JP2002037628A - マンガン鉱石還元物およびその製造方法 - Google Patents

マンガン鉱石還元物およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】硫酸マンガン溶液を製造する際に、マンガンの
希硫酸溶解率が極めて高く、鉱滓量を極めて少なくでき
るマンガン鉱石還元物、また、このようなマンガン還元
物を、容易にかつ経済的に製造できる方法を提供する。 【解決の手段】希硫酸へのマンガン溶解率が98.0%
以上であり、かつ希硫酸への鉄溶解率が70%以上であ
ることを特徴とするマンガン鉱石還元物及びその製造方
法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマンガン鉱石還元物
およびその製造方法に関する。詳しくは、電解二酸化マ
ンガン等の製造に用いられる硫酸マンガン溶液の原料と
して好適となる、希硫酸へのマンガン溶解性の高い、マ
ンガン鉱石還元物の提供、および、その効率的な製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】硫酸マンガンは、乾電池材料に用いられ
る電解二酸化マンガン製造の原料およびフェライト、顔
料、セラミック等の工業中間薬品として広く用いられて
いる有用な化合物である。
【0003】従来より硫酸マンガン溶液は、1)天然に
産出されるマンガン鉱石を高温還元ばい焼する還元工
程、2)この還元鉱石を希硫酸にて溶解し、硫酸マンガ
ン溶液を得る溶解工程、を経て得られている。
【0004】これら各工程を順に説明する。
【0005】1)還元工程 マンガン酸化物はマンガンの酸化状態により様々な形態
をとるが、天然に産するマンガン鉱石では、これらが種
々の比率で混在している。これらの内、希硫酸に完全に
溶解するのは酸化第一マンガン(MnO)のみであるこ
とから、希硫酸への溶解にあたっては、マンガン鉱石は
MnOまで還元する必要がある。
【0006】鉄と鋼,49巻,971頁(1963
年)、及び、鉄と鋼,49巻,1059頁(1963
年)には、マンガン鉱石は400℃以上の温度で還元す
ることができるが、700℃以下の低温で還元されたマ
ンガン還元鉱石は、保存安定性が低く、通常の貯蔵方法
では酸不溶物を形成し易く、硫酸へのマンガン溶解率が
低下する欠点があり、安定な還元鉱石を得るためには、
700℃以上、好ましくは1000℃程度での還元が必
要とされている。
【0007】また、特公昭51−30036号公報に
は、マンガン還元鉱石は、1093℃以上に加熱すると
鉱石同士が焼結し処理が困難になることが開示されてい
る。
【0008】このため、特公昭56−4498号公報、
特公昭51−30036号公報では、工業的なマンガン
鉱石の還元は、マンガン還元率、還元速度、マンガン還
元鉱石の安定性、炉の耐熱性、操作の安定性の観点か
ら、粉砕したマンガン鉱石を、メタンガス、水素ガス、
一酸化炭素などの還元剤の存在下、800〜1000℃
の高温で、十分時間をかけて還元することで、MnOに
転化することができるとしている。
【0009】しかしながら、800〜1000℃といっ
た高温では、還元炉の材質にキャスタブル耐火物やタン
グステン耐熱鋼を用いねばならず装置が非常に高価とな
っていた。
【0010】2)溶解工程 MnOまで還元された還元鉱石を希硫酸に添加し、溶解
させ硫酸マンガン溶液を得るが、この時、マンガンの希
硫酸への溶解率は97%台以下であった。このように、
還元鉱石からのマンガン溶解効率が低いことは、経済性
の低下をまねき、工業化に際しての大きな課題であっ
た。また、マンガンの溶解率が低いことはマンガンを含
んだ鉱滓が多量に発生することにつながり、その利用は
困難であり、環境保全上問題となり、このことも工業化
に際しての大きな課題となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな従来の硫酸マンガン溶液製造における様々な課題を
克服することを目的としている。すなわち本発明は、硫
酸マンガン溶液を製造する際に、マンガンの希硫酸溶解
率が極めて高く、溶解しきれなかった鉱滓量を極めて少
なくできるマンガン鉱石還元物を提供することにある。
また、このような優れた性質を有するマンガン還元物
を、容易にかつ経済的に製造できる方法を提供すること
も本発明の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、硫酸マン
ガン溶液製造上の課題を解決するために、従来の技術が
抱える問題点を鋭意検討した結果、マンガン鉱石の還元
条件を巧みに制御して還元を十分に行うことにより、希
硫酸へのマンガン溶解性がこれまでになく極めて高くな
るマンガン鉱石還元物が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、希硫酸へのマンガン溶
解率が98.0%以上であり、かつ希硫酸への鉄溶解率
が70%以上であるマンガン鉱石還元物である。また本
発明は、マンガン含量が20〜60重量%でありかつ鉄
含量が1〜15重量%のマンガン鉱石を粒度500μm
以下に粉砕する第一工程、ついで第一工程で粉砕された
マンガン鉱石を400〜790℃で還元飽和時間以上還
元ガスと接触させる第二工程、第二工程で得られた還元
鉱石を非酸化雰囲気下にて150℃以下に冷却する第三
工程、よりなるマンガン鉱石還元物の製造方法である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の出発原料は天然に産出するマンガ
ン鉱石であり、マンガン鉱石中にはマンガンが通常20
〜60重量%、鉄が1〜15重量%含まれている。さら
にマンガン鉱石の中でも、軟マンガン鉱、硬マンガン鉱
等の酸化マンガン鉱石がその産出量も多く、マンガン含
量も高くかつ入手が容易であり、好適に用いることがで
きる。
【0016】本発明のマンガン鉱石還元物は、希硫酸へ
のマンガン溶解率が重量基準で98.0%以上であるこ
とを必須とし、従来の技術では、マンガン鉱石を高温で
長時間かけてMnOにまで還元しているにも関わらず、
希硫酸へのマンガン溶解率は97%台以下であったこと
と比べると、極めて高いマンガン溶解率を有している。
ここで希硫酸とは、硫酸分を含有した水溶液を総称して
表し、希釈された硫酸水溶液や、硫酸マンガンを含んだ
希硫酸水溶液等が例示できる。
【0017】本発明のマンガン鉱石還元物は、希硫酸へ
のマンガン溶解率が98.0%以上と極めて高いため、
マンガンの利用率が向上していると共に、希硫酸へ溶解
した際に生じる鉱滓の発生量も著しく減少させることが
できるため、硫酸マンガン製造に対しても環境保全に対
しても、優れた材料である。
【0018】また、本発明のマンガン鉱石還元物中に含
まれる鉄の希硫酸への溶解率は重量基準で70%以上で
あることを必須とし、このことにより、マンガン鉱石還
元物のマンガン溶解率を高く保ち、溶解後の鉱滓発生量
を少なくすることができる。さらに、好ましい鉄溶解率
は、80%以上であり、その効果はより増大する。
【0019】本発明のマンガン鉱石還元物は、このよう
に、希硫酸へのマンガン溶解率が極めて高く、硫酸マン
ガン製造に好適な工業上有用な材料である。
【0020】本発明のマンガン鉱石還元物の粒度は、好
ましくは500μm以下であり、さらに好ましくは30
0μm以下である。この時、希硫酸へのマンガンおよび
鉄の溶解速度は大きく、より効果的である。これに対
し、粒度が500μmより大きいと、マンガン鉱石還元
物の単位量あたりの表面積が小さくなり、このことは希
硫酸へ溶解する際の接触面積が小さくなることを意味
し、従って溶解性が低くなって希硫酸に溶解する速度が
低下することがある。
【0021】次に、本発明のマンガン鉱石還元物の製造
方法について述べるが、その製造方法は3つの工程より
なる。
【0022】すなわち、第一工程はマンガン含量が20
〜60重量%でありかつ鉄含量が1〜15重量%のマン
ガン鉱石を粒度500μm以下に粉砕する工程であり、
第二工程は第一工程で粉砕されたマンガン鉱石を400
〜790℃で還元飽和時間以上還元ガスと接触させる工
程であり、第三工程は第二工程で得られた還元鉱石を非
酸化雰囲気下にて150℃以下に冷却する工程である。
【0023】第一工程は、マンガン鉱石を粒度500μ
m以下、さらに好ましくは300μm以下に粉砕する工
程である。その操作方法としては特に限定されないが、
好ましい具体例としてはミルやクラッシャー等の粉砕器
を用いて達成できる。粉砕されたマンガン鉱石の粒度が
500μmより大きいと、第二工程で行われる処理にお
いて、マンガン鉱石の還元速度が低下することがあると
共に、得られるマンガン鉱石還元物を希硫酸へ溶解させ
る際のマンガンの溶解速度が低下することがある。
【0024】第二工程は、第一工程で得られた粉砕マン
ガン鉱石を、400〜790℃、さらに好ましくは63
0〜720℃で、還元飽和時間以上の時間をかけて還元
ガスと接触させ、マンガン鉱石を十分に還元させる工程
である。
【0025】粉砕マンガン鉱石を還元ガスと接触させる
にあたり、その操作方法としては特に限定されないが、
好ましい具体例としては粉砕されたマンガン鉱石を外熱
式のロータリーキルンを用いて還元ガスの存在下で加熱
混合しつつ連続的に接触させることによって達成でき
る。
【0026】ロータリーキルン内のガスと粉砕マンガン
鉱石の流れ方向は並流、向流いずれでもよいが、還元ガ
スと鉱石の接触効率を高め、より短時間で高い還元率を
得るには向流が好ましい。
【0027】ロータリーキルンの形状は、内部の鉱石の
攪拌が効率よく行えるものであれば特に制限されないが
円筒形又は多角筒形が望ましい。
【0028】円筒形とは、筒の両端が円形である形状の
ものをさす。
【0029】多角筒形とは、筒の両端が多角形である形
状のものをさし、五角形、六角形、七角形、八角形等が
例示できる。
【0030】また、ロータリーキルンはその内部に、鉱
石と還元ガスの接触効率を高める為に、鉱石と還元ガス
を混合する装置を具備することがより好ましい。
【0031】鉱石と還元ガスを混合する装置としては、
鉱石と還元ガスを混合する機能を有するものであれば特
に限定されないが、構造が単純でメンテナンスが容易で
かつ接触効率が優れるものとして、ロータリーキルン内
に設置された可動式の攪拌翼や、キルン内壁固定式の攪
拌翼、いわゆるリフターを設置することが好ましい。
【0032】また、これらを組み合わせたロータリーキ
ルンでも良い。
【0033】可動式攪拌翼の形状、及びその使用方法に
ついて、より詳しく述べると、特許第60335号公
報、特公平2−46877号公報、特公平2−5570
8号公報、特公平2−55709号公報、特公平2−5
5710号公報、特公平4−19471号公報を挙げる
ことができる。これら先行文献で示された技術が本特許
に好ましく適用できる。
【0034】以上のように、内部の鉱石の攪拌を効率よ
く行う形状のロータリーキルン及び/又は鉱石と還元ガ
スを混合する装置を具備するロータリーキルンを用いる
ことにより、マンガン鉱石の還元をより短時間で、より
低い温度で、より当量に近い還元ガス量で、本発明が実
施できる。
【0035】攪拌翼の枚数は特に制限されないが、接触
効率を高める為に、可動式の攪拌翼は3枚以上、キルン
外壁固定式の攪拌翼は2枚以上が好ましい。
【0036】また、還元温度が400℃よりも低いと、
原料マンガン鉱石の還元が十分ではなく、希硫酸へのマ
ンガン及び鉄の溶解率が低下する。一方、790℃より
高くしても、希硫酸へのマンガン及び鉄の溶解性が低下
し、マンガン溶解率98.0%以上でかつ鉄溶解率70
%以上となるマンガン鉱石還元物が得られない。
【0037】第二工程における加熱の際に使用される炉
の材質としては、キャスタブル耐火物やタングステン耐
熱鋼は必要なく、通常のステンレス鋼が使用でき、この
ため、装置の製作は容易で安価にできる。
【0038】第二工程で用いられる還元ガスとしては、
水素、一酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素、メタン等の
還元性のガスを用いることができ、これらは1種単独で
用いるのみならず、2種以上を任意に組み合わせて用い
ることもできる。さらに、これらの内でも、反応速度が
大きく、反応生成ガスが水蒸気で排ガス処理が不要なこ
となどから水素が好ましく用いられる。
【0039】還元ガスの使用量としては、還元反応を終
了させ、マンガン鉱石還元物の希硫酸へのマンガン溶解
率を低下させないようにするために、マンガン鉱石の還
元に理論的に必要な量に対して1.0倍量以上とするこ
とが好ましく、さらに経済性も考慮すれば、1.0〜
2.0倍量とすることが好ましい。
【0040】尚、ここでいう理論的に必要な量とは、鉱
石中の高次の酸化マンガンと高次の酸化鉄をMnOおよ
びFeOに還元するに必要な還元ガスの体積量(リット
ル)であり、鉱石中に含まれるマンガンが二酸化マンガ
ン、鉱石中に含まれる鉄が酸化第二鉄の場合は、次式で
計算できる。
【0041】W=W1×(W2×0.01/55+W3
×0.01×0.5/56)×0.082×T/A (式中、Wはマンガン鉱石の還元に理論的に必要な還元
ガスの体積量(単位はリットル)、W1は還元されるマ
ンガン鉱石の量(単位はg)、W2はマンガン鉱石中の
マンガン含量(単位は重量%)、W3はマンガン鉱石中
の鉄含量(単位は重量%)、Tは還元ガスの絶対温度
(単位は絶対温度K)、Aは還元ガスの圧力(単位はa
tm)である。) また、用いられる還元ガスは適時、窒素、アルゴン、水
蒸気、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン等の不活性ガスで
希釈して使用することができ、これらの内でも、大量に
入手でき、取り扱いが容易で安価な窒素が好ましく用い
られる。これにより還元ガスの爆発等の危険性を抑えた
り、原料マンガン鉱石と還元ガスとの反応性を制御でき
る。
【0042】第二工程において、マンガン鉱石を還元ガ
スと接触させ還元させる時間としては、マンガン鉱石を
十分に還元できる時間、すなわち還元飽和時間以上が好
ましく、さらには20分以上が好ましい。ここでいう還
元飽和時間とは、マンガン鉱石が還元ガスにより十分に
還元される時間をいい、還元が十分に進行したかは、例
えば、鉱石中に含まれる鉄の希硫酸への溶解率をその指
標とすることで把握でき、希硫酸への鉄溶解率が70%
以上、好ましくは80%以上となっておれば十分に還元
されている。この時間は、マンガン鉱石の粒度及びその
量、還元ガスの量、還元温度などにより一定しないが、
例えば、還元温度が700℃の場合には30分程度以上
であり、これより還元温度が低くなればその時間は長く
なり、還元温度が高ければ短くすることができる。この
ように、還元時間を所定時間以上とすることでマンガン
鉱石中のマンガンを十分還元させることができ、最終的
に得られるマンガン鉱石還元物の希硫酸へのマンガン溶
解率が高くかつ安定的とすることができるからである。
特に、この時間を120分より長くしてもマンガン及び
鉄溶解率は限界で増加せず、装置が大型化し経済的でな
いことがあることから、20〜120分の範囲とするこ
とが好ましい。
【0043】第三工程は、第二工程で得られた還元鉱石
をマンガン鉱石還元物の希硫酸へのマンガン及び鉄溶解
率を低下させないために、非酸化雰囲気下にて150℃
以下、より好ましくは室温まで冷却する工程である。こ
の操作方法は特に限定されないが、好ましい具体例とし
ては、ロータリーキルンタイプの冷却管で非酸化雰囲気
下にて連続式で行うことで達成できる。冷却管は空冷式
でもよいが、外壁に水シャワー等を行う水冷式がより好
ましい。ここで、非酸化雰囲気下とは、装置内への空気
の混入がない状態をさし、具体的には、密閉による空気
の混入の遮断や、前述の不活性ガスかもしくは還元ガ
ス、およびそれらの混合ガスを装置内に流通させること
で達成できる。
【0044】本発明では、上記の工程および操作をバッ
チ式あるいは連続式のいずれによっても実施できるが、
設備のコンパクト化、運転操作性の向上、そして生産性
の向上を実現できる連続式で行うことが好ましい。この
連続式の具体的な態様は、原料、生産規模等により適宜
選択して決められるが、これらの工程を相互に有機的に
組み合わせてもよく、また、必要に応じて、一部の工程
で得られる処理物を保管後そのままあるいは順次得られ
る処理物を集めた後次工程へと処理する方式であっても
よい。
【0045】以上の本発明の方法により、マンガン鉱石
還元物を安価にかつ容易に得ることができ、経済的であ
り、かつ工業的である。
【0046】本発明のマンガン鉱石還元物は、マンガン
及び鉄の希硫酸への溶解率が高いため、従来のマンガン
鉱石還元物と比較し鉱滓発生量が非常に少ない。そのた
め、例えば、乾電池材料に用いられる電解二酸化マンガ
ン製造における原料とする場合においても、ロスが少な
くて済むなど効率的に製造できるのである。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】実施例1 Mn:52.15重量%、Fe:2.63重量%を含有
する二酸化マンガン鉱を、粒度300μm以下に粉砕し
た後、内径200mm長さ4mの外熱式ロータリーキル
ン中に1100g/分の速度で導入すると共に、水素ガ
スを還元反応当量の1.2倍量、同じキルン内に向流接
触するように窒素にて40容積%に希釈して導入し、還
元ばい焼を行った。還元温度は650℃、還元時間は9
0分に設定した。得られた還元鉱石を窒素ガス気流中に
て50℃以下に冷却後、Mn:64.30重量%、F
e:2.91重量%のマンガン鉱石還元物を得た。得ら
れたマンガン鉱石還元物を篩にて篩分分析した結果、粒
度300μm以下であった。
【0049】このマンガン鉱石還元物を、90℃に加熱
した3.0重量%硫酸にpH1.5になるように溶解し
た後、硫酸マンガン溶液と鉱滓とに濾別したところ、鉱
滓量は乾燥基準で0.06kg/kg−原料マンガン鉱
石であった。この鉱滓を常法により分析したところ、得
られたマンガン鉱石還元物を希硫酸へ溶解させたときの
マンガン溶解率は原料マンガン鉱石に対し重量基準で9
9.9%であり、得られたマンガン鉱石処理物を希硫酸
へ溶解させたときの鉄溶解率は原料マンガン鉱石に対し
重量基準で89.9%であった。
【0050】比較例1 Mn:52.15重量%、Fe:2.63重量%を含有
する二酸化マンガン鉱を、粒度300μm以下に粉砕し
た後、内径200mm長さ4mの外熱式ロータリーキル
ン中に1100g/分の速度で導入すると共に、COガ
スを還元反応当量の1.2倍量、同じキルン内に向流接
触するように窒素にて40容積%に希釈して導入し、還
元ばい焼を行った。還元温度は980℃、還元時間は1
00分に設定した。得られた還元鉱石を窒素ガス気流中
にて室温に冷却後、Mn:62.96重量%、Fe:
4.04重量%のマンガン鉱石還元物を得た。得られた
マンガン鉱石還元物を篩にて篩分分析した結果、粒度3
00μm以下であった。
【0051】このマンガン鉱石還元物を、90℃に加熱
した3.0重量%硫酸にpH1.5になるように溶解し
た後、硫酸マンガン溶液と鉱滓とに濾別したところ、鉱
滓量は乾燥基準で0.14kg/kg−原料マンガン鉱
石であった。この鉱滓を常法により分析したところ、得
られたマンガン鉱石還元物を希硫酸へ溶解させたときの
マンガン溶解率は原料マンガン鉱石に対し重量基準で9
5.4%であり、得られたマンガン鉱石処理物を希硫酸
へ溶解させたときの鉄溶解率は原料マンガン鉱石に対し
重量基準で42.3%であった。
【0052】以上の実施例と比較例とを比べると、実施
例においては比較例よりも十分にマンガン鉱石を還元で
きており、得られたマンガン鉱石還元物の希硫酸へのマ
ンガン溶解率及び鉄溶解率ともに高くなっていることが
分かる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果を奏する。
【0054】本発明のマンガン鉱石還元物は、希硫酸へ
溶解させたときのマンガン及び鉄の溶解率が極めて高
く、電解二酸化マンガン製造用の高純度の硫酸マンガン
溶液を得るのに優れた性質を有しており、また、従来の
マンガン還元と比較し鉱滓発生量が非常に少なく、実用
上極めて有用である。
【0055】また、本発明のマンガン鉱石還元物の製造
方法は、高価な材質の還元設備や高圧設備は必要なく、
容易にマンガン鉱石還元物を製造でき、かつ、高価なア
ルカリ薬剤が不要となる。このため、経済的であり、大
量生産にも適し、有用な方法である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希硫酸へのマンガン溶解率が98.0%以
    上であり、かつ希硫酸への鉄溶解率が70%以上である
    ことを特徴とするマンガン鉱石還元物。
  2. 【請求項2】粒度が500μm以下であることを特徴と
    する請求項1に記載のマンガン鉱石還元物。
  3. 【請求項3】マンガン含量が20〜60重量%でありか
    つ鉄含量が1〜15重量%のマンガン鉱石を粒度500
    μm以下に粉砕した後、400〜790℃で還元飽和時
    間以上還元ガスと接触させて還元鉱石を得、これを非酸
    化雰囲気下にて150℃以下に冷却してなることを特徴
    とする請求項1に記載のマンガン鉱石還元物。
  4. 【請求項4】マンガン含量が20〜60重量%でありか
    つ鉄含量が1〜15重量%のマンガン鉱石を粒度500
    μm以下に粉砕する第一工程、ついで第一工程で粉砕さ
    れたマンガン鉱石を400〜790℃で還元飽和時間以
    上還元ガスと接触させる第二工程、第二工程で得られた
    還元鉱石を非酸化雰囲気下にて150℃以下に冷却する
    第三工程、よりなることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のマンガン鉱石還元物の製造方法。
  5. 【請求項5】還元ガスが、水素、一酸化炭素、二酸化硫
    黄、硫化水素及びメタンからなる群より選ばれる1種又
    は2種以上であることを特徴とする請求項4に記載のマ
    ンガン鉱石還元物の製造方法。
  6. 【請求項6】還元ガスの使用量が、マンガン鉱石の還元
    に理論的に必要な量に対して1.0〜2.0倍であるこ
    とを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のマンガン
    鉱石還元物の製造方法。
  7. 【請求項7】還元ガスとして、前記還元ガスを不活性ガ
    スで希釈されたものを用いることを特徴とする請求項4
    〜6のいずれかに記載のマンガン鉱石還元物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】第二工程における還元ガスとマンガン鉱石
    との接触時間が20〜120分であることを特徴とする
    請求項4〜7のいずれかに記載のマンガン鉱石還元物の
    製造方法。
  9. 【請求項9】第二工程において、還元ガスとマンガン鉱
    石とをロータリーキルンを用いて連続的に接触させるこ
    とを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のマンガ
    ン鉱石還元物の製造方法。
  10. 【請求項10】第二工程において、ロータリーキルンの
    形状が、円筒形又は多角筒形であることを特徴とする請
    求項9に記載のマンガン鉱石還元物の製造方法。
  11. 【請求項11】ロータリーキルンが、鉱石と還元ガスを
    混合する装置を具備することを特徴とする請求項9又は
    請求項10に記載のマンガン鉱石還元物の製造方法。
  12. 【請求項12】鉱石と還元ガスを混合する装置が、ロー
    タリーキルン内に設置された可動式の攪拌翼又はキルン
    内壁固定式の攪拌翼であることを特徴とする請求項11
    に記載のマンガン鉱石還元物の製造方法。
  13. 【請求項13】第一工程、第二工程及び第三工程からな
    る群より選ばれる1又は2以上の工程を連続式で行うこ
    とを特徴とする請求項4〜12のいずれかに記載のマン
    ガン鉱石還元物の製造方法。
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