以下に、本発明に係る表示制御装置、表示制御システム及びコンピュータプログラムについて、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
以下に、実施形態1に係る表示制御システムについて説明する。図1は実施形態1の表示制御システムの構成例を示す模式図である。本実施形態1の表示制御システム100は、複数の画像表示装置2,2と、画像表示装置2,2のそれぞれに画像情報を伝送して表示させる表示制御装置1とを備える。表示制御装置1と画像表示装置2,2とは、例えば、VGA(Video Graphics Array),DVI(Digital Visual Interface)等の規格に従った映像ケーブル100a,100aと、USB(Universal Serial Bus)、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の規格に従った汎用ケーブル100b,100bとを介して接続されている。
画像表示装置2,2は、映像ケーブル100a,100aを介して表示制御装置1から伝送されてくる画像情報を取得し、取得した画像情報に基づく画像を画像表示部22,22に表示させる。また、画像表示装置2,2は、汎用ケーブル100b,100bを介して、表示制御装置1との間でデータのやり取りを行なう。
画像表示装置2,2は、画像表示部22,22を支持する支持部材2a,2aを有しており、画像表示部22,22は、支持部材2a,2aに対して、図1中の矢符で示す方向に回転できるように構成されている。なお、画像表示部22,22は、支持部材2a,2aに固定され、支持部材2a,2aと共に回転可能に構成されていてもよい。
また、画像表示装置2,2は、図1中の上側に示した画像表示装置2の状態を、画像表示部22が正面を向いている状態とし、この状態を基準として、画像表示部22の回転角度(0°〜360°)を検知する回転角度センサ24(図2参照)を備えている。そして、画像表示装置2,2は、回転角度センサ24によって検知した回転角度を汎用ケーブル100bを介して表示制御装置1へ伝送する。本実施形態1の表示制御装置1は、画像表示装置2,2から送られてくる回転角度に応じて、画像表示装置2,2に表示させる画像情報を制御する。
図2は実施形態1の表示制御システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態1の画像表示装置2は、制御部20、記憶部21、画像表示部22、回転駆動部23、回転角度センサ24、操作部25、通信インタフェース26等を備える。上述したハードウェア各部は、バスを介して相互に接続されている。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、マイクロコンピュータ等である。制御部20は、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、記憶部21に格納されている制御プログラムを適宜実行する。
具体的には、制御部20は、映像インタフェース26aが取得した表示制御装置1からの画像情報を画像表示部22へ伝送する処理、回転角度センサ24によって検知された画像表示部22の回転角度を読み取る処理等を行なう。また、制御部20は、記憶部21に対してデータを読み書きする処理、汎用インタフェース26bが表示制御装置1へ伝送する各種のデータを各部から取得して汎用インタフェース26bへ伝送する処理等を行なう。
記憶部21は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュROM、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部21は、画像表示装置2を動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部20による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ等を記憶する。また、記憶部21は、自身の画像表示装置2を識別するための固有の識別情報を記憶する。識別情報としては、例えば、画像表示装置2に割り振られている型番、製品番号等の識別番号、画像表示装置2のユーザによって予め設定された固有の情報等を用いることができる。
画像表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置である。画像表示部22は、映像インタフェース26aが表示制御装置1から取得した画像情報を取得し、取得した画像情報に基づいて画像を表示する。
回転駆動部23は、画像表示部22を支持部材2aに対して、図1中の矢符で示す方向に回転させる。なお、本実施形態1では、画像表示装置2のユーザ(閲覧者)が手動で画像表示部22を回転させることを想定しており、回転駆動部23は、このようなユーザによる画像表示部22の回転を補助するものである。しかし、例えば、画像表示装置2を遠隔から操作できるように構成した場合に、ユーザが遠隔から行なった画像表示部22の回転指示に従って、回転駆動部23が自動的に画像表示部22を回転させるようにしてもよい。
回転角度センサ(検知部)24は、画像表示部22が画像表示装置2の正面を向いている状態を0°とし、この状態からの画像表示部22の回転角度を検知する。回転角度センサ24は、検知した回転角度を制御部20に通知する。
操作部25は、電源ボタン、画質を調整するためのキー等、ユーザが画像表示装置2を操作するために必要な操作ボタンを備えている。ユーザにより各操作ボタンが操作された場合、操作部25は操作された操作ボタンに対応した制御信号を制御部20へ送出し、制御部20は操作部25から取得した制御信号に対応した処理を実行する。なお、画像表示装置2が、表示制御装置1から伝送されてくる画像情報を画像表示部22に表示させる動作のみを行なう構成であれば、複雑な操作機構は必要ない。一方、画像表示装置2が複雑な動作を行なう構成であれば、例えば、マウス、キーボード、タブレット等のように、画像表示装置2が備えるユーザインタフェースを利用できる機構を備えてもよい。
通信インタフェース(出力部)26は、映像インタフェース26a及び汎用インタフェース26bを備える。映像インタフェース26aは、映像ケーブル100aに接続するためのインタフェースであり、映像ケーブル100aを介して表示制御装置1から画像情報を取得する。汎用インタフェース26bは、汎用ケーブル100bに接続するためのインタフェースであり、汎用ケーブル100bを介して表示制御装置1との間でデータのやり取りを行なう。汎用インタフェース26bは、例えば、記憶部21に記憶されている画像表示装置2の識別情報、回転角度センサ24が検知した画像表示部22の回転角度等を表示制御装置1へ送出する。
一方、表示制御装置1は、制御部10、記憶部11、通信インタフェース12等を備える。上述したハードウェア各部は、バスを介して相互に接続されている。
制御部10は、CPU、MPU、ASIC、FPGA、マイクロコンピュータ等であり、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、記憶部11に格納されている制御プログラムを適宜実行する。
具体的には、制御部10は、画像表示装置2,2から伝送されてくる識別情報及び回転角度を汎用インタフェース12bによって取得する処理、画像表示装置2,2のそれぞれへ伝送する画像情報を決定する処理、決定した画像情報を映像インタフェース12aから画像表示装置2,2のそれぞれへ伝送する処理等を行なう。
記憶部11は、EEPROM、フラッシュROM、HDD等である。記憶部11は、本実施形態1の表示制御装置1を、本発明の表示制御装置として動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ等を記憶する。また、記憶部11は、画像表示装置2,2へ伝送するための複数の画像情報、図3に示すような表示画像テーブル11a、画像表示装置2,2に関する情報である表示装置情報11b等を記憶する。
通信インタフェース12は、映像インタフェース12a及び汎用インタフェース12bを備える。映像インタフェース12aは、映像ケーブル100aに接続するためのインタフェースであり、映像ケーブル100aを介して画像表示装置2へ画像情報を伝送する。汎用インタフェース12bは、汎用ケーブル100bに接続するためのインタフェースであり、汎用ケーブル100bを介して画像表示装置2との間でデータのやり取りを行なう。
表示制御装置1は、上述した構成のほかに更に、表示制御装置1を操作するための操作部、表示制御装置1による処理結果を表示するための表示部を備えてもよい。この場合、表示制御装置1のユーザは、操作部及び表示部を用いて、記憶部11に記憶される画像情報、表示画像テーブル11aの記憶内容、表示装置情報11bの記憶内容等を容易に変更できる。
図3は表示画像テーブル11aの記憶内容を示す模式図である。表示画像テーブル11aには、画像表示装置2,2の識別情報に対応付けて、画像表示装置2,2の回転角度、伝送先装置の識別情報、表示画像情報等が格納されている。なお、図3には、識別情報が「表示装置α」である画像表示装置2に対する表示画像テーブル11aを示している。しかし、記憶部11は、表示画像テーブル11aだけでなく、表示制御システム100を構成する全ての画像表示装置2,2に対する表示画像テーブルも記憶している。
表示画像テーブル11a中の識別情報は、画像表示装置2,2を識別するための情報であり、例えば、画像表示装置2,2の記憶部21に記憶されている識別情報である。なお、識別情報は、表示制御装置1のユーザが、画像表示装置2,2を識別するために任意に設定した情報でもよい。
回転角度は、画像表示装置2,2の画像表示部22の回転角度である。なお、本実施形態1では、画像表示装置2,2が電源を投入されて起動した時点での画像表示部22の向き(表示方向)を基準の方向とし、このときの回転角度を0°とする。しかし、例えば、所定方向を基準とした、画像表示装置2,2の画像表示部22の向きを、画像表示装置2,2の回転角度としてもよい。また、回転角度として、0°、135°、180°、225°を設定しているが、表示制御システム100の利用形態に応じて適宜の角度に設定すればよい。
伝送先装置の識別情報及び表示画像情報は、対応する識別情報で識別される画像表示装置2が、対応する回転角度に回転した場合に、それぞれの画像表示装置2,2に伝送すべき画像情報を示す。なお、伝送先装置の識別情報も、画像表示装置2,2を識別するための情報であり、例えば、画像表示装置2,2の記憶部21に記憶されている識別情報である。
本実施形態1の表示制御装置1では、デフォルトモード、デュアル表示モード、コンフィデンシャル表示モードの3つの表示モードの設定が可能である。従って、表示画像テーブル11aには、それぞれの表示モード毎に、それぞれの画像表示装置2,2に伝送すべき画像情報が登録してある。なお、表示モードは、これらの3つのモードに限らず、表示制御システム100の利用形態に応じた数及び種類を設定すればよい。また、表示画像情報は、画像情報そのものである必要はなく、記憶部11に格納してある画像情報を特定できる情報であればよく、また、記憶部11の記憶領域を特定する情報でもよい。表示画像テーブル11aは、表示制御装置1によって画像表示装置2,2に表示させる画像情報の制御を行なう際に、表示制御装置1のユーザによって作成され、制御部10によって登録又は更新される。
図示しないが、表示装置情報11bには、画像表示装置2,2のそれぞれについて、識別情報、割り当てられたアドレス情報等が格納されている。なお、表示装置情報11bには、このほかに、画像表示装置2,2を割り当てられたユーザ(閲覧者)の識別情報等が格納されていてもよい。表示装置情報11bの格納内容は、表示制御装置1によって新たな画像表示装置2に対する制御を開始する際に、表示制御装置1のユーザによって入力され、制御部10によって登録又は更新される。
以下に、上述した構成の表示制御システム100を、1人の発表者と複数人の参加者(閲覧者)とで行なわれる会議に利用する会議システムに適用した場合に、表示制御装置1及び画像表示装置2,2が行なう処理について説明する。発表者又は会議の主催者は、会議の開始前に、表示制御装置1の記憶部11に表示画像テーブル11a及び表示装置情報11bを登録し、画像表示装置2,2のそれぞれを所定の位置に設置しておく。また、発表者又は会議の主催者は、会議が開始する際に、表示制御装置1及び画像表示装置2,2に電源を投入して起動させる。
起動処理が完了した画像表示装置2,2の制御部20は、回転角度センサ24によって検知した回転角度を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ通知する。なお、本実施形態1では、画像表示装置2,2の回転角度は、起動した時点での画像表示部22の向きを基準とし、このときの回転角度を0°としているので、ここで、画像表示装置2,2から表示制御装置1に通知される回転角度は全て0°となる。また、制御部20は、回転角度センサ24によって検知した回転角度を通知する際に、回転角度を示す情報であれば、回転角度そのものを表示制御装置1へ通知する必要はない。
起動処理が完了した表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2のそれぞれから取得した回転角度に基づいて、画像表示装置2,2のそれぞれへ伝送すべき画像情報を選択する。具体的には、制御部10は、いずれかの画像表示装置2から取得した識別情報に基づいて、この画像表示装置2に対応する表示画像テーブル11aを記憶部11から読み出す。また、制御部10は、デフォルトモード、デュアル表示モード、コンフィデンシャル表示モードのいずれが設定されているかを判断する。そして、制御部10は、読み出した表示画像テーブル11aから、取得した回転角度と、現在設定されているモードとに基づいて、伝送先の画像表示装置2,2の識別情報と、画像表示装置2,2のそれぞれに伝送すべき表示画像情報とを読み出す。
そして、表示制御装置1の制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す画像表示装置2,2へ、表示画像テーブル11aから読み出した表示画像情報を伝送する。なお、制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報に基づいて、伝送先の画像表示装置2のアドレス情報を表示装置情報11bから読み出し、このアドレス情報を用いて画像情報を伝送すればよい。また、表示制御装置1は、画像表示装置2,2の起動直後は、画像表示装置2,2の回転角度(表示方向)に基づいて画像情報を選択するのではなく、予め登録されている画像情報を画像表示装置2,2のそれぞれに伝送するようにしてもよい。
上述したように表示制御装置1が伝送した画像情報を画像表示装置2,2のそれぞれが取得して画像表示部22に表示させることにより、画像表示装置2,2のそれぞれに対して予め登録されていた画像を表示させることができる。画像表示装置2,2の制御部20は、表示制御装置1から伝送されてくる画像情報を取得して画像表示部22に表示させると共に、回転角度センサ24が検知する回転角度に基づいて、画像表示部22の表示方向が変更されたか否かを判断している。制御部20は、画像表示部22の表示方向が変更されたことを検出した場合、回転角度センサ24によって検知した回転角度を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ通知する。
画像表示装置2,2へ画像情報の伝送を開始している表示制御装置1の制御部(方向取得部)10は、画像表示部22の表示方向が変更された画像表示装置2から回転角度を取得する。そして、制御部10は、取得した回転角度に基づいて、画像表示装置2,2のそれぞれへ伝送すべき画像情報を選択する。具体的には、制御部10は、いずれかの画像表示装置2から取得した識別情報に基づいて、この画像表示装置2に対応する表示画像テーブル11aを記憶部11から読み出す。また、制御部10は、デフォルトモード、デュアル表示モード、コンフィデンシャル表示モードのいずれが設定されているかを判断する。そして、制御部(画像特定部)10は、読み出した表示画像テーブル11aから、取得した回転角度と、現在設定されているモードとに基づいて、伝送先の画像表示装置2,2の識別情報と、画像表示装置2,2のそれぞれに伝送すべき表示画像情報とを読み出す。
そして、表示制御装置1の制御部(伝送部)10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す画像表示装置2,2へ、表示画像テーブル11aから読み出した表示画像情報を伝送する。画像表示装置2,2は、表示制御装置1が伝送した画像情報を画像表示部22に表示させる。これにより、いずれかの画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、変更された表示方向に応じて予め登録されている画像を画像表示装置2,2のそれぞれに表示させることができる。
図4乃至図6は画像表示装置2,2に表示される画像情報を説明するための模式図である。なお、図4はデフォルトモードが設定されている場合の例を、図5はデュアル表示モードが設定されている場合の例を、図6はコンフィデンシャル表示モードが設定されている場合の例をそれぞれ示す。図4(a)乃至図6(d)のそれぞれは、識別情報が表示装置α,β,γ,δの4つの画像表示装置2,2を4人の閲覧者が向かい合う状態で使用している状況を真上から見た図を示す。また、初期状態では、図4(a)、図5(a)、図6(a)に示すように、表示装置αの画像表示装置2の表示方向は右方向であり、表示装置βの画像表示装置2の表示方向は上方向であり、表示装置γの画像表示装置2の表示方向は左方向であり、表示装置δの画像表示装置2の表示方向は下方向である。なお、以下では、識別情報が表示装置α,β,γ,δの画像表示装置2,2をそれぞれ画像表示装置α,β,γ,δと呼ぶ。
図4乃至図6では、会議の発表者が画像表示装置αを使用し、3人の参加者が画像表示装置β,γ,δのいずれかを使用しているとする。また、図4乃至図6には、発表者が使用する画像表示装置αの表示方向が変更された場合に画像表示装置α,β,γ,δのそれぞれに表示される画像情報を示す。なお、図4(a)乃至図6(d)のそれぞれには、右上に画像表示装置αの表示画像情報を、左上に画像表示装置βの表示画像情報を、左下に画像表示装置γの表示画像情報を、右下に画像表示装置δの表示画像情報をそれぞれ示す。
まず、デフォルトモードが設定されている場合について説明する。図4(a)には、4つの画像表示装置α,β,γ,δにそれぞれ異なる画像が表示されている状態を示している。図3の表示画像テーブル11aに示すように、画像表示装置αにおいて、回転角度が0°のときのデフォルトモードでの表示画像情報はimage1である。従って、図4(a)に示すように、初期状態では、画像表示装置αにはimage1の画像が表示されている。なお、他の画像表示装置β,γ,δについては、表示画像テーブル11aの図示を省略しているが、同様の処理によって、image2,image3,image4の画像がそれぞれ表示される。
図4(a)に示した状態から、画像表示装置αの表示方向が、図4(b)に示すように、画像表示装置βの方に変更された場合、画像表示装置αの制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度135°を検知する。制御部20は、検知した135°を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ通知する。表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置αから、画像表示装置αの識別情報及び回転角度135°を取得する。
表示制御装置1の制御部10は、取得した識別情報に対応する表示画像テーブル11aを記憶部11から読み出し、現在設定されているモードがデフォルトモードであると判断する。そして、制御部10は、読み出した表示画像テーブル11aから、取得した回転角度と、現在設定されているデフォルトモードとに基づいて、伝送先の画像表示装置α,β,γ,δの識別情報と、画像表示装置α,β,γ,δのそれぞれに伝送すべき表示画像情報とを読み出す。
制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す画像表示装置α,β,γ,δへ、表示画像テーブル11aから読み出した表示画像情報を伝送する。なお、ここでは、画像表示装置α,β,γ,δへは、image1,image1,image3,image4の画像情報がそれぞれ伝送される。即ち、図4(a)に示した状態から図4(b)に示した状態に変更された場合、画像表示装置βに表示される画像情報がimage2の画像からimage1の画像に変更される。これにより、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像を表示させることができる。よって、画像表示装置γ,δの閲覧者には見られることなく、画像表示装置βの閲覧者にのみ必要な画像を提供することができる。
同様にして、画像表示装置αの表示方向が、図4(c)に示すように画像表示装置γの方に変更された場合、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置α,β,γ,δへ、image1,image2,image1,image4の画像情報をそれぞれ伝送する。即ち、図4(a)に示した状態から図4(c)に示した状態に変更された場合、画像表示装置γに表示される画像情報がimage3の画像からimage1の画像に変更される。
また、画像表示装置αの表示方向が、図4(d)に示すように画像表示装置δの方に変更された場合、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置α,β,γ,δへ、image1,image2,image3,image1の画像情報をそれぞれ伝送する。即ち、図4(a)に示した状態から図4(d)に示した状態に変更された場合、画像表示装置δに表示される画像情報がimage4の画像からimage1の画像に変更される。
次に、デュアル表示モードが設定されている場合について説明する。図5(a)には、画像表示装置α,β,γ,δにそれぞれ異なる画像が表示されている状態を示しており、デュアル表示モードの場合も、画像表示装置α,β,γ,δにはそれぞれimage1, image2,image3,image4の画像が表示されている。図5(a)に示した状態で、画像表示装置αの表示方向が、図5(b)に示すように画像表示装置βの方に変更された場合、画像表示装置αの制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度135°を検知する。制御部20は、検知した135°を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ通知する。表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置αから、画像表示装置αの識別情報及び回転角度135°を取得する。
表示制御装置1の制御部10は、取得した識別情報に対応する表示画像テーブル11aを記憶部11から読み出し、現在設定されているモードがデュアル表示モードであると判断する。そして、制御部10は、読み出した表示画像テーブル11aから、取得した回転角度と、現在設定されているデュアル表示モードとに基づいて、伝送先の画像表示装置α,β,γ,δの識別情報と、画像表示装置α,β,γ,δのそれぞれに伝送すべき表示画像情報とを読み出す。
制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す画像表示装置α,β,γ,δへ、表示画像テーブル11aから読み出した表示画像情報を伝送する。なお、デュアル表示モードの場合、画像表示装置αの表示方向に位置する画像表示装置βには、画像表示装置αに表示されていたimage1の画像と、画像表示装置βに表示されていたimage2の画像とを表示させるように設定されている。従って、制御部10は、image1の画像情報とimage2の画像情報とを合成して1つの画像情報を生成する。そして、制御部10は、画像表示装置α,γ,δへ、image1,image3,image4の画像情報をそれぞれ伝送し、画像表示装置βへ、image1及びimage2の合成画像情報を伝送する。
即ち、図5(a)に示した状態から図5(b)に示した状態に変更された場合、画像表示装置βに表示される画像情報がimage2の画像から、image1及びimage2の合成画像に変更される。これにより、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像と、元々画像表示装置βに表示されていた画像とを表示させることができる。よって、画像表示装置γ,δの閲覧者には見られることなく、画像表示装置βの閲覧者にのみ必要な画像を提供することができると共に、元々画像表示装置βの閲覧者に提供していた画像の提供も継続できる。また、画像表示装置βに2つの画像を表示させることによって、画像表示装置βの閲覧者は、2つの画像の比較が可能となる。
同様にして、画像表示装置αの表示方向が、図5(c)に示すように画像表示装置γの方に変更された場合、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置α,β,δへ、image1,image2,image4の画像情報をそれぞれ伝送し、画像表示装置γへ、image1及びimage3の合成画像情報を伝送する。即ち、図5(a)に示した状態から図5(c)に示した状態に変更された場合、画像表示装置γに表示される画像情報がimage3の画像から、image1及びimage3の合成画像に変更される。
また、画像表示装置αの表示方向が、図5(d)に示すように画像表示装置δの方に変更された場合、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置α,β,γへ、image1,image2,image3の画像情報をそれぞれ伝送し、画像表示装置δへ、image1及びimage4の合成画像情報を伝送する。即ち、図5(a)に示した状態から図5(d)に示した状態に変更された場合、画像表示装置δに表示される画像情報がimage4の画像から、image1及びimage4の合成画像に変更される。
次に、コンフィデンシャル表示モードが設定されている場合について説明する。図6(a)には、画像表示装置α,β,γ,δにそれぞれ異なる画像が表示されている状態を示しており、コンフィデンシャル表示モードの場合も、画像表示装置α,β,γ,δにはそれぞれimage1, image2,image3,image4の画像が表示されている。図6(a)に示した状態で、画像表示装置αの表示方向が、図6(b)に示すように画像表示装置βの方に変更された場合、画像表示装置αの制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度135°を検知する。制御部20は、検知した135°を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ通知する。表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置αから、画像表示装置αの識別情報及び回転角度135°を取得する。
表示制御装置1の制御部10は、取得した識別情報に対応する表示画像テーブル11aを記憶部11から読み出し、現在設定されているモードがコンフィデンシャル表示モードであると判断する。そして、制御部10は、読み出した表示画像テーブル11aから、取得した回転角度と、現在設定されているコンフィデンシャル表示モードとに基づいて、伝送先の画像表示装置α,β,γ,δの識別情報と、画像表示装置α,β,γ,δのそれぞれに伝送すべき表示画像情報とを読み出す。
制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す画像表示装置α,β,γ,δへ、表示画像テーブル11aから読み出した表示画像情報を伝送する。なお、コンフィデンシャル表示モードの場合、画像表示装置αの表示方向に位置する画像表示装置βには、画像表示装置αに表示されていたimage1の画像を表示させ、その他の画像表示装置α,γ,δには何も表示させないように設定されている。従って、制御部10は、画像表示装置βのみへ、image1の画像情報を伝送する。
即ち、図6(a)に示した状態から図6(b)に示した状態に変更された場合、画像表示装置βに表示される画像情報がimage2の画像からimage1の画像に変更され、他の画像表示装置α,γ,δに対する画像の表示が停止される。これにより、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像を表示させ、他の画像表示装置α,γ,δへの画像の表示を停止させることができる。
よって、画像表示装置βの閲覧者には必要な画像を提供することができると共に、他の画像表示装置α,γ,δの閲覧者に対する不要な画像の提供を防止できる。また、例えば、全ての画像表示装置α,β,γ,δに同一の画像を表示させている状態で、画像表示装置αの使用者(発表者)が特定の参加者(閲覧者)にのみ機密情報を提供したい場合に、特定の参加者が使用する画像表示装置β,γ,δのいずれかの方に画像表示装置αを向けることによって、向けられた画像表示装置のみに機密情報を表示させることができる。
なお、ここでは、画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けた場合に、画像表示装置αに表示されていた画像と同一の画像を画像表示装置βに表示させる構成であるが、異なる画像情報を画像表示装置βに表示させてもよい。その場合、画像表示装置αを向けられた画像表示装置2に表示させるべき画像情報を記憶部11に予め登録しておけばよい。
同様にして、画像表示装置αの表示方向が、図6(c)に示すように画像表示装置γの方に変更された場合、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置γへimage1の画像情報を伝送し、画像表示装置α,β,δへの画像情報の伝送を停止する。即ち、図6(a)に示した状態から図6(c)に示した状態に変更された場合、画像表示装置γに表示される画像情報がimage3の画像からimage1の画像に変更され、画像表示装置α,β,δでの画像表示は停止する。
また、画像表示装置αの表示方向が、図6(d)に示すように画像表示装置δの方に変更された場合、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置δへimage1の画像情報を伝送し、画像表示装置α,β,γへの画像情報の伝送を停止する。即ち、図6(a)に示した状態から図6(d)に示した状態に変更された場合、画像表示装置δに表示される画像情報がimage4の画像からimage1の画像に変更され、画像表示装置α,β,δでの画像表示は停止する。
以下に、表示制御装置1の制御部10が、画像表示装置2,2のそれぞれへ画像情報を伝送する際に行なう処理について説明する。図7は表示制御装置1が画像表示装置2,2へ画像情報を伝送する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、表示制御装置1の制御部10によって実行されると共に、画像表示装置2,2の制御部20によって実行される。また、図7では、一点鎖線で区切った2つの領域において、左側の領域に表示制御装置1の制御部10による処理を、右側の領域に画像表示装置2,2の制御部20による処理をそれぞれ示している。
電源が投入されて起動処理が完了した画像表示装置2,2の制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度を検知する(S1)。回転角度を検知した制御部20は、記憶部21に記憶してある識別情報を読み出し、検知した回転角度を、読み出した識別情報と共に表示制御装置1へ送信する(S2)。一方、電源が投入されて起動処理が完了した表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2から送信されてくる回転角度の受信待ち状態となっており、画像表示装置2,2から回転角度を受信したか否かを判断している(S3)。
回転角度を受信したと判断した場合(S3:YES)、制御部10は、回転角度を送信してきた画像表示装置2を特定する(S4)。なお、制御部10は、受信した情報から識別情報を抽出することによって、送信元の画像表示装置2を特定する。制御部10は、表示制御装置1に設定されている表示モードを特定する(S5)。なお、表示制御装置1に表示モードが設定された場合、設定された表示モードを示す情報が記憶部11の所定領域に格納される。従って、制御部10は、記憶部11の所定領域に格納されている情報に基づいて、現在設定されている表示モードを特定する。
制御部10は、ステップS4で特定した送信元の画像表示装置2、送信元の画像表示装置2から受信した回転角度、ステップS5で特定した表示モードに基づいて画像表示装置2,2のそれぞれに送信する画像情報を特定する(S6)。ここでは、制御部10は、まず、ステップS4で特定した送信元の画像表示装置2に対応する表示画像テーブル11aを記憶部11から読み出す。次に、制御部10は、読み出した表示画像テーブル11aから、送信元の画像表示装置2から受信した回転角度と、ステップS5で特定した表示モードとに対応して画像表示装置2,2のそれぞれに送信すべき画像情報を読み出す。
制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した画像情報を、それぞれ対応する画像表示装置2,2に送信する(S7)。なお、表示制御装置1は、画像表示装置2,2の起動直後は、上述したように画像表示装置2,2の回転角度に基づいて、画像表示装置2,2へ送信すべき画像情報を選択するのではなく、予め登録されている画像情報を画像表示装置2,2のそれぞれに送信するようにしてもよい。
画像表示装置2,2へ画像情報の送信を開始した表示制御装置1の制御部10は、例えば表示制御装置1のユーザが操作部(図示せず)を操作することによって処理の終了が指示されたか否かを判断している(S8)。処理の終了が指示されていないと判断した場合(S8:NO)、制御部10は、ステップS3へ処理を戻し、画像表示装置2,2のいずれかから回転角度を受信したか否かを判断する(S3)。
一方、表示制御装置1から画像情報を受信した画像表示装置2の制御部20は、受信した画像情報に基づいて画像表示部22に画像を表示させる(S9)。また、制御部20は、回転角度センサ24が検知する回転角度に基づいて、画像表示部22の表示方向が変更されたか否かを判断している(S10)。画像表示部22の表示方向が変更されていないと判断した場合(S10:NO)、制御部20は、ステップS9へ処理を戻し、表示制御装置1から送信されてくる画像情報を順次受信して画像表示部22に表示させる。
画像表示部22の表示方向が変更されたと判断した場合(S10:YES)、画像表示装置2の制御部20は、ステップS1へ処理を戻し、回転角度センサ24によって回転角度を検知する(S1)。制御部20は、検知した回転角度を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ送信する(S2)。表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から送信された回転角度を受信した場合(S3:YES)、以降のステップS4〜S8の処理を繰り返す。これにより、画像表示装置2,2の表示方向が変更される都度、変更された表示方向に応じて、画像表示装置2,2のそれぞれに表示させる画像を変更させることができる。
一方、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から送信された回転角度を受信していないと判断した場合(S3:NO)、ステップS7へ処理を移行する。そして、制御部10は、ステップS6で既に特定してある画像情報を、それぞれ対応する画像表示装置2,2に送信する(S7)。制御部10は、処理の終了が指示されるまで、上述した処理を繰り返し、処理の終了が指示されたと判断した場合(S8:YES)、処理を終了する。
上述したように、表示制御装置1から伝送されてくる画像情報に基づいて画像を表示している画像表示装置α,β,γ,δは、表示方向が変更された場合に、変更された表示方向を表示制御装置1に通知する。そして、表示制御装置1は、それぞれの画像表示装置α,β,γ,δから通知された表示方向(回転角度)と、現在設定されている表示モードとに応じて、それぞれの画像表示装置α,β,γ,δへ伝送すべき画像情報を変更させる。よって、画像表示装置2,2の閲覧者は、自身が使用中の画像表示装置2を他の閲覧者が使用中の画像表示装置2の方に向けることによって、他の閲覧者が使用中の画像表示装置2に所望の情報を表示させることができ、他の閲覧者に所望の情報を提供できる。
上述した実施形態1では、画像表示装置2,2の制御部20が、回転角度センサ24によって、画像表示部22の表示方向として0°、135°、180°、225°の回転角度を検知する例について説明した。しかし、画像表示部22は完全に0°、135°、180°、225°の方向に回転させられるとは限らない。従って、表示制御装置1が画像表示装置2から取得した回転角度が、表示画像テーブル11aに格納してある回転角度に一致しない場合が有り得る。この場合、制御部10は、表示画像テーブル11aに格納してある回転角度のうちで、画像表示装置2から取得した回転角度に最も近い回転角度を、画像表示装置2の表示方向として処理すればよい。
具体的には、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から120°の回転角度を通知された場合、120°に最も近い135°が画像表示装置2の回転角度とする。そして、制御部10は、135°の回転角度に応じた画像情報を、画像表示装置2,2へ送信すべき画像情報として表示画像テーブル11aから選択すればよい。
上述した実施形態1の表示制御装置1は、デュアル表示モードの設定時に、例えば、画像表示装置αが画像表示装置βの方に向けられた場合、画像表示装置αに表示中の画像と、画像表示装置βに表示中の画像とを合成した合成画像を画像表示装置βに表示させる構成であった。このような構成のほかに、2つの画像の合成処理を画像表示装置2で実行する構成でもよい。具体的には、表示制御装置1は、画像表示装置αに伝送中の画像と、画像表示装置βに伝送中の画像とを画像表示装置βに伝送し、画像表示装置βが、受信した2つの画像を合成して画像表示部22に表示させてもよい。この場合、表示制御装置1による処理負担が軽減できる。
また、表示制御装置1がいずれかの画像表示装置2に画像情報を伝送しようとした場合に、画像表示装置2においてユーザによる操作中であった場合に、デュアル表示モードを起動させて、2つの画像を画像表示装置2に表示させるようにしてもよい。これにより、画像表示装置βにおいてユーザが操作中であるにもかかわらず、画像表示装置αの表示方向が変更されることによって画像表示装置βの表示画像が変更されることを防止できる。
(実施形態2)
以下に、実施形態2に係る表示制御システムについて説明する。本実施形態2の表示制御システムは、上述した実施形態1の表示制御システム100と同様の構成によって実現できるので、構成についての説明を省略する。
上述した実施形態1では、図3に示すように表示画像テーブル11aに、それぞれの画像表示装置2,2の回転角度に応じてそれぞれの画像表示装置2,2へ伝送すべき画像情報が登録されていた。このような表示画像テーブル11aを用いて、表示制御装置1は、画像表示装置2,2のいずれかの表示方向が変更された場合に、それぞれの画像表示装置2,2へ伝送すべき画像情報を適宜変更していた。
本実施形態2の表示制御装置1は、複数の画像表示装置2,2に表示させる画像を画像表示装置2,2毎に記憶部11に格納しておき、画像表示装置2,2の起動後に、記憶部11に格納してある画像を画像表示装置2,2へ送信して表示させる構成とする。また、本実施形態2の表示制御装置1も、デフォルトモード、デュアル表示モード、コンフィデンシャル表示モードのいずれかの表示モードの設定が可能とする。
そして、本実施形態2の表示制御装置1は、デフォルトモードの設定時に、画像表示装置2,2のいずれかの表示方向が変更された場合、変更された表示方向に位置する他の画像表示装置2に、表示方向が変更された画像表示装置2に表示していた画像を表示させる。また、本実施形態2の表示制御装置1は、デュアル表示モードの設定時に、画像表示装置2,2のいずれかの表示方向が変更された場合、変更された表示方向に位置する他の画像表示装置2に、この画像表示装置2に表示していた画像と、表示方向が変更された画像表示装置2に表示していた画像とを両方表示させる。更に、本実施形態2の表示制御装置1は、コンフィデンシャル表示モードの設定時に、画像表示装置2,2のいずれかの表示方向が変更された場合、変更された表示方向に位置する他の画像表示装置2に、表示方向が変更された画像表示装置2に表示していた画像を表示させ、他の画像表示装置2,2への画像の表示を停止する。
図8は実施形態2の表示画像テーブル11aの記憶内容を示す模式図である。実施形態2の表示画像テーブル11aには、画像表示装置2,2の識別情報に対応付けて、画像表示装置2,2の回転角度、伝送先装置の識別情報等が格納されている。表示画像テーブル11a中の画像表示装置2,2の識別情報及び回転角度は、実施形態1で説明した情報と同様である。なお、伝送先の画像表示装置2の識別情報は、それぞれの識別情報の画像表示装置2,2をそれぞれの回転角度に回転させた場合に、画像表示部22の表示方向に位置する画像表示装置2,2の識別情報である。即ち、画像表示装置αを135°回転させた場合、画像表示装置αの表示方向に画像表示装置βが位置することになる。
以下に、本実施形態2の表示制御システム100を、1人の発表者と複数人の参加者(閲覧者)とで行なわれる会議に利用する会議システムに適用した場合に、表示制御装置1及び画像表示装置2,2が行なう処理について説明する。起動処理が完了した表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2に伝送すべき画像として記憶部11に記憶してある画像情報を読み出し、読み出した画像情報をそれぞれ対応する画像表示装置2,2へ伝送する。
起動処理が完了した画像表示装置2,2の制御部20は、表示制御装置1から伝送されてきた画像情報を画像表示部22に表示させることによって、画面の表示を開始する。表示制御装置1から伝送されてくる画像情報の表示を行なう画像表示装置2,2の制御部20は、回転角度センサ24が検知する回転角度に基づいて、画像表示部22の表示方向が変更されたか否かを判断する。制御部20は、画像表示部22の表示方向が変更されたことを検出した場合、回転角度センサ24によって検知した回転角度を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ通知する。
画像表示装置2,2へ画像情報の伝送を開始している表示制御装置1の制御部10は、画像表示部22の表示方向が変更された画像表示装置2から回転角度を取得する。制御部10は、画像表示装置2から識別情報及び回転角度を取得した場合、画像表示装置2,2へ伝送する画像情報を変更すべきであるか否かを判断し、必要に応じて画像表示装置2,2へ伝送する画像情報を変更する。
具体的には、表示制御装置1の制御部10は、いずれかの画像表示装置2の識別情報及び回転角度を取得した場合、取得した識別情報に基づいて、識別情報及び回転角度を送信してきた画像表示装置2(送信元の画像表示装置2)を特定する。また、制御部10は、図8に示す表示画像テーブル11aから、特定した送信元の画像表示装置2の識別情報及び回転角度に対応する伝送先の画像表示装置2の識別情報を読み出す。更に、制御部10は、デフォルトモード、デュアル表示モード、コンフィデンシャル表示モードのいずれが設定されているかを判断する。
デフォルトモードが設定されていると判断した場合、制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す伝送先の画像表示装置2へ伝送する画像情報を、送信元の画像表示装置2に伝送している画像情報に変更する。これにより、いずれかの画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、変更された表示方向にある画像表示装置2に、表示方向が変更された画像表示装置2と同一の画像を表示させることができる。
例えば、図4(a)に示した状態から、画像表示装置αの表示方向が、図4(b)に示すように、画像表示装置βの方に変更された場合について説明する。この場合、画像表示装置αの制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度135°を検知し、検知した135°を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ通知する。表示制御装置1の制御部10は、取得した識別情報に基づいて、識別情報及び回転角度の送信元の画像表示装置2を画像表示装置αに特定する。制御部10は、図8に示す表示画像テーブル11aから、画像表示装置α及び回転角度135°に対応する伝送先の画像表示装置2を画像表示装置βに特定する。そして、制御部10は、伝送先の画像表示装置2である画像表示装置βへ伝送する画像情報を、送信元の画像表示装置αに送信しているimage1の画像情報に変更する。なお、制御部10は、他の画像表示装置α,γ,δへ伝送する画像情報は変更しない。
これにより、デフォルトモードの設定時において、図4(a)に示した状態から図4(b)に示した状態に変更された場合、画像表示装置βに表示される画像情報がimage2の画像からimage1の画像に変更される。これにより、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像を表示させることができる。よって、画像表示装置γ,δの閲覧者には見られることなく、画像表示装置βの閲覧者にのみ必要な画像を提供することができる。
一方、デュアル表示モードが設定されていると判断した場合、制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す伝送先の画像表示装置2へ伝送する画像情報を、この伝送先の画像表示装置2に伝送している画像情報と、送信元の画像表示装置2に伝送している画像情報との合成情報に変更する。これにより、いずれかの画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、変更された表示方向にある画像表示装置2に、元々表示されていた画像と、表示方向が変更された画像表示装置2と同一の画像とを表示させることができる。
例えば、図5(a)に示した状態から、画像表示装置αの表示方向が、図5(b)に示すように、画像表示装置βの方に変更された場合について説明する。デュアル表示モードの場合も、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置αから識別情報及び回転角度を取得し、取得した識別情報に基づいて、識別情報及び回転角度の送信元の画像表示装置2を画像表示装置αに特定する。また、制御部10は、図8に示す表示画像テーブル11aから、画像表示装置α及び回転角度135°に対応する伝送先の画像表示装置2を画像表示装置βに特定する。
ここで、デュアル表示モードの設定時は、制御部10は、画像表示装置βへ伝送する画像情報として、画像表示装置αに伝送しているimage1の画像情報と画像表示装置βに伝送しているimage2の画像情報とを合成して合成情報を生成する。制御部10は、生成した合成情報を画像表示装置βへ伝送する。なお、制御部10は、他の画像表示装置α,γ,δへ伝送する画像情報は変更しない。
これにより、デュアル表示モードの設定時において、図5(a)に示した状態から図5(b)に示した状態に変更された場合、画像表示装置βに表示される画像情報がimage2の画像から、image1及びimage2の合成画像に変更される。よって、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像と、元々画像表示装置βに表示されていた画像とを表示させることができる。よって、画像表示装置γ,δの閲覧者には見られることなく、画像表示装置βの閲覧者にのみ必要な画像を提供することができると共に、元々画像表示装置βの閲覧者に提供していた画像の提供も継続できる。
また、コンフィデンシャル表示モードが設定されていると判断した場合、制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す伝送先の画像表示装置2へ伝送する画像情報を、送信元の画像表示装置2に伝送している画像情報に変更し、他の画像表示装置2,2への画像情報の伝送を停止する。これにより、いずれかの画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、変更された表示方向にある画像表示装置2に、表示方向が変更された画像表示装置2と同一の画像を表示させ、他の画像表示装置2,2による画像表示を停止させることができる。
例えば、図6(a)に示した状態から、画像表示装置αの表示方向が、図6(b)に示すように、画像表示装置βの方に変更された場合について説明する。コンフィデンシャル表示モードの場合も、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置αから識別情報及び回転角度を取得し、取得した識別情報に基づいて、識別情報及び回転角度の送信元の画像表示装置2を画像表示装置αに特定する。また、制御部10は、図8に示す表示画像テーブル11aから、画像表示装置α及び回転角度135°に対応する伝送先の画像表示装置2を画像表示装置βに特定する。
ここで、コンフィデンシャル表示モードの設定時は、制御部10は、画像表示装置αに送信しているimage1の画像情報を画像表示装置βへ伝送する。なお、制御部10は、他の画像表示装置α,γ,δへは画像情報の伝送を停止する。これにより、コンフィデンシャル表示モードの設定時において、図6(a)に示した状態から図6(b)に示した状態に変更された場合、画像表示装置βに表示される画像情報がimage2の画像からimage1の画像に変更され、他の画像表示装置α,γ,δによる画像表示が停止する。
よって、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像を表示させることができる。よって、画像表示装置γ,δの閲覧者には見られることなく、画像表示装置βの閲覧者にのみ必要な画像を提供することができる。また、他の画像表示装置α,γ,δには画像を表示させないことにより、画像表示装置α,γ,δの閲覧者に対する不要な画像の提供を防止できる。
なお、上述したように、画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けた場合に、画像表示装置αに表示されていた画像と同一の画像を画像表示装置βに表示させる構成には限らない。例えば、画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けた場合に、画像表示装置βに表示させる画像を予め記憶部11に格納しておき、記憶部11に格納してある画像情報を画像表示装置βに表示させてもよい。
以下に、表示制御装置1の制御部10が、画像表示装置2,2のそれぞれへ画像情報を伝送する際に行なう処理について説明する。図9及び図10は表示制御装置1が画像表示装置2,2へ画像情報を伝送する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、表示制御装置1の制御部10によって実行されると共に、画像表示装置2,2の制御部20によって実行される。また、図9では、一点鎖線で区切った2つの領域において、左側の領域に表示制御装置1の制御部10による処理を、右側の領域に画像表示装置2,2の制御部20による処理をそれぞれ示している。
電源が投入されて起動処理が完了した表示制御装置1の制御部10は、記憶部11に予め記憶してある画像情報から、画像表示装置2,2のそれぞれに送信すべき画像情報を特定する(S21)。制御部10は、特定した画像情報を記憶部11から読み出し、画像表示装置2,2のそれぞれに送信する(S22)。
画像表示装置2,2の制御部20は、表示制御装置1から受信した画像情報に基づいて画像表示部22に画像を表示させる(S23)。また、制御部20は、回転角度センサ24が検知する回転角度に基づいて、画像表示部22の表示方向が変更されたか否かを判断している(S24)。画像表示部22の表示方向が変更されていないと判断した場合(S24:NO)、制御部20は、ステップS23へ処理を戻し、表示制御装置1から送信されてくる画像情報を順次受信して画像表示部22に表示させる。
画像表示部22の表示方向が変更されたと判断した場合(S24:YES)、画像表示装置2の制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度を検知する(S25)。制御部20は、検知した回転角度を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ送信する(S26)。画像表示装置2,2へ画像情報の送信を開始している表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2から回転角度を受信したか否かを判断している(S27)。
画像表示装置2から回転角度を受信したと判断した場合(S27:YES)、制御部10は、回転角度と共に受信した識別情報に基づいて、識別情報及び回転角度を送信してきた送信元の画像表示装置2を特定する(S29)。制御部10は、図8に示す表示画像テーブル11aから、特定した送信元の画像表示装置2の識別情報及び取得した回転角度に基づいて、伝送先の画像表示装置2を特定する(S30)。
制御部10は、現在デフォルトモードが設定されているか否かを判断する(S31)。デフォルトモードが設定されていると判断した場合(S31:YES)、制御部10は、ステップS30で特定した伝送先の画像表示装置2に送信する画像情報を、ステップS29で特定した送信元の画像表示装置2に送信している画像情報に変更する(S32)。そして、制御部10は、送信元の画像表示装置2に送信している画像情報を伝送先の画像表示装置2に送信する(S22)。なお、制御部10は、伝送先の画像表示装置2以外の画像表示装置2,2には、ステップS21で特定した画像情報の送信を継続する。
デフォルトモードが設定されていないと判断した場合(S31:NO)、制御部10は、現在デュアル表示モードが設定されているか否かを判断する(S33)。デュアル表示モードが設定されていると判断した場合(S33:YES)、制御部10は、ステップS30で特定した伝送先の画像表示装置2に送信している画像情報と、ステップS29で特定した送信元の画像表示装置2に送信している画像情報とを合成する。これにより、制御部10は、ステップS30で特定した伝送先の画像表示装置2に送信する画像情報を生成して変更する(S34)。そして、制御部10は、生成した合成画像情報を伝送先の画像表示装置2に送信する(S22)。なお、制御部10は、伝送先の画像表示装置2以外の画像表示装置2,2には、ステップS21で特定した画像情報の送信を継続する。
デュアル表示モードが設定されていないと判断した場合(S33:NO)、即ち、コンフィデンシャル表示モードが設定されている場合、制御部10は、全ての画像表示装置2,2に送信する画像情報を変更する(S35)。具体的には、制御部10は、ステップS30で特定した伝送先の画像表示装置2に送信する画像情報を、ステップS29で特定した送信元の画像表示装置2に送信している画像情報に変更する。また、制御部10は、伝送先の画像表示装置2以外の画像表示装置2,2には画像情報を送信しないようにする。
なお、制御部10は、伝送先の画像表示装置2以外の画像表示装置2,2に送信する画像情報を、白画像、黒画像又は機密性を有しない所定の画像に変更してもよい。そして、制御部10は、送信元の画像表示装置2に送信している画像情報を伝送先の画像表示装置2に送信し(S22)、他の画像表示装置2,2には、画像情報の送信を行なわない。
一方、ステップS27で、画像表示装置2から回転角度を受信していないと判断した場合(S27:NO)、制御部10は、例えば表示制御装置1のユーザが操作部を操作することによって処理の終了が指示されたか否かを判断する(S28)。処理の終了が指示されていないと判断した場合(S28:NO)、制御部10は、ステップS22へ処理を戻し、ステップS21で既に特定してある画像情報、又はステップS32,S34,S35で適宜変更された画像情報を、それぞれ対応する画像表示装置2,2に送信する(S22)。制御部10は、処理の終了が指示されるまで、上述した処理を繰り返し、処理の終了が指示されたと判断した場合(S28:YES)、処理を終了する。
上述したように、本実施形態2の表示制御装置1は、いずれかの画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、変更された表示方向に位置する画像表示装置2に伝送する画像情報を、設定されている表示モードに応じて変更する。よって、画像表示装置2,2の閲覧者は、自身が使用中の画像表示装置2を他の閲覧者が使用中の画像表示装置2の方に向けることによって、他の閲覧者が使用中の画像表示装置2に所望の情報を表示させて提供できる。
上述した実施形態2の表示制御装置1は、いずれかの画像表示装置2,2の表示方向が変更された場合に、表示方向が変更された画像表示装置2から取得した回転角度に基づいて、図8に示す表示画像テーブル11aから、伝送先の画像表示装置2を特定する構成であった。このほかに、例えば、画像表示装置2,2間において赤外線通信等を行ない、それぞれの画像表示装置2の表示方向に位置する他の画像表示装置2を特定する構成であってもよい。また、それぞれの画像表示装置2,2に所定の識別画像を付与すると共に、CCDカメラ等の撮像手段を備え、それぞれの画像表示装置2,2の表示方向を撮像して得られた画像に含まれる識別画像に基づいて、表示方向に位置する他の画像表示装置2を特定してもよい。
上述した実施形態2では、画像表示装置2,2のいずれかの表示方向が変更された場合に、変更された表示方向に位置する他の画像表示装置2を特定し、特定した画像表示装置2に、表示方向が変更された画像表示装置2に表示していた画像を表示させる構成であった。このほかに、例えば、変更された表示方向に位置する画像表示装置2に送信すべき画像情報を予め登録しておき、画像表示装置2,2のいずれかの表示方向が変更された場合に、予め登録してある画像情報を、変更された表示方向に位置する画像表示装置2に送信するようにしてもよい。
(実施形態3)
以下に、実施形態3に係る表示制御システムについて説明する。本実施形態3の表示制御システムは、上述した実施形態2の表示制御システム100と同様の構成によって実現できるので、構成についての説明を省略する。
上述した実施形態1,2では、表示制御装置1が、画像表示装置2,2のそれぞれに表示させる画像を予め保持し、画像表示装置2,2の起動後、及び、画像表示装置2,2の回転角度に応じて、保持している画像から適切な画像を選択して画像表示装置2,2へ送信して表示させていた。
本実施形態3では、各画像表示装置2,2に表示させる画像は予め設定しておかず、画像表示装置2,2のユーザ(発表者及び閲覧者)が操作部25を操作することによって、表示制御装置1に格納してある任意の画像を取得し、画像表示部22に表示させる構成とする。なお、本実施形態3の表示制御装置1は、記憶部11に複数の画像情報を予め記憶してファイルサーバとして動作し、画像表示装置2,2からの要求に応じた画像情報をそれぞれの画像表示装置2,2へ送信する。また、表示制御装置1は、それぞれの画像表示装置2,2へ送信した画像情報、即ち、各画像表示装置2,2が現在表示中の画像情報を管理している。
本実施形態3の表示制御装置1は、図2に示した構成を有すると共に、図8に示した表示画像テーブル11aを記憶部11に格納しているほか、図11に示すような表示状況テーブルを記憶部11に格納している。図11は表示状況テーブルの記憶内容を示す模式図である。表示状況テーブルには、画像表示装置2,2の識別情報に対応付けて、各画像表示装置2,2で現在表示中の画像の情報が格納されている。図11に示す表示状況テーブルでは、各画像表示装置2,2で表示中の画像の情報は、記憶部11に格納してある画像情報のファイル名及びページ数で示されているが、各画像を特定できる情報であれば、ファイル名及びページ数に限らない。
表示状況テーブルの内容は、表示制御装置1が、画像表示装置2,2からの要求に応じて、画像表示装置2,2に表示させる画像情報の制御を行なった場合に、制御部10によって随時更新される。このような表示状況テーブルを用いることにより、表示制御装置1は、画像表示装置2,2のそれぞれに対して、現在いずれの画像を送信して表示させているかを把握できる。
以下に、本実施形態3の表示制御システム100を、1人の発表者と複数人の参加者(閲覧者)とで行なわれる会議に利用する会議システムに適用した場合に、表示制御装置1及び画像表示装置2,2が行なう処理について説明する。起動処理が完了した画像表示装置2において、ユーザ(発表者及び閲覧者)は、操作部25を操作することにより、ファイルサーバである表示制御装置1の記憶部11に記憶されている画像情報のうちから任意の画像情報を選択して要求する。
起動処理が完了した表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2から要求された画像情報を記憶部11から読み出し、読み出した画像情報をそれぞれ対応する画像表示装置2,2へ伝送する。なお、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2のそれぞれに画像情報を伝送した場合、画像表示装置2,2の識別情報に対応させて、伝送した画像情報の情報(画像表示装置2,2で表示中の画像の情報)を表示状況テーブルに登録する。
画像表示装置2,2の制御部20は、表示制御装置1から伝送されてきた画像情報を画像表示部22に表示させ、画面の表示を開始する。画面の表示を開始した画像表示装置2,2の制御部20は、ユーザが操作部25を操作することによって、表示中の画像におけるページの移動、新たな画像情報の要求等を受け付ける。制御部20は、表示中の画像におけるページの移動を受け付けた場合、現在表示中の画像の次のページの画像の画像情報を表示制御装置1に要求し、新たな画像情報の要求を受け付けた場合、要求された画像情報を表示制御装置1に要求する。
画像表示装置2,2から画像情報を要求された表示制御装置1の制御部10は、要求された画像情報を記憶部11から読み出し、読み出した画像情報を画像表示装置2,2へ伝送する。そして、制御部10は、表示状況テーブルの表示中の画像の情報を、画像表示装置2,2に伝送した画像情報の情報に更新する。
また、画面の表示を開始した画像表示装置2,2の制御部20は、回転角度センサ24が検知する回転角度に基づいて、画像表示部22の表示方向が変更されたか否かを判断する。制御部20は、画像表示部22の表示方向が変更されたことを検出した場合、回転角度センサ24によって検知した回転角度を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ通知する。
表示制御装置1の制御部10は、画像表示部22の表示方向が変更された画像表示装置2から識別情報及び回転角度を取得した場合、取得した識別情報に基づいて、識別情報及び回転角度を送信してきた画像表示装置2(送信元の画像表示装置2)を特定する。また、制御部10は、図8に示す表示画像テーブル11aから、特定した送信元の画像表示装置2の識別情報及び回転角度に対応する伝送先の画像表示装置2の識別情報を読み出す。更に、制御部10は、デフォルトモード、デュアル表示モード、コンフィデンシャル表示モードのいずれが設定されているかを判断する。
デフォルトモードが設定されていると判断した場合、制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す伝送先の画像表示装置2へ伝送する画像情報を、送信元の画像表示装置2に伝送している画像情報に変更する。なお、制御部10は、送信元の画像表示装置2に伝送している画像情報を、表示状況テーブルに基づいて特定する。よって、例えば、図4(a)に示した状態から、画像表示装置αの表示方向が、図4(b)に示すように、画像表示装置βの方に変更された場合、画像表示装置βへ伝送する画像情報を、画像表示装置αに送信している画像情報(ファイル名が111.pptの4ページ目の画像情報)に変更する。これにより、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像を表示させることができる。
一方、デュアル表示モードが設定されていると判断した場合、制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す伝送先の画像表示装置2へ伝送する画像情報を、この伝送先の画像表示装置2に伝送している画像情報と、送信元の画像表示装置2に伝送している画像情報との合成情報に変更する。具体的には、例えば、図5(a)に示した状態から、画像表示装置αの表示方向が、図5(b)に示すように、画像表示装置βの方に変更された場合、画像表示装置βへ伝送する画像情報として、画像表示装置αに伝送している画像情報(ファイル名111.pptの4ページ目)と画像表示装置βに伝送している画像情報(ファイル名222.docの3ページ目)とを合成し、得られた合成情報に変更する。これにより、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像と、元々画像表示装置βに表示されていた画像とを表示させることができる。
また、コンフィデンシャル表示モードが設定されていると判断した場合、制御部10は、表示画像テーブル11aから読み出した伝送先装置の識別情報が示す伝送先の画像表示装置2へ伝送する画像情報を、送信元の画像表示装置2に伝送している画像情報に変更し、他の画像表示装置2,2への画像情報の伝送を停止する。具体的には、例えば、図6(a)に示した状態から、画像表示装置αの表示方向が、図6(b)に示すように、画像表示装置βの方に変更された場合、画像表示装置αに送信している画像情報(ファイル名111.pptの4ページ目)を画像表示装置βへ伝送する。なお、制御部10は、他の画像表示装置α,γ,δへは画像情報の伝送を停止する。
これにより、発表者が、自身が使用する画像表示装置αを画像表示装置βの方へ向けることにより、画像表示装置βに、画像表示装置αに表示されている画像と同一の画像を表示させることができる。また、他の画像表示装置α,γ,δには画像を表示させないことにより、画像表示装置α,γ,δの閲覧者に対する不要な画像の提供を防止できる。
表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2のそれぞれに画像情報を伝送した場合、表示状況テーブルの表示中の画像の情報を、画像表示装置2,2に伝送した画像情報の情報に更新する。
以下に、本実施形態3の表示制御装置1の制御部10が、画像表示装置2,2のそれぞれへ画像情報を伝送する際に行なう処理について説明する。図12及び図13は表示制御装置1が画像表示装置2,2へ画像情報を伝送する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、表示制御装置1の制御部10によって実行されると共に、画像表示装置2,2の制御部20によって実行される。また、図12では、一点鎖線で区切った2つの領域において、左側の領域に表示制御装置1の制御部10による処理を、右側の領域に画像表示装置2,2の制御部20による処理をそれぞれ示している。
電源が投入されて起動処理が完了した画像表示装置2,2において、ユーザは、閲覧したい画像を、表示制御装置1の記憶部11に記憶されている画像情報から選択し、画像表示部22に表示させる指示を操作部25を介して行なう。画像表示装置2,2の制御部20は、操作部25を介して、表示制御装置1の記憶部11に記憶されているいずれかの画像情報の要求を受け付けたか否かを判断する(S51)。
画像情報の要求を受け付けたと判断した場合(S51:YES)、制御部20は、ユーザから要求された画像情報を表示制御装置1に要求する(S52)。画像情報の要求を受け付けていないと判断した場合(S51:NO)、制御部20は、ステップS57へ処理を移行する。
電源が投入されて起動処理が完了した表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2からの画像情報の要求待ち状態となっており、画像表示装置2,2から画像情報を要求されたか否かを判断する(S53)。いずれかの画像表示装置2から画像情報を要求されたと判断した場合(S53:YES)、制御部10は、要求された画像情報を記憶部11から読み出し、要求してきた画像表示装置2に送信する(S54)。また、制御部10は、送信先の画像表示装置2の識別情報に対応付けて表示状況テーブルに登録されている表示中の画像の情報を、送信した画像情報の情報に更新する(S55)。なお、いずれの画像表示装置2,2からも画像情報を要求されていないと判断した場合(S53:NO)、制御部10は、ステップS60へ処理を移行する。
画像表示装置2,2の制御部20は、表示制御装置1から受信した画像情報に基づいて画像表示部22に画像を表示させる(S56)。また、制御部20は、回転角度センサ24が検知する回転角度に基づいて、画像表示部22の表示方向が変更されたか否かを判断している(S57)。画像表示部22の表示方向が変更されていないと判断した場合(S57:NO)、制御部20は、ステップS51へ処理を戻す。そして、制御部20は、操作部25を介して、表示中の画像におけるページの移動、又は、新たな画像情報の要求等、表示制御装置1に記憶されているいずれかの画像情報の要求を受け付けたか否かを判断する(S51)。
画像表示部22の表示方向が変更されたと判断した場合(S57:YES)、制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度を検知する(S58)。制御部20は、検知した回転角度を、記憶部21に記憶してある識別情報と共に表示制御装置1へ送信する(S59)。表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2,2から回転角度を受信したか否かを判断している(S60)。
画像表示装置2から回転角度を受信したと判断した場合(S60:YES)、制御部10は、回転角度と共に受信した識別情報に基づいて、識別情報及び回転角度を送信してきた送信元の画像表示装置2を特定する(S62)。制御部10は、図8に示す表示画像テーブル11aから、特定した送信元の画像表示装置2の識別情報及び取得した回転角度に基づいて、伝送先の画像表示装置2を特定する(S63)。
制御部10は、現在デフォルトモードが設定されているか否かを判断する(S64)。デフォルトモードが設定されていると判断した場合(S64:YES)、制御部10は、ステップS63で特定した伝送先の画像表示装置2に送信する画像情報を、ステップS62で特定した送信元の画像表示装置2に送信している画像情報に変更する(S65)。なお、制御部10は、表示状況テーブルに基づいて、送信元の画像表示装置2に現在送信中の画像情報を特定し、特定した画像情報を、伝送先の画像表示装置2に送信する画像情報とする。
制御部10は、変更した画像情報、即ち、送信元の画像表示装置2に送信している画像情報を、伝送先の画像表示装置2に送信する(S54)。また、制御部10は、送信する画像を変更した画像表示装置2(伝送先の画像表示装置2)の識別情報に対応付けて表示状況テーブルに登録されている表示中の画像の情報を、送信した画像情報の情報に更新し(S55)、ステップS60以降の処理を繰り返す。画像表示装置2の制御部20は、表示制御装置1から受信した画像情報に基づいて画像表示部22に画像を表示させ(S56)、ステップS57以降の処理を繰り返す。
デフォルトモードが設定されていないと判断した場合(S64:NO)、制御部10は、現在デュアル表示モードが設定されているか否かを判断する(S66)。デュアル表示モードが設定されていると判断した場合(S66:YES)、制御部10は、ステップS63で特定した伝送先の画像表示装置2に送信している画像情報と、ステップS62で特定した送信元の画像表示装置2に送信している画像情報とを合成する。これにより、制御部10は、ステップS63で特定した伝送先の画像表示装置2に送信する画像情報を生成して変更する(S67)。
なお、制御部10は、表示状況テーブルに基づいて、伝送先の画像表示装置2に現在送信中の画像情報と、送信元の画像表示装置2に現在送信中の画像情報とを特定して合成する。制御部10は、変更した画像情報、即ち、伝送先の画像表示装置2に現在送信中の画像情報と、送信元の画像表示装置2に現在送信中の画像情報とを合成して得られた画像情報を、伝送先の画像表示装置2に送信する(S54)。また、制御部10は、送信する画像を変更した画像表示装置2(伝送先の画像表示装置2)の識別情報に対応付けて表示状況テーブルに登録されている表示中の画像の情報を、送信した画像情報の情報に更新し(S55)、ステップS60以降の処理を繰り返す。画像表示装置2の制御部20は、表示制御装置1から受信した画像情報に基づいて画像表示部22に画像を表示させ(S56)、ステップS57以降の処理を繰り返す。
デュアル表示モードが設定されていないと判断した場合(S66:NO)、即ち、コンフィデンシャル表示モードが設定されている場合、制御部10は、全ての画像表示装置2,2に送信する画像情報を変更する(S68)。具体的には、制御部10は、ステップS63で特定した伝送先の画像表示装置2に送信する画像情報を、ステップS62で特定した送信元の画像表示装置2に送信している画像情報に変更する。また、制御部10は、伝送先の画像表示装置2以外の画像表示装置2,2には画像情報を送信しないようにする。
制御部10は、変更した画像情報、即ち、送信元の画像表示装置2に現在送信中の画像情報を伝送先の画像表示装置2に送信し、伝送先の画像表示装置2以外の画像表示装置2,2への画像情報の送信を停止する(S54)。また、制御部10は、送信する画像を変更した画像表示装置2の識別情報に対応付けて表示状況テーブルに登録されている表示中の画像の情報を、送信した画像情報の情報に更新し(S55)、ステップS60以降の処理を繰り返す。なお、画像情報の送信を停止した画像表示装置2,2の識別情報に対応付けて表示状況テーブルに登録されている表示中の画像の情報は、削除される。画像表示装置2の制御部20は、表示制御装置1から受信した画像情報に基づいて画像表示部22に画像を表示させ(S56)、ステップS57以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS60で、画像表示装置2から回転角度を受信していないと判断した場合(S60:NO)、制御部10は、例えば表示制御装置1のユーザが操作部を操作することによって処理の終了が指示されたか否かを判断する(S61)。処理の終了が指示されていないと判断した場合(S61:NO)、制御部10は、ステップS53へ処理を戻し、画像表示装置2,2から画像情報を要求されたか否かを判断する(S53)。制御部10は、処理の終了が指示されるまで、上述した処理を繰り返し、処理の終了が指示されたと判断した場合(S61:YES)、処理を終了する。
上述したように、本実施形態3の表示制御システムでは、画像表示装置2,2のユーザが、それぞれ任意の画像を表示させることができる。そして、画像表示装置2,2にそれぞれ任意の画像が表示された状態で、いずれかの画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、変更された表示方向に位置する画像表示装置2に表示させる画像情報を、設定されている表示モードに応じて変更できる。よって、画像表示装置2,2のユーザは、自身が閲覧したい画像を画像表示装置2,2に表示させつつ、自身が使用中の画像表示装置2を他の閲覧者が使用中の画像表示装置2の方に向けることによって、他の閲覧者が使用中の画像表示装置2に所望の情報を表示させて提供できる。
上述した実施形態3では、表示制御装置1がファイルサーバとして動作し、画像表示装置2,2のユーザは、表示制御装置1に格納されている画像情報のうちから任意の画像情報を選択して画像表示装置2,2に表示させていた。この構成のほかに、画像表示装置2,2が、表示制御装置1以外のファイルサーバから画像情報を取得してもよい。具体的には、画像表示装置2,2は、ユーザからの指示に従って、任意のファイルサーバから任意の画像情報を取得して画像表示部22に表示させる。そして、表示制御装置1は、表示状況テーブルにおいて、各画像表示装置2,2に表示中の画像の情報として、画像情報のファイル名及びページ数のほかに、画像情報を保持するファイルサーバを特定するためのサーバ識別情報も管理しておく。
そして、いずれかの画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、表示制御装置1は、変更された表示方向に位置する画像表示装置2に対して、表示させる画像情報を保持するファイルサーバのサーバ識別情報、ファイル名及びページ数を通知する。そして、画像表示装置2は、通知されたサーバ識別情報が示すファイルサーバから、通知されたファイル名及びページ数に対応する画像情報を取得して画像表示部22に表示させる。これにより、表示制御装置1に格納されている画像情報だけでなく、表示制御装置1及び画像表示装置2,2がネットワークを介して接続可能なサーバに格納されている画像情報も、画像表示装置2,2に表示させて閲覧することができる。また、画像表示装置2,2の記憶部21に記憶してある画像情報も同様に、それぞれの画像表示装置2,2に表示させてもよい。
(実施形態4)
以下に、実施形態4に係る表示制御システムについて説明する。本実施形態4の表示制御システムは、上述した実施形態1の表示制御システム100と同様の構成によって実現できるので、構成についての説明を省略する。なお、本実施形態4では、1つの表示制御装置1と、1つの画像表示装置2とを備える構成の表示制御システム100について説明する。
上述した実施形態1では、複数のユーザ(発表者及び参加者)に対して複数の画像表示装置2,2が用意される会議システムに適用した例を説明した。従って、例えば、画像表示装置αを画像表示装置β,γ,δのいずれかの方向に向けた場合に、画像表示装置αが向けられた画像表示装置β,γ,δのいずれかに表示させる画像情報を適宜変更する構成であった。本実施形態4では、複数の参加者に対しては画像表示装置2が用意されておらず、発表者が使用する1つの画像表示装置2を各参加者の方向に向けることによって、それぞれの参加者に情報を提供する構成とする。
本実施形態4の表示制御装置1は、図2に示した構成と同様の構成を有するが、表示画像テーブル11aの代わりに、ユーザ位置テーブル及びユーザ毎表示画像テーブル等を記憶部11に格納している。また、ユーザ毎表示画像テーブルの代わりにユーザ情報テーブルが記憶部11に格納されていてもよい。図14は実施形態4の表示制御装置1の記憶部11に格納されているテーブルの記憶内容を示す模式図である。図14(a)にはユーザ位置テーブルを、図14(b)にはユーザ毎表示画像テーブルを、図14(c)にはユーザ情報テーブルをそれぞれ示す。
図14(a)に示すユーザ位置テーブル(位置情報テーブル)には、画像表示装置2の回転角度に対応付けて、ユーザを識別するためのユーザ情報等が格納されている。ユーザ情報は、画像表示装置2を各回転角度に回転させた場合に、画像表示部22の表示方向に位置するユーザを示す情報である。即ち、例えば、画像表示装置2を135°回転させた場合、画像表示装置2の表示方向に参加者ロが位置することになる。
図14(b)に示すユーザ毎表示画像テーブル(画像記憶部)には、ユーザ情報に対応付けて、それぞれのユーザに提供すべき画像を特定するための表示画像情報等が格納されている。表示画像情報は、画像表示装置2の表示方向が、対応するユーザ情報で識別されるユーザの方向となった場合に、画像表示装置2に伝送すべき画像情報を示す。なお、図14(b)に示すユーザ毎表示画像テーブルの代わりに、図14(c)に示すユーザ情報テーブルを記憶部11に格納しておいてもよい。
図14(c)に示すユーザ情報テーブル(閲覧者テーブル)には、ユーザ情報に対応付けて、それぞれのユーザに予め設定されている機密レベル等が格納されている。図14(c)では、機密レベルとして、「高」、「中」、「低」が格納されているが、これは、各ユーザに提供できる画像情報に設定されている機密レベルに対応する。即ち、画像表示装置2の表示方向が、いずれかのユーザの方向となった場合に、このユーザに対応する機密レベルの画像情報が、画像表示装置2に伝送されることになる。なお、ユーザ情報テーブルを用いる場合、それぞれの機密レベルに対応付けて、各機密性が設定された画像情報を、ユーザ情報テーブルとは別に記憶部11に格納しておく。
以下に、本実施形態4の表示制御システム100を、1人の発表者と複数人の参加者とで行なわれる会議に利用する会議システムに適用した場合に、表示制御装置1及び画像表示装置2が行なう処理について説明する。起動処理が完了した画像表示装置2の制御部20は、回転角度センサ24によって検知した回転角度を表示制御装置1へ通知する。なお、画像表示装置2の回転角度は、起動した時点での画像表示部22の向きを基準とするので、このときの回転角度は0°となる。一方、起動処理が完了した表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から取得した回転角度に基づいて、画像表示装置2へ伝送すべき画像情報を選択する。
具体的には、制御部(閲覧者検出部)10は、画像表示装置2から回転角度(ここでは0°)を取得した場合、取得した回転角度に対応するユーザ情報(ここでは発表者イ)をユーザ位置テーブルから読み出す。次に、制御部10は、読み出したユーザ情報に対応する表示画像情報をユーザ毎表示画像テーブルから読み出す。そして、制御部10は、ユーザ毎表示画像テーブルから読み出した表示画像情報を画像表示装置2へ伝送する。なお、表示制御装置1は、画像表示装置2の起動直後は、画像表示装置2の回転角度(表示方向)に基づいて画像情報を選択するのではなく、予め登録されている画像情報を画像表示装置2に伝送するようにしてもよい。
上述したように表示制御装置1が伝送した画像情報を画像表示装置2が取得して画像表示部22に表示させることにより、画像表示装置2に対して予め登録されていた画像を表示させることができる。画像表示装置2の制御部20は、表示制御装置1から伝送されてくる画像情報を取得して画像表示部22に表示させると共に、回転角度センサ24が検知する回転角度に基づいて、画像表示部22の表示方向が変更されたか否かを判断している。制御部20は、画像表示部22の表示方向が変更されたことを検出した場合、回転角度センサ24によって検知した回転角度を表示制御装置1へ通知する。
画像表示装置2へ画像情報の伝送を開始している表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から回転角度を取得した場合、取得した回転角度に基づいて、上述した処理と同様に、画像表示装置2へ伝送すべき画像情報を選択する。具体的には、制御部10は、画像表示装置2から取得した回転角度に対応するユーザ情報を、ユーザ位置テーブルから読み出し、読み出したユーザ情報に対応する表示画像情報を、ユーザ毎表示画像テーブルから読み出す。そして、制御部10は、ユーザ毎表示画像テーブルから読み出した表示画像情報を画像表示装置2へ伝送する。これにより、画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、変更された表示方向に応じて予め登録されている画像を画像表示装置2に表示させることができる。
なお、ユーザ毎表示画像テーブルの代わりにユーザ情報テーブルを用いる場合、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から取得した回転角度に対応するユーザ情報をユーザ位置テーブルから読み出し、読み出したユーザ情報に対応する機密レベルをユーザ情報テーブルから読み出す。そして、制御部10は、ユーザ情報テーブルから読み出した機密レベルが設定されている画像情報を記憶部11から読み出し、画像表示装置2へ伝送する。このようにユーザ情報テーブルを用いる場合、高い機密レベルが設定されているユーザに対して機密性の高い情報の提供が可能となる。
図15は画像表示装置2に表示される画像情報を説明するための模式図である。なお、図15(a)乃至図15(d)のそれぞれは、発表者イ及び参加者ロ,ハ,ニの4人が1つの画像表示装置2を取り囲んで使用している状況を真上方向から見た図を示す。初期状態では、図15(a)に示すように、画像表示装置2の表示方向は右方向であり、このときの画像表示装置2の回転角度を0°とする。
図15では、会議の発表者イのみが画像表示装置2を使用し、3人の参加者のいずれかに画像を見せたい場合に、その参加者の方に画像表示装置2の画像表示部22を向ける。従って、図15では、画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、画像表示装置2に表示される画像情報について説明する。
図14(a)のユーザ位置テーブル及び図14(b)のユーザ毎表示画像テーブルに示すように、画像表示装置2の回転角度が0°の場合、画像表示装置2の表示方向は発表者イの方向となり、このときの表示画像情報はimage1である。従って、図15(a)に示すように、初期状態では、画像表示装置2にはimage1の画像が表示される。図15(a)に示した状態から、画像表示装置2の表示方向が、図15(b)に示すように参加者ロの方に変更された場合、制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度135°を検知する。制御部20は、検知した135°を表示制御装置1へ通知し、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から回転角度135°を取得する。
表示制御装置1の制御部10は、取得した回転角度135°に対応するユーザ情報として参加者ロを示す情報をユーザ位置テーブルから読み出す。制御部10は、参加者ロを示す情報に対応する表示画像情報としてimage2をユーザ毎表示画像テーブルから読み出す。制御部10は、image2の画像情報を画像表示装置2へ伝送する。これにより、図15(a)に示した状態から図15(b)に示した状態に変更された場合、画像表示装置2に表示される画像情報がimage1の画像からimage2の画像に変更される。これにより、発表者イが、画像表示装置2を参加者ロの方へ向けることにより、画像表示装置2に、参加者ロに提供すべき画像を表示させることができる。よって、参加者ハ,ニには見られることなく、参加者ロにのみ必要な画像を提供することができる。
同様にして、画像表示装置2の表示方向が、図15(c)に示すように参加者ハの方に変更された場合、表示制御装置1の制御部10は、image3の画像情報を画像表示装置2へ伝送する。よって、図15(a)に示した状態から図15(c)に示した状態に変更された場合、画像表示装置2に表示される画像情報がimage1の画像からimage3の画像に変更される。また、画像表示装置2の表示方向が、図15(d)に示すように参加者ニの方に変更された場合、表示制御装置1の制御部10は、image4の画像情報を画像表示装置2へ伝送する。よって、図15(a)に示した状態から図15(d)に示した状態に変更された場合、画像表示装置2に表示される画像情報がimage1の画像からimage4の画像に変更される。
以下に、表示制御装置1の制御部10が、画像表示装置2へ画像情報を伝送する際に行なう処理について説明する。図16は表示制御装置1が画像表示装置2へ画像情報を伝送する処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、表示制御装置1の制御部10によって実行されると共に、画像表示装置2の制御部20によって実行される。また、図16では、一点鎖線で区切った2つの領域において、左側の領域に表示制御装置1の制御部10による処理を、右側の領域に画像表示装置2の制御部20による処理をそれぞれ示している。
電源が投入されて起動処理が完了した画像表示装置2の制御部20は、回転角度センサ24によって回転角度を検知し(S41)、検知した回転角度を表示制御装置1へ送信する(S42)。一方、電源が投入されて起動処理が完了した表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から送信されてくる回転角度の受信待ち状態となっており、画像表示装置2から回転角度を受信したか否かを判断している(S43)。
回転角度を受信したと判断した場合(S43:YES)、制御部10は、受信した回転角度に対応するユーザを、ユーザ位置テーブルに基づいて特定する(S44)。制御部10は、特定したユーザに基づいて、画像表示装置2に送信する画像情報をユーザ毎表示画像テーブルから特定する(S45)。制御部10は、特定した画像情報を画像表示装置2に送信する(S46)。なお、表示制御装置1は、画像表示装置2の起動直後は、上述したように画像表示装置2の回転角度に基づいて、画像表示装置2へ送信すべき画像情報を選択するのではなく、予め登録されている画像情報を画像表示装置2に送信するようにしてもよい。
画像表示装置2へ画像情報の送信を開始した表示制御装置1の制御部10は、例えば表示制御装置1のユーザが操作部を操作することによって処理の終了が指示されたか否かを判断している(S47)。処理の終了が指示されていないと判断した場合(S47:NO)、制御部10は、ステップS43へ処理を戻し、画像表示装置2から回転角度を受信したか否かを判断する(S43)。
一方、表示制御装置1から画像情報を受信した画像表示装置2の制御部20は、受信した画像情報に基づいて画像表示部22に画像を表示させる(S48)。また、制御部20は、回転角度センサ24が検知する回転角度に基づいて、画像表示部22の表示方向が変更されたか否かを判断している(S49)。画像表示部22の表示方向が変更されていないと判断した場合(S49:NO)、制御部20は、ステップS48へ処理を戻し、表示制御装置1から送信されてくる画像情報を順次受信して画像表示部22に表示させる。
画像表示部22の表示方向が変更されたと判断した場合(S49:YES)、画像表示装置2の制御部20は、ステップS41へ処理を戻し、回転角度センサ24によって回転角度を検知し(S41)、検知した回転角度を表示制御装置1へ送信する(S42)。表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から送信された回転角度を受信した場合(S43:YES)、以降のステップS44〜S47の処理を繰り返す。これにより、画像表示装置2の表示方向が変更される都度、変更された表示方向に応じて、画像表示装置2に表示させる画像を変更させることができる。
一方、表示制御装置1の制御部10は、画像表示装置2から送信された回転角度を受信していないと判断した場合(S43:NO)、ステップS46へ処理を移行する。そして、制御部10は、ステップS45で既に特定してある画像情報の画像表示装置2への送信を継続する(S46)。制御部10は、処理の終了が指示されるまで、上述した処理を繰り返し、処理の終了が指示されたと判断した場合(S47:YES)、処理を終了する。
上述したように、表示制御装置1から伝送されてくる画像情報に基づいて画像を表示している画像表示装置2は、表示方向が変更された場合に、変更された表示方向を表示制御装置1に通知する。そして、表示制御装置1は、画像表示装置2から通知された表示方向(回転角度)に応じて、画像表示装置2へ伝送すべき画像情報を変更させる。よって、発表者イが画像表示装置2の表示方向を変更することによって、それぞれの参加者に対して有用な情報を画像表示装置2に表示させて提供できる。
上述した実施形態4も、画像表示装置2の制御部20が、回転角度センサ24によって、画像表示部22の表示方向として0°、135°、180°、225°の回転角度を検知する例について説明した。しかし、画像表示部22は完全に0°、135°、180°、225°の方向に回転させられるとは限らない。従って、表示制御装置1が画像表示装置2から取得した回転角度が、ユーザ位置テーブルに格納してある回転角度に一致しない場合が有り得る。この場合、制御部10は、ユーザ位置テーブルに格納してある回転角度のうちで、画像表示装置2から取得した回転角度に最も近い回転角度を、画像表示装置2の表示方向として処理すればよい。
上述した実施形態4のユーザ位置テーブルには、画像表示装置2の表示方向(回転角度)に存在するユーザとして個人を特定するユーザ情報が登録されていた。しかし、例えば技術部及び経理部等の部署を特定する情報をユーザ位置テーブルに登録すると共に、ユーザ毎表示画像テーブルには、部署毎の表示画像情報を登録しておいてもよい。この場合、画像表示装置2の表示方向(回転角度)に存在するユーザ個人を特定するのではなく、画像表示装置2の表示方向(回転角度)に存在するユーザの部署に応じて、画像表示装置2に表示させる画像を制御できる。
上述した実施形態4の表示制御装置1は、画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、画像表示装置2の回転角度に基づいて、図14(a)に示すユーザ位置テーブルから、変更された表示方向に存在するユーザを特定する構成であった。このほかに、例えば、各ユーザに、ユーザを識別する情報を記録させたICカード等を携帯させると共に、画像表示装置2にICカードに対して非接触での読み取りが可能な読み取り機能を備えておく。そして、画像表示装置2の画像表示部22を各ユーザの方に向けた場合に、画像表示装置2が各ユーザのICカードから情報を読み取ることによって、画像表示装置2の表示方向に存在するユーザを特定してもよい。
上述した実施形態4の表示制御装置1は、画像表示装置2の表示方向に存在するユーザをユーザ位置テーブルに基づいて特定する構成であった。しかし、例えば、複数の画像表示装置2,2を備える表示制御システム100であれば、図3の表示画像テーブル11aのように、画像表示装置2の表示方向に対応付けて、各表示方向に位置する画像表示装置2,2の識別情報を登録しておく。また、それぞれの画像表示装置2,2に対応付けて、画像表示装置2,2を使用するユーザを登録しておく。そして、画像表示装置2の表示方向が変更された場合に、画像表示装置2の表示方向に存在する画像表示装置2をまず特定する。そして、特定した画像表示装置2が割り当てられているユーザを特定することによって、画像表示装置2の表示方向に存在するユーザを特定するようにしてもよい。
実施形態1〜3では、本願の表示制御システムを会議システムに適用した形態について説明したが、この形態に限定されるものではない。例えば、インフォメーションディスプレイ等の広告表示を行なう装置において、回転角度に応じて表示させる画像を制御するシステムに適用することもできる。また、表示制御装置1及び画像表示装置2,2として、携帯電話及び携帯端末等のモバイル端末機器、一般的なパーソナルコンピュータ等を利用してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。