JP5248553B2 - 試料ステージ装置 - Google Patents

試料ステージ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5248553B2
JP5248553B2 JP2010145353A JP2010145353A JP5248553B2 JP 5248553 B2 JP5248553 B2 JP 5248553B2 JP 2010145353 A JP2010145353 A JP 2010145353A JP 2010145353 A JP2010145353 A JP 2010145353A JP 5248553 B2 JP5248553 B2 JP 5248553B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis direction
movement
command value
sample
sample stage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010145353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012009340A (ja
Inventor
孝司 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2010145353A priority Critical patent/JP5248553B2/ja
Priority to US13/806,989 priority patent/US8835872B2/en
Priority to PCT/JP2011/064359 priority patent/WO2011162325A1/ja
Publication of JP2012009340A publication Critical patent/JP2012009340A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5248553B2 publication Critical patent/JP5248553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/20Means for supporting or positioning the object or the material; Means for adjusting diaphragms or lenses associated with the support
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/67Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/68Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for positioning, orientation or alignment
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/20Positioning, supporting, modifying or maintaining the physical state of objects being observed or treated
    • H01J2237/202Movement
    • H01J2237/20278Motorised movement
    • H01J2237/20285Motorised movement computer-controlled
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/20Positioning, supporting, modifying or maintaining the physical state of objects being observed or treated
    • H01J2237/202Movement
    • H01J2237/20292Means for position and/or orientation registration
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/26Electron or ion microscopes
    • H01J2237/28Scanning microscopes
    • H01J2237/2813Scanning microscopes characterised by the application
    • H01J2237/2817Pattern inspection

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、半導体の検査や評価に用いられる電子顕微鏡装置に備えられ試料を保持する試料ステージ装置に係り、試料を搭載して移動する試料テーブルの位置決め制御方式に関する。
通常、半導体素子や集積回路の製造工程では、ウェーハに形成した各種パターンの形状や寸法を高い精度で検査して評価する必要がある。そのため、製造装置のみならず検査及び評価装置に対しても、これら半導体素子や集積回路の微細化に対応して、装置の高精度化が求められている。そこで、ウェーハ上に形成した各種パターンの形状や寸法の検査では、測長機能付きの走査型電子顕微鏡(以下では、SEM(scanning electron microscope)とも称する)が用いられている。
この測長機能付きのSEM、いわゆる測長SEMによるウェーハの検査では、ウェーハに電子線を照射して得られる二次電子信号を画像化処理して二次電子像を取得し、その明暗の変化からパターンの形状を判別して、検査対象のパターンの寸法を導き出す。SEMには、試料を保持する試料ステージ装置が備えられている。試料ステージ装置は、ウェーハが搭載された二次元移動可能な試料テーブルを、ウェーハ上の観察箇所に合わせて位置決めする構成になっている。
ウェーハ上に形成した各種パターンのSEMによる検査では、例えば、35nmノードのデザインルールに対応することが求められ、30万倍以上の高い観察倍率で、ウェーハ上の観察箇所についてノイズが少ない二次電子像を得ることが重要な課題となっている。また、この二次電子像を何枚も重ね合わせて観察画像としてのコントラストを向上させることも求められている。このような課題や要求に応えるために、試料ステージ装置では、装置の振動やドリフト(時間経過とともに試料テーブルの停止位置がずれていく現象)をnmオーダで抑える必要があった。
検査対象のウェーハサイズについても、現状では300mmが主流になっている。これに伴って、ウェーハが搭載される試料ステージ装置の試料テーブルも従前に比してかなり大型になっている。同時に、スループット向上の観点から、試料ステージ装置ではこの大型になった試料テーブルを高速で移動、位置決めする必要もある。この大型になった試料テーブルを移動させる高出力駆動機構では、モータや駆動軸の発熱による温度上昇が発生する。
そのため、試料ステージ装置では、このような発熱による温度上昇に起因した熱膨張収縮による試料ステージ装置のドリフトを回避する手段として、試料テーブルとその駆動軸との間に20〜100μmのギャップを設けて、停止時は試料テーブルから駆動軸を切り離す技術(例えば、特許文献1)がある。
さらに,このギャップによって生じる不感帯のために不得手となる試料テーブルの微動移動時には、試料テーブルの現在位置を測定する位置検出器による測定値と予め設定した目標値との偏差を監視しながら、目標位置との偏差がある一定値以下になった時点で試料テーブルの微動駆動を停止させる技術(例えば、特許文献2)がある。
これら技術により、従来の電子顕微鏡装置に備えられた試料ステージ装置では、パルスモータを用いたオープンループによる試料テーブルの位置決め制御が可能になっている。
特開2004−134155号公報 特開2007−80660号公報
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、現在位置と目標位置との偏差が駆動部と試料テーブルとの結合部に設けられているギャップよりも大きい場合に、試料テーブルの低速移動に先立って試料テーブルを仮の目標位置へ高速移動させた際に、このギャップの影響で、実際の停止位置にばらつきが生じてしまう。この停止位置のばらつきは、ギャップの初期状態(仮の目標位置への高速移動に際しての当初ギャップ状態),試料テーブルの加速度変化による振動,試料テーブルの慣性,等といった試料テーブルの駆動条件に起因する。この試料テーブルを仮の目標位置に対して高速移動させた際の実際の停止位置のばらつきにより、その後の本来の目標位置への低速移動時に、仮の目標位置と実際の停止位置とがずれた分だけ、試料テーブルを余計に低速移動し続けなければならないことも必要になる。このため、特許文献2に開示された技術では、本来の目標位置への試料テーブルの移動に、より多くの時間を要してしまうという問題があった。
また、試料ステージ装置に二次元移動可能な試料テーブルとして搭載されるX−Yテーブルは、X軸方向、Y軸方向それぞれに別々の駆動機構を有している。そのため、各駆動機構によるそれぞれの移動距離の差異により、早く動作完了した軸方向の停止精度が後から動作完了する軸方向への移動及び停止の影響でずれてしまう、といった問題も発生する。
さらに、本来の目標位置への移動を、試料テーブルの高速移動・停止と低速移動・停止とからなる複数回の試料テーブルの移動・停止に分けて行うことにより、制御のオーバヘッドが大きくなってしまうという問題もあった。
これらのことから、従来の試料ステージ装置では、スループットのばらつきやメカ特性(機械構成部分の特性)の変化による停止精度のばらつきといった問題が発生する。
本発明は、上述した問題点を鑑みなされたものであって、電子顕微鏡装置に備えられる試料ステージ装置にあって、ギャップの初期状態等の駆動条件に影響されることなく、熱ドリフトや振動によるノイズを抑えることが可能で、安定した試料テーブルの高速な位置決め制御方式を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の試料ステージ装置は、ギャップ等による駆動条件の影響を受けない理想的な位置情報をリアルタイムで算出し、位置検出器による測定値と理想的な位置情報との偏差もリアルタイムに求める構成になっている。その上で、この求められた偏差から測定値が理想的な位置情報に追従するようにモータの速度指令値を算出し、リアルタイムな速度制御を行うフィードバック制御により、安定した試料ステージの高速な位置決め制御を行う構成になっている。
本発明によれば、一定の制御周期の中で操作画面から指定された制御パラメータに従って駆動条件の影響を受けない理想的な位置情報の論理パターンを生成し、レーザーの測長値との偏差を算出する。この位置偏差がなくなるようにモータを駆動する速度指令値を算出し、リアルタイムに速度制御を行うことで、テーブル駆動前のギャップ等による駆動条件の影響を受けることなく高速での位置決め制御が可能になる。
また、仮の目標位置への移動が不要になり本来の目標位置へ直接移動することが可能になり、仮の目標位置へ移動する高速駆動や本来の目標位置へ移動する低速駆動などの制御の切替えも不要になるため高速な位置決め制御が可能になる。
さらに、テーブル駆動後に駆動部と試料ステージを切り離すことで熱ドリフトや振動によるノイズを抑えることが可能な安定した試料ステージの高速な位置決め制御方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る試料ステージ装置の概略構成を示した図である。 本実施の形態に係る試料ステージ装置による試料テーブルの位置決め制御方式のフローチャートである。 本実施の形態に係る試料ステージ装置における、X軸方向移動テーブル及びY軸方向移動テーブルの駆動時間,移動速度の調整方式の説明図である。 本実施の形態に係る試料ステージ装置における、X軸方向移動テーブル又はY軸方向移動テーブルの移動に係り、論理パターンに基づく場合と実際の場合との対照図である。
以下、本発明に係る試料ステージ装置の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る試料ステージ装置の概略構成を示した図である。
図1では、試料ステージ装置10を、走査型電子顕微鏡の試料室2に適用した実施の形態になっている。ここで、走査型電子顕微鏡の試料室2は、図示せぬ真空ポンプによって真空排気可能な真空チャンバであり、試料ステージ装置10の可動部としての試料テーブル11が設けられている。
走査型電子顕微鏡は、この試料室2を画成する試料室筐体3に、図示省略した鏡筒が一体的に接続されている。この鏡筒には、試料4上に一次電子線を照射するための電子光学系が収納されている。電子光学系は、一次電子線を生成する電子銃,試料上の一次電子線の照射位置を所望の観察視野範囲に従って走査する偏向器,試料上の観察視野範囲における観察対象部位に一次電子線を集束させる対物レンズ,等を含む。また、走査型電子顕微鏡の試料室2或いは鏡筒には、この一次電子線の照射によって試料4から放出される二次電子を検出する二次電子検出器が備えられている。走査型電子顕微鏡では、この二次電子検出器から輝度信号として出力される検出信号が、信号増幅及びA/D変換された後、画像処理部に入力される。画像処理部は、二次電子検出器とともに走査型電子顕微鏡の検出系を構成し、観察視野範囲の観察走査像を生成する。画像処理部によって生成された観察走査像は、走査電子顕微鏡による試料観察を制御するためのコンピュータ装置からなる情報機器70に供給され、その表示器71の画面上に表示される。
試料ステージ装置10の試料テーブル11は、試料室2の内部で二次元移動可能に設けられており、図示の例では、ベース12,センターテーブル13,トップテーブル14を備えたX−Yテーブルとして構成されている。
センターテーブル13は、X−YテーブルのX軸方向移動テーブル15として、試料室2の二次元平面(X−Y平面)においてX軸方向に移動可能に、ベース12上に設けられている。X軸方向移動テーブル15は、X軸方向に沿って延びるX軸ボールネジ17の回転に応じてその軸上を移動変位するX軸ロッド19により、X軸方向に押し引きされる。X軸ロッド19には、係合部21が形成され、この係合部21は、X軸方向移動テーブル15上にY軸方向に延びて形成された溝状の案内部23に係合している。その際、X軸方向移動テーブル15の案内部23のX軸方向の溝幅は、X軸ロッド19の係合部21のX軸方向の幅よりも所定量(例えば50μm)だけ大きくなっており、X軸ロッド19の係合部21と案内部23の溝側壁との間に、ギャップ部25を生じさせている。
このギャップ部25により、係合部21は、案内部23のX軸方向の両側いずれの溝側壁に対しても離間した非当接状態になることができる。また、X軸方向移動テーブル15は、X軸ロッド19の係合部21によって拘束されることなく、案内部23の長さ方向に沿ってY軸方向に移動できるとともに、X軸ロッド19の係合部21は、X軸方向への移動によりX軸方向移動テーブル15の案内部23のいずれかの溝側壁と当接するようになると、X軸方向移動テーブル15のX軸方向への移動を拘束するようになり、さらなる移動によってX軸方向移動テーブル15をX軸方向に沿って押し引きする。
X軸ボールネジ17は、ステッピングモータよりなるX軸パルスモータ27と連結され、その正・逆回転に応じてX軸ロッド19をX軸方向に沿って進退変位させ、ひいてはX軸方向移動テーブル15をX軸方向に沿って進退移動させる。
トップテーブル14は、X−YテーブルのY軸方向移動テーブル16として、試料室2の二次元平面(X−Y平面)においてY軸方向に移動可能に、センターテーブル13としての上述したX軸方向移動テーブル15上に設けられている。なお、図1においては、X軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16は、そのシステム理解を優先させるため、便宜的に両者間の接続構成を省略し、図面上では同方向に並べた略図で表してある。Y軸方向移動テーブル16は、Y軸方向に沿って延びるY軸ボールネジ18の回転に応じてその軸上を移動変位するY軸ロッド20により、Y軸方向に押し引きされる。Y軸ロッド20には、係合部22が形成され、この係合部22は、Y軸方向移動テーブル16上にX軸方向に延びて形成された溝状の案内部24に係合している。その際、Y軸方向移動テーブル16の案内部24のY軸方向の溝幅は、Y軸ロッド20の係合部22のY軸方向の幅よりも所定量(例えば50μm)だけ大きくなっており、Y軸ロッド20の係合部22と案内部24の溝側壁との間には、ギャップ部26を生じさせる。
このギャップ部26により、係合部22は、案内部24のY軸方向の両側いずれの溝側壁に対しても離間した非当接状態になることができる。また、Y軸方向移動テーブル16は、Y軸ロッド20の係合部22によって拘束されることなく、案内部24の長さ方向に沿ってX軸方向に移動できるとともに、Y軸ロッド20の係合部22は、Y軸方向への移動によりY軸方向移動テーブル16の案内部24のいずれかの溝側壁と当接するようになると、Y軸方向移動テーブル16のY軸方向への移動を拘束するようになり、さらなる移動によってY軸方向移動テーブル16をY軸方向に沿って押し引きする。
Y軸ボールネジ18は、ステッピングモータよりなるY軸パルスモータ28と連結され、その正・逆回転に応じてY軸ロッド20をY軸方向に沿って進退変位させ、ひいてはY軸方向移動テーブル16をY軸方向に沿って進退移動させる。
さらに、トップテーブル14としてのY軸方向移動テーブル16のテーブル上には、試料としてのウェーハ4が位置決め載置され、試料テーブル11上にウェーハ4を位置決め保持する試料ホルダ29が固設されている。
また、X軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16それぞれのX軸方向,Y軸方向の移動位置x,yは、X軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16それぞれに取り付けられたバーミラー31,32により、それぞれ対応するレーザー干渉計33,34を用いて測定する。X軸方向レーザー干渉計33,Y軸方向レーザー干渉計34は、それぞれ発光したレーザー光に対しての対応するバーミラー31,32からの反射光を受光し、この受光した反射光に基づいてX軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16それぞれのX軸方向,Y軸方向の移動位置x,yをリアルタイムで測長する。
なお、図1においては、センターテーブル13をX軸方向移動テーブル15で、トップテーブル14をY軸方向移動テーブル16で構成したが、センターテーブル13をY軸方向移動テーブル16で、トップテーブル14をX軸方向移動テーブル15で構成してもよい。
このように構成された本実施の形態の試料ステージ装置10において、X軸方向移動テーブル15及びY軸方向移動テーブル16は、走査電子顕微鏡による試料観察を制御する情報機器70に接続されている制御装置40によって作動制御される。
情報機器70は、走査電子顕微鏡による試料観察に際して観察条件を設定したり、この設定された観察条件に基づいて電子光学系を作動制御し、検出系により取得した観察画像を表示器71の画面上に出力したり等、走査電子顕微鏡による試料観察を制御する。さらに、本実施の形態では、情報機器70は、試料ステージ装置10を駆動するための制御パラメータを表示器71の画面上に表示されるOSD(On Screen Display)画面上で設定したり、この制御パラメータを基に制御装置40により制御作動される試料ステージ装置10の動作ログを表示出力したり等、試料ステージ装置10の制御装置40に対する入・出力装置を兼ねている。
情報機器70では、X軸方向移動テーブル15及びY軸方向移動テーブル16からなる試料テーブル11の移動に係り、例えば、初速度,最高速度,最高加速度,目標位置,ジャーク時間,切り離し距離,停止閾値,等を制御パラメータとして設定できる。なお、この場合の‘初速度’は試料テーブル11の静止状態からの動き出しの速度ではなく、作業者が設定する試料テーブル11の目標位置への移動速度を示す。‘最高速度’,‘最高加速度’は試料テーブル11を移動させる際の‘速度の上限値’,‘加速度の上限値’をそれぞれ示す。また、‘目標位置’は試料テーブル11の移動先の位置座標を、‘ジャーク時間’は動き出しや停止する際の試料テーブル11の加速度変化や慣性に基づいた加速度変化時間を、‘切り離し距離’は試料テーブル11の目標位置への移動終了後にロッド19,20の係合部21,22を試料テーブル11の案内部23,24の溝側壁から離間させておく距離を、‘停止閾値’は目標位置に対する移動完了位置の許容誤差を、それぞれ示す。
制御装置40は、論理パターン生成部41と、フィードバック制御部42と、動作ログ収集部43とを備えている。さらに、そのフィードバック制御部42は、X軸方向移動テーブル15のX軸方向に沿った移動を制御するX方向フィードバック制御部44と、Y軸方向移動テーブル16のY軸方向に沿った移動を制御するY方向フィードバック制御部45とを含む。
論理パターン生成部41は、情報機器70で設定された制御パラメータを基にして、試料テーブル11を駆動開始位置x(0),y(0)から制御パラメータとして設定された目標位置xtg,ytgへ移動させるための論理的な移動位置情報を生成する。この論理的な移動位置情報は、駆動開始位置x(0),y(0)でのギャップ部25,26の初期状態等といった駆動条件の影響を受けずに、駆動開始位置x(0),y(0)から目標位置xtg,ytgまでの間の途中の目標移動位置x(i),y(i)を、フィードバック制御部42の制御周期tcに基づいて細分化して目標位置指令値xtg(i),ytg(i)として生成したものである。
フィードバック制御部42は、論理パターン生成部41が生成した、この駆動開始位置x(0),y(0)から目標位置xtg,ytgまでの間の目標位置指令値xtg(i),ytg(i)の集合からなる論理的な移動位置情報を基にして、試料テーブル11の駆動を所定の制御周期tc毎に制御する。なお、この制御周期tcは、制御対象である試料テーブル11のアクチュエータがパルスモータ(ステッピングモータ)27,28であることにも関係して、その分解能とフィードバック制御部42自体の処理能力に係る尤度(1制御周期において当該処理に要する時間の割合)を基に予め設定されており、具体的には1KHz(1ms周期)〜10KHz(100μs周期)の間の値になっている。
フィードバック制御部42は、その機能上から、X軸方向移動テーブル15の移動を制御するX方向フィードバック制御部44と、Y軸方向移動テーブル16の移動を制御するY方向フィードバック制御部45とに分けられる。さらに、各フィードバック制御部44,45は、レーザー測長値受信部46と、速度指令値生成部47と、パルス生成部48とを含む。ここでは、X方向フィードバック制御部44を例に、各部46〜48の構成について説明する。
レーザー測長値受信部46は、X軸方向レーザー干渉計33から出力されるレーザー測長信号を受信し、X軸方向移動テーブル15の現在のX軸方向移動位置x(i)を示すレーザー測長値を算出して、速度指令値生成部47及び動作ログ収集部43に供給する。
速度指令値生成部47は、前述した制御周期tc毎に、レーザー測長値受信部46から供給されるX軸方向移動テーブル15の現在のX軸方向移動位置x(i)と、論理パターン生成部41によって生成された論理的な移動位置情報の対応する目標位置指令値xtg(i)とから、両者間の偏差dx(i)を算出する。速度指令値生成部47は、この算出した偏差dx(i)等に基づいて、制御周期tcの現時点における繰り返しiに対応した速度指令値vx(i)を生成し、パルス生成部48並びに動作ログ収集部43に供給する。
パルス生成部48は、速度指令値生成部47から供給される速度指令値vx(i)に対応した速度でX軸方向移動テーブル15を移動させるためのモータ駆動パルスPx(i)を生成し、X軸パルスモータ27並びに動作ログ収集部43に供給する。
これにより、X軸パルスモータ27は、速度指令値生成部47の制御周期tc毎に、パルス生成部48から供給されるモータ駆動パルスPx(i)に対応した回転量だけ駆動され、X軸ボールネジ17に取り付けられているX軸ロッド19の係合部21は、速度指令値vx(i)に対応した速度でX軸方向に沿って進退する。
また、この制御周期tc毎の、レーザー測長値(X軸方向移動テーブル15のX軸方向移動位置)x(i),目標位置指令値xtg(i),速度指令値vx(i),モータ駆動パルスPx(i)は、動作ログ収集部43によって収集される。これにより、動作ログ収集部43には、試料テーブル11の移動開始から移動終了(移動停止)までのX軸方向移動テーブル15に係るログ情報が収集・蓄積されることなる。
そして、Y方向フィードバック制御部45も、上述したX方向フィードバック制御部44と同様な各部46〜48を備えている。これにより、Y方向フィードバック制御部45は、X方向フィードバック制御部44による目標位置xtgへのX軸方向移動テーブル15の駆動と並行して、同じ制御周期tcで目標位置ytgへのY軸方向移動テーブル16の駆動を行う。
したがって、動作ログ収集部43には、今回の制御パラメータとして設定された目標位置xtg,ytgへの試料テーブル11の移動に係り、そのログ情報として、速度指令値生成部47における制御周期tcの繰り返しi毎の、レーザー測長値x(i) ,y(i)、目標位置指令値xtg(i) , tg(i)、速度指令値vx(i) ,vy(i)、モータ駆動パルスPx(i) ,Py(i)が、試料テーブル11の移動に伴って蓄積されることになる。この動作ログ収集部43に蓄積された目標位置xtg,ytgへの試料テーブル11の移動に係るログ情報は、情報機器70の表示器71のOSD画面上での所定操作によって、情報機器70に読み出されて表示出力される。
次に、本実施の形態に係る試料ステージ装置10の動作について、図2〜図4に基づいて説明する。
図2は、本実施の形態に係る試料ステージ装置による試料テーブルの位置決め制御方式のフローチャートである。
作業者は、まず、走査電子顕微鏡により試料観察を行うに当たって、ステップS201で、初速度,最高速度,最高加速度,目標位置,ジャーク時間,切り離し距離,停止閾値,等といった試料ステージ装置10を駆動する際の制御パラメータを、情報機器70の表示器71に表示された所定のOSD画面から入力する。なお、これら制御パラメータの中、例えば目標位置については、走査電子顕微鏡の観察条件の設定時に、試料(ウェーハ)4上の1又は複数の観察視野範囲の設定と連動させて、他のパラメータとは別に設定する構成としてもよいし、最高速度,最高加速度は、ボールネジ17,18やパルスモータ27,28の限界値に対応して予めデフォルトされていてもよい。
試料ステージ装置10は、試料観察の試料移動に伴い、情報機器70から制御パラメータが供給されると、ステップS202,S203で、制御装置40の論理パターン生成部41は、その初速度,目標位置,ジャーク時間に基づき、同じく設定された最高速度,最高加速度による条件の範囲内で、試料テーブル11を目標位置xtg,ytgまで移動させるためのX軸方向の駆動時間とY軸方向の駆動時間とを算出する。この場合、試料テーブル11のX軸方向の駆動時間はX軸方向移動テーブル15の駆動時間txtgに、Y軸方向の駆動時間はY軸方向移動テーブル16の駆動時間tytgにそれぞれ該当する。その算出に当たっては、例えば、ウェーハ4の試料室2への搬入後の最初の試料テーブル11の移動に係る場合は、試料テーブル11の初期位置の位置座標を、最初の試料テーブル11の移動ではない場合には、動作ログ収集部43に蓄積されている前回移動終了時のレーザー測長値を、移動開始位置x(0),y(0)として使用することができる。又、最初の試料テーブル11の移動であるか否かに関係なく、レーザー干渉計33,34からのレーザー測長信号に基づきレーザー測長値受信部46が算出した、現在のレーザー測長値x,yを移動開始位置x(0),y(0)として使用してもよい。
論理パターン生成部41は、X軸方向移動テーブル15の駆動時間txtg及びY軸方向移動テーブル16の駆動時間tytgを算出すると、ステップS204で両者を比較し、X軸方向又はY軸方向いずれの駆動時間(動作時間)が長いかを判定する。論理パターン生成部41は、X軸方向又はY軸方向いずれか一方の駆動時間が他方の駆動時間よりも長い場合は、駆動時間が短い他方側の移動速度を、図3に示すようにして調整する。
図3は、X軸方向移動テーブル及びY軸方向移動テーブルの駆動時間,移動速度の調整方式の説明図である。
論理パターン生成部41は、図3に示すように、Y軸方向の駆動時間tytgがX軸方向の駆動時間txtgよりも長い場合は、ステップS205で、X軸方向の目標位置(目標位置座標)xtgまでの駆動時間txtgの移動におけるX軸方向の最高速度(図3におけるグラフ301の直線部分の傾き)を、Y軸方向の駆動時間tytgと等しくなるように再計算し、X軸方向の移動に係る最高速度を下げる。
逆に、X軸方向の駆動時間txtgがY軸方向の駆動時間tytgよりも長い場合は、ステップS206で、Y軸方向の目標位置ytgまでの駆動時間tytgの移動におけるY軸方向の最高速度を、X軸方向の駆動時間txtgと等しくなるように再計算し、Y軸方向の最高速度を下げる。
この移動速度の調整は、ステップS201で制御パラメータとして設定入力した初速度でそのまま試料テーブル11を目標位置xtg,ytgに対して移動させてしまうと、それぞれの移動距離の相違によって、図3のグラフ301と302との関係に示したように、X方向の移動とY方向の移動との間で、目標位置xtg,ytgまでの移動が完了する時間txtg,tytgに大きな相違が生じる。図3では、Y軸方向移動テーブル16の駆動が完了した後も、X軸方向移動テーブル15が未だ駆動中の状態になっている。このような状態では、先に駆動が完了したY軸方向移動テーブル16(グラフ301が対応)は、その停止後、X軸方向移動テーブル15の残りの動作(グラフ302のt(x) −t(y)部分の駆動)に影響され、移動完了したときのY軸方向の停止位置すなわち目標位置ytgがずれてしまうことが起きる。
このような停止後における位置ずれの問題を解決するため、図3のグラフ302,303に示したように、試料テーブル11を目標位置xtg,ytgへ移動させるためのX方向,Y方向それぞれの動作時間t(x),t(y)を、それぞれの移動距離の違いにかかわらず等しく(t(x)=t(y)=tm)しておくことで、各方向の移動時間の差異(t(x) −t(y) )による停止精度のばらつきを低減するようになっている。なお、ステップS204で、X軸方向の駆動時間txtgとY軸方向の駆動時間tytgとの間の差違が予め定められた許容範囲内である場合には、論理パターン生成部41は、移動時間すなわち移動最高速度の調整を行わない。
次に、論理パターン生成部41は、ステップS207で、図3のグラフ302,303に示すように目標位置xtg,ytgに到達するまでの動作時間tmよりも小さな一定の制御周期tc毎に、X軸方向移動テーブル15及びY軸方向移動テーブル16それぞれが位置すべき目標位置指令値xtg(i),ytg(i)を算出する。これにより、論理パターン生成部41では、制御パラメータとともに、ギャップの初期状態や振動,ノイズといった駆動条件の影響を受けない論理パターンに基づいた、速度指令値生成部47による制御周期の繰返しi(i=0,1,2,・・・,m)毎の目標位置指令値xtg(i),ytg(i)を得る。
そして、この制御パラメータや目標位置指令値xtg(i),ytg(i)を基にして、制御装置40のフィードバック制御部42のX方向フィードバック制御部44及びY方向フィードバック制御部45は、ステップS208で、ステップS209〜S218までの間の処理を、X軸方向移動テーブル15及びY軸方向移動テーブル16が目標位置xtg,ytgに到達するまでの間、制御周期tc毎に繰り返して行い、目標位置指令値xtg(i),ytg(i)に応じた速度指令値vx(i) ,vy(i)の調整を実行する。
まず、ステップS209では、X方向フィードバック制御部44及びY方向フィードバック制御部45の各速度指令値生成部47は、レーザー測長値受信部46から、レーザー測長値、すなわちX軸方向移動テーブル15の現在のX軸方向移動位置x(i)及びY軸方向移動テーブル16の現在のY軸方向移動位置y(i)を取得する。
ステップS210では、各速度指令値生成部47は、この取得した現在のX軸方向移動位置x(i)及びY軸方向移動位置y(i)が目標位置xtg,ytgに到達しているか否かを、前述した制御パラメータの停止閾値を用いて両者を比較することによって判定する。この結果、目標位置xtg,ytgと現在のX軸方向移動位置x(i),Y軸方向移動位置y(i)との差が制御パラメータの停止閾値範囲内であるならば、ステップS209〜S218までの間の繰り返し処理を終了し、後述するステップS220の駆動機構の切り離し処理を行う。
これに対し、目標位置xtg,ytgと現在のX軸方向移動位置x(i),Y軸方向移動位置y(i)との差が停止閾値範囲内にないならば、各速度指令値生成部47は、論理パターン生成部41が生成した、当該制御周期tcの繰り返しi(i=0,1,2,・・・,mのいずれか)に対応する目標位置指令値xtg(i),ytg(i)を取得する。
ステップS211では、各速度指令値生成部47は、ステップS207で論理パターン生成部41が求めた、ギャップの初期状態や振動,ノイズといった駆動条件の影響を受けない目標位置指令値xtg(0)〜xtg(m),ytg(0) 〜ytg(m)からなる論理パターンから、当該制御周期tcの繰り返しi(i=0,1,2,・・・,mのいずれか)に対応した目標位置指令値xtg(i),ytg(i)を取得する。
ステップS212では、各速度指令値生成部47は、ステップS211で取得した目標位置指令値xtg(i),ytg(i)と、ステップS209で取得した現在のX軸方向移動位置x(i)並びにY軸方向移動位置y(i)とから、当該制御周期tcの繰り返しiにおける両者の偏差dx(i) ,dy(i)を算出する。
そして、ステップS213では、各速度指令値生成部47は、この算出した偏差dx(i) ,dy(i)を基に、この偏差dx(i) ,dy(i)を0に近づけるような当該制御周期tcにおける速度指令値vx(i) ,vy(i)を算出する。ここで、この速度指令値vx(i) ,vy(i) の算出の仕方について、図4に基づき説明する。
図4は、X軸方向移動テーブル又はY軸方向移動テーブルの移動に係り、論理パターンに基づく場合と実際の場合との対照図である。
図中、グラフ401は、ギャップ部25,26の初期状態や振動,ノイズといった駆動条件の影響を受けない論理パターンに基づいた、X軸方向移動テーブル15又はY軸方向移動テーブル16の目標位置xtg,ytgへの移動に係るグラフである。
また、グラフ402は、ギャップ部25,26の初期状態や振動,ノイズといった駆動条件の影響を受けた場合の、X軸方向移動テーブル15又はY軸方向移動テーブル16の目標位置xtg,ytgへの移動に係るグラフである。
この当該制御周期tcにおける速度指令値vx(i) ,vy(i)の算出に当たっては、駆動条件の影響を受けない論理パターンにおける目標位置指令値xtg(i),ytg(i)に基づいたX軸方向移動テーブル15又はY軸方向移動テーブル16の変位を示すグラフ401に沿って、X軸方向移動テーブル15又はY軸方向移動テーブル16が駆動することが理想的である。
しかしながら、実際には、X軸方向移動テーブル15及びY軸方向移動テーブル16の案内部23,24と、駆動機構としてのロッド19,20の係合部21,22との間にあるギャップ部25,26等の影響で、X軸方向移動テーブル15及びY軸方向移動テーブル16は、駆動条件の影響を受けない論理パターンの、目標位置指令値xtg(i),ytg(i)に基づいたX軸方向移動テーブル15又はY軸方向移動テーブル16の位置x,yの変位を示すグラフ401に沿って駆動することができない。
実際には、レーザー測長値x(i),y(i)の位置変位をグラフ化したグラフ402に示すように、ジャークに加えてギャップ部25,26の影響により、位置x,yの変化が現れるまでに数制御周期分の時間が必要になる。
そのため、その後の制御周期tcの繰り返しi毎に、駆動条件の影響を受けない論理パターンにおける目標位置指令値xtg(i),ytg(i)に対応した、例えば図4におけるグラフ401の直線部分の傾きが表わす速度の速度指令値vx(i) ,vy(i)のままでX軸方向移動テーブル15及びY軸方向移動テーブル16の駆動を制御した場合、この数制御周期分の遅れ時間がそのままスループットの低下につながってしまう。
そこで、各速度指令値生成部47は、ステップS213で、例えば、図4中にt(i)で示したi回目の制御周期tcの開始に際して、図中、403で示す偏差dx(i) ,dy(i)が生じていた場合、次のt(i+1)で示したi+1回目の制御周期tcの開始に際して、この偏差dx(i) ,dy(i)が0になるような、当該i回目の制御周期tcにおける速度指令値vx(i) ,vy(i)を、まず算出する。なお、この制御周期tcにおける速度指令値vx(i) ,vy(i)に算出に当たって、例えば、図4中にt(i+2)で示したi+2回目の制御周期tcの場合のように、当該制御周期tcの開始に際して、ステップS212で算出した偏差dx(i) ,dy(i)が0であるときには、本実施例では、各速度指令値生成部47は、前回であるi+1回目の制御周期tcで算出及び決定した速度指令値vx(i) ,vy(i)を引き続き算出する構成になっている。
そして、各速度指令値生成部47は、このようにしてステップS213で速度指令値vx(i) ,vy(i)を算出したならば、この算出した速度指令値vx(i) ,vy(i)をパルス生成部48に供給する前に、ステップS214で示す確認処理を行う。
ステップS214では、各速度指令値生成部47は、このステップS213で算出した速度指令値vx(i) ,vy(i)、又、この速度指令値vx(i) ,vy(i)を実現することにより生じる加速度ax(i) ,ay(i)が、ステップS201で設定された制御パラメータの最高速度,最高加速度を超えてしまっているか否かについて確認する。これは、駆動機構としてのボールネジ17,18やパルスモータ27,28には速度や加速度の限界値があり、この限界値を超えてしまうと、ボールネジ17,18の回転がロッド19,20の進退へ精度良く伝達変換されなくなったり、パルスモータ(ステッピングモータ)27,28が脱調してしまう等の虞を防止するためである。
各速度指令値生成部47は、このステップS214で示す速度指令値vx(i) ,vy(i)の確認処理の結果によって、ステップS213で算出した速度指令値vx(i) ,vy(i)が駆動機構の限界値、すなわち、制御パラメータの最高速度,最高加速度を超えてしまっている場合には、ステップS215で、限界値を超えないように、速度指令値vx(i) ,vy(i)の再計算を行う。
例えば、図4に示したグラフ401,グラフ402の場合、次のi+1回目の制御周期tcでも、図中、403で示す偏差dx(i) ,dy(i)が未だ404で示す偏差dx(i+1) ,dy(i+1)として残っていることから、ステップS214で示した確認処理の結果、ステップS215で示した速度指令値vx(i) ,vy(i)の再計算が行われたことが理解できる。
このように、各速度指令値生成部47が、図中、403で示す偏差dx(i) ,dy(i) を0に近づけるように速度制御を行うことで、次のi+1回目以降の制御周期tcでは、図中、404で示した偏差dx(i+1) ,dy(i+1) のように少なくなるとともに、目標位置xtg,ytgに到達する動作時間tmのm回目間際の制御周期tcでは、その偏差dx(m) ,dy(m)及び速度指令値vx(i) ,vy(i)は約0になる。
各速度指令値生成部47は、ステップS213〜S215で算出及び確認した速度指令値vx(i) ,vy(i) を各パルス生成部48に供給する。ステップS216では、各パルス生成部48は、この供給された速度指令値vx(i) ,vy(i)に基づきパルスモータ27,28を駆動するためのモータ駆動パルスPx(i) ,Py(i)に変換して、パルスモータ27,28に出力する。そして、ステップS217では、この変換されたモータ駆動パルスPx(i) ,Py(i)に従ってパルスモータ27,28は駆動し、ボールネジ17,18に取り付けられたロッド19,20を進退させて、X軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16を押し引きして移動させる。
ステップS218では、今回の制御周期tcで取得又は算出された、ステップS208のレーザー測長値x(i) ,y(i)、ステップS211の目標位置指令値xtg(i) , tg(i)、ステップS213〜S215の速度指令値vx(i) ,vy(i)、ステップS216のモータ駆動パルスPx(i) ,Py(i)は、動作ログ収集部43によってログ情報として収集され、情報機器70によりモニタ可能、又は別途検索可能に保管される。
これにより、ステップS218で保管されたログ情報は、情報機器70により取得され、その表示器71の画面上に表示される。その表示態様として、例えば、レーザー測長値と目標位置指令値とを対照表示させた場合は、図4において、グラフ401とグラフ402とで示したようなX軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16からなる試料テーブル11の挙動を可視化することができる。また、このようにログ情報を可視化することで、試料テーブル11が異常動作した際の、挙動解析にも使用することができる。
ステップS218で示したログ情報の収集処理を行った後は、制御装置40のフィードバック制御部42のX方向フィードバック制御部44及びY方向フィードバック制御部45は、ステップS219からステップS208に戻り、ステップS209〜S218までの間の処理を、ステップS210で目標位置xtg,ytgへの到達が確認できるまで繰り返し実行する。
このように、制御周期tc毎に、駆動条件の影響を受けない論理パターンにおける目標位置指令値xtg(i),ytg(i)を基にした、ステップS209〜S218で示した処理を繰り返し行うことで、X軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16の移動を論理パターンに追従させて制御することが可能になる。
また、ステップS210で、現在のX軸方向移動位置x(i)及びY軸方向移動位置y(i)が目標位置xtg,ytgに到達したのを、各速度指令値生成部47が確認したならば、ステップS220で、各速度指令値生成部47は、パルスモータ27,28やボールネジ17,18から発せられる熱による熱ドリフトを回避するために、X軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16と対応する駆動機構との切り離し動作を実行する。
この駆動機構の切り離し動作では、各速度指令値生成部47は、X軸方向移動テーブル15,Y軸方向移動テーブル16の案内部23,24の溝幅と、X軸ロッド19,Y軸ロッド20の係合部21,22の幅との差(例えば50μm)よりも小さい所定量だけ、今までの押し引き方向とは逆向きにロッド19,20を進退させる速度指令値を生成し、これをパルス生成部48に出力して、駆動機構の切り離し動作を行う。
以上説明したように、本実施の形態の試料ステージ装置によれば、試料テーブル11の駆動条件に、テーブル駆動前のギャップ等による駆動条件の影響を受けることなく、高速での位置決め制御を実現できる。
また、仮の目標位置への移動が不要になり、本来の目標位置へ直接移動することが可能になり、仮の目標位置へ移動する高速駆動や本来の目標位置へ移動する低速駆動などの制御の切替えも不要になるため、高速な位置決め制御を実現できる。
2 試料室、 3 試料室筐体、 4 試料(ウェーハ)、
10 試料ステージ装置、 11 試料テーブル、 12 ベース、
13 センターテーブル(X軸方向移動テーブル)、 14 トップテーブル、
15 X軸方向移動テーブル、 16 Y軸方向移動テーブル、
17,18 ボールネジ、 19,20 ロッド、 21,22 係合部、
23,24 案内部、 25,26 ギャップ部、 27,28 パルスモータ、
29 試料ホルダ、 31,32 バーミラー、 33,34 レーザー干渉計、
40 制御装置、 41 論理パターン生成部、 42 フィードバック制御部、
43 動作ログ収集部、 44 X方向フィードバック制御部、
45 Y方向フィードバック制御部、 46 レーザー測長値受信部、
47 速度指令値生成部、 48 パルス生成部、 70 情報機器、
71 表示器

Claims (5)

  1. 試料が搭載されるテーブルと、
    該テーブルを移動させる二次元平面上の各座標軸方向に対応させて複数設けられた駆動機構と、
    前記テーブルの各座標軸方向の位置をリアルタイムで計測する計測機構と
    を有し、
    前記テーブルとギャップを有して係合する前記各駆動機構の作用部を該当する座標軸方向に沿って進退させて、前記テーブルを該当する座標軸方向に移動させる
    構成の試料ステージ装置であって、
    前記テーブルの二次元移動に際し、各座標軸方向それぞれの前記テーブルの移動開始位置から移動先位置までの駆動時間を等しくするようにした上で、各座標軸方向それぞれの前記テーブルの移動開始位置から移動先位置までの間を予め定された制御パラメータに従って細分化し、各座標軸方向それぞれの所定周期毎の位置指令値を生成する論理パターン生成手段と、
    該所定周期毎に、当該周期の始まりに対応した位置指令値と当該周期の始まりに当たって前記計測機構によって計測された前記テーブルの現在の移動位置との偏差に基づいて、当該周期で前記各駆動機構を駆動する速度指令値を生成する速度指令値生成手段と、
    当該生成された速度指令値で前記各作用部を対応する座標軸方向に進退させる駆動信号を前記各駆動機構に供給する駆動機構駆動手段と
    を備えていることを特徴とする試料ステージ装置。
  2. 請求項1に記載の試料ステージ装置であって、
    前記論理パターン生成手段は、所定周期毎の位置指令値を生成する当たり、各座標軸方向それぞれの前記テーブルの移動開始位置から移動先位置までの駆動時間を等しくするようにしたことで、各座標軸方向それぞれの移動先位置での前記テーブルの駆動完了が等しくなるようにする
    ことを特徴とする試料ステージ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の試料ステージ装置であって、
    所定周期毎に、前記論理パターン生成手段により生成された当該周期の位置指令値、前記計測機構により計測された当該周期の計測位置、前記速度指令値生成手段により生成された当該周期の速度指令値、前記駆動機構駆動手段から前記各駆動機構に供給された当該周期の駆動信号を収集し、動作ログ情報として格納する動作ログ手段を備える
    ことを特徴とする試料ステージ装置。
  4. 請求項3に記載の試料ステージ装置であって、
    前記動作ログ手段に格納されている動作ログ情報を表示する表示器を有した情報機器
    を備えることを特徴とする試料ステージ装置。
  5. 請求項4に記載の試料ステージ装置であって、
    前記情報機器は、制御パラメータをマニュアルで入力する手段
    を備えることを特徴とする試料ステージ装置。
JP2010145353A 2010-06-25 2010-06-25 試料ステージ装置 Active JP5248553B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010145353A JP5248553B2 (ja) 2010-06-25 2010-06-25 試料ステージ装置
US13/806,989 US8835872B2 (en) 2010-06-25 2011-06-23 Sample stage device
PCT/JP2011/064359 WO2011162325A1 (ja) 2010-06-25 2011-06-23 試料ステージ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010145353A JP5248553B2 (ja) 2010-06-25 2010-06-25 試料ステージ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012009340A JP2012009340A (ja) 2012-01-12
JP5248553B2 true JP5248553B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=45371497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010145353A Active JP5248553B2 (ja) 2010-06-25 2010-06-25 試料ステージ装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8835872B2 (ja)
JP (1) JP5248553B2 (ja)
WO (1) WO2011162325A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013042114A (ja) * 2011-07-19 2013-02-28 Canon Inc 描画装置、及び、物品の製造方法
CN102508318B (zh) * 2011-09-30 2013-08-21 浙江大学 用于地震计静态标定的精密倾斜平台装置
CN104904002B (zh) * 2013-01-15 2017-08-18 株式会社爱发科 对准装置和对准方法
JP6076098B2 (ja) * 2013-01-15 2017-02-08 株式会社アルバック アラインメント装置、及びアラインメント方法
JP6772746B2 (ja) * 2016-10-12 2020-10-21 株式会社タダノ 作業機の速度調整装置
AT524841B1 (de) 2021-06-07 2022-10-15 Univ Wien Tech Verfahren und Vorrichtung zur Störgrößenkompensation bei der Positionierung eines Probenträgers

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07272660A (ja) * 1994-03-28 1995-10-20 Jeol Ltd 試料ステージ駆動装置
JP2004134155A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Hitachi High-Technologies Corp 電子顕微鏡装置
US8693006B2 (en) * 2005-06-28 2014-04-08 Nikon Corporation Reflector, optical element, interferometer system, stage device, exposure apparatus, and device fabricating method
JP4866045B2 (ja) 2005-09-14 2012-02-01 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子顕微鏡装置および同装置における試料ステージの位置決め制御方法
JP2007142093A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Hitachi High-Technologies Corp ステージ装置、電子線照射装置及び露光装置
JP5183230B2 (ja) * 2008-02-01 2013-04-17 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置
JP5203781B2 (ja) * 2008-04-08 2013-06-05 株式会社日立ハイテクノロジーズ 試料ステージ装置及びその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012009340A (ja) 2012-01-12
US20130098274A1 (en) 2013-04-25
WO2011162325A1 (ja) 2011-12-29
US8835872B2 (en) 2014-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5248553B2 (ja) 試料ステージ装置
US7435974B2 (en) Electron microscope and specimen stage positioning control method for the electron microscope
JP2005156554A (ja) 画像測定検査システムの推定最良焦点位置決定制御方法、画像測定検査システムの訓練モード動作の制御方法
JP4863773B2 (ja) 電子顕微鏡装置およびブレーキ機構
KR101213587B1 (ko) 시료검사장치
KR101187957B1 (ko) 하전 입자선 장치
US9905393B2 (en) Stage apparatus with braking system for lens, beam, or vibration compensation
JP6596295B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP5203781B2 (ja) 試料ステージ装置及びその制御方法
CN104412193B (zh) 载物台装置以及试样观察装置
JP2006118867A (ja) 走査型プローブ顕微鏡及びそれを用いた計測方法
WO2018003493A1 (ja) 荷電粒子線装置
US20080236259A1 (en) Method of Control of Probe Scan and Apparatus for Controlling Probe Scan of Scanning Probe Microscope
TWI832284B (zh) 探針裝置
JP2009074849A (ja) 線幅測定装置の検査方法
JP5588759B2 (ja) 試料ステージ及び試料ステージを備えた測定,検査,観察装置
JP2004134155A (ja) 電子顕微鏡装置
JP2007317626A (ja) 試料載置用のステージ、xyステージおよび荷電粒子線装置
JP2008256637A (ja) 3次元形状測定装置
JP5544236B2 (ja) 試料ステージ装置、及び荷電粒子線装置
JP6121727B2 (ja) 走査電子顕微鏡
JP2008256469A (ja) 走査型プローブ顕微鏡およびその測定方法
JP6543537B2 (ja) ステージ装置およびそれを用いた荷電粒子線装置
JP2005135761A (ja) Fibを用いた加工焦点位置修正方法とそれを実施する装置
JP5506202B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5248553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350