以下に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
最初に、本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る固体撮像装置の回路図である。
この固体撮像装置は、CMOSイメージセンサであり、動画、静止画を問わず撮影することができる。
図1に示されるように、このイメージセンサは、平面的には画素領域Aと周辺回路領域Bとに大別され、このうちの画素領域Aには、単位画素Uが行方向と列方向に反復して複数配列される。
一方、周辺回路領域Bには、行選択回路90、信号読み出し/ノイズキャンセル回路91、コラムアンプ/AD変換回路92が図示のように形成される。このうち、行選択回路90には、一つの行内の単位画素Uに共通の行選択線SEL、リセット線RST、転送ゲート線TG、オーバーフロードレイン線OFDが電気的に接続される。そして、信号読み出し/ノイズキャンセル回路91には、一つの列内の単位画素Uに共通の垂直信号線CLが電気的に接続される。
各単位画素Uから読み出された信号電圧は、垂直信号線CLを通って信号読み出し/ノイズキャンセル回路91に入力されるが、各単位画素U内のトランジスタやフォトダイオードの製造バラツキ等により、その信号電圧にはノイズが含まれる。信号読み出し/ノイズキャンセル回路91は、このノイズを除去するために相関二重サンプリング(CDS: Corelated Double Sampling)を行った後、ノイズの無いクリアな信号電圧をコラムアンプ/AD変換回路92に出力する。
そのコラムアンプ/AD変換回路92では、信号電圧が適当な電圧値にまで増幅された後、イメージセンサの外部に出力される。
図2は、単位画素Uの回路図である。
図2に示されるように、単位画素Uは、受光量に応じた量の電子を発生するフォトダイオードPDを有すると共に、該フォトダイオードPDで発生した電子を後段の浮遊不純物拡散領域22に転送するための転送トランジスタTRTGを備える。浮遊不純物拡散領域22は、シリコン基板上にN型の不純物を導入してなり、リセットトランジスタTRRSTのソースを兼ねると共に、検出トランジスタTRSFのゲート電極に電気的に接続される。そして、検出トランジスタTRSFのソースには、選択トランジスタTRSELのドレインが電気的に接続される。
このような回路構成によれば、検出トランジスタTRSFがソースフォロワーとして機能するので、浮遊不純物拡散領域22内に蓄積された電子の量に応じて検出トランジスタTRSFのゲート電圧が変化し、フォトダイオードの受光量に応じた出力電圧が検出トランジスタTRSFのソースから得られることになる。
次に、本実施形態に係る固体撮像装置の動作について、図3を参照しながら簡単に説明する。なお、以下の説明では、図1と図2も併せて参照する。
図3は、このCMOSイメージセンサの動作を示すタイミングチャートである。
図3に示されるように、最初のステップでは、全ての行のリセット線RST(図2参照)をハイレベルにし、全行のリセットトランジスタTRRSTを一括してオン状態にする。これにより、浮遊不純物拡散領域22に残留していた電荷がリセットトランジスタTRRSTを通って外部に排出されると共に、全行の浮遊不純物拡散領域22の電位が電源線VRのリセット電圧VR(0)(例えば1.8V)に一括してリセットされる。この後に、全行のリセット線RSTがローレベルにされ、全ての単位画素UのリセットトランジスタTRRSTがオフ状態となる。なお、このステップでは、図2中のリセットトランジスタTRRST以外のトランジスタはオフ状態のままである。
次に、全ての行の転送ゲート線TGをハイレベルにし、転送トランジスタTRTGを全ての単位画素Uで一括してオン状態にする。その結果、全ての単位画素Uにおいて、フォトダイオードPDに蓄積されていた電子が転送トランジスタTRTGのチャネルを通って浮遊不純物拡散領域22に一括して転送される。更に、電子が転送されたことによって、その電子の量に応じて浮遊不純物拡散領域22の電位がΔVだけ低下する。
この後に、全行の転送ゲート線TGは再びローレベルに戻され、全ての画素の転送トランジスタTRTGが一括してオフ状態となる。
次いで、全ての行のオーバーフロードレイン線OFDをハイレベルにし、全て単位画素UのオーバーフロードレイントランジスタTROFDを一括してオン状態にし、フォトダイオードPDに残留する電子をオーバーフロードレイントランジスタTROFDから外部に排出する。この後に、全行のオーバーフロードレイン線OFDをローレベルにし、オーバーフロードレイントランジスタTROFDを全ての行で一括してオフ状態にする。
続いて、第n行目の行選択線SELをハイレベルにし、この行選択線SELに繋がるn行目の全ての選択トランジスタTRSELを一括してオン状態にする。これにより、各列の検出トランジスタTRSFのソース電圧が、その列に繋がる垂直信号線CLに信号電圧として一斉に出力されることになる。出力された信号電圧は、フォトダイオードPDの受光量を反映したものとなっており、信号読み出し/ノイズキャンセル回路91(図1参照)内においてサンプルホールドされる。その後、n行目の行選択線SELをローレベルにし、n行目の選択トランジスタTRSELをオフ状態にする。
次に、第n行目のリセット線RSTを再びハイレベルにし、第n行目のリセットトランジスタTRRSTをオン状態にする。その結果、浮遊不純物拡散領域22内の電子がリセットトランジスタTRRSTを通って外部に排出されると共に、浮遊不純物拡散領域22の電位がリセット電圧VR(0)(約1.8V)に再びリセットされる。この後に、リセット線RSTをローレベルにし、リセットトランジスタTRRSTをオフ状態にする。
次いで、第n行目の行選択線SELを再びハイレベルにし、第n行目の選択トランジスタTRSELをオン状態にする。これにより、浮遊不純物拡散領域22に電子が存在しない場合の信号電圧(以下、暗時電圧と言う)が、各列の垂直信号線CLから信号読み出し/ノイズキャンセル回路91(図1参照)に出力される。
信号読み出し/ノイズキャンセル回路91では、そこにおいて既にサンプルホールドされていた信号電圧と、上記の暗時電圧との差をとるCDSを行うことにより、信号電圧に含まれているノイズをキャンセルし、ノイズが低減された信号電圧を後段に出力する。
上記のようにして第n行目の信号を読み出した後は、第n+1行目以降の行に対してもこれと同じことを順次行うことにより、全画素の信号電圧を得て、一つの静止画像を得る。
次に、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法について説明する。
図4〜図10は、本実施形態に則した製造工程途中の固体撮像装置の要部断面図である。
なお、以下では、図11〜図14も併せて参照する。図11〜図14は、本実施形態に則した製造工程途中の固体撮像装置の要部平面図である。
最初に、図4(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、P型シリコン基板1の表面にSTI(Shallow Trench Isolation)用の溝を形成し、その溝の中に素子分離絶縁膜4としてSiO2膜を埋め込む。素子分離の構造はSTIに限られず、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)を用いても良い。
次に、画素領域Aの全面をレジストパターン(不図示)で覆いながらイオン注入を行うことにより、周辺回路領域Bのシリコン基板1にPウエル2とNウエル3とを形成する。なお、P型不純物としてはボロン、N型不純物としてはリンが使用され、各不純物に対して別々のレジストパターンを使用することにより、これらの不純物の打ち分けが行われる。
次に、周辺回路領域Bの全面を覆うレジストパターンをシリコン基板1の上に形成した後、画素領域AにP型不純物としてボロンをイオン注入することにより、画素領域AにPウエル2aを形成する。
その後に、シリコン基板1の表面に熱酸化膜を厚さ5〜10nmに形成し、それを第1絶縁膜5とする。
次に、SiH4ガスを使用する熱CVD法により、第1絶縁膜5の全面にポリシリコン膜を厚さ100〜250nmに形成する。その後に、このポリシリコン膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、第1絶縁膜5の上に第1〜第6ゲート電極6〜11及び転送ゲート12を間隔をおいて形成する。これらのうち、転送ゲート12は、転送トランジスタTRTG(図2参照)のゲート電極として機能する。
次に、図4(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。まず、Nウエル3の上に窓を有するレジストパターン(不図示)をシリコン基板1上に形成し、そのレジストパターンをマスクに使用しながら、P型不純物としてボロンをNウエル3にイオン注入する。これにより、第1ゲート電極6の両側方には、第1、第2P型不純物拡散領域13、14が形成されることになる。この後に、上記のレジストパターンは除去される。
次いで、第3ゲート電極8から第4ゲート電極9に至る部分のシリコン基板1と、Nウエル3とを覆う第1レジストパターン43を形成し、該第1レジストパターン43をマスクにしながら加速エネルギ20keV、ドーズ量4×1013cm-2の条件でシリコン基板1にリンをイオン注入する。このイオン注入の際、第2〜第4ゲート電極7〜9と転送ゲート12とがマスクとなるので、これらのゲート電極の側方には第1〜第6N型不純物拡散領域15〜20がセルフアライン的に形成されることになる。
この後に、第1レジストパターン43は除去される。
次に、図5(a)に示されるように、転送ゲート12と第4ゲート電極9との間に第1窓21aを有する第2レジストパターン21を半導体基板1の上方に形成する。その第1窓21aは、転送ゲート12の第1側面12aと、これに対向する第4ゲート電極9の第2側面9aとが露出するだけの大きさを有するように開口される。
その後に、第1〜第6N型不純物拡散領域15〜20よりも不純物濃度が薄くなるような条件、例えば加速エネルギ20keV、ドーズ量0.5〜1×1013cm-2の条件を用い、第1窓21aを通じてリン等のN型不純物を半導体基板1の表層にイオン注入することにより、第1窓21に露出する各ゲート9、12をマスクとしながらこれらの側方に浮遊不純物拡散領域22をセルフアライン的に形成する。
その後に、第2レジストパターン21は除去される。
この工程を終了後の平面図は図11のようになり、先の図5(a)の周辺回路領域Bの断面図は図11のI−I線に沿う断面に相当し、画素領域Aの断面図は図11のII−II線に沿う断面に相当する。
図11に示されるように、単位画素Uは、その周囲が素子分離絶縁膜4で囲まれると共に、浮遊不純物拡散領域22と第4N型不純物拡散領域18がともにL字状に屈曲した平面レイアウトとなっている。このような平面レイアウトを採用すると、第3ゲート電極8と転送ゲート12との間に後で形成されるフォトダイオードの受光面積を広くしながら、単位画素Uを縦横に高密度に配列することができ、デバイスの高密度化を図ることができる。
ところで、上記のイオン注入を終了した後に熱処理工程を行うと、浮遊不純物拡散領域22内のリンがシリコン基板1の横方向に拡散して転送ゲート12や第4ゲート電極9の下にまで拡散する。従って、シリコン基板1の上から見ると、浮遊不純物拡散領域22は、転送ゲート12や第4ゲート電極9と第1の幅d1で重なることになる。その幅d1は、上記のイオン注入条件では0.00〜0.05μmとなるが、そのイオン注入条件を適当に最適化することにより、0.03μmとするのが好ましい。
同様の理由より、浮遊不純物拡散領域22よりも前に形成しておいた第1〜第6N型不純物拡散領域15〜20も、第2〜第6ゲート電極7〜11と第2の幅d2で重なって見える。ところが、これら第1〜第6N型不純物拡散領域15〜20の不純物濃度は浮遊不純物拡散領域22よりも高いので、各N型不純物拡散領域15〜20の横方向の広がりは浮遊不純物拡散領域22よりも大きくなる。その結果、重なりの幅d2は、第1の幅d1よりも広くなって、約0.05μm程度となる。
次いで、図5(b)に示されるように、転送ゲート12の第1側面12aが露出する第2窓23aを有し、且つ第4ゲート電極9の第2側面9aを覆う第3レジストパターン23をシリコン基板1の上方に形成する。その第2窓23aは、第2側面9aから十分な距離D、例えば0.2μm以上の距離をおいて形成される。
そして、第1〜第6N型不純物拡散領域15〜20や浮遊不純物拡散領域22を形成したときよりも不純物濃度が高くなる条件、例えば加速エネルギ20keV、ドーズ量1〜2×1015cm-2の条件を採用して、第2窓23aを通じてリン等のN型不純物を半導体基板1の表層にイオン注入することにより、転送ゲート12寄りの浮遊不純物拡散領域22に高濃度領域22aを形成する。
このイオン注入の際、第2窓23aに露出する転送ゲート12がマスクとなるので、イオン注入の直後では、高濃度領域22aが転送ゲート12に対してセルフアライン的に形成されるが、その高濃度領域22aのリン濃度が高いので、熱処理工程を行うと、高濃度領域22a内のリンが転送ゲート12の下に多く拡散し、高濃度領域22aが転送ゲート12の下に延長された構造が得られる。
一方、第4ゲート電極9寄りの高濃度領域22aでは、第2窓22aを第4ゲート電極9から十分な距離Dだけ離したので、高濃度領域22a内のリンが第4ゲート電極9の下にまで拡散せず、高濃度領域22aが第4ゲート電極9の下にまで延長されることは無い。
この後に、第3レジストパターン23は除去される。
この工程を終了後の平面図は図12のようになり、先の図5(b)の周辺回路領域Bの断面図は図12のI−I線に沿う断面に相当し、画素領域Aの断面図は図12のII−II線に沿う断面に相当する。
図12に示されるように、高濃度領域22aの両側の縁は素子分離絶縁膜4によって画定される。そして、高濃度領域22aは転送ゲート12と第3の幅d3で重なるが、第1〜第6N型不純物拡散領域15〜20や浮遊不純物拡散領域22と比較して高濃度領域22の不純物濃度を高くしたので、その幅d3は、既述の幅d1、d2よりも広くなる。上記のイオン注入条件では、幅d3は約0.05〜0.30μmとなるが、そのイオン注入条件を適当に最適化することにより、約0.15μmとするのが好ましい。
なお、上記した工程によれば、各幅d1〜d3の大小関係は、d1<d2<d3となることに注意されたい。
次に、図6(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第3ゲート電極8と転送ゲート12との間のフォトダイオード形成領域に、加速エネルギ30〜300keV、ドーズ量1〜5×1012cm-2の条件でリンを複数回、例えば2〜4回イオン注入し、埋め込みN型不純物拡散層24を形成する。このようにイオン注入を複数回に分けて行うことにより、埋め込みN型不純物拡散層24を基板深くに形成することができると共に、不純物の濃度プロファイルを深さ方向で一様に均すことができる。
その後に、加速エネルギ10〜30keV、ドーズ量約1×1013cm-2の条件で、埋め込みN型不純物拡散層24の表層にボロンをイオン注入してP+シールド層25を形成する。これにより、転送ゲート12の側面のうち、第1側面12aとは反対側の第3側面12bの側方に、P型のシリコン基板1、埋め込みN型不純物拡散層24、及びP+シールド層25で構成されるP+NP型の埋め込みフォトダイオードPDが形成される。P+シールド層25は、その下の埋め込みN型不純物拡散層24がSiO2よりなる第1絶縁膜5と広く接するのを防止し、埋め込みN型不純物拡散層24と第1絶縁膜5との界面に沿ったジャンクションリークを低減する役割を担う。
なお、上記したリンやボロンの打ち分けは、各不純物に別々のレジストを用いて行われる。
次いで、図6(b)に示すように、第1〜第6ゲート電極6〜11、各不純物拡散領域13〜20、及び浮遊不純物拡散領域22を覆う第2絶縁膜26としてSiO2膜をCVD法により厚さ約100nm程度に形成する。なお、減圧CVD法により形成されたシリコン窒化膜を第2絶縁膜26として用いてもよい。このようにシリコン窒化膜を形成する場合、成膜時の基板温度は例えば700〜800℃に保持される。
その後、図7(a)に示すように、浮遊不純物拡散領域22の上の第2絶縁膜26を覆う第4レジストパターン27を形成した後、この第4レジストパターン27をマスクに使用しながら、RIE(Reactive Ion Etching)によって第1、第2絶縁膜5、26を異方的にエッチングする。その結果、各ゲート電極6〜11の側面において第2絶縁膜26が絶縁性サイドウォール26a〜26jとして残されると共に、第1絶縁膜5がパターニングされて各ゲート電極6〜11の下にゲート絶縁膜5a〜5eとして残される。
なお、第4レジストパターン27の下の第2絶縁膜26はエッチングされずに残る。また、ゲート絶縁膜5cは、第3、第4ゲート電極8、9及び転送ゲート12に共通となる。
この後に、第4レジストパターン27は除去される。
次に、図7(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2〜第6ゲート電極7〜11と、その側面に形成された絶縁性サイドウォール26c〜26jとをマスクに使用しながら、加速エネルギ20keV、ドーズ量2×1015cm-2の条件で、第1〜第6N型不純物拡散領域15〜20にリンを高濃度に注入し、各N型不純物拡散領域15〜20をLDD(Lightly Doped Drain)構造にする。更に、これと同程度の条件で、第1、第2P型不純物拡散13、14にボロンをイオン注入し、P型不純物拡散13、14もLDD構造にする。
続いて、各不純物拡散層13〜20と各ゲート電極6〜11のそれぞれの表面に形成された自然酸化膜をHF処理等によって除去した後、スパッタ法によりコバルト層を全面に約5〜30nmの厚さに形成する。なお、コバルト層に代えて、チタン層やニッケル層等の高融点金属層を形成してもよい。
次に、基板温度650〜750℃、処理時間約30〜90秒のRTA(Rapid Thermal Anneal)を行うことにより、コバルト層とシリコンとを反応させ、各不純物拡散層13〜20の表面にコバルトシリサイド層28a〜28hを形成する。そのコバルトシリサイド層は、各ゲート電極6〜11の上面にも形成され、これらのゲート電極6〜11が低抵抗化される。この後に、未反応のコバルト層をウエットエッチングして除去する。
ここまでの工程により、周辺回路領域Bには、Pチャネル型、Nチャネル型の周辺トランジスタTRP、TRNが隣り合ったCMOS(Complementary MOS)構造が形成される。各周辺トランジスタTRP、TRNは、それぞれP型不純物拡散領域13、24やN型不純物拡散領域15、16をソース/ドレイン領域とする。
また、画素領域Aにおいては、オーバーフロードレイントランジスタTROFD、転送トランジスタTRTG、リセットトランジスタTRRST、検出トランジスタTRSF、選択トランジスタTRSELが図示のように形成される。これらのトランジスタのうち、転送トランジスタTRTGは、フォトダイオードPDをソース領域とし、浮遊不純物拡散領域22をドレイン領域とする。
なお、第4ゲート電極9の側面のうち、第2側面9aとは反対側の第4側面9bの側方に露出する第4N型不純物拡散領域18は、リセットトランジスタTRRSTのドレイン領域として機能する。そして、浮遊不純物拡散領域22は、このリセットトランジスタTRRSTのソース領域として機能する。
そして、検出トランジスタTRSFは、第4N型不純物拡散領域18をソース領域とすると共に、第5N型不純物拡散領域19をドレイン領域とする。
この工程を終了後の平面図は図13のようになり、先の図7(b)の周辺回路領域Bの断面図は図13のI−I線に沿う断面に相当し、画素領域Aの断面図は図13のII−II線に沿う断面に相当する。
次に、図8(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、シリコン基板1の全面に、第3絶縁膜29としてSiO2膜をHDPCVD(High Density Plasma CVD)法により形成し、各トランジスタTRP、TRN、TROFD、TRTG、TRRST、TRSF、TRSELの間のスペースをその第3絶縁膜29で埋め込む。その後に、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により第3絶縁膜29の上面を研磨して平坦化すると共に、シリコン基板1の平坦面上での第3絶縁膜29の厚さを約700nm程度にする。
その後に、第3絶縁膜29の上にフォトレジストを塗布し、それを露光・現像することにより、高濃度領域22a上にホール形状の窓を備えたレジストパターン(不図示)を形成する。次いで、CF4とCHF3との混合ガスをエッチングガスとして使用すると共に、SiO2のエッチレートがシリコンのエッチレートよりも高くなるような第1のエッチング条件を用いるRIEにより、高濃度領域22a上のゲート絶縁膜5c、第2絶縁膜26、及び第3絶縁膜29に第1ホール29aを形成する。
この後に、第3絶縁膜29上のレジストパターンは除去される。
次に、図8(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、各コバルトシリサイド28a〜28f、28hの上にホール形状の窓を備えたレジストパターン(不図示)を第3絶縁膜29の上に形成する。そして、CF4とCHF3との混合ガスをエッチングガスとして使用し、SiO2のエッチレートがコバルトシリサイドのエッチレートよりも高くなるような第2のエッチング条件を用いるRIEにより、各コバルトシリサイド層28a〜28f、28hの上に第2ホール29b〜29hを形成する。
ところで、上記では、第1ホール29aと第2ホール29b〜29hとを別々のエッチング条件で形成したが、これに代えて、各ホール29a、29bを同じエッチング条件で同時に形成することも考えられる。しかしながら、この方法では、エッチングストッパとなるコバルトシリサイド層28a〜28f、28hによって第2ホール29b〜29hの下ではエッチングが停止するのに対し、第1ホール29aの下にはエッチングストッパとなる膜が無いので、第1ホール29a下のシリコン基板1が掘られてしまい、第1ホール29aのコンタクト特性がばらつくという不都合を招いてしまう。
これに対し、上記のように、第1ホール29aと第2ホール29b〜29hとを別々に形成し、シリコンがエッチングストッパとなる第1のエッチング条件で第1ホール29aを形成することにより、第1ホール29aのエッチングをシリコン基板1の上面上で停止させることができ、第1ホール29aのコンタクト特性が単位画素U毎にばらつくのを防ぐことができる。
なお、ホールの形成順序を上とは逆にし、第2のエッチング条件で第2ホール29b〜29hを形成した後に、第1のエッチング条件で第1ホール29aを形成しても上記と同様の利点を得ることができる。
次に、図9に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
最初に、第1、第2ホール29a、29b〜29hの内面と第3絶縁膜29の上面に、グルー膜としてスパッタ法によりTi膜とTiN膜を順に形成する。そのTi膜とTiN膜は、例えば、共に30nm程度の厚さに形成される。次いで、WF6ガスを使用するCVD法によりこのグルー膜上にW(タングステン)膜を形成し、第1、第2ホール29a、29b内をこのW膜で完全に埋め込む。その後に、第3絶縁膜29の上面に形成された余分なグルー膜とW膜とをCMP法により除去し、これらの膜を第1、第2導電性プラグ30a、30b〜30hとして第1、第2ホール29a、29b〜29hの中に残す。
その第1導電性プラグ30aは、高濃度領域22aと電気的に接続され、第2導電性プラグ30b〜30hは、その下にあるコバルトシリサイド層28a〜28hを介して各不純物拡散領域13〜20と電気的に接続される。
続いて、第3絶縁膜29と各導電性プラグ30a、30b〜30hのそれぞれの上面上に、金属積層膜として厚さ30nmのTi膜、厚さ30nmのTiN膜、厚さ300〜500nmのAl膜、厚さ5〜10nmのTi膜、厚さ50〜100nmのTiN膜をこの順にスパッタ法により形成する。その後に、この金属積層膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、各導電性プラグ30a、30b〜30hと電気的に接続される一層目金属配線31とする。
この工程を終了後の平面図は図14のようになり、先の図9の周辺回路領域Bの断面図は図14のI−I線に沿う断面に相当し、画素領域Aの断面図は図14のII−II線に沿う断面に相当する。但し、図14では、第2、第3絶縁膜26、29を省略してある。
図14に示されるように、各ゲート6〜11の上には、第3導電性プラグ30p〜30vが形成されるが、これらの導電性プラグは第2導電性プラグ30b〜30h(図9参照)と同時に形成される。そして、第1導電性プラグ30a上の一層目金属配線31は、第5ゲート電極10上の第3導電性プラグ30u上にまで延在し、これにより浮遊不純物拡散領域22と検出トランジスタTRSFのゲート(第5ゲート電極10)とが電気的に接続された構造が得られる。なお、これ以外の一層目金属配線31は、図の簡略化のため、図14では省略してある。
次に、図10に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、一層目金属配線31と第3絶縁膜29の上に、第4絶縁膜32としてHDPCVD法によりSiO2膜を形成した後、その第4絶縁膜膜32の上面をCMP法により研磨して平坦化する。その後、第1、第2導電性プラグ30a、30bや一層目金属配線31と同じような工程を行うことにより、第4導電性プラグ33と二層目金属配線34を形成する。
更に、このような工程を繰り返し行い、第5絶縁膜35、第5導電性プラグ36、三層目金属配線37、第6絶縁膜38、第6導電性プラグ39、四層目金属配線40をこの順に形成する。
これらのうち、最上層の金属配線となる四層目金属配線40は、フォトダイオードPDの上に窓40aを有すると共に、フォトダイオードPD以外の部分の画素領域Aを覆うように形成され、フォトダイオードPDに不要な光が入射するのを防ぐ遮光膜としての機能も兼ねる。
続いて、この四層目金属配線40を覆う第7絶縁膜41としてSiO2膜をHDPCVD法により形成した後、その第7絶縁膜41の上面をCMP法により研磨して平坦化する。
そして最後に、デバイスを保護するカバー膜42としてSiN膜を第7絶縁膜41上にプラズマCVD法により厚さ300〜700nm程度に形成する。
以上により、本実施形態に係る固体撮像装置基本構造が完成する。この固体撮像装置は、CMOSプロセスと両立して作製されたCMOSイメージセンサである。
上記した本実施形態によれば、図13の平面図に示したように、浮遊不純物拡散領域22に高濃度領域22aを設け、該高濃度領域22aからの不純物の拡がりを利用して転送ゲート12の側面12aが浮遊不純物拡散領域22に重なるようにし、且つ、その重なりの幅d3を周辺トランジスタにおける重なり幅d2よりも広くした。
このようにすると、図15のポテンシャル図に示されるように、転送ゲート12に正電位を与えて転送ゲート12下のチャネルをオンすると、転送ゲート12と浮遊不純物拡散領域22とのオーバーラップ容量によって、浮遊不純物拡散領域22の電位が転送ゲート22の正電位側に引き上げられる。従って、フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22転送される電子から見ると、不純物拡散領域22のポテンシャルが深くなるので、電子の転送経路に沿ってポテンシャルの勾配が急になり、フォトダイオードPDから不純物拡散領域22に電子をスムーズに転送することができる。
更に、図3のタイミングチャートに示したように、電荷転送以外のときには、転送ゲート線TGがローレベルになるので、上記のオーバーラップ容量を通じて浮遊不純物拡散領域22の電位も下がり、浮遊不純物拡散領域22とシリコン基板1との間の電位差を下げることができ、これらの間のジャンクションリークを低減することができる。
しかも、図13に示した第3の幅d3は、転送ゲート12のゲート長よりも短く、特許文献2のように転送ゲート12の下の全面の導電性をN型にしていないので、転送ゲート12を接地電位にすることでその下のチャネルを完全にオフ状態にすることができる。そのため、フォトダイオードPDで発生した電子が、特許文献2のように転送前に転送ゲート12の下を通って浮遊不純物拡散領域22に溢れ出すことが無いので、特許文献2よりも多くの電子を転送前にフォトダイオードPDに蓄積することができる。この結果、その電子を電圧に変換してなる信号電圧の大きさが特許文献2よりも大きくなるので、信号電圧のS/N比が小さくなるのを防ぎつつ、電子の転送効率を向上させることができる。
更に、本実施形態では、図13の平面図に示したように、浮遊不純物拡散領域22の第4ゲート電極9側の不純物濃度を、周辺トランジスタTRNのN型不純物拡散領域15、16よりも薄くすることにより、浮遊不純物拡散領域22の不純物が第4ゲート電極9の下に拡散するのを抑え、第4ゲート電極9と浮遊不純物拡散領域22との重なりの幅d1を周辺回路における重なり幅d2よりも狭くした。
これによれば、浮遊不純物拡散領域22をリセットする際に、リセットトランジスタTRRSTの第4ゲート電極9をオンからオフにしたとき、第4ゲート電極9と浮遊不純物拡散領域22との対向面積が小さいので、これらの間のオーバーラップ容量が小さくなり、そのオーバーラップ容量を通じて不純物拡散領域22の電位が第4ゲート電極9の接地電位側に引き下げられ難くなる。そのため、電子を浮遊不純物拡散領域22に転送する際、その浮遊不純物拡散領域22の深いポテンシャルを維持することが可能となるので、電子をスムーズに転送することができる。
更にまた、図13の平面図に示したように、転送ゲート12のチャネル幅W1を第4ゲート9のチャネル幅W2よりも広くしたので、転送ゲート12が浮遊不純物拡散領域22に重なる面積を、第4ゲート9が浮遊不純物拡散領域22に重なる面積よりも相対的に大きくすることができる。これにより、浮遊不純物拡散領域のポテンシャルを深くすることが容易となり、電荷転送が一層効率的になる。
そして、本実施形態では、図14の平面図に示したように、第5ゲート電極10を浮遊不純物拡散領域22に電気的に接続するための第3導電性プラグ30aを高濃度領域22a上に設ける。このようにすると、第3導電性プラグ30aを埋め込むための第1ホール29a(図9参照)が、転送ゲート12のゲート長方向に位置ずれして素子分離絶縁膜4(図14参照)の端にかかり、素子分離絶縁膜4がある程度削られても、高濃度領域22aが高濃度で深く形成されているので、高濃度領域22a下のシリコン基板1に第3導電性プラグ30aが到達し難くなる。その結果、高濃度領域22aを形成せずに、薄くて浅い浮遊不純物拡散領域22のみを形成する場合と比較して、P型のシリコン基板1とN型の浮遊不純物拡散領域22とのジャンクションリークが第3導電性プラグの下において生じ難くなり、イメージセンサの画質を高めることができる。
更に、この第3導電性プラグ30aは、幅がW1(図13参照)と広くなっている部分の高濃度領域22a上に形成されるので、幅方向の位置合わせマージンを広くすることができる。
また、転送ゲート12のゲート長方向に第1ホール29aが位置ずれをしない場合であっても、その第1ホール29aを高濃度領域22a上に形成することで、第1ホール29aのエッチングの際にシリコン基板1の表層が多少削られても、第1導電性プラグ30aがシリコン基板1と直接コンタクトすることが無い。よって、高濃度領域22aを形成しない場合に必要な、第1ホール29a内へのリンのコンタクト補償イオン注入(加速エネルギ30keV、ドーズ量1×1014cm-2程度)や、注入されたリンを活性化するための活性化アニール(基板温度800℃、処理時間30秒程度)等の工程を省くことができ、工程の簡略化を図ることができる。
図16(a)、(b)は、上記の利点を定性的に説明するために、本実施形態のCMOSイメージセンサの断面に各種の容量C2、C3、C5を書き加えた図である。各結合容量の意味は次の通りである。
C2…転送ゲート12と浮遊不純物拡散領域22とのオーバーラップ容量
C3…第4ゲート電極9と浮遊不純物拡散領域22とのオーバーラップ容量
C5…浮遊不純物拡散領域22とシリコン基板1との間のジャンクション容量
図16(a)は、浮遊不純物拡散領域22のリセット動作を終了する時の断面図である。この動作は、第4ゲート電極9のゲート電圧を、正電位のVg(1)から0Vにし、オン状態にあったリセットトランジスタTRRSTをオフ状態にすることにより行われる。
このとき、リセットトランジスタTRRSTがオン状態、オフ状態における浮遊不純物拡散領域22内の電子の量は、リセット電圧をVR(0)(>0)、リセット後の浮遊不純物拡散領域22の電位をVR(1)として、
TRRSTがオン状態:C2(VR(0)−0)+C3(VR(0)−Vg(1))+C5(VR(0)−0) …(1)
TRRSTがオフ状態:C2(VR(1)−0)+C3(VR(1)−0)+C5(VR(0)−0) …(2)
となるので、(1)、(2)を等しいとすると、
VR(0)−VR(1) = C3・Vg(1)/(C2+C3+C5) …(3)
を得る。
なお、実際には、TRRSTがオン状態になると、TRRSTのチャネル部の反転層に元々存在していた電荷も浮遊不純物拡散領域22に流れ込むので、TRRSTがオン状態とオフ状態のそれぞれにおける浮遊不純物拡散領域22内の電荷は上記のように等しくはならない。但し、実使用条件では、浮遊不純物拡散領域22にVR(0)を書き込んだ後、TRRSTのチャネル部が弱反転に近い状態になるので、(1)と(2)を等しいとしてもその誤差は小さい。
次に、フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22に電荷を転送する場合(図15(b)参照)を考える。この転送動作は、転送ゲート12の電圧を0Vから正電位のVg(2)にし、オフ状態にあった転送ゲート12下のチャネルをオン状態にすることにより行われる。
このようにゲート12がオン状態になると、フォトダイオードPDに蓄積されていた全ての電子が浮遊不純物拡散領域22に転送され、フォトダイオードPDと転送ゲート12下のチャネルは空乏化した状態となる。
また、転送ゲート12下のチャネルがオン状態とオフ状態のそれぞれの場合における浮遊不純物拡散領域22内の電子の量は、転送後の浮遊不純物拡散領域22の電位がVR(2)になるとすると、
転送ゲート12がオフ状態:C2(VR(1)−0)+C3(VR(1)−0)+C5(VR(1)−0) …(4)
転送ゲート12がオン状態:C2(VR(2)−Vg(1))+C3(VR(2)−0)+C5(VR(2)−0) …(5)
となる。
フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22に転送されてきた電子の量をQ(電子なので<0)とすると、転送によって増大した浮遊不純物拡散領域22の電子の量がQに等しいので、
(転送ゲート12がオン状態での浮遊不純物拡散領域22内の電子量)=(転送ゲート12がオフ状態での浮遊不純物拡散領域22内の電子量)+Q
となり、これと(4)、(5)より、
VR(2)−VR(1)=C2・Vg(2)/(C2+C3+C5)+Q/(C2+C3+C5) …(6)
を得る。
そして、リセット電圧VR(0)と、電荷転送後の浮遊不純物拡散領域22の電圧VR(2)との差は、(3)、(6)より、
VR(2)−VR(0)=(C2・Vg(2)+Q−C3・Vg(1))/(C2+C3+C5) …(7)
となる。
この(7)式より、VR(2)−VR(0)は、転送されてきた電子の量Qに比例することが理解される。そして、その比例係数を、電子の量から電圧への変換効率(又は感度)と解釈すると、
変換効率(感度)=1/(C2+C3+C5) …(8)
となる。
図17(a)は、VR(2)−VR(0)のC2依存性を示すグラフであり、図17(b)は、変換効率(感度)のC2依存性を示すグラフである。
これらのグラフでは、いずれも、Vg(1)=Vg(2)=2.8V、C3=0.3fF、C5=0.7fF、Q=−8×10-16(電子5000個の電荷量)としている。
図17(a)に示されるように、VR(2)−VR(0)は、C2が大きいほど大きくなる。VR(2)−VR(0)は、電荷転送時に浮遊不純物拡散領域22のポテンシャルがどのくらい深くなるかを示すので、C2が大きいほど、すなわち転送ゲート12が浮遊不純物拡散領域22により広い面積で重なるほど、フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22に電子を効率良く転送できることになる。
一方、図17(b)に示されるように、変換効率(感度)はC2が大きいほど小さくなって、感度が低下する。
そこで、転送効率と感度の両方が考慮された一つの指標として、(7)式と(8)式との積を考える。その積は、C2に対して単調増加の(7)と、単調減少の(8)との積なので、最大値を持つ。その最大値を与えるC2の値をC2maxとすると、d((7)×(8))/d(C2)=0の条件より、
C2max=(1+2 Vg(1)/Vg(2))C3+C5−2Q/Vg(2) …(9)
を得る。
(7)×(8)のグラフは、図18のようになり、C2<C2maxの範囲(ハッチングをかけた部分)でC2を調節することにより、電荷転送効率と感度との両立を図ることができる。
また、浮遊不純物拡散領域22と第4ゲート電極9との重なりの幅d1を狭くしてC3を小さくすると、(9)式からC2maxが小さくなるので、(8)式からより感度の高い領域で画素の性能を最適化することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5(a)と図19を参照しながら説明する。図19は、本実施形態に則した製造工程途中の固体撮像装置の要部断面図である。
第1実施形態では、二枚のレジストパターン(第2、第3レジストパターン21、23)を用いてイオン注入を二回行うことにより、高濃度領域22aを備えた浮遊不純物拡散領域22を形成した。
これに対し、本実施形態では、以下のような方法で高濃度領域22aを形成する。
まず、第1実施形態で説明した図5(a)の工程を行い、厚さが約1μmの第1レジストパターン21を用いて浮遊不純物拡散領域22を形成する。
次いで、図19に示すように、その第1レジストパターン21を除去せずに、第4ゲート電極9の第2側面9aから第1レジストパターン21の影が延びるような方向(例えばチルト角20度)にシリコン基板1を傾けながら、加速エネルギ20keV、ドーズ量1〜2×1015cm-2の条件で、シリコン基板1の表層に第1窓21aを通じてリンを斜めイオン注入することにより、高濃度領域22aを形成する。
なお、この斜めイオン注入におけるチルト角とは、リンの導入方向がシリコン基板1の法線と成す角(<90度)のことを言う。
上記の方法によれば、第1窓21aの影が第2側面9aから長さL、例えば約0.36μmで現れ、影となった部分には高濃度領域22aが形成されずにリンの濃度は薄いままとなり、浮遊不純物拡散領域22と第4ゲート電極4とのオーバーラップ容量を低減でき、第1実施形態と同様の利点を得ることができる。
特に、影の長さLを十分に長く、例えば0.2μm以上とすることにより、高濃度領域22aのリンが拡散しても第4ゲート電極9の下にまでは至らなくなるので、浮遊不純物拡散領域22と第4ゲート電極9とのオーバーラップ容量を確実に低減できる。
なお、第1レジストパターン21の厚さが1μmの場合は、チルト角を10度以上とすることにより、第1レジストパターン21の影の長さLを0.2μm以上にすることができる。
更に、この方法によれば、転送ゲート12の第1側面12aの下へリンが打ち込まれるので、リンが拡散する前に高濃度領域22aを転送ゲート12に重複させることができる。従って、時間が経過してリンが拡散すると、第1実施形態と比較して高濃度領域22aが転送ゲート12に大きく重複するので、これらの間のオーバーラップ容量が一層大きくなり、第1実施形態よりも電荷転送効率を更に向上させることができる。
ところで、二枚のレジストレジストパターンを用いる方法(第1実施形態)と、斜めイオン注入を用いる方法(本実施形態)のどちらを採用するかについては、単位画素Uの平面レイアウトに基づいて決定するのが好ましい。
図20(a)、(b)に示すように、各ゲート9、12下を流れる電荷の移動方向の単位ベクトルn1、n2を考えたとき、n1、n2の内積n1・n2が0又は正の値になる平面レイアウトでは、第1実施形態と本実施形態のいずれを採用しても良い。
ところが、図20(c)に示すように、上記の内積n1・n2が負になるようなレイアウトで斜めイオン注入を行うと、第1レジストパターン21の第1窓21aの影が転送ゲート12寄りの浮遊不純物拡散領域22にもできてしまうので、高濃度領域22aが転送ゲート12から離れ、これらの間に大きなオーバーラップ容量を作り出せなくなる恐れがある。よって、この場合は、第1実施形態のように、二枚のレジストパターンを用いて浮遊不純物拡散領域22と高濃度領域22aとを形成するのが好ましい。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で説明した転送ゲート12の平面レイアウトの変形例について説明する。
図21は、本実施形態に係る固体撮像装置の要部平面図である。図21では、第1実施形態で説明した部材には、第1実施形態と同様の符号を付してある。
図21に示すように、本実施形態では、シリコン基板1の上から見た場合に、浮遊不純物拡散領域22の縁に沿って延びる延長部12cを転送ゲート12に設ける。このようにすると、第1実施形態と比較して、転送ゲート12と浮遊不純物拡散領域22との対向面積を広げることができ、これらの間のオーバーラップ容量が更に大きくなるので、フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22への電荷転送効率を一層向上させることができる。
なお、このように転送ゲート12を凹凸状にすることにより、転送ゲート12と浮遊不純物拡散領域22とのオーバーラップ容量を十分大きく確保できるなら、高濃度領域22aを形成しなくてもよい。
また、上記の平面レイアウトに代えて、図22(a)に示すように、浮遊不純物拡散領域22の側に張り出した凸部を転送ゲート12に設けてもよい。
更に、図22(b)に示すように、浮遊不純物拡散領域22と重なる部分の転送ゲートに、フォトダイオードPD側に凹んだ凹部を設けてもよい。
図22(a)、(b)のようにしても、図21の場合と同じ利点を得ることができる。
(第4実施形態)
第1、第2実施形態では、転送ゲート12のゲート長を、リセットトランジスタTRRSTを構成する第4ゲート10のゲート長と略同じに描いたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図23に示されるように、転送ゲート12のゲート長L1を第4ゲート10のゲート長L2よりも長くしてもよい。
このようにすると、転送ゲート12と高濃度領域22aとを大きく重複させても、各ゲート10、12のゲート長が同じ場合と比較して、転送ゲート12下のチャネル長が長くなるので、転送ゲート12下でのショートチャネル効果を抑止でき、転送ゲート12の特性が単位画素U毎に大きくばらつくのを防ぐことができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法について説明する。
図24〜図30は、本実施形態に則した製造工程途中の固体撮像装置の要部断面図である。これらの図において、第1実施形態で既に説明した部材には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
なお、これらの図においては、発明の理解を助けるために、画素領域Aの第1断面と第2断面とを併記してある。これらのうち、第1断面は、図11のII−II線に沿う断面図に相当し、第2断面は、図11のIII−III線に沿う断面図に相当する。
また、以下では、必要に応じて図31も参照する。図31は、本実施形態に則した製造工程途中の固体撮像装置の要部平面図である。
まず、第1実施形態で説明した図6(b)の工程を行った後、図24に示すように、SiH4とPH3との混合ガスを使用する熱CVD法により、基板温度を400〜600℃に保持しながら第2絶縁膜26上にリンドープトアモルファスシリコン膜を厚さ50nmに形成し、それを第1導電膜50とする。
次に、図25に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1導電膜50の上に不図示のレジストパターンを形成する。そのレジストパターンには、ホール形状の窓が高濃度領域22a上と第5ゲート電極10上とに形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとして使用しながら、塩素を含むガスをエッチングガスとして使用するRIEにより、レジストパターンの窓の下の第1導電膜50にホールを形成する。次いで、CF4とCHF3との混合ガスをエッチングガスとするRIEにより、第1導電膜51のこのホール下の第1、第2絶縁膜5、26に第3ホール26kと第4ホール26mを形成する。この後に、レジストパターンは除去される。
続いて、第3、第4ホール26k、26mの底面に形成された数nmの厚さの自然酸化膜をHF溶液でエッチングし、各ホール26k、26m内にシリコンの清浄面を出す。そのHF溶液の濃度は、例えば数%に調整される。
このHF処理の際、SiO2よりなる第2絶縁膜26は、HFに対してエッチング耐性のある第1導電膜50で覆われているので、エッチングされて膜減りすることが無い。但し、その膜減りを予め見込み、第2絶縁膜26を十分厚く形成しておけば、第1導電膜50を省略してもよい。
この後に、第1導電膜50と同じ成膜条件を採用して、第3、第4ホール26k、26mの内面と第1導電膜50上とにリンドープトアモルファスシリコン膜を厚さ50nmに形成し、それを第2導電膜51とする。
次いで、図26に示すように、浮遊不純物拡散領域22を覆う第5レジストパターン53を第2導電パターン51の上に形成する。そして、CF4とCHF3との混合ガスをエッチングガスとするRIEにより、第5レジストパターン53で覆われていない部分の第1、第2導電膜50、51をエッチングして除去すると共に、各導電膜50、51を第4レジストパターン53の下に導電パターン52として残す。
この導電パターン52は、第3、第4ホール26k、26mを介して高濃度領域22aと第5ゲート電極10とを電気的に接続する配線として機能する。
この後に、第4レジストパターン53は除去される。
この工程を終了後の平面図を示すと図31のようになり、先の図26における周辺回路領域Bの断面は図31のI−I線に沿う断面図に相当する。そして、図26の画素領域A(第1断面)は、図31のII−II線に沿う断面図に相当し、画素領域(第2断面)は図31のIII−III線に沿う断面図に相当する。
次に、図27に示すように、フォトダイオードPD、浮遊不純物拡散領域22、及び導電パターン52を覆う第6レジストパターン54を第2絶縁膜26の上に形成した後、この第6レジストパターン54をマスクに使用しながらRIEによって第1、第2絶縁膜5、26を異方的にエッチングする。その結果、各ゲート電極6〜11の側面において第2絶縁膜26が絶縁性サイドウォール26a〜26jとして残されると共に、第1絶縁膜5がパターニングされ、各ゲート電極6〜11の下面にゲート絶縁膜5a〜5eとして残される。
なお、第6レジストパターン54の下の第2絶縁膜26はエッチングされずに残る。また、ゲート絶縁膜5cは、第3、第4ゲート電極8、9及び転送ゲート12に共通となる。
この後に、第6レジストパターン54は除去される。
続いて、図28に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2〜第6ゲート電極7〜11と、その側面に形成された絶縁性サイドウォール26c〜26jとをマスクに使用しながら、加速エネルギ20keV、ドーズ量2×1015cm-2の条件で、第1〜第6N型不純物拡散領域15〜20にリンを高濃度に注入し、各N型不純物拡散領域15〜20をLDD構造にする。更に、これと同程度の条件で、第1、第2P型不純物拡散13、14にボロンをイオン注入し、これらのP型不純物拡散13、14もLDD構造にする。
続いて、不純物拡散層13〜20、ゲート電極6〜11、及び導電パターン52のそれぞれの表面に形成された自然酸化膜をHF処理等によって除去した後、スパッタ法によりコバルト層を全面に約5〜30nmの厚さに形成する。
次に、基板温度650〜750℃、処理時間約30〜90秒のRTAを行うことにより、コバルトとシリコンとを反応させる。その結果、各不純物拡散層13〜20、導電パターン52、及び第6ゲート絶縁膜11は、それらの表面にコバルトシリサイド層28a〜28h、55a、55bが形成されて低抵抗化されることになる。この後に、未反応のコバルト層をウエットエッチングして除去する。
次に、図29に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2絶縁膜26、絶縁性サイドウォール26a〜26j、及びコバルトシリサイド層28a〜28hのそれぞれの上に、第3絶縁膜29としてSiO2膜をHDPCVD法により形成し、各トランジスタTRP、TRN、TROFD、TRTG、TRRST、TRSF、TRSELの間のスペースを第3絶縁膜29で埋め込む。その後に、CMP法により第3絶縁膜29の上面を研磨して平坦化すると共に、シリコン基板1の平坦面上での第3絶縁膜29の厚さを約700nm程度にする。
続いて、第3絶縁膜29の上にフォトレジストを塗布し、それを露光・現像することにより、コバルトシリサイド層28a〜28f、28hの上にホール形状の窓を備えたレジストパターン(不図示)を形成する。
その後、上記のレジストパターンをマスクとして使用しながら、CF4とCHF3との混合ガスをエッチングガスとするRIEにより第3絶縁膜29をエッチングして、コバルトシリサイド層28a〜28f、28h上に第2ホール29b〜29hを形成する。
次に、図30に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
最初に、第2ホール29b〜29hの内面と第3絶縁膜29の上面に、グルー膜としてスパッタ法によりTi膜とTiN膜を順に形成する。そのTi膜とTiN膜の膜厚は、例えば、共に30nmとする。次いで、WF6ガスを使用するCVD法によりこのグルー膜上にW膜を形成し、第2ホール29b〜29h内をこのW膜で完全に埋め込む。その後に、第3絶縁膜29の上面に形成された余分なグルー膜とW膜とをCMP法により除去し、これらの膜を第2導電性プラグ30b〜30hとして各ホール29b〜29hの中に残す。
続いて、第3絶縁膜29と第1導電性プラグ30b〜30hのそれぞれの上面上に、金属積層膜として厚さ30nmのTi膜、厚さ30nmのTiN膜、厚さ300〜500nmのAl膜、厚さ5〜10nmのTi膜、厚さ50〜100nmのTiN膜をこの順にスパッタ法により形成する。その後に、この金属積層膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、第1導電性プラグ30b〜30hと電気的に接続される一層目金属配線31とする。
この後は、第1実施形態で説明した図10の工程を行い、本実施形態に係る個体撮像装置の基本構造を完成させる。
上記した実施形態によれば、図30に示したように、転送ゲート12を覆うように導電パターン52を形成するので、導電パターン52と転送ゲート12との間に大きなオーバーラップ容量を作り出すことができる。そのオーバーラップ容量は、転送ゲート12と高濃度領域22aとのオーバーラップ容量と協同して、電荷転送時における浮遊不純物拡散領域22の電位を、第1実施形態よりも転送ゲート12の正電位側に更に大きく引き付けるので、フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22への電荷転送をより一層スムーズに行うことができる。
しかも、平坦化されずに凹凸状となっている第2絶縁膜26の上面上にその導電パターン52を形成するので、第2絶縁膜26が平坦化されている場合と比較して、導電パターン52の下面の面積を大きくすることができ、導電パターン52と転送ゲート12との間のオーバーラップ容量を大きくすることができる。
更に、本実施形態では、転送ゲート12と浮遊不純物拡散領域22とを覆うように導電パターン52を形成するので、浮遊不純物拡散領域22に入ろうとする不要な光を導電パターン52で遮ることができ、浮遊不純物拡散領域22でノイズが発生するのを防止することができる。
また、第2絶縁膜26の上に平坦化用の絶縁膜を形成せず、第2絶縁膜26の上に導電パターン52を直接形成するので、平坦化用の絶縁膜を形成してその上に導電パターン52を形成する場合と比較して、導電パターン52と浮遊不純物拡散領域22との距離を短くすることができる。その結果、余計な光が浮遊不純物拡散領域22により一層侵入し難くなり、上記した遮光の効果を高めることができる。
ところで、本実施形態では、導電パターン52をリンドープトアモルファスシリコンで構成し、更に導電パターン52を第3ホール26kの中に形成して高濃度領域22aとコンタクトさせている。
このような構造に代えて、第3ホール26k内に導電性プラグを形成した後、その導電性プラグと第2絶縁膜26のそれぞれの上面にアルミニウム膜を主とする金属積層膜を形成し、その金属積層膜をパターニングして導電パターン52とすることも考えられる。このような構造は、特許文献1の図7の構造に相当する。
ところが、この構造では、導電性プラグのグルー膜としてTi膜を第3ホール26k内に形成する必要があり、第3ホール26kの底面に露出するシリコン基板1がそのTi膜と反応してチタンシリサイド層を形成してしまう。そのチタンシリサイド層は、シリコン基板1の表面からある程度の深さにまで達するため、このチタンシリサイド層の下面が、N型の高濃度領域22aとP型のシリコン基板1とのPN接合に近づくことになる。こうなると、導電性の高いチタンシリサイド層にある電荷が上記のPN接合を通過してシリコン基板1に逃げ易くなるので、このPN接合でのジャンクションリークが増大する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、導電パターン52の最下層としてアモルファスシリコン膜よりなる第1導電膜50を形成し、且つ、その第1導電膜50を第3ホール26k内において浮遊不純物拡散領域22に直接接触させているため、上記のようなシリサイド層が第3ホール26kの底面に形成されず、ジャンクションリークが増大するのを抑えることができ、信頼性の良いCMOSイメージセンサを提供することができる。
(第6実施形態)
第5実施形態では、図30に示したように、導電パターン52を第5ゲート電極10の上にまで延在させ、その導電パターン52によって浮遊不純物拡散領域22と第5ゲート電極10とを電気的に接続した。
本実施形態では、導電パターン52を介してではなく、一層目金属配線31を介して浮遊不純物拡散領域22と第5ゲート電極10とを電気的に接続する。
図32、図33は、本実施形態に則した製造工程途中の固体撮像装置の要部断面図である。
まず、図32に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
第5実施形態の図29の工程に従い、第2ホール29b〜29hの形成と同時に、導電パターン52と第5ゲート電極10の上に、第1ホール29aと第5ホール29iを形成する。
次に、図33に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
最初に、各ホール29a〜29iの内面と第3絶縁膜9の上面にグルー膜としてTi膜とTiN膜をこの順にスパッタ法により積層し、更にその上にW膜をCVD法で形成して各ホール29a〜29iを完全に埋め込む。CVD法で形成されるW膜は、スパッタ法により形成されるAl膜よりもステップカバレッジが良く、狭いホール29a〜29i内を良好に埋め込むことができる。また、グルー膜中のTiN膜は、W膜との密着性を良好にし、W膜が剥離するのを防止すると共に、W膜の拡散防止膜としての機能も有する。
なお、W膜に代えて、ドープトポリシリコン膜、タングステンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、窒化タングステン膜、Ta膜、Ru膜、Ir膜、Os膜、及びPt膜のいずれかを形成しても良い。
続いて、第3絶縁膜29の上面の余分なグルー膜とW膜とをCMP法により除去して各ホール29a〜29i内にのみ残す。残されたグルー膜とW膜は、第1ホール29a内において第1導電性プラグ31aになり、第2ホール29b〜29h内において第2導電性プラグ30b〜30hとなる。そして、第5ホール29iの中に残されたこれらの膜は第7導電性プラグ30iとなる。
その後に、第5実施形態と同様の工程を行い、第3絶縁膜29上と各導電性プラグ30a〜30iの上に第1金属配線31を形成する。
この第1配線31は、第1導電性プラグ30a上から第7導電性プラグ30iに延在し、それにより浮遊不純物拡散領域22と第5ゲート電極10とが電気的に接続されることになる。
以上説明した本実施形態によれば、全てのホール29a〜29iの下にシリサイド層28a〜28h、55a、55bが露出し、そのシリサイド層がホール形成時のエッチングストッパとなるので、全てのホール29a〜29iを同じエッチング条件で同時に形成することができる。従って、各ホールの下に異種の材料が露出する第1実施形態のように、エッチング条件を変えて各ホールを別々に形成する必要が無いので、工程の簡略化を図ることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法について説明する。図34(a)、(b)は、本実施形態に則した製造工程途中の固体撮像装置の要部断面図であり、図35はその要部平面図である。なお、これらの図において、第1実施形態で説明した部材には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
最初に、図34(a)に示す断面工程を得るまでの工程について説明する。
第1実施形態で説明した図4(a)の工程を行った後、Nウエル3上に窓を有するレジストパターン(不図示)をマスクに用い、ボロン等のP型不純物をNウエル3にイオン注入して、第1、第2P型不純物拡散領域13、14を第1ゲート電極6に対してセルフアライン的に形成する。その後、上記のレジストパターンは除去される。
次いで、第3ゲート電極8から第6ゲート電極11に至る部分のシリコン基板1を覆う第7レジストパターン60を形成し、この第7レジストパターン60をマスクにしながら加速エネルギ20keV、ドーズ量4×1013cm-2の条件でシリコン基板1にリンをイオン注入する。このイオン注入の際、第2〜第3ゲート電極7〜8、及び第6ゲート電極11がマスクとなり、これらのゲート電極の側方に第1〜第3N型不純物拡散領域15〜17、及び第6N型不純物拡散領域20がセルフアライン的に形成される。
この後に、第7レジストパターン60は除去される。
次に、図34(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、シリコン基板1の全面にフォトレジストを塗布し、それを露光・現像することにより、第3窓61aを備えた第7レジストパターン61を形成する。第3窓61aは、その側面が転送ゲート12と第6ゲート電極11の各上面に重なり、且つ、その内部に第4、第5ゲート電極9、10の各上面が露出するように形成される。
次いで、この第8レジストパターン61をマスクとして使用し、図34(a)の工程よりも不純物濃度が低くなる条件、例えば加速エネルギ20keV、ドーズ量0.5〜1×1013cm-2の条件を採用し、シリコン基板1にリンをイオン注入する。これにより、転送ゲート12と第4ゲート電極9の間には低濃度の浮遊不純物拡散領域22がセルフアライン的に形成されると共に、第4〜第6ゲート電極9〜11の間に第4、第5N型不純物拡散領域18、19が形成される。
この後は、第1実施形態で説明した図5〜図6(a)の工程を行うことにより、浮遊不純物拡散領域22に高濃度領域22aを形成したり、フォトダイオードPDを形成する。
その工程を終了後の平面図は図35のようになり、先の図34(a)、(b)の周辺回路領域Bの断面図は図35のI−I線に沿う断面に相当し、画素領域Aの断面図は図35のII−II線に沿う断面に相当する。
上記したように、本実施形態では、検出トランジスタTRSFのソース/ドレイン領域となる第4、第5N型不純物拡散領域18、19を、低濃度の浮遊不純物領域22と同時に形成することにより、その不純物濃度を周辺回路領域Bの第1、第2N型不純物拡散領域15、16よりも低くする。
このようにすると、第4、第5N型不純物拡散領域18、19の不純物は、周辺回路の第1、第2N型不純物拡散領域15、16と比較して、シリコン基板1の横方向に広く拡散しない。従って、図35に示されるように、検出トランジスタTRSFのソース領域とゲート電極との重なり幅(すなわち、第4N型不純物拡散領域18と第5ゲート電極10との重なり幅)は、周辺トランジスタTPNにおける重なりの幅d2よりも狭い第4の幅d4となる。
図2から理解されるように、検出トランジスタTRSFのソース−ゲート間のオーバーラップ容量は、浮遊不純物拡散領域22に蓄積された電荷を検出トランジスタTRSFのゲート電圧に変換するキャパシタの一部として機能する。そして、そのゲート電圧の変化量ΔVは、浮遊不純物拡散領域22内の電荷量Qに比例し、その比例係数はこのキャパシタの静電容量値Cの逆数C-1になる。
本実施形態では、検出トランジスタTRSFのソース領域とゲート電極との重なり幅d4を周辺トランジスタの重なり幅d2よりも狭くしたので、そのソース−ゲート間のオーバーラップ容量の静電容量値を小さくすることができる。その結果、上記の比例係数C-1の値が第1実施形態よりも大きくなるので、浮遊不純物拡散領域22内の電荷量Qの変動に対して、検出トランジスタTRSFのゲート電圧を敏感に反応させることができ、第1実施形態よりも感度の高いCMOSイメージセンサを提供することができる。
しかも、検出トランジスタTRSFのソース/ドレイン領域(第4、第5N型不純物拡散領域18、19)の不純物濃度を周辺トランジスタTRNよりも薄くしたので、検出トランジスタTRSFのソース/ドレイン領域からチャネルへの不純物の拡散が少なくなる。その結果、イメージセンサの微細化が進んで検出トランジスタTRSFのゲート長が短くなっても、検出トランジスタTRSFのショートチャネル効果を周辺トランジスタTRNよりも抑えることができ、単位画素U間で検出トランジスタTRSFの特性がばらつくのを防ぐことができる。
(第8実施形態)
図36は、本実施形態に係る固体撮像装置の回路図である。
図36において、図1で既に説明した回路素子については図1と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図36に示すように、本実施形態では、周辺回路領域Bに電圧供給回路93が設けられ、その電圧供給回路93からの電圧が垂直信号線CLに印加される。また、信号読み出し/ノイズキャンセル回路91に入る前の垂直信号線CLには、第1トランジスタTR1が列毎に設けられる。
図37は、本実施形態における単位画素Uと電圧供給回路93の回路図である。
図37に示されるように、電圧供給回路93は、第2トランジスタTR2と第3トランジスタTR3とを列毎に有し、各トランジスタTR2、TR3のドレインには互いに異なる値の第2電圧VR2と第3電圧VR3とが印加される。そして、各トランジスタTR2、TR3のソースは、垂直信号線CLに共通に接続される。
これらのトランジスタTR2、TR3のゲートには、周辺回路領域Bに形成された制御回路94から信号電圧S2、S3が印加される。その信号電圧S2、S3により各トランジスタTR2、TR3のオン、オフが制御されて、第2電圧VR2と第3電圧VR3が垂直信号線CLに選択的に出力されることになる。なお、制御回路94は、第1トランジスタTR1のゲートにも信号電圧S1を出力し、第1トランジスタTR1のオン、オフを制御する。
一方、単位画素Uにおいては、検出トランジスタTRSFと選択トランジスタTRSELとの接続順序が第1実施形態と逆になっており、検出トランジスタTRSFのソースが垂直信号線CLに直接接続されて、検出トランジスタTRSFのソース電圧が垂直信号線CLに直接読み出されるようになっている。
なお、電源線VRは、第1電圧VR1が常に印加された状態となっている。
次に、この固体撮像装置の動作について、図38を参照しながら説明する。図38は、本実施形態に係る固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。
図38に示すように、最初のステップ(i)では、第2トランジスタTR2をオン状態、第3トランジスタTR3をオフ状態にすることにより、電圧供給回路93から垂直信号線CLに第2電圧VR2を出力し、検出トランジスタTRSFのソースにその第2電圧VR2を印加する。
次のステップ(ii)では、リセット線RSTにハイレベルの電圧(2.8V)を印加し、リセットトランジスタTRRSTをオン状態にする。これにより、浮遊不純物拡散領域22は、リセットトランジスタTRRSTのドレイン電圧、すなわち電源線VRの第1電圧VR1にリセットされると共に、その第1電圧VR1が検出トランジスタTRSFのゲートに印加される。
これにより、検出トランジスタTRSFは、そのソースに第2電圧VR2が印加され、ゲートに第1電圧VR1が印加された状態となる。本実施形態では、第2電圧VR2の値として、この状態における検出トランジスタTRSFのチャネルがオンするような値、例えば0.5〜1Vを採用する。これにより、ステップ(ii)において浮遊不純物拡散領域22をリセットしたのと同時に、検出トランジスタTRSFがオン状態になる。
この後に、ステップ(iii)において、リセット線RSTをローレベルに戻し、リセットトランジスタTRRSTをオフ状態にする。この状態では、浮遊不純物拡散領域22にリセット電圧(第1電圧VR1)が書き込まれたままとなっている。
次のステップ(iv)では、第2トランジスタTR2をオフ状態、第3トランジスタTR3をオン状態にすることにより、垂直信号線CLに第3電圧VR3を出力する。本実施形態では、その第3電圧VR3の値として、第2電圧VR2(0.5〜1V)よりも高い1.8Vを採用する。その結果、検出トランジスタTRSFのオン状態が維持されると共に、該検出トランジスタTRSFのチャネル−ゲート間容量によって、浮遊不純物拡散領域22の電位が上昇させられることになる。
次いで、ステップ(v)において、転送ゲート線TGをハイレベル(2.8V)にし、それにより転送トランジスタTRTGをオン状態にする。その結果、フォトダイオードPDに蓄積されている電荷(今の場合電子)は、転送トランジスタTRTGを介して浮遊不純物拡散領域22に転送され、浮遊不純物拡散領域22の電位は、転送されてきた電子の量に応じてΔVだけ減少する。
その後に、ステップ(vi)において転送ゲート線TGの電圧を再びローレベル(0V)に戻し、電荷転送を停止する。
続いて、ステップ(vii)において、再び第2トランジスタTR2をオン状態、第3トランジスタTR3をオフ状態にすることにより、垂直信号線CLの電圧を第2電圧V2に戻す。これにより、浮遊不純物拡散領域22の電圧は、転送された電子の量に応じ、最初の状態(ステップ(i))よりもΔVだけ低い電圧となる。
そして、ステップ(vii)の状態(待機状態)が所定時間経過した後、次のステップ(viii)において、第2、第3トランジスタTR2、TR3をオフ状態とする。その後、第1トランジスタTR1をオン状態にすると共に、行選択線SELをハイレベルにして選択トランジスタTRSELもオン状態にし、検出トランジスタTRSFのソース電圧を信号電圧として垂直信号線CLに読み出す。
以上により、電荷転送と信号読み出しとが終了する。
以上説明した本実施形態によれば、ステップ(ii)、(iii)において、検出トランジスタTRSFのソースに第2電圧VR2が印加された状態で、浮遊不純物拡散領域22のリセット電圧(第1電圧VR1)を検出トランジスタTRSFのゲートに印加して検出トランジスタTRSFをオン状態にし、該検出トランジスタTRSFのチャネル−ゲート間容量を作り出す。そして、ステップ(iv)において、第2電圧VR2よりも高い第3電圧VR3を検出トランジスタTRSFのソースに印加し、上記のチャネル−ゲート間容量を利用して、検出トランジスタTRSFのゲートに繋がる浮遊不純物拡散領域22を正電位側に引き上げる。
このようにすると、電子から見た場合の浮遊不純物拡散領域22のポテンシャルが深くなるので、フォトダイオードPDと浮遊不純物拡散領域22との間のポテンシャルの落差が多くなり、フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22に電子を効果的に転送することができる。
更に、このように浮遊不純物拡散領域22が高くなるのは、上記のステップ(iv)〜(vi)の期間のみであるため、電荷を浮遊不純物拡散領域22に転送してから信号を読み出すまでの待機状態(ステップ(vii))の間に、浮遊不純物拡散領域22とシリコン基板1との間にジャンクションリークが発生するのを防止でき、CMOSイメージセンサの信頼性を向上させることができる。
しかも、これによれば、第1実施形態のように転送ゲート12と浮遊不純物拡散領域22との間に大きなオーバーラップ容量を設ける必要が無いので、そのオーバーラップ容量によって浮遊不純物拡散領域22の全容量が増加するのを防止でき、感度が低下しない。
図39は、上記の利点を定性的に説明するために、本実施形態の固体撮像装置の断面に各種の容量C2、C3、C5、C6を書き加えた図である。これらのうち、C2、C3、C5の意味は第1実施形態と同じである。そして、C6は、検出トランジスタTRSFのチャネル−ゲート間容量である。
既述のように、検出トランジスタTRSFのソースに印加される第2電圧VR2は、浮遊不純物拡散領域22が第1電圧VR1(約1.8V)にリセットされたときに、検出トランジスタTRSFのチャネルがオンとなるような値(0.5〜1V)に設定されている。従って、上記のステップ(ii)で浮遊不純物拡散領域22の電圧を第1電圧VR1にリセットすると、検出トランジスタTRSFはオン状態となる。
その後、上記のステップ(iii)でリセットトランジスタTRRSTをオフ状態とすると、今までリセットトランジスタTRRSTの反転層にあった電子が浮遊不純物拡散領域22に流れ込むので、浮遊不純物拡散領域22の電位は、第1電圧VR1よりも若干低いVR(1)となる。
更に、ステップ(iv)において、垂直信号線CLの電位を第2電圧VR2から第3電圧VR3にすると、浮遊不純物拡散領域22の電位は、チャネル−ゲート間容量C6を介して上昇し、VR(1)よりも高いVR(2)となる。
このステップ(iv)の前後では、検出トランジスタTRSFの第5ゲート10と浮遊不純物拡散領域22は電気的にフローティング状態なので、これらの中にある電子の総量Qは変化しないとしてよい。
このQは、ステップ(iv)の前では
Q = Ctotal・VR(1)+ C6・(VR(1)−VR2) …(10)
(但し、Ctotal=C2+C3+C5)
と書ける。
一方、ステップ(iv)の後では、
Q = Ctotal・VR(2)+ C6・(VR(2)−VR3) …(11)
と書ける。
よって、これら(10)、(11)の右辺を等しいと置けば、
VR(2)= VR(1)+ C6・(VR3−VR2)/(Ctotal + C6) …(12)
を得る。
従って、この式(12)から、垂直信号線CLの電位を第2電圧VR2から第3電圧VR3に変化させることにより、垂直信号線CLの電位を固定する場合と比較して、浮遊不純物拡散領域22の電位がC6・(VR3−VR2)/(Ctotal + C6)だけ高くなることが理解される。
なお、本実施形態では、第1実施形態で説明したオーバーフロードレイントランジスタTROFD(図2参照)やオーバーフロードレイン線OFDを使用していないが、勿論これらを本実施形態のCMOSイメージセンサに設けてもよい。
(第9実施形態)
第8実施形態では、第2電圧VR2として、浮遊不純物拡散領域22に第1電圧VR1が書き込まれている状態で検出トランジスタTRSFがオンするような電圧を採用し、その検出トランジスタTRSFのチャネル−ゲート間容量を利用して浮遊不純物拡散領域22の電位を引き上げた。
これに代えて、本実施形態では、検出トランジスタTRSFのソース−ゲート間のオーバーラップ容量を利用し、浮遊不純物拡散領域22の電位を引き上げる。そのオーバーラップ容量は、第1実施形態のように意図的に作り出されたものではなく、通常のプロセスで自然に生じたものなので、本実施形態の素子構造を実現するための新たなプロセスは不要である。
また、本実施形態では、第2電圧VR2の値として第8実施形態と異なるものを採用しさえすればよく、回路構成や動作タイミングは第8実施形態と同じでよい。よって、以下では、第6実施形態で参照した図36〜図38を再び参照しながら説明を行う。
図38の最初のステップ(i)では、第2トランジスタTR2をオン状態、第3トランジスタTR3をオフ状態にすることにより、電圧供給回路93から垂直信号線CLに第2電圧VR2を出力する。
次いで、ステップ(ii)において、リセット線RSTにハイレベルの電圧(2.8V)を印加することによりリセットトランジスタTRRSTをオン状態にし、浮遊不純物拡散領域22の電位を第1電圧VR1にリセットする。これにより、検出トランジスタTRSFは、そのゲートとソースのそれぞれに第1電圧VR1、第2電圧VR2が印加された状態となる。
本実施形態では、第8実施形態と異なり、この状態の検出トランジスタTRSFがオフしたままとなるよう電圧、例えば1〜2Vの電圧を第2電圧VR2として採用する。従って、このステップ(ii)では、第8実施形態のようなチャネル−ゲート間容量が検出トランジスタTRSFに形成されない。
続いて、ステップ(iii)において、リセット線RSTをローレベルにし、リセットトランジスタTRRSTをオフ状態とする。
次いで、ステップ(iv)において、第2トランジスタTR2をオフ状態、第3トランジスタTR3をオン状態にすることにより、第2電圧VR2よりも高い電圧の第3電圧VR3を垂直信号線CLに出力する。この結果、検出トランジスタTRSFのソース−ゲート間のオーバーラップ容量によって、浮遊不純物拡散領域22の電位が、垂直信号線CLの電圧(第3電圧VR3)側に引き上げられると共に、検出トランジスタTRSFがオン状態となる。
次に、ステップ(v)において、転送ゲート線TGをハイレベルにすることにより転送トランジスタTRTGをオン状態にし、フォトダイオードPDに蓄積されている電子を浮遊不純物拡散領域22に転送する。これにより、浮遊不純物拡散領域22の電位は、転送されてきた電子の量に応じ、ΔVだけ減少する。
その後に、ステップ(vi)において転送ゲート線TGの電圧を再びローレベル(0V)に戻し、電荷転送を停止する。
続いて、ステップ(vii)において、再び第2トランジスタTR2をオン状態、第3トランジスタTR3をオフ状態にすることにより、垂直信号線CLの電圧を第2電圧V2に戻す。
次に、ステップ(viii)において、第2、第3トランジスタTR2、TR3をオフ状態とする。その後、第1トランジスタTR1をオン状態にすると共に、行選択線SELをハイレベルにして選択トランジスタTRSELもオン状態にし、検出トランジスタTRSFのソース電圧を信号電圧として垂直信号線CLに読み出す。
以上により、電荷転送と信号読み出しとが終了する。
以上説明した本実施形態によれば、検出トランジスタTRSFのソース−ゲート間のオーバーラップ容量を介して、浮遊不純物拡散領域22の電圧を垂直選択線CLの第2電圧VR2の側に引き上げる。そのオーバーラップ容量は、垂直信号線CLの寄生容量に寄与するが、その静電容量値はチャネル−ゲート間容量よりも小さいので、チャネル−ゲート間容量を利用する第8実施形態よりも垂直信号線CLの寄生容量を小さくすることができ、信号電圧を高速に読み出すことができる。
(第10実施形態)
第1〜第9実施形態では、フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22への電荷転送時のみ、浮遊不純物拡散領域22の(電子から見た)ポテンシャルを深くすることができる。そして、電荷転送が終了してから、電荷量に応じた出力電圧が読み出される前までの待機状態においては、浮遊不純物拡散領域22のポテンシャルが深くならないため、N型の浮遊不純物拡散領域22とP型のシリコン基板1とのジャンクションリークを防止できる。
本実施形態では、このような利点を有効に利用できる固体撮像装置の読み出し動作を提供する。
図40は、本実施形態に係る固体撮像装置の読み出し動作を模式的に示す平面図であって、ハッチングの掛けられた矩形は現在読み出し中の単位画素Uを示し、点線で示される矩形は読み出しが終了した単位画素Uを示す。そして、実線で示される矩形は、これから読み出される待機状態の単位画素Uを示す。
図40に示されるように、信号電圧の読み出しは、フォトダイオードPDから浮遊不純物拡散領域22への電荷転送を全行で同時に行った後(図3参照)、第1行目から順に行単位で行われる。電荷転送をこのように全行で一括に行うことは、電荷転送前に画素領域に結像していたイメージを全行の浮遊不純物拡散領域22に保存することに等しいので、電気的な「一括シャッタ」とも呼ばれる。各行の信号の読み出しは、その一括シャッタの後に行単位で行われるが、この方式では、図40のように、待機状態の持続時間(以下、待機時間と言う)の長さが行によって異なり、第1行目が最も短く、最終行が最も長くなる。
もし、浮遊不純物拡散領域22に高電位が印加された状態でその待機時間が長く続くと、浮遊不純物拡散領域22とシリコン基板1との間のジャンクションリークが増え、CMOSイメージセンサの信頼性が低下してしまう。よって、第1〜第9実施形態のような構成を採用せず、浮遊不純物拡散領域22に常に高電位を印加して電荷転送効率を改善する場合では、上記の一括シャッタを採用することができない。従って、この場合は、露光を行いながら第1行目から順に電荷転送を行うことにより、待機状態が長くなる行を作り出さないようにする必要がある。このような電荷転送の方式は、「ローリングシャッタ」とも呼ばれる。
しかしながら、このローリングシャッタでは、行毎に露光期間が異なるため、動く物体を撮影する際に、"ぶれ"や"ゆがみ"が生じ易く、ユーザに不快感を与えてしまう。
これに対し、第1〜第9実施形態では、待機状態にある単位画素Uの浮遊不純物拡散領域22に高電圧を印加しないので、本実施形態の一括シャッタ方式を採用して待機時間が長くなっても、浮遊不純物拡散領域22とシリコン基板1との間のジャンクションリークはそれ程発生しない。よって、第1〜第9実施形態は、上記の一括シャッタを好適に採用することができ、それにより露光時間が全ての行で等しくなり、動画を撮影する場合に像を流れ難くすることができる。
本実施形態では、一括シャッタ方式を採用した結果、待機時間が1ミリ秒以上となる単位画素Uがあっても、上記のジャンクションリークを防止することができる。
(第11実施形態)
本実施形態では、第1〜第10実施形態の固体撮像装置を光学レンズ等と組み合わせて、固体撮像装置ユニットを提供する。
図41に示されるように、その固体撮像装置ユニット100は、基板101と、この基板101上に実装された固体撮像装置102と、固体撮像装置102の出力信号を処理する信号処理IC103と、被写体からの光を固体撮像装置102上に集光するレンズ104と、紫外線等をカットするフィルタ105と、筐体106等から構成されている。
被写体からの光は、レンズ104によって集光され、フィルタ105で紫外線又は赤外線がカットされた後、固体撮像装置102上に結像する。固体撮像装置102は、光学像を信号電圧に変換した後、その信号電圧を信号処理IC103に出力する。信号処理IC103では、その信号電圧に対して所定の処理が施される。
このような固体撮像装置ユニット100は、低消費電力が要求される携帯電話やノート型パソコン等に組み込まれて使用され、電荷転送効率が改善された良好な画像を作成することができる。
以下に、本発明の特徴を付記する。
(付記1) 半導体基板の画素領域の表層に、互いに間を隔てて形成されたフォトダイオード及び浮遊不純物拡散領域と、
前記フォトダイオードと前記浮遊不純物拡散領域との間の前記半導体基板上に、ゲート絶縁膜を介して形成され、前記浮遊不純物拡散領域側に向けて凹凸を有する転送ゲートと
を有する固体撮像装置。
(付記2) 前記半導体基板の上から見た場合に、前記転送ゲートは、前記浮遊不純物拡散領域の縁に沿って延びる延長部を有することを特徴とする付記1に記載の固体撮像装置。
(付記3) 前記半導体基板の上から見た場合に、前記転送ゲートは、浮遊不純物拡散領域の側に張り出した凸部を有することを特徴とする付記1に記載の固体撮像装置。
(付記4) 前記半導体基板の上から見た場合に、前記転送ゲートは、前記フォトダイオード側に凹んだ凹部を前記浮遊不純物拡散領域と重なる部分に有することを特徴とする付記1に記載の固体撮像装置。
(付記5) 前記半導体基板の前記画素領域に形成され、前記浮遊不純物拡散領域をソース領域とするリセットトランジスタと、
前記半導体基板の周辺回路領域に形成された周辺トランジスタとを有し、
前記半導体基板の上から見た場合に、前記リセットトランジスタのゲート電極が前記浮遊不純物拡散領域と第1の幅で重なると共に、前記周辺トランジスタのゲート電極が、前記第1の幅よりも広い第2の幅で前記周辺トランジスタのソース領域又はドレイン領域と重なることを特徴とする付記1に記載の固体撮像装置。
(付記6) 前記半導体基板の上から見た場合に、前記転送ゲートが、前記第2の幅よりも長く、且つ前記転送ゲートのゲート長よりも短い第3の幅で前記浮遊不純物拡散領域と重なることを特徴とする付記5に記載の固体撮像装置。
(付記7) 前記転送ゲートのゲート長が、前記リセットトランジスタのゲート長よりも長いことを特徴とする付記6に記載の固体撮像装置。
(付記8) 前記転送ゲートのチャネル幅が、前記リセットトランジスタのチャネル幅よりも広いことを特徴とする付記5に記載の固体撮像装置。
(付記9) 前記転送ゲート寄りの前記浮遊不純物拡散領域に形成され、該浮遊不純物拡散領域の他の部分よりも不純物濃度が高い高濃度領域と、
前記半導体基板の表層に形成され、前記高濃度領域の少なくとも一つの縁を画定する素子分離絶縁膜と、
前記高濃度領域を覆う絶縁膜と、
前記高濃度領域上の前記絶縁膜に形成されたホールと、
前記ホール内に形成され、前記高濃度領域と電気的に接続された導電性プラグとを有することを特徴とする付記5に記載の固体撮像装置。
(付記10) 前記半導体基板の前記画素領域に形成され、ゲート電極が前記浮遊不純物拡散領域と電気的に接続された検出トランジスタを有し、
前記半導体基板の上から見た場合に、前記検出トランジスタのゲート電極が、前記第2の幅よりも狭い第4の幅で前記検出トランジスタのソース領域又はドレイン領域と重なることを特徴とする付記5に記載の固体撮像装置。
(付記11) 前記リセットトランジスタのドレイン領域と前記浮遊不純物拡散領域とを共にL字型に屈曲させたことを特徴とする付記5に記載の固体撮像装置。
(付記12) 前記転送ゲートと前記浮遊不純物拡散領域とを覆い、上面が凹凸状の絶縁膜と、
前記浮遊不純物拡散領域の上の前記絶縁膜に形成されたホールと、
前記絶縁膜上と前記ホール内とに形成されて前記浮遊不純物拡散領域に電気的に接続されると共に、前記転送ゲートと前記浮遊不純物拡散領域とを覆う導電パターンと
を有することを特徴とする付記1に記載の固体撮像装置。
(付記13) 前記浮遊不純物拡散領域の他の部分よりも不純物濃度が高い高濃度領域を、前記転送ゲートの側方から前記ホールの下に至る部分における前記浮遊不純物拡散領域に形成したことを特徴とする付記12に記載の固体撮像装置。
(付記14) 前記導電パターンの最下層にアモルファスシリコン膜が形成されたことを特徴とする付記12に記載の固体撮像装置。
(付記15) 前記導電パターンの最上層にシリサイド層が形成されたことを特徴とする付記14に記載の固体撮像装置。
(付記16) フォトダイオードと、
浮遊不純物拡散領域と、
前記フォトダイオードで発生した電荷を前記浮遊不純物拡散領域に転送する転送トランジスタと、
第1電圧が印加される電源線と、
前記浮遊不純物拡散領域の電圧を前記第1電圧にリセットするリセットトランジスタと、
信号線と、
ドレインが前記電源線に電気的に接続された選択トランジスタと、
ドレインが前記選択トランジスタのソースに電気的に接続され、ソースが前記信号線に電気的に接続されて、ゲートが前記浮遊不純物拡散領域に電気的に接続された検出トランジスタと、
第2電圧、及び該第2電圧よりも電圧の高い第3電圧を前記信号線に選択的に出力する電圧供給回路と
を有し、
前記第2電圧は、該第2電圧が前記信号線に出力され、前記浮遊不純物拡散領域が前記第1電圧にリセットされ、且つ前記選択トランジスタがオフ状態のときに、前記検出トランジスタがオン状態になる電圧であることを特徴とする固体撮像装置。
(付記17) フォトダイオードと、
浮遊不純物拡散領域と、
前記フォトダイオードで発生した電荷を前記浮遊不純物拡散領域に転送する転送トランジスタと、
第1電圧が印加される電源線と、
前記浮遊不純物拡散領域の電圧を前記第1電圧にリセットするリセットトランジスタと、
信号線と、
ドレインが前記電源線に電気的に接続された選択トランジスタと、
ドレインが前記選択トランジスタのソースに電気的に接続され、ソースが前記信号線に電気的に接続されて、ゲートが前記浮遊不純物拡散領域に電気的に接続された検出トランジスタと、
第2電圧、及び該第2電圧よりも電圧の高い第3電圧を前記信号線に選択的に出力する電圧供給回路と
を有し、
前記第2電圧は、該第2電圧が前記信号線に出力され、前記浮遊不純物拡散領域が前記第1電圧にリセットされ、且つ前記選択トランジスタがオフ状態のときに、前記検出トランジスタがオフ状態のままになる電圧であることを特徴とする固体撮像装置。
(付記18) 前記選択トランジスタをオフ状態にし、
前記電圧供給回路から前記信号線に前記第2電圧を供給し、
前記リセットトランジスタをオン状態にすることにより、前記浮遊不純物拡散領域の電圧を前記第1電圧にリセットし、
前記リセットトランジスタをオフ状態にし、
前記電圧供給回路から前記信号線に前記第3電圧を供給することにより前記浮遊不純物拡散領域の電圧を上昇させ、
前記転送トランジスタをオン状態にすることにより、前記フォトダイオードで発生した電荷を前記浮遊不純物拡散領域に転送し、
前記選択トランジスタをオン状態にすることにより、前記検出トランジスタのソース電圧を出力電圧として読み出すことを特徴とする付記16又は付記17に記載の固体撮像装置。
(付記19) 少なくとも一つの単位画素において、前記フォトダイオードで発生した電荷を前記浮遊不純物拡散領域に転送した後、1ミリ秒以上の待機時間の後に、前記検出トランジスタのソース電圧を信号電圧として読み出すことを特徴とする付記10、16、17のいずれかに記載の固体撮像装置。
(付記20) 前記フォトダイオードから前記浮遊不純物拡散領域への電荷転送を全行で一括して行い、その後に、前記検出トランジスタのソース電圧を信号電圧として1行毎に読み出すことを特徴とする付記10、16、17のいずれかに記載の固体撮像装置。
(付記21) 半導体基板の上に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上に、転送ゲートと、リセットトランジスタのゲート電極とを間隔をおいて形成する工程と、
前記転送ゲートの第1側面と、該第1側面に対向する前記ゲート電極の第2側面とが露出する第1窓を備えた第1レジストパターンを前記半導体基板の上方に形成する工程と、
前記第1窓を通じて前記半導体基板の表層に不純物を導入することにより、前記転送ゲートと前記ゲート電極との間の前記半導体基板の表層に浮遊不純物拡散領域を形成する工程と、
前記第1レジストパターンを除去する工程と、
前記第1レジストパターンを除去後、前記転送ゲートの第1側面が露出する第2窓を有し、且つ前記ゲート電極の第2側面を覆う第2レジストパターンを前記半導体基板の上方に形成する工程と、
前記第2レジストパターンの第2窓を通じて前記半導体基板の表層に不純物を導入することにより、前記浮遊不純物拡散領域に高濃度領域を形成する工程と、
前記第2レジストパターンを除去する工程と、
前記転送ゲートの側面のうち、前記第1側面とは反対側の第3側面の側方の前記半導体基板の表層にフォトダイオードを形成する工程と、
前記ゲート電極の側面のうち、前記第2側面とは反対側の第4側面の側方の前記半導体基板の表層に不純物を導入して、前記リセットトランジスタのドレイン領域を形成する工程と
を有する固体撮像装置の製造方法。
(付記22) 前記高濃度領域を形成した後、前記転送ゲート、前記ゲート電極、前記浮遊不純物拡散領域、及び前記ドレイン領域を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、
前記浮遊不純物拡散領域の上の前記第2絶縁膜を覆う第3レジストパターンを形成する工程と、
前記第3レジストパターンをマスクに使用して前記第2絶縁膜をエッチングすることにより、前記浮遊不純物拡散領域上の前記第2絶縁膜を残しながら、前記ドレイン領域上の前記第2絶縁膜を絶縁性サイドウォールとして前記ゲート電極の第4側面に残す工程と、
前記絶縁性サイドウォールの側方に露出する前記第ドレイン領域の表層にシリサイド層を形成する工程と、
前記第2絶縁膜上、前記絶縁性サイドウォール上、及び前記シリサイド層上に第3絶縁膜を形成する工程と、
前記高濃度領域上の前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜に、第1のエッチング条件により第1ホールを形成する工程と、
前記シリサイド層上の前記第3絶縁膜に、第2のエッチング条件により第2ホールを形成する工程と、
前記高濃度領域と電気的に接続する第1導電性プラグを前記第1ホールの中に形成する工程と、
前記シリサイド層と電気的に接続される第2導電性プラグを前記第2ホールの中に形成する工程とを有することを特徴とする付記21に記載の固体撮像装置の製造方法。
(付記23) 前記高濃度領域を形成した後、前記転送ゲート、前記ゲート電極、前記浮遊不純物拡散領域、及び前記ドレイン領域を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、
前記高濃度領域上の前記第2絶縁膜に第3ホールを形成する工程と、
前記第2絶縁膜上と前記第3ホール内に導電膜を形成する工程と、
前記導電膜をパターニングして前記浮遊不純物拡散領域を覆う導電パターンにする工程と
を有することを特徴とする付記21に記載の固体撮像装置の製造方法。
(付記24) 前記第1絶縁膜上に検出トランジスタのゲート電極を形成し、該ゲート電極上に前記第2絶縁膜を形成し、該ゲート電極上の該第2絶縁膜に第4ホールを形成し、前記導電パターンを該第4ホール内に形成することにより、前記導電パターンを介して前記高濃度領域と前記検出トランジスタのゲート電極とを電気的に接続することを特徴とする付記23に記載の固体撮像装置の製造方法。
(付記25) 前記第1絶縁膜上に検出トランジスタのゲート電極を形成し、該ゲート電極上に第3絶縁膜を形成し、該ゲート電極上の該第3絶縁膜に第5ホールを形成し、前記導電パターン上の前記第3絶縁膜に第6ホールを形成し、前記第5ホール内に第3導電性プラグを形成し、前記第6ホール内に第4導電性プラグを形成し、前記第3導電性プラグ上、前記第4導電性プラグ上、及び前記第3絶縁膜上に金属配線層を形成し、該金属配線を介して前記高濃度領域と前記検出トランジスタのゲート電極とを電気的に接続することを特徴とする付記23に記載の固体撮像装置の製造方法。
(付記26) 半導体基板の上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に、転送ゲートと、リセットトランジスタのゲート電極とを間隔をおいて形成する工程と、
前記転送ゲートの第1側面と、該第1側面に対向する前記ゲート電極の第2側面とが露出する窓を備えたレジストパターンを前記半導体基板の上方に形成する工程と、
前記窓を通じて前記半導体基板の表層に不純物を導入することにより、前記転送ゲートと前記ゲート電極との間の前記半導体基板の表層に浮遊不純物拡散領域を形成する工程と、
前記レジストパターンの窓の影が前記ゲート電極の第2側面から現れる方向に前記半導体基板を傾けながら、前記窓を通じて前記半導体基板の表層に不純物をイオン注入することにより、前記浮遊不純物拡散領域に高濃度領域を形成する工程と、
前記レジストパターンを除去する工程と、
前記転送ゲートの側面のうち、前記第1側面とは反対側の第3側面の側方の前記半導体基板の表層にフォトダイオードを形成する工程と、
前記ゲート電極の側面のうち、前記第2側面とは反対側の第4側面の側方の前記半導体基板の表層に不純物を導入することにより、前記リセットトランジスタのドレイン領域を形成する工程と
を有する固体撮像装置の製造方法。
(付記27) 前記浮遊不純物拡散領域に高濃度領域を形成する工程において、前記影の長さが0.2μm以上となるように前記半導体基板を傾けることを特徴とする付記26に記載の固体撮像装置の製造方法。
(付記28) 前記浮遊不純物拡散領域に高濃度領域を形成する工程において、前記半導体基板の法線方向が、不純物の導入方向と10度以上の角を成すように前記半導体基板を傾けることを特徴とする付記27に記載の固体撮像装置の製造方法。
(付記29) 前記浮遊不純物拡散領域の高濃度領域を形成する工程において、前記転送ゲートの第1側面の下へ不純物が打ち込まれる方向に前記半導体基板を傾けることを特徴とする付記26に記載の固体撮像装置の製造方法。
(付記30) 前記転送ゲートの下を流れる電荷の移動方向を示す単位ベクトルと、前記リセットトランジスタのゲート電極の下を流れる電荷の移動方向を示す単位ベクトルとの内積が、0又は正の値であることを特徴とする付記26に記載の固体撮像装置の製造方法。
(付記31) 前記浮遊不純物拡散領域の電圧をリセットする前と後での該浮遊不純物拡散領域の電圧差を電荷の転送効率として採用し、該転送効率を前記転送ゲートと前記浮遊不純物拡散領域とのオーバーラップ容量の関数として求め、
前記フォトダイオードから前記浮遊不純物拡散領域に転送された電荷の量の前記電圧差における比例係数を、前記電荷の量を電圧に変換する際の感度として採用し、前記感度を前記オーバーラップ容量の関数として求め、
前記転送効率と前記感度との積の最大値を与える前記オーバーラップ容量の最大値を求め、
前記最大値を超えない範囲で前記オーバーラップ容量を調節することにより、前記転送効率と前記感度との両立を図るようにすることを特徴とする付記21に記載の固体撮像装置の製造方法。