JP2014073967A - 被覆粉体及びそれを含有する組成物 - Google Patents

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克也 清水
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裕之 新井
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Abstract

【課題】皮膚等への付着性や隠蔽性に優れ、分散性にも優れる被覆粉体及び該被覆粉体を含有する組成物の提供。
【解決手段】粉体と、該粉体上に形成された、式で表されるシリコーン誘導体からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン誘導体を含む被覆層と、を有する、被覆粉体。

(1)(式(1)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、又は水酸基であり、窒素原子を有してもよく、X、X、及びXは、それぞれ独立に特定の基である。
【選択図】なし

Description

本発明は、被覆粉体及びそれを含有する組成物に関する。
従来、粉体表面を界面活性剤や高分子等で被覆することにより、粉体に種々の機能を付与することが試みられている。その一つとして、被覆による粉体の感触改良があり、シリコーン、金属石鹸、N−アシルアミノ酸等で被覆処理された粉体がファンデーション等に用いられている。
特許文献1では、ある特定のアシル化合物を用いて、粉体の被覆処理を行い、粉体の感触改良を試みている。
特開2005−139145号公報
しかしながら、従来の被覆粉体は、ファンデーション等に用いる際に重要な、皮膚等への付着性や隠蔽性を十分に満足しない。また、分散性も十分なものではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、皮膚等への付着性や隠蔽性に優れ、分散性にも優れる被覆粉体を提供すること、及び該被覆粉体を含有する組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のシリコーン誘導体で粉体を被覆することで、被覆粉体の付着性、隠蔽性が顕著に向上できることを見出し、さらには、油性媒体又は水性媒体への分散性及び再分散性が顕著に優れることを見出して、本発明を完成するに至った。また、このような被覆粉体を含有する組成物が香粧品及び医薬品用途に好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、下記の通りである。
〔1〕
粉体と、該粉体上に形成された、式(1)、(2)、及び(3)で表されるシリコーン誘導体からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン誘導体を含む被覆層と、を有する、被覆粉体。
(1)
(式(1)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、又は水酸基であり、窒素原子を有してもよく、
、X、及びXは、それぞれ独立に、前記Rと同様の基又は式(4)で表わされる基であり、かつX、X、及びXのうち少なくとも一つは、式(4)で表わされる基であり、
nは、0〜300,000の整数である。)
(2)
(式(2)中、Rは、前記同様の基であり、
は、それぞれ独立に、炭素数1〜22の2価の炭化水素基であり、
は、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、水酸基、又は水素原子であり、
は、それぞれ独立に、前記Rと同様の基又は式(4)で表わされる基であり、かつXのうち少なくとも一つは、式(4)で表わされる基であり、
Zは、それぞれ独立に、ポリアルキレンオキシド基であり、
hは、それぞれ独立に、0〜300,000の整数であり、iは、それぞれ独立に、1〜300,000の整数であり、lは1〜300,000の整数である。)
(3)
(式(3)中、Rは、それぞれ独立に、前記同様の基であり、
は、下記式(4)で表わされる基であり、
pは、それぞれ独立に、1〜300,000の整数である。)
(4)
(式(4)中、Aは、窒素原子を有するm+1価の炭化水素基であり、
は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基であり、
は、それぞれ独立に、炭素数1〜23の炭化水素基であり、
Yは、それぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩であり、
mは1〜10の整数であり、j、kは、それぞれ独立に、0、1又は2のいずれかの整数であって、j、kは同時に0ではない。)
〔2〕
前記式(4)中、mが1であり、Aが式(5)で表される基である、前項〔1〕に記載の被覆粉体。
(5)
(式(5)中、Rは、炭素数1〜22の炭化水素基であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基である。)
〔3〕
前記式(4)中、mが2であり、Aが式(6)で表される基である、前項〔1〕に記載の被覆粉体。
(6)
(式(6)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜22の炭化水素基である。)
〔4〕
前記式(1)中、Rがメチル基であり、X、X、及びXが下記(a)〜(d)のいずれかを満たす、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の被覆粉体。
(a)X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方は、式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基であり、Xは、メチル基である。
(b)Xは、前記式(1)で定義されるRと同様であり、Xは、式(4)で表される基であり、Xは、メチル基である。
(c)X及びXは、前記式(1)で定義されるRと同様であり、Xの少なくとも一つが式(4)で表される基である。
(d)X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方は、式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基であり、Xの少なくとも一つが式(4)で表さる基である。
〔5〕
前記式(4)のRは、水素原子であり、Yは、カルボキシル基又はその塩である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の被覆粉体。
〔6〕
前記被覆層が、シリコーンをさらに含む、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の被覆粉体。
〔7〕
前記被覆層が、N−アシルアミノ酸型界面活性剤をさらに含む、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の被覆粉体。
〔8〕
前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の被覆粉体を含有する、組成物。
〔9〕
前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の被覆粉体を含有する、香粧品組成物。
〔10〕
前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の被覆粉体を含有する、医薬品組成物。
本発明により、皮膚等への付着性、隠蔽性に優れ、分散性にも優れる、被覆粉体を実現することができる。また、本発明により、このような被覆粉体を含有する、香粧品及び医薬品用途に好適な組成物を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
[被覆粉体]
本実施形態の被覆粉体は、
粉体と、該粉体上に形成された、下記式(1)、(2)、及び(3)で表わされるシリコーン誘導体からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン誘導体を含む被覆層と、を有する。
[被覆層]
本実施形態に係る被覆層は、粉体上に形成され、下記式(1)、(2)、及び(3)で表わされるシリコーン誘導体からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン誘導体を含む。被覆層は粉体上に形成されていれば特に制限されず、粉体の全部を覆うように形成されてもよいし、一部を覆うように形成されてもよい。
[シリコーン誘導体]
以下、シリコーン誘導体について説明する。
本実施形態で用いるシリコーン誘導体は式(1)、(2)、又は(3)で表される。
(1)
(式(1)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、又は水酸基であり、窒素原子を有してもよく、
、X、及びXは、それぞれ独立に、前記Rと同様の基又は式(4)で表わされる基であり、かつX、X、及びXのうち少なくとも一つは、式(4)で表わされる基であり、
nは、0〜300,000の整数である。)
(2)
(式(2)中、Rは、前記同様の基であり、
は、それぞれ独立に、炭素数1〜22の2価の炭化水素基であり、
は、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、水酸基、又は水素原子であり、
は、それぞれ独立に、前記Rと同様の基又は式(4)で表わされる基であり、かつXのうち、少なくとも一つは、下記式(4)で表わされる基であり、
Zは、それぞれ独立に、ポリアルキレンオキシド基であり、
hは、それぞれ独立に、0〜300,000の整数であり、iは、それぞれ独立に、1〜300,000の整数であり、lは1〜300,000の整数である。)
(3)
(式(3)中、Rは、前記同様の基であり、
は、下記式(4)で表わされる基であり、
pは、それぞれ独立に、1〜300,000の整数である。)
(4)
(式(4)中、Aは、窒素原子を有するm+1価の炭化水素基であり、
は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基であり、
は、それぞれ独立に、炭素数1〜23の炭化水素基であり、
Yは、それぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩であり、
mは1〜10の整数であり、j、kは、それぞれ独立に、0、1又は2のいずれかの整数であって、j、kは同時に0ではない。)
<式(1)で表わされるシリコーン誘導体>
式(1)で表わされるシリコーン誘導体について説明する。式(1)中、Rは炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、又は水酸基であり、窒素原子を有してもよく、複数あるRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
炭素数1〜22のアルキル基としては、特に限定されないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
炭素数1〜22のアルコキシ基としては、特に限定されないが、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。
炭素数2〜22のアルケニル基としては、特に限定されないが、具体的には、ビニル基やアリル基が挙げられる。
炭素数6〜22のアリール基としては、特に限定されないが、具体的には、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
分子量10,000,000以下のポリエーテル基としては、特に限定されないが、具体的には、主鎖にエーテル結合を有する直鎖状の高分子鎖であり、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレンオキシドやポリフェニレンオキシド等が挙げられる。
炭素数1〜24のアルキルエステル基としては、特に限定されないが、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等が挙げられる。
Rは、水素がフッ素置換された基であってもよい。また、Rは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩等の置換基を有する基でもよく、これらの置換基を有することによって弱酸性での溶解性が向上する。
さらに、Rはフェニル基、フェノール基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(炭素数0〜14)、イミノ基、(アミノエチル)アミノ基、(ジメチルアミノエチル)アミノ基、ポリオキシアルキレン基、メルカプト基、及びエポキシ基等の置換基を有していてもよい。
Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、ポリアルキレンオキシドであることが好ましく、より好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基であり、さらに好ましくはメチル基、プロピル基又はフェニル基である。このうち、汎用性及び価格の点からはメチル基が、特に好ましく、被覆粉体の耐熱性の点からはフェニル基が、特に好ましい。
式(1)中、X、X、及びXのうち少なくとも一つは、式(4)で表わされる基であり、それ以外は上記のRと同様であり、同様のものが好ましく用いられる。複数あるXは同じでも異なっていてもよい。
式(1)中、nは0〜300,000の整数である。好ましくは、nは0〜100,000である。より好ましくは、nは0〜20,000である。
また、式(1)で表されるシリコーン誘導体の分子量としては、特に限定されないが、50〜10,000,000であることが好ましく、100〜100,000であることがより好ましく、500〜10,000であることがさらに好ましい。
<式(2)で表わされるシリコーン誘導体>
式(2)で表わされるシリコーン誘導体について説明する。式(2)中、Rは式(1)と同様に定義され、同様のものが好ましく用いられる。
式(2)中、Rは炭素数1〜22の2価の炭化水素基であり、特に限定されないが、具体的には、アルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。アルキル基としては、特に限定されないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。アルケニル基としては、特に限定されないが、具体的には、ビニル基やアリル基が挙げられる。アリール基としては、特に限定されないが、具体的には、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、水酸基、又は水素原子であり、複数あるRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基としては式(1)におけるRと同様のものが挙げられる。Rとしては式(1)におけるRと同様のものと水素が好ましく用いられる。
Zはポリアルキレンオキシドであり、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等が挙げられ、好ましい分子量としては10,000,000以下である。複数ある場合のR、R、Zは同じでも異なっていてもよい。
式(2)中、複数あるXのうち、少なくとも一つのXは、下記式(4)で表わされる基であり、その他のXは上記のRと同様であり、同様のものが好ましく用いられる。複数ある場合のXは同じでも異なっていてもよい。
式(2)中、hは0〜300,000の整数であり、好ましくは0〜100,000であり、より好ましくは0〜20,000である。iは、1〜300,000の整数であり、好ましくは1〜100,000であり、より好ましくは1〜20,000である。lは1〜300,000の整数であり、好ましくは1〜100,000であり、より好ましくは1〜20,000である。
また、式(2)で表されるシリコーン誘導体の分子量としては、特に限定されないが、50〜10,000,000であることが好ましく、100〜100,000であることがより好ましく、500〜10,000であることがさらに好ましい。
<式(3)で表わされるシリコーン誘導体>
式(3)で表わされるシリコーン誘導体について説明する。式(3)中、Rは式(1)と同様に定義され、同様のものが好ましく用いられる。複数ある場合のRは同じでも異なっていてもよい。式(3)中、Xは、式(4)で表わされる基である。
式(3)中、pは1〜300,000の整数で、好ましくは1〜100,000であり、より好ましくは1〜20,000であり、複数あるpは同じでも異なっていてもよい。
また、式(3)で表されるシリコーン誘導体の分子量としては、特に限定されないが、50〜10,000,000であることが好ましく、100〜100,000であることがより好ましく、500〜10,000であることがさらに好ましい。
<式(4)で表わされる基>
次に式(4)で表わされる基について説明する。まず、式(4)におけるAについて説明するために、下記式(4)を下記式(7)とおく。
(4)
(7)
式(4)中、Aは、窒素原子を有するm+1価の炭化水素基である。式(4)におけるAは、式(7)で表わされるQと、シリコーン部の結合部に相当する。Aの窒素原子はQと直接結合していることが好ましい。Aの窒素原子とQが結合していることにより、シリコーン誘導体としての安定性が高く、高温や、酸・アルカリの環境下においても、問題なく用いることができ、シリコーン誘導体で被覆された粉体が、高い分散性を奏することができる。
また、シリコーン誘導体が式(4)で表わされる基を有していることにより、本実施形態の被覆粉体は高い付着性、隠蔽性及び分散性を奏する。
式(4)中、mは1〜10の整数であり、Aにはm個のQが結合している。mは1〜3が好ましい。より好ましくは、mは1又は2である。A中に窒素原子が複数存在する場合、mは3より大きくなる。
具体例として、下記にmが1の場合(式(7−1))と、mが2の場合(式(7−2))を示す。
式(4)中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基である。Rが炭素数1〜3の炭化水素基の場合、置換基として水酸基、カルボキシル基又はスルホン酸基を有してもよい。炭素数1〜3の炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基及びスルホエチル基等を挙げることができる。好ましくは、水素原子である。
式(4)中、Rは炭素数1〜23の炭化水素基である。好ましくは、炭素数が7から17の炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数が11から17の炭化水素基である。Rは、直鎖、分岐鎖、又は環状鎖(芳香族炭化水素鎖)のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。好ましくは、直鎖である。また、当該炭化水素基は飽和でも不飽和でも使用できるが、飽和であるものが好ましい。R、Rが複数ある場合、同じでも異なっていてもよい。
式(4)中、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩を表す。好ましくは、カルボキシル基又はその塩である。
Yが塩である場合、塩を形成する塩基性物質として、アルキル金属、アルカリ土類金属等が挙げられ、アルカリ金属としては、特に限定されないが、具体的には、ナトリウム、カリウム及びリチウム等の金属が挙げられ、アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、具体的には、カルシウム及びマグネシウム等の金属が挙げられる。また、それ以外の金属として、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン、ジルコニウム、及び銀が挙げられる。その他にも上記以外の多価金属等が挙げられる。
また、金属以外の塩を形成しうる塩基性物質としては、特に限定されないが、具体的には、有機アミン、塩基性アミノ酸等が挙げられる。有機アミンとしては、特に限定されないが、具体的には、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミン等が挙げられ、塩基性アミノ酸としては、特に限定されないが、具体的には、アルギニン及びリジンが挙げられる。また、Yは上記の塩から任意に選ばれる2種以上の塩を含むことができる。
式(4)中、j、kはそれぞれ独立に0、1、2のいずれかを表わすが、j、kは同時に0ではない。Y、j、kが複数ある場合、同じでも異なっていてもよい。
上記の中でも式(4)中のRは、水素原子であり、Yは、カルボキシル基又はその塩である組み合わせが好ましい。式(4)がこのような基であれば、生分解性が良好となる傾向にある。
本実施形態で用いるシリコーン誘導体の一態様として、式(4)中、Aが下記式(5)で表される基であり、mが1であることが好ましい。このようにな式(8)で表される基を有することにより、被覆粉体の生分解性の観点から好ましい。
(5)
(式(5)中、Rは炭素数1〜22の炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基である。)
(8)
(式(8)中、R、R、Y、j、kは式(4)で定義されるものと同様であり、R、Rは式(5)で定義されるものと同様である。)
式(5)、(8)中、Rは炭素数1〜22の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜18の炭化水素基である。Rは直鎖、分枝鎖、環状鎖のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。また、Rはフッ素置換されていてもよい。
式(5)、(8)中、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基である。特に、Rが水素原子であることが、シリコーン誘導体の安定性の観点から、好ましい。
式(5)、(8)における、−NR−により、シリコーン部と式(7)に示すQの結合が強固となるため、シリコーン誘導体としての安定性が高くなる。そのため、本実施形態に用いるシリコーン誘導体は、高温や、酸・アルカリの環境下においても、結合が切れることがない。また、シリコーン化合物と式(7)に示すQの強固な結合により、本実施形態に用いるシリコーン誘導体は、乳化安定性が高くなり、分散性に優れた被覆粉体を与えることができる。さらに、シリコーン誘導体の臭気を抑制できるため、被覆粉体の臭気も低減できる。
本実施形態で用いるシリコーン誘導体の一態様として、式(4)中、Aが下記式(6)で表される基であり、mが2であることが好ましい。このような式(9)で表される基を有することにより、被覆粉体の生分解性の観点から好ましい。
(6)
(式(6)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜22の炭化水素基である。)
(9)
(式(9)中、R、R、Y、j、kは式(4)で定義されるものと同様であり、R、Rは式(6)で定義されるものと同様である。)
式(6)、(9)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜22の炭化水素基であり、式(5)における、Rと同様のものが好ましく用いられる。
本実施形態の被覆粉体は、式(1)中、全てのRがメチル基であり、X、X、及びXが下記(a)〜(d)のいずれかを満たすシリコーン誘導体を用いることが好ましい。
(a)X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方は、式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基であり、Xはメチル基である。
(b)Xは、前記式(1)で定義されるRと同様であり、Xは、式(4)で表される基であり、Xは、メチル基である。
(c)X及びXは、前記式(1)で定義されるRと同様であり、Xの少なくとも一つが式(4)で表される基である。
(d)X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方は、式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基であり、Xの少なくとも一つが式(4)で表される基である。
式(1)中、Rがメチル基であり、X、X、及びXが上記(a)を満たすシリコーン誘導体は式(10)で表わされる。式(10)で表されるシリコーン誘導体は、シリコーン部の両末端に式(4)を有する、若しくは式(4)と窒素原子を有する炭化水素を有するシリコーン誘導体である。
(10)
(式(10)中、XかXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方は式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基であり、nは式(1)で定義したものと同様である。)
式(1)中、Rがメチル基であり、X、X、及びXが上記(b)を満たすシリコーン誘導体は式(11)で表わされる。式(11)で表されるシリコーン誘導体は、シリコーン部の片末端に式(4)を有するシリコーン誘導体である。
(11)
(式(11)中、Xは式(4)で表される基であり、R、nは式(1)で定義したものと同様である。)
式(1)中、Rがメチル基であり、X、X、及びXが上記(c)を満たすシリコーン誘導体は式(12)で表わされる。式(12)で表されるシリコーン誘導体は、シリコーン部の側鎖に式(4)を有するシリコーン誘導体である。
(12)
(式(12)中、複数あるXの少なくとも一つが式(4)で表される基であり、それ以外のXは式(1)で定義したRと同様であり、式中R、nは式(1)で定義したものと同様である。)
式(1)中、Rがメチル基であり、X、X、及びXが上記(d)を満たすシリコーン誘導体は式(13)で表わされる。式(13)で表されるシリコーン誘導体は、シリコーン部の両末端に式(4)、若しくは式(4)と窒素原子を有する炭化水素を有し、側鎖にも式(4)を有するシリコーン誘導体である。
(13)
(式(13)中、X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方は、式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基であり、複数あるXの少なくとも一つが式(4)で表される基であり、それ以外のXは式(1)で定義されるRと同様であり、nは式(1)で定義したものと同様である。)
式(10)〜(13)で表されるシリコーン誘導体のうち、式(10)で表されるシリコーン誘導体が安定性の観点から好ましい。
なお、式(10)〜(13)における式(4)で表される基は、Aが式(5)又は式(6)で表される基である場合が好ましい。
[シリコーン誘導体の製造方法]
以下で、本実施形態に用いるシリコーン誘導体の製造方法の具体例を挙げて説明する。
<製造方法1 N−アシル酸性アミノ酸無水物と変性オルガノポリシロキサン化合物>
前記式(1)、(2)、又は(3)で表されるシリコーン誘導体の製造方法としては、特に限定されないが、具体的には、下記式(14)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物と、アミノ基を1つ以上有する変性オルガノポリシロキサン化合物とを、無溶媒で又は溶媒存在下に−5℃〜250℃で反応させることにより得ることができる。
(14)
(式(14)中、R、R、j、kは式(4)と同様である。)
原料として使用される式(14)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物とは、N−アシル化された酸性アミノ酸の無水物である。N−アシル酸性アミノ酸無水物は、N−アシル酸性アミノ酸と脱水剤、例えば、無水酢酸等の無水カルボン酸等とを反応することにより得ることができる。
N−アシル酸性アミノ酸無水物は、光学異性体であるD−体、L−体、ラセミ体のいずれであってもよい。被覆粉体を香粧品や医薬品用途に用いる際は、L−体が、生分解性に優れることから好ましい。
酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシル基の数がアミノ基より多いものである。例えば、カルボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個であるモノアミノジカルボン酸等が挙げられる。アミノ基の水素は、炭素数1〜3の炭化水素基で置換されていてもよい。
酸性アミノ酸としては、特に限定されないが、具体的には、グルタミン酸、アスパラギン酸、ランチオニン、β−メチルランチオニン、シスタチオニン、ジエンコール酸、フェリニン、アミノマロン酸、β−オキシアスパラギン酸、α−アミノ−α−メチルコハク酸、β−オキシグルタミン酸、γ−オキシグルタミン酸、γ−メチルグルタミン酸、γ−メチレングルタミン酸、γ−メチル−γ−オキシグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、α−アミノ−γ−オキシアジピン酸、α−アミノピメリン酸、α−アミノ−γ−オキシピメリン酸、β−アミノピメリン酸、α−アミノスベリン酸、α−アミノセバシン酸、パントテン酸等が挙げられる。これらの中でも、被覆粉体を香粧品や医薬品用途に用いる際は、生分解性が特に優れることから、L−酸性アミノ酸が好ましい。より好ましくはL−グルタミン酸又はL−アスパラギン酸であり、さらに好ましくはL−グルタミン酸である。
またもう一方の原料として使用される、アミノ基を1つ以上有する変性オルガノポリシロキサン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、アミノ変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。アミノ変性オルガノポリシロキサンを用いると、本実施形態に用いるシリコーン誘導体の生成純度、安定性が向上し、安定な被覆粉体が得られるので好ましい。なお、変性オルガノポリシロキサン化合物の変性部位は両末端、片末端、側鎖型、側鎖両末端型のいずれでもよい。
前記変性オルガノポリシロキサン化合物とN−アシル酸性アミノ酸無水物は、酸アミド結合を形成する。この結合が、前記式(4)における−A−に相当する。
さらに、変性オルガノポリシロキサン化合物は、光学異性体であるD−体、L−体、ラセミ体のいずれであってもよく、各異性体であってもよい。
アミノ基を有する変性オルガノポリシロキサン化合物としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。
例えば、信越シリコーン製の変性オルガノポリシロキサン化合物としては、具体的には、KF−868,KF−865,KF−864,KF−859,KF−393,KF−860,KF−877,KF−880,KF−8004,KF−8002,KF−8005,KF−867,X−22−3820W,KF−869,KF−861,X−22−3939A,PAM−E,KF−8010,X−22−161A,X−22−161B,KF−8012,KF−8008,X−22−1660B−3,KF−857,KF−8001,KF−862,X−22−9192,KF−858が挙げられる。
東レ・ダウコーディング製の変性オルガノポリシロキサン化合物としては、具体的には、BY16−205,FZ−3760,SF8417,BY16−849,BY16−892,FZ−3785,BY16−872,BY16−213,BY16−203,BY16−898,BY16−890,BY16−891,BY16−893,BY16−871,BY16−853U、FZ−3789が挙げられる。
チッソ製の変性オルガノポリシロキサン化合物としては、具体的には、FM−3311,FM−3321,FM−3325が挙げられる。
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製の変性オルガノポリシロキサン化合物としては、具体的には、TSF4702,TSF4703,TSF4704,TSF4705,TSF4706,TSF4707,TSF4708,TSF4709,XF42−B1989,XF42−B8922,XF42−C0330,XF49−C1109,SILSOFT A−553,SILSOFT A−843,SILSOFT A−858,XF42−A3335、TSF4702,TSF4703が挙げられる。
旭化成ワッカーシリコーン製の変性オルガノポリシロキサン化合物としては、具体的には、WACKER L652,WACKER L653,WACKER L655,WACKER L656,WACKER FINISH WR1100,WACKER FINISH WR1200,WACKER FINISH WR1300,WACKER FINISH WR1600,WACKER FINISH WT1250,WACKER FINISH WT1650が挙げられる。
N−アシル酸性アミノ酸無水物と変性オルガノポリシロキサン化合物とを反応させる際、溶媒を使用してもよい。反応の際に使用する溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、水、水と有機溶媒との混合溶媒、又はテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム及びアセトン等の不活性溶媒が挙げられる。反応温度としては、−5℃〜250℃、かつ上記化合物の融点以上の温度で混合し、反応させることが好ましい。
<製造方法2 N−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステルと変性オルガノポリシロキサン化合物>
式(1)、(2)、又は(3)で表されるシリコーン誘導体の別の製造方法としては、N−アシル酸性アミノ酸無水物ではなくN−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)と、前記変性オルガノポリシロキサン化合物とを反応させることによって得る方法がある。
N−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステルと変性オルガノポリシロキサン化合物とを、ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒中に溶解し、炭酸カリウム等の触媒を加え、減圧下において−5℃〜250℃で加熱反応させた後、反応溶媒を除去することで、シリコーン誘導体が得られる。または、溶媒を用いずに無溶媒で加熱溶融し、水酸化ナトリウム等の触媒を加えて室温〜250℃でエステル交換反応させることによっても得ることもできる。この場合に用いるN−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステルは、L体であることが好ましい。
変性オルガノポリシロキサンとしては上記と同様のものを用いることができる。
<製造方法3 N−アシル酸性アミノ酸と変性オルガノポリシロキサン化合物>
さらに、式(1)、(2)、又は(3)で表されるシリコーン誘導体の別の製造方法としては、N−アシル酸性アミノ酸無水物ではなくN−アシル酸性アミノ酸と、前記変性オルガノポリシロキサン化合物とを反応させることによって得る方法がある。
N−アシル酸性アミノ酸と変性オルガノポリシロキサン化合物とを、トルエン等の適当な溶媒中に溶解し、必要に応じ触媒を加え、−5℃〜250℃で加熱反応させた後、反応溶媒を除去することで得られる。または、溶媒を用いずに無溶媒で加熱溶融し、必要に応じ触媒を加えて室温〜250℃で反応させることによっても得ることもできる。この場合に用いるN−アシル酸性アミノ酸は、N−アシル−L−酸性アミノ酸であることが好ましい。変性オルガノポリシロキサンとしては上記と同様のものを用いることができる。
さらに、上述の製造方法1〜3で得られたシリコーン誘導体をアルカリで中和することによって、そのアルカリ塩を得ることができる。これらの方法で得られるシリコーン誘導体は、適宜精製手段により式(1)、(2)、又は(3)で表されるシリコーン誘導体を単離することができる。
以下で、具体的に例を示して、本実施形態に用いるシリコーン誘導体の製造における反応を説明する。例えば下記反応式(15)は、前記式(14)のN−アシル酸性アミノ酸無水物と、片末端アミノ変性オルガノポリシロキサンとを反応させてシリコーン誘導体を製造する際の反応の一例である。
(15)
(反応式(15)中、R、nは式(1)と同様であり、R、R、j、kは式(4)と同様である。Rは炭素数1〜22の炭化水素基である。)
[被覆粉体]
次に本実施形態の被覆粉体について説明する。本実施形態の被覆粉体は粉体の周りにシリコーン誘導体が被覆してなる。ここで、「被覆」とは、粉体とシリコーン誘導体間の化学結合や水素結合等の結合で粉体の周りにシリコーン誘導体が配されてもよいし、物理的な付着により粉体の周りにシリコーン誘導体が配されてもかまわない。
本実施形態で用いられる粉体としては、従来公知の粉体が使用でき、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)、粒子径(1〜100nmの超微粉、100nm〜1μmの微粉、1μm〜1000μmの粉等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。粒子径としては化粧品や医薬用途では身体に使用した場合の隠蔽性や伸展性、紫外線予防効率といった観点から10nm〜100μmが好ましく、形状としては隠蔽性や伸展性の観点から球状、棒状、板状、鱗片状が好ましい。
粉体は、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体等の有機無機複合粉体に分けられる。これらの粉体の一つとして着色料が挙げられ、着色料としては有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、無機顔料、有機顔料、金属粉顔料、無機蛍光顔料、有機蛍光顔料等の顔料や染料が挙げられる。
無機粉体としては、特に限定されないが、具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等が挙げられる。
有機粉体としては、特に限定されないが、具体的には、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンエラストマー粉体、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、アクリルパウダー、アクリルエラストマー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等が挙げられる。
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、特に限定されないが、具体的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
有色顔料としては、特に限定されないが、具体的には、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、微粒子酸化チタン、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の微粒子粉体、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
パール顔料としては、特に限定されないが、具体的には、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。
金属粉末顔料としては、特に限定されないが、具体的には、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー、ブロンズパウダー等から選ばれる粉体が挙げられる。
また、タール色素としては、特に限定されないが、具体的には、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。
無機顔料としては、特に限定されないが、具体的には、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、無水ケイ酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム塩等が挙げられる。
有機顔料としては、特に限定されないが、具体的には、植物の実の皮を粉末状にしたもの、ヒノキを粉末状にしたもの、ポリエチレン末、ポリメチルシルセスキオキサン末、ハンザエロー、ベンジジンエロー、パーマネントエロー、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ等が挙げられる。
無機蛍光顔料としては、特に限定されないが、具体的には、硫化亜鉛、ケイ酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等が挙げられる。
有機蛍光顔料としては、特に限定されないが、具体的には、シンロイヒ(株)の製品(FA−000、SX−100シリーズ、SX−1000シリーズ、SEL−1000シリーズ)等が挙げられる。
その他の粉体としては、特に限定されないが、具体的には、カーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ)、カーボンナノコイル、カーボンナノファイバー、フラーレン、等方性黒鉛、異方性黒鉛、グラファイト(人造黒鉛、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ)、ハードカーボン等の炭素粉末;種々のチタン酸塩磁器の粉末(例えば、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛);フェライト磁性粉末;等のセラミック粉末等も公知の粉体として用いることができる。
以下にそれぞれの分野ごとに適した粉体を挙げる。
水系・非水系塗料分野においては、特に限定されないが、具体的には、チタン白、ベンガラ、アルミ粉、タルク、カーボンブラック、アゾ系顔料、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
顔料印刷インキ分野においては、特に限定されないが、具体的には、カーボンブラック、アゾ系顔料、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
顔料化粧品分野においては、特に限定されないが、具体的には、タルク、(微粒子)酸化チタン、チタン、マイカ、アルミナ、ベントナイト、ベンガラ、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化クロム、群青、紺青、酸化鉄、カオリン、セリサイト、紅花色素、コチニール、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、合成又は天然のケイ酸アルミニウム等の顔料等が挙げられる。
強化ゴム・プラスチック分野においては、特に限定されないが、具体的には、クレー、炭酸カルシウム、シリカ、カーボンブラック、顔料繊維・染色分野;顔料捺染、分散染料等が挙げられる。
セメント・コンクリート分野においては、特に限定されないが、具体的には、セメント等が挙げられる。
コート紙用コーティングカラー分野においては、特に限定されないが、具体的には、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、クレー等の顔料等が挙げられる。
光触媒分野においては、特に限定されないが、具体的には、微粒子酸化チタン等が挙げられる。
本実施形態の被覆粉体において、粉体とシリコーン誘導体との割合は、粉体/シリコーン誘導体とが99.99/0.01〜0.01/99.99(質量比)であることが好ましく、99.9/0.1〜50/50(質量比)であることがより好ましく、99/1〜95/5(質量比)であることがさらに好ましく、質量比は必要に応じて調節することができる。
次にシリコーン誘導体とシリコーンで被覆された被覆粉体について説明する。本実施形態の被覆粉体の被覆層は、シリコーンをさらに含んでもよい。粉体をシリコーン誘導体とシリコーンとで被覆することは、被覆粉体の感触の点から好ましい。
本実施形態で用いるシリコーンとしては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ポリシロキサン;3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂;シリコーンゴム;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の各種変性ポリシロキサン等が挙げられる。
本実施形態の被覆粉体において、シリコーン誘導体と、シリコーンは、質量比(シリコーン誘導体/シリコーン)が、99.99/0.01〜0.01/99.99であるものが好ましく、99.9/0.1〜50/50であるものがより好ましく、99/1〜80/20であるものがさらに好ましい。前記好ましい範囲であれば、被覆粉体の感触をより向上させることができる。
次にシリコーン誘導体とN−アシルアミノ酸型界面活性剤で被覆された、被覆粉体について説明する。本実施形態の被覆粉体の被覆層は、N−アシルアミノ酸型界面活性剤をさらに含んでもよい。粉体をシリコーン誘導体と、N−アシルアミノ酸型界面活性剤とで被覆した被覆粉体は、皮膚への刺激性が小さくなるため好ましい。
本実施形態において、N−アシルアミノ酸型界面活性剤のN−アシルアミノ酸とは、アミノ酸のアミノ基に、炭素数2〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を導入したものである。N−アシルアミノ酸中のアミノ酸残基としては、特に限定されないが、具体的には、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸やω−アミノ酸等各種アミノ酸等が挙げられ、アミノ基としては、特に限定されないが、具体的には、N−メチル体、N−エチル体等が挙げられる。また、N−アシルアミノ酸は光学異性体すなわちD−体、L−体、ラセミ体のいずれでもよい。
アミノ酸の具体例としては、特に限定されないが、具体的には、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、ランチオニン、β−メチルランチオニン、シスタチオニン、ジエンコール酸、フェリニン、アミノマロン酸、β−オキシアスパラギン酸、α−アミノ−α−メチルコハク酸、β−オキシグルタミン酸、γ−オキシグルタミン酸、γ−メチルグルタミン酸、γ−メチレングルタミン酸、γ−メチル−γ−オキシグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、α,α’−ジアミノアジピン酸、β,β’−ジアミノアジピン酸、α−アミノ−γ−オキシアジピン酸、α−アミノピメリン酸、α−アミノ−γ−オキシピメリン酸、β−アミノピメリン酸、α−アミノスベリン酸、α−アミノセバシン酸、パントテン酸等が挙げられる。
アシル基の具体例としては、特に限定されないが、具体的には、炭素原子数2〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸から誘導されるものであればよく、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。好ましくは炭素数7〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸から誘導されるものであり、より好ましくは炭素数12〜24の飽和又は不飽和の脂肪酸から誘導されるものである。
N−アシルアミノ酸は、L体であると、被覆粉体を香粧品や医薬品用途に用いる際に生分解性がよくなるため好ましい。より好ましくはN−アシル‐L−酸性アミノ酸であり、さらに好ましくはN−アシル−L−グルタミン酸である。
本実施形態の被覆粉体において、シリコーン誘導体と、N−アシルアミノ酸型界面活性剤は、質量比(シリコーン誘導体/N−アシルアミノ酸型界面活性剤)が、99.99/0.01〜0.01/99.99であるものが好ましく、99.9/0.1〜50/50であるものがより好ましく、99/1〜90/10であるものがさらに好ましい。前記好ましい範囲であれば、被覆粉体を香粧品や医薬品用途に用いる際に皮膚等への刺激性がより小さくすることができ、かつ、低濃度でも被覆粉体に優れた界面活性作用を与えることができる。
本実施形態の被覆粉体の被覆層は、式(1)、(2)、及び(3)で表されるシリコーン誘導体からなる群より選ばれる1種類以上のシリコーン誘導体を含んでいれば、上記のシリコーン及びN−アシルアミノ酸型界面活性剤以外のものを含んでいてもかまわない。
本実施形態においては、粉体への被覆処理と同時に、又は被覆処理の前後に各種の表面処理が行われても構わない。表面処理の例としては、特に限定されないが、具体的には、パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理等のフッ素化合物処理;メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理等のシリコーン処理;トリメチルシロキシケイ酸処理等のシリコーン樹脂処理;気相法シリコーン処理後にアルキル鎖等を付加する方法等のペンダント処理;シランカップリング剤処理;チタンカップリング剤処理、アルミニウムカップリング剤処理等のカップリング剤処理;アルキル化シランやアルキル化シラザン処理等のシラン処理;油剤処理;ポリアクリル酸処理;ステアリン酸塩やミリスチン酸塩処理等の金属石鹸処理;アクリル樹脂処理;金属酸化物処理等が挙げられ、これらの処理を複数組み合わせて用いることも可能である。
[被覆粉体の製造方法]
本実施形態において、粉体上への被覆層の形成は公知の方法を用いることができ、例えば次のような方法が挙げられる。
被覆するシリコーン誘導体が比較的水への溶解度が大きいアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩等の場合には、例えば次のようにして製造することができる。シリコーン誘導体を水又は温水に溶解させた後、撹拌下に粉体を添加し均一に撹拌混合し、その後、この分散液を乾燥後粉砕することで被覆粉体を得ることができる。この場合の分散液の乾燥方法としては、特に限定されないが、加熱乾燥法、凍結乾燥法、噴霧乾燥法等が挙げられる。粉砕方法は、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等の通常用いる粉砕機を用いることができる。
被覆するシリコーン誘導体がカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン、ジルコニウム等の多価金属塩の場合、次のような方法で製造することができる。シリコーン誘導体の、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩等の水溶性塩を室温又は加温した水に溶解させ、これに粉体を懸濁させる。この懸濁液を撹拌しながら、多価金属の少なくとも1種以上を含む多価金属塩水溶液を徐々に添加する。これによって、粉体表面上にシリコーン誘導体の多価金属塩が吸着するので、これをろ過、水洗、乾燥して被覆粉体を得ることができる。この場合、投入順序は多価金属塩水溶液中に粉体を懸濁させた後、シリコーン誘導体の水溶性塩水溶液を添加する順序でもよい。
被覆するシリコーン誘導体が遊離酸の場合、上述のシリコーン誘導体が多価金属塩の場合において、多価金属塩水溶液の代わりに硫酸、塩酸又はリン酸等の酸の1種以上を含む水溶液を徐々に添加することで被覆粉体を得ることができる。
また、非イオン性高分子化合物、例えば種々の分子量のポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を用いて、粉体とシリコーン誘導体とともに混練して表面を被覆する方法によっても被覆処理粉体を得ることができる。この時、混練する条件は、加熱下でもよいし室温下でもよく、また水等の溶媒を添加して混練する条件でもよい。
また、前記式(1)、(2)、及び(3)で表されるシリコーン誘導体からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン誘導体を、適当な有機溶剤に溶解又は分散させ、その混合液を粉体と撹拌混合した後、有機溶剤を除去することにより、被覆粉体を得ることができる。
ここで、用いられる有機溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール等のアルコール類;トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系有機溶剤;アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の極性有機溶剤等が挙げられる。
或いは、粉体にシリコーン誘導体の塩と、例えば塩化亜鉛を反応させ、シリコーン誘導体の亜鉛塩とし、顔料にすることにより、被覆粉体を得ることができる。
この場合の処理方法としては、特に限定されないが、精製水と粉体とを混合した後、そのスラリー中にシリコーン誘導体の塩を投入し、次いで塩化亜鉛をエタノールに溶解させた溶液を徐々に滴下する。その後、水酸化ナトリウム溶液を用いて中和処理を行い、水洗、ろ過を繰り返した後乾燥及び粉砕を行いシリコーン誘導体の亜鉛塩が被覆された粉体を得ることができる。
本実施形態の被覆粉体においては、水分含量が10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましい。水分含量が上記好ましい範囲であることにより、粉体が凝集したり、他の成分と混合したりした場合に均一に混合しにくくなることを抑制することができる。
[被覆粉体を含む組成物]
本実施形態の組成物は、被覆粉体を含有する。本実施形態の被覆粉体を含有する組成物について説明する。本実施形態の被覆粉体を用いて各種組成物を製造する方法としては、特に限定されないが、被覆粉体と、分散媒等の成分とを分散機で混合分散する方法が挙げられる。分散機としては、特に限定されないが、例えば、ヘンシャルミキサー、レディゲミキサー、ニーダー、V型混合器、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、サンドミル、フローミル、ダイノーミル、アトライザー、ホモキキサー、ホモジナイザー、高速ディスパー、2軸混練機等公知の撹拌機やスプレードライを用いることができる。また、粉砕を行う場合においては、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等の通常の粉砕機を用いることができる。これらいずれの粉砕機によっても同等の品質のものが得られるため、特に限定されるものではない。
また本実施形態の被覆粉体を含有する組成物は、用途、目的に応じ、以下に挙げる分散剤、界面活性剤、油脂、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、その他のエステル油、グリセライド油、シリコーン油、揮発性及ぶ不揮発性の油分、ポリオール類、保湿剤、水溶性及び油溶性高分子、増粘、増泡成分、金属イオン封鎖剤、防腐剤、pH調整剤、ふけ・かゆみ防止剤、紫外線吸収剤、美白剤、血行促進剤、局所刺激剤、栄養剤、女性ホルモン剤、毛根賦活剤、抗炎症剤、収斂剤、清涼剤、抗ヒスタミン剤、酸化防止剤、精製水といった各種成分を含んでもよい。
ノニオン性高分子等の分散剤としては、特に限定されないが、具体的には、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類;サポニン等のグルコシド類;メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子;ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩等の陰イオン性高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、具体的には、脂肪酸塩(石鹸)アルキル硫酸エステル塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルファ−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩(SAS)、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、N−長鎖アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ナフタリンスルフォン酸塩ホルマリン縮合物等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、特に限定されないが、具体的には、アルキルベタイン類、アルキルアミドベタイン類、アルキルスルホベタイン類、イミダゾリニウムベタイン類等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、具体的には、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、具体的には、第1〜第3級脂肪アミン塩、塩化アルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、ジアルキルモルフォリニウム塩等が挙げられる。
高分子界面活性剤としては、特に限定されないが、具体的には、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントゴム等が挙げられる。
天然界面活性剤としては、特に限定されないが、具体的にはレシチン、ラノリン、コレステロール、サポニン等が挙げられる。
油脂としては、特に限定されないが、具体的には、アボガド油、アニマ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ油、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、キョウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、椿油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、ひまし油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油、パーム油、パーム核油、合成トリグリセライド、ホホバ油等が挙げられる。
炭化水素としては、特に限定されないが、具体的には、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、パラフィン、パラフィンワックス、プリスタン、ポリイソブチレン等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、特に限定されないが、具体的には、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ及びその誘導体等のロウ;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、特に限定されないが、具体的には、ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
その他のエステル油としては、特に限定されないが、具体的には、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
グリセライド油としては、特に限定されないが、具体的には、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
シリコーン油としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルポリシロキサン、ビフェニルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、アルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン等が挙げられる。
揮発性及び不揮発性の油分としては、特に限定されないが、具体的には、金属石鹸、ストレートシリコーン油、変成シリコーン油等のシリコーン類等が挙げられる。
ポリオール類としては、特に限定されないが、具体的には、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、マルチトール、マルビット液、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブタンジオール、プロパンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
保湿剤としては、特に限定されないが、具体的には、トリメチルグリジン、ソルビトール、ラフィノース、ピロリドンカルボン酸塩類、乳酸塩類、ヒアルロン酸塩類、セラミド類等が挙げられる。
水溶性及び油溶性高分子としては、特に限定されないが、具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、シリコーンレジン等が挙げられる。
増粘、増泡成分としては、特に限定されないが、具体的には、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド、テトラデセンスルホン酸塩等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレンジアミン四酢酸及びその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸及びその塩類、リン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩、ヒノキチール類等が挙げられる。
防腐剤としては、特に限定されないが、具体的には、パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸及びその塩類、フェノキシエタノール、ヒノキチール等が挙げられる。
pH調整剤としては、特に限定されないが、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられる。
ふけ・かゆみ防止剤としては、特に限定されないが、具体的には、トリクロロルカルバニリド、サリチル酸、ジンクピリチオン、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、具体的には、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等が挙げられる。
美白剤としては、特に限定されないが、具体的には、アルブチン、コウジ酸、アスコルビン酸、ヒノキチール及びその誘導体等が挙げられる。
血行促進剤としては、特に限定されないが、具体的には、センブリエキス、セファランチン、ビタミンE及びその誘導体、ガンマーオリザノール等が挙げられる。
局所刺激剤としては、特に限定されないが、具体的には、トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル等が挙げられる。
栄養剤としては、特に限定されないが、具体的には、各種ビタミンやアミノ酸等が挙げられる。
女性ホルモン剤としては、特に限定されないが、具体的には、エストラジオール、エチニルエストラジオール等が挙げられる。
毛根賦活剤としては、特に限定されないが、具体的には、パントテン酸および誘導体、月桂樹の抽出成分、プラセンタエキス、アラントイン、感光素301等が挙げられる。
抗炎症剤としては、特に限定されないが、具体的には、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン等が挙げられる。
収斂剤としては、特に限定されないが、具体的には、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸等が挙げられる。
清涼剤としては、特に限定されないが、具体的には、メントール、カンフル等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、特に限定されないが、具体的には、塩酸ジフェンヒドラミン、フマル酸クレマスチン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸プロメタジン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、具体的には、高分子シリコーン、環状シリコーン等のシリコーン系物質、トコフェロール類、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸、ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)等が挙げられる。
特に、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、テトラデセンスルホン酸塩、ミリスチン酸塩類、ミリスチルジメチルアミンとの併用は、被覆粉体を含む組成物の粘度、起泡力を増加させる点で有用であり、また、各両イオン性界面活性剤との併用は被覆粉体を含む組成物を香粧品や医薬品用途に用いた際の刺激性を一層低減させるという点に於いてきわめて有用である。
本実施形態の組成物において、被覆粉体の好ましい含有率は0.001〜99質量%、より好ましくは0.01〜90質量%であい、さらに好ましくは0.1〜50質量%である。上記好ましい範囲とすることにより、感触が良好となる。
また、被覆粉体を含有する組成物の形態についても特に限定は無く、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、ホイップ状、スプレー状等であってよい。
以下で、本実施形態の組成物について、具体的に用途を挙げて説明するが、本実施形態の組成物はこれら用途により何ら限定されるものではない。
本実施形態の被覆粉体を含む組成物は分散性に優れるため、インクジェット等の顔料系インク組成物用途にも好ましく用いることができる。
[香粧品組成物]
本実施形態の香粧品組成物は、被覆粉体を含有する。香粧品組成物とは、薬事法における医薬部外品及び化粧品の総称である。
医薬部外品としては、特に限定されないが、具体的には、口中清涼剤、腋臭防止剤、てんか粉類、養毛剤、除毛剤、染毛剤、パーマネントウェーブ用剤、浴用剤、薬用化粧品、薬用歯磨き類等を列挙することができる。
化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、清浄用化粧品、頭髪用化粧品、基礎化粧品、メークアップ化粧品、香水類、日焼け・日焼け止め化粧品、爪化粧品、口唇化粧品、口腔化粧品、浴用化粧品が挙げられる。
清浄用化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、化粧石鹸、洗顔料(クリーム・ペースト状、液・ジェル状、顆粒・粉末状、エアゾール使用等)、シャンプー、クレンジング料、石鹸、ハンドソープ、リンス等が挙げられる。
頭髪用化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、クリーム状、ミスト状、オイル状、ジェル状その他の形態の物及び枝毛コート剤を含む、染毛料、ヘアカラー、又はヘアトリートメント剤;髪油、セットローション、カーラーローション、ポマード、チック、びんつけ油、ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアリキッド、ヘアフォーム、ヘアジェル、ウォーターグリース等のヘアセット剤が挙げられる。
基礎化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、一般クリーム;クレンジングクリーム、コールドクリーム、バニシングクリーム、ハンドクリーム等の乳液;アフターシェービングクリーム、シェービングクリーム等のひげ剃り用クリーム;ハンドローション、一般化粧水等の化粧水;ローション;オーデコロン;アフターシェービングローション、シェービングローション等のひげ剃り用ローション;化粧油;パック料等が挙げられる。
メークアップ化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、白粉;クリームおしろい、固形おしろい、粉おしろい、タルカムパウダー、練りおしろい、ベビーパウダー、ボディパウダー、水おしろい等のおしろい;パウダー;パウダーファンデーション;クリーム状、液状、固形等のファンデーション;白粉;ほお紅;まゆずみ;チーク;アイクリーム;アイシャドウ;アイシャドウマスカラ;マスカラ;アイライナー;アイブロー等が挙げられる。
香水類としては、特に限定されないが、具体的には、一般香水、練り香水、粉末香水等が挙げられる。
日焼け・日焼け止め化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、日焼け・日焼け止めクリーム、日焼け・日焼け止めローション、サンスクリーン剤、日焼け・日焼け止めオイル等が挙げられる。
爪化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、爪クリーム、ネイルカラー、エナメル、エナメル除去液等が挙げられる。
口唇化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、口紅、リップクリーム等が挙げられる。
口腔化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、歯磨き等が挙げられる。
浴用化粧品としては、特に限定されないが、具体的には、入浴剤、バスソルト、バスオイル、バブルバス等が挙げられる。
その他にも、サンタン剤、デオドラント、脱毛剤、等が挙げられる。
また、本実施形態の被覆粉体は水性媒体への分散性に顕著に優れることから、浴用化粧品等の分散系化粧料に好ましく用いることができる。
本実施形態の被覆粉体を浴用化粧品として使用する場合には、粉体としては酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、硫酸バリウム、ゼオライト、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、合成又は天然のケイ酸アルミニウム等が好ましく、乳白濁効果を得ようとする場合には酸化チタンがより好ましい。
[医薬品組成物]
本実施形態の医薬品組成物は、被覆粉体を含有する。医薬品組成物とは薬事法に言う医薬品の総称であり、医薬外用剤等が挙げられ、特定の皮膚の疾患や症状の治療、予防、改善の目的で用いることができる。医薬外用剤としては、特に限定されないが、具体的には、止血用、殺菌消毒用、鎮痒用、養毛用、育毛用、メラニン生成抑制用、抗炎症用、抗菌用、ニキビケア用、抗酸化用、美白用、色素沈着の予防・改善用、シワ改善用、たるみ改善用、手荒れ治療用、虫刺され治療用、筋肉痛治療用、冷え症改善用、水虫治療用、ニキビ治療用、乾燥肌改善用、痔治療用、日焼け予防用、擦り傷治療用、火傷治療用、青あざ治療用等の外用剤を挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例で得られる試料は以下に示す評価手法のいずれかによって評価を行なった。
[評価手法]
(付着性)
パネラー5人により皮膚への付着性を官能評価で評価した。パネラーの前腕内側部皮膚9cm角に、試料0.03gを塗付した際の付着性の評価基準を以下に記す。肌へのなじみが良いとした人の人数が多いほど、付着性がよい。
肌へのなじみが良いとした人が4人以上の場合 ○
肌へのなじみが良いとした人が2〜3人の場合 △
肌へのなじみが良いとした人が1人以下の場合 ×
(隠蔽性)
パネラー5人により皮膚への隠蔽性を官能評価で評価した。パネラーの前腕内側部皮膚9cm角に、試料0.03gを塗付した際の隠蔽性の評価基準を以下に記す。化粧ムラができにくいとした人の人数が多いほど、隠蔽性が高い。
化粧ムラができにくいとした人が4人以上の場合 ○
化粧ムラができにくいとした人が2〜3人の場合 △
化粧ムラができにくいとした人が1人以下の場合 ×
(分散性、経時の分散性、再分散性)
被覆されていない粉体及び被覆粉体を、シクロメチコン:トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル=4:1の油剤に、0.1質量%となるようにそれぞれ溶解し、超音波(アズワン製超音波洗浄器USM−1、発振周波数:42kHz)で30分間処理して、分散させた。
この分散物を一部取り出し、上記と同様組成の油剤を用いて、さらに1/10に希釈して超音波にて30分間処理して、分散させた(粉体の終濃度は0.01質量%となった)。
この分散油を石英ガラスセル(東ソー製T−5−UV−10、光路幅・光路長 10mm)に入れ上部をシールでキャッピングし、分光光度計(島津製作所製UV−1200)を用いて、波長750nmで、分散直後(分散性)、72時間後(経時の分散性)における透過率を測定した。また、72時間後のサンプルをさらに上下に1秒1回のスピードで10往復振とう後、静置4時間の透過率(再分散性)を測定した。評価基準を以下に記す。
○分散性・再分散性
透過率が低いほど分散性及び再分散性が良好であるといえる。
透過率 0%以上 40%未満 ○
透過率 40%以上100%以下 ×
○経時の分散性
透過率が低いほど経時での分散性が良好であるといえる。
透過率 0%以上 70%未満 ○
透過率 70%以上100%以下 ×
(化粧持ち)
パネラー5人の前腕内側部9cm角に試料0.03g塗布し直後、6時間後の状態をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製:製品名 VHX−900)にて撮影した。マイクロスコープは偏光下で撮影を行い、化粧膜の残量を目視により評価した。評価基準を以下に記す。マイクロスコープによる目視評価について、化粧膜の残量が十分である人が多いほど長時間の使用で化粧崩れがしにくいといえる。
化粧膜の残量が十分である人が4人以上の場合 ○
化粧膜の残量が十分である人が2〜3人の場合 △
化粧膜の残量が十分である人が1人以下の場合 ×
(浮遊物の有無及び濁度)
浴用剤として一般に使用される濃度(30g/200L)の1/10スケール、即ち、試料3gを温水(40℃)20Lに添加し、攪拌混合した場合の状態を評価した。浮遊物の有無、濁度について評価を行なった。評価基準を以下に記す。浮遊物がなく、乳濁するほど入浴時等の使用に適している。
○浮遊物の有無
浮遊物がない ○
浮遊物がややある △
浮遊物がある ×
○濁度 ;かき混ぜ10分後の乳濁状態
乳濁する ○
やや乳濁する △
乳濁しない ×
(膜白さ)
パネラー5人の前腕内側9cm角に試料0.03g塗布し、膜白さを目視評価した。評価基準を以下に記す。膜白さを感じない人が多いほど肌が不自然に白くならず自然な状態で使用でき、日焼け止め等の使用に適している。
膜白さを感じない人が4人以上の場合 ○
膜白さを感じない人が2〜3人の場合 △
膜白さを感じない人が1人以下の場合 ×
[シリコーン誘導体の製造例]
(製造例1)
以下に、式(1)中、R、Xがメチル基であり、X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方が式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基で表される基であるシリコーン誘導体の製造例を示す。
両末端アミノ変性シリコーン(信越シリコーン;KF−8010)65.0gをアセトン293.4g中で混合した。この混合溶液に、室温下で攪拌しながらN−パルミトイル−L−グルタミン酸無水物60.7gを30分かけて添加し、50℃下で3時間反応を実施した。さらに常温にて24時間攪拌を継続した後、得られた反応溶液から溶媒を除去し、シリコーン誘導体(I)124.0gを得た。反応生成物はGPC(カラム(東ソー;G1000HHR+G2000HXL、溶媒;THF))、NMR(AVANCE600MHz(BRUKER BIOSPIN))により確認した。
(製造例2)
以下に、式(1)中、R、X、Xがメチル基であり、複数あるXの少なくとも一つが式(4)で表される基であるシリコーン誘導体の製造例を示す。
側鎖型アミノ変性シリコーン(信越シリコーン;KF−868)88.0gをアセトン213.3g中で混合した。この混合溶液に、室温下で攪拌しながらN−ミリストイル−L−グルタミン酸無水物3.4gを30分かけて添加し、50℃下で5時間反応を実施した。さらに常温にて24時間攪拌を継続した後、得られた反応溶液から溶媒を除去し、シリコーン誘導体(II)90.5gを得た。反応生成物はNMRにより確認した。
(製造例3)
以下に、式(1)中、Rがメチル基であり、X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方が式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基で表される基であり、複数あるXの少なくとも一つが式(4)で表される基であるシリコーン誘導体の製造例を示す。
側鎖両末端型アミノ変性シリコーン(信越シリコーン;KF−862)65.0gをアセトン237.4g中で混合した。この混合溶液に、室温下で攪拌しながらN−パルミトイル−L−グルタミン酸無水物36.7gを45分かけて添加し、50℃下で5時間反応を実施した。さらに常温にて24時間攪拌を継続した後、得られた反応溶液から溶媒を除去し、シリコーン誘導体(III)99.7gを得た。反応生成物はNMRにより確認した。
(製造例4)
以下に、式(3)で表されるシリコーン誘導体の製造例を示す。
片端型アミノ変性シリコーン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・;TSF4701)50.0gをアセトン135.1g中で混合した。この混合溶液に、室温下で攪拌しながらN−ステアロイル−L−グルタミン酸無水物7.9gを45分かけて添加し、50℃下で5時間反応を実施した。さらに常温にて24時間攪拌を継続した後、得られた反応溶液から溶媒を除去し、シリコーン誘導体(IV)57.3gを得た。反応生成物はNMRにより確認した。
(製造例5)
シリコーン誘導体(1)を水酸化ナトリウムで中和し、シリコーン誘導体のナトリウム塩(シリコーン誘導体(V))の30%水溶液(pH8.1)を得た。
(製造例6)
以下に、式(1)中、R、X、Xがメチル基であり、複数あるXの少なくとも一つが、式(6)で表される基を含む式(4)で表される基であるシリコーン誘導体の製造例を示す。
側鎖型アミノ変性シリコーン(信越シリコーン;KF−393)50.0gをアセトン220.5g中で混合した。この混合溶液に、室温下で攪拌しながらN−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物44.5gを30分かけて添加し、5時間反応を実施した。さらに常温にて24時間攪拌を継続した後、得られた反応溶液から溶媒を除去し、シリコーン誘導体(VI)93.5gを得た。反応生成物はNMRにより確認した。
(製造例7)
シリコーン誘導体(5)を水酸化ナトリウムで中和し、シリコーン誘導体のナトリウム塩(シリコーン誘導体(VII))の30%水溶液(pH8.0)を得た。
(製造例8)
以下に、式(2)中、複数あるXの少なくとも一つが式(6)で表されるシリコーン誘導体の製造例を示す。
側鎖型アミノ変性シリコーン(東レ・ダウシリコーン;FZ−3789)120.0g
をアセトン365.7g中で混合した。この混合溶液を攪拌しながら常温下でN−パルミ
トイル−L−グルタミン酸無水物36.7gを30分かけて添加し、50℃下で3時間反
応を実施した。さらに常温にて24時間攪拌を継続した後、反応溶媒から溶媒を除去し、
シリコーン誘導体(VIII)155.2gを得た。反応生成物はNMRにより確認した。
[実施例1]
(シリコーン誘導体で被覆処理した粉体の製造方法)
製造例1で得たシリコーン誘導体(I)2質量部とイソプロピルアルコール100質量部を混合し均一溶解した後、攪拌下に100nm〜100μmの酸化チタンの粉体を98質量部添加した。添加後、全体が均一になるまで攪拌混合した。その後、100℃2時間乾燥し、ボールミルで粉砕して被覆粉体として被覆処理酸化チタンを得た。同様の工程にて10nm〜100μmの、セリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カオリン、酸化亜鉛、10nm〜100nmの微粒子酸化チタンの粉体についてそれぞれ同様の被覆処理を施し、それぞれ被覆粉体を得た。
[実施例2]
(シリコーン誘導体で被覆処理した粉体の製造方法)
シリコーン誘導体(I)の代わりに製造例2で得たシリコーン誘導体(II)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆処理酸化チタンを得た。また、同様の工程にて10nm〜100μmの、セリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カオリン、酸化亜鉛、10nm〜100nmの微粒子酸化チタンの粉体についてそれぞれ同様の被覆処理を施し、それぞれ被覆粉体を得た。
[実施例3]
(シリコーン誘導体で被覆処理した粉体の製造方法)
シリコーン誘導体(I)の代わりに製造例3で得たシリコーン誘導体(III)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆処理酸化チタンを得た。また、同様の工程にて10nm〜100μmの、セリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カオリン、酸化亜鉛、10nm〜100nmの微粒子酸化チタンの粉体についてそれぞれ同様の被覆処理を施し、それぞれ被覆粉体を得た。
[実施例4]
(シリコーン誘導体で被覆処理した粉体の製造方法)
シリコーン誘導体(I)の代わりに製造例4で得たシリコーン誘導体(IV)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆処理酸化チタンを得た。また、同様の工程にて10nm〜100μmの、セリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カオリン、酸化亜鉛、10nm〜100nmの微粒子酸化チタンの粉体についてそれぞれ同様の被覆処理を施し、それぞれ被覆粉体を得た。
[実施例5]
(シリコーン誘導体のナトリウム塩で被覆処理した粉体の製造方法)
100nm〜100μmの酸化チタンの粉体1000質量部に、製造例5で得たシリコーン誘導体(V)33質量部とエタノール100質量部を滴下混合し、全体が均一になるまで混合した。その後エタノールを加温減圧下で除去し、粉砕して被覆粉体として被覆処理酸化チタンを得た。同様の工程にて10nm〜100μmの、セリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カオリン、酸化亜鉛、10nm〜100nmの微粒子酸化チタンの粉体についてそれぞれ同様の被覆処理を施し、それぞれ被覆粉体を得た。
[実施例6]
(シリコーン誘導体の亜鉛塩で被覆処理した粉体の製造方法)
精製水と100nm〜100μmの酸化チタンの粉体1000質量部を混合した後、そのスラリー中に製造例6で得たシリコーン誘導体(VI)33質量部を投入し、次いで塩化亜鉛7質量部をエタノール200質量部に溶解させた溶液を徐々に撹拌しながら滴下した。その後水酸化ナトリウム溶液を用いて中和処理を行った後、水洗、濾過を繰り返し、粉砕して被覆粉体として被覆処理酸化チタンを得た。同様の工程にて10nm〜100μmの、セリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カオリン、酸化亜鉛、10nm〜100nmの微粒子酸化チタンの粉体についてそれぞれ同様の被覆処理を施し、それぞれ被覆粉体を得た。
[実施例7]
(シリコーン誘導体で被覆処理した粉体の製造方法)
シリコーン誘導体(I)の代わりに製造例8で得たシリコーン誘導体(VIII)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、被覆処理酸化チタンを得た。また、同様の工程にて10nm〜100μmの、セリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カオリン、酸化亜鉛、10nm〜100nmの微粒子酸化チタンの粉体についてそれぞれ同様の被覆処理を施し、それぞれ被覆粉体を得た。
[比較例1]
未処理の100nm〜100μmの酸化チタン、10nm〜100μmの、セリサイト、タルク、マイカ、ベンガラ、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カオリン、酸化亜鉛、10nm〜100nmの微粒子酸化チタンの粉体を比較例とした。
[実施例8〜14及び比較例2]
(パウダーファンデーションの製造方法)
実施例1〜7で得られた被覆粉体及び比較例1の未処理粉体を用いて、表1に示した配合にて、実施例8〜14及び比較例2のパウダーファンデーションを調製した。表1中の単位は質量%であり、表1中に記載の防腐剤としてはメチルパラベンを用い、酸化防止剤としてはジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を用いた。実施例8〜14及び比較例2のパウダーファンデーションについては、付着性、隠蔽性、化粧持ちについて評価を行なった。
[実施例15〜20及び比較例3]
(パウダーファンデーションの製造方法)
実施例1〜6で得られた被覆粉体及び比較例1の未処理粉体を用いて、表2に示した配合にて、実施例15〜20及び比較例3のパウダーファンデーションを調製した。表2中の単位は質量%であり、表2中に記載の防腐剤としてはメチルパラベンを用い、酸化防止剤としてはBHTを用いた。また、表2中のジメチルポリシロキサンの6CS(6×10−6/s)、及び10,000CS(1×10−2/s)は動粘度を示す。実施例13〜18及び比較例3のパウダーファンデーションについては、付着性、隠蔽性、化粧持ちについて評価を行なった。
実施例8〜20は比較例2、3と比べて良好な付着性、隠蔽性、化粧持ちを示した。
[実施例21]
実施例1で得られた被覆処理酸化チタン及び比較例1の未処理酸化チタンの粉体を用いて分散性・経時の分散性・再分散性を評価した。結果を表3に示す。実施例1の被覆処理酸化チタンは比較例1の未処理酸化チタンと比較して良好な経時の分散性・再分散性を示した。
[実施例22〜27及び比較例4]
(リキッドファンデーションの製造方法)
実施例1〜6で得られた被覆粉体及び比較例の未処理粉体を用いて、表4に示した配合にて、実施例22〜27及び比較例4のリキッドファンデーションを調製した。表4中の単位は質量%である。表4中に記載の防腐剤としてはメチルパラベンを用い、酸化防止剤としてはBHTを用いた。実施例22〜27及び比較例4のリキッドファンデーションについては、付着性、隠蔽性、化粧持ちについて評価を行なった。実施例22〜27は比較例4と比べて良好な付着性、隠蔽性、化粧持ちを示した。
[実施例28及び比較例5]
(浴用剤の製造方法)
実施例5で得た被覆処理酸化チタン及び比較例の未処理酸化チタンを用いて、表5に示した配合にて、実施例28及び比較例5の浴用剤を調製した。表5中の単位は質量%である。
実施例28及び比較例5の浴用剤については、浮遊物の有無及び濁度について評価を行なった。評価結果を表5に示す。実施例28は比較例5と比べて浮遊物がなく、良好な濁度を示した。
[実施例29及び比較例6]
(浴用剤の製造方法)
製造例7で得たシリコーン誘導体10質量部、酸化チタンの粉体70質量部、ポリエチレングリコール(Mw20,000)10質量部、ステアリン酸8質量部、炭酸ナトリウム2質量部を100〜120℃で20分間混練し、その後、これを冷却、粉砕して被覆粉体を得た。この被覆粉体及び未処理酸化チタンを用いて、表6に示した配合にて、実施例29及び比較例6の浴用剤を調製した。表6中の単位は質量%である。実施例29及び比較例6は、浮遊物の有無及び濁度について評価を行なった。評価結果を表6に示す。実施例29は比較例6と比べて浮遊物がなく、良好な濁度を示した。
[実施例30〜35及び比較例7]
(日焼け止めの製造方法)
実施例1〜6で得られた被覆粉体及び比較例の未処理酸化亜鉛の粉体を用いて、表7の配合にて、実施例30〜35及び比較例7の日焼け止めを調製した。表7中の単位は質量%であり、1、3−ブチレングリコールをBGと略した。表7中に記載の防腐剤としてはメチルパラベンを用い、酸化防止剤としてはBHTを用いた。実施例30〜35及び比較例7の日焼け止めについては、膜白さについて評価を行なった。評価結果を表7に示す。実施例30〜35は比較例7と比べて良好な膜白さを示した。
本発明の被覆粉体は、付着性、隠蔽性を示し、分散性にも優れることから、ファンデーションや日焼け止め、浴用剤等の化粧品、医薬部外品、外用剤等の香粧品及び医薬品の分野で好適に利用できる。

Claims (10)

  1. 粉体と、該粉体上に形成された、式(1)、(2)、及び(3)で表されるシリコーン誘導体からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン誘導体を含む被覆層と、を有する、被覆粉体。
    (1)
    (式(1)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、又は水酸基であり、窒素原子を有してもよく、
    、X、及びXは、それぞれ独立に、前記Rと同様の基又は式(4)で表わされる基であり、かつX、X、及びXのうち少なくとも一つは、式(4)で表わされる基であり、
    nは、0〜300,000の整数である。)
    (2)
    (式(2)中、Rは、前記同様の基であり、
    は、それぞれ独立に、炭素数1〜22の2価の炭化水素基であり、
    は、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアリール基、分子量10,000,000以下のポリエーテル基、炭素数1〜24のアルキルエステル基、水酸基、又は水素原子であり、
    は、それぞれ独立に、前記Rと同様の基又は式(4)で表わされる基であり、かつXのうち少なくとも一つは、式(4)で表わされる基であり、
    Zは、それぞれ独立に、ポリアルキレンオキシド基であり、
    hは、それぞれ独立に、0〜300,000の整数であり、iは、それぞれ独立に、1〜300,000の整数であり、lは1〜300,000の整数である。)
    (3)
    (式(3)中、Rは、それぞれ独立に、前記同様の基であり、
    は、下記式(4)で表わされる基であり、
    pは、それぞれ独立に、1〜300,000の整数である。)
    (4)
    (式(4)中、Aは、窒素原子を有するm+1価の炭化水素基であり、
    は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基であり、
    は、それぞれ独立に、炭素数1〜23の炭化水素基であり、
    Yは、それぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基又はそれらの塩であり、
    mは1〜10の整数であり、j、kは、それぞれ独立に、0、1又は2のいずれかの整数であって、j、kは同時に0ではない。)
  2. 前記式(4)中、mが1であり、Aが式(5)で表される基である、請求項1に記載の被覆粉体。
    (5)
    (式(5)中、Rは、炭素数1〜22の炭化水素基であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基である。)
  3. 前記式(4)中、mが2であり、Aが式(6)で表される基である、請求項1に記載の被覆粉体。
    (6)
    (式(6)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜22の炭化水素基である。)
  4. 前記式(1)中、Rがメチル基であり、X、X、及びXが下記(a)〜(d)のいずれかを満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆粉体。
    (a)X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方は、式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基であり、Xは、メチル基である。
    (b)Xは、前記式(1)で定義されるRと同様であり、Xは、式(4)で表される基であり、Xは、メチル基である。
    (c)X及びXは、前記式(1)で定義されるRと同様であり、Xの少なくとも一つが式(4)で表される基である。
    (d)X及びXの一方は、式(4)で表される基であり、もう一方は、式(4)で表される基又は窒素原子を有する炭化水素基であり、Xの少なくとも一つが式(4)で表さる基である。
  5. 前記式(4)のRは、水素原子であり、Yは、カルボキシル基又はその塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の被覆粉体。
  6. 前記被覆層が、シリコーンをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆粉体。
  7. 前記被覆層が、N−アシルアミノ酸型界面活性剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆粉体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の被覆粉体を含有する、組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の被覆粉体を含有する、香粧品組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の被覆粉体を含有する、医薬品組成物。
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