JP5245911B2 - スクリーン - Google Patents

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本発明は、スクリーン、特に、画像信号に応じた光を反射させることにより画像を表示するスクリーンの技術に関する。
いわゆるフロント投写型のプロジェクターは、投写光を反射させる反射型のスクリーンと組み合わせて用いられる。室内照明による照明光などの外光が存在する環境下では、投写光とともにスクリーンで反射した外光が観察者の方向へ進行することにより、画像のコントラストが低下する場合がある。例えば、特許文献1には、外光の吸収、及び画像のコントラスト向上のための光吸収層を用いる技術が提案されている。特許文献2には、反射層及び光吸収層のパターンを設け、反射層により白色映像輝度を確保し、光吸収層により黒色映像輝度を確保することで画像のコントラストの向上を図る技術が提案されている。特許文献3には、投写光が持つ特定の波長領域の光を選択的に反射し、かつ外光と投写光との光線角度の違いを利用することにより輝度及びコントラストの向上を図る技術が提案されている。特許文献4には、液晶型のプロジェクターから投写される特定の偏光成分を透過させる偏光板を用いて、コントラストの向上を図る技術が提案されている。
特開平6−75302号公報 特開2005−121964号公報 特開2005−115243号公報 特開平10−3125号公報
光吸収層により反射率を抑える場合、外光のみならず投写光の反射率も低下するため、画像の輝度が低下することとなる。スクリーンにおける光線角度の違いを利用する従来の技術では、ルーバーやプリズム等の微細構造を設けることとなる。スクリーンの全体について微細構造を形成することは困難であって、構造が複雑となるため高コストとなり、スクリーンの大型化も困難となる。また、偏光板を用いる場合も、スクリーンの全体に相当する面積の偏光板を形成することは非常に困難であって、複数の偏光板を貼り合わせることとなるため、コストが高くなるという難点がある。本発明は、簡易な構成で低コスト、スクリーンの大型化を容易とし、明るく高いコントラストの画像を得るためのスクリーンを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るスクリーンは、平面上に並列させた複数の構造体と、構造体へ入射する光を透過させる透過層と、透過層及び構造体の界面を経て進行する光を反射させる反射部と、を有し、構造体は、第1の偏光方向の第1偏光についての屈折率と、第1の偏光方向に垂直な第2の偏光方向の第2偏光についての屈折率とが略同じである等屈折性材料を用いて構成され、透過層は、第1偏光についての屈折率と第2偏光についての屈折率とが互いに異なる複屈折性材料を用いて構成され、構造体の第1偏光についての屈折率が、透過層の第1偏光についての屈折率より小さく、かつ、透過層の第1偏光についての屈折率と、構造体の第1偏光についての屈折率との差が、透過層の第2偏光についての屈折率と、構造体の第2偏光についての屈折率との差よりも大きいことを特徴とする。
透過層及び構造体の界面へ臨界角以上の入射角で入射した光のうち、第1偏光の成分は、界面で全反射する。界面での全反射を利用して第1偏光の成分と第2偏光の成分とを分離させることにより、特定の偏光方向の偏光である投写光を、外光のうち投写光とは異なる偏光成分から分離させる。界面へ臨界角以下の入射角で入射した光は、界面を透過する。互いに異なる入射角の光同士を、界面での全反射を利用して分離させることにより、所定の角度範囲で進行させた投写光を、投写光とは異なる角度範囲で進行する外光とを分離させる。複数の構造体及び透過層による偏光選択と角度選択との両立を可能とすることで、簡易な構成により効率良く投写光を反射させるとともに、外光の反射を低減させることが可能となる。これにより、簡易な構成で低コスト、スクリーンの大型化を容易とし、明るく高いコントラストの画像を得るためのスクリーンを得られる。
また、本発明の好ましい態様としては、反射部は、界面で全反射した第1偏光の成分を反射させることが望ましい。これにより、第1偏光を射出するプロジェクターからの投写光を効率良く反射させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、界面を通過した第2偏光の成分を吸収する光吸収部を有することが望ましい。これにより、外光のうち、投写光とは異なる偏光成分である第2偏光の成分の反射を低減させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、反射部は、界面を通過した第2偏光の成分を反射させることが望ましい。これにより、第2偏光を射出するプロジェクターからの投写光を効率良く反射させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、界面で全反射した第1偏光の成分を吸収する光吸収部を有することが望ましい。これにより、外光のうち、投写光とは異なる偏光成分である第1偏光の成分の反射を低減させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、反射部は、金属部材を用いて構成されることが望ましい。これにより、反射による偏光方向の回転を抑制可能とし、反射部で反射させた投写光を効率良くスクリーンから射出させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、反射部は、反射させる光を散乱させる散乱構造を備えることが望ましい。反射部で反射した投写光を散乱させることで、スクリーンに像を表示させることができる。
さらに、本発明に係るスクリーンは、平面上に並列させた複数の構造体と、構造体へ入射する光を透過させる透過層と、透過層及び構造体の界面を経て進行する光を散乱させる散乱構造と、構造体を透過した光を吸収する光吸収部と、を有し、構造体は、第1の偏光方向の第1偏光についての屈折率と、第1の偏光方向に垂直な第2の偏光方向の第2偏光についての屈折率とが略同じである等屈折性材料を用いて構成され、透過層は、第1偏光についての屈折率と第2偏光についての屈折率とが互いに異なる複屈折性材料を用いて構成され、構造体の第1偏光についての屈折率が、透過層の第1偏光についての屈折率より小さく、かつ、透過層の第1偏光についての屈折率と、構造体の第1偏光についての屈折率との差が、透過層の第2偏光についての屈折率と、構造体の第2偏光についての屈折率との差よりも大きいことを特徴とする。これにより、簡易な構成で低コスト、スクリーンの大型化を容易とし、明るく高いコントラストの画像を得るためのスクリーンを得られる。
また、本発明の好ましい態様としては、界面は、平面に垂直な断面において二次曲線と略同じ形状をなし、散乱構造は、二次曲線の焦点位置を略中心として形成されることが望ましい。これにより、界面で全反射させた投写光を効率良く散乱させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、透過層の第2偏光についての屈折率と、構造体の第2偏光についての屈折率とが略同じであることが望ましい。透過層及び構造体の界面へ入射した第2偏光の成分は、界面を直進して構造体へ進行する。これにより、界面で全反射させる第1偏光の成分と、第2偏光の成分とを分離させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、複数の構造体は、平面上の二次元方向へアレイ状に配置されることが望ましい。これにより、二次元方向についての偏光選択と角度選択とを可能とし、さらに高いコントラストを得ることができる。
さらに、本発明に係るスクリーンは、平面上に並列させた複数の構造体と、構造体へ入射する光を透過させる透過層と、透過層及び構造体の界面を経て進行する光を反射させる反射部と、を有し、構造体は、第1の偏光方向の第1偏光についての屈折率と、第1の偏光方向に垂直な第2の偏光方向の第2偏光についての屈折率とが互いに異なる複屈折性材料を用いて構成され、透過層は、第1偏光についての屈折率と第2偏光についての屈折率とが略同じである等屈折性材料を用いて構成され、構造体の第1偏光についての屈折率が、透過層の第1偏光についての屈折率より小さく、かつ、透過層の第1偏光についての屈折率と、構造体の第1偏光についての屈折率との差が、透過層の第2偏光についての屈折率と、構造体の第2偏光についての屈折率との差よりも大きいことを特徴とする。これにより、簡易な構成で低コスト、スクリーンの大型化を容易とし、明るく高いコントラストの画像を得るためのスクリーンを得られる。
本発明の実施例1に係るスクリーンを模式的に表した断面図である。 複数の構造体を模式的に表した斜視図である。 Z軸に略平行に進行した光の振る舞いを説明する断面図である。 Z軸に対して斜めに進行した光の振る舞いを説明する断面図である。 反射部に散乱構造を設けたスクリーンの断面図である。 本発明の実施例2に係るスクリーンを模式的に表した断面図である。 複数の構造体を模式的に表した斜視図である。 実施例2の比較例について説明する断面図である。 Z軸に略平行に進行した光の振る舞いを説明する断面図である。 Z軸に対して斜めに進行した光の振る舞いを説明する断面図である。 変形例に係る複数の構造体を模式的に表した斜視図である。 本発明の実施例3に係るスクリーンを模式的に表した断面図である。 散乱構造の好ましい大きさについて説明する図である。 本発明の実施例4に係るスクリーンを模式的に表した断面図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るスクリーン10を模式的に表した断面図である。スクリーン10は、不図示のプロジェクターからの投写光を反射させる反射型のスクリーンである。基材11は、スクリーン10の各構成を支持する板状部材である。光吸収部12は、基材11上の全体に設けられている。光吸収部12は、入射した光を吸収する。光吸収部12は、光吸収材料、例えば、光吸収性樹脂を用いて構成されている。構造体13は、山型の断面形状をなしている。構造体13は、等屈折性材料により構成されている。
図2は、複数の構造体13を模式的に表した斜視図である。複数の構造体13は、特定の方向へ並列させて配置されている。ここで、複数の構造体13を並列させる方向をX軸方向とする。複数の構造体13が配置された平面上において、X軸方向に垂直な方向を、Y軸方向とする。また、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向を、Z軸方向とする。各構造体13は、Y軸方向に長い柱形状をなしている。図1に示すスクリーン10の断面は、XZ断面である。構造体13のX軸方向についての幅は、スクリーン10上に表示される一画素の幅より小さいことが望ましく、例えば、数十から数百μm程度とする。
透過層14は、複数の構造体13に対して光が入射する側に設けられている。透過層14は、構造体13へ入射する光を透過させる。透過層14は、複屈折性材料により構成されている。反射部15は、互いに隣り合う構造体13同士の谷間であって、光吸収部12上に設けられている。反射部15は、入射する光を反射させる。反射部15は、高反射性材料により構成されている。光吸収部12上のうち、反射部15が設けられた部分以外の部分には、構造体13と同一の部材で構成された層16が設けられている。なお、反射部15は、反射による偏光方向の回転を抑制可能であることが望ましく、高反射部材として例えば金属部材を用いることが望ましい。これにより、反射部15で反射させた投写光を効率良くスクリーン10から射出させることが可能となる。
ここで、第1の偏光方向の第1偏光がs偏光、第1の偏光方向に垂直な第2の偏光方向の第2偏光がp偏光であるとする。透過層14は、複屈折性材料により構成され、s偏光についての屈折率ne1と、p偏光についての屈折率no1とが異なる(ne1≠no1)。構造体13は、等屈折性材料により構成され、s偏光についての屈折率ne2と、p偏光についての屈折率no2とが同じである(ne2=no2)。また、構造体13のs偏光についての屈折率ne2は、透過層14のs偏光についての屈折率ne1より小さい(ne2<ne1)とする。透過層14のp偏光についての屈折率no1と、構造体13のp偏光についての屈折率no2とは、略同じ(no1≒no2)とする。
複屈折性材料としては、例えば、Dejima Optical Films社のLiquid Crystalline Polymerフィルム(異常光についての屈折率n=1.66、常光についての屈折率n=1.51)を用いる。等屈折性材料としては、例えば、TAC(Tri−Acetyl Cellulose、n=1.52)を用いる。複屈折性材料としては、例えば、重合性液晶からなるフィルムを用いても良い。なお、透過層14のp偏光についての屈折率no1と、構造体13のp偏光についての屈折率no2とは、差が例えば0.01程度ある場合は、略同じとみなすことができる。
図3は、Z軸に略平行に進行してスクリーン10へ入射した投写光及び外光の振る舞いを説明する断面図である。プロジェクターからは、s偏光である投写光L2が投写されるものとする。なお、透過層14への入射によるs偏光とp偏光との屈折角の差は微小であるため、屈折によって生じるs偏光とp偏光との光線の分離については図示しないものとする。
s偏光については、構造体13と透過層14とで屈折率差が生じる。Z軸に略平行に進行し、透過層14及び構造体13の界面へ臨界角以上の入射角で入射した投写光L2は、その屈折率差により、界面で全反射する。反射部15は、透過層14から直接反射部15へ入射した光の他、界面で一回又は複数回全反射した投写光L2を反射させる。これにより、スクリーン10は、投写光L2を効率良く反射させる。投写光L2の偏光軸と透過層14の遅延軸とを一致させることにより、偏光状態を変化させずに投写光L2を透過層14へ透過させ、スクリーン10から効率良く投写光L2を射出させることができる。
p偏光については、構造体13と透過層14とで屈折率差が殆ど生じない。Z軸に略平行に進行した外光のうちのp偏光成分L1は、透過層14及び構造体13の界面を直進する。界面を通過し、構造体13及び層16を透過したp偏光成分L1は、光吸収部12へ吸収される。これにより、スクリーン10は、投写光L2とは異なる偏光成分であるp偏光成分L1の反射を低減させることができる。スクリーン10は、界面でのs偏光の全反射を利用することで、特定の偏光方向の偏光である投写光を、外光のうち投写光とは異なる偏光成分を分離させる。外光のうち投写光とは異なる偏光成分の反射を低減させることにより、コントラストを最大2倍にまで向上させることができる。
図4は、Z軸に対して斜めに大きく傾けられた方向へ進行してスクリーン10へ入射した外光の振る舞いを説明する断面図である。透過層14及び構造体13の界面へ臨界角以下の入射角で入射した外光L3は、p偏光成分、s偏光成分のいずれも界面を通過する。界面を通過し、構造体13及び層16を透過した外光L3は、光吸収部12へ吸収される。スクリーン10は、互いに異なる角度範囲の光同士を、界面での全反射を利用して分離させることで、スクリーン10に対して垂直に近い角度範囲で進行させた投写光と、投写光とは異なる角度範囲で進行する外光とを分離させる。
スクリーン10は、複数の構造体13及び透過層14による偏光選択と角度選択との両立を可能とすることで、簡易な構成により効率良く投写光を反射させるとともに、外光の反射を低減させることが可能となる。スクリーン10は、偏光板を不要とすることで、大型化を容易にできる。これにより、簡易な構成で低コスト、スクリーン10の大型化を容易とし、明るく高いコントラストの画像を得られるという効果を奏する。
スクリーン10は、透過層14のp偏光についての屈折率no1と、構造体13のp偏光についての屈折率no2とが略同じである場合に限られない。スクリーン10は、少なくとも、透過層14のs偏光についての屈折率ne1と、構造体13のs偏光についての屈折率ne2との差が、透過層14のp偏光についての屈折率no1と、構造体13のp偏光についての屈折率no2との差よりも大きければ良いものとする。
スクリーン10は、第1の偏光方向の第1偏光をp偏光、第2の偏光方向の第2偏光をs偏光として構成しても良い。この場合、プロジェクターからは、p偏光である投写光を投写させる。スクリーン10は、スクリーン10に対して垂直に近い角度範囲の投写光を効率良く反射可能とする場合に限られず、一定の角度範囲の投写光を効率良く反射可能な構成であれば良く、適宜変形しても良い。
スクリーン10は、図5に断面図を示すように、反射部15の表面に散乱構造17を設けても良い。散乱構造17は、反射させる光を散乱させる。散乱構造17は、反射部15の表面に微細な凹凸を施すことにより形成される。反射部15で反射した投写光を散乱させることで、スクリーン10に像を表示させることができる。
図6は、本発明の実施例2に係るスクリーン20を模式的に表した断面図である。図7は、複数の構造体22を模式的に表した斜視図である。本実施例に係るスクリーン20は、界面を通過した光を反射させ、界面で全反射した光を吸収することを特徴とする。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。反射部21は、基材11上の全体に設けられている。構造体22は、二等辺三角形の断面形状をなしている。構造体22は、等屈折性材料により構成されている。複数の構造体22は、X軸方向へ並列させて配置されている。また、各構造体22は、Y軸方向に長い三角柱形状をなしている。
透過層23は、複数の構造体22に対して光が入射する側に設けられている。透過層23は、複屈折性材料により構成されている。光吸収部24は、互いに隣り合う構造体22同士の谷間に充填させて設けられている。複数の構造体22と反射部21との間には、構造体22と同一の部材で構成された層25が設けられている。
図8は、本実施例の比較例として、実施例1のスクリーン10(図1参照)に本実施例で説明する構造体22及び透過層23を適用する場合の断面図である。二等辺三角形の断面形状をなす構造体22を用いる場合、構造体22と透過層23と界面での全反射を繰り返すごとに、界面に対する投写光の入射角は徐々に小さくなる。界面に対する入射角が臨界角以下となると、投写光は、界面を通過する。投写光の一部は、構造体22及び層16を透過した後、光吸収部12へ吸収されることとなる。このため、画像の輝度の低下が生じる場合がある。
図9は、Z軸に略平行に進行して、本実施例に係るスクリーン20へ入射した投写光及び外光の振る舞いを説明する断面図である。構造体22の屈折率及び透過層23の屈折率は、実施例1の場合と同様に設定されているとする。本実施例のスクリーン20は、プロジェクターからの投写光L4が、第2偏光であるp偏光とする。Z軸に略平行に進行し、透過層23及び構造体22の界面へ入射した投写光L4は、界面を通過する。反射部21は、界面を通過し、構造体22及び層25を透過した投写光L4を反射させる。
Z軸に略平行に進行した外光のうちの第1偏光成分であるs偏光成分L5は、透過層23及び構造体22の界面で全反射する。s偏光成分L5の一部は、界面のうち光吸収部24に近い位置で全反射した後、光吸収部24へ吸収される。また、s偏光成分L5の一部は、界面における一回又は複数回の全反射により界面に対する入射角が臨界角以下となり、界面を通過する。構造体22及び層25を透過したs偏光成分L5の一部は、反射部21で反射した後、光吸収部24へ吸収される。これにより、スクリーン20は、投写光L4とは異なる偏光成分であるs偏光成分L5の反射を低減させることができる。スクリーン20は、界面でのs偏光の全反射を利用することで、特定の偏光方向の偏光である投写光を、外光のうち投写光とは異なる偏光成分を分離させる。
図10は、Z軸に対して斜めに大きく傾けられた方向へ進行してスクリーン20へ入射した外光の振る舞いを説明する断面図である。透過層23及び構造体22の界面へ臨界角以下の入射角で入射した外光L6は、p偏光成分、s偏光成分のいずれも界面を通過する。界面を通過し、構造体22及び層25を透過した外光L6の一部は、反射部21で反射した後、光吸収部24へ吸収される。なお、外光L5、L6の一部は、反射部21で反射した後、光吸収部24へ入射せず、スクリーン20から射出することとなる。この場合、スクリーン20から射出する外光L5、L6は、投写光L4とは異なる方向へ進行することとなるため、画像のコントラスト低下への影響を少なくできる。
スクリーン20は、互いに異なる角度範囲の光同士を分離させることで、スクリーン20に対して垂直に近い角度範囲で進行させた投写光と、投写光とは異なる角度範囲で進行する外光とを分離させる。本実施例の場合も、簡易な構成で低コスト、スクリーン20の大型化を容易とし、明るく高いコントラストの画像を得ることができる。
スクリーン20は、第1の偏光方向の第1偏光をp偏光、第2の偏光方向の第2偏光をs偏光として構成しても良い。この場合、プロジェクターからは、s偏光である投写光を投写させる。スクリーン20は、スクリーン20に対して垂直に近い角度範囲の投写光を効率良く反射可能とする場合に限られず、一定の角度範囲の投写光を効率良く反射可能な構成であれば良く、適宜変形しても良い。本実施例の場合も、反射部21に散乱構造を設けることとしても良い。構造体は、断面形状が実施例1及び2で説明するものである場合に限られず、適宜変形しても良い。
図11は、変形例に係る複数の構造体30を模式的に表した斜視図である。複数の構造体30は、本実施例に係るスクリーン20に適用される。本変形例の複数の構造体30は、平面上の二次元方向であるX軸方向及びY軸方向へアレイ状に配置される。各構造体30は、四角錐形状をなしている。二次元方向へ構造体30を並列させることにより、二次元方向についての偏光選択と角度選択とを可能とし、さらに高いコントラストを得ることができる。なお、二次元方向へ並列させる構造体は四角錐形状である場合に限られず、いずれの形状としても良い。
図12は、本発明の実施例3に係るスクリーン40を模式的に表した断面図である。本実施例に係るスクリーン40は、透過層42及び構造体41の界面が、XZ断面において二次曲線と略同じ形状をなすことを特徴とする。上記の実施例と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。透過層42及び構造体41の界面の二次曲線は、光吸収部12側が凸とされている。XZ断面において、構造体41は、互いに隣り合う二次曲線と光吸収部12とに囲まれた部分である。透過層42は、一つの二次曲線とXY面とに囲まれた部分である。構造体41は、等屈折性材料により構成されている。複数の構造体41は、平面上の二次元方向であるX軸方向及びY軸方向へアレイ状に配置される。透過層42は、複屈折性材料により構成されている。
散乱構造43は、透過層42のうち、二次曲線の焦点位置を中心として設けられている。散乱構造43は、入射した光を散乱させる。散乱構造43としては、透過層42を構成する部材とは異なる屈折率の部材からなる粒状体を分散させて構成されている。
構造体41の屈折率及び透過層42の屈折率は、実施例1の場合と同様に設定されているとする。本実施例のスクリーン40は、プロジェクターからの投写光L7が、第1偏光であるs偏光とする。Z軸に略平行に進行し、透過層42及び構造体41の界面へ臨界角以上の入射角で入射した投写光L7は、界面で全反射し、散乱構造43の方向へ進行する。投写光L7のうち界面で全反射した成分、透過層42を透過して直接散乱構造43の方向へ進行した成分は、散乱構造43にて散乱する。投写光L7を散乱構造43にて散乱させることで、スクリーン40に像を表示させることができる。
Z軸に略平行に進行した外光のうちp偏光成分L8は、透過層42及び構造体41の界面を通過し、光吸収部12へ入射する。これにより、スクリーン40は、投写光L7とは異なる偏光成分であるp偏光成分L8の反射を低減させることができる。Z軸に対して大きく傾けられた方向へ進行してスクリーン40へ入射した外光は、p偏光成分、s偏光成分のいずれも界面を通過し、光吸収部12へ吸収される。このように、本実施例の場合も、複数の構造体41及び透過層42による偏光選択と角度選択との両立が可能となる。
図13は、散乱構造43の好ましい大きさについて説明するものである。透過層42及び構造体41の界面の二次曲線が、y=axであるとする。界面へ臨界角以上の入射角で入射する投写光L9は、界面での全反射により、二次曲線の焦点位置の方向へ進行する。画像の輝度を向上させるには、界面のうち臨界角以上となる位置へ入射する投写光L9のみならず、界面に対して臨界角未満となる位置へ進行する投写光L10も散乱構造43へ入射可能であることが望ましい。
y=axの二次曲線のうち位置xにおける法線と、y軸に平行な直線とがなす角度θは、arctan(1/2ax)となる。また、入射側媒質の屈折率がn、射出側媒質の屈折率がnである界面における臨界角θは、arcsin(n/n)である。散乱構造43を半径rの円形状とする場合に、界面に対して臨界角未満となる位置へ進行する投写光L10が入射する位置を占めるような半径rは、θ=θを満たすxとして与えられる。従って、散乱構造43は、arcsin(n/n)=arctan(1/2ar)を満足する半径rとすることが望ましい。
本実施例の場合も、簡易な構成で低コスト、スクリーン40の大型化を容易とし、明るく高いコントラストの画像を得ることができる。散乱構造43は、散乱剤を分散させたものに代えて、入射した光を反射させる反射材を分散させたものとしても良い。
図14は、本発明の実施例4に係るスクリーン50を模式的に表した断面図である。本実施例に係るスクリーン50は、複屈折性材料により構成されている構造体51と、等屈折性材料により構成されている透過層52とを備えることを特徴とする。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。層53は、構造体51と同一の部材で構成されている。本実施例に係るスクリーン50は、実施例1に係るスクリーン10とは構造体51、透過層52、層53の材料が異なる他は、実施例1に係るスクリーン10と同様に構成されている。
透過層52は、等屈折性材料により構成され、s偏光についての屈折率ne1と、p偏光についての屈折率no1とが同じである(ne1=no1)。構造体51は、複屈折性材料により構成され、s偏光についての屈折率ne2と、p偏光についての屈折率no2とが異なる(ne2≠no2)。また、構造体51のs偏光についての屈折率ne2は、透過層52のs偏光についての屈折率ne1より小さい(ne2<ne1)とする。透過層52のp偏光についての屈折率no1と、構造体51のp偏光についての屈折率no2とは、略同じ(no1≒no2)とする。
スクリーン50へ入射した投写光及び外光の振る舞いは、実施例1における図3の場合と同様である。本実施例の場合も、簡易な構成で低コスト、スクリーン50の大型化を容易とし、明るく高いコントラストの画像を得ることができる。スクリーン50は、透過層52のp偏光についての屈折率no1と、構造体51のp偏光についての屈折率no2とが略同じである場合に限られない。スクリーン50は、少なくとも、透過層52のs偏光についての屈折率ne1と、構造体51のs偏光についての屈折率ne2との差が、透過層52のp偏光についての屈折率no1と、構造体51のp偏光についての屈折率no2との差よりも大きければ良いものとする。上記実施例2に係るスクリーン20の場合も、本実施例に係るスクリーン50と同様に、複屈折性材料により構成された構造体と、等屈折性材料により構成された透過層とを備える構成に変形しても良い。
以上のように、本発明に係るスクリーンは、フロント投写型のプロジェクターからの投写光を用いて画像を表示する場合に適している。
10 スクリーン、11 基材、12 光吸収部、13 構造体、14 透過層、15 反射部、16 層、17 散乱構造、20 スクリーン、21 反射部、22 構造体、23 透過層、24 光吸収部、25 層、30 構造体、40 スクリーン、41 構造体、42 透過層、43 散乱構造、50 スクリーン、51 構造体、52 透過層、53 層

Claims (6)

  1. 平面上に並列させた複数の構造体と、
    前記構造体へ入射する光を透過させる透過層と、
    前記透過層及び前記構造体の界面を経て進行する光を反射させる反射部と、を有し、
    前記構造体は、第1の偏光方向の第1偏光についての屈折率と、前記第1の偏光方向に垂直な第2の偏光方向の第2偏光についての屈折率とが略同じである等屈折性材料を用いて構成され、
    前記透過層は、前記第1偏光についての屈折率と前記第2偏光についての屈折率とが互いに異なる複屈折性材料を用いて構成され、
    前記構造体の前記第1偏光についての屈折率が、前記透過層の前記第1偏光についての屈折率より小さく、かつ、前記透過層の前記第1偏光についての屈折率と、前記構造体の前記第1偏光についての屈折率との差が、前記透過層の前記第2偏光についての屈折率と、前記構造体の前記第2偏光についての屈折率との差よりも大きく、
    前記反射部は、前記界面で全反射した前記第1偏光の成分を反射させることを特徴とするスクリーン。
  2. 前記界面を通過した前記第2偏光の成分を吸収する光吸収部を有することを特徴とする請求項に記載のスクリーン。
  3. 前記反射部は、金属部材を用いて構成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のスクリーン。
  4. 前記反射部は、反射させる光を散乱させる散乱構造を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のスクリーン。
  5. 前記透過層の前記第2偏光についての屈折率と、前記構造体の前記第2偏光についての屈折率とが略同じであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のスクリーン。
  6. 複数の前記構造体は、前記平面上の二次元方向へアレイ状に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクリーン。
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