JP5243166B2 - タイヤ接地部の摩擦エネルギーの測定方法 - Google Patents

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本発明は、タイヤが路面を転動した際の、タイヤ接地部の摩擦エネルギーを得るためのタイヤ接地部の摩擦エネルギーの測定方法に関する。
タイヤの摩耗を予測するには、タイヤパターン内で10〜20箇所程で摩擦エネルギーを求める必要がある。
摩擦エネルギーは、剪断力と滑り量(動き量)を掛け合わせたもので定義されるため(摩擦エネルギー=剪断力×すべり量)、ある部位の剪断力と滑り量が分かれば、ある部位の摩擦エネルギーを演算により求めることができる。
従来、タイヤと路面との摩擦力(剪断力)を求める場合、タイヤを転動させ、路面内に埋め込まれた分力計によって測定する方法があったが(例えば、特許文献1参照)、この方法では、タイヤ接地パターン内での複数点の測定位置について、何度も繰り返し測定する必要があり、作業が煩雑で、作業時間も長時間に及ぶ問題があった。
特開2005−214860
上記問題を解決しようとし、剪断力(摩擦力)を計測するセンサーを路面に複数個並べる方法が考えられる、センサー部分のサイズが大きく、接地パターンに対して計測部位を十分に小さくすることが難しく、十分な測定精度が得られない問題があった。
なお、接地面の接地圧分布を簡易に測定する方法として、感圧抵抗方式やキャパシタ方式などのセンサーを用いる方法があるが、剪断力に関して接地面内の分布を簡易に測定する方法はこれまで無かった。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、効率的にタイヤ接地部の摩擦エネルギーを得ることのできる、タイヤ接地部の摩擦エネルギーの測定方法を提供することが目的である。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、請求項1に記載のタイヤ接地部の摩擦エネルギーの測定方法は、路面上でタイヤを転動させた際の接地面内におけるタイヤトレッドの複数箇所について各々の滑り量を同時に測定する滑り量測定ステップと、前記接地面内におけるタイヤトレッドの複数箇所の摩擦係数、滑り速度、及び接地圧に基いて前記複数箇所の剪断力を推定する剪断力推定ステップと、測定された前記滑り量と、推定された前記剪断力とに基いて摩擦エネルギーを演算する摩擦エネルギー演算ステップと、を有し、前記剪断力は、式(1)により求められる
τ=P ×(μ +a×(P +P )×(d+tan −1 (V ×c)/90×(1−d))・・・・・・式(1)
τ:剪断力(kN)
μ :接地圧無限大での摩擦係数
a:係数
:接地圧(kN)
:低接地圧での摩擦係数増大を補正する係数
b:−0.5
d:摩擦係数と接地圧との関係と摩擦係数と滑り速度の関係の影響の割合を示す係数
:滑り速度(m/s)
c:滑り速度に対する摩擦係数の立ち上がりの切片
次に、請求項1に記載のタイヤ接地部の摩擦エネルギーの測定方法を説明する。
先ず、滑り量測定ステップにおいて、路面上でタイヤを転動させた際の接地面内におけるタイヤトレッドの複数箇所について各々の滑り量が同時に測定される。
剪断力測定ステップにおいて、接地面内におけるタイヤトレッドの複数箇所の摩擦係数、滑り速度、及び接地圧に基いて複数箇所の剪断力が推定される。
摩擦エネルギー演算ステップにおいて、滑り量測定ステップで測定された滑り量と、剪断力推定ステップで推定された前記剪断力とに基いて摩擦エネルギーが演算される。
請求項1のタイヤ接地部の摩擦エネルギーの測定方法では、複数箇所の滑り量、及び該複数箇所の剪断力に基いて摩擦エネルギーを演算するので、一箇所毎にタイヤの試験走行(転動)、及び演算を行う従来方法に比較して、タイヤの試験走行回数が少なくて済み、効率的にタイヤ接地部の摩擦エネルギーを得ることができる。
また、タイヤの試験走行により得られた接地圧、及び滑り速度を式(1)に代入することで、剪断力τが容易に求められる。
接地圧P は、例えば、格子状に並べられた複数の微小の測定点を有する圧力センサー等を用いることで、微小領域の接地圧を容易に得ることができる。
また、滑り速度V は、ビデオカメラで接地部分を撮影することで、接地面の複数箇所について、同時に得ることができる。
滑り速度V は、単位時間当たりの滑り量から求めることができ、滑り量を測定する方法は、例えば、特開2005−214860号公報に開示されており、本発明においても特開2005−214860号公報に開示されている方法を用いることができる。
なお、式(1)の係数a、係数P 、係数d、係数cの具体的な値は、予め実験を行って求められる。これらの係数は、ゴム種、路面の表面性状、タイヤの走行速度(周方向)、荷重、温度等によって値が変わるものであり、同じ走行条件でタイヤ接地部の摩擦エネルギーを求める必要がある。
請求項2に記載の発明は、前記滑り速度は、前記タイヤトレッドの接地面を一定の時間間隔で撮影し、撮影して得られた複数枚の画像に基いて、任意の点の単位時間当たりの滑り量から求める、請求項1に記載のタイヤ接地部の摩擦エネルギー測定方法。
請求項2に記載のタイヤ接地部の摩擦エネルギー測定方法では、例えば、ビデオカメラ等を用いてタイヤトレッドの接地面が撮影され、複数枚の画像を得る。複数枚の画像に基いて、任意の点の単位時間当たりの滑り量から任意の点の滑り速度が求められる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤ接地部の摩擦エネルギー測定方法において、前記接地圧は、複数の感圧点を有する圧力センサで測定する。
請求項3に記載のタイヤ接地部の摩擦エネルギー測定方法では、複数箇所の接地圧が複数の感圧点を有する圧力センサで同時に測定される。
以上説明したように本発明のタイヤ接地部の摩擦エネルギーの測定方法によれば、効率的にタイヤ接地部の摩擦エネルギーを得ることができる。
以下に、本発明のタイヤ接地部の摩擦エネルギーの測定方法を図面にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、タイヤ接地部の摩擦エネルギーを得るための接地部測定装置10は、長尺状のベースフレーム12を備えている。図1乃至図3に示すように、ベースフレーム12の幅方向(矢印F方向及び矢印B方向)両側には、ベースフレーム12の長手方向(矢印L方向及び矢印R方向)に沿って延びるスライドレール14が取り付けられており、幅方向略中間部分には同じく長手方向に沿って延びる路面16が設けられている。
スライドレール14には、リニアモーションガイド18を介してタイヤ走行装置20がスライド自在に搭載されている。
ベースフレーム12の側面には、サーボモータ22で回転されるボールネジ24が軸受26で支持されている。
タイヤ走行装置20の枠状フレーム28にはボールネジ24の螺合するナット30が固定されており、ボールネジ24を回転させることでタイヤ走行装置20をスライドレール14に沿って移動させることができる。
なお、枠状フレーム28には、タイヤ走行装置20の位置を検出するエンコーダ21(図5参照)が設けられている。なお、図5に示すように、サーボモータ22及びエンコーダ21は、コンピュータ、記憶装置等を含む制御装置23に接続されている。
なお、コンピュータには、少なくともパターンマッチングを行なわせるための画像処理ソフトが記憶されている。
枠状フレーム28の上部には、ベースフレーム12の長手方向に対して直交する方向に沿って延びるスライドレール32が取り付けられており、スライドレール32には、リニアモーションガイド34を介して移動ベース36がスライド自在に搭載されている。
枠状フレーム28の上部には、サーボモータ38で回転されるボールネジ40が軸受42で支持されている。
移動ベース36にはボールネジ40の螺合するナット(図示せず)が固定されており、ボールネジ40を回転させることで移動ベース36をスライドレール32に沿って移動させることができる。
枠状フレーム28には、移動ベース36の位置を検出するエンコーダ43(図5参照)が設けられており、サーボモータ38及びエンコーダ43は制御装置23に接続されている。
移動ベース36の中央上部には、スラストベアリング44を介して枠状のフレーム46が回転可能に設けられている。
フレーム46の中央には、軸受48が取り付けられている。
軸受48には、シャフト50が鉛直方向にスライド自在に支持されている。
移動ベース36の上部には、サーボモータ49を動力とするスリップ角変更用のスクリュージャッキ51が取り付けられており、スクリュージャッキ51のスクリュー52の先端の軸受54に設けたピン56が、軸受42の外側に突出したレバ−58の先端部分の孔(図示せず)に挿入されている。
したがって、スクリュー52を軸方向に移動することによって、軸受42に支持されたシャフト50が移動ベース36に対してある範囲内で回転可能となっている。
フレーム46の上部には、サーボモータ62を動力とする荷重負荷用のスクリュージャッキ64が取り付けられており、スクリュージャッキ64のスクリュー66が、シャフト50に接続されている。
したがって、スクリュー66を軸方向に移動することによって、軸受42に支持されたシャフト50が上下動する。
移動ベース36には、軸受42(シャフト50)の角度(スリップアングル)を検出するロータリーエンコーダ61(図5参照)、シャフト50の上下位置を検出するエンコーダ63が設けられており、サーボモータ49、ロータリーエンコーダ61、サーボモータ62及びエンコーダ63は制御装置23に接続されている。
シャフト50の下端には、T字状の水平回転フレーム68が吊り下げられる格好で取り付けられている。
水平回転フレーム68は、水平方向に延びる水平部68Aと、水平部68Aの中央から下方に延びる鉛直部68Bとを備え、水平部68Aの一端にシャフト50が固定されている。
水平回転フレーム68の鉛直部68Bの下端には、シャフト70が水平に取り付けられている。
シャフト70には、タイヤ支持フレーム72が揺動自在に支持されている。
水平回転フレーム68の水平部68Aには、サーボモータ73を動力とするキャンバー角変更用のスクリュージャッキ74が取り付けられており、スクリュージャッキ74のスクリュー76の先端の軸受78に設けたピン80が、タイヤ支持フレーム72の孔(図示せず)に挿入されている。
したがって、スクリュー76を軸方向に移動することによって、タイヤ支持フレーム72がシャフト70を中心に揺動する。
水平回転フレーム68には、タイヤ支持フレーム72の角度(キャンバー角)を検出するロータリーエンコーダ81(図5参照)が設けられている。サーボモータ73及びロータリーエンコーダ81は制御装置23に接続されている。
タイヤ支持フレーム72には、試験タイヤ82を装着するハブ軸84と、ハブ軸84を回転させる制駆動サーボモータ86、ハブ軸84の回転位置を検出するロータリーエンコーダ87が設けられている。
また、ハブ軸84には、試験タイヤ82に作用する力(負荷荷重等)を検出するロードセル89(図5参照)が設けられている。
制駆動サーボモータ86、ロータリーエンコーダ87、ロードセル89は制御装置23に接続されている。
図1に示すように、路面16には、接地圧分布測定部92、及び滑り測定部94が設けられている。
接地圧分布測定部92には、シート状の圧力センサー100が配置されている。この圧力センサー100は、試験タイヤ82の接地面の圧力分布を測定可能なものであり、ある領域を路面長手方向、及び路面幅方向に各々複数に分割し、分割された微小領域の各々について感圧点があって該微小領域の各々の圧力を計測可能としている。このような圧力センサー100として、例えば、株式会社ケン・オートメーション社製のX3 PROタイヤセンサ(例えば、1.15mmまたは2.54mmピッチで圧力分布の画像化が可能)、蒲田工業株式会社製の圧力分布測定システム等を用いることができるが、接地面の圧力分布を測定できれば他の測定器を用いても良い。また、特開平10−185767に開示の解析用の装置を用いて接地圧分布を測定しても良い。
図4に示すように、滑り測定部94には、アクリルやガラス等の透明な材料からなる透明板106が、路面16の上面と面一となるように埋め込まれている。
透明板106の下方には、測定用のビデオカメラ(例えば、CCDカメラ)110が配置されている。ビデオカメラ110は、透明板106を介して路面上の物体(タイヤ)を撮影可能としている。
なお、接地圧分布測定部92と滑り測定部94は、試験タイヤ82の周長分離間して配置されており、試験タイヤ82の接地圧分布測定部92に接地した部分が、タイヤ1回転後に、滑り測定部94に接地するようになっている。
図5に示すように、これら圧力センサー100、ビデオカメラ110は、制御装置23に接続されている。また、制御装置23には、テレビモニター120、各種の設定を行うためのキーボード122、記憶装置124等が接続されている。
(作用)
次に、滑りの測定方法を、図6のフローチャート、及び図7に基づき説明する。
先ず、試験タイヤ82をハブ軸84に取り付ける。この時、タイヤ走行装置20はタイヤ走行装置20のスタート位置(図1に示すように、矢印L方向側の位置)に配置されており、シャフト50は上昇位置にある。
ステップ100では、試験条件を設定する。試験条件としては、スリップアングル(SA)、キャンバー角(CA)、荷重、制動力、駆動力等があり、各々設定できる。これらの値は、キーボード122より入力できる。
なお、タイヤ走行装置20の移動速度と制駆動サーボモータ86の回転速度とを調整することにより、路面16を走行する試験タイヤ82に対して制駆動力を付与することができる。
そして、ビデオカメラ110を試験タイヤ82の走行軌跡下に配置し、最初の試験条件で決められたスリップアングル(SA)、キャンバー角(CA)、荷重、制駆動力等が試験タイヤ82に付与され、試験タイヤ82を路面16に接地した状態でタイヤ走行装置20が矢印R方向に移動する。
これにより、試験タイヤ82は路面16を転動し、先ず最初に、試験タイヤ82は接地圧分布測定部92を通過する際に接地圧分布が圧力センサー100で測定され、その後、滑り測定部94を通過する際、透明板106に接地したタイヤ踏面(接地圧分布を測定した部分)がビデオカメラ110で撮影される。
圧力センサー100は、試験タイヤ82が接地して離間するまで、接地面の圧力分布を測定し、測定データを制御装置23に送信する。制御装置23は測定データ(接地面の圧力分布(路面長手方向、及び路面幅方向))を記憶する。
一方、ビデオカメラ110は、少なくとも試験タイヤ82が透明版106に接触して離れるまでの間、連続して撮影を行い、制御装置23には、一定の時間間隔で複数の画像が記憶される。
次のステップ102では、記憶されている接地している瞬間の画像のうちの一つ(例えば、最初に接地した際のタイヤ踏面の画像)を選択し、テレビモニター120に映し出す。
オペレータは、画面を見ながらマウス108(図5参照)等を用いて画像の中の計測したい計測位置、即ちパターン認識に用いるモデル化すべき領域の位置及び大きさを指定する(図7参照。図7において、符号204の付与されている点線の四角はモデル化すべき領域を示している。)。また、本実施形態では、モデル化すべき領域を複数指定する。モデル化すべき領域の大きさは、接地圧の測定精度を上げる上で小さい方が良く、圧力センサー100の接地圧を測定する分割された微小領域と同じ大きさに設定することが好ましい(例えば、3×3mm以下。)
次のステップ104では、オペレータによりコンピュータが操作されると、画像のコントラストや明るさが、認識範囲内で一定のパターンが認識できるように調整される(本実施形態では、特徴抽出が容易にできるよう多値画像から2値画像(白黒)に変換を行なう。)。なお、画像の調整は、画像処理ソフトが行う。
次のステップ106では、パターンマッチングに用いる初期モデルの設定を行なう。オペレータがキーボード122等でコンピュータに指示を出すことで、コンピュータは、最初に接地した際のタイヤ踏面の画像のモデル化すべき領域(ステップ102で設定された。)を初期モデルとし、該初期モデルの座標(Xp0,Yp0)を演算し、これを1番目の画像に対応させて記憶する。
次のステップ108では、コンピュータは、先に初期モデルを設定した1番目の画像と、別の時間に撮影された画像、例えば、2番目の画像についてパターンマッチングを行い初期モデルのテクスチャと同じテクスチャを2番目の画像から抽出し、該初期モデルの2番目の画像における座標(Xpt,Ypt)を演算し、これを2番目の画像に対応させて記憶させる。
以後同様にして、撮影された全ての画像について、前後の画像のパターンマッチングを順に行い、初期モデルの座標を各画像について演算し、得られた座標を画像に対応させて記憶する。
次のステップ110では、必要画面数の処理が終了したか否かが判断され、必要画面数の処理が終了した場合には、次のステップ112へ進み、必要画面数の処理が終了していない場合にはステップ108へ戻る。
次のステップ112では、必要計測位置(初期モデル)の処理が終了したか否かが判断される。ステップ112において、初期モデルが複数設定されている場合には、複数の初期モデルにおいて、上述した座標の演算が全て処理されたかが判断される。
ここで、全ての初期モデルの処理が終了していると判断された場合には次のステップ114へ進み、そうでない場合にはステップ106へ戻る。
次のステップ114では、記憶した座標に基づいて、初期モデルの変位を演算する。
例えば、1番目の画像と2番目の画像とを比較した際、初期モデルが変位している場合、路面に対するタイヤ踏面の初期モデルの変位量は、1番目の画像での座標と2番目の画像での座標の差で表される。
X軸方向の変位量:Xp=Xpt−Xp0
Y軸方向の変位量:Yp=Ypt−Yp0
なお、Xp、及びYpより、初期モデルの変位方向も演算できる。
ここでは、全ての画像について前後の画像から初期モデルの変位量を演算する。
これらを図8、及び図9の概念図を参照して説明すると、図8に示すように、テクスチャ400が1番目の画像P1から4番目の画像P4に示すように変位している場合、図9に示すように、先ず画像P1と画像P2との座標の差分S1を取り、次に画像P2と画像P3との座標の差分S2を取り、次に画像P3と画像P4との座標の差分S3を取り、これらの差分S1、差分S2、及び差分S3を累積することで、テクスチャ400(測定点)の変位を得ることが出来る(本発明の滑り量測定ステップ)。
本実施形態の接地部測定装置10では、オペレータが画面上で初期モデルの位置(計測位置)を設定すれば、制御装置23が複数の画像についてパターンマッチングを行い、接地してから離間するまでの間のタイヤ踏面の所望の位置(初期モデル)の変位量(及び方向)を簡単に得ることが出来る。
ここで、本実施形態では、接地面の複数箇所(例えば、10〜20か所)を測定点(初期モデル)として設定し、この測定点の変位量、即ち滑り量を測定点毎に記憶し、また、単位時間当たりの測定点の滑り量から測定点の滑り速度(V)を演算し、各測定点の滑り速度を記憶する。
ステップ116では、制御装置23は、各測定点について、計測した滑り速度Vと接地圧(Pz)を式(1)に代入して各測定点における剪断力(kN)を演算により推定し(本発明の剪断力推定ステップ)、演算で得られた剪断力と滑り量とに基いて摩擦エネルギー(=剪断力×すべり量)を演算する(本発明の摩擦エネルギー演算ステップ)。
τ=P×(μ+a×(P+P)×(d+tan−1(V×c)/90×(1−d))・・・・・・式(1)
τ:剪断力(kN)
μ:接地圧無限大での摩擦係数。一例として0.3。
a:係数。一例として350。
:接地圧(kN)。計測値を用いる。
:低接地圧での摩擦係数増大を補正する係数。一例として1000kPa。
b:−0.5(指数関数−0.5乗)。
d:摩擦係数と接地圧との関係と摩擦係数と滑り速度の関係の影響の割合を示す係数。一例として0.3。
:滑り速度(m/s)。単位時間当たりの滑り量(計測値)から求める。
c:滑り速度に対する摩擦係数の立ち上がりの切片。一例として1。
係数a、係数P、係数d、係数cの具体的な値は、予め実験を行って求める。これらの係数は、ゴム種、路面の表面性状、タイヤの走行速度(周方向)、荷重、温度、その他の要因によって値が変わるものでる。
例えば、摩擦係数は、図10(A)に示すように接地圧に関係し、図10(A)に示すように滑り速度にも関係することが分かっており、式(1)はこれら考慮している。
上記した係数の値は、以下の条件の場合の値であり、条件によって係数の値は変わる。
タイヤサイズ:265/75R17。
タイヤの周速度:3m/min。
ゴムの温度:25°C。
路面:表面が平滑なアクリル樹脂。
荷重:5.4kN
駆動力:1.08kN
横力:1.08kN
また、摩擦エネルギーは、式(1)で得られた剪断力τに滑り速度Vを掛け合わせることで得られる。制御装置23は、測定点毎に上記演算を行い、複数箇所の測定点の摩擦エネルギーを演算して求める。
従来は、摩擦エネルギーを計測するために、剪断力を直接的に計測する必要があったが、本実施形態の方法を用いることで、接地圧と滑りで代用が出来、複雑な分力センサーによる測定が必要無くなる。
本実施形態の摩擦エネルギーの測定方法によれば、接地部測定装置10を用い、試験タイヤ82を路面16にて1回走行させれば、接地面のうちの複数箇所の接地圧、及び滑り量が全て計測でき、計測値に基いて複数箇所の摩擦エネルギーを簡単、かつ短時間で得ることができる。
また、本実施形態の摩擦エネルギーの測定方法によれば、試験走行後に任意の点を測定点として選択できるので、走行試験前に測定点を決定する場合に比較して作業効率が向上する。
(試験例)
本発明の摩擦エネルギー測定方法と、従来の摩擦エネルギー測定方法で、それぞれタイヤの摩擦エネルギーを求めた。
従来の摩擦エネルギー測定方法では、18箇所の測定点の摩擦エネルギーを測定するために、タイヤの試験走行を18回行い、18箇所の剪断力を実測値として得た。摩擦エネルギーは、実測した剪断力に実測した滑り速度(単位時間当たりの滑り量)を掛けて求めた。
実施例の摩擦エネルギー測定方法では、タイヤの試験走行は1回で済み、18箇所の測定点の接地圧、及び滑り量を計測し、演算により剪断力を推定し、演算で求めた剪断力に滑り速度掛けて求めた。
図11のグラフは、タイヤをスリップアングル零で走行させた時の18箇所の測定点の摩擦エネルギーを記載したものであり、実線は、実測した剪断力を用いて求めた摩擦エネルギーの測定結果を表し、点線は、推定した剪断力を用いて求めた摩擦エネルギーの測定結果を示したものであり、両者の摩擦エネルギーの測定結果が良く一致していることが分かる。
また、図12のグラフは、タイヤをスリップアングルを付与して走行させた際の摩擦エネルギーを記載したものであり、実線は、実測した剪断力を用いて求めた摩擦エネルギーの測定結果を表し、点線は、推定した剪断力を用いて求めた摩擦エネルギーの測定結果を示したものであり、ここにおいても両者の摩擦エネルギーの測定結果が良く一致していることが分かる。
なお、ゴムの摩擦係数は温度や湿度等、他の要因も影響するため、その影響を式(1)に加味しても良い。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、接地圧分を計測した後に、滑り量の測定を行ったが、滑り量の測定を先に行い、接地圧分の測定を後で行っても良い。
上記実施形態では、接地圧分布を計測するためにシート状の圧力センサーを用いたが、本発明はこれに限らず、例えば、特開平10−185767号公報に開示の装置等を用いても良い。
本発明の一実施例に係るタイヤ踏面の接地部測定装置の平面図である。 図1に示す接地部測定装置の側面図である。 図1に示す接地部測定装置の正面図である。 滑り測定部の断面図である。 制御系の構成を示すブロック図である。 制御のフローチャートである。 モデル化すべき領域を示した説明図である。 テクスチャの動きを説明する説明図である。 座標の差分の累積方法を説明する説明図である。 (A)は接地圧と摩擦係数との関係を示すグラフであり、(B)は滑り速度を摩擦係数との関係を示すグラフである。 スリップアングル零時の接地面の摩擦エネルギーを示すグラフである。 スリップアングルを付与した時の接地面の摩擦エネルギーを示すグラフである。
符号の説明
10 接地部測定装置
23 制御装置
92 接地圧分布測定部
94 滑り測定部
100 圧力センサー
110 ビデオカメラ
124 記憶装置

Claims (3)

  1. 路面上でタイヤを転動させた際の接地面内におけるタイヤトレッドの複数箇所について各々の滑り量を同時に測定する滑り量測定ステップと、
    前記接地面内におけるタイヤトレッドの複数箇所の摩擦係数、滑り速度、及び接地圧に基いて前記複数箇所の剪断力を推定する剪断力推定ステップと、
    測定された前記滑り量と、推定された前記剪断力とに基いて摩擦エネルギーを演算する摩擦エネルギー演算ステップと、を有し、
    前記剪断力は、式(1)により求められるタイヤ接地部の摩擦エネルギー測定方法。
    τ=P ×(μ +a×(P +P )×(d+tan −1 (V ×c)/90×(1−d))・・・・・・式(1)
    τ:剪断力(kN)
    μ :接地圧無限大での摩擦係数
    a:係数
    :接地圧(kN)
    :低接地圧での摩擦係数増大を補正する係数
    b:−0.5
    d:摩擦係数と接地圧との関係と摩擦係数と滑り速度の関係の影響の割合を示す係数
    :滑り速度(m/s)
    c:滑り速度に対する摩擦係数の立ち上がりの切片
  2. 前記滑り速度は、前記タイヤトレッドの接地面を一定の時間間隔で撮影し、撮影して得られた複数枚の画像に基いて、任意の点の単位時間当たりの滑り量から求める、請求項1に記載のタイヤ接地部の摩擦エネルギー測定方法。
  3. 前記接地圧は、複数の感圧点を有する圧力センサで測定する、請求項1または請求項2に記載のタイヤ接地部の摩擦エネルギー測定方法。
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