JP5242509B2 - ホールプラグ - Google Patents
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Description
溶融可能部材(4)は、本体(3)の基部(5)と板状部材(19)の開口縁部との間に配置され、加熱して溶融させることにより、これら本体(3)の基部(5)と板状部材(19)の開口縁部との間をシール(密封)する。その後、溶融可能部材(4)は冷却されて固まり、本体(3)の基部(5)および板状部材(19)の相互間に固着する。
前記板状部材の開口を覆うカバーフランジ部を有するプラグ本体と、
前記板状部材と前記カバーフランジ部との間に配置される熱軟化性樹脂からなる環状の溶融可能部材とを備え、
前記溶融可能部材は、樹脂成形の際にウェルドラインが発生する部位の側縁から延出部を突き出し形成してあることを特徴とする。
前記溶融可能部材は、前記板状部材の開口周縁に沿って同部材の表面に配置され、当該開口周縁における長辺領域と対応する部位の側縁から、前記延出部が突き出していることを特徴とする。
前記溶融可能部材は、前記延出部が、前記プラグ本体の長辺中央部に対応する部位の側縁から突き出しており、
更に、前記プラグ本体の裏面には、前記板状部材の開口周縁における長辺領域と係合する係止部が形成してあることを特徴とする。
前記スリットと延出部は、当該延出部が前記スリットを貫通して前記溶融可能部材の内側へ突き出す配置関係としてあることを特徴とする。
ここで、環状をした溶融可能部材の側縁から突き出す延出部は、同部材を樹脂成形する際に溶融樹脂が流動する環状の流路から外れているため溶融樹脂の合流がなく、したがって延出部にウェルドラインは発生しない。このため、延出部には、ウェルドラインに起因する引けは生じない。
ホールプラグ10は、例えば、図1に示すように、自動車のボディパネル等の板状部材1に形成された開口2を閉塞するために用いられるもので、図2及び図3に示すように、プラグ本体20と、該プラグ本体20のカバーフランジ部21に装着される溶融可能部材30とを備えている。
本実施形態のホールプラグ10は、図1(a)に示すように、長孔形状をした開口2を有する板状部材1に対して、その開口2を閉塞する構成となっている。板状部材1の開口2は、具体的には両端縁部2aが円弧状に湾曲しており、各両端縁部2aを直線状の長辺2bで結んだ形状となっている。
このプラグ本体20は、図1に示したような板状部材1の開口2を覆うべく、外周縁が当該開口2の外側に配置される外形をした板状のカバーフランジ部21を有している(図4参照)。このカバーフランジ部21の裏面からは、開口2に差し込まれる挿入壁22が突出形成されている。挿入壁22は、図4(b)に示すように、開口2の周縁に沿った環状に形成され、開口2の周縁に対して僅かなクリアランスを有しており、当該開口2に板状部材1の表面側から差し込まれる構成となっている。すなわち、挿入壁22は、開口2の周縁に対応して両端縁部22aが円弧状に湾曲しており、各両端縁部22aを直線状の長辺22bで結んだ形状となっている。
このような湾曲形状とすることで、プラグ本体20を板状部材1に押し付けた際の弾性撓みに伴い、挿入壁22の両端縁部22aが板状部材1における開口2の縁部に押し付けられて、当該両端部22aの板状部材1に対する密着性を高めることができる。
カバーフランジ部21における長辺21bの中間部分は、係止部23が板状部材1における開口2の周縁に係合するので、板状部材1に対する浮き上がりが規制されて、密着性が保持される。
溶融可能部材30は、いわゆるホットメルト接着剤と同様の材質からなり、加熱溶融した後、冷却固化したときに接着力が発現するものである。その材質としては、熱を加えると軟化し冷却すると固化する熱可塑性樹脂を主成分として、それに接着性樹脂等を添加したものからなる。
この合流部分には、ウェルドラインと称する線状痕が発生する。このウェルドラインの発生部位は、他の部位よりも樹脂材料の結合状態が弱いことが知られている。
延出部32は、任意の形状・寸法に形成することができる。図5に示す延出部32は、矩形状に形成してあり、さらにプラグ本体20におけるカバーフランジ部21の裏面に形成した凹溝24から露出する厚さ領域のみに形成してある(図3(c)参照)。
ホールプラグ10は、図2(a)に示すように、プラグ本体20におけるカバーフランジ部21の裏面に形成した凹溝24に、溶融可能部材30を嵌め込んだ状態で、板状部材1の開口2にプラグ本体20の挿入壁22が差し込まれ、係止部23を開口2の周縁に係止することで仮止めされる(図2(b)参照)。
なお、溶融可能部材30の環状を保つ形態は状況に応じて変化するものであり、図6(b)(c)は本発明者が観察した形態を例示したに過ぎない。
同図に示すホールプラグ10は、環状をした溶融可能部材30の内側縁から内側に向かって延出部32を突き出し形成してある(同図(a)参照)。また、係止部23は、同図(d)に示すように、挿入壁22を切欠いて形成し、この切欠き形成に伴いカバーフランジ部21の裏面との境界部にスリット23aを形成してある。このスリット形成位置は、溶融可能部材30の延出部32の配置位置に合わせてある(同図(b)参照)。
しかも、挿入壁22を切欠いて係止部23を形成する際にできるスリット23aを、溶融可能部材30の延出部32に対応する配置関係とすることで、延出部32をスリットを貫通して内側へ突き出すことができるので、各構成要素が効率的に機能するコンパクトな構成を実現できる。
例えば、上述した実施形態では、板状部材1に設けられた長孔形状の開口2に合わせて、長尺にホールプラグ10を形成したが、円形など各種形状をした開口に対応してホールプラグは形成することができる。
延出部の形成部位は、溶融可能部材を加熱溶融した際に引張応力が生じる部位の側縁から突き出すことが効果的ではあるが、ウェルドラインが発生する部位の側縁であればこれに限定されるものではない。
10:ホールプラグ、
20:プラグ本体、21:カバーフランジ部、21a:中央部、21b:長辺、22:挿入壁、22a:両端縁部、22b:長辺、23:係止部、23a:スリット、24:凹溝、
30:溶融可能部材、30a:長辺、31:ウェルドライン、32:延出部、33:ブリッジ、34:引けを生じた部分
Claims (6)
- 板状部材に設けられた開口を閉塞するためのホールプラグであって、
前記板状部材の開口を覆うカバーフランジ部を有するプラグ本体と、
前記板状部材と前記カバーフランジ部との間に配置される熱軟化性樹脂からなる環状の溶融可能部材とを備え、
前記溶融可能部材は、樹脂成形の際にウェルドラインが発生する部位の側縁から延出部を突き出し形成してあることを特徴とするホールプラグ。 - 前記延出部は、前記溶融可能部材を加熱溶融した際に引張応力が生じる部位の側縁から突き出していることを特徴とする請求項1のホールプラグ。
- 前記板状部材に設けられた開口は長孔形状をしており、
前記溶融可能部材は、前記板状部材の開口周縁に沿って同部材の表面に配置され、当該開口周縁における長辺領域と対応する部位の側縁から、前記延出部が突き出していることを特徴とする請求項2のホールプラグ。 - 前記プラグ本体は、弾性的に撓み可能な樹脂成形品で、長孔形状をした前記開口に対応する長尺形状に形成され、且つその長辺が中央部を頂点として表面側に盛り上がった湾曲形状をしており、
前記溶融可能部材は、前記延出部が、前記プラグ本体の長辺中央部に対応する部位の側縁から突き出しており、
更に、前記プラグ本体の裏面には、前記板状部材の開口周縁における長辺領域と係合する係止部が形成してあることを特徴とする請求項3のホールプラグ。 - 前記延出部は、前記環状をした溶融可能部材の内側縁から内側に向かって突き出していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のホールプラグ。
- 前記プラグ本体の裏面からは、前記板状部材の開口に差し込まれる挿入壁が突出形成してあり、前記係止部は前記挿入壁を切欠いて形成してあり、前記挿入壁には当該切欠き形成に伴い前記プラグ本体の裏面との境界部にスリットが形成され、
前記スリットと延出部は、当該延出部が前記スリットを貫通して前記溶融可能部材の内側へ突き出す配置関係としてあることを特徴とする請求項5のホールプラグ。
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