JP5243215B2 - 丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法 - Google Patents

丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法に関し、特に、アレイ探触子を用いた水浸超音波探傷による丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法に関するものである。
特殊鋼からなる丸棒鋼は、鋼片が圧延されることで得られる。通常は、タンデムに並べられた粗列圧延機、中間列圧延機及び仕上列圧延機による多段圧延が施される。この圧延によって鋼片は徐々に細径化し且つ長尺化して、丸棒鋼が得られる。ユーザーの要求によっては、圧延によって得られた丸棒鋼に、さらに、熱処理、ピーリング加工などを施して丸棒鋼(成品)とする。
このように製造される丸棒鋼には中心部に欠陥が存在することがある。図4は、丸棒鋼のT断面側に投影してみた中心部の欠陥分布の事例のイメージ図である。図4(a)は、1点集中型であり、図4(b)は、分散型である。分散型の場合には、例えば丸棒鋼の直径の15%程度の範囲に欠陥が分散している。中心部欠陥は往々にして空孔性欠陥であるが、欠陥の大きさや数によっては丸棒鋼の品質を損なうため、丸棒鋼の用途にあわせた欠陥の検査を行い、高品質の丸棒鋼のみを出荷する必要がある。また、欠陥の実寸法(√AREA)は数100μm以下であるが、そのうち特に大きな100μm級またはそれ以上の寸法の欠陥を精度よく検出する必要がある。なお、√AREAとは、観察する方向からみたときの欠陥の面積の平方根であって、検知された欠陥の長辺をA、短辺をBとした場合において、√AREA=√(A×B)とするのが一般的である。ここで、短辺(B)方向は長辺(A)方向と直交するようにとる。√AREAとは、欠陥を等価の長方形に見立てて平均径を求める方法である。
丸棒鋼の中心部の欠陥の代表的な検査方法には、丸棒材の横断面における集束点と縦断面における集束点とが実質的に一致した超音波探傷により直径約100μm以上の内部欠陥を検出する技術がある(例えば、特許文献1参照)。そして、特許文献1には、丸棒中心近傍に集束点がある状態が例示されている。
オンライン超音波探傷においても、点集束とすることは、焦点近傍の音圧を高め、鋼中欠陥に対する検出能を向上せしめるのに有効な手段ではある。
特開2005-84036号公報
ここで、丸棒鋼の中心部の全領域を探傷するためには、超音波ビーム径に応じて材料の移動ピッチ(搬送速度)を制限する必要がある。しかしながら、オンライン探傷の搬送速度は例えば1〜2.5m/secの高速であり、点集束の超音波ビームは材料搬送方向に関する長さが確保できないため、点集束の超音波ビームでは高速のオンライン超音波探傷に対応することは困難である。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、高速のオンライン超音波探傷に対応することが可能な丸棒鋼の中心部欠陥、特に、√AREAが100μm級またはそれ以上のサイズの中心部欠陥の検出評価方法を提供することである。
本発明は、電子走査式アレイ探触子を用いた水浸超音波探傷による丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法であって、水浸超音波探傷は、探傷条件として、下記数式1で表されるパラメータPを設定した場合に、下記数式2を満たす範囲で電子走査式アレイ探触子の探触子面と丸棒鋼の表面との距離である水距離を設定し、電子走査式アレイ探触子により、丸棒鋼の中心部に電子フォーカスによるラインフォーカスを生成させて、垂直探傷を行うことを特徴とする。
[数式1]
P=d×(v/v)+l
ここで、d[mm]は丸棒鋼の半径であり、l[mm]は水距離であり、v[m/sec]は丸棒鋼中の縦波音速であり、v[m/sec]は水中の縦波音速である。
[数式2]
P≦819×f -0.86
ここで、f[MHz]は、電子走査式アレイ探触子の探傷周波数である。
本発明によれば、適切な水距離を設定し、丸棒鋼の中心部に電子フォーカスによるラインフォーカスを生成することにより、中心部欠陥のエコーについて高いS/N比を得ることが可能となるとともに、高速のオンライン超音波探傷に対応することが可能となる。
以下、本発明の実施形態である丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法について、図を参照して詳細に説明をする。
図1は、本実施形態の丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法に用いられる丸棒鋼探傷装置の構成例を示す図である。図1(a)は、本実施形態の丸棒鋼探傷装置を丸棒鋼のT断面で見た図であり、図1(b)は、本実施形態の丸棒鋼探傷装置の正面図である。
本実施形態の丸棒鋼探傷装置100は、制御部10と、複数のアレイ探触子(電子走査式アレイ探触子)20−1〜20−n(nは2以上の整数である)とから構成される。
制御部10は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成される。
検査対象となる丸棒鋼Aは、水槽30の不図示の穴を通して搬送される。また、水槽30内は水40で満たされている。そして、水槽30内の丸棒鋼A全体が水40に完全に浸ることにより、本実施形態の丸棒鋼探傷装置100は、いわゆる水浸法による超音波探傷を行うことが可能である。なお、図面の簡略化のため、以後の図面においては水40の記載を省略するが、本実施形態の丸棒鋼の表面欠陥評価装置においては、後述するアレイ探触子20と丸棒鋼Aとの間には水40が存在し、水浸法による超音波探傷を行うものとする。
また、本実施形態の丸棒鋼探傷装置100には、丸棒鋼材搬送(探傷)時の芯ずれを最小限にとどめるための不図示の搬送用ガイドが付設されており、丸棒鋼Aを図中のB方向へ搬送する。アレイ探触子20の動作は制御部10で制御され、制御部10は、アレイ探触子20で検知された欠陥信号のすべてを総合して、丸棒鋼A内の欠陥検出位置のマップなどを作成する。
また、アレイ探触子20の丸棒鋼Aに対向する面には、略円周面状の探触子面20aが形成されている。図1(a)に示すように、複数のアレイ探触子20−1〜20−nを丸棒鋼Aの周囲に配置した場合には、アレイ探触子20−1〜20−nの互いの略円周面状の探触子面20a−1〜20a−nが組み合わさることにより、丸棒鋼Aの中心軸を中心とした同心円状の探触子面を構成する。
図2は、本実施形態のアレイ探触子の詳細な構成を示す図である。図2(a)は、丸棒鋼AのT断面でみた図であり、図2(b)は、本実施形態のアレイ探触子の正面図である。図に示すように、アレイ探触子20の略円周面状の探触子面20aには、多数の振動子(以下、単にエレメントともいう)25が配置されている。例えば、振動子25は、探触子面20aに128エレメント配列されている。
ここで、多数の振動子25のうち、後述する超音波ビームの生成の際に同時制御される所定の範囲で整列した複数の振動子25の群を同時制御エレメント群21と定義する。同時制御エレメント群21は、例えば16, 32, 64といった個数の複数の振動子25の群により電子的にみかけ振動子がつくられたものである。
例えば、アレイ探触子20の探触子面20aに振動子25が128エレメント配列されている場合には、左から1〜32番目の振動子25を同時制御する、左から2〜33番目の振動子25を同時制御する、・・・、左から97〜128番目の振動子25を制御する、といった具合に適宜選択して制御され、同時制御エレメント群21を構成する。
図中のAは、評価の対象となる丸棒鋼であり、その直径は、例えば、15〜100mmである。図中のDは、同時制御エレメント群21が生成する超音波ビームである。図に示すように超音波ビームDの一部を丸棒鋼Aの内部に入れて丸棒鋼Aの中心部の探傷を行う。また、超音波ビームDは丸棒鋼Aの搬送方向Bとほぼ平行な方向、本実施形態でいえば丸棒鋼Aの中心軸Cとほぼ平行な方向に、図2(b)に示すように所定の長さの直線状の電子フォーカスであるラインフォーカスfを丸棒鋼Aの中心軸Cの付近に生成する。
ラインフォーカス(電子フォーカス)fを丸棒鋼Aの中心軸近傍に生成することにより、中心欠陥に対する検出能が高めることが可能となる。また、本実施形態のごとく、複数のエレメントが丸棒鋼に対向し、丸棒鋼の中心軸を中心とした略円周面状の探触子面に配列された探触子を用いることにより、上述した制御が容易とすることが可能となる。
本実施形態においては、同時制御エレメント群21の丸棒鋼Aの探触子面20aの円周上方向の範囲の寸法(図中の円弧状の太い線Eの長さ)を8〜30mmとし、同時制御エレメント群21の振動子配列と直交方向(すなわち、図2(b)から見た方向)の同時制御エレメント群21の幅を10〜20mmとするとよい。また、このように定まる同時制御エレメント群21を便宜上、見かけ上の振動子ともいう。
図2中のlは、水距離であり、同時制御エレメント群21の探触子面20a表面と丸棒鋼Aの表面との間の距離を示す。
図3は、水距離lの目安を示す図である。ここで、水距離lの上限の目安としてパラメータPを導入する。パラメータPは、以下の数式1で表すものとする。
[数式1]
P=d×(v/v)+l
ここで、d[mm]は丸棒鋼の半径であり、l[mm]は水距離であり、v[m/sec]は丸棒鋼中の縦波音速であり、v[m/sec]は水中の縦波音速である。
パラメータPは、垂直探傷の場合には、鋼中縦波音速vは約5900m/secであり、水中縦波音速vは約1480m/secであり、v/v≒4であるため、簡易的には、P=4d+lとすることができる。
本発明者は、探傷周波数とパラメータPとで、欠陥寸法が√AREA100μm以上の中心部欠陥の検知の有無に関する評価を行った結果、水浸垂直探傷では、パラメータPを図3に示す曲線y=819×(探傷周波数[MHz])-0.86の下側の領域の数値範囲とすることで、より高度の電子フォーカスの集束効果を得ることができ、欠陥寸法が√AREA100μm以上の中心部欠陥の検知することが可能であることを見出した。すなわち、本実施形態では、以下の数式2を満たす範囲で水距離lを設定するものとする。
[数式2]
P≦819×f -0.86
ここで、f[MHz]は、アレイ探触子20の探傷周波数である。
表1は、パラメータPと、√AREA100μm以上の中心部欠陥の検知の有無との関係を示す表である。実験例1〜5の探傷周波数は4MHzであり、実験例6〜10の探傷周波数は5MHzであり、実験例11〜15の探傷周波数は7MHzであり、実験例16〜20の探傷周波数は10MHzであり、実験例21〜22の探傷周波数は17MHz、実験例23〜24の探傷周波数は20MHzである。この場合のPの上限値は、実験例1〜5では248となり、実験例6〜10では205であり、実験例11〜15では153となり、実験例16〜20では113となり、実験例21〜22では71となり、実験例23〜24では62となる。
また、中心部欠陥の検知の評価は、S/N比が2.0以上での検知を○(優)とし、S/N比が1.5以上2.0未満での検知を□(良)とし、S/N比が1.5未満の場合を×(不可)とした。
Figure 0005243215

表1からわかるように、パラメータPが曲線yの下側の領域の数値範囲にある場合には、電子フォーカスの集束効果を得ることができ、√AREA100μm以上の中心部欠陥を検知することが可能である(例えば、実験例1, 2, 4, 6, 7, 9, 11, 12, 14, 16, 17, 19, 21, 23)、曲線yの上側の領域の数値範囲にある場合には、電子フォーカスの集束効果を得ることができず、√AREA100μm以上の中心部欠陥を検知することが難しいことがわかる(例えば、実験例3, 5, 8, 10, 13, 15, 18, 20, 22, 24)。
このように、本実施形態では、パラメータPを図3に示す曲線y=819×f -0.86の下側の領域の数値範囲とする(すなわち、P≦819×f -0.86とする)ことで、電子フォーカスの集束効果を得ることができ、√AREA100μm以上の中心部欠陥を検知することが可能である。パラメータPが図3に示す曲線y=819×f -0.86の上側の領域の数値範囲となる場合には、電子フォーカスの十分な集束効果が得られず、電子フォーカス制御する意味が低下する。本実施形態のごとく、パラメータPを採用し、P≦819×f -0.86とすることで、丸棒鋼中の中心部欠陥に対して、所定のレベル以上の欠陥検出能を得ることができる。パラメータPの活用により、使用したい探傷周波数と被検材の直径とから、水距離lの目安(上限)が決まるので、探傷装置および方法の設計指針とできる。
本実施形態の丸棒鋼探傷装置100は、通材する前に、被検材である丸棒鋼Aの径を制御部10に登録し、鋼材半径と電子フォーカス深さが一致するような自動制御を行う。このとき、水距離は図3の内容で定まる範囲内での設定値とし、万一、所定の水距離が確保できないときは、検査前にアラートを出すなどの処置をしてもよい。
以下、本発明の実施例について説明をする。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
電子走査式アレイ探触子を用いた本実施形態の丸棒鋼探傷装置100により、丸棒鋼材検査を所定の条件で行う。丸棒鋼材の鋼種は機械構造用鋼、軸受用鋼、ステンレス鋼などであり、表面性状は黒皮材、ピーリング材のいずれでもよい。欠陥があることが既知の鋼材を通材すれば、丸棒鋼探傷装置100の欠陥検出能の確認に使用できる。
電子走査式アレイ探触子20としては、複数のエレメントが丸棒鋼Aに対向し、丸棒鋼Aの中心軸を中心とした略円周面状の探触子面に配列されたフェーズドアレイ探触子を用いる。探傷は垂直探傷により、丸棒鋼Aの中心部または中心部を含む範囲にゲートをかけて中心部欠陥の検知を行う。ただし、表面不感帯(表面エコーや表面波エコー)の影響を受けないゲート範囲とする。測定感度は、中心欠陥エコーに対し、S/N比を1.5〜2以上、好ましくは3以上、確保できる感度とする。欠陥検出の有無、また欠陥検出位置を示すマップを出力し、合否判定などを行う。
(実施例1)
丸棒鋼探傷装置100に、探傷周波数5MHzの探触子をセットした。直径がφ90mmの丸棒鋼材を探傷するにあたり、図3より探傷周波数5MHzのときのパラメータP≦205mmであり、鋼材Aの半径dが45mmであることから、水距離l≦25mmであるべき旨がわかる。そこで、水距離lを25mmでセッティングできる探触子を選定し、探傷装置のセッティングを行って、探傷実験を実施した。使用した探触子のエレメントの軸方向のサイズは16mmであり、同時制御エレメント群21による見かけの振動子の大きさに関しては、円周上方向の範囲Eを11mmとなるようにしたので、見かけ上の振動子面積は11mm×16mmである。S/N比=2.5で得られた中心部欠陥エコーにつき、当該欠陥を現出させたミクロ試料を作製し、顕微鏡観察した結果、√AREAが100μm超の空孔性欠陥が確認された。
(実施例2)
丸棒鋼探傷装置100に、探傷周波数4MHzの探触子をセットした。直径φ100mmの丸棒鋼材を探傷するにあたり、図3より探傷周波数4MHzのときのパラメータP≦248mmであり、鋼材Aの半径dが50mmであることから、水距離l≦48mmであるべき旨がわかる。そこで、水距離lを44mmでセッティングできる探触子を選定し、探傷装置のセッティングを行って、探傷実験を行った。使用した探触子のエレメントの軸方向のサイズは20mmであり、同時制御エレメント群21による見かけの振動子の大きさに関しては、円周上方向の範囲Eを24mmとなるようにしたので、見かけ上の振動子面積は24mm×20mmである。S/N比=2で得られた中心部欠陥エコーにつき、当該欠陥を現出させたミクロ試料を作製し、顕微鏡観察した結果、√AREAが約100μmの空孔性欠陥が確認された。
(実施例3)
丸棒鋼探傷装置100に、探傷周波数7MHzの探触子をセットした。直径がφ30mmの丸棒鋼材を探傷するにあたり、図3より探傷周波数7MHzのときのパラメータP≦153mmであり、鋼材Aの半径dが15mmであることから、水距離l≦93mmであるべき旨がわかる。そこで、水距離lを38mmでセッティングできる探触子を選定し、探傷装置のセッティングを行って、探傷実験を実施した。使用した探触子のエレメントの軸方向のサイズは15mmであり、同時制御エレメント群21による見かけの振動子の大きさに関しては、円周上方向の範囲Eを8mmとなるようにしたので、見かけ上の振動子面積は8mm×15mmである。S/N比>3で得られた中心部欠陥エコーにつき、当該欠陥を現出させたミクロ試料を作製し、顕微鏡観察した結果、√AREAが100μm超の空孔性欠陥が確認された。
(実施例4)
丸棒鋼探傷装置100に、探傷周波数17MHzの探触子をセットした。直径がφ15mmの丸棒鋼材を探傷するにあたり、図3より探傷周波数20MHzのときのパラメータP≦71mmであり、鋼材Aの半径dが7.5mmであることから、水距離l≦41mmであるべき旨がわかる。そこで、水距離lを32.5mmでセッティングできる探触子を選定し、探傷装置のセッティングを行って、探傷実験を実施した。使用した探触子のエレメントの軸方向のサイズは10mmであり、同時制御エレメント群21による見かけの振動子の大きさに関しては、円周上方向の範囲Eを8mmとなるようにしたので、見かけ上の振動子面積は8mm×10mmである。S/N比≒3で得られた中心部欠陥エコーにつき、当該欠陥を現出させたミクロ試料を作製し、顕微鏡観察した結果、√AREAが約100μmの空孔性欠陥が確認された。
(実施例5)
丸棒鋼探傷装置100に、探傷周波数20MHzの探触子をセットした。直径がφ20mmの丸棒鋼材を探傷するにあたり、図3より探傷周波数20MHzのときのパラメータP≦62mmであり、鋼材Aの半径dが10mmであることから、水距離l≦22mmであるべき旨がわかる。そこで、水距離lを20mmでセッティングできる探触子を選定し、探傷装置のセッティングを行って、探傷実験を実施した。使用した探触子のエレメントの軸方向のサイズは10mmであり、同時制御エレメント群21による見かけの振動子の大きさに関しては、円周上方向の範囲Eを8mmとなるようにしたので、見かけ上の振動子面積は8mm×10mmである。S/N比≒3で得られた中心部欠陥エコーにつき、当該欠陥を現出させたミクロ試料を作製し、顕微鏡観察した結果、√AREAが約100μmの空孔性欠陥が確認された。
上記実施例1〜4の結果からわかるように、探触子の探傷周波数及び測定対象の丸棒鋼の半径から適切な水距離lを設定し、丸棒鋼の中心部に電子フォーカスによるラインフォーカスを生成することにより、中心部欠陥のエコーについて高いS/N比を得ることが可能となり、得られた中心部欠陥エコーについて顕微鏡観察した結果、√AREAが約100μmの空孔性欠陥を確認することができた。よって、本発明の妥当性が証明された。
以上説明したように、本実施形態の丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法によれば、電子走査式アレイ探触子を用いて、適切な水距離を設定し、丸棒鋼の中心部に電子フォーカスによるラインフォーカスを生成することにより、丸棒鋼の√AREAが100μm以上の中心部欠陥のエコーについて高いS/N比を得ることが可能となるとともに、材料搬送方向に関して長さのある超音波ビームを発信することが可能となり、高速のオンライン超音波探傷に対応することも可能となる。
なお、上記説明は主に丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価について記載を行ったがこれに限られるものではなく、同様の垂直探傷の方式を用いる限り、中心部以外の欠陥に対しても応用することができる。その場合、内部欠陥の多発が懸念される部位(深さ)にあわせて、電子フォーカスを制御するとよい。
本実施形態の丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法に用いられる丸棒鋼探傷装置の構成例を示す図である。 本実施形態のアレイ探触子の詳細な構成を示す図である。 パラメータPで見た場合の水距離の目安を示す図である。 丸棒鋼のT断面側に投影してみた中心部の欠陥分布の事例のイメージ図である。
符号の説明
100:丸棒鋼探傷装置
10:制御部
20:アレイ探触子
21:同時制御エレメント群
25:振動子

Claims (3)

  1. 電子走査式アレイ探触子を用いた水浸超音波探傷による丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法であって、
    前記水浸超音波探傷は、探傷条件として、下記数式1で表されるパラメータPを設定した場合に、下記数式2を満たす範囲で前記電子走査式アレイ探触子の探触子面と前記丸棒鋼の表面との距離である水距離を設定し、前記電子走査式アレイ探触子により、前記丸棒鋼の中心部に電子フォーカスによるラインフォーカスを生成させて、垂直探傷を行うことを特徴とする丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法。
    [数式1]
    P=d×(v/v)+l
    ここで、d[mm]は前記丸棒鋼の半径であり、l[mm]は前記水距離であり、v[m/sec]は前記丸棒鋼中の縦波音速であり、v[m/sec]は水中の縦波音速である。
    [数式2]
    P≦819×f -0.86
    ここで、f[MHz]は、前記電子走査式アレイ探触子の探傷周波数である。
  2. 前記電子走査式アレイ探触子は、前記丸棒鋼の中心軸方向とほぼ平行な方向に前記ラインフォーカスを生成することを特徴とする請求項1に記載の丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法。
  3. 前記電子走査式アレイ探触子の探傷周波数を4MHz以上20MHz以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の丸棒鋼の中心部欠陥の検出評価方法。
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