JP5245549B2 - 窒化物半導体基板のマーキング方法 - Google Patents

窒化物半導体基板のマーキング方法 Download PDF

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本発明は、窒化物半導体基板のマーキング方法及び窒化物半導体基板に関する。特に、本発明は、レーザ照射による窒化物半導体基板のマーキング方法及び窒化物半導体基板に関する。
従来、窒化ガリウム(GaN)基板の表面に文字又は記号等の標識を刻印する方法として、波長が400nm以下、又は波長が5000nm以上のレーザ光をGaN基板の表面に照射するGaN基板のマーキング方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のGaN基板のマーキング方法によれば、所定波長のレーザ光をGaN基板の表面に照射することにより、GaN基板の表面及び裏面に所定の標識を刻印することができるので、GaN基板の表裏を容易に区別できる。
特開2003−209032号公報
しかし、特許文献1に記載のGaN基板のマーキング方法は、シリコン(Si)基板、又はガリウムヒ素(GaAs)基板等の表面に所定の標識を刻印するマーキング方法に従来から用いられてきた、Nd−YAGレーザの基本波(波長λ=1060nm)又は第2高調波(波長λ=532nm)を用いていない。また、特許文献1に係るマーキング方法においては、Nd−YAGレーザの基本波及び第2高調波に対してGaNが透明であるとして、Nd−YAGレーザをGaN基板のマーキング方法に用いることができないと認識されている。
したがって、本発明の目的は、Nd−YAGレーザの基本波及び第2高調波を含む所定の波長領域のレーザ光により窒化物半導体基板の表面にマーキングすることを可能とする窒化物半導体基板のマーキング方法及び窒化物半導体基板を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、ミラー面である第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを有する、窒化ガリウム(GaN)から形成される窒化物半導体基板を準備する基板準備工程と、Nd−YAGレーザの基本波又は第2高調波のレーザ光を第1の面側から照射して、レーザ光が照射された領域に、第1の面から第2の面に向かって所定の深さを有するマークを形成するマーキング工程とを備える窒化物半導体基板のマーキング方法が提供される。
また、上記窒化物半導体基板のマーキング方法において、マーキング工程は、第1の面に照射するレーザ光のレーザ出力、レーザ波長、加工周波数、及び加工速度の条件を設定する条件設定工程を有することもできる
また、上記窒化物半導体基板のマーキング方法において、条件設定工程は、レーザ光としてNd−YAGレーザの基本波を用いると共に、条件として、レーザ出力をP(W)、レーザ波長をλ(μm)、加工周波数をf(kHz)、加工速度をv(mm/s)とした場合に、0.3<P/λ×f×v)<4となる条件を設定するか、あるいは、条件設定工程は、レーザ光としてNd−YAGレーザの第2高調波を用いると共に、条件として、レーザ出力をP(W)、レーザ波長をλ(μm)、加工周波数をf(kHz)、加工速度をv(mm/s)とした場合に、0.28<P/λ×f×v)<4となる条件を設定することができる。
本発明に係る窒化物半導体基板のマーキング方法及び窒化物半導体基板によれば、Nd−YAGレーザの基本波及び第2高調波を含む所定の波長領域のレーザ光により窒化物半導体基板の表面にマーキングすることを可能とする窒化物半導体基板のマーキング方法及び窒化物半導体基板を提供することができる。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る窒化物半導体基板のマーキング方法の工程の流れの一例を示す。
本実施の形態に係る窒化物半導体基板のマーキング方法は、窒化物半導体基板を準備する基板準備工程と、窒化物半導体基板をレーザマーキング装置のステージに設置する設置工程と、窒化物半導体基板に照射するレーザ光の照射条件及び窒化物半導体基板の加工条件を設定する条件設定工程と、設定した照射条件及び加工条件に従って窒化物半導体基板の表面に所定のマークを形成するマーキング工程と、所定のマークが形成された窒化物半導体基板をステージから取り外す取り外し工程とを備える。
(基板準備工程)
本実施の形態においては、窒化物半導体基板として、可視光に対して所定の透過率を有する窒化ガリウム(GaN)基板を準備する。GaN基板は、例えば、低温バッファ成長法、Epitaxial Lateral Overgrowth(ELO)法、Facet−Initiated Epitaxal Lateral Overgrowth(FIERO)法、又はDislocation Elimination by the Epi−growth with Inverted−Pyramidal Pits(DEEP)法等を用いて成長したGaNインゴットから切り出して製造する。
すなわち、GaNインゴットを製造した後、ダイヤモンドソー等を用いてGaNインゴットをスライスしてGaN基板(表面処理前)を製造する。続いて、スライスして得たGaN基板の表面に対して、粗研磨を施した後、所定の平均粒径及び硬度を有する所定の研磨剤による研磨処理及び/又は所定のエッチング処理(ドライエッチング処理及び/又はウェットエッチング処理)による表面処理を施すことにより、本実施の形態に係るミラー面である表面を有するGaN基板を製造することができる。これにより、本実施の形態において用いる第1の面としての表面がミラー面であるGaN基板が準備される(ステップ100(以下、ステップを「S」と略す))。本実施の形態においては、第1の面としての表面に対向して、第2の面としての裏面が形成されることになる。なお、本実施の形態の変形例においては、第1の面としての裏面と第2の面としての表面とを有するGaN基板を形成することもできる。
また、GaN基板(表面処理前)の表面だけでなく、第2の面としての裏面に対しても同様の表面処理を施して、ミラー面である裏面を形成することもできる。すなわち、基板準備工程においては、表面及び裏面の双方がミラー面であるGaN基板、又は表面と裏面とのいずれか一方がミラー面であるGaN基板を準備することができる。ここで、本実施の形態においてGaN基板の表面は、例えば、発光素子等の電子デバイスを作製する面であり、ガリウム極性面である。また、本実施の形態においてGaN基板の裏面は、窒素極性面である。
なお、本実施の形態において、ミラー面は、所定の中心線平均粗さ以下の粗さを有する平坦面である。また、本実施の形態に係る窒化物半導体基板は、具体的には、不純物がドーピングされていない窒化ガリウム(GaN)基板である(但し、不可避的に混入する不純物の存在は排除しない)。また、本実施の他の形態においては、所定量のn型ドーパント(例えば、Si)又はp型ドーパント(例えば、Mg)がドーピングされたGaN基板、若しくは不純物がドーピングされていない窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板、所定量のn型ドーパント又はp型ドーパントがドーピングされたAlGaN基板等の窒化物半導体基板を用いることもできる。
(設置工程)
次に、準備したGaN基板を、レーザマーキング装置(図示しない)のステージに搭載する(S110)。レーザマーキング装置によってマーキングを施す面を上面にして、GaN基板をステージ上に搭載する。レーザマーキング装置によってマーキングを施すGaN基板の面(照射面)は、GaN基板の表面及び/又は裏面である。すなわち、設置工程においては、GaN基板の表面又は裏面のいずれかを上面にしてステージ上にGaN基板を搭載する。
(条件設定工程)
本実施の形態に係る窒化物半導体基板のマーキング方法に用いるレーザマーキング装置は、可視光から近赤外線の範囲の波長である、波長450nmから波長1100nmのレーザ光を照射する。具体的に、レーザマーキング装置は、YAG、YVO4結晶、又はYLF結晶をレーザ媒質とするレーザ光の基本波、若しくは第2高調波等のレーザ光を照射する。例えば、レーザマーキング装置は、Nd−YAGレーザ及び波長変換結晶を備え、基本波として波長が1064nmのレーザ光、又は第2高調波として波長が532nmのレーザ光を照射する。
本実施の形態においては、文字、図形、記号、若しくはこれらの結合としてのマークをGaN基板の照射面に形成することを目的として、形成すべきマークの照射面表面からの所定の深さとGaN基板の厚さとに応じて、レーザマーキング装置が照射するレーザ光のレーザ出力、レーザ波長、及び加工周波数等の照射条件を設定する。更に、加工速度等の加工条件を設定する。例えば、レーザ光が照射されたGaN基板の照射面にクラック等の欠けが生じず、GaN基板の表面(照射面)から裏面に向かって所定の深さを有するマークを安定的に形成する条件を設定する。例えば、マークの所定の深さとして、GaN基板の裏面まで到達しない深さ、かつマークの識別に十分な深さであって、マークを起点としてGaN基板に割れ、又はクラックが生じない深さとなる照射条件及び加工条件を設定する。
具体的に、条件としての照射条件及び加工条件は、レーザとしてNd−YAGレーザの基本波を用いた場合、レーザマーキング装置が備えるレーザのレーザ出力をP(W)、レーザ波長をλ(μm)とすると共に、加工周波数をf(kHz)、加工速度をv(mm/s)とした場合に、0.3<P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))<4となる条件である。また、レーザとしてNd−YAGレーザの第2高調波を用いた場合は、0.28<P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))<4となる条件である。例えば、レーザの波長に応じて、P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の下限を下げる。なお、以下の説明においてP(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))を、「設定値」と称する場合がある。
(照射条件及び加工条件について)
この条件は、本発明者が実施した実験によって得られたものである。すなわち、本発明者は、可視光に対して透明であるといわれるGaN基板に対してNd−YAGレーザの基本波、又は第2高調波を用いてマーキングを試みた。その結果、Nd−YAGレーザの基本は、又は第2高調波であっても、GaN基板のミラー面である表面に所定のマークをマーキングすること自体は可能であるとの知見を得た。
しかしながら、単にNd−YAGレーザの基本波、又は第2高調波をGaN基板の表面に所定出力で照射しただけでは、レーザ光が照射されてマークが形成されるときに、マークの形成の開始位置にクラックが生じる場合があるとの知見を得た。すなわち、単にNd−YAGレーザの基本波、又は第2高調波をGaN基板の表面に所定出力で照射しただけでは、レーザ光が照射された位置以外に欠けが生じる場合があるとの知見を得た。更には、GaN基板の表面に照射したレーザ光がGaN基板を透過して、GaN基板の裏面の一部にマーキングが施される場合があるとの知見を得た。
そこで、本発明者は、レーザ光の照射条件及び加工条件を様々に検討して、可視光の波長領域、及び近赤外線の波長領域の波長を有するレーザ光であっても、レーザ光が照射された領域(すなわち、実質的にレーザ光が照射された領域のみ)に、GaN基板の表面から裏面に向かって所定の深さを有するマークを形成することのできる上記条件を見出したものである。
具体的な条件は以下のとおりである。まず、レーザ波長は、Nd−YAGレーザの基本波の波長1064nm、又は第2高調波の波長532nmを用いる。ここで、GaN基板の表面から所定の深さまで安定的にマークを形成することを目的として、レーザ光は、第2高調波を用いることが好ましい。また、Nd−YAGレーザ以外のレーザであって、波長450nmから波長1100nmのレーザ光を照射するレーザを用いることもできる。この場合、より短波長側のレーザ光を用いると、GaN基板の表面から所定の深さまで安定的にマークを形成することができる。
また、加工周波数の値及び加工速度の値が小さく、レーザ出力の値が大きいほど、GaN基板の表面に所定深さを有するマークを安定的にマーキングできることを、本発明者は見出した。具体的に、レーザマーキング装置のレーザの寿命を長く保つ点も考慮して、加工周波数は1kHzから5kHz程度、好ましくは1kHzから3kHz程度、加工速度は0.5mm/sから3mm/s程度、レーザ出力は0.1Wから3W程度、好ましくは0.3Wから2.5W程度の条件を用いる。
(マーキング工程及び取り外し工程)
次に、条件設定工程において設定した条件に基づいて、GaN基板の表面にレーザ光を照射することにより、GaN基板の表面に所定のマークをマーキングする(S130)。この場合に、例えば、ステージのX軸及びY軸を駆動させて、ステージをレーザ光に対して移動させることにより、所望のマークをGaN基板の表面にマーキングする。マークは、例えば、文字として英数字等を含み、記号として各種符号、又はバーコード等を含む。そして、マーキング工程終了後に、ステージからGaN基板を取り外す(S140)。これにより、本実施の形態に係る窒化物半導体基板としてのGaN基板が得られる。
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る窒化物半導体基板のマーキング方法によれば、Si、GaAs等の半導体基板のマーキングに用いられているNd−YAGレーザの基本波及び第2高調波のレーザ光を用いて、ミラー面に加工されたGaN基板の表面に所望のマーク(文字、記号等)をマーキングできる。これにより、本実施の形態に係る窒化物半導体基板のマーキング方法は、Si、GaAs等の半導体基板のマーキングに用いられているNd−YAGレーザをGaN基板の製造管理に転用できる。
そして、本実施の形態に係る窒化物半導体基板のマーキング方法によれば、例えば、Nd−YAGレーザの基本波を用いると、GaN基板の表面に0.3<P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))<4となる条件でレーザ光を照射すれば、ミラー面を有するGaN基板の表面にクラック、欠け等を発生させることなく、ミラー面から所定の深さまでの深さを有するマークを安定的に確実に形成できる。
なお、本実施の形態に係る窒化物半導体基板のマーキング方法は、所望のマークをGaN基板の表面にマーキングできるので、例えば、GaN基板の基板番号、ロット番号、製造者、基板の特性、品質、基板の所定位置、及び/又は結晶方位等の情報を容易にGaN基板の表面に形成できる。これにより、GaN基板の製造管理が容易となり、異品種基板の混入の防止が図れると共に、品質の管理も容易となる。
本発明の実施例1では、ミラー面としての表面とミラー面としての裏面とを有するGaN基板を用いた。表面の中心線平均粗さ(Ra1)、及び裏面の中心線平均粗さ(Ra2)は、Ra1=0.3nm、Ra2=0.3nmに加工した。このGaN基板の表面に、Nd−YAGレーザの基本波(波長λ=1064nm)のレーザ光を照射してマーキング工程を実施した。また、本発明の実施例1においては条件(照射条件及び加工条件)を、加工周波数を1kHz、加工速度を1mm/s、レーザ出力を0.4Wから1.0Wにしてマーキング工程を実施した。この条件下におけるP(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値は、0.38から0.94の範囲である。
更に、実施例1の比較例1として、実施例1とは異なる条件で実施例1と同様のGaN基板に対してマーキング工程を実施した。比較例1における条件を、加工周波数を1kHzから5kHz、加工速度を1mm/sから10mm/s、レーザ出力を0.1Wから3.4Wにしてマーキング工程を実施した。この比較例1に係る条件下におけるP(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値は、0.03から0.28の範囲で実施例1の場合よりも小さい値とした。
表1に、実施例1及び比較例1のそれぞれの各条件と、マークの深さ(マーキング深さ)と、設定値(P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値)と、表面の状況と、判定とを示す。
表1の判定の欄で「○」は、安定的に所定深さのマークがマーキングされたことを示し、「×」は、クラックの発生、欠けの発生、及び/又は裏面にもマークが形成される裏面マーキングの発生が観察されたことを示す。
図2は、比較例1に係るGaN基板の表面にクラックが発生した一例を示す。
なお、図2に示す比較例1のGaN基板上のマークは、レーザ波長を1064nm、加工周波数を1kHz、加工速度を1mm/s、レーザ出力を0.3Wに設定して形成した(すなわち、表1の比較例1(b))。また、図2の横の長さLは、3.2mmであり、マークのサイズは、縦1.4mm、横0.8mm、線幅60μm程度である。以下、図3から図4A及びBにおいても同様である。
表1を参照すると、P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値が0.38から0.94の範囲である実施例1においては、実施例1に係るいずれの条件においても、GaN基板の表面に所定のマークを良好に形成することができた(いずれの場合も、マーキング深さが26μm以上であった)。
一方、P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値が0.28以下の比較例1においては、マーキングした文字の一部に微小な欠けが生じているGaN基板、及び裏面マーキングが発生しているGaN基板が観察された。具体的に、図2を参照すると分かるように、基板表面10にマーク20をマーキングしたときに、クラック30が発生したGaN基板が観察された。クラック30は、レーザ光を基板表面10への照射を開始した部分に主として発生した。
本発明の実施例2では、ミラー面としての表面とミラー面としての裏面とを有するGaN基板を用いた。表面の中心線平均粗さ(Ra1)、及び裏面の中心線平均粗さ(Ra2)は、Ra1=0.3nm、Ra2=0.3nmに加工した。このGaN基板に、Nd−YAGレーザの第2高調波(波長λ=532nm)のレーザ光を照射してマーキング工程を実施した。また、本発明の実施例2においては条件(照射条件及び加工条件)を、加工周波数を1kHzから5kHz、加工速度を0.5mm/sから3mm/s、レーザ出力を0.1Wから3Wにしてマーキング工程を実施した。この条件下におけるP(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値は、0.28から3.76の範囲である。
更に、実施例2の比較例2として、実施例2とは異なる条件で実施例2と同様のGaN基板に対してマーキング工程を実施した。比較例2における条件を、加工周波数を1kHzから5kHz、加工速度を0.5mm/sから2mm/s、レーザ出力を0.1Wから0.3Wにしてマーキング工程を実施した。この比較例2に係る条件下におけるP(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値は、0.09から0.25の範囲で実施例2の場合よりも小さい値とした。
表2に、実施例2及び比較例2のそれぞれの各条件と、マークの深さ(マーキング深さ)と、P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値と、表面の状況と、判定とを示す。
表2の判定の欄で「○」は、安定的に所定深さのマークがマーキングされたことを示し、「×」は、一部マーキングがなされない非マーク部分の発生が観察されたことを示す。
図3は、本発明の実施例2に係るGaN基板にマーキング工程を施したときの一例を示す。また、また、図4Aは、比較例2に係るGaN基板の表面にマーキングされない部分が発生した一例を示し、図4Bは、比較例2に係るGaN基板の裏面に裏面マーキングが発生した一例を示す。
なお、図3に示す実施例2に係るGaN基板上のマークは、レーザ波長を532nm、加工周波数を3kHz、加工速度を0.5mm/s、レーザ出力を1.5Wに設定して形成した(すなわち、表2における実施例2の(i))。また、図4A及び図4Bに示す比較例2に係るGaN基板上のマークは、レーザ波長を532nm、加工周波数を1kHz、加工速度を1mm/s、レーザ出力を0.1Wに設定して形成した(すなわち、表2における比較例2の(a))。
具体的に、図3を参照すると分かるように、GaN基板の基板表面10にマーク20が、クラック及び欠けの発生なしに形成された。なお、レーザ出力が大きくなるにつれて、GaN基板の表面に所定のマークを安定的に形成できる傾向が観察された。一方、図4Aを参照すると分かるように、比較例2においては、基板表面10にレーザ光を照射したにもかかわらず、マークが形成されない非マーク部分25が発生したGaN基板が観察された。また、図4Bを参照すると分かるように、比較例2においては、基板裏面15に、裏面マーキング27が発生したGaN基板が観察された。
また、表2を参照すると、P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値が0.28から3.76の範囲である実施例2においては、実施例2に係るいずれの条件においても、GaN基板の表面に所定のマークを良好に形成することができた。一方、比較例2においては、P(W)/(λ(μm)×f(kHz)×v(mm/s))の値が0.09から0.25の範囲のいずれにおいても、マーキングしたマークの一部に微小なカケ(非マーク部分)の発生が認められた。
また、加工速度を0.5mm/s、レーザ出力を0.2Wに設定すると共に、加工周波数を1kHzでマーキングした場合である実施例2の(d)においては、GaN基板の表面に良好にマーキングできた。一方、加工速度とレーザ出力とを実施例2の(d)と同様に設定すると共に、加工周波数を3kHzに設定した比較例2の(c)においては、マークの一部に微小な欠けが発生した。すなわち、比較例2の(c)においてはマークの一部がマーキングされなかった。これにより、GaN基板の表面に安定的にマークを形成することを目的とする場合、加工周波数は、小さくすることが好ましいことが示された。
また、実施例2に係る窒化物半導体のマーキング方法によれば、例えば、実施例2の(d)、及び(e)等のようにレーザ出力を0.1Wから0.2W程度に小さくできるので、レーザマーキング装置のレーザの寿命を長くすることができ、ランニングコストを低下させることができる。
なお、加工周波数を5kHzとした実施例2の(l)から(o)においても、GaN基板の表面に安定的にマーキングすることができる。ただし、実施例2の(l)から(o)においては、レーザ出力が1Wから3Wと比較的大きいので、レーザ出力を低下させることを目的とする場合、加工周波数は、1kHzから3kHzに設定することが好ましい。
また、加工周波数を1kHz、レーザ出力を0.1Wに設定すると共に、加工速度を0.5mm/sに設定してマーキングした実施例2の(e)においては、GaN基板の表面に良好にマーキングできた。一方、加工周波数とレーザ出力とを実施例2の(e)と同様に設定すると共に、加工速度を2mm/sに設定した比較例2の(a)及び(b)においては、マークの一部に微小な欠けが発生した。すなわち、比較例2の(a)及び(b)においてはマークの一部がマーキングされなかった。これにより、GaN基板の表面に安定的にマークを形成することを目的とする場合、加工速度は、低速であることが好ましいことが示された。
また、実施例2の(e)と同一の条件(加工周波数:1KHz、加工速度:1mm/s、レーザ出力:0.1W)においてNd−YAGレーザの基本波を用いた場合と、第2高調波を用いた場合(実施例2の(e))とで、GaN基板の表面に形成されたマークを比較した。その結果、第2高調波を用いた場合に形成されたマークの方が、基本波を用いて形成されたマークに比べて、良好な結果が得られた。よって、ミラー面を有するGaN基板へレーザ光を照射してマーキングする場合、Nd−YAGレーザの基本波(λ=1064nm)でも良好なマークを形成することができるが、第2高調波(λ=532nm)を用いると、基本波よりも良好な結果が得られることが示された。
以上より、実施例1のようにNd−YAGレーザの基本波を用いた場合には、設定値を0.38以上にするとGaN基板の表面に良好にマークを形成できるが、設定値を0.28以下にすると、良好なマークは形成されないことが示された。よって、Nd−YAGレーザの基本波を用いる場合、設定値の下限は0.3程度が好ましい。一方、実施例2のようにNd−YAGレーザの第2高調波を用いた場合には、設定値を0.28以上にするとGaN基板の表面に良好にマークを形成できるが、設定値を0.25以下にすると、良好なマークは形成されないことが示された。また、本実施例においてGaN基板の表面に形成されるマークは、当該マークからクラック等が発生することを抑制できると共に、マークを識別することに十分なマーキング深さを確保することが要求される。例えば、250μmから450μm厚のGaN基板を用いる場合、マーキング深さは、150μm程度以下が好ましいので、実施例1及び2において、設定値としては4を上限とすることが好ましい。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明の実施の形態に係る化合物半導体基板の製造方法の流れ図である。 比較例1に係るGaN基板の表面にクラックが発生した図である。 本発明の実施例2に係るGaN基板にマーキング工程を施した図である 比較例2に係るGaN基板の表面にマーキングされない部分が発生した図である。 図4Bは、比較例2に係るGaN基板の裏面に裏面マーキングが発生した図である。
符号の説明
10 基板表面
15 基板裏面
20 マーク
25 非マーク部分
27 裏面マーキング
30 クラック

Claims (4)

  1. ミラー面である第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面とを有する、窒化ガリウム(GaN)から形成される窒化物半導体基板を準備する基板準備工程と、
    Nd−YAGレーザの基本波又は第2高調波のレーザ光を前記第1の面側から照射して、前記レーザ光が照射された領域に、前記第1の面から前記第2の面に向かって所定の深さを有するマークを形成するマーキング工程と
    を備える窒化物半導体基板のマーキング方法。
  2. 記マーキング工程は、前記第1の面に照射する前記レーザ光のレーザ出力、レーザ波長、加工周波数、及び加工速度の条件を設定する条件設定工程を有する
    請求項1に記載の窒化物半導体基板のマーキング方法。
  3. 前記条件設定工程は、前記レーザ光としてNd−YAGレーザの基本波を用いると共に、前記条件として、前記レーザ出力をP(W)、前記レーザ波長をλ(μm)、前記加工周波数をf(kHz)、前記加工速度をv(mm/s)とした場合に、
    0.3<P/λ×f×v)<4
    となる前記条件を設定する
    請求項に記載の窒化物半導体基板のマーキング方法。
  4. 前記条件設定工程は、前記レーザ光としてNd−YAGレーザの第2高調波を用いると共に、前記条件として、前記レーザ出力をP(W)、前記レーザ波長をλ(μm)、前記加工周波数をf(kHz)、前記加工速度をv(mm/s)とした場合に、
    0.28<P/λ×f×v)<4
    となる前記条件を設定する
    請求項に記載の窒化物半導体基板のマーキング方法。
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