JP5241784B2 - 大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置及び該浚渫バケット装置の運転方法 - Google Patents

大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置及び該浚渫バケット装置の運転方法 Download PDF

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この発明は、大深度の人孔 (マンホール)、特には幹線下水道の伏越し部における大深度人孔の底部の汚泥・土砂等を浚渫する大深度人孔用浚渫バケット装置に係り、特には該浚渫バケット装置の表示装置及び該浚渫バケット装置の運転方法に関する。
図34は一般的な下水道の伏越し部の構造を示す。
ここに、イは河川、ロは上流側下水道、ハは上流側伏越し人孔、ニは伏越し管渠、ホは下流側伏越し人孔、ヘは下流側下水道である。また、Hは人孔ハ、ホの開口部を閉塞するマンホール蓋、Iは人孔ハ、ホ内の作業用段部(作業者の足場となる。)である。しかして、該下水道の伏越し部においては、汚泥・土砂が永年のうちに人孔及び管渠内の底部に堆積し(ト、チ、リはその堆積した汚泥土砂を示す)、下水道管渠の断面を縮小させ、かつ、粗度を増大させ、この結果下水の流下を妨げる事態に至る。
この人孔内底部の土砂を浚渫するのに、従来においては、1)伏越し部付近の下水道にバイパスを設け、当該伏越し部の下水道の流れを遮断したうえ(すなわち干上げた状態にしたうえ)、人孔内の土砂を総ざらいする方法、あるいは、2)下水道の流れを止めることなく、潜水夫により人孔内底部の土砂を浚渫する方法、等が採られている。
しかるに、上記1)の方法によっては、伏越し部付近の下水道の流れを遮断し、かつバイパスを設けるための工事が大がかりで手間がかかるとともに工事費が膨大となる。上記2)の方法によっては、潜水夫の手作業によるので効率が悪いうえに危険である、等、1)2)ともに種々の問題点がある。
このため、グラブバケット等を使用しての機械力による浚渫方式が考えられるところであるが、伏越し人孔の特殊性によれば汎用の浚渫方式によっては種々の問題点がある。
すなわち、1)伏越し人孔は大きな深度を有すること、2)開口部は小径のマンホール蓋(人力により開閉するので可及的小型化される。)により閉塞され、その下方は拡径されて大断面の底部となる、3)人孔の底部には比重の大きい礫並びに固結した土砂層が堆積している、等の特殊性がある。
このため、通常の浚渫方式によっては、1)狭い開口部はグラブバケットを出し入れすることが困難であること、また、2)仮に狭い開口部に挿通し得たとしても、深さのある底部にまでグラブバケットを到達させ、かつ、拡径されたマンホール底部のすみずみまで土砂を浚渫することは困難であること(特に人孔内の作業用段部が障害要因となる)、更には、3)固結した土砂層を掘削浚渫することは困難であること、等の技術的問題点が存在する。
この観点から、本出願人らは先に特開昭61−246433号公報(以下「先行技術」という)において次の人孔用土砂浚渫機を提案した。
すなわち、車輛の車台上に起伏かつ旋回可能に取り付けられたポスト支持フレームと;前記ポスト支持フレームの前面の案内溝に摺動可能に配され、下端に浚渫用アタッチメントが着脱自在に取り付けられ、中空状にしてかつ互いに摺接嵌合する上部ポスト、中間部ポスト及び下部ポストからなり該下部ポストの中空部内域に内装される2つの油圧シリンダーにより3段式に伸びる昇降ポストと;前記ポスト支持フレームと前記昇降ポストの上部ポストとの間に配され、該ポスト支持フレームに反力を取る昇降用油圧シリンダーと;からなる土砂浚渫機であって、前記昇降ポストにおける1段目油圧シリンダーは、上部ポストと中間部ポストとに介装され、そのシリンダー側取付け部は中間部ポストの上端部にピン固定され、ピストンロッド側取付け部は上部ポストの上端部にピン固定され、2段目油圧シリンダーは中間部ポストと下部ポストとに介装され、そのシリンダー側取付け部は中間部ポストの上端部にピン固定され、ピストンロッド側取付け部は下部ポストの下端部にピン固定され、前記昇降用油圧シリンダーは、そのシリンダ側はポスト支持フレームにピン結合され、ピストンロッド側を昇降ポストの上部ポストにピン結合されてなる、ことを特徴とする伏越し人孔用土砂浚渫機。
しかして、この先行技術によれば、昇降ポストは3段式を採ることにより、細身となるとともに大きな上下揚程を実現でき、ポスト支持フレームの案内作用と相まって幅狭でかつ深度の大きい伏越し人孔内に正確に降下させることができ、伏越し人孔用の土砂の浚渫に好適なものである。
また、昇降用油圧シリンダーの駆動により適宜昇降ポストの下端に取り付けられた浚渫用アタッチメントに大きな押付け力を付加することができ、伏越し人孔底部に強固に固結する土砂の浚渫を実現できる。
更に、昇降用油圧シリンダーにより、昇降ポストの上下移動ができるので、浚渫用アタッチメントの取付け・取外し作業あるいはダンプトラックへの土砂排出作業を容易に行うことができるとともに、昇降ポストの水平移動ができるので本浚渫機を車輛に安定して搭載することができ、小型の車輛への搭載が可能となる。
しかしながら、この先行技術によっては、
1)人孔の大深度化に伴い昇降ポストの断面の増大が余儀なくされ、人孔の開口部への挿通が困難となる、
2)人孔の大深度化に伴い昇降ポストの長さが大きくなり、従って地上高さが大きく、狭隘な空間での作業が困難である、
3)昇降ポストに取り付けられるアタッチメントの付け替え操作に手間が係る、
等の問題点がある。
更に、当該先行技術は油圧シリンダーを使用するが、これらの油圧シリンダーの油圧の供給源すなわち油圧動力部は地上の車輌部上に配されており、このため油圧動力部と昇降ポスト及び浚渫手段の油圧シリンダーすなわち油圧アクチュエータへの距離が大きくなるとともに、作動性が悪くなるという問題点がある。
当該問題は人孔が大深度化するほど不可避的な技術的課題である。
この観点からすれば本出願人が別に提案した特開平10−159171号公報、特開2000−54424号公報に記載の技術も同様の問題を抱えており、油圧の作動性の改善は大きな開発テーマとなっている。
更にまた、上記の公知技術のいずれにおいても、その浚渫は大深度に加え、人孔中の汚泥中の作業となり、バケットの位置、姿勢・作動状況を把握することが困難で、高度なオペレータの技能が要請される難度の高い作業となっている。
特開昭61−24643号公報 特許平10−159171号公報 特開2000−54424号公報
本発明は上記先行技術の問題点に鑑みされたものであり、かつこの先行技術の油圧駆動の利点を活かし更に発展させたものであり、下水道用人孔の大深度化によっても十分な浚渫能力が発揮でき、更なる大深度化に対処できる大深度人孔における堆積土砂の浚渫装置、並びに該浚渫装置を使用してなす大深度人孔における堆積土砂の浚渫方法を提供するものであり、人孔内での視界の不明な浚渫作業に鑑み、その浚渫状況を的確に把握するため、当該浚渫装置の使用における浚渫状況の表示装置を提供することを目的とする。
本発明はこのため、挿入ポスト部の伸長操作を単一のワイヤー操作となし、挿入ポスト部の下端に配される掘削手段などの作動機器(アクチュエータ)を油圧作動となすとともに、該作動部への圧油を供給する油圧動力部を挿入ポスト部の最下部に設け、作動機器の直近位置到達する部位に配した。
本発明の表示装置は、作動機器に配された検知器より実時間での情報を得、また別途入力される情報に基づいて浚渫状態を平面画像に表示することによりこの目的を達成したものである。
作業者は表示装置の表示に基づいて作動機器を作動させるが、本表示装置に組み込まれる制御システムを利用して自動浚渫方法も得られる。
本発明の大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置及び該浚渫バケット装置の運転方法は、具体的には次の構成を採る。
本発明の第1の大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置は、請求項1に記載のとおり、大深度の人孔内に挿入される長尺でかつ横方向への剛性を有する挿入手段の下端にリンクアームを介して浚渫バケットが装着され、該浚渫バケットをもって該人孔の底部の土砂を浚渫する浚渫バケット装置の表示装置であって、
前記長尺の挿入手段は作動機器として伸縮をもって一軸方向に移動し、
前記リンクアームは作動機器として前記挿入手段に対して旋回並びに跳ね上げ自在であり、
前記浚渫バケットは作動機器として開閉動作をなし、
前記挿入手段より深さ情報を、前記リンクアームより旋回並びに跳ね上げ角度情報を、前記浚渫バケットより開閉情報をそれぞれ実時間で検知し、
別途入力される前記人孔の諸元情報並びに該人孔内の堆積土砂の深さ情報に基づき、前記検知情報との計算処理により、少なくとも堆積土砂の表面状態を平面画像として実時間で表示する、
ことを特徴とする。
上記構成において、
1)平面画像は多数のメッシュにより構成されること、更には該メッシュが深度に応じた色表示されること、
2)浚渫バケットの平面位置を実時間で当該平面画像に表示すること、更には浚渫バケットまでのリンクアームの平面長さが付加されること、
3)人孔の開口部位置を平面画像に表示すること、
は適宜採択される技術的事項である。
(作用)
挿入手段は一軸方向の移動をもって大深度に至り、該挿入ポスト部の先端の浚渫バケットは該大深度の人孔底部の浚渫をなす。また、挿入手段の先端の浚渫バケットはリンクアームを介し、リンクアーム部の作動により浚渫範囲が拡大され、浚渫バケット装置のみによって人孔下部の広い空間の掘削に対処する。
浚渫バケット装置は人孔内を3次元的に自在に移動し、大きな掘削範囲を有し、本浚渫バケット装置の表示装置ではその主たる掘削の指標を平面画像に実時間で表示し、掘削状況を正確かつ一目瞭然に表示する。
平面画像はメッシュで構成され、各メッシュが深度に応じた色表示されることにより表面状態の把握は容易である。
また、浚渫バケットの平面位置情報が当該平面画像に付加され、掘削予定のバケット位置を知ることできる。更に人孔の開口部位置により、浚渫バケットの引上げが正確になされる。
この第1発明に付加して、
1)リンクアームの跳ね上げ動作、浚渫バケットの開閉動作を絵表示画像として実時間で表示すること、及び又は
2)挿入手段、リンクアーム及び浚渫バケットの作動機器は自動運転されること、
は更に別の発明を構成する。
本発明の第2の大深度人孔用浚渫バケット装置の運転方法は、請求項6に記載のとおり、大深度の人孔内に挿入される長尺の挿入手段の先端にリンクアームを介して浚渫バケットが装着され、該浚渫バケットをもって該人孔の底部の土砂を浚渫する浚渫バケット装置の運転方法であって、
前記長尺の挿入手段は作動機器として一軸方向に移動し、
前記リンクアームは作動機器として前記挿入手段に対して旋回並びに跳ね上げ自在であり、
前記浚渫バケットは作動機器として開閉動作をなし、
前記挿入手段より深さ情報を、前記リンクアームより旋回並びに跳ね上げ角度情報を、前記浚渫バケットより開閉情報をそれぞれ実時間で検知し、
別途入力される前記人孔の諸元情報並びに該人孔内の堆積土砂の深さ情報に基づき、前記検知情報との計算処理により、少なくとも堆積土砂の表面状態を平面画像として実時間で表示し、
当該平面画像に表示された堆積土砂の表面状態をモニター対象とし、手動操作される操作盤をもって前記作動機器を操作する、
ことを特徴とする。
操作盤は当該平面画像を表示する表示装置と別体又は同体のいずれでもよい。
更に、
1)浚渫バケットの平面位置を実時間で当該平面画像に表示すること、
2)人孔の開口部位置を平面画像に表示すること、
3)リンクアームの跳ね上げ動作、浚渫バケットの開閉動作を絵表示画像として実時間で表示すること、
は適宜付加される技術的事項であり、これらの付加的技術的事項により、操作性がより向上する。
本発明における大深度浚渫装置によれば、一軸方向に移動する挿入手段に作動機器としてのリンクアーム部及びバケット部が配され、リンクアーム部は挿入手段より跳上げ及び旋回可能であり、その下部の掘削バケットの掘削範囲を拡大でき、かつ、排土においても自由に対応でき、大深度かつ大径の伏せ越し人孔の浚渫に良好に対処できる。
本発明の大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置によれば、浚渫バケット装置は人孔内を3次元的に自在に移動し、大きな掘削範囲を有するものであり、本表示装置では浚渫状態を実時間で表示し、掘削状況を正確かつ一目瞭然に表示され、作業者は正確に作業をなすことができる。
本発明の大深度人孔用浚渫装置の表示装置の実施の対象をなす浚渫装置の一態様の全体を示す側面図(図2の1方向の矢視図)。 図1の正面図(図1の2方向の矢視図)。 本浚渫装置の挿入ポスト部・リンクアーム部・浚渫バケット部の構成図。 挿入ポスト部の一部側面の一部断面図。 挿入ポスト部の部分図。 最内側円筒部内の構成図。 本浚渫装置のリンクアーム部の構成図。 リンクアーム部の他の構成図。 浚渫バケット部の拡大側面図。 浚渫バケット部の正面図。 本浚渫装置の油圧系統図。 マンホール計測ゲージの配設図。 本浚渫装置における検知器の配置図。 信号処理部の構成図。 操作盤の一態様を示す平面図。 表示部の設定画面の例示図。 表示部の運転画面の例示図。 ティーチング動作の模式図。 「マンホール方向」ティーチング操作のフロー図。 「進入角度」ティーチング操作のフロー図 「中間位置」ティーチング操作のフロー図 「払出位置」ティーチング操作のフロー図 マンホール位置設定のフロー図。 自動運転プログラム(1) のフロー図。 自動運転プログラム(2) のフロー図。 自動運転プログラム(3) のフロー図。 自動運転プログラム(4) のフロー図。 自動運転プログラム(5) のフロー図。 自動運転プログラム(6) のフロー図。 自動運転プログラム(7) のフロー図。 自動運転プログラム(8) のフロー図。 自動運転プログラム(9) のフロー図。 自動運転プログラム(10)のフロー図。 伏越し部の断面図。
以下、本発明の大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置及び該浚渫バケット装置の運転方法の実施の形態を説明する。
図1〜図17は本発明における大深度浚渫バケット装置(以下単に「浚渫装置」という)の一態様を示す。
すなわち、図1及び図2は本浚渫装置Sの全体の概略構成を示し、図3〜図17は本浚渫装置Sの各部の構成を示す。
これらの図において、Pは伏越し等の大深度人孔、Oは該人孔Pの開口部、Qは該人孔Pの底部に堆積した堆積土砂を示す。一般に、該大深度伏越し人孔Pは、上部Paは円孔状の細径をなし、いわゆるマンホールであり、下部Pbは拡幅された長方形状空間をなす。
なお、本浚渫装置Sに付属して、本浚渫装置Sにより浚渫された土砂の排出を受け取り、運搬するダンプトラックも別途用意される。
以下の説明において、後記する本浚渫装置Sのリンクアーム部4の跳ね出し方向を前方と定義する。
車輛H(図1、図2参照)
図1・図2に示すように、本浚渫装置Sは、車輛搭載形式を採り、Hはホイール形式の荷台Iを備えた車輌すなわちトラックであって、本浚渫装置Sを該荷台Iに搭載して適宜位置に移動可能とする。Jは荷台Iの後部両側方に設けた後部アウトリガー、Kは荷台Iの前部両側方に設けた前部アウトリガーである。また、Lは挿入ポスト用支持支柱、Mは油圧ユニットである。該油圧ユニットMはアウトリガーJ,K及び後記する起伏用油圧シリンダー23、ウインチ25に対するものである。
浚渫装置S(図1〜図11参照)
本浚渫装置Sは、人孔P中に挿入される長尺の挿入ポスト部1、該挿入ポスト部1を支持するとともに起伏をなす起伏架台部2、該挿入ポスト部1内に装備される油圧動力部3、該挿入ポスト部1の下端に連動して装着されるリンクアーム部4、該リンクアーム部4の下端に装着されるバケット部5の主要部からなるとともに、制御処理部を有し本浚渫装置Sの作動状況を表示する表示部7を備える。
本浚渫装置Sは更に、本浚渫装置Sに内蔵される作動機器(アクチュエータ)への駆動指示を与える操作盤8を含む。
本浚渫装置Sにおいて、リンクアーム部4・バケット部5は油圧をもって駆動される作動機器(アクチュエータ)を採用するものであり、これらの作動機器は油圧動力部3により駆動される。
以下、本浚渫装置Sの各部の細部構成を説明する。
挿入ポスト部1(図1〜図6参照)
挿入ポスト部1は、多段に伸びるテレスコピック(入子)構造を採り、油圧動力部3を内蔵するとともに、その下端にはリンクアーム部4・バケット部5が取り付けられる。
該挿入ポスト部1は本実施形態では5段に伸びる構成を採り、最外側より内側に1A,1B,1C,1D,1E,1Fの円筒体からなる。外側円筒体1Aは固定筒となる。内側円筒体1B〜1Fは、可動筒を構成し、以下、第1内筒1B、第2内筒1C、第3内筒1D、第4内筒1E、第5内筒1Fとも称する。各円筒体1A,1B,1C,1D,1E,1Fは同長或いはほぼ同長をなし、同心を保って多重にかつ摺動自在に配される。このため、各円筒体1A,1B,1C,1D,1E,1F相互間には上下端部に摺動用のスペーサ10(上部スペーサ10a、下部スペーサ10b)が配される。
これらの円筒体1A〜1Fの位置を決めるロックピン11が円筒体1A〜1Fの下方に設けた位置決め孔に挿し込まれる。また、円筒体1A〜1Fの上端には止め板12が所定の間隔を保って取り付けられる。上下部のスペーサ10a,10bは摺動操作において互いに係合し、ストッパーの機能を果たす。
最外側円筒体1Aは、1B以下の内側円筒体の収納かつ案内用であり、架台部2の起伏クランプに把持されるとともに、その上端にシーブ14が枢着され、該シーブ14に吊下げワイヤー15が巻き掛けられる。吊下げワイヤー15はその末端は後記する架台部2のウインチ(25)に巻き取られる。
最内側円筒体1Fは、その上端に吊下げピン16が取付け板16aを介して固設され、該吊下げピン16にワイヤー15の他端が係着される。該最内側円筒体1Fには更に、ウエイト17が付加され、1B以下の内側円筒体において最も重量が大きくされる。
該最内側円筒体1Fには、後記するように、油圧動力部3が組み込まれる。
(入子機構及びその動作)
本実施形態の挿入ポスト部1は、多重筒伸縮構造いわゆるテレスコピック(入子)構造を採り、シーブ14を介して吊下げワイヤー15の揚上・降下操作をもってなされる。
すなわち、ワイヤー15の一端は最内側円筒体1Fの上端部の吊下げピン16に固定され、他端は後記するウインチに巻き取られている。
挿入ポスト部1は先ず鉛直に立てられるとともに、その下端でロックピン11が係合される。
挿入ポスト部1の伸長操作において、挿入ポスト1の下端のロックピン11が外され、ウインチの巻き戻しによりワイヤー15は緩められ、内側円筒体1B〜1Fは一体となって下降する。内側円筒体(第1内筒)1Bが外側円筒体(固定筒)1Aの下部スペーサ10bに係合して停止し、次いで内側円筒体1C〜1Fは一体となって下降し、内側円筒体(第2内筒)1Cが第1内筒1Bの下部スペーサ10bに係合して停止する。以下、順次第3内筒1D、第4内筒1Eとスペーサと係合して下降を停止し、最後に最内側円筒体(第5内筒)1Fが下降する。
この途中で、伸長を止めることは自由である。
ウインチの巻取りにおいて、上記とは逆となり、ワイヤー15の引き上げをもって、最内側円筒体(第5内筒)1Fが先ず引き上げられ、該第5内筒1Fが第4内筒1Eの止め板12に当接して上昇が停止する。次いで第4内筒1Eが引き上げられ、止め板との当接により上昇を停止し、順次第1内筒1Bまで引き上げられ、その全体は外側円筒体(固定筒)1A内に収められる。この状態でロックピン11が係合される。
ロックピン11の係合を順次段階的に第5内筒1Fから解除し、挿入ポスト部1を人孔P内に降下させる態様を採ることができる。
この場合、挿入ポスト1の第5内筒1Fはその自重により最初に降下し、次いでその内側の内筒1Eのロックピン11の係合を解除し、該内筒1Eを降下させ、以下順次内筒1D,1C,1Bを降下させていく。
起伏架台部2(図1、図2参照)
起伏架台部2は、車輛Hの荷台Iを基台として、該荷台I上に旋回及び起伏自在の機能を担って搭載される。
詳述すれば、該起伏架台部2は支持フレーム20を主体とし、支持フレーム20は荷台Iに旋回台21を介して取り付けられ、該支持フレーム20の先端にはピンを介して起伏クランプ22が固定される。起伏クランプ22は挿入ポスト部1の固定ポスト1Aを把持固定する。更に、該支持フレーム20及びポスト1A間には起伏用油圧シリンダー23がピンを介して固定される。これにより、油圧シリンダー23のピストン23aの伸縮動作によりポスト1Aは起伏動作をなす。
起伏クランプ22には油圧ウインチ25が固定設置され、その巻取りドラム25aに吊下げワイヤー15が捲回される。起伏クランプ22は固定ポスト1Aと一体なっており、ウインチ25からシーブ14までの距離は固定ポスト1Aが如何ように変位しても変化しない。
固定ポスト1Aには更に該挿入ポスト部1内に導かれる動力線(電力線)及び通信線の動力線用巻取りリール26、通信線用巻取りリール27が配され、該固定ポスト1Aの上端には前記したシーブ14に相並んで該ポスト1A内に挿入される動力線用及び通信線用のシーブ(図示せず)が装備されている。
28は旋回台21の油圧駆動部である。
油圧動力部3(図6参照)
油圧動力部3は、挿入ポスト部1の最内側円筒体1F内に水密性 (防水構造)をもって搭載され、その下端にリンクアーム部4が連接される。
該動力部3の主要構成機器は、防水ケース30内に収納される。該防水ケース30は機枠を兼ね剛性を保持する。
防水ケース30は円筒体をなし、その内部に防水空間を形成し、最内側円筒体(第5内筒)1F内に一体かつ水密状態をもって挿入設置される。すなわち、防水ケース30はそれ自体が水密であるうえ、最内側円筒体1F内にOリング手段を介して水密を保って設置され、更には適宜の固定手段をもって第5内筒1Fに一体に固定されるものである。該防水ケース30は、その本体部30aは適宜継ぎ足し得ることは自由であるが水密を保持することは必須であり、上端部は上蓋30bをもって密封され、下端部30cは後記する回転駆動部の水密を保持して閉塞される。該防水ケース30は格別長尺である必要はなく、主要構成機器が十分に収まれば比較的短尺であってもよい。また、空間的余裕があればウエイトが付加される。
防水ケース30内には、上位より、作動油タンク31、電動モータ32、該電動モータ32の回転駆動を受けて駆動する油圧ポンプ33及び電磁バルブ34が各配され、これらの作動油タンク31、油圧ポンプ33、電磁バルブ34は油圧配管をもって連接される。油圧配管は更には、後記する油圧アクチュエータとしての油圧モータ、油圧シリンダーに連接する。電動モータ32には外部から電力線が水密を保って引き入れられる。
図例ではこれらは防水ケース30の上部に配される。
油圧配管も防水ケース30より水密を保持して外部へ引き出される。
防水ケース30内の中間部には、適宜ウエイト36が配される。
防水ケース30内の下部は、リンクアーム部4との連接手段が講じられる。
(回転駆動部38)(図6参照)
防水ケース30内の下部には、後記するリンクアーム部4の回転をなす回転駆動部38が水密を保って配される。
もっと詳しくは、該回転駆動部38は、防水ケース3内に固設される油圧モータ39と、アーム用回転軸40とを主体とし、該油圧モータ39の駆動軸に固設されたピニオンとアーム用回転軸40の回転ギアとの噛合をもってアーム用回転軸40の回転をなす。アーム用回転軸40とケース30の下端部30cとは適宜のシール手段(Oリング)をもって水密を保持する。なお、41はポテンショメータであって、アーム用回転軸40の回転を検出する。
リンクアーム部4(図7・図8参照)
リンクアーム部4は、挿入ポスト部1の下端に、詳しくは該挿入ポスト部1の最内側円筒体1F内に配された動力部3に連接して装着され、かつバケット部5の取付け部ともなり、その油圧アクチュエータの回転・伸縮作用により該リンクアーム部4の旋回・跳ね出し作用をなす。
以下、図7に示す態様につき詳述する。
リンクアーム部4は、そのリンク機能をなすリンク枠を主体とし、かつ上部の油圧モータ39の回転駆動を受けて回転動作をなし、内部に搭載された油圧シリンダーの伸縮駆動を受けて跳ね出し動作をなす。
該リンクアーム部4のリンク枠は、前後のリンク棒45,46、該前後リンク棒45,46の上下において該前後リンク棒45,46の両側に配されるリンク板47,48(上部リンク板47、下部リンク板48)、中間リンク棒49、及びこれらをピン結合する上部ピン50,51、下部ピン52,53、中間ピン54,55、よりなる。上部ピン50,51において、前部ピン50は後部ピン51より上方にある。平行リンクの関係から、リンクアーム部の4の鉛直状態で、下部ピン52,53において、前部ピン52は後部ピン53より上方に位置する。
該リンク枠は、駆動部3の回転軸40を介して取り付けられ、また、その内部に油圧シリンダー56がその両端を上部リンク板47及び後部リンク棒46にピン57,58をもって枢着される。
図7では油圧シリンダー56のピストン棒56aが伸長し、該リンクアーム部4は直立した状態となっている(すなわち跳ね上がりなし)。ピストン棒56aを収縮するとピン50,51を中心としてリンクアーム部4は上方へ跳ね上がる(図7、右方部参照)。
図8は更に別な態様のリンクアーム部4Aを示す。
本態様は原理において図7のものと変わりはない。図において、先のものと同等の部材については同一符号が附されている。
すなわち、油圧シリンダー56Aはそのピストン棒が収縮する状態でリンクアーム部4Aは鉛直状態を採り、ピストン棒の伸長により前方(図において右方)に跳ね上がるものである。
図7及び図8をもって示されるように、本リンクアーム部4は、原理的に同等の構成並びに同等の機能を奏するものであれば、他の態様を採ることは自由である。すなわち、構成については、回転用及び跳上げ用としての油圧シリンダーもしくは油圧モータを備えること、また、機構としてはリンク機構を採ることである。
浚渫バケット部5(図9、図10参照)
浚渫バケット部5は、リンクアーム部4の下端に着脱自在に取り付けられ、油圧駆動をもって開閉動作をなし、閉合状態において人孔Pの開口部Oを容易に通過する幅に規制されている。
詳述すれば、バケット本体60は2つのバケット要素60a,60bからなり、ピン61を介して開閉自在とされる。センターフレーム62はその下端は二叉62aに分かれ、この二叉部62aでバケット本体60のピン61を把持するとともに、上方においてバケット支持ブラケット63に取り付けられる。該バケット支持ブラケット63はリンクアーム部3に固定される。
該バケット支持ブラケット63には、平行する2枚のブラケット65が固設される。このブラケット65と各バケット要素60a,60bとの間に各ピンを介してそれぞれバケット開閉用油圧シリンダー66が取り付けられる。すなわち、該バケット開閉用油圧シリンダー66のシリンダー側はピン67を介してブラケット65に、ピストン部66aはピン68を介してバケット要素60a,60bに枢着される。バケット開閉用油圧シリンダー66のピストン部66aの伸長によりバケット要素60a,60bは閉合し、ピストン部66aの収縮によりバケット要素60a,60bはピン61を中心に開く。
図11は上記に説明した油圧動力部3、リンクアーム部4及び浚渫バケット部5における各油圧機器の関連(油圧系統)を示す。
図示されるように、作動油タンク31の油は2つの電動式油圧ポンプ33(1)33(2)により押し出され、1つの系統は電磁弁34を介して油圧モータ38に導かれ、他の系統は他の電磁弁34を介して油圧シリンダー56,66に導かれる。これらの圧油の戻りは再び作動油タンク31に戻される。
図は一具体例を示すもので、適用される各油圧機器はこれに限定されない。
また、図では電動モータ32への電力線は省略されているが、該電力線は外部へ引き出されるものである。他の油圧系統(車輌部)についても省略する。
マンホール計測ゲージ80(図12参照)
マンホール計測ゲージ80は、本浚渫装置Sを搭載する車両Hの後部に着脱可能に装着され、装着定位置でその基点80aをもって挿入ポスト部1の軸中心を与える。
該マンホール計測ゲージ80は、円弧状の規正部材81と該規正部材81を水平に保持する保持部材82とからなる。規正部材81は円弧状の棒体からなり、その外面の中央位置が基点80aを与える。該規正部材81は本実施形態では円弧状をなすが、その形状に限定されず、直線状であってもよい。また、平板状であってもよい。保持部材82は2個1対をなし、一端を規制部材81に接合され、他端を車輛Hに接合される。該保持部材82は本実施形態では2本の棒状体であるが、その本数も形状に限定されず、1本、3本、また平板体であってもよい。そして、該保持部材82は定位置で規正部材81を水平に保持するとともに該規正部材81と車輛Hとの所定距離を保持し、これにより規正部材81はその外面の中間位置が基点80aを与える。該マンホール計測ゲージ80は、通常は挿入ポスト部1が伏せられた状態で使用されるので、車輛Hの後方に配されればよいが、車輛Hの可及的下方に配される場合には挿入ポスト部1が起立した状態での使用も可能である。
該マンホール計測ゲージ80は、挿入ポスト部1が伏せられた状態で使用され、車輛Hの移動とともに人孔Pのマンホールの開口部Oに接近させ、その基点80aが開口部Oの中心に一致して車輛Hの位置決めをなす。その際、人孔Pの開口部Oには中間位置を示す指標を設置することが推奨される。
本マンホール計測ゲージ80は、本発明を実施するのに必須のものではなく、適宜省略されうる。また、該マンホール計測ゲージ80は車輛Hに対し、取付け自在、ピンにより折り畳み自在、もしくは収納可能とされる。
表示部7(図1、図13〜図17参照)
表示部7は表示画面(図16・図17参照)をもって本浚渫装置Sの浚渫状態、並びに自動運転の状態も表示する。更には、これらの浚渫状態及び自動運転状態を表示するとともに、堆積状態及び運転条件の指示も与える。
該表示部7は車輌Hの運転室に配されるが、運転室外であってもよく、また固定式に限らず携帯式であってもよい。
図13は、浚渫状態を把握する本浚渫装置Sに配された検出器100,102,104,106の配置を示す。図において、100は深さセンサー、102はリンクアーム部旋回角検知センサー、104はリンクアーム部跳ね上げ角検知センサー、106はバケット開閉検知センサーの各センサーである。
詳しくは、深さセンサー100は、ワイヤーシーブ14の軸部に連動して取り付けられたロータリーエンコーダーを主体とし、該ワイヤーシーブ14の回転数を検知し、該回転数信号を計算処理装置に送る。計算処理装置では、該回転数信号に基づいて挿入ポスト部1の挿入深さを算定する。更には、リンクアーム部4の跳ね上げ角度情報を付加してバケット部5の先端部の深さを算定する。
リンクアーム部旋回角検知センサー102は、前記回転駆動部38に設置されたポテンショメータであって、該ポテンショメータによって検出されたリンクアーム部4の旋回角信号を計算処理装置に送る。
リンクアーム部跳ね上げ角検知センサー104は、リンクアーム部4の油圧シリンダー56に設置されたストロークセンサーを主体とする。該ストロークセンサー104はシリンダー長さを無段階に計測し、該長さ信号値を計算処理装置に送る。計算処理装置では、該長さ信号値からリンクアーム部4の跳ね上げ角度(スイング角)並びに水平距離を算出する。なお、その鉛直距離は挿入ポスト部1の深さに加算されて、バケット部5の先端の深さとされる。
バケット開閉検知センサー106は、浚渫バケット部5に配された2個のリミットスイッチよりなる。あるいは又、バケット部5の油圧シリンダー66に装着され該油圧シリンダー66の収縮時間を計測し、該計測時間によりバケット部5の開閉状態を計算する。
なお、自動運転操作のために、他の検知手段が適宜配される。すなわち、起伏架台部2上での起伏用油圧シリンダー23、ウインチ25、油圧駆動部28の各作動機器(アクチュエータ)の作動状況を検知し、これら検知信号も処理部110に送られる。
図14は当該表示部7の指示画面を含む信号処理部の回路構成を示す。
図14に示すように、各センサー100,102,104,106からの信号は適宜ADI及びD変換器を介して、CPU及び記憶装置を内蔵した処理部110に入力され、該処理部110内のROMに格納されたプログラムにより所定の計算処理手順に基づいて表示信号を表示画面120に出力する。該処理部110にはキーボード、あるいはタッチボード等の入力装置130からの命令信号、数値信号も入力される。図14において、入力装置130は後記する設定画面200・運転画面300に替えることができる。すなわち、表示画面120のタッチスクリーン機能から処理部110へ信号が送られ、相互通信をなす。
図14は更に、処理部110よりアクチュエータ・コントローラ140へ信号が送られ、該アクチュエータ・コントローラ140より前記した電磁弁34に駆動信号が送られ、各アクチュエータ39,56,66を駆動する。更にアクチュエータ・コントローラ140より油圧ウインチ25、動力線・通信線用巻取りリール26,27及び架台部用油圧駆動部28へ駆動信号が送られる。
また、処理部110とアクチュエータ・コントローラ140とは相互に信号のやり取りがなされ、かつその情報は表示画面120に送られる。詳しくは、処理部110内のROM及び又はRAMに記憶収容された所定の計算処理プログラム並びに自動プログラムから所定の信号がアクチュエータ・コントローラ140に送られ、切換弁34を介して、及び直接的に各アクチュエータを作動させる。本実施形態では更に、起伏架台部2の吊下げワイヤー15の駆動部、更には旋回台21の駆動部への作動信号のやり取りもなす。
切換え弁34の作動をもって各アクチュエータ39,56,66及び架台部2の作動部が作動し、その作動状況は各センサー(100,102,104,106)によって捕足され、その実測データが処理部110に送られる。処理部110ではこの情報を取り込んで自動運転プログラムが作動するものである。
操作盤8(図15参照)
操作盤8は、本浚渫装置Sに装備される各作動機器(アクチュエータ)へ手動操作をもって駆動指示を与える。該操作盤8は表示部7と同様に車両Hの運転室に配されるが、運転室外であってもよく、また固定式に限らず携帯式であってもよい。
該操作盤8はその操作指示信号は伝達経路を介して作動機器に伝達されるが、該伝達経路は有線、無線を問わず、遠隔操作がなされる。
図15は該操作盤8の操作ボタンの配設態様の一例を示す。
上段には切換えボタン類、すなわちON/OFFボタン150、手動/自動ボタン152、非常停止ボタン154が配される。156は電源ランプであり、ON/OFFボタン150のONに点灯する。なお、ON/OFFボタン150は「OFF」「無線」「有線」の3段階のボタンに替えることを妨げない。「無線」「有線」の機能は実質的に同じである。
本操作盤8は盤面の大分において、ポスト操作レバーボタン160、アーム操作レバーボタン170、バケット操作レバーボタン180が配され、これらはレバーの前後左右への倒れ込みをもって操作がなされる。
詳しくは、ポスト操作レバーボタン160はそのレバー操作をもって、挿入ポスト部1の起伏並びに左右旋回動作をなす。すなわち、前倒「起」は挿入ポスト部1を起立させ、後倒「伏」は挿入ポスト部1を伏せる。右倒(イ方向)は挿入ポスト部1を旋回台21を介して右旋回させ、左倒(ロ方向)は挿入ポスト部1を旋回台21を介して左旋回させる。
アーム操作レバーボタン170はそのレバー操作をもって、リンクアーム部4の上昇・下降並びに左右旋回動作をなす。すなわち、前倒(ハ方向)は挿入ポスト部1をワイヤー15の巻上げにより上昇させ、後倒(ニ方向)は挿入ポスト部1をワイヤー15の巻戻しにより下降させる。右倒(ホ方向)はリンクアーム部4を右旋回させ、左倒(ヘ方向)はリンクアーム部4を左旋回させる。
バケット操作レバーボタン180はそのレバー操作をもって、バケット部5の上昇・下降並びに開閉動作をなす。すなわち、前倒「振上」(ト方向)はリンクアーム部4を振り上げ、後倒「振下」(チ方向)はリンクアーム部4を振り下げる。右倒「開」はバケット部5を開き、左倒「閉」はバケット部5を閉じる。
他に駆動元での操作ボタンも存するが、常套のことであるので説明を省略する。
表示画面120
図16・図17はその表示部7の表示画面120上に表示される設定画面200及び運転画面300を示す。設定画面200と運転画面300とは相互に関連操作をもって表示されるが、起動に際し、設定画面200が最初に表示される。
設定画面200
図16に設定画面200の一例を示す。
該設定画面200には、自動運転画面指示部210、人孔形状表示部220、数値入力部230、ティーチング入力部240、掻取り方法指示部250、テンキー部260がそれぞれ画定される。
図例では示されていないが、他に「機器チェック」ボタンを配する態様も採りうる。
詳しくは、自動運転画面指示部210は、「自動運転」ボタンが配され、このボタンを介して指示を送ることにより、運転表示画面300に移る。
(人孔形状表示部220)
人孔形状表示部220は、人孔表示部221とマンホール(もしくはマンホール開口)位置指示部222とを有する。人孔表示部221は四辺形状の表示画面をなし、その画面内に人孔の下部形状(破線で示す。本図例では矩形をなす。)223、マンホール開口位置224を表示する。人孔の下部形状223は後記する数値入力部230の入力値より表示される。マンホール位置指示部222は円形の表示画面をなし、その四方の三角ボタン部225を介してマンホール開口部の位置を左右前後に移動する。
図23はマンホール開口位置の入力操作のプログラムのフローを示す(ステップS21,S22)。すなわち、ステップS21で三角ボタン部225を適宜操作し、ステップS22で人孔表示部221においてマンホール位置マークを移動表示する。
(数値入力部230)
数値入力部230は、人孔の縦断面表示部231、水平断面表示部232、矩形人孔ボタン233、円形人孔ボタン234が配される。図例では矩形ボタン233を介して前記した人孔形状表示部220に矩形人孔形状223が表示される。人孔の縦断面表示部231には、寸法入力値A,B,Cが、水平断面表示部232には、寸法入力値D,Eが表示され、テンキー部260の操作をもってこれらのA,B,C,D,Eに数値が入力される。なお、Aは人孔上部(いわゆるマンホール)Paの深さ、B,D,Eは人孔下部Pbの高さ、幅、奥行き、Cは堆積物の深さ位置、を示す。なお、円形人孔においてはD,Eの1つが示され、直径を示す。これらの値A〜Eの入力は直ちに人孔表示部221、後記する浚渫状態表示部320、バーグラフ表示部330の絵表示に反映し、更には所定の計算プログラムの計算処理に使用される。
(ティーチング入力部240)
ティーチング入力部240は、「マンホール方向」ボタン241、「進入角度」ボタン242、「中間位置」ボタン243、「払出位置」ボタン244を有する。該ティーチング入力部240は本浚渫装置Sの動作に連動し、これらの各ボタンを押すことによりその数値が入力される。
「マンホール方向」ボタン241は、本浚渫装置Sを手動により原点位置より動作させ、このボタン241を押すことにより、その数値表示部241aに角度(水平角度α)が表示される。これにより、バケット部5の初期位置と該バケット部5が人孔Pの下部Pbの中心線方向に向く角度との位相角度が設定される。この設定により、バケット部5はマンホール直下の人孔下部Pbに進入したときこのマンホール方向すなわち整準(正規)状態を採り、人孔(下部Pb)Pの中心線を基準として作業する準備がなされる。
図18はこの入力操作の要領を示す。図は地上部での状態を示す。車輛Hを移動させ、本浚渫装置Sは人孔Pの開口部Oに自由な方向(イ線方向)から設置され、その最初位置はイ線方向を向く。
挿入ポスト部1は地上部で人孔Pの開口部Oに臨んで鉛直状態を採り、そのバケット部5はイ線方向を向く。これを原点位置とする。次いで、人孔Pの下方室Pbの中心線方向ロ(地上部で表示される。)に向けてそのリンクアーム部4を回動させてバケット部5を中心線方向ロに向け、この回動角度αを「マンホール方向」として入力する。
図19はこの入力操作のプログラムのフロー図である。すなわち、ステップS1でリモコン操作の操作盤8をもって「手動」が選択される。次いで、ステップS2で、バケット部5がマンホール方向ロに向くまでリンクアーム部4を旋回される。ステップS3でバケット部5がマンホール方向ロに一致するかどうかが判定され、マンホール方向に向いていなければステップS2に戻る。バケット部5がマンホール方向ロに向いていれば、ステップS4に進み、「マンホール方向」ボタン241をONし、ステップS5で「マンホール方向」ボタン241が点灯し、かつ、数値表示部241aに角度表示がなされる。
「進入角度」ボタン242は、本浚渫装置Sを手動により動作させ、このボタン242を押すことにより、その数値表示部242aに角度(水平角度β)が表示される。すなわち、バケット部5を整準状態のまま人孔P内を下降させたとき、その途中でマンホール壁に設けられた突起物に衝接する不具合がある場合、整準位置より所定の角度βだけ旋回させ、これを回避するものである。
図20はこの入力操作のフローを示す。すなわち、ステップS6でリモコン操作により「手動」が選択される。次いで、ステップS7でリンクアーム部4が旋回され、ステップS8でバケット部5が進入角度になっているかどうかが判定される。バケット部5が進入角度でないときはステップS7に戻り、進入角度であればステップS9に進み、「進入角度」ボタン242をONし、ステップS10で「進入角度」ボタン242を点灯し、かつ、数値表示部242aに角度表示がなされる。
「中間位置」ボタン243は、本浚渫装置Sを手動により動作させ、マンホールの引上げ位置により、所定の位置に配された地上部でリンクアーム部4を回収車両(ダンプトラック)の位置まで回動させるとともに、該回収車両の高さまで振り上げ、このボタン243を押すことに姿勢情報が入力される。
図21はこの入力操作のフローを示す。すなわち、ステップS11でリモコン操作により「手動」を選択し、ステップS12でリンクアーム部4を回収車両の位置まで旋回及び振上げ操作をなし、ステップS13で中間位置かどうかが判定される。中間位置でなければステップS12に戻り、中間位置であればステップS14に進み、「中間位置」ボタン243をONし、中間位置の姿勢を入力する。次いでステップS15で「中間位置」ボタン243が点灯する。
「払出位置」ボタン244は、本浚渫装置Sを手動により動作させ、地上部でリンクアーム部4を回収車両(ダンプトラック)の縁を乗り越えるように誘導し、このボタン244を押すことに位置情報が入力される。
図22はこの入力操作の手段を示す。すなわち、ステップS16でリモコン操作により「手動」を選択し、ステップS17でリンクアーム部4を旋回させ、ステップS18で払出し位置かどうかが判定される。払出位置でなければステップS17に戻り、払出位置であればステップS19に進み、「払出位置」ボタン244をONし、払出し位置の位置情報が入力される。次いで、ステップS20で「払出位置」ボタン244が点灯する。
(掻取り方法指示部250)
掻取り方法指示部250は、「ロープゆるみ」ボタン251、「距離掻取」ボタン252を有し、これらはいずれかが選択的に指示される。「ロープゆるみ」はバケット部5による掬い取りをワイヤー15の緩み状態でなされ、ワイヤー緩みスイッチが作動した状態で掻取る。「距離掻取」はバケット部5による掬い取りをワイヤー15の緊張状態でなされ、掻取り位置の堆積物深さから寸法入力で設定した掻取り深さ分を掻取る。該掻取り方法指示部250は更に掻取距離指示部253を有し、当該部位にテンキー部260の操作をもって「距離掻取」のための掻取り距離の寸法値(深さ)を入力する。
(テンキー部260)
テンキー部260は、本設定画面200中の設定数値の入力をなす。すなわち、数値入力部230における数値部A,B,C,D,E及び掻取距離指示部253の数値がテンキー操作をもって入力される。入力された数値は「確定」キーにより確定される。
運転画面300
図17に運転画面300の一例を示す。
該運転画面300は、指示ボタン部310、浚渫状態表示部320、バーグラフ表示部330、アーム・バケット状態絵表示部340、アーム・バケット状態数値表示部350、がそれぞれ画定される。
指示ボタン部310は上段に配され、浚渫状態表示部320、バーグラフ表示部330、アーム・バケット状態絵表示部340は中段に配され、アーム・バケット状態数値表示部350は下段に配される。
浚渫状態表示部320、バーグラフ表示部330、アーム・バケット状態絵表示部340はそれぞれ絵(グラフィック)表示を特徴とし、一目瞭然に浚渫状況ないし本浚渫装置Sの動作状況が把握され、作業者の便に供される。したがって、これらは本運転画面300の大宗を占める。
しかして、これらは自動運転プログラムと関連付けられてなる。
以下、詳しく説明する。
(指示ボタン部310)
指示ボタン部310は、表示画面300の上部において、「初期設定」ボタン311、「運転準備」ボタン312、「開始」ボタン313、「停止」ボタン314、掻取位置ボタン316、手動/自動切換え(運転モード)ボタン317、からなるボタン列をもって構成される。
「初期設定」ボタン311は、これをクリック(又はタッチ、以下同じ)して前記した設定画面200に移る。この動作は自動運転中でもなされることが好ましいが、通常は自動運転を停止した後、行われる。
「運転準備」ボタン312は、挿入ポスト部1が垂直位置を保持した状態で、これをクリックして運転準備の状態(アーム角度が0°、バケット閉、アーム旋回角度0°)を採り、これを処理部110内に記憶させる。
「開始」又は「運転」ボタン313は、これをクリックして自動運転の開始となり、自動運転中にあっては該「開始」ボタン313は点灯表示となる。なお、該「開始」ボタン313は手動/自動切換えボタン317の自動側への入力切換がなされた場合のみ作動する。更には、前記した操作盤8の手動/自動ボタン152に連動し、該ボタン152の自動への切換えによって本運転画面300に入るものである。
「停止」ボタン314は自動運転の停止指令を与える。この指令により、浚渫土砂の払出し後、原点位置で自動運転を停止し、1サイクルを完了する。なお、必要があれば、本「停止」ボタン314に並んで「一時停止」ボタン(図示せず)が設けられ、1サイクル途中での自動運転の一時停止指令を与える。
掻取位置ボタン316は、円形をなし、その四方の三角ボタン部316aをクリックして、後記する「堆積物分布」(321)の掻出し位置表示(327)を移動させ、位置の変更をなす。
手動/自動切換えボタン317は、手動と自動との切換えをなす。該手動/自動切換えボタン317は前記したとおり操作盤8の手動/自動ボタン152に連動する。
(浚渫状態表示部320)
浚渫状態表示部320は、堆積物分布表示部321、深度表示カラー表示部322を有する。
堆積物分布表示部321は堆積物の分布を表示し、多数のメッシュ323によって区画されるとともに各メッシュ323毎に色表示がなされる。メッシュ323は実際には更に細分化される。該メッシュ画面内に人孔Pの下部形状324(破線で示す。本図例では矩形をなす。)が表示され、該形状324内にマンホール位置325、バケット部5の先端位置326、掻取位置327、が表示される。人孔Pの下部形状324、マンホール位置325は前述した設定画面200の設定値により決められ、バケット部5の先端位置326は運転動作に連動し、掻取位置327は本画面300の掻取位置ボタン316での三角ボタン部316aの操作により位置変更がなされる。
深度表示カラー表示部322は、堆積物の深度につき、初期設定値から孔底までの深さ距離を0〜100%とし、10%毎に色区分をもって表示する。当該表示色は堆積物分布表示部321のメッシュ323に反映される。
(バーグラフ表示部330)
バーグラフ表示部330は、掻取位置の初期堆積物の深度を表示する。バーグラフ表示部330は、バーグラフ部331、バケット位置マーク332、堆積物初期値マーク333を有し、バーグラフ部331は色表示部分331aをもって堆積物初期値マーク333からの掘削深度の変化を刻々表示する。バケット位置マーク332は所定の計算処理に基づいてバケット部5の刻々の移動を表示する。
(アーム・バケット状態絵表示部340)
アーム・バケット状態絵表示部340は、リンクアーム部4並びにバケット部5の状態を、実時間にグラフィック表示する。図例において、341は挿入ポスト部1、342はリンクアーム部4、343はバケット部5を模式化したものである。しかして、所定の計算処理によりリンクアーム部4の揺動(振上げ、振下げ)すなわち上下動、及びバケット部5の開閉が刻々と絵表示される。なお、リンクアーム部の旋回は表示されない。
(アーム・バケット状態数値表示部350)
アーム・バケット状態数値表示部350は、旋回角度表示部351、リンクアーム角度表示部352、バケット深度表示部353、バケット開度表示部354、を有する。これらはそれぞれ、リンクアーム部4の旋回角度、リンクアーム部4の揺動角度、バケット部5の深度(cm表示)、バケット部5の開度(%表示)を表示する。当該表示部350には、図例では示されていないが、掻取回数、偏心量の数値表示もなされうる。
(自動運転プログラム)
図24〜図33は本浚渫装置Sの自動運転動作を実施するプログラムのフロー図を示す。
図24を参照して、ステップS23で「自動運転」画面が選択され、ステップS24で「自動」モードかどうか判定される。「自動」モードでないとき、ステップS25で「自動」モードの指示が求められ、操作盤8あるいは運転画面300で「自動」モードが選択される。「自動」モードであればステップS26へ進み、「自動運転」画面で「運転」(「開始」)がONされ、更にステップS27へ進む。ステップS27で自動運転条件が満たされているかどうかが判定される。自動運転条件は、1)初期ティーチングが設定済みである、2)非常停止でない、3)アーム部が地上である、の3条件をいう。自動運転条件が満たされていなければステップS26に戻り、自動運転条件を満足する操作をなした後、「運転」がONされる。自動運転条件が満たされていれば、ステップS28で「運転」ボタンが点灯され、更にステップS29に進む。
図25を参照して、ステップS29でリンクアーム部4の角度が0°(鉛直)かどうかが判定され、0°でないとき、ステップS30でリンクアーム部4を振り下げ(下降させ)、0°とする。リンクアーム部4の角度が0°であれば、ステップS31へ進み、リンクアーム部4の旋回角が進入角βとなっているかどうかが判定される。該進入角βは既述のとおり、人孔Pへの挿入に当たり障害物を避けて挿入される設定角度であり、0°もしくは無限定もありうる。進入角βであれば、ステップS33に移り、バケット部5が閉じられているか判定される。バケット部5が閉じられていなければステップS34に移り、バケット部5が閉じられる。バケット部5が閉じられていれば、ステップS35に移る。
図26を参照して、ステップS35で挿入ポスト部1が下降され、ステップS36で挿入ポスト部1の深度がアーム可動位置かどうかが判定される。アーム可動位置はバケット部5が人孔Pの開口部Oより3mの深さを目安とする。アーム可動位置でなければステップS34に戻り、更に挿入ポスト部1の下降が続行される。挿入ポスト部1の深度がアーム可動位置であればステップS37に移り、アーム旋回角が掻取り位置にあるかどうかが判定される。このアーム旋回角の角度位置の計算は、原点位置からαを折り込んだ角度すなわちマンホール方向を基準としてなされる。掻取り位置でなければステップS38に移り、リンクアーム部4が掻取り位置まで旋回される。リンクアーム部4が掻取り位置であればステップS39に移り、リンクアーム部4の角度が掻取り位置にあるかどうかが判定される。掻取り位置でなければステップS40に移り、リンクアーム部4は掻取り位置まで上昇される。リンクアーム部4が掻取り位置であればステップS41に移る。
図27を参照して、ステップS41でバケット部5が開けられ、次いでステップS42で挿入ポスト部1が下降され、ステップS43へ移る。ステップS43ではテンションリミットスイッチ(LS)がONかどうかが判定され、ONでなければステップS44へ移り、更に掻取り方法が「距離計測」となっているかどうかが判定される。掻取り方法が「距離計測」でなければステップS43に戻る。掻取り方法が「距離計測」であれば更にステップS45に移り、深度が掻取深度であるかどうかが判定される。深度が掻取深度でなければステップS43に戻る。掻取深度は現在深度に掻取深さを加えたものである(掻取深度=現在深度+掻取深さ)。深度が掻取り深度であればステップS43のONである判定とともにステップS46に移る。これによりバケット部5による掻取りが実行される。
図28を参照して、ステップS46で挿入ポスト部1の下降が停止され、次いでステップS47で挿入ポスト部1を上昇させる。更に、ステップS48に移り深度がアーム可動位置かどうかが判定され、アーム可動位置でなければステップS47に戻る。アーム可動位置であればステップS49で挿入ポスト部1の上昇が停止される。
図29を参照して、次いで、ステップS50でリンクアーム部4の角度が0°かどうかが判定され、0°でなければステップS51へ移り、リンクアーム部4が下降される。0°であればステップS52へ進み、リンクアーム部4の旋回角が進入角βかどうかが判定され、進入角βでなければステップS53に移りリンクアーム部4が進入角βまで旋回され、ステップS52に戻る。リンクアーム部4が進入角βであれば、ステップS54で挿入ポスト部1が上昇され、次いで、ステップS55で上昇端リミットスイッチLSがONかどうかが判定される。上昇端リミットスイッチLSがONでなければステップS54に戻り更に挿入ポスト部1の上昇がなされる。上昇端リミットスイッチLSがONであればステップS56に進む。これにより、バケット部5は地上部へ出る。
図30を参照して、ステップS56でリンクアーム部4の旋回角が「中間位置」かどうかが判定され、リンクアーム部4の旋回角が「中間位置」でなければステップS57に移り、リンクアーム部4の旋回がなされる。リンクアーム部4の旋回角が「中間位置」であればステップS58に進み、リンクアーム部4の角度が「中間位置」かどうかが判定され、リンクアーム部4の角度が「中間位置」でなければステップS59に移り、リンクアーム部4が上昇される。リンクアーム部4の角度が「中間位置」であればステップS60に進み、リンクアーム部4の旋回角が「払出し位置」かどうかが判定され、リンクアーム部4の旋回角が「払出し位置」でなければステップS61へ移り、リンクアーム部4の旋回がなされる。リンクアーム部4の旋回角が「払出し位置」であればステップS62へ進む。
図31を参照して、ステップS62でリンクアーム部4の角度が「払出し位置」かどうかが判定され、「払出し位置」でなければステップS63へ移り、リンクアーム部4は「払出し位置」まで下降がなされる。リンクアーム部4の角度が「払出し位置」であればステップS64へ進み、バケット部5が開く。これにより浚渫土砂がダンプトラックに排出される。ステップS65でバケット部5は3秒間の開状態を保ち、ステップS66でバケット部5は閉じ、ステップS67に進む。
図32を参照して、ステップS67でリンクアーム部4の角度が「中間位置」かどうかが判定され、「中間位置」でなければステップS68に移り、リンクアーム部4は上昇する。「中間位置」であればステップS69に進み、リンクアーム部4の旋回角が「中間位置」かどうかが判定される。「中間位置」でなければステップS70に移り、リンクアーム部4を中間位置まで旋回させ、ステップS69に移る。「中間位置」であればステップS71に進み、リンクアーム部4の角度が0°かどうかが判定される。0°でなければステップS72へ移り、リンクアーム部4は下降される。0°であれば、ステップS73に進む。
図33を参照して、ステップS73でサイクル停止がどうかが判定される。停止でなければ、ステップS31に戻り(図25参照)、再び人孔P内への進入がなされる。停止であれば、ステップS74で「運転」ボタンが消灯され、本サイクルが終了される。なお、このサイクル停止は運転画面300での「停止」ボタン314による指示に基づいてなされる。
(本浚渫装置Sの作用)
本浚渫装置Sを用いて実施される大深度の人孔における浚渫作業について説明する。
以下、施工手順に基づいて説明する。
(1) 浚渫の対象となる人孔Pに車輌Hを移動させ、所定の位置でアウトリガーJ,Kを作動して車輌Hを固定する。
この位置設定のためにマンホール計測ゲージ80(図12参照)が使用される。すなわち、車輛Hの後部にマンホール計測ゲージ80を装着し、車輛Hを移動させてマンホール計測ゲージ80の基点80aを人孔Pの開口部Oの中心に合致させる。このとき、車輛Hの人孔Pへの進入方向は自由である。これにより、後で起立される挿入ポスト部1の中心軸と人孔Pの中心軸とは一致する。この作業が終了すればマンホール計測ゲージ80は撤去もしくは収納される。
図1の鎖線表示は本浚渫装置Sを車輌H上に収納した状態を示し、この状態で車輌Hを移動させ、また固定する。すなわち、架台部2の起伏用油圧シリンダー23を収縮させ、挿入ポスト部1を水平状に倒し、車輌Hのフレーム支持支柱Lにその荷重を預ける。なお、図示しないが、本車輌H以外に土砂運搬用のダンプトラックが別途用意される。
(2) 挿入ポスト部1の起立
起伏架台部2の油圧シリンダー23を伸長作動し、挿入ポスト部1を起立させる。
本操作及び以後の自動運転操作以外の操作は手動操作によるが、本実施形態では操作盤8の使用を前提とする。
挿入ポスト部1はロックピン11が係合され、また、ウインチ25も作動させて挿入ポスト1に連結されるワイヤー15を引張り状態とし、挿入ポスト部1が伸長しないようにしておく。挿入ポスト部1にはワイヤー15に並んで電力線・通信線も繰出し可能に配設する。
(表示部7での表示)
表示部7では先ずこの最初の状態値(挿入ポスト部1の直立状態値)すなわち原点位置が入力される。
次いで設定画面200でに人孔Pの諸元情報(矩形又は円形、数値入力A,B,C,D,E)を入力する。これらは直ちに表示画面120の設定画面200及び運転画面300に反映する。すなわち、設定画面200では人孔表示部221の人孔下部形状223が表示される。運転画面300では堆積物分布表示部321において、人孔下部形状223が表示され、深度表示カラー表示部322が100%表示される。また、バーグラフ表示部330画面において、バーグラフ部331、堆積物初期値マーク333が表示される。
更に、設定画面200上でマンホール位置指示を入力する。すなわちマンホール位置指示部222の三角ボタン部225を操作して人孔表示部221でのマンホール位置224を移動させてなす(ステップS21,S22)。これは直ちに運転画面300に反映し、堆積物分布表示部321のマンホール位置325を表示する。
(2a)自動運転準備
この状態で、操作盤8での操作並びに設定画面200の入力により自動運転のための準備設定をなす。自動運転でない場合はこの工程は省略される。
先ず、マンホール方向の設定は、操作盤8のアーム操作ボタン170の操作でリンクアーム部4を旋回させ、バケット部5をマンホール方向に向け、設定画面200の「マンホール方向」ボタン241をONし、マンホール方向設定の教示をなす(ステップS1〜ステップS5)。
進入角度の設定は、操作盤8のアーム操作ボタン170の操作でリンクアーム部4を旋回させ、バケット部5を進入角度に向け、設定画面200の「進入角度」ボタン242をONし、進入角度の教示をなす(ステップS6〜ステップS10)。
中間位置の設定は、操作盤8のアーム操作ボタン170・バケット操作ボタン180の操作でリンクアーム部4を旋回及び上昇させ、バケット部5をダンプトラックの近傍に導き、設定画面200の「中間位置」ボタン243をONし、中間位置の教示をなす(ステップS11〜ステップS15)。
払出位置の設定は、操作盤8のアーム操作ボタン170の操作でリンクアーム部4を旋回させ、バケット部5をダンプトラック上に導き、設定画面200の「払出し位置」ボタン244をONし、払出位置の教示をなす(ステップS16〜ステップS20)。
掻取り方法の設定は、設定画面200の「ロープゆるみ」ボタン251又は「距離掻取」ボタン252のいずれかを選択し、「距離掻取」を選択したときには掻取距離指示部253に掻取り距離の寸法値(深さ)を入力する。
(3) 挿入ポスト部1の伸長下降
しかる後、ロックピン11の係合を全部又は一部解除し、ウインチ25を作動して吊下げワイヤー15を巻き降し、挿入ポスト部1を人孔P内に降下させてゆく。
バケット部5のバケット本体60は閉合状態を採り、人孔Qの開口Oを容易に通過し、更にはそれに続く挿入ポスト部1の内側部1B〜1Fも該開口Oを通過し、人孔P内を降下する。
詳しくは、先ず内側円筒体1B〜1Fは一体となって下降し、第1内筒1Bの上部スペーサ10aが外側円筒体(固定筒)1Aの下部スペーサ10bに係合して停止する。次いで内側円筒体1C〜1Fは一体となって下降し、第2内筒1Cの上部スペーサ10aが第1内筒1Bの下部スペーサ10bに係合して停止する。以下、順次第3内筒1D、第4内筒1Eとスペーサ相互が係合して下降を停止し、最後に第5内筒1Fが下降する。勿論、ロックピン11の一部解除の場合この途中で伸長を止められる。
ワイヤー15とともに電力線・通信線もシーブを介して繰り出してゆく。この挿入ポスト部1の伸長・収縮態様は自動運転に適用される。
(表示部7での表示)
挿入ポスト部1の下降は運転画面300において、堆積物分布表示部321でバケット部位置326はマンホール開口位置325に一致して表示され、アーム・バケット絵表示部340でリンクアーム部4(342)が直線状、バケット部5(343)が閉状態に表示される。
ロックピン11の係合を順次段階的に第5内筒1Fから解除し、挿入ポスト部1を人孔P内に降下させる態様を採ることができる。
この場合、挿入ポスト1の第5内筒1Fはその自重により最初に降下し、次いでその内側の内筒1Eのロックピン11の係合を解除し、該内筒1Eを降下させ、以下順次内筒1D,1C,1Bを降下させていく。
この挿入ポスト1の伸長・収縮態様は手動にのみ適用されるものであって、自動運転には適用されない。
(4) 浚渫の開始
バケット部5が人孔Pの底部に溜まった土砂Qの上面に到達すると、その油圧シリンダー66を作動させてバケット本体60を開閉させ、人孔底部の土砂Qを掬い取る。しかる後、再び、ウインチ25の作動により挿入ポスト部1を収縮してバケット部5を上昇させ、地上にまで搬出する。このとき、挿入ポスト1の最内側の第5円筒体1Fが最初に引き上げられ、次いでその内側の第4円筒体1Eが上昇し、順次円筒体1D,1C,1Bが引き上げられる。
地上において、リンクアーム部4を油圧シリンダー56の作動により跳ね上げ、かつリンクアーム部4を旋回させ、バケット本体60を所定の位置に配したダンプトラック上に導き、バケット本体60の開放により浚渫土砂をダンプトラックに放出する。リンクアーム部4の旋回はリンクアーム部4自体の旋回、換言すれば操作盤8でのアームレバー170の操作、更には旋回台21を介しての架台部2の旋回、換言すれば操作盤8でのポストレバー160の操作による。しかる後、バケット部を閉じ、リンクアーム部4を元位置まで旋回し、かつ該リンクアーム部4を鉛直状態に戻す。
再び工程(3) に戻る。
以上を繰り返して浚渫を行う。
(表示部7での表示)
バケット部5の開閉は運転画面300でアーム・バケット絵表示部340のバケット部5(343)が開表示し、バケット部5を閉じると閉表示をなす。バケット部5の位置、深度は絵表示をもって堆積物分布表示部321でのバケット位置表示マーク326、バーグラフ表示部330でのバケット位置マーク332で移動状態を表示する。該バケット部5の深度、開度の数値はその数値表示部353、354に実時間で表示される。
地上部でのリンクアーム部4及びバケット部5の動作は絵表示部340に表示されるが、オペレータは目視作業をなすので、絵表示は格別重視されない。
浚渫が進行するに従い、自動運転画面300での浚渫状態表示部320の深度表示カラー表示部322のカラー表示に対応して堆積物分布表示部321のメッシュ323の色表示が変わり、掘削深さがわかる。また、バーグラフ表示部330では色表示部分331aが次第に下方に下がる。
(5) 浚渫範囲の拡大
挿入ポスト部1の直下の所定深さの土砂の浚渫が終了すると、掘削位置をずらし、リンクアーム部4の変位機能(前方跳ね出し変位、旋回変位)を利用して浚渫範囲を拡大する。すなわち、操作盤8のアームレバー170及びバケットレバー180の操作により、バケット部5はリンクアーム部4の鉛直状態(原点状態)からの跳出し変位、旋回変位によって平面位置を自在に変える。
(5a)跳ね出し変位
リンクアーム部4の油圧シリンダー56を作動させ、リンク機構によりリンクアーム部4を鉛直状態より前方に適宜角度だけ跳ね出し、次いで挿入ポスト部1の伸長をもってバケット部5を下降させる。この跳出しは人孔Pの下部Pbの拡径部においてなされる。このようにして前方への浚渫範囲を広げ、バケット本体60の開閉をもって掘削する。
図7の右方部はこの状態を示す。本実施形態では跳ね上げ角度は最大110°まで可能となっているが、通常は80°までが多用される。
バケット部5の引上げは、挿入ポスト部1を少しく上方へ引き上げ、油圧シリンダー56を伸長してリンクアーム部4を元の鉛直状態に戻し、しかる後、挿入ポスト部1を収縮し、地上部へ引き上げる。また、バケット部5の放出操作は(4) の工程に準じる。
(5b)旋回変位
リンクアーム部4の油圧モータ39を作動し、左右への旋回をなし、リンクアーム部4を左右に水平角度回動する。上記(5a)の工程とともになされ、挿入ポスト部1の伸縮動作とともにバケット部5及び地上への引上げをなす。
(5c)組合せ変位
上記(5a)の跳ね出し変位、(5b)の旋回変位を適宜に組み合わせ、掘削範囲の拡大がなされる。鉛直位置(原点又はゼロ点)より次第に遠ざかる動作を通常とするが、遠方位置より近傍位置への動作であってもよい。また、ランダムであってもよい。
(表示部7での表示)
浚渫動作につき、運転画面300においてアーム・バケット絵表示部340でリンクアーム部4(342)の跳ね上げ姿勢が表示され、またバケット部5(343)の開閉表示がなされる。浚渫状態表示部320でバケット部5の先端位置マーク326が平面位置を表示する。バケット部5の位置は更にバーグラフ表示部330でのバケット位置マーク332の上下動をもって確認される。リンクアーム部4の旋回角度、跳ね上げ角部の数値はその数値表示部351, 352に実時間で表示され、該バケット部5の深度、開度の数値はその数値表示部353、354に実時間で表示される。
浚渫状態(堆積土砂の状態)につき、浚渫が進行するに従い、自動運転画面300では浚渫状態表示部320の深度表示カラー表示部322のカラー表示に対応して堆積物分布表示部321のメッシュ323の色表示が変わり、掘削深さがわかる。また、バーグラフ表示部330では色表示部分331aが次第に下方に下がる。
オペレータはこれらの表示を見ながら浚渫作業を進める。
(6)
オペレータは操作盤8により本浚渫装置Sの作動を進行させ、浚渫面が所定深度に達したことを運転画面300で確認し、本浚渫施工は終了する。
挿入ポスト部1は地上部に引き上げられ、完全に収縮状態とされ、油圧シリンダー23を収縮して挿入ポスト部1を車輌H上に収納状態とする。
(表示部7の作用)
上記の浚渫作業において、表示部7において本浚渫装置Sの浚渫状態が絵表示及び数値表示をもって実時間で表示される。すなわち、表示画面120の設定画面200で初期値(人孔Pの諸元、堆積土砂Qの堆積状態)を入力した後、オペレータは運転画面300の表示を目視しつつ操作盤8をもって作業をなす。挿入ポスト部1・リンクアーム部4・バケット部5の位置情報、堆積土砂面の状態情報が表示画面120上に実時間で表示され、オペレータはこの浚渫状態を把握して操作盤8を介して浚渫装置Sの操作をなす。
本実施形態の表示画面120では、浚渫動作につき、運転画面300においてアーム・バケット絵表示部340でリンクアーム部4(342)の跳ね上げ姿勢が表示され、またバケット部5(343)の開閉表示がなされる。浚渫状態表示部320でバケット部5の先端位置マーク326が平面位置を表示する。バケット部5の位置は更にバーグラフ表示部330でのバケット位置マーク332の上下動をもって確認される。リンクアーム部4の旋回角度、跳ね上げ角部の数値はその数値表示部351, 352に実時間で表示され、該バケット部5の深度、開度の数値はその数値表示部353、354に実時間で表示される。
浚渫状態(堆積土砂の状態)につき、浚渫が進行するに従い、自動運転画面300では浚渫状態表示部320の深度表示カラー表示部322のカラー表示に対応して堆積物分布表示部321のメッシュ323の色表示が変わり、掘削深さがわかる。また、バーグラフ表示部330では色表示部分331aが次第に下方に下がる。
オペレータはこれらの表示を見ながら浚渫作業を進める。
(入力情報の変更)
上記したように、円形人孔、及び諸元情報A,B, C,D,Eを変更することにより、表示画面120はそれらの情報を取り込んで新たな情報(円形人孔の断面表示、堆積土砂面など)を表示し、オペレータは当該情報を参考にして操作を行う。
(自動運転作業)
本浚渫装置Sは上述したとおり自動運転機能を備え、オペレータが表示部7の表示画面120において自動運転命令を実行することにより、本浚渫装置Sは自動運転に入る。
(A)
自動運転に先立ち、原点設定がなされ、設定画面200において所定の数値( 人孔の諸元、堆積土砂)及びマンホール開口位置が入力される。
また、設定画面200において、ティーチング(マンホール方向α、進入角度β、中間位置、払出し位置)の入力もなされる。当該ティーチング入力の要領は、前記(2a)で述べたとおりである。
また、設定画面200において、掻取り方法の選択がなされる。当該掻取り方法の入力要領は、前記(2a)で述べたとおりである。なお、掻取り距離(深さ)の指定は設定深度の指定に代えて掻取り回数(命令サイクル)の指定とすることもできる。
(B)
運転画面300において、「運転準備」ボタン312がONされ、当該運転画面300の表示の確認がなされ、「手動/自動」切換えボタン317の「自動」が選択される。
(C)
運転画面300において、掻取位置ボタン316の三角ボタン部316aを操作して、堆積物分布表示部321の掻取位置327のマークを所望の位置に設定する。この掻取位置は浚渫の目標値であり、この目標値に基づいて以後の経路計算がなされる。
そして、自動運転の「開始」スイッチをONする。
(D)
挿入ポスト部1は原点位置として所定の準備姿勢(アーム角度0°、バケット閉、アーム旋回角度0°)を採り、次いでリンクアーム部4はティーチングで設定された進入角度βに旋回された後、人孔Pの開口部Oから人孔P内に鉛直に降下する(ステップS23〜ステップS35)。リンクアーム部4が人孔開口部Oの直下の人孔下部Pbにおいて、所定深度に達したとき、すなわち、バケット部5が堆積土砂Qの表面に到達する前に、かつリンクアーム部4が振り上げ可能な深度に達したとき、該挿入ポスト部1の降下は停止される(ステップS36)。
(E)
この状態でリンクアーム部4は旋回され、バケット部5をティーチングで設定されたマンホール方向に向け、このマンホール方向を基準としてバケット部5の平面位置を設定位置に合致するように計算処理し、リンクアーム部4を浚渫設定位置に向けて旋回するとともに所定角度に振り上げ、バケット部5を開く(ステップS37〜ステップS40)。
(F)
しかる後、挿入ポスト部1を再び下降させ、バケット部5を堆積土砂Qの表面にまで下降し、該バケット部5の閉動作をもって堆積土砂Qをつかみ取る。このとき、浚渫深度すなわち堆積土砂の表面深度が記憶され、この深度値が堆積物分布表示部321のメッシュ323の色表示を変える。更にはカラー表示部322、バーグラフ部330画面を変更する(ステップS41〜ステップS46)。
(G)
挿入ポスト部1は一定高さまで上昇した後、リンクアーム部4は鉛直状態になるまで振り下げられ、バケット部5はマンホール方向に向けられる(ステップS47〜ステップS51)。
次いで、リンクアーム部4は進入角度βまで旋回され、挿入ポスト部1は上昇され、バケット部5は地上部に引き上げられる(ステップS52〜ステップS55)。
(H)
地上部でリンクアーム部4・バケット部5は原点位置を採り、次いでリンクアーム部4はティーチングで入力された中間位置を採るよう振り上げられ、かつ旋回して所定位置にあるダンプトラック上にまで導かれる。リンクアーム部4は同じくティーチングで設定された払出し位置にくると、バケット部5は開となり、浚渫土砂を排出する(ステップS56〜ステップS64)。
(I)
バケット部5は所定時間(3秒間)の後、閉となり、上記(H) の逆動作をもって人孔の開口部Oに戻り、ここで原点位置を採る(ステップS65〜ステップS73)。
(J)
上記工程(D) 〜(I)のサイクルを繰り返し、設定深度まで浚渫をなしたとき、上記(I) の工程で停止し、これを1命令サイクルとして浚渫装置Sの作動は停止する(ステップS73,S74)。
(K)
再び、運転画面300で先の掻取位置と異なる掻取位置並びに掻取深さ又はサイクルを設定し(工程(C) 参照)、「開始」ボタンを押す。
以下、工程(C) 〜(J)を繰り返す。
このように本浚渫装置Sの自動運転機能により、1命令サイクル毎に人孔P内での浚渫及び地上部での積み込みが自動化され、施工の確実性が保証される。
(本実施形態の効果)
本浚渫装置Sによれば、多段に延びる挿入ポスト部1に油圧作動機器としてのリンクアーム部4及びバケット部5が配され、リンクアーム部4は挿入ポスト部1より跳上げ及び旋回可能となっているので、その下部の掘削バケット5の掘削範囲を拡大でき、かつ、排土においても自由に対応でき、大深度かつ大径の伏せ越し人孔の浚渫に良好に対処できる。
更に、下端に配される各油圧作動機器に油圧を供給する油圧動力部3が最深度に到達する最内側円筒体1Fに防水機構をもって収納されたものであるので、該油圧動力部3が常に作動機器の直近位置にあることになり、油圧変動を来たすことなく、作動機器へ油圧を供給することができる。このため、大深度においても確実な掘削作業が実施できる。また、油圧動力部3は防水ケース30の防水空間内に配されたものとなっており、下水中においても支障を来たすことなく運転ができる。
更に、中央可動柱には揚上・降下用のワイヤー15が止着され、該ワイヤー15の上下操作により可動柱相互の係合により、挿入ポスト部1の伸縮動作をなすものであり、単一のワイヤー操作のみで挿入ポスト1を伸縮でき、操作が簡単であり、かつ油圧機構等の複雑な構造を要さず、構造が簡単である。
本実施形態の表示部7によれば、本浚渫装置Sの浚渫状態が表示画面120において絵表示及び数値表示をもって実時間で表示される。すなわち、表示画面120の設定画面200で初期値(人孔Pの諸元、堆積土砂Qの堆積状態)を入力した後、オペレータは運転画面300の表示を目視しつつ操作盤8をもって作業をなす。挿入ポスト部1・リンクアーム部4・バケット部5の位置情報、堆積土砂面の状態情報が表示画面120上に実時間で表示され、オペレータはこの浚渫状態を一目瞭然に把握することができ、操作盤8を介して浚渫装置Sの動作を確認しつつ操作をなすことができる。
また、その自動運転によれば、浚渫バケット部5は、地上の人孔Pの開口部Oの直上位置より人孔P内に鉛直に進入され、該人孔P内の設定された浚渫位置に誘導されて浚渫した後、地上に引き上げられ、次いで地上部の払出し位置に誘導されて払い出した後、人孔Pの開口部Oの元位置に帰還する一連の作業が自動的になされる。
本発明は叙上の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能である。
S…大深度人孔用浚渫装置、P…伏越し人孔、O…開口部、Q…堆積土砂、1…挿入ポスト部(挿入手段)、2…起伏架台部、3…油圧動力部、4…リンクアーム部、5…掘削バケット部、7…表示部、8…操作盤、100,102,104,106…センサー、120…表示画面、130…掘削深度・旋回表示部、140…アーム角度表示部

Claims (6)

  1. 大深度の人孔内に挿入される長尺でかつ横方向への剛性を有する挿入手段の下端にリンクアームを介して浚渫バケットが装着され、該浚渫バケットをもって該人孔の底部の土砂を浚渫する浚渫バケット装置の表示装置であって、
    前記長尺の挿入手段は作動機器として伸縮をもって一軸方向に移動し、
    前記リンクアームは作動機器として前記挿入手段に対して旋回並びに跳ね上げ自在であり、
    前記浚渫バケットは作動機器として開閉動作をなし、
    前記挿入手段より深さ情報を、前記リンクアームより旋回並びに跳ね上げ角度情報を、前記浚渫バケットより開閉情報をそれぞれ実時間で検知し、
    別途入力される前記人孔の諸元情報並びに該人孔内の堆積土砂の深さ情報に基づき、前記検知情報との計算処理により、少なくとも堆積土砂の表面状態を平面画像として実時間で表示する、
    ことを特徴とする大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置。
  2. 浚渫バケットの平面位置を実時間で当該平面画像に表示する、請求項1に記載の大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置。
  3. 人孔の開口部位置を平面画像に表示する、請求項1又は2のいずれかに記載の大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置。
  4. 挿入手段、リンクアーム及び浚渫バケットの作動機器は自動運転される、請求項1ないし3のいずれかに記載の大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置。
  5. リンクアームの跳ね上げ状態及び浚渫バケットの開閉動作が絵表示される、請求項1ないし4のいずれかに記載の大深度人孔用浚渫バケット装置の表示装置。
  6. 大深度の人孔内に挿入される長尺の挿入手段の先端にリンクアームを介して浚渫バケットが装着され、該浚渫バケットをもって該人孔の底部の土砂を浚渫する浚渫バケット装置の運転方法であって、
    前記長尺の挿入手段は作動機器として一軸方向に移動し、
    前記リンクアームは作動機器として前記挿入手段に対して旋回並びに跳ね上げ自在であり、
    前記浚渫バケットは作動機器として開閉動作をなし、
    前記挿入手段より深さ情報を、前記リンクアームより旋回並びに跳ね上げ角度情報を、前記浚渫バケットより開閉情報をそれぞれ実時間で検知し、
    別途入力される前記人孔の諸元情報並びに該人孔内の堆積土砂の深さ情報に基づき、前記検知情報との計算処理により、少なくとも堆積土砂の表面状態を平面画像として実時間で表示し、
    当該平面画像に表示された堆積土砂の表面状態をモニター対象とし、手動操作される操作盤をもって前記作動機器を操作する、
    ことを特徴とする大深度人孔用浚渫バケット装置の運転方法。
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