JP5250364B2 - 取引監視装置および取引監視システム - Google Patents
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Description
ところが、近年、この自動取引装置による振込処理を利用して、家族や親族などの身内の者を装い現金の振込を要求する詐欺行為が増加しており、社会的な問題となっている。
特許文献1には、自動取引装置にて振込処理を行う振込人とこの振込を受け取る受取人とを通話させるハンドセットを備え、このハンドセットで取得される受取人の声紋を、予め振込人に対応して記憶した関係者の声紋データと照合して、正当な受取人であるか否かを判定する自動取引システムが開示されている。
しかしながら、従来の自動取引システムでは、詐欺等の被害を防止しようとすると、正当な取引であっても、手続き時に受取人の声紋照合が必須になるという問題がある。
すなわち、自動取引装置にて振込処理を行う全ての利用者について、自己の振込先として考えられ得る全ての人物の声紋データを事前に取得しておく必要があり、仮に、声紋を事前登録していない振込先に振込を行う場合には、かかる手続きを完了することができず、円滑な金銭取引に支障をきたすおそれが生じるのである。
そこで、本発明は、自動取引装置にて金銭の振込処理を行う場合に、正当な利用者間の円滑な金銭取引を阻害することなく、詐欺被害を未然に防止する取引監視装置および取引監視システムの実現を目的とする。
本発明の取引監視装置は、このような詐欺行為は携帯電話にて詐欺行為者から指示受けする点に着目したものである。
かかる構成によれば、ある取引監視装置にて詐欺被害の可能性ありと判定された利用者について、利用者が規制対象の利用者であるか否かの判定を行う範囲を、当該取引監視装置の周辺にある取引監視装置に限定することができる。そのため、不必要に画像照合による判定処理を実行することがなく、取引監視装置の負荷を軽減できるとともに、照合ミスにより規制対象でない他の利用者に対して警告してしまう可能性を低減できる。
図1は、本発明の取引監視装置および取引監視システムを用いた自動取引システムを示す構成図である。本実施形態では、監視領域として金融機関のCD/ATMコーナーを例に説明する。なお、監視領域はこれに限られず、自動取引装置が設置されたコンビニエンスストアなどであってよい。
また、取引監視装置10は、詐欺被害の可能性ありと判定すると、通信網30を介して管理センタ40へ規制対象の利用者の画像データを通知する。
管理センタ40は、取引監視装置10からこの画像データを受けると、他のATMに対して設けた取引監視装置10でもその画像データに写る利用者による振込処理を規制するべく、他の取引監視装置10に対して受信した画像データを配信し、規制対象の利用者として登録させる。これにより、一層の詐欺被害の抑止に繋がる。
次に、図1を参照して、取引監視装置10の構成について説明する。
取引監視装置10は、各所のCD/ATMコーナーの自動取引装置20に対応して設置される。
取引監視装置10は、監視カメラ21と接続され、監視カメラ21から入力される画像データを取得するカメラ接続インターフェースとして機能する画像取得部11と、ATM前に存在する人物を検知する近接センサ12と、ROMやRAMで構成され、制御部16が実行する各種プログラムおよび自装置に付与された識別コードを記憶するとともに、規制対象の利用者が写された画像データを一時的に記憶する記憶部13と、スピーカで構成され、異常取引と判定したとき警告メッセージを出力する警告表示部14と、通信網30を介して管理センタ40と接続された通信部15と、これら各部を制御する制御部16と、を含んで構成される。
近接センサ12は、パッシブ型のインフラレッドセンサで構成され、ATM近傍に存在する人物が発する熱源を検出し、検出信号を制御部16へ出力する。
記憶部13に記憶された識別コードは、各取引監視装置10を識別可能な情報であり、管理センタ40との通信に用いられる。
携帯使用判定手段17は、携帯電話利用者の画像特徴として、入力された画像データから利用者の顔の側方に手が存在することを検出する。すなわち、携帯使用判定手段17は、入力された画像データから肌色を含む楕円領域を顔領域として抽出し、この顔領域の左右何れかの側部に顔と同様の肌色領域が存在するか否かを判別する。入力される画像データより、顔領域の左右何れか一方で顔と同様の肌色領域が抽出されると携帯電話を使用していると判定して異常判定手段19に携帯検知信号を出力する。
規制利用者判定手段18は、照合対象の入力画像データに基づきATM利用者が規制対象の利用者であると判定すると、異常判定手段19に規制検知信号を出力し、規制対象の利用者でないと判定すると非規制検知信号を出力する。また、記憶部13に規制対象の利用者に関する画像データが記憶されていない場合は、非規制検知信号を出力する。
異常判定手段19は、規制利用者判定手段18から出力された規制検知信号が入力されたときは、携帯検知信号の入力の有無にかかわらず、ATM利用者が詐欺被害に遭遇している可能性があると判定し、警告表示部14より警告メッセージを出力させる。
次に、管理センタ40の構成について説明する。
管理センタ40は、通信網30を介して各所のCD/ATMコーナーに設置された複数の取引監視装置10と接続される。管理センタ40は、各取引監視装置10が設置されている場所(位置情報)を表すテーブルを記憶している位置管理部41と、取引監視装置10から異常信号を受信したとき、位置管理部41を参照し、該取引監視装置10の近隣にある取引監視装置10に対して受信した異常信号に含まれた利用者の画像データを配信する規制通知部42を有する。
規制通知部42は、受信した画像データを含む規制通知信号を、特定した識別コードに対応する取引監視装置10へ送信する。
次に、上記のような構成をもつ取引監視装置10の動作について説明する。図2は、取引監視装置10にて実行される監視処理を示すフローチャートである。
制御部16は、近接センサ12からの検知信号を受信したことをもって取引開始を検出し、監視処理を実行する。制御部16は、監視カメラ21がATM利用者を撮影した画像データを、画像取得部11を介して順次取得する(S100)。携帯使用判定手段17および規制利用者判定手段18は、取得した画像データについて、上述したように携帯電話の使用の検出処理、規制対象の利用者の検出処理を実行し、検出結果を異常判定手段19に出力する。
異常判定手段19は、非規制検知信号を受信し、ATM利用者を規制対象の利用者ではないと判定した場合(S110のYes)、続いて、携帯使用判定手段17から出力される携帯検知信号の受信の有無に基づき、ATM利用者が携帯電話を使用しているか否かを判定する(S120)。異常判定手段19は、取引終了までに携帯検知信号を受信しない場合、携帯電話の使用なしと判定し(S120のNo)、監視処理を終了する。
また、一旦詐欺被害の可能性ありと判定された利用者については、所定時間が経過するまでの間は、携帯電話を使用しているか否かに因らず詐欺被害の可能性ありと再度判定するため、詐欺行為者に誘導され、近隣のATMにて携帯電話を使用せずに再度振込処理を行った場合であっても、詐欺被害を未然に防止することが可能である。さらに、画像照合にて規制対象の利用者であるか否かを監視する範囲を、実際に詐欺行為者の指示により短時間で高齢者が移動できる範囲に限定できるため、取引監視処理にかかる負荷を抑制するとともに、他の利用者を誤って規制対象の利用者と誤判定してしまう可能性を低減することができる。
しかし、記憶部13に規制対象として登録せずに管理センタ40へ通知するだけの構成としてもよい(図2のS140を省略)。この場合、取引監視装置10は、管理センタ40から規制対象の利用者の画像データを受信したときに、初めて記憶部13に画像データを登録する。
また、同一のATMでのみ規制対象の利用者による振込処理を規制したい場合は、取引監視装置10は、規制対象の利用者の画像データを管理センタ40へ通知せずに自己の記憶部13に登録するだけの構成としてもよい(図2のS150を省略)。
また、上記実施形態において、近接センサ12を用いて取引の開始および終了を検出する構成としたが、これに替えて、利用者によるATMの操作を検出する構成としてもよい。この場合、取引監視装置10は、ATMと信号線で接続される構成とし、ATMから操作信号を受信する。
11・・・画像取得部
12・・・近接センサ
13・・・記憶部
14・・・警告表示部
15・・・通信部
16・・・制御部
17・・・・携帯使用判定手段
18・・・・規制利用者判定手段
19・・・・異常判定手段
20・・・自動取引装置
21・・・監視カメラ
30・・・通信網
40・・・ATM管理センタ
41・・・位置管理部
42・・・規制通知部
Claims (3)
- 振込処理が可能な自動取引装置の利用者を監視する取引監視装置において、
利用者による携帯電話の使用行為を検知する携帯使用検知手段と、
利用者を撮影した利用者画像を取得する画像取得手段と、
規制対象の利用者画像を記憶する対象記憶手段と、
前記携帯使用検知手段にて利用者の携帯電話の使用行為を検知すると当該利用者に警告報知するとともに、当該利用者の利用者画像を対象記憶手段に記憶させる異常判定手段と、を備え、
前記異常判定手段は、前記画像取得手段が取得した利用者画像と前記対象記憶手段に記憶されている利用者画像とが一致する場合は、当該利用者による携帯電話の使用行為の検知の有無にかかわらず当該利用者に警告報知する、
ことを特徴とした取引監視装置。 - 振込処理が可能な自動取引装置の利用者を監視する取引監視装置において、
利用者による携帯電話の使用行為を検知する携帯使用検知手段と、
利用者を撮影した利用者画像を取得する画像取得手段と、
通信網を介して遠隔の管理センタと通信可能な通信手段と、
前記通信手段にて前記管理センタから受信した規制対象の利用者画像を記憶する対象記憶手段と、
前記携帯使用検知手段にて利用者の携帯電話の使用行為を検知すると当該利用者に警告報知するとともに、当該利用者の利用者画像を含む異常信号を前記通信手段を介して前記管理センタへ送信する異常判定手段と、を備え、
前記異常判定手段は、前記画像取得手段が取得した利用者画像と前記対象記憶手段に記憶されている利用者画像とが一致する場合は、当該利用者による携帯電話の使用行為の検知の有無にかかわらず当該利用者に警告報知する、
ことを特徴とした取引監視装置。 - 各所に設置され、振込処理が可能な自動取引装置の利用者を監視する複数の取引監視装置と、前記複数の取引監視装置と通信可能な管理センタと、を含んで構成された取引監視システムであって、
前記取引監視装置は、
利用者による携帯電話の使用行為を検知する携帯使用検知手段と、
利用者を撮影した利用者画像を取得する画像取得手段と、
通信網を介して遠隔の管理センタと通信可能な通信手段と、
前記通信手段にて前記管理センタから受信した規制対象の利用者画像を記憶する対象記憶手段と、
前記携帯使用検知手段にて利用者の携帯電話の使用行為を検知すると当該利用者に警告報知するとともに、当該利用者の利用者画像を含む異常信号を前記通信手段を介して前記管理センタへ送信する異常判定手段と、を具備し、
前記管理センタは、
前記複数の取引監視装置のそれぞれの設置位置を示す位置情報を記憶管理する位置管理部と、
前記位置管理部を参照して、受信した前記異常信号の送信元の取引監視装置から所定距離以内にある取引監視装置を特定し、当該特定した取引監視装置へ当該異常信号に含まれた利用者画像を送信する規制通知部と、を具備し、
前記取引監視装置の異常判定手段は、
前記画像取得手段が取得した利用者画像と前記対象記憶手段に記憶されている利用者画像とが一致する場合は、当該利用者による携帯電話の使用行為の検知の有無にかかわらず当該利用者に警告報知する、
ことを特徴とした取引監視システム。
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