JP2005135761A - Fibを用いた加工焦点位置修正方法とそれを実施する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明が解決しようとする課題は、微細な加工が求められる構造体形成において、高さ寸法が大きくなっても焦点ボケを起こすことなく造形ができるFIBを用いた微細な加工方法を提示すると共に、それを実行する装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の加工焦点位置修正方法は、モニタリングSEM8を備えたFIB加工装置を用い、ステージ7上の試料面に対し垂直方向からFIBを照射するようにイオン鏡筒を配置すると共に、FIBに対してほぼ垂直方向から電子ビームを照射するようにSEM鏡筒8を配置して試料の造形変化を観察し、加工部分の位置がイオンビームの焦点位置から所定量離れたときには、その分試料ステージ7をZ方向に変位させるかイオン光学系3に制御信号を送ってイオンビーム2の焦点位置を修正するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の加工焦点位置修正方法は、モニタリングSEM8を備えたFIB加工装置を用い、ステージ7上の試料面に対し垂直方向からFIBを照射するようにイオン鏡筒を配置すると共に、FIBに対してほぼ垂直方向から電子ビームを照射するようにSEM鏡筒8を配置して試料の造形変化を観察し、加工部分の位置がイオンビームの焦点位置から所定量離れたときには、その分試料ステージ7をZ方向に変位させるかイオン光学系3に制御信号を送ってイオンビーム2の焦点位置を修正するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は集束イオンビームを用いた三次元微細構造物形成において、加工焦点位置を修正する方法とその方法を実施するための装置に関する。
超微細な立体構造体は顕微鏡試料の加工に用いられるナイフやドリルやマニピュレータプローブ、スプリングコイル、プローブ顕微鏡の触針、精細電子回路用のコイル、内視鏡用工具等広い分野での必要性が高く、その製造技術の提供には大きな期待が寄せられている。従来この種超微細な立体構造体の製造には機械的加工によってブロック等の素材を形成し、それにスパッターエッチング法により該素材を削って作成することが試みられてきた。しかし、この方法は被製造物がマニピュレータプローブ、プローブ顕微鏡の触針などのように線形形状のものであれば比較的容易であるが、ドリルやコイルといった立体形状のものとなるとその加工は極めて困難であった。また、半導体デバイスやその製造に用いるマスク等の微細加工技術としては上記のスパッターエッチング法の他ガスアシストエッチング法や化学的エッチング法といった素材を除去する加工の他に、CVD法(化学蒸着法)という素材を付着させる加工が用いられてきた。そこで、研究者の間ではこのCVD法によって超微細な立体構造体を形成する技術の開発が試みられている。このCVD法には使用するビームの形態としてレーザー光を用いる方法、集束電子ビームを用いる方法、集束イオンビーム(FIB)を用いる方法がある。CVD法によるデポジションは堆積される部材の寸法がビーム径に依存することから、この種超微細な立体構造体の製造にはビーム径が細いことが要求される。レーザー光を用いる場合には、光としての性格上ビーム径はその波長による限界があるし、ビームを偏向し所望の走査をさせることが機構上難しい。この点、電子ビームとイオンビームは電磁気的な手段を用い、ビームの集束とビームの偏向走査は比較的容易であるためこの種超微細な立体構造体の製造には適しているといえる。しかし、集束電子ビームを用いた場合には質量並びに粒子径が小さいという電子の性格から、照射した電子が堆積させたい試料ターゲットを越えて試料を突き抜けてしまい、不本意な場所に堆積をさせるなどの現象が伴い、所望個所のデポジション形成がうまく出来ないといった問題がある。以上のことを総合すると、超微細な立体構造体の製造には集束イオンビームを用いる方法が最も適しているといえる。したがって、現在研究者の間ではこの集束イオンビームを用いた研究が種々試みられている状況がある。
FIB装置を用いた微細構造物の造形技術については非特許文献1に紹介されている。図5に示すワイングラスは集束イオンビームを用いたデポジションによって、姫路大学・日本電気・セイコーインスツルメンツが共同研究によって作成したものである。その寸法は外径がφ2.75μm、高さが約12μmの微細造形物であり、マスコミにも紹介されて話題を呼んだところである。また、図4に示した構造物は左側に示したようなトイレのCAD情報を基にFIB装置によってICの配線構造上に微細構造物として形成させたものである。CAD情報をZ方向に複数階層で輪切りにした二次元情報を演算によって得て、下方層から順次階層毎に形成していったものである。このときIC配線構造上の位置決めのため、その近傍に基準位置を示す指標がまず形成され、ビーム走査の際の基準点となる。この構造物の大きさは右側の図に1μmスケールが示されていることから分かるように数μm寸法のものである。このようにしてFIB装置を用いた微細構造物の形成技術は試作が行われ、実用に向けて研究がなされている。しかし、この構造物がZ方向に大きなものとなってくるとイオンビームのフォーカスが狂ってきて所謂ボケが生じ精密構造が形成できなくなるという問題が生じる。
今、求められる微細構造物は多様化しており、単純にFIB装置によるCVDに限らず、光造形法で形成された微細構造物への更なる加工をこのFIB装置を用いて行いたいといったものもあり、Z方向に寸法が長いものも求められている。現在の装置でこのような要望に応えることは熟練したオペレータにとっても困難な課題であった。
特開平10−223574号公報 「加工観察装置」 平成10年8月21日公開
「FIB装置の紹介」UYEMURA TECHNIKAL REPORTS NO.54 2003年6月発行
本発明が解決しようとする課題は、微細な加工が求められる構造体形成において、高さ寸法が大きくなっても焦点ボケを起こすことなく造形ができるFIBを用いた微細な加工方法を提示すると共に、それを実行する装置を提供することにある。
本発明の加工焦点位置修正方法は、モニタリングSEMを備えたFIB加工装置を用い、ステージ上の試料面に対し垂直方向からFIBを照射するようにイオン鏡筒を配置すると共に、FIBに対してほぼ垂直方向から電子ビームを照射するようにSEM鏡筒を配置して試料の造形変化を観察し、加工部分の位置がイオンビームの焦点位置から所定量離れたときには、その分試料ステージをZ方向に変位させるかイオン光学系に制御信号を送ってイオンビームの焦点位置を修正するようにした。
加工部分の位置がイオンビームの焦点位置から所定量離れたか否かを判定する方法は、精度を高めるためにSEM像の他に視角を異にする走査イオン顕微鏡像を用いてもよい。
本発明のFIB装置は、加工に伴う焦点ズレを順次修正する機能を備えるために、モニター用のSEMと、該SEMの画像から加工部分の位置情報を読みとる手段と、該手段によって得られた加工位置情報と現在のイオンビーム焦点位置とのズレ量を割り出す手段と、該ズレ量が設定値を超えたことを検知してその変位分だけ試料ステージを変位させるようにステージ駆動機構にZ方向駆動信号を出力する手段、若しくは焦点位置を移動させるようにイオン光学系に焦点制御信号を送信する手段とを備える。
また、本発明のFIB装置は、SEMの画像から加工部分の位置情報を読みとり、現在のイオンビーム焦点位置情報とのズレ量を割り出す手段として、その時点のSEM像から前回焦点修正時のSEM像を引いて今回加工部分を抽出する機能を備えるようにしてもよい。更に、焦点ズレ量が設定値を超えたことを検知する手段として、今回加工部分を抽出したSEM像から顕微鏡測長機能によってZ成分寸法を割り出し、設定値と比較する機能を備えた形態を採ることもできる。
本願発明による加工焦点位置修正方法は、ステージ上の試料面に対し垂直方向からFIBを照射するようにイオン鏡筒を配置すると共に、FIBに対してほぼ垂直方向から電子ビームを照射するようにSEM鏡筒を配置して試料の造形変化を観察するものであるから、加工途上において試料ステージをチルトする必要が無くリアルタイムで、しかも位置ヅレを伴うこともなくZ方向の加工位置変化を効率よく観察でき、加工部分の位置がイオンビームの焦点位置から所定量離れたときには、イオン光学系に制御信号を送ってイオンビームの焦点位置を修正することができるため、造形物のZ方向寸法が大きくても常に焦点が合った状態で加工を行うことができ、微細構造を精度良く形成することができる。
また、加工部分の位置がイオンビームの焦点位置から所定量離れたか否かを判定する方法はSEM像の他に視角を異にする走査イオン顕微鏡像を用いるものである請求項3に記載の加工焦点位置修正方法は、互いの情報を補完することができ焦点ズレ量をより正確に把握することができる。
また、本願発明によるFIB装置は、モニター用のSEMと、該SEMの画像から加工部分の位置情報を読みとる手段と、該手段によって得られた加工位置情報と現在のイオンビーム焦点位置とのズレ量を割り出す手段と、該ズレ量が設定値を超えたことを検知して試料ステージを変位調整する手段若しくはイオン光学系に制御信号を送信する手段とを備え、前記制御信号によって焦点ズレを修正する機能を備えものであるから、これを用いて常に焦点が合った状態で加工を行うことができ、Z方向寸法が大きな造形物であっても微細構造を容易に精度良く形成させることができる。しかも位置ズレのモニターは電子ビームの照射によって行うものであるから、試料にダメージを与えることがない。
また、SEMの画像から加工部分の位置情報を読みとり、現在のイオンビーム焦点位置情報とのズレ量を割り出す手段として、その時点のSEM像から前回焦点修正時のSEM像を引いて今回加工部分を抽出する機能を備えたものである本発明のFIB装置は、熟練していないオペレータでも容易にSEMの画像から加工部分の位置情報を読みとり、現在のイオンビーム焦点位置情報とのズレ量を割り出す作業を実行することができる。
更に、焦点ズレ量が設定値を超えたことを検知する手段として、今回加工部分を抽出したSEM像から顕微鏡測長機能によってZ成分寸法を割り出し、設定値と比較する機能を備えたものである本発明のFIB装置は、熟練していないオペレータでも焦点ズレ量が設定値を超えたことを確実に検知することができる。
FIB装置を用いた微細構造物形成においてZ方向寸法が大きくなると、当初の基台部分に合わされていたFIBの焦点位置が徐々にズレてくるためビームが絞り切れていない部分で加工が行われることになる。したがって、その状態で形成される形状はぼけたものとなってしまう。微細な形状をシャープに形成させるためにはビームが絞られた部分すなわち焦点部分で加工させることが必要となる。そこで本発明は、加工位置の確認をしつつ焦点位置が所定量を超えた場合には焦点位置の修正を行ってFIB加工を進めることに想到したものである。
加工位置を確認する方法として観察用のSEMを利用するものとした。観察用のSEMを備えたFIB装置は従来からデュアル鏡筒型のFIB装置として知られ用いられている。(特許文献1参照)図1は本発明のシステムの基本構成を示したもので、1はFIB用のイオン源、2はFIB、3はFIBのビーム形態を制御するイオン光学系、4はFIBを偏向走査させるデフレクタ、5は二次イオンや二次電子を検出する二次荷電粒子検出器、6はCVD原料ガスやエッチングアシストガスを噴射するガス銃、7は試料を載置し位置・姿勢を変更する駆動機構を備えた試料ステージ、8は走査型電子顕微鏡(SEM)の電子ビーム鏡筒、9は被加工物である微細構造体、10はデータ処理とコントローラ機能を司るコンピュータ、11は顕微鏡画像やデータ表示用のディスプレイそして12は形状データを処理するCADシステムである。そして本発明においてはイオン源1,イオン光学系3,デフレクタ4を含むイオン鏡筒は試料ステージ7の面に垂直方向に配置され、電子ビーム鏡筒8はCVD成長変位を観測するためイオンビームと異なる角度に配置される。電子ビーム鏡筒8はCVD成長変位を観測するためイオンビーム鏡筒と異なる角度に配置され、その角度は90°に近づく程より変位検出の感度はよくなる。実際にはガス銃等周辺部材の配置を勘案し適宜設計される。
本発明の動作フローについて図3を参照しながら説明する。まず、造形した構造物の形状情報をCADシステム12に入力する。オペレータが自らこのシステムで作成してもよいし、既成のCADデータを読み込んでもよい[ステップ1]。このCADシステム12は3次元情報をZ方向複数階層に分断し、階層毎に断面(X−Y二次元)形状データを得てコンピュータ10へ出力し、コンピュータはこの情報を記憶部に蓄積する[ステップ2]。コンピュータ10は下層の二次元形状データから順次読み出し、その形状領域にわたりビームが走査されるようにデフレクタ4に制御信号を出力する。CVDによる造形であるとしてガス銃からCVD原料ガスが供給される中でFIB照射がなされると、そのビームスポット部分でデポジションがなされる。ビームスポットが当該領域に行き渡りこの層の二次元形状が形成されたならば、その一つ上の階層の二次元形状データが読み出され、同様のデポジションを実行する。順次上層の形状形成がなされてゆくと加工領域のZ方向位置が高くなっていき、ビームの焦点ボケが生じてくる[ステップ3]。本発明では所定階層の形成がなされると、一旦FIB照射を中断し、電子ビーム鏡筒8から電子ビームを照射し走査させて微細構造物9のSEM像を得る。微細構造物9に照射された電子はそこから二次電子を放出させ、該二次電子は二次荷電粒子検出器5で検出される。この検出信号はコンピュータ10内で電子ビーム鏡筒内のデフレクタに与えられた走査信号と同期されて画像データ化され、記憶部に蓄積される[ステップ4]。この画像データはディスプレイ11に送信され、画像表示される。この機能は通常のSEMと同様である。微細構造物9は試料基台を基礎としてZ方向に成長するのであるが、本発明のSEM像はその成長度を横方向から観察することになるので、Z方向の成長度が一目瞭然に分かる。この成長度が焦点ボケを起こさない許容範囲であればFIB加工を続行するが、設定値ΔZを越えているときはその成長分だけ試料ステージを変位させて加工位置を焦点位置に移動させるか、焦点距離を短くするようにイオン光学系3に制御信号を出力する[ステップ6]。その判定と制御信号の作成はコンピュータ10で行う。当初は試料基台から造形が始まるのでその近傍に焦点は絞られていることから、その焦点位置情報と現在の造形位置をSEM画像上で特定し、両点の距離をSEMの測長機能を用いるなどして割り出し、その値をΔZと比較して判定する。そして、ΔZを越えるときはその距離分の変位駆動をZ駆動機構に出力し、ステージを変位させることによって加工位置を焦点位置に合わせるか、その距離分イオンビームの焦点位置を短くして加工位置に合わせるようにイオン光学系3に送信する制御信号を演算して出力する。それ以降は同様の作業を繰り返し、SEM画像上での基礎部分から現在加工位置までの距離を顕微鏡測長機能で測定し、その値から既に調整した積算変位量を差し引く演算を行い、その値がΔZを越えたとき次の位置合わせ制御を実行し、さらにこれをn回繰り返して構造物9を形成する。構造物9の造形が終了したならばそこで加工は終了する[ステップ5]。このようにして本発明によれば常にFIBの焦点が合った状態でCVD加工が行われるため、微細な構造を設計どおりシャープに形成することができる。しかも造形状態のモニターはイオンビーム照射を止めて電子ビーム照射に切り替えるだけで実行でき、試料の姿勢を変更してから観察するなどの無駄時間を省略でき、ほぼリアルタイムで行うことができるものである。
本発明の動作フローについて図3を参照しながら説明する。まず、造形した構造物の形状情報をCADシステム12に入力する。オペレータが自らこのシステムで作成してもよいし、既成のCADデータを読み込んでもよい[ステップ1]。このCADシステム12は3次元情報をZ方向複数階層に分断し、階層毎に断面(X−Y二次元)形状データを得てコンピュータ10へ出力し、コンピュータはこの情報を記憶部に蓄積する[ステップ2]。コンピュータ10は下層の二次元形状データから順次読み出し、その形状領域にわたりビームが走査されるようにデフレクタ4に制御信号を出力する。CVDによる造形であるとしてガス銃からCVD原料ガスが供給される中でFIB照射がなされると、そのビームスポット部分でデポジションがなされる。ビームスポットが当該領域に行き渡りこの層の二次元形状が形成されたならば、その一つ上の階層の二次元形状データが読み出され、同様のデポジションを実行する。順次上層の形状形成がなされてゆくと加工領域のZ方向位置が高くなっていき、ビームの焦点ボケが生じてくる[ステップ3]。本発明では所定階層の形成がなされると、一旦FIB照射を中断し、電子ビーム鏡筒8から電子ビームを照射し走査させて微細構造物9のSEM像を得る。微細構造物9に照射された電子はそこから二次電子を放出させ、該二次電子は二次荷電粒子検出器5で検出される。この検出信号はコンピュータ10内で電子ビーム鏡筒内のデフレクタに与えられた走査信号と同期されて画像データ化され、記憶部に蓄積される[ステップ4]。この画像データはディスプレイ11に送信され、画像表示される。この機能は通常のSEMと同様である。微細構造物9は試料基台を基礎としてZ方向に成長するのであるが、本発明のSEM像はその成長度を横方向から観察することになるので、Z方向の成長度が一目瞭然に分かる。この成長度が焦点ボケを起こさない許容範囲であればFIB加工を続行するが、設定値ΔZを越えているときはその成長分だけ試料ステージを変位させて加工位置を焦点位置に移動させるか、焦点距離を短くするようにイオン光学系3に制御信号を出力する[ステップ6]。その判定と制御信号の作成はコンピュータ10で行う。当初は試料基台から造形が始まるのでその近傍に焦点は絞られていることから、その焦点位置情報と現在の造形位置をSEM画像上で特定し、両点の距離をSEMの測長機能を用いるなどして割り出し、その値をΔZと比較して判定する。そして、ΔZを越えるときはその距離分の変位駆動をZ駆動機構に出力し、ステージを変位させることによって加工位置を焦点位置に合わせるか、その距離分イオンビームの焦点位置を短くして加工位置に合わせるようにイオン光学系3に送信する制御信号を演算して出力する。それ以降は同様の作業を繰り返し、SEM画像上での基礎部分から現在加工位置までの距離を顕微鏡測長機能で測定し、その値から既に調整した積算変位量を差し引く演算を行い、その値がΔZを越えたとき次の位置合わせ制御を実行し、さらにこれをn回繰り返して構造物9を形成する。構造物9の造形が終了したならばそこで加工は終了する[ステップ5]。このようにして本発明によれば常にFIBの焦点が合った状態でCVD加工が行われるため、微細な構造を設計どおりシャープに形成することができる。しかも造形状態のモニターはイオンビーム照射を止めて電子ビーム照射に切り替えるだけで実行でき、試料の姿勢を変更してから観察するなどの無駄時間を省略でき、ほぼリアルタイムで行うことができるものである。
本発明は上記したように主として造形モニターをSEM像によって行うものであるが、イオンビームを照射している間は、その際に放出される二次イオン又は二次電子を二次荷電粒子検出器5によって検出することができ、その走査イオン顕微鏡(SIM)像を用いて観察することが可能である。ただし、これは上方からのビームによる画像であることから、この画像だけからZ方向成分を読みとることは難しい。そこで本発明においてはこのSIM画像をSEM画像とは視角を異にした情報としてSEM画像の補完情報として有効に使用するものである。
次に、オペレータが熟練していなくても容易に本発明の方法を実行できる装置の例を示す。本発明では加工途上においてSEMの画像から加工部分の位置情報を読みとり、現在のイオンビーム焦点位置情報とのズレ量を割り出すことが必要である。この場合において、順次位置合わせを行い度重なる位置合わせを行ったときの位置ズレを検知をするためにはこれまでの位置補正の積算量を基に今回加工部分の位置情報との差演算を行いながら、その差とΔZとの比較をしなければならない。そこで、この実施例では位置合わせを行ったときの画像を保存しておき、今回までに加工された部分全体の画像と比較して今回の加工部分の画像を抽出する手段と、その加工部分のZ方向寸法を割り出す手段とを備えるようにした。図2のBに示す画像は今回までに加工された部分全体のSEM像であり、図2のAに示す画像は前回焦点修正時の構造物のSEM像である。この2つの画像の共通部分は前回焦点修正時までの構造物であり、異なる部分が今回の焦点修正における加工部分に相当することになるので、両画像情報から共通部分を削除し、異なる画像情報領域だけを抽出する。そして図2のC画像を得る。
今回の加工部分だけが抽出された図2のC画像を得たならば、ディスプレイ12上でこの領域部分(波線で表示)を特定して拡大表示する。この今回加工部分の拡大画像上でZ方向幅を顕微鏡測長機能を用いて寸法を得る。これがすなわち、今回加工した部分のZ方向寸法であるからこの値を単純にΔZと比較して焦点補正の必要を判定すればよい。
なお、本発明に用いる試料ステージの駆動機構には、ナノオーダの調整も可能であると共に位置ズレを起こしにくいピエゾ素子を用いたものが、有利である。
また、本発明の方法によれば各階層毎の造形を重ねるものであるから、一体構造物に限らず別体構造物であっても二次元的に離れた位置で基礎部分から同時に形成させることも可能である。
1 イオン源 7 試料ステージ
2 集束イオンビーム 8 電子ビーム鏡筒
3 イオン光学系 9 微細構造物
4 デフレクタ 10 コンピュータ
5 二次荷電粒子検出器 11 ディスプレイ
6 ガス銃 12 CADシステム
2 集束イオンビーム 8 電子ビーム鏡筒
3 イオン光学系 9 微細構造物
4 デフレクタ 10 コンピュータ
5 二次荷電粒子検出器 11 ディスプレイ
6 ガス銃 12 CADシステム
Claims (7)
- モニタリングSEMを備えたFIB加工装置を用い、ステージ上の試料面に対し垂直方向からFIBを照射すると共に、FIBに対して異なる方向から電子ビームを照射して試料の造形変化を観察し、加工部分の位置がFIBの焦点位置から所定量離れたときには、試料ステージをZ方向に変位させて焦点位置と加工位置とを一致させるようにした加工焦点位置修正方法。
- モニタリングSEMを備えたFIB加工装置を用い、ステージ上の試料面に対し垂直方向からFIBを照射するようにイオン鏡筒を配置すると共に、FIBに対してほぼ垂直方向から電子ビームを照射するようにSEM鏡筒を配置して試料の造形変化を観察し、加工部分の位置がFIBの焦点位置から所定量離れたときには、イオン光学系に制御信号を送ってイオンビームの焦点位置を修正して焦点位置と加工位置とを一致させるようにした加工焦点位置修正方法。
- 加工部分の位置がイオンビームの焦点位置から所定量離れたか否かを判定する方法はSEM像の他に視角を異にする走査イオン顕微鏡像を用いるものである請求項1又は2に記載の加工焦点位置修正方法。
- 試料に対しCVD加工とエッチング加工を行う機能を備えたFIB装置であって、モニター用のSEMと、該SEMの画像から加工部分の位置情報を読みとる手段と、該手段によって得られた加工位置情報と現在のイオンビーム焦点位置とのズレ量を割り出す手段と、該ズレ量が設定値を超えたことを検知して試料ステージ駆動機構にZ方向駆動信号を送信する手段とを備え、前記駆動信号によって焦点ズレを修正する機能を備えたことを特徴とするFIB装置。
- 試料に対しCVD加工とエッチング加工を行う機能を備えたFIB装置であって、モニター用のSEMと、該SEMの画像から加工部分の位置情報を読みとる手段と、該手段によって得られた加工位置情報と現在のイオンビーム焦点位置とのズレ量を割り出す手段と、該ズレ量が設定値を超えたことを検知してイオン光学系に焦点制御信号を送信する手段とを備え、前記焦点制御信号によって焦点ズレを修正する機能を備えたことを特徴とするFIB装置。
- SEMの画像から加工部分の位置情報を読みとり、現在のイオンビーム焦点位置情報とのズレ量を割り出す手段が、その時点のSEM像から前回焦点修正時のSEM像を引いて今回加工部分を抽出する機能を備えたものである請求項4又は5に記載のFIB装置。
- 焦点ズレ量が設定値を超えたことを検知する手段が、今回加工部分を抽出したSEM像から顕微鏡測長機能によってZ成分寸法を割り出し、設定値と比較する機能を備えたものである請求項6に記載のFIB装置。
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