取られた凹部を形成し、この凹部と凸部が両者の嵌合部の全域で密着する凹凸嵌合構造Mを構成し、部品点数の削減により、軽量化を図り、しかも、ハブ輪32と減速部の出力軸28との連結作業性を向上させた。
【選択図】図4

Description

この発明は、電動モータの出力軸と車輪のハブとを減速機を介して連結したインホイールモータ駆動装置に関するものである。
従来のインホイールモータ駆動装置101は、例えば、特開2009−216190号公報(特許文献1)に記載されている。
インホイールモータ駆動装置101は、図15に示すように、車体に取り付けられるハウジング102の内部に駆動力を発生させるモータ部103と、車輪に接続される車輪ハブ軸受部104と、モータ部103の回転を減速して車輪ハブ軸受部104に伝達する減速部105とを備える。
上記構成のインホイールモータ駆動装置101において、装置のコンパクト化の観点からモータ部103には低トルクで高回転のモータが採用される。一方、車輪ハブ軸受部104には、車輪を駆動するために大きなトルクが必要となる。このため、減速部105には、コンパクトで高い減速比が得られるサイクロイド減速機を採用することが多い。
サイクロイド減速機を適用した減速部105は、偏心部106a、106bを有するモータ側回転部材106と、偏心部106a、106bに配置される曲線板107a,107bと、曲線板107a、107bをモータ側回転部材106に対して回転自在に支持する転がり軸受106cと、曲線板107a、107bの外周面に係合して曲線板107a、107bに自転運動を生じさせる複数の外ピン108と、曲線板107a、107bの自転運動を出力軸110に伝達する複数の内ピン109とを含む。
ところで、車輪ハブ軸受部104は、図16に示すように、出力軸110に固定連結されるハブ輪111と、ハブ輪111を減速部105の減速部ハウジング102aに対して回転自在に保持する外方部材112とを備える。
ハブ輪111は、筒部113とフランジ114とを有する。フランジ114にはボルト115によって駆動輪が固定連結される。
筒部113の減速部105側端部の外周面に段差部116が設けられ、この段差部116に内輪117が嵌合されている。ハブ輪111の筒部113の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面118が設けられ、内輪117の外周面に第2内側軌道面119が設けられている。
外方部材112は、その内周に2列の外側軌道面120、121が設けられると共に、その外周に、減速部105の減速部ハウジング102aにボルト133によって固定されるフランジ132が設けられている。そして、外方部材112の第1外側軌道面120とハブ輪111の第1内側軌道面118とが対向し、外方部材112の第2外側軌道面121と、内輪117の第2内側軌道面119とが対向し、これらの間に転動体122が介装される。
ハブ輪111の筒部113に、減速部105の出力軸110の軸部123が挿入される。軸部123は、減速部105の反対側の端部にねじ部124が形成され、このねじ部124と減速部105との間にスプライン部125が形成されている。また、ハブ輪111の筒部113の内周面(内径面)にスプライン部126が形成され、この軸部123がハブ輪111の筒部113に挿入された際には、軸部123側のスプライン部125とハブ輪111側のスプライン部126とが係合する。
そして、筒部113から突出した軸部123のねじ部124にナット部材127が螺着され、ハブ輪111と減速部105の出力軸110とが連結される。この際、ナット部材127の内端面(裏面)128と筒部113の外端面129とが当接するとともに、減速部105の出力軸110の端面130と内輪117の外端面131とが当接する。即ち、ナット部材127を締付けることによって、ハブ輪111が内輪117を介してナット部材127と減速部105の出力軸110とで挟持される。
上記のように、従来のインホイールモータ駆動装置101における減速部105と車輪ハブ軸受部104との連結は、軸部123側のスプライン部125とハブ輪111側のスプライン部126との係合によるものである。
特開2009−216190号公報
このため、減速部105の軸部123側及びハブ輪111側の両者にスプライン加工を施す必要があって、コスト高となるとともに、圧入時には、軸部123側のスプライン部125とハブ輪111側のスプライン部126との凹凸を合わせる必要があり、この際、歯面を合わせることによって、圧入すれば、この凹凸歯が損傷する(むしれる)おそれがある。また、歯面を合わせることなく、凹凸歯の大径合わせにて圧入すれば、円周方向のガタが生じやすい。このように、円周方向のガタがあると、回転トルクの伝達性に劣るとともに、異音が発生するおそれもあった。このため、従来のように、スプライン嵌合による場合、凹凸歯の損傷及び円周方向のガタの両者を成立させることは困難であった。
また、筒部113から突出した軸部123のねじ部124にナット部材127を螺着する必要がある。このため、組み立て時にはねじ締結作業を有し、作業性に劣るとともに、部品点数も多く、部品管理性も劣るという問題がある。
また、減速部105にサイクロイド減速機を適用した場合、コンパクトで高い減速比が得られるものの、複数のピンを設けなければならず、従来、このピンを、1本ずつボルト止めしていたため、減速部の機構上においても、組立性に劣り、部品点数の増加や、部品管理性の問題がある。
特に、内ピン109は、曲線板107a、107bから伝達トルクに応じた荷重が作用する。この荷重が曲線板107a、107bに当接している一部の内ピン109によって支持することになるので、内ピン109の破損も問題となる。
インホイールモータ駆動装置101は、プロペラシャフトやデファレンシャル等の大掛かりな動力伝達機構が不要となるため、車両の軽量化やコンパクト化の面から注目されている半面、車両のバネ下に取付けられるため、特に、バネ下重量を軽減しなければ、乗り心地を悪化させるという問題があり、これまで以上の軽量化が望まれている。
そこで、この発明は、部品点数の削減により、軽量化を図り、しかも、ハブ輪と減速部の出力軸との連結作業性に優れ、連結部のガタと異音の発生を防止したインホイールモータ駆動装置を提供することを課題とするものである。
また、曲線板の回転によって生じる荷重を適切に支持することができるサイクロイド減速機を採用したインホイールモータ駆動装置を提供することを課題とするものである。さらに、インホイールモータ駆動装置全体として、部品点数の削減、部品管理性に優れ、組立作業性を良好にしたインホイールモータ駆動装置を提供することを課題としたものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、車体に取り付けられるハウジングの内部に駆動力を発生させるモータ部と、車輪に接続される車輪ハブ軸受部と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部に伝達する減速部とを備えるインホイールモータ駆動装置において、車輪ハブ軸受部を次のように構成したものである。
即ち、この発明のインホイールモータ駆動装置における車輪ハブ軸受部は、内周に複数の外側軌道面を有する外方部材と、車輪に取付けられるハブ輪を有し、このハブ輪の筒部上に、外方部材の外側軌道面に対向する複数の内側軌道面を有する内方部材と、対向する外側軌道面と内側軌道面との間に配置された複数列の転動体とを備え、ハブ輪の筒部の内径面と、ハブ輪の筒部に嵌挿される減速部の出力軸の軸部の外径面との、どちらか一方に軸方向に延びる凸部を設け、減速部の出力軸の軸部とハブ輪の筒部とを、軸方向に沿って一方を他方に圧入することにより、他方に凸部で削り取られた凹部を形成し、この凹部と凸部が両者の嵌合接触部の全域で密着する凹凸嵌合構造を構成したことを特徴とする。
周方向に隣り合う凸部間の歯底部と、前記他方に形成された、前記歯底部と半径方向で対向する突出部分との間には、隙間を形成するのが望ましい。
この発明のインホイールモータ駆動装置における車輪ハブ軸受部の凹凸嵌合構造は、凸部と凹部が両者の嵌合接触部の全体で密着しているので、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。
減速部の出力軸の軸部の外径面とハブ輪の筒部の内径面のうち、一方に形成した凸部を、軸方向に沿って他方に圧入すると、相手側の凹部形成面に凸部の形状が転写される。この際、凸部が相手側の凹部形成面に食い込んでいくことによって、軸孔が僅かに拡径した状態となって、凸部の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、軸孔が元の径に戻ろうとして縮径することになる。これによって、凸部と凹部が嵌合接触部の全体で密着する。
減速部の出力軸の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設ける場合、この凸部の少なくとも軸方向端部の硬度をハブ輪の筒部の内径面よりも高くする。凸部の硬度を高くすることにより、前記圧入の際の嵌合性がよくなり、密着性が向上し、組立作業性や嵌合精度の向上を図ることができる。
また、前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部を収納するポケット部を、減速部の出力軸の軸部に設けるのが好ましい。ここで、はみ出し部は、凸部の凹部嵌合部位が嵌入(嵌合)する凹部の容量の材料分であって、形成される凹部から押し出されたもの、凹部を形成するために切削されたもの、又は押し出されたものと切削されたものの両者等から構成される。ポケット部よりも軸端側の軸部に、軸部とハブ輪との間で調芯を行う鍔部を設けてもよい。ハブ輪の筒部の内径寸法は、減速部の出力軸の軸部に設けた複数の凸部の最大径部を結ぶ円の直径寸法よりも小さく、前記凸部間の最小径部を結ぶ円の直径寸法よりも大きくする。
ハブ輪の筒部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設ける場合、この凸部の少なくとも軸方向端部の硬度を、減速部の出力軸の軸部の外径部よりも高くする。
この場合、前記圧入によって生じるはみ出し部を収納するポケット部を、ハブ輪の内径面に設けるのが好ましい。減速部の出力軸の軸部の外径寸法は、ハブ輪の筒部に設けた複数の凸部の最小径部を結ぶ円の直径寸法よりも大きく、凸部間の最大径部を結ぶ円の直径寸法よりも小さくする。
前記凸部の突出方向中間部位において、前記凸部の周方向寸法を、周方向に隣り合う凸部間の溝幅よりも小さくするのが望ましい。また、前記凸部の突出方向中間部位において、前記凸部の周方向寸法の総和を、周方向に隣り合う凸部間の溝幅の総和よりも小さくするのが望ましい。
前記内方部材は、一方の内側軌道面を有する前記ハブ輪と、ハブ輪に外嵌され、他方の内側軌道面を有する内輪とで構成することができる。
前記減速部としては、減速比の高いサイクロイド減速機を使用することができる。そして、サイクロイド減速機の内ピンと出力軸のフランジ部とを前記凹凸嵌合構造で結合することにより、フランジ部と内ピンとが、嵌合接触部で密着するので、フランジ部を介して全ての内ピンで、荷重を受けることができ、部品点数を増やすことなく、曲線板と内ピン間に作用する荷重のバラツキを抑え、内ピン一本当たりの荷重を低減することができる。
この発明のインホイールモータ駆動装置が採用する車輪ハブ軸受部の嵌合構造は、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されないので、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。さらには、隙間無く密着しているので、トルク伝達部位の強度が向上する。このため、同径のスプライン嵌合のものに比べて、嵌合部軸方向の長さを短くしても、トルク伝達力が減少することはなく、インホイールモータ駆動装置を軽量、コンパクトにすることができる。
減速部の軸部の外径面とハブ輪の筒部の内径面とのどちらか一方に設けられる凸部を、軸方向に沿って他方に圧入することによって、この凸部に密着嵌合する凹部を形成することができる。このため、凹凸嵌合構造を確実に形成することができる。しかも、凹部が形成される部材には、スプライン部等を形成しておく必要がないので、生産性に優れ、かつスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができて、安定した嵌合状態を維持できる。
また、減速部の出力軸の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、この凸部の軸方向端部の硬度をハブ輪の孔部内径部よりも高くすれば、軸部側の硬度を高くでき、軸部の剛性を向上させることができる。
また、ハブ輪の筒部の内径面に前記凹凸嵌合構造の凸部を設けるとともに、この凸部の軸方向端部の硬度を減速部の出力軸の軸部の外径部よりも高くすれば、軸部側の硬度処理(熱処理)を行う必要がないので、減速部の出力軸の生産性に優れる。
前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部を収納するポケット部を設けることによって、はみ出し部をこのポケット内に保持(維持)することができ、はみ出し部が装置外の車両内等へ入り込んだりすることがない。即ち、はみ出し部をポケット部に収納したままにしておくことができ、はみ出し部の除去処理を行う必要がなく、組み立て作業工数の減少を図ることができて、組み立て作業性の向上及びコスト低減を図ることができる。
また、ポケット部よりも軸端側の軸部に、軸部とハブ輪との間で調芯を行う鍔部を設けることによって、ポケット部内のはみ出し部の鍔部側への飛び出しがなくなって、はみ出し部の収納がより安定したものとなる。しかも、鍔部は調芯用であるので、芯ずれを防止しつつ軸部をハブ輪に圧入することができる。このため、減速部の出力軸とハブ輪とを高精度に連結でき、安定したトルク伝達が可能となる。
また、凸部の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面上に配置されるようにすることによって、凸部が圧入時に凹部形成面に食い込んでいき、凹部を確実に形成することができる。
さらに、減速部を、減速比の高いサイクロイド減速機とすると共に、出力軸のフランジ部と、サイクロイド減速機の内ピンとを、どちらか一方に設けた軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って、一方を他方に圧入することにより、他方に、凸部で削り取られた凹部を形成し、この凹部と凸部とが両者の嵌合接触部の全域で密着する凹凸嵌合構造とすると、内ピンに作用する荷重をフランジ部を介して全ての内ピンで受けることができ、部品点数を増やすことなく、曲線板と内ピン間に作用する荷重のバラツキを抑え、内ピン一本当たりの荷重を低減し、耐久性を向上させることができる。これにより、インホイールモータ駆動装置全体として、軽量コンパクトで、組立作業性を向上させることができる。
凸部の突出方向中間部位において、凸部の周方向寸法を、周方向に隣り合う凸部間の溝幅よりも小さくすることによって、凹部が形成される側の突出部分(凹部が形成される側で、凹部間に生じる突出部分)の突出方向中間部位の周方向寸法を大きくすることができる。このため、前記突出部分のせん断面積を大きくすることができ、ねじり強度を確保することができる。しかも、硬度が高い側の凸部の歯厚が小であるので、圧入荷重を小さくでき、圧入性の向上を図ることができる。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の概略断面図である。 図1のモータ部の拡大図である。 図1の減速部の拡大図である。 図1の車輪ハブ軸受部の拡大図である。 図1のハブ輪を減速部の出力軸に固定する前の状態を示す拡大図である。 車輪ハブ軸受部の凹凸嵌合構造を示し、(a)は拡大断面図、(b)は(a)のX部拡大図である。 凹凸嵌合構造の変形例を示す要部拡大断面図である。 車輪ハブ軸受部の他の実施形態の拡大図である。 (a)は車輪ハブ軸受部の凹凸嵌合構造の一例を示す部分拡大図、(b)は内ピンの凹凸嵌合構造の一例を示す部分拡大図である。 車輪ハブ軸受部の他の実施形態の凹凸嵌合構造を示し、(a)は拡大断面図、(b)は(a)のY部拡大図である。 図1のXI−XI線の断面図である。 図1のインホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 図12の電気自動車後方から見た図である。 車輪ハブ軸受部の他の実施形態の拡大図である。 従来のインホイールモータ駆動装置の概略断面図である。 従来のインホイールモータ駆動装置における減速部の出力軸と車輪ハブ軸受部との固定部分の拡大図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車11は、図12に示すように、シャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪としての後輪14と、左右の後輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。後輪14は、図13に示すように、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャーシ12の下部に固定されている。
懸架装置12bは、左右に伸びるサスペンションアームによって後輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットによって、後輪14が地面から受ける振動を吸収してシャーシ12の振動を抑制する。さらに、左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時等に車体の傾きを抑制するスタビライザーが設けられる。なお、懸架装置12bは、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車11は、ホイールハウジング12a内部に、左右の後輪14それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャーシ12上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
一方、この電気自動車11の走行安定性を向上するために、ばね下重量を抑える必要がある。また、さらに広い客室スペースを確保するために、インホイールモータ駆動装置21の小型・軽量化が求められる。
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を駆動輪(後輪)14に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備え、モータ部Aと減速部Bとは、モータ部ハウジング22aと減速部ハウジング22bに収納されて、図13に示すように電気自動車11のホイールハウジング12a内に取り付けられる。
車輪ハブ軸受部Cは、図4に示すように、ハブ輪32、およびハブ輪32の筒部34の減速部B側に設けられた段差部35に嵌合する内輪36からなる内方部材と、ハブ輪32の筒部34に外嵌される外方部材33とを備える。
外方部材33は、その内周に2列の外側軌道面(アウタレース)37、38が設けられ、第1外側軌道面37とハブ輪32の軸部外周に設けられる第1内側軌道面(インナレース)39とが対向し、第2外側軌道面38と、内輪36の外周面に設けられる第2内側軌道面(インナレース)40とが対向し、これらの間に転動体73としてのボールが介装される。なお、外方部材33の両開口部にはシール部材Sが装着されている。
ハブ輪32は、筒部34と、筒部34の反減速部B側の端部に設けられるフランジ42とを有する。筒部34の孔部は、軸方向中間部の軸部嵌合孔34aと、反減速部B側のテーパ孔34bと、減速部B側の大径孔34cとを備える。即ち、軸部嵌合孔34aにおいて、後述する凹凸嵌合構造Mを介して減速部Bの出力軸28の軸部28bとハブ輪32とが結合される。
この場合、ハブ輪32の内輪36の減速部B側の端面を、減速部Bの出力軸28のフランジ部28aに押し当てて、車輪ハブ軸受部Cに予圧を付与し、内輪36をハブ輪32に固定している。またハブ輪32のフランジ42にはボルト装着孔43が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ42に固定するためのハブボルト74がこのボルト装着孔43に装着される。
前記内輪36は、図14に示すように、前記ハブ輪32の端部を加締めることによって、軸受に予圧を付与するようにしてもよい。符号34dは、ハブ輪32の端部の加締め部を示している。
凹凸嵌合構造Mは、図6に示すように、例えば、軸部28bの端部に設けられて軸方向に延びる凸部45と、ハブ輪32の孔部の内径面(この場合、軸部嵌合孔34aの内径面48)に形成される凹部46とからなり、凸部45の凹部嵌合部位47の全体がその対応する凹部46に対して密着している。即ち、軸部28bの反減速部B側の外周面に、複数の凸部45が周方向に沿って所定ピッチで配設され、ハブ輪32の孔部の軸部嵌合孔34aの内径面48に凸部45が嵌合する複数の凹部46が周方向に沿って形成されている。つまり、周方向全周にわたって、凸部45とこれに嵌合する凹部46とがタイトフィットしている。
この場合、各凸部45は、その断面が凸アール状の頂点を有する三角形状(山形状)であり、各凸部45の凹部嵌合部位47とは、図6(b)に示す範囲Aであり、断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部45間において、ハブ輪32の内径面48よりも内径側に隙間49が形成されている。即ち、この隙間49は、凸部45間の歯底部と、ハブ輪32の孔部に設けられた、前記歯底部と半径方向に対向する突出部分との間に設けられる。
このように、ハブ輪32と減速部Bの出力軸28とを凹凸嵌合構造Mを介して連結できる。この際、ハブ輪32の内輪36の減速部B側の端面を、出力軸28のフランジ部28aによって押圧して、車輪ハブ軸受部Cに予圧を付与している。
この発明おいて、凹凸嵌合構造Mは、凸部45の凹部嵌合部位47の全体がその対応する凹部46に対して密着しているので、この嵌合構造Mにおいて、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。このため、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。
次に、凹凸嵌合構造Mの嵌合方法を説明する。この場合、図5に示すように、減速部Bの出力軸28の軸部28bの外径部には、スプライン50を形成し、熱硬化処理を施し、この硬化層Hにスプライン50を形成する。このため、スプライン50の山部が硬化処理されて、この山部が凹凸嵌合構造Mの凸部45となる。ハブ輪32の筒部34の内径面においては熱硬化処理を行わない未硬化部とする。なお、図5において、クロスハッチング部が硬化層Hを示している。硬化層Hとハブ輪32の筒部34の内径面の未硬化部との硬度差は、HRCで30ポイント以上とする。軸部28bのスプライン50のモジュールを0.5以下の小さい歯とする。ここで、モジュールとは、ピッチ円直径を歯数で割ったものである。
この際、凸部45の突出方向中間部位を、凹部形成前の凹部形成面(この場合、ハブ輪32の軸部嵌合孔34aの内径面48)の位置に対応させる。軸部嵌合孔34aの内径面48の内径寸法Dは、凸部45の最大径部を結ぶ円の直径寸法(外接円直径)Dよりも小さく、凸部間の最小径部を結ぶ円の直径寸法Dよりも大きく設定される。即ち、D<D<Dとされる。
スプライン50は、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって形成することができる。また、熱硬化処理としては、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
そして、図5に示すように、ハブ輪32の軸心と減速部Bの出力軸28の軸心とを合わせた状態で、ハブ輪32に対して、出力軸28の軸部28bを挿入(圧入)していく。この際、筒部34の内径面48の径寸法Dと、凸部45の最大外径寸法Dと、スプライン50の凹部の最小外径寸法Dとが前記のような関係であり、しかも、凸部45の硬度が筒部34の内径面の硬度よりも30ポイント以上大きいので、軸部28bをハブ輪32の筒部34に圧入していけば、この凸部45が内径面に食い込んでいき、凸部45が嵌合する凹部46を、軸方向に沿って形成していくことになる。
これによって、図6に示すように、軸部28bの端部の凸部45と凹部46の嵌合部位の全体が密着している嵌合状態を構成することができる。即ち、相手側の凹部形成面(この場合、筒部34の軸部嵌合孔34aの内径面48)に凸部45の形状の転写を行うことになる。この際、凸部45が筒部34の内径面48に食い込んでいくことによって、筒部34が僅かに拡径した状態となって、凸部45の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、筒部34が元の径に戻ろうとして縮径することになる。言い換えれば、凸部45の圧入時にハブ輪32の筒部34が径方向に弾性変形し、この弾性変形分の予圧が凸部45の歯面(凹部嵌合部位47の表面)に付与される。このため、凸部45の凹部嵌合部位47の全体がその対応する凹部46に対して密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。しかも、凹部46が形成される部材(この場合、ハブ輪32)には、スプライン部等を形成しておく必要がなく、生産性に優れ、かつスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができ、安定した嵌合状態を維持できる。
前記実施形態のように、軸部28bに形成するスプライン50は、モジュールが0.5以下の小さい歯を用いたので、このスプライン50の成形性の向上を図ることができるとともに、圧入荷重の低減を図ることができる。なお、凸部45を、この種のシャフトに通常形成されるスプラインをもって構成することができるので、低コストにて簡単にこの凸部45を形成することができる。
また、軸部28bをハブ輪32に圧入していくとによって、凹部46を形成していくと、この凹部46側に加工硬化が生じる。ここで、加工硬化とは、物体に塑性変形(塑性加工)を与えると、変形の度合が増すにつれて変形に対する抵抗が増大し、変形を受けていない材料よりも硬くなることをいう。このため、圧入時に塑性変形することによって、凹部46側のハブ輪32の内径面48が硬化して、回転トルク伝達性の向上を図ることができる。
ところで、前記図5に示すスプライン50では、軸部28bの凸部45のピッチとハブ輪32の凹部46のピッチとが同一に設定される。このため、前記実施形態では、図6に示すように、凸部45の突出方向中間部位において、凸部45の周方向寸法Lと、周方向に隣り合う凸部45間の溝幅Lとがほぼ同一となっている。
これに対して、図7に示すように、凸部45の突出方向中間部位において、凸部45の周方向寸法Lは、周方向に隣り合う凸部45間の溝幅Lよりも小さいものであってもよい。即ち、軸部28bに形成されるスプライン50において、凸部45の突出方向中間部位の周方向寸法(歯厚)Lを、凸部45間に嵌合するハブ輪32側の突出部分51の突出方向中間部位の周方向寸法(歯厚)Lよりも小さくしている。
また、凸部45の突出方向中間部位において、軸部28b側の全周における凸部45の歯厚の総和Σ(B+B+B+・・・)を、ハブ輪32側の突出部分51(凸歯)の歯厚の総和Σ(A+A+A+・・・)よりも小さく設定するのが望ましい。これによって、ハブ輪32側の突出部分51のせん断面積を大きくすることができ、ねじり強度を確保することができる。しかも、凸部45の歯厚が小であるので、圧入荷重を小さくでき、圧入性の向上を図ることができる。凸部45の周方向寸法の総和を、相手側の突出部分51における周方向寸法の総和よりも小さくする場合、全ての凸部45の周方向寸法Lを、周方向に隣り合う凸部45間の溝幅Lよりも小さくする必要がない。即ち、複数の凸部45のうち、任意の凸部45の周方向寸法Lが周方向に隣り合う凸部間の溝幅Lと同一であっても、この溝幅Lよりも大きくても、総和で小さければよい。なお、図7における凸部45は、断面台形(富士山形状)としている。
ところで、ハブ輪32に対して減速部Bの軸部28bを圧入していけば、凸部45にて形成される凹部46から材料がはみ出して第2実施形態の図8及び図9に示すようなはみ出し部52が形成される。はみ出し部52は、凸部45の凹部嵌合部位が嵌入(嵌合)する凹部46の容量の材料分であって、形成される凹部46から押し出されたもの、凹部46を形成するために切削されたもの、又は押し出されたものと切削されたものの両者等から構成される。その際、嵌合部の極く一部領域に凸部による凹部成形過程で不可避的に隙間が生じる場合がある。
このため、前記図1に示す車輪ハブ軸受部Cでは、ハブ輪32に減速部Bの出力軸28を組み付けた後、このはみ出し部52の除去作業を必要としていた。そこで、図8に示す他の実施形態では、はみ出し部52を収納するポケット部53を軸部28bに設けている。
即ち、軸部28bのスプライン50の軸端縁に周方向溝54を設けることによって、ポケット部53を形成している。図9(a)に示すように、周方向溝54は、そのスプライン50側の側壁55aは、軸方向に対して直交する平面であり、反スプライン側の側面55bは、溝底54cから反スプライン側に向かって拡径するテーパ面である。
また、この側面55bよりも反スプライン側(軸端側)には、調芯用の円盤状の鍔部56が設けられている。鍔部56の外径寸法が筒部34の軸部嵌合孔34aの孔径と同一乃至嵌合孔の孔径よりも僅かに小さく設定される。この場合、鍔部56の外径面56aと筒部34の軸部嵌合孔34aの内径面48との間に微小隙間tが設けられている。
この図8に示す車輪ハブ軸受部Cであっても、軸部28bをハブ輪32の筒部34の軸部嵌合孔34aに圧入していけば、軸部28b側の凸部45によって、ハブ輪32側に凹部46を形成することができる。この際、形成されるはみ出し部52は、図9に示すように、カールしつつポケット部53内に収納されて行く。即ち、筒部34の軸部嵌合孔34aの内径面から削り取られたり、押し出されたりした材料の一部がポケット部53内に入り込んでいく。
このように、前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部52を収納するポケット部53を設けることによって、はみ出し部52をこのポケット部53内に保持(維持)することができ、はみ出し部52が装置外の車両内等へ入り込んだりすることがない。即ち、はみ出し部52をポケット部53に収納したままにしておくことができ、はみ出し部52の除去処理を行う必要がなく、組み立て作業工数の減少を図ることができて、組み立て作業性の向上及びコスト低減を図ることができる。
また、ポケット部53の軸方向反スプライン側(軸端側)にハブ輪32の筒部34の軸部嵌合孔34aとの調芯用の鍔部56を設けることによって、ポケット部53内のはみ出し部52の鍔部56側への飛び出しがなくなって、はみ出し部52の収納がより安定したものとなる。しかも、鍔部56は調芯用であるので、芯ずれを防止しつつ軸部28bをハブ輪32に圧入することができる。このため、減速部Bの出力軸28とハブ輪32とを高精度に連結でき、安定したトルク伝達が可能となる。
鍔部56は圧入時の調芯用であるので、その外径寸法は、ハブ輪32の筒部34の軸部嵌合孔34aの孔径よりも僅かに小さい程度に設定するが好ましい。即ち、鍔部56の外径寸法が嵌合孔の孔径よりも大きければ、鍔部56自体を軸部嵌合孔34aに圧入することになる。この際、芯ずれしていれば、このまま凹凸嵌合構造Mの凸部45が圧入され、軸部28bの軸心とハブ輪32の軸心とが合っていない状態で軸部28bとハブ輪32とが連結されることになる。また、鍔部56の外径寸法が軸部嵌合孔34aの孔径よりも小さすぎると、調芯用として機能しない。このため、鍔部56の外径面56aと筒部34の軸部嵌合孔34aの内径面48との間の微小隙間tとしては、0.01mm〜0.2mm程度に設定するのが好ましい。
図8に示す車輪用軸受装置においては、出力軸28を、内輪36の減速部B側の端面が出力軸28のフランジ部28aに押圧されるまで圧入するが、このとき、ハブ輪の軸部嵌合孔34aから鍔部56が突出しないようにするのが好ましい。鍔部56が、軸部嵌合孔34aから突出しなければ、はみ出し部52がポケット部53からはみでることがなく、また、スプライン50が軸部嵌合孔34aを貫通することがないので、凹凸嵌合構造が軸方向にも移動しにくくなる。
ところで、前記各実施形態では、軸部28b側に凸部45を構成するスプライン50を形成するとともに、この軸部28bのスプライン50に対して硬化処理を施し、ハブ輪32の内径面48を未硬化(生材)としている。これに対して、図10に示すように、ハブ輪32の筒部34の軸部嵌合孔34aの内径面に硬化処理を施されたスプライン61(凸条61a及び凹条61bとからなる)を形成するとともに、軸部28bには硬化処理を施さないものであってもよい。なお、このスプライン61も公知公用の手段であるブローチ加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としても、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
この場合、凸部45の突出方向中間部位を、凹部形成前の凹部形成面(軸部28bの外径面)の位置に対応させる。即ち、スプライン61の凸部45の最小径部を結ぶ円の径寸法(凸部45の最小径寸法)Dを、軸部28bの外径寸法Dよりも小さく、スプライン61の最大径部を結ぶ円の径寸法(凸部間の嵌合用孔内径面の内径寸法)Dを軸部28bの外径寸法Dよりも大きく設定する。即ち、D<D<Dとされる。
軸部28bをハブ輪32の筒部34の軸部嵌合孔34aに圧入すれば、ハブ輪32側の凸部45によって、軸部28bの外周面にこの凸部45が嵌合する凹部46を形成することができる。これによって、ハブ輪32側の凸部45と軸部28b側の凹部46とを、その嵌合接触部位の全体で密着させることができる。
ここで、凸部45の凹部嵌合部位とは、図10(b)に示す範囲Bであり、断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部45間において、軸部28bの外周面よりも外径側に隙間62が形成される。即ち、この隙間62は、凸部45間の歯底部と、軸部28bに設けられた、前記歯底部と半径方向に対向する突出部分との間に設けられる。
この場合であっても、圧入によってはみ出し部52が形成されるので、このはみ出し部52を収納するポケット部53を設けるのが好ましい。はみ出し部52は、図8に示すものと相違して、軸部28bの減速部B側に形成されることになるので、ポケット部をハブ輪32側に設けることになる。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、凹凸嵌合構造Mの凸部45の形状として、前記図6に示す実施形態では断面三角形状であり、図7に示す実施形態では断面台形(富士山形状)であるが、これら以外の半円形状、半楕円形状、矩形形状等の種々の形状のものを採用でき、凸部45の面積、数、周方向配設ピッチ等も任意に変更できる。即ち、スプライン50、61を形成し、このスプライン50、61の山部をもって凹凸嵌合構造Mの凸部45とする必要はなく、キーのようなものであってもよく、曲線状の波型の合わせ面を形成するものであってもよい。要は、軸方向に沿って配設される凸部45を相手側に圧入し、この凸部45にて凸部45に密着嵌合する凹部46を相手側に形成することができて、凸部45の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部46に対して密着し、しかも、ハブ輪32と減速部Bの出力軸28との間で回転トルクの伝達ができればよい。
また、ハブ輪32の軸孔としては円孔以外の多角形孔等の異形孔であってよく、この軸孔に嵌挿する軸部28bの端部の断面形状も円形断面以外の多角形等の異形断面であってもよい。このため、例えば、ハブ輪32の軸孔を円孔として、軸部28bの断面形状を円形以外の多角形として、このエッジ部を前記凸部45とすることができる。
前記実施形態では、凸部45に対して熱硬化処理を行い、凸部対応側を未硬化部位として、凸部45の硬度を凹部46が形成される部位よりも高くしたが、硬度差をつけることができれば、両者を熱処理しても、両者を熱処理しなくてもよい。さらに、圧入する際に凸部45の圧入始端部のみが、凹部46が形成される部位より硬度が高ければよいので、凸部45の全体の硬度を高くする必要がない。図6等では隙間49が形成されるが、凸部45間の凹部まで、ハブ輪32の内径面に食い込むようなものであってもよい。また、なお、凸部45側と、凸部45にて形成される凹部形成面側との硬度差としては、前記したようにHRCで30ポイント以上とするのが好ましいが、凸部45が圧入可能であれば30ポイント未満であってもよい。
凸部45の端面(圧入始端)は前記実施形態では軸方向に対して直交する面であることが望ましく、これにより、削りを伴う良好な密着構造を得ることができる。ったが、軸方向に対して、所定角度で傾斜するものであってもよい。この場合、内径側から外径側に向かって反凸部側に傾斜しても凸部側に傾斜してもよい。
また、ポケット部53の形状としては、前記実施形態では、その周方向溝54は反スプライン側の側面55bを、溝底54cから反スプライン側に向かって拡径するテーパ面としたが、このようなテーパ面としないものであってもよく、要は、生じるはみ出し部52を収納(収容)できるものであればよく、そのため、ポケット部53の容量として、生じるはみ出し部52に対応できるものであればよい。
モータ部Aは、図2に示すように、モータ部ハウジング22aに固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向の隙間を空けて対向する位置に配置されるロータ24と、ロータ24の内側に固定連結されてロータ24と一体回転するモータ側回転部材25とを備えるラジアルギャップモータである。
モータ側回転部材25は、中空形状で、転がり軸受72a、72bによってモータ部ハウジング22aに対して回転自在に支持されている。
モータ側回転部材25の中空部には、モータ部Aの駆動力を減速部Bに伝達するためにモータ部Aから減速部Bにかけて入力軸26が配置されている。
減速部B内の入力軸26は、偏心部26a、26bを有し、ロータ24と一体回転する。さらに、2つの偏心部26a、26bは、偏心運動による遠心力を互いに打ち消し合うために、180°位相を変えて設けられている。
減速部Bは、図3に示すように、偏心部26a、26bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板27a、27bと、減速部ハウジング22b上の固定位置に保持され、曲線板27a、27bの外周部に係合する外周係合部材としての複数の外ピン29と、曲線板27a、27bの自転運動を出力軸28に伝達する運動変換機構と、偏心部26a、26bに隣接する位置にカウンタウェイト30とを備える。また、減速部Bには、減速部Bに潤滑油を供給する減速部潤滑機構が設けられている。
出力軸28は、フランジ部28aと軸部28bとを有する。フランジ部28aの端面には、出力軸28の回転軸心を中心とする円周上の等間隔に内ピン31を固定する穴31aが形成されている。また、軸部28bは、ハブ輪32に嵌合固定され、減速部Bの出力を車輪(後輪)14に伝達する。出力軸28のフランジ部28aは、転がり軸受36cによって入力軸26を回転自在に支持する。
曲線板27a(27b)は、図11に示すように、外周部にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形を有し、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔30a(30b)を有する。貫通孔30a(30b)は、曲線板27a(27b)の自転軸心を中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、後述する内ピン31を受入れる。また、貫通孔30cは、曲線板27a(27b)の中心に設けられており、偏心部26a(26b)に嵌合する。
曲線板27a(27b)は、転がり軸受41a(41b)によって偏心部26a(26b)に対して回転自在に支持されている。この転がり軸受41a(41b)は、偏心部26a(26b)の外径面に嵌合し、その外径面に内側軌道面を有する内輪部材と、曲線板27a、27bの貫通孔30cの内径面に直接形成された外側軌道面と、内側軌道面および外側軌道面の間に配置される複数の円筒ころ44a(44b)と、隣接する円筒ころ44a(44b)の間隔を保持する保持器(図示省略)とを備える円筒ころ軸受である。
外ピン29は、入力軸26の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。曲線板27a(27b)が公転運動すると、曲線形状の波形と外ピン29とが係合して、曲線板27a、27bに自転運動を生じさせる。ここで、外ピン29は、曲線板27a(27b)の外周面に当接する位置に針状ころ軸受を有する。これにより、曲線板27a(27b)との間の接触抵抗を低減することができる。
カウンタウェイト30は、円板状で、中心から外れた位置に入力軸26と嵌合する貫通孔を有し、曲線板27a、27bの回転によって生じる不釣合い慣性偶力を打ち消すために、各偏心部26a、26bに隣接する位置に偏心部と180°位相を変えて配置される。
運動変換機構は、出力軸28に保持された複数の内ピン31と、曲線板27a、27bに設けられた貫通孔30a、30bとで構成される。内ピン31は、出力軸28の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられており、その軸方向一方側端部が出力軸28に固定されている。また、曲線板27a、27bとの摩擦抵抗を低減するために、曲線板27a、27bの貫通孔30a、30bの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受が設けられている。
減速部Bの出力軸28とハブ輪32との連結に採用した凹凸嵌合構造Mは、以上のように、部品点数が少なく、しかも軸部材と軸孔とを安定した嵌合状態に維持することができるので、この凹凸嵌合構造Mを、減速部Bの外ピン29、内ピン31と出力軸28のフランジ部28aとの固定構造、ハブ輪32と出力軸28の軸部28bとの嵌合構造だけでなく、減速機Bの外ピン29の取付け構造として採用することにより、軽量化と、組立性の向上が図れる。
凹凸嵌合構造Mを内ピン31と出力軸28の孔部31aとの固定に採用する場合は、どちらか一方に設けた軸方向に延びる凸部を、軸方向に沿って一方を他方に圧入することにより、他方に凸部で削り取られた凹部を形成し、この凹部を形成し、この凹部と凸部とが両者の嵌合接触部の全域で密着する構造とする。
内ピン31と出力軸28の孔部31aとの固定に採用する凹凸嵌合構造Mは、図9(b)のように、孔部31aの車輪ハブ軸受部C側の端部に、内ピン31の先端面が当接する係止部81を形成する以外は、上述した出力軸28の軸部28bとハブ輪32の筒部34の軸部嵌合孔34aとの結合と基本的に同じであるので、同一構成の部分は同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
内ピン31の凹凸嵌合構造Mは、内ピン31の車輪ハブ軸受部C側の端部に設けられて軸方向に延びる凸部45と、出力軸28のフランジ部28aに円周方向等配に設けられた孔部31aの内径面に形成される凹部46とからなり、凸部45の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部46に対して密着する。即ち、内ピン31に設けた複数の凸部45が周方向に沿って所定ピッチで配設され、出力軸28のフランジ部28aの孔部31aの内径面に凸部45が嵌合する複数の凹部46が周方向に沿って形成されている。つまり、周方向全周にわたって、凸部45とこれに嵌合する凹部46とがタイトフィットしている。
また、内ピン31の車輪ハブ軸受部C側端には、調芯用の円盤状の鍔部56が設けられている。鍔部56の外径寸法が孔部31aの孔径と同一乃至孔部31aの孔径よりも僅かに小さく設定される。この場合、内ピン31の鍔部56の外径面56aとフランジ部28aの孔部31aの内径面との間に微小隙間tが設けられている。
また、フランジ部28aの孔部31aには、係止部81が設けられており、内ピン31の鍔部56の車輪ハブ軸受部C側側面55bが係止部81に当るまで内ピン31を圧入することで、円周方向に複数本ある内ピン31の位置決めを行い、車輪ハブ軸受部C側に対して抜け出ないようにしている。
この係止部81と鍔部56との当接により、内ピン31の凸部45がフランジ部28aの孔部31aを貫通することがないので、はみ出し部52により、凹凸嵌合構造がモータ部A側にも移動しにくくなる。
さらに、フランジ部28aの孔部31aに対して、鍔部56で調芯しているため、複数本ある内ピン31の鍔部56を嵌合孔に対して、予め嵌合させておき、その状態で、一度に圧入すれば、組立性も向上する。このように一度に圧入しても、鍔部56があるため、フランジ部28aに対して垂直に嵌め込むことができる。
曲線板27a、27bに設けた貫通孔30a、30bは、複数の内ピン31それぞれに対応する位置に設けられ、貫通孔30a、30bの内径寸法は、内ピン31の外径寸法(「針状ころ軸受を含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
減速部潤滑機構は、減速部Bに潤滑油を供給するものであって、潤滑油給油口22cと、潤滑油排出口22dと、潤滑油貯留部22eと、潤滑油路22fと、回転ポンプ71と、循環油路22gとを備える。
循環油路22gは、入力軸26の内部を軸線方向に沿って延びている。また、潤滑油供給口22cは、偏心部26a、26bに設けられている。
以下、インホイールモータ駆動装置21の作動原理について説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。これにより、ロータ24に接続されたモータ側回転部材25が回転すると、曲線板27a、27bはモータ側回転部材25の回転軸心を中心として公転運動する。このとき、外ピン29が、曲線板27a、27bの曲線形状の波形と係合して、曲線板27a、27bをモータ側回転部材25の回転とは逆向きに自転運動させる。
貫通孔30a、30bに挿通する内ピン31は、曲線板27a、27bの自転運動に伴って貫通孔30a、30bの内壁面と当接する。これにより、曲線板27a、27bの公転運動が内ピン31に伝わらず、曲線板27a、27bの自転運動のみが減速部Bの出力軸28を介して車輪ハブ軸受部Cに伝達される。
このとき、モータ側回転部材25の回転が減速部Bによって減速されて出力軸28に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪(後輪)14に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部Bの減速比は、外ピン29の数をZA、曲線板27a、27bの波形の数をZBとすると、(ZA−ZB)/ZBで算出される。図11に示す実施形態では、ZA=12、ZB=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン29および内ピン31に針状ころ軸受を設けたことにより、曲線板27a、27bとの間の摩擦抵抗が低減されるので、減速部Bの伝達効率が向上する。
上記の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を電気自動車11に採用することにより、ばね下重量を抑えることができる。その結果、走行安定性に優れた電気自動車11を得ることができる。
また、上記の実施形態において、曲線板27a、27bを支持する軸受として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
ただし、深溝玉軸受は、円筒ころ軸受と比較して許容限界回転数は高い反面、負荷容量が低い。そのため、必要な負荷容量を得るためには、大型の深溝玉軸受を採用しなければならない。したがって、インホイールモータ駆動装置21のコンパクト化の観点からは、転がり軸受41には円筒ころ軸受が好適である。
また、上記の各実施形態においては、モータ部Aにラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばケーシングに固定されるステータと、ステータの内側に軸方向の隙間を空けて対向する位置に配置されるロータとを備えるアキシアルギャップモータであってもよい。
また、上記の各実施形態においては、減速部Bにサイクロイド減速機構を採用したインホイールモータ駆動装置21の例を示したが、これに限ることなく、任意の減速機構を採用することができる。例えば、遊星歯車減速機構や平行軸歯車減速機構等が該当する。
さらに、図10に示した電気自動車11は、後輪14を駆動輪とした例を示したが、これに限ることなく、前輪13を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
11 電気自動車
12 シャーシ
12a ホイールハウジング
12b 懸架装置
13 前輪
14 後輪
21 インホイールモータ駆動装置
22a モータ部ハウジング
22b 減速部ハウジング
22c 潤滑油給油口
22d 潤滑油排出口
22e 潤滑油貯留部
22f 潤滑油路
22g 循環油路
23 ステータ
24 ロータ
25 モータ側回転部材
26 入力軸
26a、26b 偏心部
27a、27b 曲線板
30a、30b 貫通孔
28 出力軸
28a フランジ部
28b 軸部
29 外ピン
30 カウンタウェイト
31 内ピン
32 ハブ輪
33 外方部材
34 筒部
34a 軸部嵌合孔
34b テーパ孔
34c 大径孔
34d 加締め部
35 段差部
36 内輪
37 第一外側軌道面(アウタレース)
38 第二外側軌道面(アウタレース)
39 第一内側軌道面(インナレース)
40 第二内側軌道面(インナレース)
41a、41b 転がり軸受
42 フランジ
44a、44b 円筒ころ
45 凸部
46 凹部
47 凹部嵌合部位
48 内径面
49 隙間
50 スプライン
51 突出部分
52 はみ出し部
53 ポケット部
54 周方向溝
54c 溝底
55a 側壁
55b 側面
56 鍔部
56a 外径面
61 スプライン
61a 凸条
61b 凹条
62 隙間
71 回転ポンプ
72a、72b 転がり軸受
72c 転がり軸受
73 転動体
74 ハブボルト
81 係止部
A モータ部
B 減速部
C 車輪ハブ軸受部
M 凹凸嵌合構造
H 硬化層

Claims (10)

  1. 車体に取り付けられるハウジングの内部に駆動力を発生させるモータ部と、車輪に接続される車輪ハブ軸受部と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部に伝達する減速部とを備えるインホイールモータ駆動装置において、車輪ハブ軸受部は、内周に複数の外側軌道面を有する外方部材と、車輪に取付けられるハブ輪を有し、このハブ輪の筒部上に、外方部材の外側軌道面に対向する複数の内側軌道面を有する内方部材と、対向する外側軌道面と内側軌道面との間に配置された複数列の転動体とを備え、ハブ輪の筒部の内径面と、ハブ輪の筒部に嵌挿される減速部の出力軸の軸部の外径面との、どちらか一方に軸方向に延びる凸部を設け、減速部の出力軸の軸部とハブ輪の筒部とを、軸方向に沿って一方を他方に圧入することにより、他方に凸部で削り取られた凹部を形成し、この凹部と凸部が両者の嵌合部の全域で密着する凹凸嵌合構造を構成することを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 減速部の出力軸の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設け、この凸部の少なくとも軸方向端部の硬度を、ハブ輪の筒部の内径部よりも高くしたことを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 減速部の出力軸の軸部に前記凹凸嵌合構造の凸部を設け、前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部を収納するポケット部を、減速部の出力軸の軸部に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記ポケット部よりも軸端側の軸部に、軸部とハブ輪との間で調芯を行う鍔部を設けたことを特徴とする請求項3記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. ハブ輪の筒部の内径寸法を、減速部の出力軸の軸部に設けた複数の凸部の最大径部を結ぶ円の直径寸法よりも小さく、前記凸部間の最小径部を結ぶ円の直径寸法よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記内方部材が、一方の内側軌道面を有する前記ハブ輪と、ハブ輪に外嵌され、他方の内側軌道面を有する内輪とからなり、ハブ輪の端部を加締めることで軸受に予圧を付与した請求項1〜5のいずれかの項に記載のインホイールモータ駆動装置。
  7. 前記減速部がサイクロイド減速機である請求項1〜6記載のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  8. 前記サイクロイド減速機が、偏心部を有する入力側回転部材と、出力側回転部材と、前記偏心部に回転自在に保持されて、前記入力側回転部材に伴ってその回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、前記公転部材の外周部に係合して前記公転部材の自転運動を生じさせる外周係合部と、前記公転部材の自転運動を前記入力側部材の回転軸心を中心とする回転運動に変換して前記出力側回転部材に伝達する運動変換機構とを備え、前記運動変換機構は、前記公転部材を厚み方向に貫通する複数の貫通孔と、軸方向一側端部を前記出力軸回転部材に保持され、前記貫通孔との間に径方向の隙間を隔てた状態で前記貫通孔に挿通される複数の内ピンとを含み、前記内ピンと前記出力軸回転部材とが、どちらか一方に軸方向に延びる凸部を設け、軸方向に沿って一方を他方に圧入することにより、他方に凸部で削り取られた凹部を形成し、この凹部と凸部が両者の嵌合接触部の全域で密着する凹凸嵌合構造を構成している請求項7に記載のインホイールモータ駆動装置。
  9. 前記モータ部がラジアルギャップモータである請求項1〜8記載のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  10. 車体に取り付けられるハウジングの内部に駆動力を発生させるモータ部と、車輪に接続される車輪ハブ軸受部と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部に伝達する減速部とを備えるインホイールモータ駆動装置において、前記減速機が、サイクロイド減速機であり、偏心部を有する入力側回転部材と、出力側回転部材と、前記偏心部に回転自在に保持されて、前記入力側回転部材に伴ってその回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、前記公転部材の外周部に係合して前記公転部材の自転運動を生じさせる外周係合部と、前記公転部材の自転運動を前記入力側部材の回転軸心を中心とする回転運動に変換して前記出力側回転部材に伝達する運動変換機構とを備え、前記運動変換機構は、前記公転部材を厚み方向に貫通する複数の貫通孔と、軸方向一側端部を前記出力軸回転部材に保持され、前記貫通孔との間に径方向の隙間を隔てた状態で前記貫通孔に挿通される複数の内ピンとを含み、前記内ピンと前記出力軸回転部材とが、どちらか一方に軸方向に延びる凸部を設け、軸方向に沿って一方を他方に圧入することにより、他方に凸部で削り取られた凹部を形成し、この凹部と凸部が両者の嵌合接触部の全域で密着する凹凸嵌合構造を構成することを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
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