JP5245261B2 - 走査型露光装置、露光方法、及びデバイスの製造方法 - Google Patents

走査型露光装置、露光方法、及びデバイスの製造方法 Download PDF

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この発明は、液晶表示素子等のフラットパネル表示素子等のマイクロデバイスをリソグラフィ工程で製造するための露光装置等に用いられる温度測定器を備えた走査型露光装置、該走査型露光装置を用いた露光方法及び該露光方法を用いたデバイスの製造方法に関するものである。
半導体素子又は液晶表示素子等を製造する際に、マスク(レチクル、フォトマスク等)のパターンを投影光学系を介してレジストが塗布されたプレート(ガラスプレート又は半導体ウエハ等)上に投影する投影露光装置が使用されている。従来はステップ・アンド・リピート方式でプレート上の各ショット領域にそれぞれレチクルのパターンを一括露光する投影露光装置(ステッパ)が多用されていた。近年、1つの大きな投影光学系を使用する代わりに、等倍の倍率を有する小さな複数の投影光学ユニットを走査方向に直交する方向に千鳥状に複数配置し、マスク及びプレートを走査させつつ各投影光学ユニットでそれぞれマスクのパターンをプレート上に露光するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が提案されている。
上述のステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置においては、反射プリズム、凹面鏡及び各レンズを備えて構成される反射屈折光学系により中間像を一度形成し、更にもう一段の反射屈折光学系によりマスク上のパターンをプレート上に正立正像等倍にて露光している。
近年、プレートが益々大型化し、2m角を越えるプレートが使用されるようになってきている。ここで、上述のステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を用いて大型のプレート上に露光を行う場合、投影光学ユニットが等倍の倍率を有するため、マスクも大型化する。マスクのコストは、マスク基板の平面性を維持する必要もあり、大型化すればするほど高くなる。また、通常のTFT部を形成するためには、4〜5層分のマスクが必要とされており多大なコストを要していた。従って、投影光学系の倍率を拡大倍率とすることで、マスクの大きさを小さくした投影露光装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開平11−265848号公報
上述の拡大倍率を有する投影光学系を備えた投影露光装置においては、パターンが形成されている領域とパターンが形成されていない領域とが走査方向と直交する方向に交互に形成されているマスクが用いられている。このようなマスクを用いてパターンの転写を行なう場合には、転写されるべきパターンが形成されている領域は照明光学系により照明されるが、転写されるべきパターンが形成されていない領域は照明光学系により照明されない。したがって、原版上において照明光学系により照明される領域と照明されない領域とが存在することになり、照明される領域と照明されない領域との間に温度差が生じる。原版が温度差により非等方的に変形した状態でパターン露光を行なうと、各投影光学ユニットにより形成される像の一部がプレート上において重なって形成される継ぎ領域の継ぎ精度の低下、パターンの線幅のばらつき及び各層の重ね合わせ露光の重ね合わせ精度の低下等が生じることになる。
この発明の課題は、転写されるべきパターンが形成されている領域とパターンが形成されていない領域との間の温度差を正確に測定することができる温度測定器を備えた走査型露光装置、該走査型露光装置を用いた露光方法及び該露光方法を用いたデバイスの製造方法を提供することである。
この発明の走査型露光装置は、照明光学系により照明された原版に形成されているパターンを走査方向と交差する方向に所定の間隔で配置された複数の拡大投影光学系を介して被照射体上に転写する走査型露光装置であって、前記パターンが形成されたパターン形成領域内の少なくとも一点の温度を測定する第1温度測定器と、前記原版上において前記パターンが形成されない非パターン形成領域内の少なくとも一点の温度を測定する第2温度測定器と、前記第1温度測定器及び前記第2温度測定器の測定結果を用いて前記複数の投影光学系のそれぞれにより形成される像の像形成状態についての調整量を算出する算出器と、前記算出器により算出された前記調整量に基づいて、前記像形成状態の調整を行う調整器とを備え、前記第2温度測定器は、前記原版上の所定方向に沿って配置された複数の前記パターン形成領域の間に位置する前記非パターン形成領域内の温度を測定することを特徴とする。
また、この発明の走査型露光装置は、照明光学系により照明された原版に形成されているパターンを走査方向と交差する方向に所定の間隔で配置された複数の拡大投影光学系を介して被照射体上に転写する走査型露光装置であって、前記照明光学系により照明される前記原版上の照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第1温度測定器と、前記照明光学系により照明されない前記原版上の非照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第2温度測定器と、前記第1温度測定器及び前記第2温度測定器の測定結果を用いて前記複数の投影光学系のそれぞれにより形成される像の像形成状態についての調整量を算出する算出器と、前記算出器により算出された前記調整量に基づいて、前記像形成状態の調整を行う調整器とを備え、前記照明光学系は、前記原版上の所定方向に沿って配置された複数のパターン形成領域のそれぞれを照明し、前記第2温度測定器は、前記複数のパターン形成領域の間に位置する非パターン形成領域内の温度を測定することを特徴とする。
また、この発明の露光方法は、照明光学系により照明された原版に形成されているパターンを走査方向と交差する方向に所定の間隔で配置された複数の拡大投影光学系を介して被照射体上に転写する走査型露光装置を用いて露光を行う露光方法であって、前記原版上の前記照明光学系により照明される照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第1温度測定工程と、前記原版上の前記照明光学系により照明されない非照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第2温度測定工程と、前記第1温度測定工程及び前記第2温度測定工程の測定結果に基づいて、前記複数の投影光学系のそれぞれにより形成される像の像形成状態についての調整量を算出する算出工程と、前記算出工程により算出された前記調整量に基づいて、前記像形成状態の調整を行う調整工程と、を含み、前記第2温度測定工程では、前記原版上の所定方向に沿って配置された複数のパターン形成領域の間に位置する非パターン形成領域内の温度を測定することを特徴とする。
また、この発明のデバイスの製造方法は、この発明の露光方法を用いてパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
この発明の走査型露光装置によれば、パターン形成領域内の少なくとも一点の温度を測定する第1温度測定器と、非パターン形成領域内の少なくとも一点の温度を測定する第2温度測定器とを備えているため、パターン形成領域の温度及び非パターン形成領域の温度を正確に測定することができ、パターン形成領域と非パターン形成領域との温度差を正確に検出することができる。したがって、原版の温度変化による変形量を正確に検出することができる。また、検出結果を用いて投影光学系の像形成状態の調整を適切に行うことにより、原版の変形を要因とする露光精度の低下、例えば複数の投影光学系により形成される像の一部が被照射体上において重なって形成される継ぎ領域の継ぎ精度の低下、パターンの線幅のばらつき及び各層の重ね合わせ露光の重ね合わせ精度の低下等を防止することができる。
また、この発明の走査型露光装置によれば、照明光学系により照明される原版上の照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第1温度測定器と、照明光学系により照明されない原版上の非照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第2温度測定器とを備えているため、照明領域の温度及び非照明領域の温度を正確に測定することができ、照明領域と非照明領域との温度差を正確に検出することができる。したがって、原版の温度変化による変形量を正確に検出することができる。また、検出結果を用いて投影光学系の像形成状態の調整を適切に行うことにより、原版の変形を要因とする露光精度の低下、例えば複数の投影光学系により形成される像の一部が被照射体上において重なって形成される継ぎ領域の継ぎ精度の低下、パターンの線幅のばらつき及び各層の重ね合わせ露光の重ね合わせ精度の低下等を防止することができる。
また、この発明の露光方法によれば、照明領域及び非照明領域の温度測定結果により算出された像形成状態の調整量に基づいて像形成状態の調整を行うため、原版の変形を要因とする露光精度の低下、例えば複数の投影光学系により形成される像の一部が被照射体上において重なって形成される継ぎ領域の継ぎ精度の低下、パターンの線幅のばらつき及び各層の重ね合わせ露光の重ね合わせ精度の低下等を防止することができ、良好な露光を行うことができる。
また、この発明のデバイスの製造方法によれば、この発明の露光方法を用いて露光を行うため、高精度な露光を行うことができ、良好なデバイスを製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る走査型露光装置について説明する。図1は、この実施の形態に係る走査型露光装置の概略構成を示す斜視図である。この実施の形態においては、マスク(原版)Mとプレート(被照射体、感光性基板)Pとを走査方向(X方向)に移動させつつ、光源を含む照明光学系ILにより照明されたマスクMに形成されているパターンを走査方向と直交する方向(Y方向)に所定の間隔で2列に配置された所定(この実施の形態においては2倍)の拡大倍率を有する複数の投影光学ユニットPL1,PL3,PL5及び図示しない2つの投影光学ユニット(以下、投影光学ユニットPL2,PL4という。)からなる投影光学系PLを介してプレートP上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を例に挙げて説明する。
なお、以下の説明においては、各図中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートPに対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートPに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直方向に設定される。また、本実施の形態ではマスクM及びプレートPを移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
図1に示す走査型露光装置は、図示しないマスクステージ上に載置されたマスクMを均一に照明するための照明光学系ILを備えている。照明光学系ILは、光源を含む光学系1及び走査方向に直交する方向であるY方向(所定の方向)に所定の間隔で2列に配置された複数の照明光学ユニットIL1〜IL5を備えている。図2は、光学系1及び照明光学ユニットIL1の構成を示す図である。図2に示すように、光学系1は、例えば水銀ランプ又は超高圧水銀ランプからなる光源2を備えている。光源2より射出した光束は楕円鏡3及びダイクロイックミラー4により反射され、シャッタ5を通過し、コリメートレンズ6を通過することにより平行光となり、所定の露光波長域の光束のみを透過させる波長選択フィルタ7を通過する。
波長選択フィルタ7を通過した光束は、集光レンズ8によりライトガイドファイバ9の入射口9aに集光される。ライトガイドファイバ9は、例えば多数のファイバ素線をランダムに束ねて構成されたランダムライトガイドファイバであって、入射口9aと5つの射出口(以下、射出口9b,9c,9d,9e,9fという。)を備えている。ライトガイドファイバ9の入射口9aに入射した光束は、ライトガイドファイバ9の内部を伝播した後、5つの射出口9b〜9fより分割されて射出し、マスクM上に所定の照射領域I1〜I5(図3参照)を形成する5つの照明光学ユニットIL1〜IL5にそれぞれ入射する。
照明光学ユニットIL1に入射した光束は、照明光学ユニットIL1を構成するコリメータレンズ10を通過し、オプティカルインテグレータ11を構成する多数の要素レンズを通過する。オプティカルインテグレータ11の後側焦点面に形成された多数の二次光源からの光束は、コンデンサレンズ12を通過し、マスクMをほぼ均一に照明する。なお、照明光学ユニットIL2〜IL5は、照明光学ユニットIL1と同様の構成を有しており、これらを介した光によってもマスクMを略均一に照明する。照明光学ユニットIL1〜IL5の+X方向側には、図1に示すように、マスクM上の温度を測定するための温度測定装置13が設けられている。
図3は、マスクM及び温度測定装置13の構成を示す図である。マスクMは、パターン形成領域M1〜M5、非パターン形成領域m1〜m6及びプレートPとの位置合わせに用いられる10個のアライメントマークa1〜a10を有している。マスクM上に形成されているパターン形成領域M1は、マスクMのX方向(走査方向)への走査に従い、照明光学ユニットIL1により照明される照明領域、即ち照明光学ユニットIL1が形成する台形状の照射領域I1により照明される領域である。同様に、パターン形成領域M2〜M5のそれぞれは、マスクMのX方向(走査方向)への走査に従い、照明光学ユニットIL2〜IL5のそれぞれにより照明される照明領域、即ち照明光学ユニットIL2〜IL5のそれぞれが形成する台形状の照射領域I2〜I5のそれぞれにより照明される領域である。また、マスクM上の非パターン形成領域m1〜m6は、プレートP上に転写されるべきパターンが形成されていない領域であり、照明光学ユニットIL1〜IL5のいずれによっても照明されない非照明領域、即ち走査中に照射領域I1〜I5が形成されない領域である。
温度測定装置13は、マスクM上に形成されているパターン形成領域M1〜M5のそれぞれの温度を測定する5つの第1放射温度計(第1温度測定器)T1〜T5を備えている。また、温度測定装置13は、パターンが形成されていない非パターン形成領域m1〜m6のそれぞれの温度を測定するための6つの第2放射温度計(第2温度測定器)t1〜t6を備えている。第1放射温度計T1は、図2に示すように、レンズ13a及び赤外線センサ等によって構成される温度センサ13bを備えており、パターン形成領域M1内の温度を測定する。即ち、走査中に第1放射温度計T1の下を通過するパターン形成領域M1内の所定の領域から放射される赤外線をレンズ13aを介して温度センサ13bに集光することにより所定の領域の温度測定を行う。第1放射温度計T2〜T5の構成は第1放射温度計T1と同様の構成であり、走査中に第1放射温度計T2〜T5のそれぞれの下を通過するパターン形成領域M2〜M5のそれぞれの所定の領域からの赤外線の放射量を計測することにより各所定の領域の温度測定を行う。
また、第2放射温度計t1は、第1放射温度計T1と同様の構成を有しており、非パターン形成領域m1内の温度を測定する。即ち、走査中に第2放射温度計t1の下を通過する非パターン形成領域m1内の所定の領域から放射される赤外線をレンズを介して温度センサに集光することにより所定の領域の温度測定を行う。第2放射温度計t2〜t6の構成は第1放射温度計T1と同様の構成であり、走査中に第2放射温度計t2〜t6のそれぞれの下を通過する非パターン形成領域m2〜m6のそれぞれの所定の領域の温度測定を行う。即ち、第1放射温度計T1〜T5及び第2放射温度計t1〜t6は、マスクM上の所定の領域の温度を、マスクMと非接触で測定する。
マスクMが載置されているマスクステージ(図示せず)には、マスクステージを走査方向であるX方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)が設けられている。また、マスクステージを走査方向と直交する方向であるY方向に沿って所定量だけ移動させるとともにZ軸廻りに微小量回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、マスクステージの位置座標が移動鏡(図示せず)を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
マスクM上の各照射領域I1〜I5からの光は、各照射領域I1〜I5に対応するようにY方向に沿って千鳥状に配列された複数(この実施の形態においては5つ)の投影光学ユニットPL1〜PL5からなる投影光学系PLに入射する。図4は、投影光学ユニットPL1の構成を示す図である。マスクM上の照射領域I1からの光は、プリズムミラー15の反射面15aにより反射されて、レンズ16,17を介して、凹面鏡18により反射される。凹面鏡18により反射された光は、再びレンズ16,17を介して、プリズムミラー15の反射面15bにより反射されて、像の倍率を補正するための倍率調整レンズ群20を通過する。倍率調整レンズ群20は、凹レンズ20a及び凸レンズ20bにより構成されており、凹レンズ20a及び凸レンズ20bは、投影光学ユニットPL1の光軸方向(Z方向)に移動可能であり、光軸方向の間隔を変更できるように構成されている。凹レンズ20a及び凸レンズ20bの少なくとも一方をZ方向に移動させることにより、プレートP上に形成される像の倍率を調整することができる。倍率調整レンズ群20を通過した光は、像の位置を調整するための像位置調整部材群21を通過する。像位置調整部材群21は、2つの平行平面板21a,21bにより構成されており、平行平面板21a,21bは、投影光学ユニットPL1の光軸に対して傾斜可能に構成されている。平行平面板21a,21bの少なくとも一方を光軸に対して傾斜させることにより、プレートP上に形成される像の位置をシフトさせることができる。
像位置調整部材群21を通過した光は、図示しないプレートステージ上において、図示しないプレートホルダを介してXY平面に平行に支持されたプレートP上にマスクMのパターンの像を形成する。即ち、投影光学ユニットPL1は、照射領域I1により照明されたマスクM上のパターン像をプレートP上の露光領域R1(図5参照)に形成する。
なお、投影光学ユニットPL2〜PL5の構成は、投影光学ユニットPL1の構成と同様の構成であり、各投影光学ユニットPL2〜PL5を通過した光は、プレートP上にマスクMのパターンの像を形成する。即ち、投影光学ユニットPL2〜PL5は、各照射領域I2〜I5により照明されたマスクM上のパターン像をプレートP上の各露光領域R1〜R5(図5参照)に形成する。この実施の形態においては、投影光学ユニットPL1〜PL5は、2倍の拡大倍率を有している。したがって、プレートP上において各照射領域I1〜I5に対応するようにY方向に2列に並んだ各露光領域R1〜R5(図5参照)には、マスクMのパターンの拡大像が形成される。また、各投影光学ユニットPL1〜PL5によりプレートP上に形成される像は、Y方向に倒立した倒立像である。
プレートPが載置されているプレートステージ(図示せず)には、プレートステージを走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)、プレートステージを走査直交方向であるY軸方向に沿って所定量だけ移動させるとともにZ軸廻りに微小量回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージの位置座標が移動鏡50を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。この実施の形態では、マスクMのパターンは投影光学系PLにより2倍に拡大されてプレートP上に投影される。したがって、マスクステージとプレートステージとを1:2の走査比で、それぞれ投影光学系PLに対して走査させる。つまり、投影光学系PLの倍率に応じ、マスクステージに対してプレートステージを倍率倍の速度比で走査させる。これにより走査方向に関しては、マスクMのパターン領域の長さに対して、倍率倍の長さに拡大されてプレートP側に露光されることになる。
また、図1に示すように、投影光学ユニットPL1、PL3、PL5と投影光学ユニットPL2、PL4との間には、プレートPの位置合わせを行うためのアライメント系52、及びプレートPのフォーカス位置を調整するためのオートフォーカス系54が配置されている。また、プレートPの+X方向の端部のプレートステージ(図示せず)上には、アライメント顕微鏡56が設けられている。図5は、アライメント顕微鏡56の構成を示す図である。図5に示すように、アライメント顕微鏡56は、Y方向に所定の間隔で配置された顕微鏡A1〜A6を備えている。なお、図5に示す領域R1〜R5はプレートP上に投影光学ユニットPL1〜PL5のそれぞれにより形成される露光領域である。顕微鏡A1〜A6の間隔は、投影光学系PLを介して図3に示すマスクM上のアライメントマークa1〜a10の像が2倍に拡大されてプレートP上に形成された際のアライメントマーク像の間隔と一致している。
図6は、この実施の形態にかかる走査型露光装置のシステム構成を示す図である。この走査型露光装置は、露光処理の制御を行う制御部60を備えている。制御部60は、投影光学ユニットPL1の像倍率調整レンズ群20を構成する凹レンズ20a及び凸レンズ20bを駆動するための像倍率調整用駆動部62に接続されており、像倍率調整用駆動部62の駆動を制御している。また、制御部60は、投影光学ユニットPL1の像位置調整部材群21を構成する平行平面板21a,21bを駆動するための像位置調整用駆動部64に接続されており、像位置調整用駆動部64の駆動を制御している。また、制御部60は、各投影光学ユニットPL2〜PL5を構成する各像倍率調整レンズ群(図示せず)及び各像位置調整部材群(図示せず)を駆動するための像調整用駆動部(図示せず)及び像位置調整用駆動部(図示せず)に接続されており、各像調整用駆動部及び各像位置調整用駆動部の駆動を制御している。
また、制御部60は、温度測定装置13を構成する第1放射温度計T1の温度センサ13b、第1放射温度計T2の温度センサ13c、第1放射温度計T3の温度センサ13d、第1放射温度計T4の温度センサ13e、第1放射温度計T5の温度センサ13f、第2放射温度計t1の温度センサ13g、第2放射温度計t2の温度センサ13h、第2放射温度計t3の温度センサ13i、第2放射温度計t4の温度センサ13j、第2放射温度計t5の温度センサ13k、第2放射温度計t6の温度センサ13lに接続されており、各温度センサ13a〜13lの測定結果を取得する。制御部(算出器)60は、各温度センサ13a〜13lの測定結果を用いて投影光学ユニットPL1〜PL5のそれぞれにより形成される像の像形成状態についての調整量を算出する。なお、この実施の形態においては、像形成状態として、像の位置及び像の倍率について説明しているが、像形成状態には、投影光学系の収差による像のゆがみ、(歪曲収差起因)、像のぼけ(球面収差、批点収差、像面湾曲起因)、像の流れ(コマ収差起因)等が含まれる。また、制御部(調整器)60は、算出された調整量に基づいて、像調整用駆動部60及び像位置調整用駆動部62等を介して凹レンズ20a、凸レンズ20b、平行平面板21a,21b等を駆動させることにより像の位置及び像の倍率の調整を行う。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、この実施の形態にかかる走査型露光装置の露光方法について説明する。この実施の形態に係る走査型露光装置においてパターンの転写を行なう場合には、まず、図8に示すように、投影光学ユニットPL2,PL4により形成されるアライメントマークa3,a4,a7,a8の像ar3,ar4,ar7,ar8が、顕微鏡A2〜A5の視野の中心と一致するように、投影光学ユニットPL2,PL4の像位置や像倍率を調整する。次に、図9に示すように、投影光学ユニットPL1,PL3,PL5により形成されるアライメントマークa1,a2,a5,a6,a9,a10の像ar1,ar2,ar5,ar6,ar9,ar10が、顕微鏡A1〜A6の視野の中心と一致するように、投影光学ユニットPL1,PL3,PL5の像位置や像倍率を調整する。
そして、投影光学系PLに対してマスクM及びプレートを相対的に移動させながら、投影光学ユニットPL1〜PL5によりマスクMのパターン形成領域M1〜M5に形成されているパターンの拡大像をプレートP上に転写する。
この実施の形態にかかる走査型露光装置においては、拡大倍率を有する投影光学系PLを有しているため、マスクMはパターンが形成されている領域と形成されていない領域とを有し、マスクMに形成されているパターンはプレートP上のほぼ全面に転写される。したがって、プレートPはほぼ全面均一に光が照射されることとなるが、マスクMは光が照射される領域と照射されない領域を有することとなり、光が照射される領域と光が照射されない領域との温度に差が生じる。
そこで、この実施の形態にかかる走査型露光装置においては、温度測定装置13により光により照明される領域、即ちパターン形成領域M1〜M5と、光により照明されない領域、即ち非パターン形成領域m1〜m6との温度を個別に測定する。
まず、マスクM上の照明光学系IL(照明光学ユニットIL1〜IL5)により照明されるパターン形成領域M1〜M5内の温度を測定する(ステップS10、第1温度測定工程)と同時に、マスクM上の照明光学系IL(照明光学ユニットIL1〜IL5)により照明されない非パターン形成領域m1〜m6内の温度を測定する(ステップS11、第2温度測定工程)。
具体的には、制御部60は、マスクMをX方向に走査させ、温度センサ13bにより計測されたパターン形成領域M1の温度変化量、温度センサ13cにより計測されたパターン形成領域M2の温度変化量、温度センサ13dにより計測されたパターン形成領域M3の温度変化量、温度センサ13eにより計測されたパターン形成領域M4の温度変化量、温度センサ13fにより計測されたパターン形成領域M5の温度変化量、温度センサ13gにより計測された非パターン形成領域m1の温度変化量、温度センサ13hにより計測された非パターン形成領域m2の温度変化量、温度センサ13iにより計測された非パターン形成領域m3の温度変化量、温度センサ13jにより計測された非パターン形成領域m4の温度変化量、温度センサ13kにより計測された非パターン形成領域m5の温度変化量、及び温度センサ13lにより計測された非パターン形成領域m6の温度変化量を取得する。
次に、制御部60は、ステップS10及びステップS11において取得したマスクM上の各パターン形成領域M1〜M5及び各非パターン形成領域m1〜m6の温度を用いて、投影光学ユニットPL1〜PL5のそれぞれにより形成される像の像形成状態(この実施の形態においては、像位置及び像倍率)についての調整量を算出する(ステップS12、算出工程)。
ここで、パターン形成領域M1の温度変化量をΔT1、パターン形成領域M2の温度変化量をΔT2、パターン形成領域M3の温度変化量をΔT3、パターン形成領域M4の温度変化量をΔT4、パターン形成領域M5の温度変化量をΔT5、非パターン形成領域m1の温度変化量をΔt1、非パターン形成領域m2の温度変化量をΔt2、非パターン形成領域m3の温度変化量をΔt3、非パターン形成領域m4の温度変化量をΔt4、非パターン形成領域m5の温度変化量をΔt5、及び非パターン形成領域m6の温度変化量をΔt6とし、マスクMを構成する基板の膨張率をα、マスクM上を照射する照射領域のY方向における長さをWm0(図10参照)、プレートP上に形成される露光領域の幅をWp(図10参照)、マスクM上の非照射領域のY方向における基準長さ(ギャップ)をWg0(図10参照)とする。
まず、照明光学ユニットIL1〜IL5のそれぞれの照明領域のY方向の長さの変位量ΔWm1〜ΔWm5を(1)式より算出する。
ΔWmn=α×ΔTn×Wm0 (n=1,2,3,4,5) (1)
1つの投影光学ユニットの所望の露光幅はWpであるから、各投影光学ユニットPL1〜PL5の投影倍率β1〜β5は、(1)式より算出された算出結果を用いて(2)式により表される。
|βn|={Wp/(Wm0+ΔWmn)} (n=1,2,3,4,5) (2)
次に、(3)式からマスクMのY方向における伸び量Δallを算出する。
Δall=α×{Wm0×(ΔT1+ΔT2+ΔT3+ΔT4+ΔT5)+Wg0×(Δt1+Δt2+Δt3+Δt4+Δt5+Δt6)} (3)
ここで、図11及び図12に示す図を参照して、Y方向におけるマスクMの伸び量について説明する。図11及び図12に示すように、マスクMはマスクステージMST上に装着されたマスクホルダMHA,MHB上に固定されており、マスクステージMSTは干渉計70により所望の位置に制御されている。なお、図11及び図12においては、Y方向の位置を制御する干渉計のみを図示している。
図11においては、マスクホルダMHA,MHBが比較的剛性の低い素材で構成されている。マスクMが照明光に照射されることにより膨張した場合、両端のマスクホルダMHA,MHBがほぼ同程度に変形したままマスクMが保持され、マスクホルダMHA,MHBに対するマスクMの中心位置はほぼ変化せず、マスクMの中心MCから各投影光学ユニットPL1〜PL5の視野中心までの距離に比例して、図中の矢印で示す方向にプレートP上の露光領域R1〜R5の位置が変化する。したがって、各投影光学系PL1〜PL5の像位置のY方向の調整量ΔS1〜ΔS5は、(4)式により算出される。
ΔSn={(Δall/Mall)×Ln}×|βn| (n=1,2,3,4,5) (4)
ただし、Ln(n=1,2,3,4,5)はマスクMの中心を原点とし、原点とそれぞれの投影光学ユニットPL1〜PL5の視野中心との間のY方向における距離、Mallは非照射時のマスクMのY方向における全体の幅とする。
なお、投影光学系PLの像倍率βnが正の値のときは、ΔSnはマスクMの中心が対応するプレートPの中心から離れる方向を+として、それに対してΔSnだけ調整すればよく、像倍率βnが負の値のときは、ΔSnはマスクMの中心が対応するプレートPの中心から離れる方向を−として、それに対してΔSnだけ調整すればよい。
図12においては、マスクホルダMHA,MHBの一方の剛性を意図的に下げている場合、またはマスクホルダMHAとマスクMとを吸着保持している真空チャック若しくはマスクホルダMHBとマスクMとを吸着保持している真空チャックを意図的に弱くしてマスクMの膨張収縮に対する逃げを想定している場合が示されている。
例えば、マスクホルダMHBがマスクホルダMHAに比較して非常に小さな吸引力の真空チャックで固定されており、マスクMの膨張や収縮の際にはマスクホルダMHBの保持面ですべりを起こしてその変化分を吸収できる構成となっている場合、マスクホルダMHAから各投影光学ユニットPL1〜PL5の視野中心までの距離に比例して、図中の矢印で示す方向にプレートP上の露光領域R1〜R5の位置が変化する。従って、各投影光学系PL1〜PL5の像位置の調整量ΔS1〜ΔS5は、(5)式により算出される。
ΔSn={(Δall/Mall)×Dn}×|βn| (n=1,2,3,4,5) (5)
ただし、DnはマスクMのマスクホルダMHA側を原点とし、原点とそれぞれの投影光学ユニットPL1〜PL5の視野中心との間のY方向における距離とする。なお、投影光学系PLの像倍率βnが正の値のときは、ΔSnはマスクホルダMHA側から離れる方向を+として、それに対してΔSnだけ調整すればよく、像倍率βnが負の値のときは、ΔSnはマスクホルダMHA側から離れる方向を−として、それに対してΔSnだけ調整すればよい。
なお、上述では、全体の伸び量Δallを用いて像位置の補正量を求めたが、各モジュール毎にΔt、ΔT、Ln及びDnから補正量を求めても良い。これにより、像位置の補正量をより正確に求めることができる。
次に、ステップS12において算出された調整量を用いて、投影光学ユニットPL1〜PL5の像位置及び像倍率の調整を行う(ステップS13、調整工程)。
具体的には、(2)式より算出された算出結果を用いて、像倍率調整用駆動部62等を介して各投影光学ユニットPL1〜PL5を構成する倍率調整レンズ群を駆動させ、各投影光学ユニットPL1〜PL5の像倍率を調整する。また、マスクMのY方向における両端の剛性が低い場合には、(4)式により算出された算出結果を用いて、像位置調整用駆動部64等を介して各投影光学ユニットPL1〜PL5を構成する像位置調整部材群を駆動させ、各投影光学ユニットPL1〜PL5の像位置を調整する。マスクMのY方向における両端の剛性が相違している場合には、(5)式により算出された算出結果を用いて、像位置調整用駆動部64等を介して各投影光学ユニットPL1〜PL5を構成する像位置調整部材群を駆動させ、各投影光学ユニットPL1〜PL5の像位置を調整する。
次に、ステップS12において像倍率及び像位置の調整を終えた投影光学ユニットPL1〜PL5を用いて、マスクMに形成されているパターンをプレートP上に拡大露光する。 上述の露光方法によれば、温度変化により変形したマスクのパターンを露光することによる露光精度の低下を防止することができ、良好な露光を行うことができる。
この実施の形態にかかる温度測定装置13によれば、照明光学系ILにより照明されるパターン形成領域M1〜M5の温度を測定する第1放射温度計T1〜T5と、照明光学系ILにより照明されない非パターン形成領域m1〜m6の温度を測定する第2放射温度計t1〜t6とを備えているため、パターン形成領域M1〜M5の温度及び非パターン形成領域m1〜m6の温度を正確に測定することができ、パターン形成領域M1〜M5と非パターン形成領域m1〜m6との温度差を正確に検出することができる。したがって、この実施の形態にかかる走査型露光装置において、マスクMの温度変化による変形量を正確に検出することができるため、投影光学系PLの像形成状態の調整を適切に行うことができ、マスクMの変形を要因とする露光精度の低下、例えば投影光学ユニットPL1〜PL5により形成される像の一部がプレートP上において重なって形成される継ぎ領域の継ぎ精度の低下、パターンの線幅のばらつき及び各層の重ね合わせ露光の重ね合わせ精度の低下等を防止することができる。
なお、この実施の形態に係るマスクのパターン形成領域M1〜M5及び非パターン形成領域m1〜m6との温度差に基づく像倍率及び像位置の調整は、所定時間間隔で行なってもよいし、所定枚数のプレートに対してパターンの転写を行なう毎に行なってもよい。
また、この実施の形態においては、パターン形成領域M1〜M5内、即ち照明領域内の温度を測定する5つの第1放射温度計T1〜T5を備えているが、少なくとも1つの第1放射温度計を備え、照明領域内の少なくとも一点の温度を測定するようにしてもよい。また、非パターン形成領域m1〜m6内、即ち非照明領域内の温度を測定する6つの第2放射温度計t1〜t6を備えているが、少なくとも1つの第2放射温度計を備え、非照明領域内の少なくとも一点の温度を測定するようにしてもよい。
また、この実施の形態においては、放射温度計T1〜T5,t1〜t6によりマスクM上の所定の領域の温度を測定しているが、マスクM上のパターン形成領域M1〜M5の近傍及び非パターン形成領域m1〜m6内に温度により色が変化する素子を貼り付け、その色の変化を観察するための観察装置を備え、観察装置による観察結果からマスクM上の所定の領域の温度測定を行うようにしてもよい。また、例えばエリプソメトリー(偏光解析)でマスクM上のパターン形成領域M1〜M5及び非パターン形成領域m1〜m6内の屈折率をリアルタイムに測定し、測定結果及びマスクMを構成する素材の屈折率の温度係数からマスクM上の所定の領域の温度を検出してもよい。また、マスクMの一方の端部からレーザ光等の平行性の良い光を略全反射する角度で入射させ、この光を他方の端部から検出する検出装置を備え、検出装置により検出された光量や漏れ光の強度等の変化からマスクM上の所定の領域の温度を検出してもよい。いずれの場合においても、マスクM上の所定の領域の温度を、マスクMと非接触で測定することができる。
また、この実施の形態においては、投影光学ユニットPL1〜PL5により形成される像の像形成状態としての像位置及び像倍率の調整を行っているが、像形成状態としての投影光学ユニットPL1〜PL5の歪曲収差による像のゆがみ、球面収差や非点収差や像面湾曲による像のぼけ及びコマ収差による像の流れの調整を行ってもよい。
上述の実施の形態にかかる走査型露光装置では、投影光学系を用いてマスクにより形成された転写用のパターンを感光性基板(プレート)に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施の形態にかかる走査型露光装置を用いて感光性基板としてのプレート等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図13のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図13のステップS301において、1ロットのプレート上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのプレート上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の実施の形態にかかる走査型露光装置を用いて、像位置及び像倍率の調整が行われた投影光学系を介して、マスクにより形成されたパターンの像がその1ロットのプレート上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのプレート上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS305において、その1ロットのプレート上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスクにより形成されたパターンに対応する回路パターンが、各プレート上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイスの製造方法によれば、上述の実施の形態にかかる走査型露光装置を用いた露光方法により露光を行うため、高精度な露光を行うことができ、良好な半導体デバイスを得ることができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、プレート上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、プレート上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、この実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図14のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図14において、パターン形成工程401では、この実施の形態にかかる走査型露光装置を用いてマスクのパターンをプレートに転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、プレート上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光されたプレートは、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、プレート上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルタ形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有するプレート、およびカラーフィルタ形成工程402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有するプレートとカラーフィルタ形成工程402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、上述の実施の形態にかかる走査型露光装置を用いた露光方法により露光を行うため、高精度な露光を行うことができ、良好な液晶表示素子を得ることができる。
以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述の実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
実施の形態にかかる走査型露光装置の概略構成を示す斜視図である。 実施の形態にかかる照明光学系の構成を示す図である。 実施の形態にかかるマスク及び温度測定装置の構成を示す図である。 実施の形態にかかる投影光学ユニットの構成を示す図である。 実施の形態にかかるアライメント系の構成を示す図である。 実施の形態にかかる走査型露光装置のシステム構成を示す図である。 実施の形態にかかる走査型露光装置を用いた露光方法について説明するための図である。 アライメント顕微鏡とアライメントマークの位置関係を説明するための図である。 アライメント顕微鏡とアライメントマークの位置関係を説明するための図である。 調整量を算出するためのパラメータを説明するための図である。 マスクホルダの構成及びマスクの伸びの状態を示す図である。 マスクホルダの構成及びマスクの伸びの状態を示す図である。 この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1…光学系、2…光源、3…楕円鏡、4…ダイクロイックミラー、5…シャッタ、6…コリメートレンズ、7…波長選択フィルタ、8…集光レンズ、9…ライトガイドファイバ、10…コリメータレンズ、11…オプティカルインテグレータ、12…コンデンサレンズ、13…温度測定装置、13b〜13l…温度センサ、15…プリズムミラー、16,17…レンズ、18…凹面鏡、20…倍率調整レンズ群、21…像位置調整部材群、52…アライメント系、54…オートフォーカス系、56…アライメント顕微鏡、60…制御部、62…像倍率調整用駆動部、64…像位置調整用駆動部、70…干渉計、A1〜A6…顕微鏡、IL…照明光学系、IL1〜IL5…照明光学ユニット、M…マスク、MST…マスクステージ、MHA,MHB…マスクホルダ、M1〜M5…パターン形成領域、m1〜m6…非パターン形成領域、P…プレート、T1〜T5…第1放射温度計、t1〜t6…第2放射温度計、PL…投影光学系、PL1〜PL5…投影光学ユニット。

Claims (9)

  1. 照明光学系により照明された原版に形成されているパターンを走査方向と交差する方向に所定の間隔で配置された複数の拡大投影光学系を介して被照射体上に転写する走査型露光装置であって、
    前記パターンが形成されたパターン形成領域内の少なくとも一点の温度を測定する第1温度測定器と、
    前記原版上において前記パターンが形成されない非パターン形成領域内の少なくとも一点の温度を測定する第2温度測定器と、
    前記第1温度測定器及び前記第2温度測定器の測定結果を用いて前記複数の投影光学系のそれぞれにより形成される像の像形成状態についての調整量を算出する算出器と、
    前記算出器により算出された前記調整量に基づいて、前記像形成状態の調整を行う調整器と、
    を備え、
    前記第2温度測定器は、前記原版上の所定方向に沿って配置された複数の前記パターン形成領域の間に位置する前記非パターン形成領域内の温度を測定することを特徴とする走査型露光装置
  2. 前記原版は前記照明光学系により照明され、
    前記第1温度測定器は、前記照明光学系により照明される前記原版上の照明領域内の少なくとも一点の温度を測定し、
    前記第2温度測定器は、前記照明光学系により照明されない前記原版上の非照明領域内の少なくとも一点の温度を測定することを特徴とする請求項1記載の走査型露光装置
  3. 照明光学系により照明された原版に形成されているパターンを走査方向と交差する方向に所定の間隔で配置された複数の拡大投影光学系を介して被照射体上に転写する走査型露光装置であって、
    前記照明光学系により照明される前記原版上の照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第1温度測定器と、
    前記照明光学系により照明されない前記原版上の非照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第2温度測定器と、
    前記第1温度測定器及び前記第2温度測定器の測定結果を用いて前記複数の投影光学系のそれぞれにより形成される像の像形成状態についての調整量を算出する算出器と、
    前記算出器により算出された前記調整量に基づいて、前記像形成状態の調整を行う調整器と、
    を備え、
    前記照明光学系は、前記原版上の所定方向に沿って配置された複数のパターン形成領域のそれぞれを照明し、
    前記第2温度測定器は、前記複数のパターン形成領域の間に位置する非パターン形成領域内の温度を測定することを特徴とする走査型露光装置
  4. 前記照明光学系は、所定の方向に所定の間隔で配置された複数の照明光学ユニットを備え、
    前記第1温度測定器は、前記複数の照明光学ユニットのそれぞれにより照明される前記原版上の各照明領域内の温度を測定することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の走査型露光装置
  5. 前記第2温度測定器は、前記複数の照明光学ユニットのそれぞれにより照明される前記原版上の照明領域間の各非照明領域内の温度を測定することを特徴とする請求項4記載の走査型露光装置
  6. 前記第1温度測定器及び前記第2温度測定器の少なくとも一方は、前記原版上の前記少なくとも一点の温度を、前記原版と非接触で測定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の走査型露光装置
  7. 前記像形成状態は、前記像の位置及び前記像の倍率の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の走査型露光装置。
  8. 照明光学系により照明された原版に形成されているパターンを走査方向と交差する方向に所定の間隔で配置された複数の拡大投影光学系を介して被照射体上に転写する走査型露光装置を用いて露光を行う露光方法であって、
    前記原版上の前記照明光学系により照明される照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第1温度測定工程と、
    前記原版上の前記照明光学系により照明されない非照明領域内の少なくとも一点の温度を測定する第2温度測定工程と、
    前記第1温度測定工程及び前記第2温度測定工程の測定結果に基づいて、前記複数の投影光学系のそれぞれにより形成される像の像形成状態についての調整量を算出する算出工程と、
    前記算出工程により算出された前記調整量に基づいて、前記像形成状態の調整を行う調整工程と、
    を含み、
    前記第2温度測定工程では、前記原版上の所定方向に沿って配置された複数のパターン形成領域の間に位置する非パターン形成領域内の温度を測定することを特徴とする露光方法。
  9. 請求項記載の露光方法を用いてパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、
    前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と、
    を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
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