JP5142274B2 - サイクロイド減速機 - Google Patents

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Description

本発明は、サイクロイド減速機のケーシングに設けられた外ピンの取り付け構造に関する。
従来のインホイールモータ駆動装置は、例えば、特開2008−44537号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1に記載されているインホイールモータ駆動装置は、駆動モータと、この駆動モータから駆動力を入力されて回転数を減速して車輪側に出力する減速機と、減速機の出力軸と結合する車輪のハブ部材とが同軸に配列されている。この減速機はサイクロイド減速機構であり、従来の減速機として一般的な遊星歯車式減速機構と比較して高減速比が得られる。したがって、駆動モータの要求トルクを小さくすることができ、インホイールモータ駆動装置のサイズおよび重量を低減することができるという点で頗る有利である。また、このサイクロイド減速機構は、外ピンがケーシングに針状ころ軸受によって回転自在に支持されている。したがって、曲線板と外ピンとの接触抵抗を大いに低減することができ、減速機のトルク損失を防止することができる点で頗る有利である。
特開2008−44537号公報
しかし、特許文献1には、外ピンを支持する針状ころ軸受の外輪をケーシングに取り付ける技術については何ら開示されていない。このため、何ら対策をしない場合、外輪がケーシングから抜けだす虞がある。
本発明の目的は、外ピンを回転自在に支持する転がり軸受の外輪がケーシングから抜けだすことがないサイクロイド減速機を提供することである。
この目的のため本発明によるサイクロイド減速機は、ケーシングと、一端がケーシングの内部に配置された入力軸と、入力軸の軸線から偏心して入力軸の一端に結合した円盤形状の偏心部材と、内周が偏心部材の外周に相対回転可能に取り付けられ、外周が波形曲線で形成されて径方向に窪んだ曲線凹部を周方向等間隔に複数有する曲線板と、入力軸の軸線を中心としてケーシングに周方向等間隔に複数配設され、偏心部材の回転に伴って曲線凹部と係合するとともに曲線板を公転および自転させる外ピンと、曲線板の自転を取り出す出力軸とを備える。そして、外ピンは入力軸の軸線と平行に延在するとともに軸方向端部が転がり軸受を介してケーシングに回転自在に支持され、ケーシングは、ケーシングの内部に入力軸の軸線と同軸に取り付けられるリング形状であって、周方向等間隔に複数配設された転がり軸受の外輪の軸方向移動を規制する外輪係止部材を含む。
かかる本発明によれば、外ピンを転がり軸受で回転自在に支持する構成であっても、転がり軸受の外輪がケーシングから抜け出すことを防止することができる。しかも、入力軸の軸線と同軸に取り付けられるリング形状であることから、1個の外輪係止部材で周方向等間隔に配置された複数個の外輪を軸方向に固定することができる。
本発明は一実施形態に限定されるものではなく、外輪係止部材は、筒状部と、筒状部の軸方向端に形成されたフランジ部とを備え、筒状部はケーシングに差し込まれて嵌合するとともに、フランジ部は外輪の端部を軸方向に押さえる。これにより、転がり軸受の外輪がケーシングから抜け出すことを防止することができる。
好ましくは、フランジ部は、外ピンの周方向位置に外ピンが貫通する切り欠きを有する。これにより、フランジ部と転がり軸受の外輪との接触面積を増大することが可能となり、転がり軸受の外輪がケーシングから抜け出すことを確実に防止することができる。
好ましくは、ケーシングは、ケーシングに嵌合固定され、外ピンを入力軸の軸線と平行に保持する外ピン保持部を含む。そして外ピン保持部は、入力軸の軸線と同軸に配置されて偏心部材、曲線板、および外ピンを収容する円筒部と、円筒部の軸方向両端部から径方向内側にそれぞれ突出して相互に対面する一対のリング部と、一対のリング部の周方向同位置に、入力軸の軸線と平行に延びて、転がり軸受を保持する一対の外ピン保持孔とを有し、外輪係止部材は、リング部に軸方向移動不能に取り付けられる。これにより、複数の外ピンおよび転がり軸受のモジュール化が可能になり、サイクロイド減速機の組立および分解が容易になる。
好ましくは、外ピン保持部の円筒部は、径方向に貫通し、外輪係止部材を径方向から円筒部内に挿入可能とするスリットを備える。これにより、サイクロイド減速機の組立および分解の際は、スリットを通じて外輪係止部材を挿入および取り出すことが可能になり、組立および分解の作業効率が向上する。
このように本発明のサイクロイド減速機は、ケーシングの内部に入力軸の軸線と同軸に取り付けられるリング形状であって、転がり軸受の外輪の軸方向移動を規制する外輪係止部材を含む。したがって、転がり軸受の外輪がケーシングから抜け出すことを防止して、外ピンを転がり軸受で回転自在に支持する構成を好適に実現できる。しかも、入力軸の軸線と同軸に取り付けられるリング形状であることから、周方向等間隔に配置された複数個の外輪を共通する外輪係止部材で軸方向に固定することが可能になり、組立および分解の作業効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。図1は、本実施例のサイクロイド減速機を備えたインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。図2は、図1のII−IIにおける横断面図である。図3は、図1のIIIの部分を拡大して示す図である。
車両減速部の一例としてのインホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備える。モータ部Aと減速部Bとはケーシング22に収納されて、例えば電気自動車のホイールハウジング内に取り付けられる。あるいは鉄道車両の台車に取り付けられる。
モータ部Aは、ケーシング22に固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向に開いた隙間を介して対面する位置に配置されるロータ24と、ロータ24の内側に固定連結されてロータ24と一体回転するモータ側回転部材25とを備えるラジアルギャップモータである。
モータ側回転部材25は、モータ部Aの駆動力を減速部Bに伝達するためにモータ部Aから減速部Bにかけて配置され、減速部Bの入力軸に相当する。そして、減速部B内部に配置される一端が偏心部材25a,25bと結合する。このモータ側回転部材25は、ロータ24と嵌合すると共に、減速部Bの両端で転がり軸受36a,36bによって支持される。さらに、2つの円盤形状の偏心部材25a,25bは、偏心運動による遠心力で発生する振動を互いに打ち消し合うために、180°位相を変えて設けられている。
減速部Bは、偏心部材25a,25bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板26a,26bと、曲線板26a,26bの外周部に係合する外周係合部材としての複数の外ピン27と、曲線板26a,26bの自転運動を車輪側回転部材28に伝達する運動変換機構と、曲線板26a,26bの隙間に取り付けられてこれら曲線板26a,26bの端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー29とを備える。
車輪側回転部材28は、フランジ部28aと軸部28bとを有する。フランジ部28aの端面には、車輪側回転部材28の回転軸線Oを中心とする円周上の等間隔に内ピン31を固定する穴が形成されている。軸部28bの外径面には、車輪ハブ32が固定されている。
図2を参照して、曲線板26bは、外周部にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形を有し、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔30a,30bを有する。貫通孔30aは、曲線板26bの自転軸心Xを中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、後述する内ピン31を受入れる。また、貫通孔30bは、曲線板26bの中心Xに設けられており、曲線板26bの内周になる。曲線板26bは、偏心部材25bの外周に相対回転可能に取り付けられる。
曲線板26bは、転がり軸受41によって偏心部材25bに対して回転自在に支持されている。この転がり軸受41は、その内径面が偏心部材25bの外径面に嵌合し、その外径面に外側軌道面42aを有する内輪部材42と、外側軌道面42aおよび貫通孔30bの孔壁の間に配置される複数のころ44と、周方向で隣り合うころ44の間隔を保持する保持器(図示省略)とを備える円筒ころ軸受である。あるいは深溝玉軸受であってもよい。曲線板26aについても同様である。
外ピン27は、モータ側回転部材25の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板26a,26bが公転運動すると、外周の曲線形状の波形と外ピン27とが係合して、曲線板26a,26bに自転運動を生じさせる。
なお、ケーシング22に配設された外ピン27は、ケーシング22に直接保持されているわけではなく、図3に示すようにケーシング22の内壁に嵌合固定されている外ピン保持部45に保持されている。より具体的には、軸方向両端部を外ピン保持部45に設けられた針状ころ軸受27aによって回転自在に支持されている。このように、外ピン27を外ピン保持部45に回転自在とすることにより、曲線板26a,26bとの係合による接触抵抗を低減することができる。
図3に示すようにケーシング22は、ケーシング22に嵌合固定された外ピン保持部45と、外ピン保持部45の内壁に取り付けられた外輪係止部材51とを含む。
図4は外ピン保持部45を軸線O方向からみた状態を一部断面にして示す正面図である。図5は図4のV−Vで切断して矢印の方向からみた状態を示す縦断面図である。図4および図5を参照して、外ピン保持部45は、円筒部46と、円筒部46の軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部47,48とを備える。そして、外ピン保持部45は、ケーシング22の内壁に嵌合固定されている。
また、円筒部46の円周上の少なくとも一箇所には、曲線板26a,26bおよび後述する外輪係止部材51を挿入するために径方向に貫通するスリット46bが形成されている。これにより、曲線板26a,26bおよび外輪係止部材51を外ピン保持部45の径方向から組み込み、外ピン保持部45の内壁に外輪係止部材51を固定することが可能になる。なおスリット46bの幅Lは、外輪係止部材51の軸方向幅Lよりも大きいこと勿論である。
リング部47,48には、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔47a,48aが設けられている。外ピン保持孔47a,48aは、それぞれモータ側回転部材25の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受27aの外輪27gを保持する。また、対応する外ピン保持孔47a,48aは周方向同位置に設けられて互いに対面する。つまり、1対の外ピン保持孔47a,48aの中心軸線Oは一致する。また、外ピン保持部45をケーシング22に取り付けると、この中心軸線Oは、モータ側回転部材25の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン27をモータ側回転部材25の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔47a,48aは同時加工で同時に形成することができるので、中心軸線Oを一致させるのは比較的簡単である。
また、インホイールモータ駆動装置21の軽量化の観点から、ケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピン保持部45は、炭素鋼で形成するのが望ましい。
図5に示すように、リング部47,48の内周はそれぞれ、軸線O方向両端側の内径が、内側の内径よりも大きくなるよう形成され、これら異なる内径によりリング部47,48の内周縁にはそれぞれ段差49を設ける。
図6は外輪係止部材51を軸線O方向から見た状態を示す正面図であり、理解を容易にするため、外輪係止部材51と嵌合している外ピン保持部45を破線で示す。図7は、図6のVII−VIIで切断し矢印の方向から見た状態を示す縦断面図である。図8は、図7に示す断面を拡大した図である。
図6に示すように、外輪係止部材51は、減速部Bの入力軸になるモータ側回転部材25の軸線Oと同軸に取り付けられるリング形状である。外輪係止部材51は、筒状部51tと、筒状部51tの軸線O方向端に形成されたフランジ部51fとを備える。フランジ部51fは、筒状部51tよりも径方向外側へ突出する。筒状部51tには、打ち抜き加工などによって複数の爪部51nを周方向所定間隔に設ける。爪部51nは、その爪先が径方向外側に僅かに突出し、径方向内側へ弾性変形可能である。そして、筒状部51tがリング部47,48の内周に差し込まれ、爪部51nが段差49に嵌合することにより、外輪係止部材51はケーシング22の内部に固定される。この結果、フランジ部51fが針状ころ軸受27aの外輪27gに接触して、外輪27gの軸方向移動を規制する(図3)。外輪27gの外径面が外ピン保持孔47a,48aの内径面から受ける径方向の圧縮力が弱い場合であっても、このように、フランジ部51fが外ピン保持部45の内壁に接触して外輪27gの端部を軸方向に押さえることによって、針状ころ軸受27aの外輪27gがケーシング22の外ピン保持部45から抜け出ることを防止することができる。
図9は外輪係止部材51の変形例を示す正面図であり、理解を容易にするため、外輪係止部材51と嵌合している外ピン保持部45を破線で示す。図10は、図9に示す外輪係止部材51がケーシング22の内部に軸線Oと同軸に取り付けられた状態を拡大して示す縦断面図である。
変形例の外輪係止部材51は、そのフランジ部51fが前述した図6に示す外輪係止部材51よりもさらに径方向外側に突出する。そして、外ピン27との干渉を回避するため、フランジ部51fは、外ピン27の周方向位置に外ピン27が貫通する切り欠き51kを有する。この結果、切り欠き51k近傍のフランジ部51fが、図6に示す外輪係止部材51よりも広い面積で外輪27gの端部に接触して押さえる。このように変形例では、フランジ部51fが外輪27gによって、針状ころ軸受27aの外輪27gがケーシング22の外ピン保持部45から抜け出ることを確実に防止することができる。
運動変換機構は、車輪側回転部材28に保持された複数の内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成される。内ピン31は、車輪側回転部材28の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられており、その軸方向一方側端部が車輪側回転部材28に固定されている。また、曲線板26a,26bとの摩擦抵抗を低減するために、曲線板26a,26bの貫通孔30aの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受31aが設けられている。一方、貫通孔30aは、複数の内ピン31それぞれに対応する位置に設けられ、貫通孔30aの内径寸法は、内ピン31の外径寸法(「針状ころ軸受31aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
車輪ハブ軸受部Cは、車輪側回転部材28に固定連結された車輪ハブ32と、車輪ハブ32をケーシング22に対して回転自在に保持する車輪ハブ軸受33とを備える。車輪ハブ軸受33は複列アンギュラ玉軸受であって、その内輪33cが車輪ハブ32の外径面に嵌合固定される。車輪ハブ32は、円筒形状の中空部32aとフランジ部32bとを有する。フランジ部32bにはボルト32cによって図示しない駆動輪が固定連結される。
上記構成のインホイールモータ駆動装置21の作動原理を詳しく説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。
これにより、ロータ24に接続されたモータ側回転部材25が回転すると、曲線板26a,26bはモータ側回転部材25の回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン27が、曲線板26a,26bの曲線形状の波形と転がり接触するよう係合して、曲線板26a,26bをモータ側回転部材25の回転とは逆向きに自転運動させる。
貫通孔30aに挿通する内ピン31は、貫通孔30aの内径よりも十分に細く、曲線板26a,26bの自転運動に伴って貫通孔30aの内壁面と当接する。これにより、曲線板26a,26bの公転運動が内ピン31に伝わらず、曲線板26a,26bの自転運動のみが車輪側回転部材28を介して車輪ハブ軸受部Cに伝達される。
このとき、軸線Oと同軸に配置された車輪側回転部材28は、減速部Bの出力軸として曲線板26a,26bの自転を取り出し、モータ側回転部材25の回転が減速部Bによって減速されて車輪側回転部材28に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部Bの減速比は、外ピン27の数をZ、曲線板26a,26bの波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図2に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン27を外ピン保持部45に対して回転自在とし、内ピン31の曲線板26a,26bに当接する位置に針状ころ軸受31aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速部Bの伝達効率が向上する。
本実施例に係るインホイールモータ駆動装置21を電気自動車に採用することにより、ばね下重量を抑えることができる。その結果、走行安定性に優れた電気自動車を得ることができる。
また、本実施例においては、減速部Bの曲線板26a,26bを180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、本実施例における運動変換機構は、車輪側回転部材28に固定された内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成される例を示したが、これに限ることなく、減速部Bの回転を車輪ハブ32に伝達可能な任意の構成とすることができる。例えば、曲線板に固定された内ピンと、車輪側回転部材に形成された穴とで構成される運動変換機構であってもよい。
なお、本実施例における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部Aから駆動輪に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、本実施例における作動の説明では、モータ部Aに電力を供給してモータ部Aを駆動させ、モータ部Aからの動力を駆動輪に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪側からの動力を減速部Bで高回転低トルクの回転に変換してモータ部Aに伝達し、モータ部Aで発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部Aを駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
さらに、本実施例の構成にブレーキを加えることもできる。例えば、図1の構成において、ケーシング22を軸方向に延長してロータ24の図中右側に空間を形成し、ロータ24と一体的に回転する回転部材と、ケーシング22に回転不能にかつ軸方向に移動可能なピストンと、このピストンを作動させるシリンダとを配置して、車両停止時にピストンと回転部材とを嵌合させてロータ24をロックするパーキングブレーキであってもよい。
または、ロータ24と一体的に回転する回転部材の一部に形成されたフランジおよびケーシング22側に設置された摩擦板をケーシング22側に設置されたシリンダで挟むディスクブレーキであってもよい。さらに、この回転部材の一部にドラムを形成すると共に、ケーシング22側にブレーキシューを固定し、摩擦係合およびセルフエンゲージ作用で回転部材をロックするドラムブレーキを用いることができる。
また、本実施例において、曲線板26a,26bを支持する軸受41として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、深溝玉軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
また、本実施例においては、モータ部Aにケーシングに固定されるステータと、ステータの内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータとを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、インホイールモータ駆動装置21を搭載した電気自動車は、後輪を駆動輪としてもよく、また、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明は、インホイールモータ駆動装置などに用いられるサイクロイド減速機に採用することができる。
本発明の一実施例になるインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。 図1のII−IIにおける断面図である。 図1の外ピン周辺の拡大図である。 外ピン保持部を軸線方向からみた状態を一部断面にして示す正面図である。 図4のV−Vにおける断面図である。 外輪係止部材を軸線方向から見た状態を示す正面図である。 図6のVII−VIIにおける縦断面図である。 図7に示す断面を拡大した図である。 外輪係止部材の変形例を軸線方向から見た状態を示す正面図である。 同変形例の外輪係止部材がケーシングの内部に取り付けられた状態を示す縦断面図である。
符号の説明
21 インホイールモータ駆動装置、22 ケーシング、23 ステータ、24 ロータ、25 モータ側回転部材、25a,25b 偏心部材、26a,26b 曲線板、27 外ピン、27a 針状ころ軸受、27g 外輪、28 車輪側回転部材、29 センターカラー、30a,30b 貫通孔、31 内ピン、31a 針状ころ軸受、32 車輪ハブ、33 車輪ハブ軸受、45 外ピン保持部、46、円筒部、46b 曲線板挿入孔、47,48 リング部、47a,48a 外ピン保持孔、49 段差、51 外輪係止部材、51t 円筒部、51f フランジ部、51n 爪部、51k 切り欠き。

Claims (5)

  1. ケーシングと、
    一端が前記ケーシングの内部に配置された入力軸と、
    前記入力軸の軸線から偏心して入力軸の一端に結合した円盤形状の偏心部材と、
    内周が前記偏心部材の外周に相対回転可能に取り付けられ、外周が波形曲線で形成されて径方向に窪んだ曲線凹部を周方向等間隔に複数有する曲線板と、
    前記軸線を中心として前記ケーシングに周方向等間隔に複数配設され、前記偏心部材の回転に伴って前記曲線凹部と係合するとともに前記曲線板を公転および自転させる外ピンと、
    前記曲線板の自転を取り出す出力軸とを備え、
    前記外ピンは前記軸線と平行に延在するとともに軸方向端部が転がり軸受を介して前記ケーシングに回転自在に支持され、
    前記ケーシングは、ケーシングの内部に前記軸線と同軸に取り付けられるリング形状であって、周方向等間隔に複数配設された前記転がり軸受の外輪の軸方向移動を規制する外輪係止部材を含む、サイクロイド減速機。
  2. 前記外輪係止部材は、筒状部と、前記筒状部の軸方向端に形成されたフランジ部とを備え、
    前記筒状部は前記ケーシングの内部に差し込まれて嵌合するとともに、前記フランジ部は前記外輪の端部を軸方向に押さえる、請求項1に記載のサイクロイド減速機。
  3. 前記フランジ部は、前記外ピンの周方向位置に外ピンが貫通する切り欠きを有する、請求項2に記載のサイクロイド減速機。
  4. 前記ケーシングは、ケーシングに嵌合固定され、前記外ピンを前記入力軸の軸線と平行に保持する外ピン保持部を含み、
    前記外ピン保持部は、
    前記軸線と同軸に配置されて前記偏心部材、前記曲線板、および前記外ピンを収容する円筒部と、
    前記円筒部の軸方向両端部から径方向内側にそれぞれ突出して相互に対面する一対のリング部と、
    前記一対のリング部の周方向同位置に、前記軸線と平行に延びて、前記転がり軸受を保持する一対の外ピン保持孔とを有し、
    前記外輪係止部材は、前記リング部に軸方向移動不能に取り付けられる、請求項1〜3のいずれかに記載のサイクロイド減速機。
  5. 前記外ピン保持部の円筒部は、径方向に貫通し、前記外輪係止部材を径方向から円筒部内に挿入可能とするスリットを備える、請求項4に記載のサイクロイド減速機。
JP2008166118A 2008-06-25 2008-06-25 サイクロイド減速機 Expired - Fee Related JP5142274B2 (ja)

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