JP5245130B2 - マンガン鉱石還元物 - Google Patents

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Description

本発明はマンガン鉱石還元物およびその製造方法に関する。詳しくは、電解二酸化マンガン等の製造に用いられる硫酸マンガン溶液の原料として好適となる、希硫酸へのマンガン溶解性の高い、マンガン鉱石還元物の提供、および、その効率的な製造方法に関する。
硫酸マンガンは、乾電池材料に用いられる電解二酸化マンガン製造の原料およびフェライト、顔料、セラミック等の工業中間薬品として広く用いられている有用な化合物である。
従来より硫酸マンガン溶液は、1)天然に産出されるマンガン鉱石を高温還元ばい焼する還元工程、2)この還元鉱石を希硫酸にて溶解し、硫酸マンガン溶液を得る溶解工程、を経て得られている。
これら各工程を順に説明する。
1)還元工程
マンガン酸化物はマンガンの酸化状態により様々な形態をとるが、天然に産するマンガン鉱石では、これらが種々の比率で混在している。これらの内、希硫酸に完全に溶解するのは酸化第一マンガン(MnO)のみであることから、希硫酸への溶解にあたっては、マンガン鉱石はMnOまで還元する必要がある。
マンガン鉱石は400℃以上の温度で還元することができるが、700℃以下の低温で還元されたマンガン還元鉱石は、保存安定性が低く、通常の貯蔵方法では酸不溶物を形成し易く、硫酸へのマンガン溶解率が低下する欠点があり、安定な還元鉱石を得るためには、700℃以上、好ましくは1000℃程度での還元が必要とされている(例えば、非特許文献1または2参照)。
また、マンガン還元鉱石は、1093℃以上に加熱すると鉱石同士が焼結し処理が困難になることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このため、工業的なマンガン鉱石の還元は、マンガン還元率、還元速度、マンガン還元鉱石の安定性、炉の耐熱性、操作の安定性の観点から、粉砕したマンガン鉱石を、メタンガス、水素ガス、一酸化炭素などの還元剤の存在下、800〜1000℃の高温で、十分時間をかけて還元することで、MnOに転化することができるとしている(例えば、特許文献2または3参照)。
しかしながら、800〜1000℃といった高温では、還元炉の材質にキャスタブル耐火物やタングステン耐熱鋼を用いねばならず装置が非常に高価となっていた。
2)溶解工程
MnOまで還元された還元鉱石を希硫酸に添加し、溶解させ硫酸マンガン溶液を得るが、この時、マンガンの希硫酸への溶解率は97%台以下であった。このように、還元鉱石からのマンガン溶解効率が低いことは、経済性の低下をまねき、工業化に際しての大きな課題であった。また、マンガンの溶解率が低いことはマンガンを含んだ鉱滓が多量に発生することにつながり、その利用は困難であり、環境保全上問題となり、このことも工業化に際しての大きな課題となっていた。
特公昭51−30036号公報 特公昭56−4498号公報 特公昭51−30036号公報
鉄と鋼,49巻,971頁(1963年) 鉄と鋼,49巻,1059頁(1963年)
本発明は、前記したような従来の硫酸マンガン溶液製造における様々な課題を克服することを目的としている。すなわち本発明は、硫酸マンガン溶液を製造する際に、マンガンの希硫酸溶解率が極めて高く、溶解しきれなかった鉱滓量を極めて少なくできるマンガン鉱石還元物を提供することにある。また、このような優れた性質を有するマンガン還元物を、容易にかつ経済的に製造できる方法を提供することも本発明の目的とする。
本発明者らは、硫酸マンガン溶液製造上の課題を解決するために、従来の技術が抱える問題点を鋭意検討した結果、マンガン鉱石の還元条件を巧みに制御して還元を十分に行うことにより、希硫酸へのマンガン溶解性がこれまでになく極めて高くなるマンガン鉱石還元物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、希硫酸へのマンガン溶解率が98.0%以上であり、かつ希硫酸への鉄溶解率が70%以上であるマンガン鉱石還元物である。また本発明は、マンガン含量が20〜60重量%でありかつ鉄含量が1〜15重量%のマンガン鉱石を粒度500μm以下に粉砕する第一工程、ついで第一工程で粉砕されたマンガン鉱石を400〜790℃で還元飽和時間以上還元ガスと接触させる第二工程、第二工程で得られた還元鉱石を非酸化雰囲気下にて150℃以下に冷却する第三工程、よりなるマンガン鉱石還元物の製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の出発原料は天然に産出するマンガン鉱石であり、そのマンガン鉱石中にはマンガンが通常20〜60重量%、鉄が1〜15重量%含まれている。さらにマンガン鉱石の中でも、軟マンガン鉱、硬マンガン鉱等の酸化マンガン鉱石がその産出量も多く、マンガン含量も高くかつ入手が容易であり、好適に用いることができる。
本発明のマンガン鉱石還元物は、希硫酸へのマンガン溶解率が重量基準で98.0%以上であることを必須とし、従来の技術では、マンガン鉱石を高温で長時間かけてMnOにまで還元しているにも関わらず、希硫酸へのマンガン溶解率は97%台以下であったことと比べると、極めて高いマンガン溶解率を有している。ここで希硫酸とは、硫酸分を含有した水溶液を総称して表し、希釈された硫酸水溶液や、硫酸マンガンを含んだ希硫酸水溶液等が例示できる。
本発明のマンガン鉱石還元物は、希硫酸へのマンガン溶解率が98.0%以上と極めて高いため、マンガンの利用率が向上していると共に、希硫酸へ溶解した際に生じる鉱滓の発生量も著しく減少させることができるため、硫酸マンガン製造に対しても環境保全に対しても、優れた材料である。
また、本発明のマンガン鉱石還元物中に含まれる鉄の希硫酸への溶解率は重量基準で70%以上であることを必須とし、このことにより、マンガン鉱石還元物のマンガン溶解率を高く保ち、溶解後の鉱滓発生量を少なくすることができる。さらに、好ましい鉄溶解率は、80%以上であり、その効果はより増大する。
本発明のマンガン鉱石還元物は、このように、希硫酸へのマンガン溶解率が極めて高く、硫酸マンガン製造に好適な工業上有用な材料である。
本発明のマンガン鉱石還元物の粒度は、好ましくは500μm以下であり、さらに好ましくは300μm以下である。この時、希硫酸へのマンガンおよび鉄の溶解速度は大きく、より効果的である。これに対し、粒度が500μmより大きいと、マンガン鉱石還元物の単位量あたりの表面積が小さくなり、このことは希硫酸へ溶解する際の接触面積が小さくなることを意味し、従って溶解性が低くなって希硫酸に溶解する速度が低下することがある。
次に、本発明のマンガン鉱石還元物の製造方法について述べるが、その製造方法は3つの工程よりなる。
すなわち、第一工程はマンガン含量が20〜60重量%でありかつ鉄含量が1〜15重量%のマンガン鉱石を粒度500μm以下に粉砕する工程であり、第二工程は第一工程で粉砕されたマンガン鉱石を400〜790℃で還元飽和時間以上還元ガスと接触させる工程であり、第三工程は第二工程で得られた還元鉱石を非酸化雰囲気下にて150℃以下に冷却する工程である。
第一工程は、マンガン鉱石を粒度500μm以下、さらに好ましくは300μm以下に粉砕する工程である。その操作方法としては特に限定されないが、好ましい具体例としてはミルやクラッシャー等の粉砕器を用いて達成できる。粉砕されたマンガン鉱石の粒度が500μmより大きいと、第二工程で行われる処理において、マンガン鉱石の還元速度が低下することがあると共に、得られるマンガン鉱石還元物を希硫酸へ溶解させる際のマンガンの溶解速度が低下することがある。
第二工程は、第一工程で得られた粉砕マンガン鉱石を、400〜790℃、さらに好ましくは630〜720℃で、還元飽和時間以上の時間をかけて還元ガスと接触させ、マンガン鉱石を十分に還元させる工程である。
粉砕マンガン鉱石を還元ガスと接触させるにあたり、その操作方法としては特に限定されないが、好ましい具体例としては粉砕されたマンガン鉱石を外熱式のロータリーキルンを用いて還元ガスの存在下で加熱混合しつつ連続的に接触させることによって達成できる。
ロータリーキルン内のガスと粉砕マンガン鉱石の流れ方向は並流、向流いずれでもよいが、還元ガスと鉱石の接触効率を高め、より短時間で高い還元率を得るには向流が好ましい。
ロータリーキルンの形状は、内部の鉱石の攪拌が効率よく行えるものであれば特に制限されないが円筒形又は多角筒形が望ましい。
円筒形とは、筒の両端が円形である形状のものをさす。
多角筒形とは、筒の両端が多角形である形状のものをさし、五角形、六角形、七角形、八角形等が例示できる。
また、ロータリーキルンはその内部に、鉱石と還元ガスの接触効率を高める為に、鉱石と還元ガスを混合する装置を具備することがより好ましい。
鉱石と還元ガスを混合する装置としては、鉱石と還元ガスを混合する機能を有するものであれば特に限定されないが、構造が単純でメンテナンスが容易でかつ接触効率が優れるものとして、ロータリーキルン内に設置された可動式の攪拌翼や、キルン内壁固定式の攪拌翼、いわゆるリフターを設置することが好ましい。
また、これらを組み合わせたロータリーキルンでも良い。
可動式攪拌翼の形状、及びその使用方法について、より詳しく述べると、特許第60335号公報、特公平2−46877号公報、特公平2−55708号公報、特公平2−55709号公報、特公平2−55710号公報、特公平4−19471号公報を挙げることができる。これら先行文献で示された技術が本特許に好ましく適用できる。
以上のように、内部の鉱石の攪拌を効率よく行う形状のロータリーキルン及び/又は鉱石と還元ガスを混合する装置を具備するロータリーキルンを用いることにより、マンガン鉱石の還元をより短時間で、より低い温度で、より当量に近い還元ガス量で、本発明が実施できる。
攪拌翼の枚数は特に制限されないが、接触効率を高める為に、可動式の攪拌翼は3枚以上、キルン外壁固定式の攪拌翼は2枚以上が好ましい。
また、還元温度が400℃よりも低いと、原料マンガン鉱石の還元が十分ではなく、希硫酸へのマンガン及び鉄の溶解率が低下する。一方、790℃より高くしても、希硫酸へのマンガン及び鉄の溶解性が低下し、マンガン溶解率98.0%以上でかつ鉄溶解率70%以上となるマンガン鉱石還元物が得られない。
第二工程における加熱の際に使用される炉の材質としては、キャスタブル耐火物やタングステン耐熱鋼は必要なく、通常のステンレス鋼が使用でき、このため、装置の製作は容易で安価にできる。
第二工程で用いられる還元ガスとしては、水素、一酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素、メタン等の還元性のガスを用いることができ、これらは1種単独で用いるのみならず、2種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。さらに、これらの内でも、反応速度が大きく、反応生成ガスが水蒸気で排ガス処理が不要なことなどから水素が好ましく用いられる。
還元ガスの使用量としては、還元反応を終了させ、マンガン鉱石還元物の希硫酸へのマンガン溶解率を低下させないようにするために、マンガン鉱石の還元に理論的に必要な量に対して1.0倍量以上とすることが好ましく、さらに経済性も考慮すれば、1.0〜2.0倍量とすることが好ましい。
尚、ここでいう理論的に必要な量とは、鉱石中の高次の酸化マンガンと高次の酸化鉄をMnOおよびFeOに還元するに必要な還元ガスの体積量(リットル)であり、鉱石中に含まれるマンガンが二酸化マンガン、鉱石中に含まれる鉄が酸化第二鉄の場合は、次式で計算できる。
W=W1×(W2×0.01/55+W3×0.01×0.5/56)×0.082×T/A
(式中、Wはマンガン鉱石の還元に理論的に必要な還元ガスの体積量(単位はリットル)、W1は還元されるマンガン鉱石の量(単位はg)、W2はマンガン鉱石中のマンガン含量(単位は重量%)、W3はマンガン鉱石中の鉄含量(単位は重量%)、Tは還元ガスの絶対温度(単位は絶対温度K)、Aは還元ガスの圧力(単位はatm)である。)
また、用いられる還元ガスは適時、窒素、アルゴン、水蒸気、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン等の不活性ガスで希釈して使用することができ、これらの内でも、大量に入手でき、取り扱いが容易で安価な窒素が好ましく用いられる。これにより還元ガスの爆発等の危険性を抑えたり、原料マンガン鉱石と還元ガスとの反応性を制御できる。
第二工程において、マンガン鉱石を還元ガスと接触させ還元させる時間としては、マンガン鉱石を十分に還元できる時間、すなわち還元飽和時間以上が好ましく、さらには20分以上が好ましい。ここでいう還元飽和時間とは、マンガン鉱石が還元ガスにより十分に還元される時間をいい、還元が十分に進行したかは、例えば、鉱石中に含まれる鉄の希硫酸への溶解率をその指標とすることで把握でき、希硫酸への鉄溶解率が70%以上、好ましくは80%以上となっておれば十分に還元されている。この時間は、マンガン鉱石の粒度及びその量、還元ガスの量、還元温度などにより一定しないが、例えば、還元温度が700℃の場合には30分程度以上であり、これより還元温度が低くなればその時間は長くなり、還元温度が高ければ短くすることができる。このように、還元時間を所定時間以上とすることでマンガン鉱石中のマンガンを十分還元させることができ、最終的に得られるマンガン鉱石還元物の希硫酸へのマンガン溶解率が高くかつ安定的とすることができるからである。特に、この時間を120分より長くしてもマンガン及び鉄溶解率は限界で増加せず、装置が大型化し経済的でないことがあることから、20〜120分の範囲とすることが好ましい。
第三工程は、第二工程で得られた還元鉱石をマンガン鉱石還元物の希硫酸へのマンガン及び鉄溶解率を低下させないために、非酸化雰囲気下にて150℃以下、より好ましくは室温まで冷却する工程である。この操作方法は特に限定されないが、好ましい具体例としては、ロータリーキルンタイプの冷却管で非酸化雰囲気下にて連続式で行うことで達成できる。冷却管は空冷式でもよいが、外壁に水シャワー等を行う水冷式がより好ましい。ここで、非酸化雰囲気下とは、装置内への空気の混入がない状態をさし、具体的には、密閉による空気の混入の遮断や、前述の不活性ガスかもしくは還元ガス、およびそれらの混合ガスを装置内に流通させることで達成できる。
本発明では、上記の工程および操作をバッチ式あるいは連続式のいずれによっても実施できるが、設備のコンパクト化、運転操作性の向上、そして生産性の向上を実現できる連続式で行うことが好ましい。この連続式の具体的な態様は、原料、生産規模等により適宜選択して決められるが、これらの工程を相互に有機的に組み合わせてもよく、また、必要に応じて、一部の工程で得られる処理物を保管後そのままあるいは順次得られる処理物を集めた後次工程へと処理する方式であってもよい。
以上の本発明の方法により、マンガン鉱石還元物を安価にかつ容易に得ることができ、経済的であり、かつ工業的である。
本発明のマンガン鉱石還元物は、マンガン及び鉄の希硫酸への溶解率が高いため、従来のマンガン鉱石還元物と比較し鉱滓発生量が非常に少ない。そのため、例えば、乾電池材料に用いられる電解二酸化マンガン製造における原料とする場合においても、ロスが少なくて済むなど効率的に製造できるのである。
本発明によれば以下の効果を奏する。
本発明のマンガン鉱石還元物は、希硫酸へ溶解させたときのマンガン及び鉄の溶解率が極めて高く、電解二酸化マンガン製造用の高純度の硫酸マンガン溶液を得るのに優れた性質を有しており、また、従来のマンガン還元と比較し鉱滓発生量が非常に少なく、実用上極めて有用である。
また、本発明のマンガン鉱石還元物の製造方法は、高価な材質の還元設備や高圧設備は必要なく、容易にマンガン鉱石還元物を製造でき、かつ、高価なアルカリ薬剤が不要となる。このため、経済的であり、大量生産にも適し、有用な方法である。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
Mn:52.15重量%、Fe:2.63重量%を含有する二酸化マンガン鉱を、粒度300μm以下に粉砕した後、内径200mm長さ4mの外熱式ロータリーキルン中に1100g/分の速度で導入すると共に、水素ガスを還元反応当量の1.2倍量、同じキルン内に向流接触するように窒素にて40容積%に希釈して導入し、還元ばい焼を行った。還元温度は650℃、還元時間は90分に設定した。得られた還元鉱石を窒素ガス気流中にて50℃以下に冷却後、Mn:64.30重量%、Fe:2.91重量%のマンガン鉱石還元物を得た。得られたマンガン鉱石還元物を篩にて篩分分析した結果、粒度300μm以下であった。
このマンガン鉱石還元物を、90℃に加熱した3.0重量%硫酸にpH1.5になるように溶解した後、硫酸マンガン溶液と鉱滓とに濾別したところ、鉱滓量は乾燥基準で0.06kg/kg−原料マンガン鉱石であった。この鉱滓を常法により分析したところ、得られたマンガン鉱石還元物を希硫酸へ溶解させたときのマンガン溶解率は原料マンガン鉱石に対し重量基準で99.9%であり、得られたマンガン鉱石処理物を希硫酸へ溶解させたときの鉄溶解率は原料マンガン鉱石に対し重量基準で89.9%であった。
比較例1
Mn:52.15重量%、Fe:2.63重量%を含有する二酸化マンガン鉱を、粒度300μm以下に粉砕した後、内径200mm長さ4mの外熱式ロータリーキルン中に1100g/分の速度で導入すると共に、COガスを還元反応当量の1.2倍量、同じキルン内に向流接触するように窒素にて40容積%に希釈して導入し、還元ばい焼を行った。還元温度は980℃、還元時間は100分に設定した。得られた還元鉱石を窒素ガス気流中にて室温に冷却後、Mn:62.96重量%、Fe:4.04重量%のマンガン鉱石還元物を得た。得られたマンガン鉱石還元物を篩にて篩分分析した結果、粒度300μm以下であった。
このマンガン鉱石還元物を、90℃に加熱した3.0重量%硫酸にpH1.5になるように溶解した後、硫酸マンガン溶液と鉱滓とに濾別したところ、鉱滓量は乾燥基準で0.14kg/kg−原料マンガン鉱石であった。この鉱滓を常法により分析したところ、得られたマンガン鉱石還元物を希硫酸へ溶解させたときのマンガン溶解率は原料マンガン鉱石に対し重量基準で95.4%であり、得られたマンガン鉱石処理物を希硫酸へ溶解させたときの鉄溶解率は原料マンガン鉱石に対し重量基準で42.3%であった。
以上の実施例と比較例とを比べると、実施例においては比較例よりも十分にマンガン鉱石を還元できており、得られたマンガン鉱石還元物の希硫酸へのマンガン溶解率及び鉄溶解率ともに高くなっていることが分かる。

Claims (1)

  1. 希硫酸へのマンガン溶解率が98.0%以上であり、かつ希硫酸への鉄溶解率が70%以上であることを特徴とする軟マンガン鉱及び硬マンガン鉱から選ばれる少なくとも1種のマンガン鉱石還元物。
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