JP5244252B1 - 運搬車両の扉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】荷台の側方又は後方を開閉する扉12が、軸13を介して荷台に回動自在に取り付けられており、扉12と荷台との間に、扉12の両面で軸13を長さ方向に沿って覆う弾性材料からなる帯状の内側カバー部材14と外側カバー部材15とが設けられ、扉12を開いたときには、内側カバー部材14が引っ張られるとともに、外側カバー部材15が圧縮された状態となる。
【選択図】 図1
Description
これら扉は、例えば重量が30kgと重いため、別途、開閉補助装置を設ける場合がある。例えば特許文献1には、荷箱のドアを上下に分割し、一端が屋根に枢着しているアームA、一端が上ドアに枢着し他端がアームAの他端に枢着しているアームB、一端がアームAの中間部分に枢着しているロッド、一端がロッドの他端側に係止され、他端が屋根側に枢着され、ロッドの回動に応じて伸縮し且つ回動するスプリングから成るドア開閉補助機構を設けたバン型トラックが開示されている。この荷箱のドアは、動力を使用することなく、スプリングの付勢力を利用して人力で容易に開閉することができる。
このように、扉の両面にカバー部材を設けて、扉を開いたときに、内側カバー部材が引っ張られ、外側カバー部材が圧縮されるように構成することにより、それぞれのカバー部材に元の状態に戻ろうとする復元力が発生する。この復元力は、扉を閉じる方向に生じるため、扉の自重の一部が復元力で相殺されることになり、扉の自重よりも軽い力で扉の開閉を行うことができる。
この場合、扉の両面にカバー部材を設けただけの単純な構造であるとともに、これらカバー部材をゴム等の弾性材料により構成することができるので、コスト低減、軽量化を図ることができる。
なお、荷台と扉との間には隙間が形成されるが、この隙間が両カバー部材によって塞がれるため、扉の開閉を妨げる原因となるようなゴミ等の異物が隙間内に侵入することが防止される。
図3は本発明の扉装置が適用される運搬車両の例を示しており、同図(a)に示す運搬車両1の場合は、荷台2の後面に設けられるリアゲート3に適用され、同図(b)に示す運搬車両4の場合は、荷台5の側面下部に設けられるサイドゲート6に適用される。
以下の扉装置10の詳細説明では、これら運搬車両1,4を区別することなく、荷台2あるいは荷台5を荷台11として統一し、リアゲート3あるいはサイドゲート6を扉12として統一して説明する。
荷台11は、図3に示されるように、通常、直方体の箱状に形成されており、その床16の端部にレール状の端部部材17が設けられている。この端部部材17は、床16の上面16aと側面16bとの交差部を形成しており、これら上面16a及び側面16bよりも低い段部18が長さ方向に沿って形成され、この段部18に扉12が軸13により支持されている。
固定側軸部材21及び可動側軸部材22は、それぞれが半円筒部21a,22aの先端にフック部21b,22bを有する形状とされ、固定側軸部材21の半円筒部21aの外周面に可動側軸部材22の半円筒部22aの内周面が摺動しながら回動する構成となっている。そして、扉12が図1に示すように荷台11の床16上に起立した起立姿勢時には、フック部21b,22b同士が深く係合して、扉12が荷台11の内側に倒れることを拘束する。一方、図2に示すように扉12が荷台11から側方に張り出した張り出し姿勢時には、半円筒部21a,22a同士が押し付けられた状態でフック部21b,22bの先端部同士が係合して、扉12のそれ以上の回動を拘束する。
また、これら起立姿勢及び張り出し姿勢で扉12を確実に停止させるために、扉12には起立姿勢を超えて扉12が荷台11の内側に倒れようとすると端部部材17に当接するストッパ23が設けられ、一方、荷台11の端部部材17には、扉12が張り出し姿勢を超えて回動しようとすると扉12に当接するストッパ24がそれぞれ設けられている。
具体的には、端部部材17の固定側軸部材21から荷台11の内側へ若干離れた位置の上面には、扉12の長さ方向に沿って溝部26が形成されるとともに、扉12の内面にも可動側軸部材22から若干離れた位置に、同様の溝部27が形成されており、これら両溝部26,27に両側部を嵌合した状態で帯状の内側カバー部材14が取り付けられている。
また、端部部材17の固定側軸部材21から外側に若干離れた側面に扉12の長さ方向に沿って溝部28が形成され、扉12の外面にも同様の溝部29が形成されており、これら溝部28,29に両側部を嵌合した状態で帯状の外側カバー部材15が取り付けられている。
したがって、固定側軸部材21及び可動側軸部材22からなる軸13は、内側カバー部材14及び外側カバー部材15により長さ方向に沿って覆われた状態となる。
両カバー部材14,15のうち、内側カバー部材14は、幅方向の中央部が荷台11の内側に向けて突出するように湾曲した状態に成形され、その横断面形状がギリシャ文字のΩ状となるように形成されている。一方、外側カバー部材15は平板状に成形されている。つまり、扉を起立姿勢としたときに、これらカバー部材14,15が引っ張られたり圧縮されたりしないで、成形状態のまま取り付けられるようになっている。
また、端部部材17及び扉12に形成される各溝部26〜29は、その内部の幅寸法が開口部32の幅寸法よりも大きいアリ溝状に形成されており、各カバー部材14,15の両側部には、細幅の連結部33を介して広幅部34が一体に形成され、その広幅部34が溝部26〜29に嵌合して抜け止めされている。
次に、図2に示すように、扉12を倒して張り出し姿勢とすると、内側カバー部材14は引っ張られてほぼ平板状になり、外側カバー部材15は圧縮されて、平板状から幅方向の中央部が突出するように湾曲させられ、横断面がギリシャ文字のΩ状となるように変形する。つまり、内側カバー部材14には引っ張り力が作用し、外側カバー部材15には圧縮力が作用する。
このため、内側カバー部材14には、その引っ張り力に抗して戻ろうとする復元力が発生し、外側カバー部材15には、その圧縮力に抗して戻ろうとする復元力が発生する。これら復元力は、それぞれ元の起立姿勢に戻ろうとする力であり、この復元力により扉12の自重の一部が相殺されるので、扉12の自重よりも軽い力で扉12を開くことができる。
なお、図1及び図2に示すように、端部部材17と扉12との間には隙間が形成されるが、この隙間が両カバー部材14,15によって塞がれるため、扉12の開閉を妨げる原因となるようなゴミ等の異物が隙間内に侵入することが防止される。
高さ550mm、長さ1100mmの扉12を用意した。重量は9.98kgであった。この扉12を荷台の床16に取り付け、その起立姿勢から張り出し姿勢に至る際に扉12に作用する荷重を測定した。
この場合、扉12の上端に垂直に作用する垂直方向荷重と、図4に示すように扉12の上端から1365mm上方に離れた位置から扉12の上端をロープ35により吊下げた状態とし、このロープ35に作用する回転軸上荷重とをそれぞればね秤により測定した。
また、扉12の両面にカバー部材を取り付けた場合と、いずれにもカバー部材を取り付けなかった場合とで比較した。
水平方向を0°とし、扉12の傾斜角度に応じた各測定結果を表1に示す。
また、サイドゲートに対して一般的に設けられる開閉補助装置の重量は9.3kgであるので、この開閉補助装置をカバー部材(長さ1750mmとして重量0.772kg)に変えると、約92%の軽量化を達成することができる。
例えば、実施形態では、扉を水平な軸により支持したが、いわゆる観音扉のように、垂直な軸により支持される扉に対しても本発明を適用することができる。
11 荷台
12 扉
12a パネル部材
13 軸
14 内側カバー部材
15 外側カバー部材
16 床
16a 上面
16b 側面
17 端部部材
18 段部
21 固定側軸部材
22 可動側軸部材
26〜29 溝部
31 突条
32 開口部
33 連結部
34 広幅部
Claims (1)
- 荷台の側方又は後方を開閉する扉が、荷台の床上に起立した起立姿勢と荷台の側方に張り出した張り出し姿勢との間で水平な軸を介して荷台に回動自在に取り付けられており、前記扉と前記荷台との間に、前記扉の両面で前記軸を長さ方向に沿って覆うゴム材料からなる帯状の内側カバー部材と外側カバー部材とが設けられ、前記内側カバー部材は、幅方向の中央部が突出するように湾曲した状態に成形され、扉の内面と荷台の床の上面とに形成した溝部に両側部がそれぞれ嵌合して抜け止めされ、前記外側カバー部材は、平板状に成形され、前記扉の外面と荷台の側面とに両側部がそれぞれ嵌合して抜け止めされており、前記扉を開いたときには、前記内側カバー部材が前記湾曲した状態から平板状になるように引っ張られるとともに、前記外側カバー部材が前記平板状から幅方向の中央部が突出して湾曲するように圧縮された状態となることを特徴とする運搬車両の扉装置。
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