JP2009074583A - サイクロイド減速機、およびインホイールモータ駆動装置 - Google Patents

サイクロイド減速機、およびインホイールモータ駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009074583A
JP2009074583A JP2007242148A JP2007242148A JP2009074583A JP 2009074583 A JP2009074583 A JP 2009074583A JP 2007242148 A JP2007242148 A JP 2007242148A JP 2007242148 A JP2007242148 A JP 2007242148A JP 2009074583 A JP2009074583 A JP 2009074583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
rotation
rotating member
motor
side rotating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007242148A
Other languages
English (en)
Inventor
Kayo Sakai
香代 堺
Minoru Suzuki
稔 鈴木
Ken Yamamoto
山本  憲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2007242148A priority Critical patent/JP2009074583A/ja
Publication of JP2009074583A publication Critical patent/JP2009074583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Abstract

【課題】曲線板の回転によって生じる荷重を適切に支持することができるサイクロイド減速機を提供する。
【解決手段】サイクロイド減速機Bは、モータ側回転部材25と、車輪側回転部材28と、モータ側回転部材25の回転軸心を中心とする公転運動を行う曲線板26a,26bと、曲線板26a,26bの自転運動を生じさせる外ピン27と、曲線板26a,26bの自転運動を、モータ側回転部材25の回転軸心を中心とする回転運動に変換して車輪側回転部材28に伝達する運動変換機構とを備える。運動変換機構は、軸方向一方側端部を車輪側回転部材28に保持される複数の内ピン31と、曲線板26a,26bに形成され、内ピン31の外径より所定分だけ径が大きく内ピンを受入れる複数の穴30aと、全ての内ピン31の軸方向他方側端部を連結する側板45とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイクロイド減速機、および電動モータ、サイクロイド減速機、および車輪ハブを直列に接続したインホイールモータ駆動装置に関するものである。
従来のインホイールモータ駆動装置101は、例えば、特開2006−258289号公報(特許文献1)に記載されている。図11を参照して、インホイールモータ駆動装置101は、車体に取り付けられるケーシング102の内部に駆動力を発生させるモータ部103と、車輪に接続される車輪ハブ軸受部104と、モータ部103の回転を減速して車輪ハブ軸受部104に伝達する減速部105とを備える。
上記構成のインホイールモータ駆動装置101において、装置のコンパクト化の観点からモータ部103には低トルクで高回転のモータが採用される。一方、車輪ハブ軸受部104には、車輪を駆動するために大きなトルクが必要となる。そこで、減速部105には、コンパクトで高い減速比が得られるサイクロイド減速機が採用されることがある。
また、従来のサイクロイド減速機を適用した減速部105は、偏心部106a,106bを有するモータ側回転部材106と、偏心部106a,106bに配置される曲線板107a,107bと、曲線板107a,107bをモータ側回転部材106に対して回転自在に支持する転がり軸受111と、曲線板107a,107bの外周面に係合して曲線板107a,107bに自転運動を生じさせる複数の外ピン108と、曲線板107a,107bの自転運動を車輪側回転部材110に伝達する複数の内ピン109とを含む。
特開2006−258289号公報
上記構成の減速部は、モータ部103の駆動力によって曲線板107a,107bがモータ側回転部材106の周りを偏心回転(公転)する。また、曲線板107a,107bの外周部と外ピン108とが係合して、曲線板107a,107bが自転する。そして、曲線板107a,107bと内ピン109との相互運動によって曲線板107a,107bの自転運動を車輪側回転部材110に伝達する。
このとき、内ピン109には曲線板107a,107bから伝達トルクに応じた荷重が作用する。しかし、この荷重は、曲線板107a,107bに当接している一部の内ピン109によって支持することになるので、内ピン109の破損が問題となる。
そこで、この発明の目的は、曲線板の回転によって生じる荷重を適切に支持することができるサイクロイド減速機、およびこのようなサイクロイド減速機を採用したインホイールモータ駆動装置を提供することである。
この発明に係るサイクロイド減速機は、偏心部を有する入力側回転部材と、出力側回転部材と、偏心部を挿通する貫通孔を有し、入力側回転部材の回転に伴ってその回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、公転部材の外周部に係合して公転部材の自転運動を生じさせる外周係合部材と、公転部材の自転運動を入力側回転部材の回転軸心を中心とする回転運動に変換して出力側回転部材に伝達する運動変換機構とを備える。運動変換機構は、軸方向一方側端部を出力側回転部材に保持された複数の内ピンと、公転部材に形成され、内ピンの外径より所定分だけ径が大きく内ピンを受入れる複数の穴と、全ての内ピンの軸方向他方側端部を連結する側板とを含む。
上記構成のサイクロイド減速機において、内ピンに作用する荷重を側板を介して全ての内ピンで受けることで、公転部材と内ピン間に作用する荷重のバラツキを抑え、内ピン1本あたりの荷重を低減することで耐久性を向上させる。これにより、信頼性の高いサイクロイド減速機を得ることができる。
好ましくは、側板は、円環形状であって、その厚み方向一方側の壁面に全ての内ピンの軸方向他方側端部を受け入れる複数の凹部を有する。そして、内ピンおよび側板の結合部分は、インロー構造を構成する。これにより、運動変換機構の剛性が向上する。
好ましくは、運動変換機構は、全ての内ピンの軸方向一方側端部を保持する第2の側板をさらに有する。第2の側板は、内ピンの軸方向への移動を規制する。
さらに好ましくは、第2の側板は、内ピンの軸方向一方側端部に対してねじ若しくは加締めによって締結されると共に、出力側回転部材に対してもねじ若しくは加締めによって締結されている。これにより、内ピンの軸方向移動が規制される。
好ましくは、内ピンは、穴の壁面に当接する転がり軸受を含む。このように、内ピンの公転部材に接触する部分に転がり軸受を配置することにより、両部材間に生じる摩擦抵抗を低減することができる。
この発明に係るインホイールモータ駆動装置は、入力側回転部材としてのモータ側回転部材を回転駆動するモータ部と、モータ側回転部材の回転を減速して車輪側回転部材に伝達する上記のいずれかに記載のサイクロイド減速機と、出力側回転部材としての車輪側回転部材に固定連結された車輪ハブとを備える。上記構成のサイクロイド減速機を採用することにより、信頼性の高いインホイールモータ駆動装置を得ることができる。
この発明によれば、公転部材から内ピンに負荷される荷重を円環形状の側板を介して全ての内ピンで支持することができるので、内ピン一本あたりの荷重のバラツキを抑えることで耐久性を向上させ、信頼性の高いサイクロイド減速機およびインホイールモータ駆動装置を得ることができる。
図1〜図10を参照して、この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21について説明する。
図9は、この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を採用した電気自動車11の概略図であって、図10は、電気自動車11を後方から見た概略図である。図9を参照して、電気自動車11は、シャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪としての後輪14と、左右の後輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。図10を参照して、後輪14は、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャーシ12の下部に固定されている。
懸架装置12bは、左右に伸びるサスペンションアームによって後輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットによって、後輪14が地面から受ける振動を吸収してシャーシ12の振動を抑制する。さらに、左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時等に車体の傾きを抑制するスタビライザーが設けられる。なお、懸架装置12bは、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
この電気自動車11は、ホイールハウジング12a内部に、左右の後輪14それぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャーシ12上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
一方、この電気自動車11の走行安定性を向上するために、ばね下重量を抑える必要がある。また、さらに広い客室スペースを確保するために、インホイールモータ駆動装置21の小型化が求められる。そこで、図1に示すようなこの発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を採用する。
図1〜図8を参照して、この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を説明する。なお、図1はインホイールモータ駆動装置21の概略断面図、図2は図1のII−IIにおける断面図、図3は偏心部25a,25b周辺の拡大図、図4は側板45を軸方向から見た図、図5は図4のV−Vにおける断面図、図6は第2の側板46を軸方向から見た図、図7は図6のVII−VIIにおける断面図、図8は内ピン31および第2の側板を車輪側回転部材28に取り付けた状態の概略断面図である。
まず、図1を参照して、車両減速部の一例としてのインホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を駆動輪14に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備え、モータ部Aと減速部Bとはケーシング22に収納されて、図10に示すように電気自動車11のホイールハウジング12a内に取り付けられる。
モータ部Aは、ケーシング22に固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向の隙間を空けて対向する位置に配置されるロータ24と、ロータ24の内側に固定連結されてロータ24と一体回転するモータ側回転部材25とを備えるラジアルギャップモータである。また、モータ部Aの減速部Bと反対側の端面には、モータ部Aの内部への塵埃の混入等を防止するために密封部材39が設けられている。
ロータ24は、フランジ形状のロータ部24aと円筒形状の中空部24bとを有し、転がり軸受34によってケーシング22に対して回転自在に支持されている。また、ケーシング22とロータ24との間には、減速部Bに封入された潤滑剤のモータ部Aへの侵入を防止するために密封部材35が設けられている。
モータ側回転部材25は、モータ部Aの駆動力を減速部Bに伝達するためにモータ部Aから減速部Bにかけて配置され、減速部B内に偏心部25a,25bを有する。このモータ側回転部材25は、一端がロータ24と嵌合すると共に、減速部Bの両端で転がり軸受36a,36bによって支持される。さらに、2つの偏心部25a,25bは、偏心運動による遠心力を互いに打ち消し合うために、180°位相を変えて設けられている。
減速部Bは、偏心部25a,25bに回転自在に保持される公転部材としての曲線板26a,26bと、ケーシング22上の固定位置に保持され、曲線板26a,26bの外周部に係合する外周係合部材としての複数の外ピン27と、曲線板26a,26bの自転運動を車輪側回転部材28に伝達する運動変換機構と、偏心部25a,25bに隣接する位置にカウンタウェイト29とを備える。
車輪側回転部材28は、フランジ部28aと軸部28bとを有する。フランジ部28aの端面には、車輪側回転部材28の回転軸心を中心とする円周上の等間隔に内ピン31を固定する穴が形成されている。軸部28bは中空構造であり、その外径面には、車輪ハブ軸受33の第1内側軌道面33cが形成されている。
図2および図3を参照して、曲線板26aは、外周部にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形を有し、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔30a,30bを有する。貫通孔30aは、曲線板26aの自転軸心を中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、後述する内ピン31を受入れる。また、貫通孔30bは、曲線板26aの中心に設けられており、偏心部25aに嵌合する。
曲線板26aは、転がり軸受41によって偏心部25aに対して回転自在に支持されている。図3を参照して、この転がり軸受41は、偏心部25aの外径面に嵌合し、その外径面に内側軌道面42aを有する内輪部材42と、曲線板26aの貫通孔30bの内径面に直接形成された外側軌道面43と、内側軌道面42aおよび外側軌道面43の間に配置される複数の円筒ころ44と、隣接する円筒ころ44の間隔を保持する保持器(図示省略)とを備える円筒ころ軸受である。
外ピン27は、モータ側回転部材25の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられる。曲線板26a,26bが公転運動すると、曲線形状の波形と外ピン27とが係合して、曲線板26a,26bに自転運動を生じさせる。また、曲線板26a,26bとの摩擦抵抗を低減するために、曲線板26a,26bの外周面に当接する位置に針状ころ軸受27aを有する。
カウンタウェイト29は、円板状で、中心から外れた位置にモータ側回転部材25と嵌合する貫通孔を有し、曲線板26a,26bの回転によって生じる不釣合い慣性偶力を打ち消すために、各偏心部25a,25bに隣接する位置に隣接する偏心部と180°位相を変えて配置される。
ここで、図3を参照して、2枚の曲線板26a,26b間の中心点をGとすると、図3の中心点Gの右側について、中心点Gと曲線板26aの中心との距離をL、曲線板26a、転がり軸受41、および偏心部25aの質量の和をm、曲線板26aの重心の回転軸心からの偏心量をεとし、中心点Gとカウンタウェイト29との距離をL、カウンタウェイト29の質量をm、カウンタウェイト29の重心の回転軸心からの偏心量をεとすると、L×m×ε=L×m×εを満たす関係となっている。また、図3の中心点Gの左側の曲線板26bとカウンタウェイト29との間にも同様の関係が成立する。
運動変換機構は、車輪側回転部材28に保持された複数の内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成される。内ピン31は、車輪側回転部材28の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられており、その軸方向一方側端部が車輪側回転部材28に固定されている。また、曲線板26a,26bとの摩擦抵抗を低減するために、曲線板26a,26bの貫通孔30aの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受31aが設けられている。
さらに、内ピン31の軸方向両端部には、円環形状の側板45,46が設けられている。図4および図5を参照して、側板45は、円環形状の一方側の壁面に全ての内ピン31の軸方向端部を受け入れる複数の凹部45aを有する。側板45は、凹部45aに内ピン31の軸方向端部を受け入れる。そして、内ピン31と側板45との結合部分でインロー構造を構成している。これにより、剛性を向上させることができる。
上記構成の側板45により、曲線板26a,26bから一部の内ピン31に負荷された荷重は側板45を介して全ての内ピン31で支持することができるため、内ピン1本あたりに作用する荷重を低減させ、信頼性の高いサイクロイド減速機およびインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。
一方、図6および図7を参照して、側板46には、厚み方向に貫通する貫通孔46a、46bが形成されている。そして、図8を参照して、内ピン31と側板46とは、貫通孔46aに連通する内ピン31のボルト穴にボルト47aを螺合することによって締結される。また、側板46と車輪側回転部材28とは、貫通孔46bに連通する車輪側回転部材28のボルト穴にボルト47bを螺合させることによって締結させる。これにより、内ピン31の軸方向の移動を規制することができる。
ただし、側板45,46と内ピン31との締結方法は上記の方法に限定されず、任意の方法を採用することができる。例えば、内ピン31の軸方向他方側端部に雌ねじもしくは雄ねじを形成し、このねじにより、側板45,46を内ピン31に締結してもよい。さらには、加締め加工によって両者を締結してもよい。
一方、貫通孔30aは、複数の内ピン31それぞれに対応する位置に設けられ、貫通孔30aの内径寸法は、内ピン31の外径寸法(「針状ころ軸受31aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
車輪ハブ軸受部Cは、車輪側回転部材28に固定連結された車輪ハブ32と、車輪ハブ32をケーシング22に対して回転自在に保持する車輪ハブ軸受33とを備える。車輪ハブ32は、円筒形状の中空部32aとフランジ部32bとを有する。フランジ部32bにはボルト32cによって駆動輪14が固定連結される。また、中空部32aの開口部分には、インホイールモータ駆動装置21の内部への塵埃の混入等を防止するために密封部材32dが設けられている。
車輪ハブ軸受33は、転動体としての玉33eを採用する複列のアンギュラ玉軸受である。玉33eの軌道面としては、第1外側軌道面33a(図中右側)および第2外側軌道面33b(図中左側)とが外方部材22aの内径面に設けられており、第1外側軌道面33aに対向する第1内側軌道面33cが車輪側回転部材28の外径面に、第2外側軌道面33bに対向する第2内側軌道面33dが車輪ハブ32の外径面にそれぞれ設けられている。そして、玉33eは、第1外側軌道面33aと第1内側軌道面33cとの間、および第2外側軌道面33bと第2内側軌道面33dとの間にそれぞれ複数個配置される。また、車輪ハブ軸受33は、左右の列の玉33eそれぞれを保持する保持器33fと、軸受内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩や、外部からの塵埃の混入を防止する密封部材33gとを含む。
車輪ハブ32と車輪側回転部材28とは、拡径加締めによって固定される。「拡径加締め」とは、インホイールモータ駆動装置21を固定した状態で、車輪側回転部材28の軸部28bの内径より僅かに大きい外径を有する加締め冶具(図示省略)を軸部28bの内径部に圧入することにより、塑性結合部40で車輪側回転部材28と車輪ハブ32とを塑性結合させる。上記方法で車輪側回転部材28と車輪ハブ32とを固定連結することにより、嵌め合いで固定する場合と比較して、結合強度を大幅に高めることができる。これにより、車輪ハブ32を安定して保持することが可能となる。
上記構成のインホイールモータ駆動装置21の作動原理を詳しく説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。このとき、コイルに高周波数の電圧を印加する程、ロータ24は高速回転する。
これにより、ロータ24に接続されたモータ側回転部材25が回転すると、曲線板26a,26bはモータ側回転部材25の回転軸心を中心として公転運動する。このとき、外ピン27が、曲線板26a,26bの曲線形状の波形と係合して、曲線板26a,26bをモータ側回転部材25の回転とは逆向きに自転運動させる。
貫通孔30aに挿通する内ピン31は、曲線板26a,26bの自転運動に伴って貫通孔30aの内壁面と当接する。これにより、曲線板26a,26bの公転運動が内ピン31に伝わらず、曲線板26a,26bの自転運動のみが車輪側回転部材28を介して車輪ハブ軸受部Cに伝達される。
このとき、モータ側回転部材25の回転が減速部Bによって減速されて車輪側回転部材28に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪14に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部Bの減速比は、外ピン27の数をZ、曲線板26a,26bの波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図2に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン27および内ピン31の曲線板26a,26bに当接する位置に針状ころ軸受27a,31aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速部Bの伝達効率が向上する。
上記の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を電気自動車11に採用することにより、ばね下重量を抑えることができる。その結果、走行安定性に優れた電気自動車11を得ることができる。
また、上記の実施形態においては、減速部Bの曲線板26a,26bを180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
なお、上記の実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部Aから駆動輪に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、上記の実施形態における作動の説明では、モータ部Aに電力を供給してモータ部Aを駆動させ、モータ部Aからの動力を駆動輪14に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪14側からの動力を減速部Bで高回転低トルクの回転に変換してモータ部Aに伝達し、モータ部Aで発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部Aを駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
さらに、上記の実施形態の構成にブレーキを加えることもできる。例えば、図1の構成において、ケーシング22を軸方向に延長してロータ24の図中右側に空間を形成し、ロータ24と一体的に回転する回転部材と、ケーシング22に回転不能にかつ軸方向に移動可能なピストンと、このピストンを作動させるシリンダとを配置して、車両停止時にピストンと回転部材とを嵌合させてロータ24をロックするパーキングブレーキであってもよい。
または、ロータ24と一体的に回転する回転部材の一部に形成されたフランジおよびケーシング22側に設置された摩擦板をケーシング22側に設置されたシリンダで挟むディスクブレーキであってもよい。さらに、この回転部材の一部にドラムを形成すると共に、ケーシング22側にブレーキシューを固定し、摩擦係合およびセルフエンゲージ作用で回転部材をロックするドラムブレーキを用いることができる。
また、上記の実施形態において、曲線板26a,26bを支持する軸受として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
ただし、深溝玉軸受は、円筒ころ軸受と比較して許容限界回転数は高い反面、負荷容量が低い。そのため、必要な負荷容量を得るためには、大型の深溝玉軸受を採用しなければならない。したがって、インホイールモータ駆動装置21のコンパクト化の観点からは、転がり軸受41には円筒ころ軸受が好適である。
また、上記の各実施形態においては、モータ部Aにラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばケーシングに固定されるステータと、ステータの内側に軸方向の隙間を空けて対向する位置に配置されるロータとを備えるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、図9に示した電気自動車11は、後輪14を駆動輪とした例を示したが、これに限ることなく、前輪13を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を示す図である。 図1のII−IIにおける断面図である。 図1の偏心部周辺の拡大図である。 図1の側板を軸方向から見た図である。 図4のV−Vにおける断面図である。 図1の第2の側板を軸方向から見た図である。 図6のVII−VIIにおける断面図である。 内ピンおよび第2の側板を車輪側回転部材に取り付けた状態の概略断面図である。 図1のインホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の平面図である。 図9の電気自動車の後方断面図である。 従来のインホイールモータ駆動装置を示す図である。
符号の説明
11 電気自動車、12 シャーシ、12a ホイールハウジング、12b 懸架装置、13 前輪、14 後輪、21,101 インホイールモータ駆動装置、22,102 ケーシング、22a 外方部材、23 ステータ、24 ロータ、24a ロータ部、28a,32b フランジ部、24b,32a 中空部、28b 軸部、25,106 モータ側回転部材、25a,25b,106a,106b 偏心部、26a,26b,107a,107b 曲線板、27,108 外ピン、27a,31a 針状ころ軸受、28,110 車輪側回転部材、29 カウンタウェイト、30a,30b、46a、46b 貫通孔、31,109 内ピン、32 車輪ハブ、32d,33g,35,39 密封部材、33 車輪ハブ軸受、40 塑性結合部、33a,33b,43 外側軌道面、33c,33d,42a 内側軌道面、33e 玉、33f 保持器、34,36a,36b,41,111 転がり軸受、42 内輪部材、44 円筒ころ、45,46 側板、45a 凹部、47a,47b ボルト。

Claims (6)

  1. 偏心部を有する入力側回転部材と、
    出力側回転部材と、
    前記偏心部を挿通する貫通孔を有し、前記入力側回転部材の回転に伴ってその回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、
    前記公転部材の外周部に係合して前記公転部材の自転運動を生じさせる外周係合部材と、
    前記公転部材の自転運動を前記入力側回転部材の回転軸心を中心とする回転運動に変換して前記出力側回転部材に伝達する運動変換機構とを備え、
    前記運動変換機構は、
    軸方向一方側端部を前記出力側回転部材に保持された複数の内ピンと、
    前記公転部材に形成され、前記内ピンの外径より所定分だけ径が大きく前記内ピンを受入れる複数の穴と、
    全ての前記内ピンの軸方向他方側端部に連結する側板とを含む、サイクロイド減速機。
  2. 前記側板は、円環形状であって、その厚み方向一方側の壁面に全ての前記内ピンの軸方向他方側端部を受け入れる複数の凹部を有し、
    前記内ピンおよび前記側板の結合部分は、インロー構造を構成する、請求項1に記載のサイクロイド減速機。
  3. 前記運動変換機構は、全ての前記内ピンの軸方向一方側端部を保持する第2の側板をさらに有する、請求項1または2に記載のサイクロイド減速機。
  4. 前記第2の側板は、前記内ピンの軸方向一方側端部に対してねじ若しくは加締めによって締結されると共に、前記出力側回転部材に対してもねじ若しくは加締めによって締結されている、請求項3に記載のサイクロイド減速機。
  5. 前記内ピンは、前記穴の壁面に当接する転がり軸受を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のサイクロイド減速機。
  6. 入力側回転部材としてのモータ側回転部材を回転駆動するモータ部と、
    前記モータ側回転部材の回転を減速して車輪側回転部材に伝達する請求項1〜5のいずれかに記載のサイクロイド減速機と、
    出力側回転部材としての車輪側回転部材に固定連結された車輪ハブとを備える、インホイールモータ駆動装置。
JP2007242148A 2007-09-19 2007-09-19 サイクロイド減速機、およびインホイールモータ駆動装置 Pending JP2009074583A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007242148A JP2009074583A (ja) 2007-09-19 2007-09-19 サイクロイド減速機、およびインホイールモータ駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007242148A JP2009074583A (ja) 2007-09-19 2007-09-19 サイクロイド減速機、およびインホイールモータ駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009074583A true JP2009074583A (ja) 2009-04-09

Family

ID=40609760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007242148A Pending JP2009074583A (ja) 2007-09-19 2007-09-19 サイクロイド減速機、およびインホイールモータ駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009074583A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011111617A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 Ntn株式会社 電気自動車のモータ駆動システム
WO2011118466A1 (ja) * 2010-03-26 2011-09-29 Ntn株式会社 電気自動車用コントローラ装置
CN102889340A (zh) * 2011-07-17 2013-01-23 吴小杰 大型立式摆线减速器
CN102889339A (zh) * 2011-07-17 2013-01-23 吴小杰 大型卧式摆线减速器
KR101640000B1 (ko) * 2015-11-25 2016-07-15 강형석 3방향 하중의 지지가 가능한 감속 유니트

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61252934A (ja) * 1985-04-30 1986-11-10 Nippon Air Brake Co Ltd クロ−ラ車両の走行装置用減速機
JPS6228941U (ja) * 1985-08-07 1987-02-21
JP2006258289A (ja) * 2005-02-16 2006-09-28 Ntn Corp インホイールモータ駆動装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61252934A (ja) * 1985-04-30 1986-11-10 Nippon Air Brake Co Ltd クロ−ラ車両の走行装置用減速機
JPS6228941U (ja) * 1985-08-07 1987-02-21
JP2006258289A (ja) * 2005-02-16 2006-09-28 Ntn Corp インホイールモータ駆動装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103097168A (zh) * 2010-03-10 2013-05-08 Ntn株式会社 电动汽车的电动机驱动系统
JP2011188683A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Ntn Corp 電気自動車のモータ駆動システム
US9347801B2 (en) 2010-03-10 2016-05-24 Ntn Corporation Motor driving system for electric vehicle
CN103097168B (zh) * 2010-03-10 2015-03-25 Ntn株式会社 电动汽车的电动机驱动系统
WO2011111617A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 Ntn株式会社 電気自動車のモータ駆動システム
US20120330490A1 (en) * 2010-03-10 2012-12-27 Ntn Corporation Motor driving system for electric vehicle
US8558499B2 (en) 2010-03-26 2013-10-15 Ntn Corporation Controller apparatus for electric vehicle
CN102822002A (zh) * 2010-03-26 2012-12-12 Ntn株式会社 电动汽车用控制装置
JP2011205823A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Ntn Corp 電気自動車用コントローラ装置
WO2011118466A1 (ja) * 2010-03-26 2011-09-29 Ntn株式会社 電気自動車用コントローラ装置
EP2554426A4 (en) * 2010-03-26 2016-10-12 Ntn Toyo Bearing Co Ltd CONTROL DEVICE FOR ONE ELECTRIC VEHICLE
CN102889339A (zh) * 2011-07-17 2013-01-23 吴小杰 大型卧式摆线减速器
CN102889340A (zh) * 2011-07-17 2013-01-23 吴小杰 大型立式摆线减速器
KR101640000B1 (ko) * 2015-11-25 2016-07-15 강형석 3방향 하중의 지지가 가능한 감속 유니트

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5069975B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
JP5519337B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
JP5160756B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
JP5564352B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
US8336652B2 (en) In-wheel motor drive unit
JP2007239886A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2006258289A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2007237927A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP5010490B2 (ja) モータ駆動装置およびインホイールモータ駆動装置
JP4877745B2 (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2009074583A (ja) サイクロイド減速機、およびインホイールモータ駆動装置
JP2008202746A (ja) 車両減速部の潤滑構造およびインホイールモータ駆動装置
JP5010484B2 (ja) サイクロイド減速機およびインホイールモータ駆動装置
JP2008168873A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2007238092A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008168821A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008168822A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008261445A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008174020A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008208911A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008044539A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008044538A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008174021A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2008045682A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP5564608B2 (ja) インホイールモータ駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120703