JP5247348B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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(1)第四級アンモニウム基含有基を有し、かつ、カチオン化度が0.15〜0.6である下記一般式(2)で表されるカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩と、シリコーン油を含有する皮膚外用剤、
(式中、R4〜R9は独立して、水素原子または第四級アンモニウム基含有基を表し(ただし、R4〜R9がいずれも水素原子を表す場合を除く。)、nは2〜5000の数を示す。)、
(2)前記第四級アンモニウム基含有基は下記一般式(1)で表される、(1)記載の皮膚外用剤、
(式中、R1〜R3は独立して炭化水素基を表し、X−は1価の陰イオンを表す。)、
である。
(式中、R1〜R3は独立して炭化水素基を表し、X−は1価の陰イオンを表す。)
上記一般式(1)において、R1〜R3で表される炭化水素基としては、例えば、直鎖状または分岐状のアルキル基、不飽和炭化水素基、および芳香族炭化水素基が挙げられ、アルキル基であることがより好ましい。ここで、アルキル基としては、炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が挙げられ、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などの炭素数1〜3のアルキル基である。また、上記一般式(1)において、X−で表される1価の陰イオンとしては、フッ素イオン、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオンが挙げられる。
例えば、上記一般式(1)において、R1〜R3が全てメチル基であり、X−が塩素である第四級アンモニウム基含有基が、ヒアルロン酸ナトリウムに結合したカチオン化ヒアルロン酸ナトリウムのカチオン化度は、以下の方法により求めることができる。
原料ヒアルロン酸ナトリウムの窒素含有率NN(%)、カチオン化度(x)のカチオン化ヒアルロン酸の窒素含有率NS(%)とすると、窒素含有率の増加分(NS―NN)とカチオン化度(x)の関係は次の式で表すことができる。
NS―NN(%)
=[窒素の原子量×x/(カチオン化ヒアルロン酸ナトリウムの二糖単位の分子量)]×100
=[14x/{原料ヒアルロン酸ナトリウムの二糖単位の分子量+(第四級アンモニウム基含有基の分子量−ナトリウムの原子量)x}]×100
=[14x/{401.3+(152.5−23)x}]×100
よって、カチオン化度(第四級アンモニウム基含有基の置換度)は、下記式から求めることができる。
カチオン化度(x)=[(NS―NN)×401.3]/[1400−129.5×(NS―NN)]
また、原料ヒアルロン酸が未知であるカチオン化ヒアルロン酸のカチオン化度は、上記式において、純度99%以上のヒアルロン酸ナトリウムを原料ヒアルロン酸ナトリウムとみなし、上記式から求めることができる。
(式中、R4〜R9は独立して、水素原子または第四級アンモニウム基含有基を表し(ただし、R4〜R9がいずれも水素原子を表す場合を除く。)、nは2 〜5000の数を示す。)
上記一般式(2)において、R4〜R9で表される第四級アンモニウム基含有基としては、例えば、下記一般式(3)で表される基が挙げられる。
(式中、R1〜R3およびX−は上記一般式(1)で定義したとおりである。)
R1〜R3およびX−でそれぞれ表される基は例えば、上記一般式(1)においてR1〜R3およびX−でそれぞれ表される基として例示したものであることができる。
ウベローデ粘度計により測定された前記水溶液の流下秒数と、ウベローデ粘度計の係数との積により、動粘度(単位:mm2/s)を求めることができる。
原料ヒアルロン酸および/またはその塩の平均分子量は通常、800〜300万であり、100万〜200万であるのが好ましい。前記平均分子量の原料ヒアルロン酸を用いることにより、好ましくは平均分子量800〜250万、より好ましくは5万〜150万のカチオン化ヒアルロン酸を得ることができる。
原料ヒアルロン酸および/またはその塩としては、当該粗抽出物および精製物のいずれを用いてもよいが、精製物、具体的にはヒアルロン酸および/またはその塩の純度が90%(質量比)以上のものが好ましい。純度が90%以上の原料ヒアルロン酸および/またはその塩を原料として用いて得られた上記カチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩を皮膚外用剤に配合した場合、保存中の変化の原因となり難いため、安定な皮膚外用剤が得られる。
1L容ビーカーに、ヒアルロン酸ナトリウム(キユーピー株式会社製、平均分子量200万)20g、5%水酸化ナトリウム20mL、80%含水エタノール180mL、およびグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))30mLを添加し、撹拌子を用いて撹拌しながら、40℃で1時間反応させた。
次に、デカンテーションにより液を除去して、固形物(カチオン化ヒアルロン酸を含む)を得た。
次いで、食塩水400mLを加え、固形物を溶解させた。固形物が完全に溶解したことを確認した後、エタノール600mLを添加して、カチオン化ヒアルロン酸を沈殿させた。デカンテーションにより液を除去した後、80%含水エタノール500mLを添加して15分間撹拌し、さらに、含水エタノールをデカンテーションにより除去して沈殿物を得た。この操作を3回繰り返し、沈殿物に残存するカチオン化剤(GTA)および食塩を除去した。
次いで、遠心分離処理を行うことにより含水エタノールをさらに除去した後、真空乾燥機を用いて、60℃にて減圧で5時間加熱乾燥を行った。
これにより、白色粉末のカチオン化ヒアルロン酸20.5gを得た。このカチオン化ヒアルロン酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式によって求めたカチオン化度は0.27であった。また、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水溶液を調製し、30℃における動粘度を測定したところ、13.3mm2/sであった。
1L容ビーカーに、ヒアルロン酸ナトリウム(キユーピー株式会社製、平均分子量130万)20g、5%水酸化ナトリウム20mL、65%含水エタノール180mL、およびグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))30mLを添加し、撹拌子を用いて撹拌しながら、60℃で1時間反応させた。
次に、デカンテーションにより液を除去して、固形物(カチオン化ヒアルロン酸を含む)を得た。
次いで、食塩水400mLを加え、固形物を溶解させた。固形物が完全に溶解したことを確認した後、エタノール600mLを添加して、カチオン化ヒアルロン酸を沈殿させた。デカンテーションにより液を除去した後、80%含水エタノール500mLを添加して15分間撹拌し、さらに、含水エタノールをデカンテーションにより除去して沈殿物を得た。この操作を3回繰り返し、沈殿物に残存するカチオン化剤(GTA)および食塩を除去した。
次いで、遠心分離処理を行うことにより含水エタノールをさらに除去した後、真空乾燥機を用いて、60℃にて減圧で5時間加熱乾燥を行った。
これにより、白色粉末のカチオン化ヒアルロン酸21.3gを得た。このカチオン化ヒアルロン酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式によって求めたカチオン化度は0.48であった。また、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水溶液を調製し、30℃における動粘度を測定したところ、2.3mm2/sであった。
調製例2のカチオン化ヒアルロン酸の調製方法において、反応温度を30℃とし、反応時間を0.1時間とした以外は、調製例2のカチオン化ヒアルロン酸の調製方法と同様にして、調製例3のカチオン化ヒアルロン酸を調製した。
これにより、白色粉末のカチオン化ヒアルロン酸19.6gを得た。このカチオン化ヒアルロン酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式によって求めたカチオン化度は0.17であった。また、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水溶液を調製し、30℃における動粘度を測定したところ、18.5mm2/sであった。
調製例2のカチオン化ヒアルロン酸の調製方法において、反応温度を50℃とした以外は、調製例2のカチオン化ヒアルロン酸の調製方法と同様にして、調製例4のカチオン化ヒアルロン酸を調製した。
これにより、白色粉末のカチオン化ヒアルロン酸20.2gを得た。このカチオン化ヒアルロン酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式によって求めたカチオン化度は0.33であった。また、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水溶液を調製し、30℃における動粘度を測定したところ、10.5mm2/sであった。
調製例2のカチオン化ヒアルロン酸の調製方法において、5%水酸化ナトリウムを14mL、65%含水エタノールを190mL、およびグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))を4mLとする以外は、調製例2のカチオン化ヒアルロン酸の調製方法と同様にして、調製例5のカチオン化ヒアルロン酸を調製した。
これにより、白色粉末のカチオン化ヒアルロン酸19.7gを得た。このカチオン化ヒアルロン酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式によって求めたカチオン化度は0.10であった。また、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水溶液を調製し、30℃における動粘度を測定したところ、17.5mm2/sであった。
調製例2のカチオン化ヒアルロン酸の調製方法において、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(GTA(有効成分約80%、水分約20%))を40mLとし、反応温度を70℃とする以外は、調製例2のカチオン化ヒアルロン酸の調製方法と同様にして、調製例6のカチオン化ヒアルロン酸を調製した。
これにより、白色粉末のカチオン化ヒアルロン酸17.7gを得た。このカチオン化ヒアルロン酸の窒素含有率を測定し、上述の計算式によって求めたカチオン化度は0.82であった。また、このカチオン化ヒアルロン酸の0.2%(W/W)水溶液を調製し、30℃における動粘度を測定したところ、1.3mm2/sであった。
調製例1のカチオン化ヒアルロン酸を使用して実施例1の皮膚外用剤(化粧水)を製した。表1に、皮膚外用剤の配合例を示す。また、比較例1として、カチオン化されていないヒアルロン酸ナトリウム(キユーピー株式会社製、平均分子量:約60万)を使用した皮膚外用剤を、比較例2としてカチオン化ヒアルロン酸およびヒアルロン酸ナトリウムを含有しない皮膚外用剤を製した。
調製例のカチオン化ヒアルロン酸を使用して、皮膚外用剤(クリーム)を製した。表3に、皮膚外用剤の配合例を示す。
Claims (2)
- 第四級アンモニウム基含有基を有し、かつ、カチオン化度が0.15〜0.6である下記一般式(2)で表されるカチオン化ヒアルロン酸および/またはその塩と、シリコーン油を含有する皮膚外用剤。
(式中、R4〜R9は独立して、水素原子または第四級アンモニウム基含有基を表し(ただし、R4〜R9がいずれも水素原子を表す場合を除く。)、nは2〜5000の数を示す。)
- 前記第四級アンモニウム基含有基は下記一般式(1)で表される、請求項1記載の皮膚外用剤。
(式中、R1〜R3は独立して炭化水素基を表し、X−は1価の陰イオンを表す。)
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