JP2008249897A - 観察可能人数の切替え機能付スクリーン及び投射型画像表示装置のシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】観察可能範囲を切り替えられる画像投射システムを提供するにある。
【解決手段】画像投射システムは、プロジェクタとスクリーンとを備えている。スクリーンは、光線の入射側に配置された光学異方性を有する第1層及び前記第1層を通過した前記光線が入射さるように配置された再帰性反射性を有する第2層を具備し、このスクリーンに光線を向けるプロジェクタは、偏光方向を切替える光学部を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】画像投射システムは、プロジェクタとスクリーンとを備えている。スクリーンは、光線の入射側に配置された光学異方性を有する第1層及び前記第1層を通過した前記光線が入射さるように配置された再帰性反射性を有する第2層を具備し、このスクリーンに光線を向けるプロジェクタは、偏光方向を切替える光学部を有している。
【選択図】 図1
Description
この発明は、観察可能人数の切替え機能付スクリーン及び投射型画像表示装置のシステムに関する。
よく知られるように一般的な投射型画像表示装置においては、拡散反射特性を有するスクリーンに画像を投射することで、どの角度からも映像を観察することができる。これに対し、入射した方向に光線を反射する再帰性を有するスクリーン(指向性並びに自己収束性を有するスクリーン)に画像を投射すると、画像を投射した光線は、投射レンズの位置に戻されることとなる。従って、投射された画像は、投射レンズ位置、又は、その近傍からのみ観察が可能でとなる。但し、再帰性が不十分な場合は、投射レンズを中心としたある範囲で観察することができる。再帰性を示す部材としては、ハエの目レンズの焦点面に拡散反射面を設けた構造、或いは、ガラスビーズの背面に反射材を設けた構造、コーナーキューブ構造などが知られている。これらの構造では、界面での反射、又は、屈折を利用して入射した光線を略入射方向とは反対方向に反射させている。また、拡散反射及び再帰性反射の間の特性を有するスクリーンも存在する。このスクリーンは、投射型画像表示装置の輝度が不十分だった頃に開発され、拡散反射特性及び鏡面反射特性、或いは、拡散反射特性及び再帰性反射特性の中間のスクリーン特性を実現することで、スクリーンから反射する光線の入射範囲を完全拡散よりは制限し、観賞範囲での輝度を向上している。具体的には、前者の場合は,つやのある凹凸を設けて拡散反射と鏡面反射性を両立したり,後者の場合は再帰性を低下させたり、再帰性を不十分にしたりしている。前者の拡散反射に鏡面反射を加えた反射系のスクリーンは、パール系、拡散反射に再帰性反射を加えた反射系のスクリーンは、ビーズ系と呼ばれ、拡散反射であるマット系と比較して、その輝度は一般に、ビーズ系がパール系及びマット系よりも大きく、また、パール系がマット系よりも大きい関係にある。観賞範囲に関しては、これとは逆に、マット系がパール系及びマット系よりも大きく、パール系がビーズ系よりも大きい関係にある。
再帰性反射スクリーンを利用した画像表示方法としては、非特許文献1に開示されるように、左右眼に異なる画像をみせることによる立体視プロジェクタ或いは特許文献1に開示されるような物体のカモフラージュ等がある。これら画像表示方法の応用先は、VR(Virtual Reality)或いはMR(Mixed Reality)に限られている。最近になって、各人がプロジェクタを所持し、自分が投影した画像を投影位置近傍から自分自身だけが見るような、一般的な用途への展開を考慮した技術も特許文献2に開示されている。
公開P2000−122176
公開P2005−55822
西田信夫、プロジェクタの最新技術7章、CMC出版(2005)。
一人だけが観察できる投射画像には、「他の人に覗き込まれない」、「投射する光量が少なくて良い」、「同一のスクリーンで複数名が夫々異なる画像を見ることができる」というメリットがある。しかし、裏を返せば、一人だけしかスクリーンを観察できないことを意味する。利用シーンによっては、映像を他人と共有したい場合等がしばしば生じることが予想される。しかし、現時点では、一人だけが観察できる状態と、多人数で観察できる状態を切り替えたくても、拡散反射スクリーンと再帰性反射スクリーンとを置き換えるような手法がない状況にある。
上述したように、プロジェクタで投射した画像は、投射するスクリーンの特性によって観察範囲が変化するが、プロジェクタ側で切り替える方法がなく、必要に応じて観察範囲の変更が望まれている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされてものであり、その目的は、これを画像投射側、即ち、観察者側で切り替えられることができる観察可能人数を切替えることが可能な機能を有するスクリーン及び投射型画像表示装置のシステムを提供することにある。
この発明によれば、
光線の入射側に配置された光学異方性を有する第1層と、
前記第1層を通過した前記光線が入射さるように配置された再帰性反射性を有する第2層と、
を具備するスクリーンが提供される。
光線の入射側に配置された光学異方性を有する第1層と、
前記第1層を通過した前記光線が入射さるように配置された再帰性反射性を有する第2層と、
を具備するスクリーンが提供される。
また、この発明によれば、
入射光線に対して再帰性反射特性を与える微細な凹凸構造を有する再帰性反射層と、
当該凹凸を充填するように前記凹凸構造に接着された複屈折性を有する材料で作られた複屈折層であって、当該複屈折材料の一方の屈折率と再帰性反射層の屈折率が略一致していることを特徴とするスクリーンが提供される。
入射光線に対して再帰性反射特性を与える微細な凹凸構造を有する再帰性反射層と、
当該凹凸を充填するように前記凹凸構造に接着された複屈折性を有する材料で作られた複屈折層であって、当該複屈折材料の一方の屈折率と再帰性反射層の屈折率が略一致していることを特徴とするスクリーンが提供される。
更に、この発明によれば、
上記いずれかのスクリーンを備え、
当該スクリーンに前記光線を向けるプロジェクタであって、前記光線の偏光方向を切替える光学部を有するプロジェクタを具備することを特徴とする画像表示システムが提供される。
上記いずれかのスクリーンを備え、
当該スクリーンに前記光線を向けるプロジェクタであって、前記光線の偏光方向を切替える光学部を有するプロジェクタを具備することを特徴とする画像表示システムが提供される。
本発明によれば、スクリーンの上層に「光学異方性のある」層を設けることで、偏光切り替えにより機能を切り替えるスクリーンを提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る観察可能人数の切替え機能付スクリーン及び投射型画像表示装置のシステムについて説明する。
図1(a)〜(c)は、この発明の一実施の形態に係る観察可能人数の切替え機能付スクリーンに画像を投影する投射型画像表示装置のシステムを示している。図1(a)に示されるスクリーン1は、機能的には、拡散反射特性及び再帰性反射特性のいずれかに切り替えることができるスクリーンであって、図1(b)及び(c)に示すようにスクリーンの背面側の下層3及びプロジェクタ8側に相当するスクリーンの前面側の上層2から構成される2層構造を備えている。また、プロジェクタ8は、投射する光線に偏光特性を与えることができる偏光旋光機能を有するプロジェクタとして構成されている。上層2は、光学異方性を有する拡散反射層で作られ、下層3は、再帰性スクリーンで構成されている。また、プロジェクタ8から投射される光線は、後に述べるように拡散反射特性及び再帰性反射特性のいずれかに切り替えるために偏光特性を備えている。図1(a)において、スクリーン1上にx及びyの座標軸が描かれ、x軸並びにy軸に沿った偏光面を有するX及びY偏光波(P及びS偏光波)がプロジェクタ8からスクリーン1に向けて投射される。
ここで、拡散反射特性を有するスクリーンとは、反射特性に拡散性を与えたスクリーンとして知られている。
反射特性を有するスクリーンの代表的なものはパール系と呼ばれ、図2に知られるように鏡面反射特性を供えた散乱特性として知られている。即ち、図2に示されるようにプロジェクタ8から射出した投影光線9で画像がスクリーン10に投影されると、このスクリーン10上には、画像が形成され、この画像からの反射光線6は主にスクリーン法線を対象線としてスクリーン10の前方に向けられる。従って、スクリーン10の前方にいる複数の観察者は、スクリーン10上からの反射光線6で画像を観察することが可能となる。
拡散反射特性を有するスクリーンはマット系と呼ばれ、図3に示されるように反射光線を拡散する拡散反射層で作られた一般的なスクリーンとして知られ、どの角度からも映像を観察することができる。即ち、図3に示されるようにプロジェクタ8から射出した投影光線9で画像がスクリーン7に投影されると、このスクリーン7上には、画像が形成され、この画像からの拡散反射光線6がスクリーン7の前方に向けられる。従って、スクリーン7の前方にいる複数の観察者は、いずれもスクリーン7上の画像を観察することが可能となる。拡散反射光線6は、比較的広い範囲に亘ってスクリーン7から反射されることから、比較的広い範囲から画像を観察できることとなる。
これに対して、再帰性反射特性を有するスクリーンとは、図4に示されるように反射特性を有するとともに投影側であるプロジェクタ8にスクリーン3で反射された光線が戻される再帰性を有するスクリーンに相当している。即ち、図4に示されるようにプロジェクタ8から射出した投影光線9で画像がスクリーン7に投影されると、このスクリーン3上には、画像が形成され、この画像からの反射光線6が再び投影光線9の軌跡を方向のみ反転して通過してプロジェクタ8に向けられる。再帰性反射特性を有するスクリーン3では、反射光線9がプロジェクタ8の投射レンズの位置に戻されることとなる。従って、投射された画像は、投射レンズ位置、又は、その近傍からのみ観察が可能でとなる。但し、再帰性が不十分な場合は、投射レンズを中心としたある範囲で観察することができる。
再帰性を示す部材構造としては、一例として図5に示されるようにガラスビーズ13が基板14に均一に埋め込まれて配列された構造がある。図5に示されるガラスビーズ構造では、プロジェクタ8の投射レンズらの投射光線は、ガラスビーズ13に導かれ、図5に示されるようにこのガラスビーズ13内で反射されて再び投射光線が入射した光路に向けて反射される。従って、反射された光線は、再帰性を有し、再びプロジェクタ8の投射レンズに戻されることとなる。
また、再帰性を示す部材構造の他の例としては、図6(a)に示されるようなコーナーキューブ構造がある。コーナーキューブ構造では、3つの反射面15がキューブを形作るように組み合わされて各コーナーキューブ12が定められ、複数のコーナーキューブが平面的に配列されて構成されている。このようなコーナーキューブ構造では、図6(b)に示すようにプロジェクタ8の投射レンズらの投射光線は、各コーナーキューブ12の反射面で反射されて再び投射光線が入射した光路に向けて反射される。従って、反射された光線は、再帰性を有し、再びプロジェクタ8の投射レンズに戻されることとなる。
更に、再帰性を示す部材構造の更に他の例としては、図7に示されるようなハエの目レンズ17の焦点面に拡散反射面7が設けられた構造がある。即ち、図7に示されるように拡散反射面7上にハエの目レンズ17に相当するセグメントレンズがマトリックス状に配列され、各レンズ17には、その焦点が拡散反射面7に一致するような焦点距離が与えられている。このハエの目レンズ構造では、プロジェクタ8の投射レンズらの投射光線は、各レンズ17で拡散反射面7に収束され、この拡散反射面7で拡散されて反射される。拡散反射された光線は、再び各レンズ17によってコリメートされて投射光線の光路に沿って射出される。従って、反射された光線は、再帰性を有し、再びプロジェクタ8の投射レンズに戻されることとなる。
上層2に光学異方性のある拡散反射層が設けられていることから、プロジェクタ8から投射される光線の偏光方向が90度旋光されることによって多人数観察モード(拡散反射)及び一人観察モード(再帰性反射)のいずれかに切り替えることができる。例えば、上層2がX偏光波に対して拡散反射性を有し、Y偏光波に対して透過特性を有する場合には、プロジェクタ8から投射されるX偏光波で構成される画像は、上層2で拡散反射される。従って、多人数の観察者がスクリーン1上の画像を観察することができる。(多人数観察モード(拡散反射))これに対して、プロジェクタ8において、X偏光からY偏光に切り替えられてY偏光波で構成される画像がプロジェクタ8からスクリーン1に投影される場合には、Y偏光波成分は、上層2を透過して下層3に入射される。下層3は、図4を参照して説明したように再帰性を有することから、入射されたY偏光波成分の光線は、再び入射光線の方向に向けられ、上層2を通過してプロジェクタ8に向けられる。従って、プロジェクタ8の周辺でスクリーン1を観察する観察者のみが画像を観察することができる。この観察モードは、一人観察モード(再帰性反射)と称するが、プロジェクタ8の周辺で画像を観察することができる観察者は、一人に限られず、プロジェクタ8の周辺に少人数がいる場合には、この少人数の観察者も画像を観察することができる。ここで、上層2は、X偏光波成分の光線に対して反射特性を有していれば、拡散性を有していなくとも良い。上層2の拡散性が低下した場合には、図2に示すような鏡面反射特性を有するスクリーン10と同様なスクリーン特性を有することとなり、スクリーン法線を対象軸として,プロジェクタと反対側となるX偏光波成分の光線の反射方向において、多人数で画像を観察することができる。(多人数観察モード(鏡面反射))
上述した説明においては、X偏光波成分の光線を上層2が反射し、Y偏光波成分の光線を上層2が透過する材料で上層が構成される場合について説明しているが、X偏光波成分の光線を上層2が透過し、Y偏光波成分の光線を上層2が反射する材料で上層が構成されても良いことは明らかである。
上述した説明においては、X偏光波成分の光線を上層2が反射し、Y偏光波成分の光線を上層2が透過する材料で上層が構成される場合について説明しているが、X偏光波成分の光線を上層2が透過し、Y偏光波成分の光線を上層2が反射する材料で上層が構成されても良いことは明らかである。
上層2に特定の偏光波成分に対して反射特性を与える構造としては、図8(a)及び(b)に示すように屈折率異方性のある液滴5が等方的な屈折率を示す支持剤4の中に分散された構造であっても良く、或いは、図9(a)及び(b)に示すように等方的な屈折率を持つ液滴4が屈折率異方性を有する支持剤5の中に分散された構造であっても良い。屈折率異方性のある液滴及び支持剤5は、具体的には高分子分散型液晶材料で実現できる。図8(a)、(b)並びに図9(a)、(b)に示す構造では、一例として、X偏光波成分の光線に対して屈折率異方性のある液滴5或いは屈折率異方性を有する支持剤5と等方的な屈折率を持つ支持剤4との界面に屈折率差が生じてX偏光波成分の光線が反射され、Y偏光波成分の光線に対して屈折率異方性のある液滴5或いは屈折率異方性を有する支持剤5と等方的な屈折率を持つ支持剤4との界面に屈折率差がなくなり,その通過を許すこととなる。
更に、上層2に特定の偏光波成分に対して反射特性を与える構造としては、図10(a)及び(b)に示すように等方的な屈折率を有する一対の透明層4間に光の波長程度の厚みを有する屈折率異方性を示す異方性屈折透明層5が積層された誘電薄膜積層構造11とすることができる。屈折率異方性を示す異方性屈折層5は、具体的には高分子分散型液晶材料で実現することができる。図10(a)、(b)に示す構造では、一例として、X偏光波成分の光線に対して異方性屈折透明層5と等方性屈折透明層4との界面に屈折率差が生じてX偏光波成分の光線を反射し、Y偏光波成分の光線に対して異方性屈折透明層5と等方性屈折透明層4との界面に屈折率差が失われてその通過を許すこととなる。
更にまた、スクリーン1は、上層2及び下層3から成る2層構造に限らず、上層2として複屈折性を有する透過層5、中層として再帰性反射層12及び下層としての反射層17が積層された三層構造に形成されても良い。反射層17は、再帰性反射層12に一体化されても或いはギャップを介して再帰性反射層12に対向されるように配置されても良い。この3層構造では、一例として、X偏光波成分の光線が複屈折性を有する透過層5と再帰性反射層12の界面で反射され、Y偏光波成分の光線は、複屈折性を有する透過層5と再帰性反射層12の界面に屈折率差がなくなることによりこれを通過して反射層17で反射されることとなる。
尚、図11(a)及び(b)に示される構造では、透過層5の屈折率を等方的な材料で構成し、再帰性反射層12に複屈折異方性を与えても良い。いずれにしても、ある偏光成分(x偏光成分或いはy偏光成分)については、透明層と再帰性反射層との界面に屈折率差が生じ、それと直交する偏光成分については、屈折率差を無くすことができる構造であれば良い。
図8(a)〜図11(b)に示される再帰性反射特性を有する下層3は、界面が凹凸を有する構造に形成されている。この界面は、複屈折異方性のある透明材料及び等方的な屈折率を有する材料間に生じさせ、複屈折性を有する材料の屈折率の一方を等方的な屈折率を有する材料の屈折率に一致させれば、入射光線のある成分(x偏光成分或いはy偏光成分)は、上層の界面に生じた屈折率差によって界面の形状に応じた反射特性で反射し、これに直交する成分は、上層の界面に屈折率差が無くなるためにこれを透過し,その背面に用意された下層の反射特性に従って反射されるという性能を実現することができる。再帰性反射とそれ以外の反射(鏡面反射,拡散反射)はどちらを上層または下層にしても良いが,上層と下層の反射特性を異ならせることで,入射光線の偏光方向の旋光によって反射特性を切り替えることができる.
図1に示されるプロジェクタ8は、図12に示されるようにランプ等の光源20を備え、この光源20からの光線が赤色(R)光線を反射する第1のダイクロイックミラー(選択反射ミラー)21に入射され、赤色(R)光線は、ミラー22Rで反射されて赤色用液晶パネル23Rに入射される。第1のダイクロイックミラー21を通過した光線は、第2のダイクロイックミラー24に向けられる。第2のダイクロイックミラー24では、青色(B)光線が反射されて青色用の液晶パネル23Bに向けられ、緑色(G)光線が透過され、ミラー22Gで反射されて緑色用液晶パネル23Gに向けられる。赤色用液晶パネル23R、緑色用液晶パネル23G及び青色用の液晶パネル23Bには、外部からR、G及びBの画像信号が供給されてこのR、G及びBの画像信号で対応する液晶パネル23R、23G、23Bが駆動される。従って、R、G及びBの画像信号に従って強度変調された赤色(R)光線、緑色(G)光線及び青色(B)光線が夫々対応する液晶パネル23R、23G、23Bから射出される。赤色(R)光線及び青色(B)光線は、ハーフミラー25で合成されてハーフミラー26に向けられ、このハーフミラー26で緑色(G)光線に混合されて変調された赤色(R)光線、緑色(G)光線及び青色(B)光線が混合された光線が旋光素子27を介して投射レンズ28に向けられ、この投射レンズに28によってスクリーン1に投射される。液晶パネル23R、23G、23Bを光線が通過する際に光線は、直線偏光されてその振動面がX或いはYの方向に限られることとなる。同一方向に直線偏光された光線が旋光素子27に入射されると、その偏光面が回転されてその偏光面がX或いはYの方向に変換される。旋光素子27は、機械的に光線光路中で回転されても良く、或いは、外部から電気的に旋光特性が変更されても良い。具体的には,前者は1/2波長板,後者はツイストネマチック(TN)型液晶素子をあげられる。旋光素子27がx旋光モードに設定されている際には、入射された光線の偏光面が90度回転されて(または回転されずに)x偏光成分のみがスクリーン6に向けられる。また、旋光素子27がy旋光モードに設定されている際には、入射された光線の偏光面が回転されずに(または90度回転されて)y偏光成分のみがスクリーン6に向けられる。もちろん,両者とも45度ずつ逆方向に回転されても構わない.
図12に示される光学系では、偏光を旋光するための旋光素子27が投射レンズ28の直前に配置されているが、旋光するための機能を与える素子(旋光素子27)は、LCDのように画像表示装置から射出する光線が直線偏光されている場合には、プロジェクタ8とスクリーンの間に設けても良い。また、プロジェクタ8に偏光機能が与えられていない場合は、旋光素子27に代えて,または加えて,偏光子が光源20とスクリーン6の間に配置されても良い。偏光子単体の場合は物理的に偏光子を回転させる必要がある.旋光素子の手前に偏光子を置く場合は,偏光子は固定で旋光素子が偏光方向の回転を担う.
プロジェクタ8には、図13に示すように観察範囲を指定する観察範囲入力部30を備えることが好ましい。即ち、多人数観察モード(拡散反射)及び一人観察モード(再帰性反射)のいずれかを入力する入力部30を備え、この入力部30からのモード指定信号に応じて投射条件制御部32が動作されて投影条件が制御される。より詳細には、この投射条件制御部32は、偏光方向決定部34を備え、偏光方向決定部34がモード指定信号に応じてX偏光とするか或いはY偏光とするかを決定している。この偏光方向決定部34が偏光方向制御部38を駆動制御して偏光方向制御部38によって旋光素子27による偏光方向が切り替えられる。従って、入力部30で指定したモードに応じてプロジェクタ8から特定の偏光成分を有する光線がスクリーン1に向けて投射される。
図1に示されるプロジェクタ8は、図12に示されるようにランプ等の光源20を備え、この光源20からの光線が赤色(R)光線を反射する第1のダイクロイックミラー(選択反射ミラー)21に入射され、赤色(R)光線は、ミラー22Rで反射されて赤色用液晶パネル23Rに入射される。第1のダイクロイックミラー21を通過した光線は、第2のダイクロイックミラー24に向けられる。第2のダイクロイックミラー24では、青色(B)光線が反射されて青色用の液晶パネル23Bに向けられ、緑色(G)光線が透過され、ミラー22Gで反射されて緑色用液晶パネル23Gに向けられる。赤色用液晶パネル23R、緑色用液晶パネル23G及び青色用の液晶パネル23Bには、外部からR、G及びBの画像信号が供給されてこのR、G及びBの画像信号で対応する液晶パネル23R、23G、23Bが駆動される。従って、R、G及びBの画像信号に従って強度変調された赤色(R)光線、緑色(G)光線及び青色(B)光線が夫々対応する液晶パネル23R、23G、23Bから射出される。赤色(R)光線及び青色(B)光線は、ハーフミラー25で合成されてハーフミラー26に向けられ、このハーフミラー26で緑色(G)光線に混合されて変調された赤色(R)光線、緑色(G)光線及び青色(B)光線が混合された光線が旋光素子27を介して投射レンズ28に向けられ、この投射レンズに28によってスクリーン1に投射される。液晶パネル23R、23G、23Bを光線が通過する際に光線は、直線偏光されてその振動面がX或いはYの方向に限られることとなる。同一方向に直線偏光された光線が旋光素子27に入射されると、その偏光面が回転されてその偏光面がX或いはYの方向に変換される。旋光素子27は、機械的に光線光路中で回転されても良く、或いは、外部から電気的に旋光特性が変更されても良い。具体的には,前者は1/2波長板,後者はツイストネマチック(TN)型液晶素子をあげられる。旋光素子27がx旋光モードに設定されている際には、入射された光線の偏光面が90度回転されて(または回転されずに)x偏光成分のみがスクリーン6に向けられる。また、旋光素子27がy旋光モードに設定されている際には、入射された光線の偏光面が回転されずに(または90度回転されて)y偏光成分のみがスクリーン6に向けられる。もちろん,両者とも45度ずつ逆方向に回転されても構わない.
図12に示される光学系では、偏光を旋光するための旋光素子27が投射レンズ28の直前に配置されているが、旋光するための機能を与える素子(旋光素子27)は、LCDのように画像表示装置から射出する光線が直線偏光されている場合には、プロジェクタ8とスクリーンの間に設けても良い。また、プロジェクタ8に偏光機能が与えられていない場合は、旋光素子27に代えて,または加えて,偏光子が光源20とスクリーン6の間に配置されても良い。偏光子単体の場合は物理的に偏光子を回転させる必要がある.旋光素子の手前に偏光子を置く場合は,偏光子は固定で旋光素子が偏光方向の回転を担う.
プロジェクタ8には、図13に示すように観察範囲を指定する観察範囲入力部30を備えることが好ましい。即ち、多人数観察モード(拡散反射)及び一人観察モード(再帰性反射)のいずれかを入力する入力部30を備え、この入力部30からのモード指定信号に応じて投射条件制御部32が動作されて投影条件が制御される。より詳細には、この投射条件制御部32は、偏光方向決定部34を備え、偏光方向決定部34がモード指定信号に応じてX偏光とするか或いはY偏光とするかを決定している。この偏光方向決定部34が偏光方向制御部38を駆動制御して偏光方向制御部38によって旋光素子27による偏光方向が切り替えられる。従って、入力部30で指定したモードに応じてプロジェクタ8から特定の偏光成分を有する光線がスクリーン1に向けて投射される。
投射条件制御部32は、多人数観察モード(拡散反射)及び一人観察モード(再帰性反射)のいずれかの指定に応じて輝度を決定する輝度決定部36を備え、この輝度決定部36で決定された輝度設定信号に応じて輝度制御部40が光源20を制御し、光源20の輝度をモードに応じて調整する。具体的には、図14に示すように多人数観察モードAでは、光源20の輝度が強に設定され、一人観察モードBでは、光源20の輝度が弱に設定される。いずれのモードにおいても、液晶パネル23R,23B,23Gからは直線偏光された光線が旋光素子27に向けられる。旋光素子27では、多人数観察モードAにおいて、偏光面を制御して特定成分、例えば、X偏光波成分の光線を投射レンズ28に向けることとなる。一人観察モードBでは、旋光素子27を制御して,X偏光に直交した偏光面を有する成分、例えば、Y偏光波成分の光線が投射レンズ28に向けられる。従って、多人数観察モードAでは、下層3にまで光線が到達せずに上層2で光線が拡散反射され、多人数の観察者でスクリーン6上の画像を観察することができる。また、一人観察モードBでは、上層2を光線が透過して下層3に向けられ、入射光線に再帰性が与えられてプロジェクタ8に向けて光線が反射される。その結果、少人数の観察者のみがスクリーン6上の画像を観察することができることとなる。多人数観察モードAでは、スクリーン6で光線が拡散反射されて観察領域が広がるかわりに,一定面積,すなわち,観察者の目に入射する光線量が減少することにより映像の輝度が低下されるが、光源20で予め輝度が強に設定されていることから、観察者の目には、一人観察モードBと略同様な輝度の映像が視認される。
上述したように、再帰性反射と、拡散反射、または(鏡面+拡散)反射では、鑑賞範囲或いは反射特性の変化に伴って、鑑賞範囲内で観察者が観察する輝度が変化されるが、偏光方向の切り替えに伴い鑑賞範囲が変化されるとともに、輝度が変調される。結果とし、鑑賞範囲が変化しても鑑賞者にはスクリーンに投射された映像の輝度の変化を感じさせないようにすることができる。画像投射装置の輝度が一定に維持されている場合に、偏光方向が切り替えられ、再帰性反射、拡散反射及び(鏡面+拡散)反射のいずれかに切り替えられた際のスクリーンゲインの比をA:B:Cとすると、輝度変化を起こさないためには、偏光方向の切り替えと同期して、輝度の比を1/A:1/B:1/Cに調整することが好ましく、鑑賞範囲が変化しても鑑賞者に輝度の変化を感じさせないよういすることができる。
このようなスクリーン1とプロジェクタ8とを組み合わせることで、スクリーン6を変更することなく、プロジェクタ8の側の操作で、拡散反射と再帰性反射(個人観察と複数人観察)を切り替えることができる。
以下に、観察可能人数の切替え機能付スクリーン及び投射型画像表示装置のシステムの実施例について説明する。
以下に、観察可能人数の切替え機能付スクリーン及び投射型画像表示装置のシステムの実施例について説明する。
実施例 1
まず光学異方性のある拡散層と再帰性反射シートからなるスクリーンを次のように作成した。50μmの間隔で離間して設置した2枚のガラス基板の内側には、液晶が水平配向するようにラビング処理を施したポリイミド膜を設けた。この基板間に、毛細管現象を利用してPMMAからなる直径2μmのビーズを分散した重合性液晶ジアクリレートモノマー(RM257)(Merck社製)を主原料とした液晶材料を注入した。このとき、注入方向とラビング方向を一致させた。ポリイミド膜からの配向規制力により液晶材料が配向した状態で、波長366nm、強度20W/m2の光を照射し、基板から取り外した。PMMAの屈折率nと、液晶材料の常光に対する屈折率(no)を略一致させたことから、このシートにラビング方向と偏光方向が平行の光が入射すると、この振動面は高分子液晶の分子軸の長軸に平行な異常光となることから、異常光が感じる屈折率(ne)とビーズの屈折率nとの界面には屈折率差が発生し、拡散反射を起こした。一方、ラビング方向と直交する偏光(常光)が入射すると、この振動面は高分子液晶の分子軸に直交する常光となることから、常光が感じる屈折率(ne)とビーズの屈折率nの界面には屈折率差がなくなり、そのまま透過した。このような異方性拡散反射特性を備えたフィルムを、封入反射形反射シート(住友3M製)の前面に張りつけた。
まず光学異方性のある拡散層と再帰性反射シートからなるスクリーンを次のように作成した。50μmの間隔で離間して設置した2枚のガラス基板の内側には、液晶が水平配向するようにラビング処理を施したポリイミド膜を設けた。この基板間に、毛細管現象を利用してPMMAからなる直径2μmのビーズを分散した重合性液晶ジアクリレートモノマー(RM257)(Merck社製)を主原料とした液晶材料を注入した。このとき、注入方向とラビング方向を一致させた。ポリイミド膜からの配向規制力により液晶材料が配向した状態で、波長366nm、強度20W/m2の光を照射し、基板から取り外した。PMMAの屈折率nと、液晶材料の常光に対する屈折率(no)を略一致させたことから、このシートにラビング方向と偏光方向が平行の光が入射すると、この振動面は高分子液晶の分子軸の長軸に平行な異常光となることから、異常光が感じる屈折率(ne)とビーズの屈折率nとの界面には屈折率差が発生し、拡散反射を起こした。一方、ラビング方向と直交する偏光(常光)が入射すると、この振動面は高分子液晶の分子軸に直交する常光となることから、常光が感じる屈折率(ne)とビーズの屈折率nの界面には屈折率差がなくなり、そのまま透過した。このような異方性拡散反射特性を備えたフィルムを、封入反射形反射シート(住友3M製)の前面に張りつけた。
図14に示されるような光学系を有する単板LCD型プロジェクタの旋光素子の位置に、TN−LCDからなる偏光旋光素子を配した。TN−LCDは90度ツイストして配向させており、電圧印加時には旋光機能はなく、電圧無印加時には旋光機能を発現する。投射用ランプには輝度変調機能を設けた。多人数観察を行う場合を状態A、個人観察を行う場合を状態Bとした場合に、A状態では、LCDの射出側偏光板の偏光方向と旋光素子の入射面のラビング方向を一致させ、電圧無印加でツイスト配向している旋光素子の中の液晶材料のツイストに従って旋光し、旋光素子への入射時とは90度偏光方向が回転した光が投射レンズを経由し、スクリーンに投射された。この偏光方向は、スクリーンの上層である前記異方性拡散反射フィルムのラビング方向に一致しており、この結果、拡散反射特性が示され、投射された映像は多人数での観察が可能となった。一方、B状態への切替えは、旋光素子に電圧を印加し、ホメオトロピック状態(液晶の等方性状態)にすることで行う。LCDの射出側偏光板を経由した偏光は、旋光素子で回転されないことから、投射レンズから投射された光の偏光方向はA状態とは90度偏光方向が異なる。この光が投射レンズを経由し、スクリーンに投射されると、スクリーンの上層である前記異方性拡散反射フィルムのラビング方向と入射する光の偏光方向が直交することから、シートは透過性を示し、入射光は再帰性反射シートまで到達し、投射レンズと共役な位置とその周辺でのみの観察が可能となった。投射レンズと共役な位置は、ハーフミラーを用いるなどして生成できる。
A状態とB状態では観察可能範囲と単位面積あたりの反射特性が異なることから、投射用のランプはこれを是正するように輝度を変化させた。すなわち、ランプの輝度、ランプから射出した光が投射レンズにいたるまでの輝度の低下率、スクリーンから反射された画像を観察できる範囲、スクリーンの単位面積あたりの反射率を、A状態とB状態で表1のように与えると、
(1×a_1)×a_3/a_2 = (x×b_1)×b_3/b_2 ・・・(1)
より、
x = a_1×a_3×b_2/a_2/b_1/b_3 ・・・(2)
となり、A状態のランプ輝度を1としたときのB状態のランプ輝度は(2)式で与えられた。
実施例 2
実施例1において、異方性拡散反射特性シートの作り方を変更した。実施例1とは異なり、シートを作製するための2枚の基板の間隔は300μmとし、配向処理は施さなかった。この基板間に、液晶性モノマーと等方性モノマーが層分離する混合物を注入し、過熱処理で液晶性モノマーの液滴の直径が2μm前後になるように調整、等方性モノマーを加熱重合した。このフィルムを基板からはがし、一方向に引っ張りながらドロップレット内の液晶性モノマーを引っ張り方向に配向させ、光照射により重合させた。これによって、等方的な屈折率を示す透明高分子材料中に、屈折率異方性を持つ液滴を混在させることができた。液晶性モノマーのnoと、等方性材料の屈折率nは略一致させた。このフィルムに、引っ張り方向に平行な偏光が入射すると、その振動面は液晶材料の分子軸に平行な異常光となることから、液晶性液滴の異常光が感じる屈折率(ne)と等方性支持層の屈折率nの界面に屈折率差が発生して拡散反射特性を示した。一方、これに直交する偏光の振動面は液晶材料の分子軸に直交する常光となることから、常光が感じる屈折率(ne)と、等方性材料の屈折率nには差が無い状態となり、このフィルムを透過した光は下層の再帰性反射シートに到達し、再帰性反射された。これのフィルム以外は実施例2と同様の構成で、観察範囲を切り替えられるプロジェクタシステムを実現した。
より、
x = a_1×a_3×b_2/a_2/b_1/b_3 ・・・(2)
となり、A状態のランプ輝度を1としたときのB状態のランプ輝度は(2)式で与えられた。
実施例 2
実施例1において、異方性拡散反射特性シートの作り方を変更した。実施例1とは異なり、シートを作製するための2枚の基板の間隔は300μmとし、配向処理は施さなかった。この基板間に、液晶性モノマーと等方性モノマーが層分離する混合物を注入し、過熱処理で液晶性モノマーの液滴の直径が2μm前後になるように調整、等方性モノマーを加熱重合した。このフィルムを基板からはがし、一方向に引っ張りながらドロップレット内の液晶性モノマーを引っ張り方向に配向させ、光照射により重合させた。これによって、等方的な屈折率を示す透明高分子材料中に、屈折率異方性を持つ液滴を混在させることができた。液晶性モノマーのnoと、等方性材料の屈折率nは略一致させた。このフィルムに、引っ張り方向に平行な偏光が入射すると、その振動面は液晶材料の分子軸に平行な異常光となることから、液晶性液滴の異常光が感じる屈折率(ne)と等方性支持層の屈折率nの界面に屈折率差が発生して拡散反射特性を示した。一方、これに直交する偏光の振動面は液晶材料の分子軸に直交する常光となることから、常光が感じる屈折率(ne)と、等方性材料の屈折率nには差が無い状態となり、このフィルムを透過した光は下層の再帰性反射シートに到達し、再帰性反射された。これのフィルム以外は実施例2と同様の構成で、観察範囲を切り替えられるプロジェクタシステムを実現した。
実施例 3
実施例1において、異方性拡散フィルムを異方性反射フィルムに置き換えた。異方性反射フィルムは、実施例1や2と同様に、屈折率異方性を示す材料と、等方性材料を、緑の波長である546.1nmの1/4波長に相当する136.5nmの膜厚で積層して作製した。これと同様の特性を示すフィルムとして、住友3M製D-BEF(登録商標)を用いることも可能である。
実施例1において、異方性拡散フィルムを異方性反射フィルムに置き換えた。異方性反射フィルムは、実施例1や2と同様に、屈折率異方性を示す材料と、等方性材料を、緑の波長である546.1nmの1/4波長に相当する136.5nmの膜厚で積層して作製した。これと同様の特性を示すフィルムとして、住友3M製D-BEF(登録商標)を用いることも可能である。
実施例 4
実施例1において、異方性拡散フィルムと再帰性反射シートの張り合わせた画像投射用シートと同様の特性を有するシートとして、次の構造を採用した。コーナーキューブ構造にポリイミド膜を成膜し、これをラビングした下基板と、透明な樹脂でこれもポリイミド膜を成膜しラビング処理を施した上基板をポリイミド膜が対抗するように張り合わせ、この間に液晶性モノマーを充填した。ラビング処理は上下基板に平行に行った。液晶性モノマーを充填できるように、コーナーキューブ構造と上基板の間には柱を設けるなどして、上下基板間の空間が連続するようにした。平行配向した液晶性モノマーを加熱重合してフィルム化した。このフィルムのコーナーキューブ側の裏面に拡散反射シートを貼り付けた。液晶材料の常光に対する屈折率noと、等方性材料の屈折率nを略一致させたことから、このシートに入射した光(異常光)の偏光方向がラビング方向に一致した場合、液晶材料とコーナーキューブ構造を構成する透明樹脂には屈折率差が発生し、この界面での反射は再帰性を示した。これとは直交する方向に振動面を持つ光(常光)が入射した場合、液晶材料とコーナーキューブ構造を構成する透明樹脂には屈折率差がなくなり、入射した光は裏面の拡散反射層に到達し、拡散反射を起こした。
実施例1において、異方性拡散フィルムと再帰性反射シートの張り合わせた画像投射用シートと同様の特性を有するシートとして、次の構造を採用した。コーナーキューブ構造にポリイミド膜を成膜し、これをラビングした下基板と、透明な樹脂でこれもポリイミド膜を成膜しラビング処理を施した上基板をポリイミド膜が対抗するように張り合わせ、この間に液晶性モノマーを充填した。ラビング処理は上下基板に平行に行った。液晶性モノマーを充填できるように、コーナーキューブ構造と上基板の間には柱を設けるなどして、上下基板間の空間が連続するようにした。平行配向した液晶性モノマーを加熱重合してフィルム化した。このフィルムのコーナーキューブ側の裏面に拡散反射シートを貼り付けた。液晶材料の常光に対する屈折率noと、等方性材料の屈折率nを略一致させたことから、このシートに入射した光(異常光)の偏光方向がラビング方向に一致した場合、液晶材料とコーナーキューブ構造を構成する透明樹脂には屈折率差が発生し、この界面での反射は再帰性を示した。これとは直交する方向に振動面を持つ光(常光)が入射した場合、液晶材料とコーナーキューブ構造を構成する透明樹脂には屈折率差がなくなり、入射した光は裏面の拡散反射層に到達し、拡散反射を起こした。
以上、実施例において、旋光素子は液晶セルとしたが、旋光の有無を電気的に切り替えられる素子であれば、いずれの素子であっても良い。また,液晶プロジェクタのように射出光の偏光方向が定まっている場合や,DMDプロジェクタのように無偏光のプロジェクタに偏光子を組み合わせた場合,偏光光の進行方向に物理的に回転する1/2波長板を設けて実装してもよい.また状態の切り替えとランプ強度を関連させることを記載したが、2値だけではなく、旋光量、ランプ強度の両者を連続的に切り替えてもよい。
1...拡散反射/再帰性反射切り替えスクリーン、2...異方性拡散反射層、3...再帰性反射層、4...等方性屈折透明部、5...異方性屈折透明部、6...反射光線、7...拡散反射スクリーン、8...プロジェクタ、9...投射光線、10...鏡面反射性スクリーン、11...誘電薄膜、12...コーナーキューブ構造、13...ガラスビーズ、14...支持層、15...反射面、16...レンズ、17...反射層、20...光源、22R、22G...ミラー、21、24、25...ダイクロイックミラー、23R,23B,23G...液晶パネル、27...旋光素子、28...投射レンズ
Claims (12)
- 光線の入射側に配置された光学異方性を有する第1層と、
前記第1層を通過した前記光線が入射さるように配置された再帰性反射性を有する第2層と、
を具備するスクリーン。 - 前記第1層は、拡散反射特性に前記光学異方性が与えられることを特徴とする請求項1のスクリーン。
- 前記第1層は、液晶性高分子及び透明高分子ビーズから構成されて異方性拡散反射特性が与えられることを特徴とする請求項1のスクリーン。
- 前記第1層は、高分子と液滴状に発生した液晶層からから構成されて異方性拡散反射特性が与えられることを特徴とする請求項1のスクリーン
- 前記第1層は、反射特性に前記光学異方性が与えられることを特徴とする請求項1のスクリーン。
- 前記第1層は、光学薄膜積層からなることを特徴とする請求項5のスクリーン。
- 入射光線に対して再帰性反射特性を与える微細な凹凸構造を有する再帰性反射層と、
当該凹凸を充填するように前記凹凸構造に接着された複屈折性を有する材料で作られた複屈折層であって、当該複屈折材料の一方の屈折率と再帰性反射層の屈折率が略一致していることを特徴とするスクリーン。 - 前記再帰性反射層の前記光線入射側とは反対側には、反射層が設けられていることを特徴とする請求項7のスクリーン。
- 請求項1及び7のいずれかに記載のスクリーンと、
当該スクリーンに前記光線を向けるプロジェクタであって、前記光線の偏光方向を切替える光学部を有するプロジェクタと、
を具備することを特徴とする画像表示システム。 - 前記光学部は、前記光線の偏光方向を連続的に切り替えることを特徴とする請求項7の画像表示システム。
- 前記光学部は、偏光方向を変更する液晶セルを含むことを特徴とする請求項9の画像表示システム。
- 前記プロジェクタは、前記光線を発生する光源と、前記光線の偏光方向の変更に応じて前記光源の輝度を同期して変化する光源制御部を含むことを特徴とする請求項9の画像表示システム。
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2007
- 2007-03-29 JP JP2007089700A patent/JP2008249897A/ja active Pending
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