JP2535639B2 - 深掘り掘削機の保安機構 - Google Patents

深掘り掘削機の保安機構

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JP2535639B2
JP2535639B2 JP2060734A JP6073490A JP2535639B2 JP 2535639 B2 JP2535639 B2 JP 2535639B2 JP 2060734 A JP2060734 A JP 2060734A JP 6073490 A JP6073490 A JP 6073490A JP 2535639 B2 JP2535639 B2 JP 2535639B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば土木工事、建築工事等において、そ
の直径に比べて極めて深い穴を掘り採る場合に用いる深
掘り掘削機に関し、特に、深掘り用のバケットを支える
ブームに損傷が起こるのを未然に防止することができる
深掘り掘削機の保安機構に関する。
〔従来の技術〕
従来より、土木工事、建築工事等においては、直径に
比べ深さが極めて深い穴を掘らなければならない場合が
あった。例えば、鉄塔を支えるアンカーの用の穴、浄化
槽の埋め込み用の穴、建物の基礎工事、井戸掘り工事等
の作業が挙げられる。このような深掘りの作業において
は、穴の直径が5m程度に対し、深さが15mないし20mとい
った深い穴を掘らざるを得ないものであった。
このような深掘り作業では、従来では伸縮する複数段
のブームを掘削機のアームに取り付け、最下段のブーム
の先端に、クラムシェルバケットを連結した深掘り掘削
機が盛んに用いられていた。この深掘り掘削機の構造で
は、その殆どがアームの先端に取り付けられた伸縮ブー
ムによって構成されている。この伸縮ブームは、二段以
上の複数段のブームによってテレスコピック状に組合さ
れており、伸縮ブームの先端でバケットを深い穴の底ま
で吊り下げるような構成となっているのが特徴であっ
た。
しかしながら、このような構成の深掘り掘削機ではク
ラムシェルバケットを穴の深い位置まで吊り下げなけれ
ばならないため、伸縮ブームの構造は側面方向からの応
力に対して極めて脆弱に形成されていた。従って、クラ
ムシェルバケットを穴の中に入れたまま不注意で車体を
移動させたり、アームを旋回させることで、掘り取った
穴の側壁にクラムシェルバケットが衝突することがしば
しばあった。
前述のように、伸縮ブームは複数の径の異なるブーム
をテレスコピック状に組み立ててあることから、長さ方
向の引っ張り力は強くても、横方向からの衝撃力には極
めて弱く、バケットが穴の側壁に衝突することにより、
伸縮ブームが変形する原因の一つとなっていた。
この伸縮ブームが横方向からの力で変形すると、テレ
スコピック状に組み立てた伸縮ブームがその長さ方向に
スムースに伸縮せず、故障の原因となるばかりか、作業
が中断してしまうことになり、作業の効率化が図れない
ものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の深掘り掘削機では、クラムシェルバケットを伸
縮ブームで吊り下げるという構造上、ブームの側面方向
からの力により変形し易いという致命傷を負っているも
のであった。このため、伸縮ブームが変形する前に、掘
削機の操作を停止させて、変形を未然に防止する機構の
開発が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の深掘り掘削機の保安機構は上述の欠点に鑑
み、移動できる車体と、この車体の上部で水平方向に旋
回可能に載置された作業台と、この作業台の上部前面に
その下端を上下方向に揺動できるように軸支されたアー
ムと、このアームと前記作業台との間に介在させた俯角
調整用油圧シリンダーと、このアームの先端で上下方向
に回動できるように軸支され、その長さ方向に伸縮でき
るテレスコピック状をした伸縮ブームと、アームと伸縮
ブームの間に介在させた角度調整用油圧シリンダーと、
伸縮ブームの内部に収納されて複数のブームをその長さ
方向に伸縮の動作をさせる伸縮用油圧シリンダーと、前
記伸縮ブームの先端にあるブームに取り付けられて土砂
を掴み採ることが出来るバケットと、バケットを開閉動
させる開閉用油圧シリンダーとを有する深掘り掘削機に
おいて、油圧シリンダーの油圧回路に設けられて、圧力
油の変化を検知する検知機構と、この検知機構からの信
号によって解除信号を出力する衝撃判別回路と、衝撃判
別回路からの信号により、作業台を車体に対して旋回さ
せる旋回作動機構と車体を移動させる駆動機構の操作機
能を停止させる停止機構とを備えたことを特徴とするも
のである。
また、望ましくは、前記検知機構は、俯角調整用油圧
シリンダーの伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介在
させた圧力センサーであることを特徴とする。
また、望ましくは、前記検知機構は、角度調整用油圧
シリンダーの伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介在
させた圧力センサーであることを特徴とする。
また、望ましくは、前記検知機構は、伸縮用油圧シリ
ンダーの伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介在させ
た圧力センサーであることを特徴とする。
また、望ましくは、前記検知機構は、開閉用油圧シリ
ンダーの伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介在させ
た圧力センサーであることを特徴とする。
さらに、前記停止機構は、旋回作動機構の油圧回路と
駆動機構の油圧回路にそれぞれ設けた切換弁と、制御回
路と各切換弁の間にそれぞれ介在されて両者の信号の伝
達を停止させる解除回路から構成されたことを特徴とす
る。
そして、本発明の深掘り掘削機の保安機構では、移動
できる車体と、この車体の上部で水平方向に旋回可能に
載置された作業台と、この作業台の上部前面にその下端
を上下方向に揺動できるように軸支されたアームと、こ
のアームと前記作業台との間に介在させた俯角調整用油
圧シリンダーと、このアームの先端で上下方向に回動で
きるように軸支され、その長さ方向に伸縮できるテレス
コピック状をした伸縮ブームと、アームと伸縮ブームの
間に介在させた角度調整用油圧シリンダーと、伸縮ブー
ムの内部に収納されて複数のブームをその長さ方向に伸
縮の動作をさせる伸縮用油圧シリンダーと、前記伸縮ブ
ームの先端にあるブームに取り付けられて土砂を掴み採
ることが出来るバケットと、バケットを開閉動させる開
閉用油圧シリンダーとを有する深掘り掘削機において、
伸縮ブームの少なくとも一つ以上のブームに固定され、
ブームの歪みを電気的な信号で検知するストレインゲー
ジと、このストレインゲージからの信号によって解除信
号を出力する衝撃判別回路と、衝撃判別回路からの信号
により、作業台を車体に対して旋回させる旋回作動機構
と車体を移動させる駆動機構の操作機能を停止させる停
止機構とを備えたことを特徴とする。
〔作用〕
本発明では、深掘り掘削機の油圧シリンダーの油圧回
路に圧力油の変化を検知する検知機構を設けてあり、バ
ケットを穴の中に挿入したままで車体を移動させたり、
若しくは、アームを旋回させたりして、バケットが穴の
側壁に衝突させると、その衝撃は油圧回路の圧力油の変
化となる。この圧力油の変化を検知機構で検出し、車体
を移動させたり、作業台を旋回させる操作機能を強制的
に停止させることができる。
このため、バケットが穴の側壁に衝突すると、制御回
路からの指令によってはに車体の移動と作業台の旋回の
制御ができなくなり、作業員はバケットが側壁に衝突し
て、伸縮ブームの変形する原因があったことを知ること
ができる。こうして、伸縮ブームの損傷や変形を未然に
防止して、安全に掘削機を制御させることにより、ブー
ムの変形や故障による工事の中断や修理を回避させるこ
とが出来るものである。
また、検知機構は俯角調整用油圧シリンダー、角度調
整用油圧シリンダー、伸縮用油圧シリンダー、開閉用油
圧シリンダーの伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介
在させた圧力センサーにより行うことができるので、機
構が簡易となる。そして、圧力油の変化を油圧シリンダ
ーの接続部分で直接検知することができるので、衝撃を
確実に検知することができる。
そして、停止機構は、旋回作動機構の油圧回路と駆動
機構の油圧回路にそれぞれ設けた切換弁と、制御回路と
各切換弁の間にそれぞれ介在されて両者の信号の伝達を
停止させる解除回路から構成されており、制御回路から
の信号を遮断することができる。このため、掘削機を操
縦している作業員が無理に操作レバーを操縦しても、強
制的にその制御を停止させることができる。
さらに、本発明では、伸縮ブームに加えられた衝撃を
検知するために、ブームには、ブームの歪みを電気的な
信号で検知するストレインゲージを設けている。この機
構では、伸縮ブームに加えられた応力でブームが変形
し、その変形をストレインゲージで電気的に検出するこ
とができ、機構が簡易となり、安価に製造することがで
きる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
本実施例においては、地表より下部方向に向けて垂直
な深い穴を掘り、建造物の基礎工事や埋設工事に利用す
るための深掘り掘削機について実施例を説明している。
車体1の左右にはそれぞれ無限軌道(クローラー)2
が巻き付けてあり、この無限軌道2により車体1は前後
左右に自由に移動することができる。この車体1の上面
には、作業台3が水平方向に360度自由に旋回できるよ
うに設置してあり、この作業台3の上部前方にはやや
『ク』の字形に折り曲げたアーム4の下端が上下方向に
揺動できるように軸支してある。このアーム4の中央と
前記作業台3の前面との間には、仰角制御用の油圧シリ
ンダー5が介在させてある。
そして、アーム4の先端には、断面がやや四角形状を
した案内体6がピン7によって回動自在に連結させてあ
る。この案内体6は上下に四角形の開口を貫通形成させ
てある。このアーム4と案内体6との間には、角度調整
用の油圧シリンダー8が介在させてあり、この案内体6
の上面には油圧モーター等を収納した作動機構9が載置
固定してある。この案内体6に貫通形成した開口には、
断面四角形の細長い直線状をした伸縮ブーム10がその長
さ方向に進退できるように挿通してある。
そして、この伸縮ブーム10の下端には、クラムシェル
バケット11がピン12によって連結させてある。このクラ
ムシェルバケット11は従来から周知の構造のものであ
り、その下部左右にはバケット11を取り付けてあり、こ
のバケット11は油圧シリンダー13によって左右に開閉動
されるようになっている。
次に、第2図は前記作動機構9の内部の構造を示した
ものであり、一部はスケルトンで示してある。
前記作動機構9内には、案内体6の表面と平行に軸20
が回転自在に軸支してあり、この軸20の中央にはピニオ
ン21が固定してあり、軸20の一端には、油圧モーター22
が連結してある。そして、前記伸縮ブーム10の上面の中
央にはその長さ方向に沿ってラック23が固定してあり、
このラック23と前記ピニオン21とは常時噛み合わせてあ
る。
次に、第3図、第4図は前記伸縮ブーム10の内部の構
造を示すものである。
この伸縮ブーム10は、外形がそれぞれ異なった元ブー
ム31、中ブーム32、先ブーム33から構成されており、元
ブーム31の内部には、中ブーム32が摺動自在に挿通され
ており、中ブーム32の内部には、先ブーム33が摺動自在
に挿通されている。そして、中ブーム32の先端(図中左
側)には、プーリー34が軸支してあり、一端を元ブーム
31の底に連結した同調ワイヤー35はこのプーリー34でそ
の方向を転換され、同調ワイヤー35の他端は先ブーム33
の底部に連結されている。また、前記中ブーム32の後端
(図中右側)にはプーリー36が軸支されており、このプ
ーリー36には一端を元ブーム31の先端に連結し、他端を
先ブーム33の後端に連結した同調ワイヤー37が巻き回し
てある。
そして、前記先ブーム33の内部中央には取付台38が固
定してあり、この取付台38には油圧シリンダー39が固定
してある。この油圧シリンダー39には、油圧の作動力に
よって進退できるシリンダーロッド40が設けてあり、こ
のシリンダーロッド40の軸線は前記先ブーム33の軸線と
平行に位置させてある。そして、シリンダーロッド40の
両端にはそれぞれプーリー41、42が軸支してあり、先ブ
ームの内部であってその先端と後端には、それぞれプー
リー43、44が軸支してある。また、引込みワイヤー45の
一端は先ブーム33の先端に連結してあり、プーリー41を
介して反転され、さらにプーリー44によって逆方向に転
換され、この引込みワイヤー45の他端には前記中ブーム
32の内部後端に連結されている。また、前記先ブーム33
の後端下部にはプーリー46が軸支してあり、押し出しワ
イヤー47の先端が先ブーム33の内部後端に連結されてお
り、プーリー42によって反転されるてプーリー44の外周
と接触し、さらにプーリー46によってその方向が転換さ
れている。次いで、押し出しワイヤー47は先ブーム33の
外側に引き出され、この押し出しワイヤー47の他端は、
中ブーム32の先端に接続されている。
次に、第5図は本実施例における制御系を説明したも
のである。
圧力油を貯蔵する油タンク51には油ポンプ53の吸引側
が接続してあり、この油ポンプ53はエンジン52によって
駆動されている。この油ポンプ53の吐出側には電磁弁5
4、55、56がそれぞれ接続されており、電磁弁54、55、5
6の一方はドレインとなって油タンク51に回収されてい
る。そして、前記電磁弁54には車体1に対して作業台3
を回転させる油圧モーター57が接続してあり、電磁弁55
には左側の無限軌道2を回転させる油圧モーター58が接
続してあり、電磁弁56には右側の無限軌道2を回転させ
る油圧モーター59が接続してある。
次に、車体1のキャビンの内部には作業員が操作でき
る制御機構が収納されており、無限軌道2を操作するた
めの走行レバー62、63と、車体1に対して作業台3を旋
回させるための旋回レバー65が設けてある。この走行レ
バー62、63の操作によって制御されるスイッチ60、61の
出力は制御回路66に接続されており、旋回レバー65によ
って操作されるスイッチ64の出力も制御回路66に接続さ
れている。
この制御回路66の出力は、一時的に回路を開成させて
信号の伝達を中止する解除回路71、72、73、74、75、76
にそれぞれ接続されており、解除回路71、72は前記電磁
弁54のコイルに接続されており、解除回路73、74は前記
電磁弁55のコイルに接続されており、解除回路75、76は
前記電磁弁56のコイルに接続されている。
なお、前記油圧シリンダー5、8、13、39は第5図中
においてはそれらの油圧配管系を省力して図示してあ
る。
これらの油圧シリンダー5、8、13、39の伸縮側と縮
小側のそれぞれの油圧配管の途中には、圧力センサー8
0、81、82、83、84、85、86、87が設けてあり、これら
の圧力センサー80から87は油圧配管中における衝撃的な
圧力油の変動を検出するものである。そして、これらの
油圧センサー80から87の出力は衝撃判別回路88に接続さ
れており、衝撃判別回路88からの出力は解除回路71から
76にそれぞれ出力されている。
次に、本実施例の作用を説明する。
車体1に内蔵したエンジン52によって油ポンプ53を駆
動させると、油タンク51より吸引された圧力油は油圧シ
リンダー5、8、13、39及び電磁弁54、55、56を介して
油圧モーター57、58、59にそれぞれ伝えられ、従来周知
の掘削機の動作を行わせることができる。
ここで油圧シリンダー5を作動させるとアーム4が上
下に揺動し、油圧シリンダー8を制御すると伸縮ブーム
10が上下に揺動し、伸縮ブーム10を水平位置から垂直位
置に移動させ、伸縮ブーム10を穴内で立ち上げさせるこ
とができる。また油圧モーター22を駆動させるとピニオ
ン21が回転し、このピニオン21がラック23と噛み合って
いることから、案内体6内で伸縮ブーム10を移動させ、
案内体6より伸縮ブーム10を下方に押し下げるさせるこ
とができる。
これらの一連の動作を第6図によって説明すると、伸
縮ブーム10−Aが水平にる状態から、バケット11を深穴
Xの奥にまで挿入する場合には、油圧シリンダー5、
8、39及び油圧モーター22をそれぞれ協同して作動させ
ることにより、クラムシェルバケット11を地表より、深
穴Xの内部に順次繰り入れさせることができる。
まず、伸縮ブーム10−Aが水平に位置するときには、
伸縮ブーム10−Aの先端は案内体6に接近しており、か
つ、油圧シリンダー8は縮小させておく。次に、バケッ
ト11を穴Xに挿入する場合には、油圧シリンダー8を徐
々に伸ばすと共に、油圧シリンダー5を縮小させ、アー
ム4−Aを徐々に下降させ、アーム4−B方向に降下さ
せる。すると、バケット11−Aは穴Xの開口よりその内
部に挿入され、ブームA−10は傾斜しながら伸縮ブーム
10−Bで示すように傾斜しながらその先端部を穴Xの上
部開口から挿入されることになる。
この傾斜の動作と同時に油圧モーター21を駆動させる
と、案内体6に対して伸縮ブーム10が移動し、伸縮ブー
ム10−Bで示すように、案内体6に対して少し移動する
ように下方に向けられる。そして、これらの動作をそれ
ぞれ油圧シリンダー5、8、油圧モーター21を協同させ
て動作させると、最初の位置にある伸縮ブーム10−A
は、次いで伸縮ブーム10−Bの位置に変化し、最終的に
は伸縮ブーム10−Cで示されるように穴Xに対して垂直
に移動することになる。こうして、クラムシェルバケッ
ト11−Aを穴Xの開口端より挿入し、11−Cの位置にま
で吊り下げながら移動させることになる。
次に、伸縮ブーム10−Cを伸ばして、クラムシェルバ
ケット11−Cを穴Xの更に下方に挿入する場合に付いて
説明する。
このクラムシェルバケット11−Cを穴Xの下方に押し
動するには、油圧シリンダー39によって行わせる。
まず、油圧シリンダー39が作動するとシリンダーロッ
ド40は第4図中でD方向に移動し、プーリー42を移動さ
せる。これにより、押し出しワイヤー47はその長さが短
縮され、先ブーム33の内部方向に引き込まれることにな
る。このため、先ブーム33は中ブーム32より引き出さ
れ、第3図、第4図中において左方向に移動することに
なる。
先ブーム33が中ブーム32より引き出されると、先ブー
ム33の後端に接続してある同調ワイヤー37は移動し、プ
ーリー36を回転させながら中ブーム32を元ブーム31に対
して図中左方向に押し出すように作用する。このため、
油圧シリンダー39に設けられたシリンダーロッド40は図
中D方向移動し、先ブーム33、中ブーム32は同時に移動
し、そらぞれが同じ方向を向いて、第3図、第4図中で
左方向に移動することになる。これらの動作により、ブ
ームはテレスコピック状に伸長し、第3図の状態から第
4図の状態に変化し、その全長が長くなる。従って、先
ブーム33の先端に連結したクラムシェルバケット11は、
深く掘り下げられた穴Xの内部に向かうように更に深い
位置にまで押し下げられることになる。
こうして、クラムシェルバケット11が穴Xの内部に降
下された状態において、作業員が移動レバー62、63若し
くは旋回レバー65を操作し、車体1を穴Xに対して前後
に移動されるか、もしくは車体1をそのままの状態にし
て、作業台3を旋回させようとすることもある。このよ
うな操作を行うと、穴Xの側壁にクラムシェルバケット
11が衝突することにならざるを得ない。
例えば、クラムシェルバケット11−Cが穴Xの内部で
移動し、第6図中においてG方向に移動することで側壁
に衝突することになる。すると、このクラムシェルバケ
ット11−Cを支える伸縮ブーム10、アーム4のそれぞれ
には衝撃が伝えられることになり、この衝撃力はそれぞ
れ油圧シリンダー5、8、13、39にも同時に加えられる
ことになる。このため、各油圧シリンダー5、8、13、
39の伸長側または縮小側の油圧配管に接続された圧力セ
ンサー80から87のいずれかは圧力油の衝撃的な変動を検
知することになる。この検知の信号は衝撃判別回路88に
伝えることになる。
衝撃判別回路88では、圧力センサー80から87の信号に
よって衝撃力の大きさを判断し、クラムシェルバケット
11−CがG方向に移動して、穴Xの側壁と接触したと判
定したならば、解除信号を各解除回路71から76に伝える
ことになる。解除回路71から76に解除信号が伝えられる
と、制御回路66から各電磁弁54、55、56に伝えられてい
る制御信号の伝達は解除され、電磁弁54、55、56は中立
の状態に復帰し、油圧モーター57、58、59の動作は停止
する。すると、制御用のレバー62、63、65を操作しても
各油圧モーター57、58、59は何ら動作することができな
くなり、その状態で停止することになる。この一時停止
の動作があれば、作業員はクラムシェルバケット11−C
が穴Xに衝突したことを判断し、図示しない一時停止解
除機構で解除回路71から76を復帰させるまで操作するこ
とができない。
この一連の動作によって、クラムシェルバケット11に
大きな衝撃力が与えられることが無くなり、停止の状態
で保持されるので、伸縮ブーム10には変形するまでの大
きな力が加えられない。このため、衝撃力による伸縮ブ
ーム10の故障、変形などの損傷を未然に防止させること
ができる。
なお、クラムシェルバケット11によって土砂を掘り取
った後で、伸縮ブーム10を縮小させてクラムシェルバケ
ット11を穴Xの上方に引き上げる動作を説明する。
まず、油圧シリンダー39を前述とは逆方向に作用させ
るように油圧を加える。すると、シリンダーロッド40が
第3図中E方向に移動し、連結したプーリー41を図中右
方向に移動させる。このためプーリー41に巻き廻してあ
る引込みワイヤー45は先ブーム33内に向くように引き寄
せられ、先ブーム33を中ブーム32の内部に移動させるよ
うに作用する。この先ブーム33が中ブーム32の内部に移
動すると、同時に同調ワイヤー35も中ブーム32の内部に
引き込まれる。この同調ワイヤー35の作用でプーリー34
が押し動されることから、中ブーム32は元ブーム31の内
部方向に移動させられることになる。このため、伸縮ブ
ーム10の全体は縮小し、クラムシェルバケット11は穴X
の底より引き上げられることになる。
そして、前述とは逆に油圧シリンダー5、8、油圧モ
ーター21をそれぞれ逆に協同させて動作させることによ
り、伸縮ブーム10−Cの状態から伸縮ブーム10−Bの状
態になるように引上げ、最終的には伸縮ブーム10−Aの
状態になるまで水平な位置にまで持ち上げさせ、一連の
掘削の作業が終了する。
次に、第7図は、本発明の他の実施例を示すものであ
る。
前述のように、クラムシェルバケット11に対して衝撃
が与えられたことを検知する手段として、第一の実施例
では油圧シリンダーにおける油圧回路の圧力油の変化を
検出していたが、第7図の第二の実施例では伸縮ブーム
10に加えられた応力を電気変化として検出することで行
っている。
まず、中ブーム32と先ブーム33の側面には、それぞれ
ストレインジゲージ90、91を固定しておき、このストレ
インジゲージ90、91の出力はそれぞれ衝撃判別回路88に
接続させている。
この実施例では、バケット11が穴Xの側壁に衝突する
と、中ブーム32、先ブーム33の本体には変形力が発生
し、この変形の衝撃はストレインジゲージ90、91によっ
て検出される。そして、このストレインジゲージ90、91
の出力を衝撃判別回路88が検知して判断することによ
り、油圧制御回路における電磁弁54、55、56の制御を停
止させ、掘削機の操作上における誤操作を判断させる。
〔発明の効果〕
本発明は上述のように構成したので、深掘り掘削機の
油圧シリンダーの油圧回路に圧力油の変化を検知する検
知機構を設けてあり、バケットを穴の中に挿入したまま
で車体を移動させたり、若しくは、アームを旋回させた
りして、バケットが穴の側壁に衝突させると、その衝撃
は油圧回路の圧力油の変化となる。この圧力油の変化を
検知機構で検出し、車体を移動させたり、作業台を旋回
させる操作機能を強制的に停止させることができる。
このため、バケットが穴の側壁に衝突すると、制御回
路からの指令によってはに車体の移動と作業台の旋回の
制御ができなくなり、作業員はバケットが側壁に衝突し
て、伸縮ブームの変形する原因があったことを知ること
ができる。こうして、伸縮ブームの損傷や変形を未然に
防止して、安全に掘削機を制御させることにより、ブー
ムの変形や故障による工事の中断や修理を回避させるこ
とが出来るものである。
また、検知機構は俯角調整用油圧シリンダー、角度調
整用油圧シリンダー、伸縮用油圧シリンダー、開閉用油
圧シリンダーの伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介
在させた圧力センサーにより行うことができるので、機
構が簡易となる。そして、圧力油の変化を油圧シリンダ
ーの接続部分で直接検知することができるので、衝撃を
確実に検知することができる。
そして、停止機構は、旋回作動機構の油圧回路と駆動
機構の油圧回路にそれぞれ設けた切換弁と、制御回路と
各切換弁の間にそれぞれ介在されて両者の信号の伝達を
停止させる解除回路から構成されており、制御回路から
の信号を遮断することができる。このため、掘削機を操
縦している作業員が無理に操作レバーを操縦しても、強
制的にその制御を停止させることができる。
さらに、本発明では、伸縮ブームに加えられた衝撃を
検知するために、ブームには、ブームの歪みを電気的な
信号で検知するストレインゲージを設けている。この機
構では、伸縮ブームに加えられた応力でブームが変形
し、その変形をストレインゲージで電気的に検出するこ
とができ、機構が簡易となり、安価に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である深掘り掘削機の外観を
示す斜視図、第2図は同上の作動機構の内部構成を示す
スケルトン図、第3図はブームを縮小させた場合におけ
る伸縮ブームの内部を示す断面図、第4図は伸縮ブーム
を伸長した状態を示す断面図、第5図は油圧制御回路お
よび衝撃判別機構を示す制御回路図、第6図は深掘りの
動作を示す説明図、第7図は本発明の他の実施例を示す
説明図である。 1……車体、4……アーム、5、8、13、39……油圧シ
リンダー、10……伸縮ブーム、11……バケット、31……
元ブーム、32……中ブーム、33……先ブーム、80、81、
82、83、84、85、86、87……油圧センサー、88……衝撃
判別回路、90、91……ストレインゲージ。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動できる車体と、この車体の上部で水平
    方向に旋回可能に載置された作業台と、この作業台の上
    部前面にその下端を上下方向に揺動できるように軸支さ
    れたアームと、このアームと前記作業台との間に介在さ
    せた俯角調整用油圧シリンダーと、このアームの先端で
    上下方向に回動できるように軸支され、その長さ方向に
    伸縮できるテレスコピック状をした伸縮ブームと、アー
    ムと伸縮ブームの間に介在させた角度調整用油圧シリン
    ダーと、伸縮ブームの内部に収納されて複数のブームを
    その長さ方向に伸縮の動作をさせる伸縮用油圧シリンダ
    ーと、前記伸縮ブームの先端にあるブームに取り付けら
    れて土砂を掴み採ることが出来るバケットと、バケット
    を開閉動させる開閉用油圧シリンダーとを有する深掘り
    掘削機において、 油圧シリンダーの油圧回路に設けられて、圧力油の変化
    を検知する検知機構と、この検知機構からの信号によっ
    て解除信号を出力する衝撃判別回路と、衝撃判別回路か
    らの信号により、作業台を車体に対して旋回させる旋回
    作動機構と車体を移動させる駆動機構の操作機能を停止
    させる停止機構とを備えたことを特徴とする深掘り掘削
    機の保安機構。
  2. 【請求項2】前記検知機構は、俯角調整用油圧シリンダ
    ーの伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介在させた圧
    力センサーであることを特徴とする請求項1記載の深掘
    り掘削機の保安機構。
  3. 【請求項3】前記検知機構は、角度調整用油圧シリンダ
    ーの伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介在させた圧
    力センサーであることを特徴とする請求項1記載の深掘
    り掘削機の保安機構。
  4. 【請求項4】前記検知機構は、伸縮用油圧シリンダーの
    伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介在させた圧力セ
    ンサーであることを特徴とする請求項1記載の深掘り掘
    削機の保安機構。
  5. 【請求項5】前記検知機構は、開閉用油圧シリンダーの
    伸長側と縮小側の油圧回路にそれぞれ介在させた圧力セ
    ンサーであることを特徴とする請求項1記載の深掘り掘
    削機の保安機構。
  6. 【請求項6】前記停止機構は、旋回作動機構の油圧回路
    と駆動機構の油圧回路にそれぞれ設けた切換弁と、制御
    回路と各切換弁の間にそれぞれ介在されて両者の信号の
    伝達を停止させる解除回路から構成されたことを特徴と
    する請求項1記載の深掘り掘削機の保安機構。
  7. 【請求項7】移動できる車体と、この車体の上部で水平
    方向に旋回可能に載置された作業台と、この作業台の上
    部前面にその下端を上下方向に揺動できるように軸支さ
    れたアームと、このアームと前記作業台との間に介在さ
    せた俯角調整用油圧シリンダーと、このアームの先端で
    上下方向に回動できるように軸支され、その長さ方向に
    伸縮できるテレスコピック状をした伸縮ブームと、アー
    ムと伸縮ブームの間に介在させた角度調整用油圧シリン
    ダーと、伸縮ブームの内部に収納されて複数のブームを
    その長さ方向に伸縮の動作をさせる伸縮用油圧シリンダ
    ーと、前記伸縮ブームの先端にあるブームに取り付けら
    れて土砂を掴み採ることが出来るバケットと、バケット
    を開閉動させる開閉用油圧シリンダーとを有する深掘り
    掘削機において、 伸縮ブームの少なくとも一つ以上のブームに固定され、
    ブームの歪みを電気的な信号で検知するストレインゲー
    ジと、このストレインゲージからの信号によって解除信
    号を出力する衝撃判別回路と、衝撃判別回路からの信号
    により、作業台を車体に対して旋回させる旋回作業機構
    と車体を移動させる駆動機構の操作機能を停止させる停
    止機構とを備えたことを特徴とする深掘り掘削機の保安
    機構。
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