JP5241208B2 - 電力系統制御装置および電力系統制御方法 - Google Patents

電力系統制御装置および電力系統制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、電力系統制御装置および電力系統制御方法に関し、より特定的には、系統電圧の変動を抑制して電力系統の安定性を向上可能な電力系統制御装置および電力系統制御方法に関する。
特開平10−268952号公報(特許文献1)には、電力系統の電圧変動に対応して無効電力を制御する無効電力補償装置が開示される。これによれば、無効電力補償装置は、電力系統の母線に第1スイッチを介して接続された静止形無効電力補償装置(Static Var Compensator:以下、SVCと略記)と、このSVCに対して並列に接続された進相コンデンサとその直列スイッチとの直列回路とを有し、SVCの無効電力状態を検出する無効電力検出手段の出力信号により直列スイッチを制御するスイッチ制御手段を備えている。そして、無効電力検出手段は、ある一定期間、SVCの進相無効電力量が限界付近で運転された場合に、スイッチ制御手段に信号を出力して直列スイッチを「閉」とし、SVCのみで調整できる進相無効電力量の2倍の進相無効電力量を補償する。また、無効電力検出手段は、ある一定期間、SVCの無効電力量が遅相無効電力(進相コンデンサの進相無効電力量の補償が不要)の場合に、スイッチ制御手段に信号を出力して直列スイッチを「開」とする。
このようにSVCの無効電力量に応じて該直列スイッチを断続的に開閉することにより、SVCのみで運用した場合よりも無効電力の調整範囲を広く補償している。なお、このようにSVCの無効電力量に応じてSVCと進相コンデンサ(または遅相リアクトル)とを協調動作させることによって系統電圧の変動を抑制する制御方式は、一般に協調制御とも呼ばれており、電力系統の電圧安定化制御において広く採用されている(たとえば特開平5−27856号公報、特開昭62−269213号公報および特開昭59−89531号公報参照)。
特開平10−268952号公報 特開平5−27856号公報 特開昭62−269213号公報 特開昭59−89531号公報
しかしながら、上述した協調制御においては、変電所の至近端での事故発生時に系統電圧が大幅に低下した場合に事故回復後に系統電圧が過電圧となるという問題が生じる。
すなわち、至近端事故時には無効電力量の調整範囲を広く確保するために、進相コンデンサの進相無効電力量の大半が補償されるとともに、遅相リアクトルの遅相無効電力量の補償が遮断される。このような状態で電力系統の事故が回復すると、直ちに進相コンデンサを遮断するとともに、遅相リアクトルを投入する必要がある。しかしながら、遮断器が機械式の遮断器であり、半導体スイッチ等に比べて開閉速度が遅いことから、事故が回復してから進相コンデンサが遮断され、かつ遅相リアクトルが投入されるまでの期間において余剰の進相無効電力量が補償されることになる。その結果、電力系統が過電圧となってしまい、系統電圧の変動を確実に抑制することが困難となっていた。
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、確実に系統電圧の安定化を図ることが可能な電力系統制御装置および電力系統制御方法を提供することである。
この発明のある局面に従えば、電力系統制御装置は、電力系統の変電所の母線に接続され、母線電圧の変動に応じて無効電力量を補償する静止形無効電力補償装置と、母線に遮断器を介して静止形無効電力補償装置と並列に接続される第1の進相コンデンサと、母線に遮断器を介して静止形無効電力補償装置と並列に接続される第1の遅相リアクトルと、母線電圧を検出する母線電圧検出手段と、検出された母線電圧に応じて、静止形無効電力補償装置が補償する無効電力量を調整する無効電力補償制御手段と、検出された母線電圧が予め設定された所定の電圧変動範囲を超えた場合に、第1の進相コンデンサの進相無効電力量または第1の遅相リアクトルの遅相無効電力量を補償するように遮断器を開閉操作するための制御指令を出力する協調制御手段と、検出された母線電圧が、所定の電圧変動範囲の下限値よりも低い所定の閾値電圧を下回る場合には、協調制御手段の制御指令の出力をロックする出力ロック手段とを備える。
この発明の別の局面に従えば、電力系統の制御方法であって、電力系統は、変電所の母線に接続され、母線電圧の変動に応じて無効電力量を補償する静止形無効電力補償装置と、母線に遮断器を介して静止形無効電力補償装置と並列に接続される第1の進相コンデンサと、母線に遮断器を介して静止形無効電力補償装置と並列に接続される第1の遅相リアクトルと、母線電圧を検出する母線電圧検出手段とを含む。電力系統の制御方法は、検出された母線電圧に応じて、静止形無効電力補償装置が補償する無効電力量を調整するステップと、検出された母線電圧が予め設定された所定の電圧変動範囲を超えた場合に、第1の進相コンデンサの進相無効電力量または第1の遅相リアクトルの遅相無効電力量を補償するように遮断器を開閉操作するための制御指令を出力するステップと、検出された母線電圧が、所定の電圧変動範囲の下限値よりも低い所定の閾値電圧を下回る場合には、制御指令の出力をロックするステップとを備える。
この発明によれば、確実に系統電圧の安定化を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に従う電力系統制御装置の概略構成図である。
図1を参照して、電力系統は、上位電力系統からの供給電力を受ける送電線PLと、該送電線PLに接続され、互いに近接する複数(たとえば3とする)の変電所内にそれぞれ配設された母線PL1〜PL3とを含んで構成されている。
かかる構成において、母線PL1〜PL3はそれぞれ、変電所内に設置された遮断器CB1〜CB3を介して送電線PLに接続されている。そして、母線PL1〜PL3の各々には、複数の配電線が遮断器(ともに図示せず)を介して接続されている。
このような電力系統において、本実施の形態に係る電力系統制御装置は、母線PL1に接続される静止形無効電力補償装置(以下、SVCとも称す)10と、母線PL1に対してSVC10と並列に接続される進相コンデンサSC1と、母線PL1に対してSVC10と並列に接続される遅相リアクトルShr1と、母線PL1とSVC10、進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1との間にそれぞれ接続される遮断器CB11,CB12,CB13と、計器用変成器(PT)PT1と、制御装置100とを備える。これらは、後述するように、母線PL1の電圧を安定化するための電圧安定化制御手段を構成する。
電力系統制御装置は、さらに、母線PL2の電圧安定化制御手段として、母線PL2に接続される進相コンデンサSC2と、母線PL2に接続される遅相リアクトルShr2と、母線PL2と進相コンデンサSC2および遅相リアクトルShr2との間にそれぞれ接続される遮断器CB22,CB23と、計器用変成器PT2とをさらに備える。また、電力系統制御装置は、母線PL3の電圧安定化制御手段として、母線PL3に接続される進相コンデンサSC3と、母線PL3に接続される遅相リアクトルShr3と、母線PL3と進相コンデンサSC3および遅相リアクトルShr3との間にそれぞれ接続される遮断器CB32,CB33と、計器用変成器PT3とをさらに備える。
以上のような構成において、母線PL1の電圧安定化制御は、制御装置100が、母線PL1の計器用変成器PT1から入力される母線PL1の電圧に応じて、SVC10、進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1を協調動作させて無効電力量を補償することにより行なわれる。
このとき、進相コンデンサSC1は、制御装置100からの遮断制御信号に従って遮断器CB12を閉状態とすることにより母線PL1に投入(接続)され、遮断制御信号に従って遮断器CB12を開状態とすることにより母線PL1から解列(遮断)される。遅相リアクトルShr1も同様に、遮断制御信号に従って遮断器CB13を閉状態とすることにより母線PL1に投入され、遮断制御信号に従って遮断器CB13を開状態とすることにより母線PL1から解列される。
さらに、制御装置100は、このような母線PL1に接続される遮断器CB12,CB13を開閉操作するのに並行して、近接する他変電所の母線PL2に接続される遮断器CB22,CB23および母線PL3に接続される遮断器CB32,CB33の開閉操作も行なう。電力系統の擾乱時に急激な電圧変動が生じた場合には、通常、互い近接する複数の変電所の母線PL1〜PL3の各々に電圧変動が生じる可能性が高い。したがって、このような場合には、母線PL1のみならず、近接する他変電所の母線PL2,PL3においても無効電力量を補償することにより、母線PL1〜PL3の電圧変動を一体的に抑制することが可能となる。
(制御構造)
次に、図2を参照して、本実施の形態に従う電力系統制御装置における電圧安定化制御を実現するための制御構造について説明する。
図2は、この発明の実施の形態1に従う制御装置100における制御構造を示すブロック図である。図2に示す各機能ブロックは、代表的には制御装置100が予め格納されたプログラムを実行することで実現されるが、その機能の一部または全部を専用のハードウェアとして実装してもよい。
図2を参照して、制御装置100は、SVC制御部20と、協調制御部30と、電圧比較器40と、電圧センサ(VS)42と、遮断器制御部50とをその機能として含む。
SVC制御部20は、計器用変成器PT1により母線電圧を検出し、その検出した母線電圧に応じてSVC10が発生する無効電力量を調整する。
具体的には、SVC10は、変圧器TRと、変圧器TRを介して母線PLに接続されるリアクトル12,16と、リアクトル12に流れる電流を制御するサイリスタ14と、コンデンサ18とを含む。
リアクトル12とサイリスタ14とは、サイリスタ制御リアクトル(Thiristor Controlled Reactor:以下、TCRと略記)を構成し、後述する方法によってSVC制御部20からの制御指令に従って遅相無効電力量を調整する。
コンデンサ18は、進相無効電力を母線PL1に供給する。SVC10は、TCRとコンデンサ18との組合せによって、進相無効電力量および遅相無効電力量を補償する。
協調制御部30は、SVC10の発生する無効電力量と、計器用変成器PT1および電圧センサ42により検出される母線PL1の電圧V1とに基づいて、進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1の投入/解列を制御する。
具体的には、協調制御部30は、計器用変成器PT1から母線PL1の電圧Vを受け、母線PL1とSVC10との接続線に介挿された電流センサCTからSVC10を流れる電流Iを受ける。さらに、協調制御部30は、計器用変成器PT1とSVC制御部20との接続線に設けられた電圧センサ42から計器用変成器PT1の二次側電圧V1を受ける。なお、電圧センサ42により検出される計器用変成器PT1の二次側電圧V1は、母線PL1の電圧(母線電圧)Vに等しい。
そして、協調制御部30は、母線PL1の電圧Vおよび電流Iに基づいてSVC10の発生する無効電力量Qsvcを算出し、その算出した無効電力量Qsvcと計器用変成器PT1の二次側電圧(以下、母線電圧とも称す)V1とに基づいて、後述する方法によって進相コンデンサSC1の投入を指示するためのSC投入指令および遅相リアクトルShr1の解列を指示するためのShr解列指令とを生成する。そして、協調制御部30は、生成したこれらの指令を遮断器制御部50へ出力する。
電圧比較器40は、電圧センサ42から計器用変成器PT1の二次側電圧(母線電圧)V1を受けると、母線電圧V1と予め設定された所定の閾値電圧VL2とを比較し、比較結果を示す検出信号を遮断器制御部50へ出力する。なお、この検出信号は、母線電圧V1が所定の閾値電圧VL2以上の場合にはH(論理ハイ)レベルに活性化され、母線電圧V1が所定の閾値電圧VL2を下回る場合にはL(論理ロー)レベルに非活性化される。
遮断器制御部50は、協調制御部30から入力されるSC投入指令およびShr解列指令と電圧比較器40から入力される検出信号に基づいて、遮断器CB12,CB13をそれぞれ開閉操作するための遮断器制御信号CS12,CS13を生成して各遮断器へ出力する。さらに、遮断器制御部50は、他変電所の母線PL2に接続される遮断器CB22,CB23をそれぞれ開閉操作するための遮断器制御信号CS22,CS23を生成して各遮断器へ出力する。
図3は、図2に示す各機能ブロックの詳細な制御構造を示すブロック図である。
(SVC制御部の制御構造)
図3を参照して、SVC制御部20は、電圧センサ202と、リセットフィルタ200と、減算器208と、電圧制御部210と、ゲートパルス出力部212と、スロープリアクタンス(XS)214とを含む。
電圧センサ202は、計器用変成器PT1の二次側電圧(母線電圧)V1を検出し、その検出した母線電圧V1をリセットフィルタ200へ出力する。
リセットフィルタ200は、一次遅れ回路204と、減算器206とからなる。
一次遅れ回路204は、時定数をTとしたローパスフィルタであり、電圧センサ202から入力される母線電圧V1の中間値のような電圧を出力する。
ここで、一次遅れ回路204には、出力電圧が予め設定された上限値VH1と下限値VL1との間の値に維持されるようにリミット機能が付加されている。なお、上限値VH1および下限値VL1は、母線PL1に負荷変動等で微小な電圧変動がある場合を含む定常時の電圧変動範囲(VL1≦V1≦VH1)の上限値および下限値にそれぞれ対応するように予め設定されている。
減算器206は、電圧センサ202からの母線電圧V1から一次遅れ回路204の出力電圧を減算する。さらに、算器208が、減算値から電流センサCTで得られた電流Iにスロープリアクタンス(XS)214を積算して得られた値を減算することで、母線電圧V1の電圧変動成分が抽出される。
電圧制御部210は、母線電圧V1の電圧変動成分が零となるようにSVC10の無効電力出力値を演算する。ゲートパルス出力部212は、SVC10が演算された無効電力出力値を発生するような位相制御角をもつゲートパルスをサイリスタ14に与える。
このようにして定常時の電圧変動に対しては、SVC制御部20が母線電圧V1に応じて無効電力量を調整することにより、SVC10だけで電圧変動を抑制する。その一方で、擾乱時のように母線PL1に急激な電圧変動が発生した場合には、SVC制御部20内のリセットフィルタ200の出力がリセット(=出力が零となる)されないため、SVC10が継続して無効電力を発生することになる。この場合、SVC10の容量には限りがあることから、無効電力量を調整して電圧変動を抑制できない可能性がある。
そこで、母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲を超えて変動した場合には、SVC10と進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1とを協調動作させて無効電力量を補償することにより電圧変動を抑制する。具体的には、協調制御部30は、以下に述べる方法によってSVC10の無効電力量と母線電圧V1とに応じて、SVC10の無効電力量に加えて進相コンデンサSC1の進相無効電力量または遅相リアクトルShr1の遅相無効電力量を追加補償する。
(協調制御部の制御構造)
協調制御部30は、無効電力検出部(QS)302と、比較部304〜310と、容量制御回路312とを含む。
無効電力検出部302は、計器用変成器PT1から母線PLの電圧Vを受け、電流センサCTからSVC10を流れる電流Iを受けると、これらの入力信号に基づいてSVC10が発生する無効電力量Qsvcを演算する。演算された無効電力量Qsvcは、比較部304,306へ出力される。
比較部304は、予め設定された進相無効電力量の上限値QCを有しており、演算された無効電力量Qsvcが当該上限値QCを上回るか否かを判定する。この進相無効電力量の上限値は、SVC10が補償可能な最大進相無効電力量よりも小さい値に設定されている。比較部304は、無効電力量Qsvcが上限値QCを上回る場合には、Hレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。一方、無効電力量Qsvcが上限値QC以下となる場合には、比較部304は、Lレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。
比較部306は、予め設定された遅相無効電力量の上限値QLを有しており、演算された無効電力量Qsvcが当該上限値QLを上回るか否かを判定する。この遅相無効電力量の上限値は、SVC10が補償可能な最大遅相無効電力量よりも小さい値に設定されている。比較部306は、無効電力量Qsvcが上限値QLを上回る場合には、Hレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。一方、無効電力量Qsvcが上限値QL以下となる場合には、比較部304は、Lレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。
比較部308,310は、電圧センサ42から母線電圧V1を受けると、母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲(VL1≦V1≦VH1)内にあるか否かを判定する。
具体的には、比較部308は、母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲の下限値VL1よりも低いか否かを判定する。母線電圧V1が該下限値VL1よりも低い場合には、比較部308は、Hレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。一方、母線電圧V1が該下限値VL1以上となる場合には、比較部308は、Lレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。
また、比較部310は、母線電圧V1が電圧変動範囲の上限値VH1を上回るか否かを判定する。母線電圧V1が該上限値VH1を上回る場合には、比較部310は、Hレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。一方、母線電圧V1が該上限値VH1以下となる場合には、比較部310は、Lレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。
容量制御回路312は、比較部304〜310の各々から比較結果信号を受けると、これらの信号に基づいて、進相コンデンサSC1,SC2を母線PL1,PL2に接続(投入)するためのSC投入指令と、遅相リアクトルShr1,Shr2を母線PL1,PL2から遮断(解列)するためのShr解列指令とを生成する。
具体的には、容量制御回路312は、比較部304から出力される比較結果信号および比較部308から出力される比較結果信号の少なくとも一方がHレベルの場合には、Hレベルに活性化されたSC投入指令およびShr解列指令を生成する。生成されたSC投入指令は、遮断器制御部50のAND回路502,506一方入力に入力される。また、生成されたShr解列指令は、遮断器制御部50のAND回路504,508の一方入力に入力される。すなわち、容量制御回路312は、SVC10の発生する無効電力量が進相無効電力量の上限値QCを超える場合、あるいは、母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲の下限値VL1を下回る場合には、容量制御回路312は、SVC10の進相無効電力量に加えて進相コンデンサSC1の進相無効電力量を追加補償するための制御指令を発する。また、近接する他変電所の母線PL2に対しても、進相コンデンサSC2の進相無効電力量を補償するための制御指令を発する。
これに対して、比較部306から出力される比較結果信号および比較部310から出力される比較結果信号の少なくとも一方がHレベルの場合には、容量制御回路312は、Hレベルに活性化されたShr投入指令およびSC解列指令を生成する。生成されたShr投入指令は、遮断器制御部50のAND回路504,508の一方入力に入力される。また、生成されたSC解列指令は、遮断器制御部50のAND回路502,506の一方入力に入力される。すなわち、容量制御回路312は、SVC10の無効電力量が遅相無効電力量の上限値QLを上回る場合、あるいは母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲の上限値VH1を上回る場合には、SVC10の遅相無効電力量に加えて遅相リアクトルShr1の遅相無効電力量を追加補償するための制御指令を発する。また、近接する他変電所の母線PL2に対しても、遅相リアクトルShr2の遅相無効電力量を補償するための制御指令を発する。
以上に述べたように、協調制御部30は、SVC10の無効電力量Qsvcと母線電圧V1とに基づいて、SC投入指令およびShr解列指令、またはShr投入指令およびSC解列指令を生成する。したがって、母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲を超えた場合には、積極的にSVC10と進相コンデンサSC1または遅相リアクトルShr1との協調制御が実行される。これによれば、SVC10の無効電力量Qsvcに応じて協調制御の実行/停止を切り換える従来の電圧安定化制御と比較して、次回以降の電力系統の擾乱時の急激な電圧変動に備えてSVC10が余剰無効電力量を確保することができる。その結果、系統電圧の安定性を高めることが可能となる。
その一方で、変電所の至近端での事故の発生時に母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲の下限値VL1よりも大幅に低下した場合においても上述した協調制御を行なう構成とすると、至近端事故が回復してから進相コンデンサSC1が解列され、かつ遅相リアクトルShr1が投入されるまでの期間において、母線電圧V1が過電圧となるという問題が発生する。
すなわち、至近端事故時には無効電力量の調整範囲を広く確保するために、進相コンデンサSC1の進相無効電力量の大半が補償されるとともに、遅相リアクトルShr1の遅相無効電力量の補償が遮断される。このような状態で電力系統の事故が回復すると、直ちに進相コンデンサSC1を解列するとともに、遅相リアクトルShr1を投入する必要がある。しかしながら、遮断器CB12,CB13が機械式の遮断器であり、半導体スイッチ等に比べて開閉速度が遅いことから、事故回復時に余剰の進相無効電力量が補償されることになる。その結果、事故が回復してから進相コンデンサSC1が遮断され、かつ遅相リアクトルShr1が投入されるまでの期間において、母線電圧V1が過電圧となってしまう。
そこで、本実施の形態による電圧安定化制御では、上述したようにSVC10の無効電力量Qsvcおよび母線電圧V1に応じて協調制御を行なう一方で、母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲の下限値VL1よりも大幅に低下した場合には、協調制御部30の出力をロックする構成とする。
ここで、本構成において「協調制御部30の出力をロックする」とは、協調制御部30からの制御指令の出力を一時的に停止することをいう。したがって、協調制御部30の出力がロックされると、遮断器CB12,CB13の開閉操作が停止されるため、進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1の投入/解列が停止することになる。その結果、至近端事故回復時に余剰の無効電力量を受けて母線電圧V1が過電圧となるのが抑制されるため、系統電圧の安定性をより一層高めることができる。
そして、このような構成は、以下に述べるように、電圧比較器40からの検出信号が遮断器制御部50からの遮断器制御信号の出力を阻止することによって実現される。
詳細には、電圧比較器40は、電圧センサ42からの母線電圧V1を受けると、母線電圧V1が所定の閾値電圧VL2を上回るか否かを判定する。所定の閾値電圧VL2は、母線PL1の定常時の電圧変動範囲の下限値VL1よりもさらに低い電圧に設定されている。具体的には、閾値電圧VL2は、変電所の至近端で事故が発生した場合における母線PL1の電圧レベルに設定されている。
電圧比較器40は、母線電圧V1が閾値電圧VL2を上回る場合には、Hレベルの検出信号を生成し、その生成した検出信号を遮断器制御回路50のAND回路502〜508の他方入力に入力する。一方、母線電圧V1が閾値電圧VL2以下となる場合には、電圧比較器40は、Lレベルの検出信号を生成し、その生成した検出信号を遮断器制御回路50のAND回路502〜508の他方入力に入力する。
遮断器制御部50は、容量制御回路312に対して並列に設けられたAND回路502〜508からなる。AND回路502〜508は、容量制御回路312からの制御指令と電圧比較器40からの検出信号との論理積演算結果をそれぞれ出力する。AND回路502〜508の出力信号は、遮断器制御信号CS12,CS13,CS22,CS23として遮断器CB12,CB13,CB22,CB23に与えられる。
たとえば、AND回路502は、容量制御回路312からSC投入指令を受け、電圧比較器40から検出信号を受けると、これらの2信号の論理積を演算する。このとき、電圧比較器40の検出信号がLレベルであれば、すなわち、母線電圧V1が閾値電圧VL2以下であれば、SC投入指令の出力が阻止され、AND回路502からは、Lレベルの遮断器制御信号CS12が出力されることになる。この結果、協調制御部30からのSC投入指令に反して、進相コンデンサSC1の投入が阻止される。
また、AND回路504は、容量制御回路312からShr解列指令を受け、電圧比較器40から検出信号を受けると、これらの2信号の論理積を演算する。このとき、電圧比較器40の検出信号がLレベルであれば、すなわち、母線電圧V1が閾値電圧VL2以下であれば、Shr解列指令の出力が阻止され、AND回路504からは、Lレベルの遮断器制御信号CS13が出力されることになる。この結果、協調制御部30からのShr解列指令に反して、遅相リアクトルShr1の解列が阻止される。
なお、図3に示すこの発明の実施の形態と本願発明との対応関係については、計器用変成器PT1および電圧センサ42が「母線電圧検出手段」に相当し、SVC制御部20が「無効電力補償制御手段」に相当し、協調制御部30が「協調制御手段」に相当する。そして、電圧比較器40および遮断器制御部50が「出力ロック手段」を実現する。
以上の処理は、図4に示すような処理フローにまとめることができる。
(フローチャート)
図4は、この発明の実施の形態1に従う電圧安定化制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、図4に示す各ステップの処理は、制御装置100(図1)が図3に示す各制御ブロックとして機能することで実現される。
図4を参照して、一連の制御が開始されると、協調制御部30および電圧比較器40として機能する制御装置100は、計器用変成器PT1および電圧センサ42より母線PL1の電圧V1を取得する(ステップS01)。そして、協調制御部30として機能する制御装置100は、母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲内にあるか否かを判断する(ステップS02)。
母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲内にある場合(ステップS02においてYESの場合)には、SVC10単独で無効電力量を補償する。すなわち、SVC制御部20として機能する制御装置100は、母線電圧V1の電圧変動成分が零となるようにSVC10の無効電力量を調整する(ステップS04)。
これに対して、母線電圧V1が定常時の電圧変動範囲内にない場合(ステップS02においてNOの場合)には、電圧比較器40として機能する制御装置100は、母線電圧V1が、該電圧変動範囲の下限値VL1よりも低い所定の閾値電圧VL2を上回るか否かを判断する(ステップS03)。
母線電圧V1が閾値電圧VL2を上回る場合(ステップS03においてYESの場合)には、SVC10と進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1とが無効電力量を補償する。すなわち、協調制御部30として機能する制御装置100は、SVC10の無効電力量と母線電圧V1とに応じて進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1の投入/解列を制御することにより(ステップS05)無効電力量を調整する。
これに対して、母線電圧V1が閾値電圧VL2以下となる場合(ステップS03においてNOの場合)には、遮断器制御部50として機能する制御装置100は、協調制御部30からの制御指令の出力をロックする(ステップS06)。これにより、遮断器制御部50からの遮断器制御信号の出力が阻止されるため、進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1の投入/解列が停止される。
なお、上述の説明においては、母線PL1に対して設けられた進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1の投入/解列について説明したが、他変電所の母線PL2に対して設けられた進相コンデンサSC2および遅相リアクトルShr2についても並行して投入/解列が行なわれる。さらには、近接する複数の変電所の母線の各々に対して設けられた進相コンデンサおよび遅相リアクトルについても並行して投入/解列を行なうことができる。
この発明の実施の形態によれば、SVCの無効電力量および母線電圧に応じてSVCと進相コンデンサまたは遅相リアクトルとを協調動作させることにより、SVCの無効電力量を確保しながら系統電圧の変動を抑制する。これにより、擾乱時の急激な電圧変動に対しても安定して無効電力量を補償することができ、系統電圧の安定性を高めることができる。
また、この発明の実施の形態によれば、至近端事故時の大幅な電圧低下に対しては、協調制御をロックする。これにより、事故回復時に過剰な無効電力量が補償されることによって系統電圧に過電圧が発生するのを未然に回避することができる。その結果、系統電圧の安定性をより一層向上することが可能となる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に従う電力系統制御装置の制御装置における制御構造を示すブロック図である。本実施の形態に従う制御装置は、図3の制御装置における協調制御部30および電圧比較器40を、協調制御部30Aおよび電圧比較器40Aに置き換えたものである。よって、共通する機能ブロックについての詳細な説明は繰り返さない。
図5を参照して、協調制御部30Aは、図3の協調制御部30における比較部308,310を、比較部308A,310Aに変更したものである。比較部308A,310Aは、母線電圧V1に代えて、近接する他変電所の母線PL2に設置された計器用変成器PT2および電圧センサ44により母線PL2の電圧(以下、他変電所母線電圧とも称す)V2を受ける。
比較部308Aは、他変電所母線電圧V2が定常時の電圧変動範囲の下限値VL1よりも低いか否かを判定する。他変電所母線電圧V2が該下限値VL1よりも低い場合には、比較部308Aは、Hレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。一方、他変電所母線電圧V2が該下限値VL1以上となる場合には、比較部308Aは、Lレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。
比較部310Aは、他変電所母線電圧V2が電圧変動範囲の上限値VH1を上回るか否かを判定する。他変電所母線電圧V2が該上限値VH1を上回る場合には、比較部310Aは、Hレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。一方、他変電所母線電圧V2が該上限値VH1以下となる場合には、比較部310Aは、Lレベルの比較結果信号を容量制御回路312へ出力する。
容量制御回路312は、比較部304,306,308A,310Aの各々から比較結果信号を受けると、これらの信号に基づいて、進相コンデンサSC1,SC2を母線PL1,PL2に投入するためのSC投入指令と、遅相リアクトルShr1,Shr2を母線PL1,PL2から解列するためのShr解列指令とを生成して遮断器制御部50のAND回路502〜508の一方入力に入力する。
電圧比較器40Aは、計器用変成器PT2および電圧センサ44により他変電所母線電圧V2を受けると、他変電所母線電圧V2が所定の閾値電圧VL2を上回るか否かを判定する。所定の閾値電圧VL2は、先の実施の形態1と同様に、母線PL2の定常時の電圧変動範囲の下限値VL1よりもさらに低い電圧であって、たとえば、変電所の至近端で事故が発生した場合における母線PL2の電圧レベルに設定されている。
電圧比較器40Aは、他変電所母線電圧V2が閾値電圧VL2を上回る場合には、Hレベルの検出信号を生成し、その生成した検出信号を遮断器制御回路50のAND回路502〜508の他方入力に入力する。一方、他変電所母線電圧V2が閾値電圧VL2以下となる場合には、電圧比較器40Aは、Lレベルの検出信号を生成し、その生成した検出信号を遮断器制御部50のAND回路502〜508の他方入力に入力する。
このような構成としたことにより、本実施の形態に従う電力系統制御装置においては、SVC10の無効電力量および他変電所母線電圧V2に応じて協調制御が実行される。これにより、他変電所母線電圧V2に急激な電圧変動が生じた場合には、母線PL2に遮断器を介して接続された進相コンデンサSC2および遅相リアクトルShr2が無効電力量を補償する。さらに、至近端事故の発生時には、進相コンデンサSC2の投入および遅相リアクトルShr2の解列が停止される。その結果、母線PL1の電圧変動に加えて、他変電所母線PL2の電圧変動も抑制することができる。
この発明の実施の形態によれば、特定の変電所内に設けられたSVCと該変電所に近接する他変電所の母線電圧に応じて各変電所の母線の無効電力量を補償する。したがって、他変電所内にSVCを設置するためのスペースを確保できない場合であっても、他変電所の母線の電圧変動を抑制することができる。
これは、言い換えれば、近接する複数の変電所のいずれかにSVCを設置することで各々の変電所の母線電圧を調整することができるため、SVCの設置自由度を高めることが可能となる。特に、電圧安定化制御の制御性能を向上するために、複数のSVCを設置する場合において有効となる。
以上の処理は、図6に示すような処理フローにまとめることができる。
図6は、この発明の実施の形態2に従う電圧安定化制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、図6に示す各ステップの処理は、制御装置100が図5に示す各制御ブロックとして機能することで実現される。
図6を参照して、一連の制御が開始されると、協調制御部30および電圧比較器40Aとして機能する制御装置100は、計器用変成器PT2および電圧センサ44より他変電所の母線PL1の電圧V2を取得する(ステップS11)。そして、協調制御部30Aとして機能する制御装置100は、他変電所母線電圧V2が定常時の電圧変動範囲内にあるか否かを判断する(ステップS12)。
他変電所母線電圧V2が定常時の電圧変動範囲内にある場合(ステップS12においてYESの場合)には、SVC10単独で母線PL1の無効電力量を補償する。すなわち、SVC制御部20として機能する制御装置100は、母線電圧V1の電圧変動成分が零となるようにSVC10の無効電力量を調整する(ステップS14)。
これに対して、他変電所母線電圧V2が定常時の電圧変動範囲内にない場合(ステップS12においてNOの場合)には、電圧比較器40Aとして機能する制御装置100は、他変電所母線電圧V2が、該電圧変動範囲の下限値VL1よりも低い所定の閾値電圧VL2を上回るか否かを判断する(ステップS13)。
他変電所母線電圧V2が閾値電圧VL2を上回る場合(ステップS13においてYESの場合)には、SVC10と進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1とが母線PL1の無効電力量を補償するように投入/解列される(ステップS15)。すなわち、協調制御部30Aとして機能する制御装置100は、SVC10の無効電力量と他変電所母線電圧V2とに応じて進相コンデンサSC1および遅相リアクトルShr1の投入/解列を制御することにより無効電力量を調整する。さらに、協調制御部30Aとして機能する制御装置100は、進相コンデンサSC2および遅相リアクトルShr2の投入/解列を制御することにより他変電所の母線PL2の無効電力量を調整する。
これに対して、他変電所母線電圧V2が閾値電圧VL2以下となる場合(ステップS13においてNOの場合)には、遮断器制御部50として機能する制御装置100は、協調制御部30Aからの制御指令の出力をロックする(ステップS16)。これにより、遮断器制御部50からの遮断器制御信号の出力が阻止されるため、進相コンデンサSC1,SC2および遅相リアクトルShr1,Shr2の投入/解列が停止される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1に従う電力系統制御装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態1に従う制御装置における制御構造を示すブロック図である。 図2に示す各機能ブロックの詳細な制御構造を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に従う電圧安定化制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2に従う電力系統制御装置の制御装置における制御構造を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に従う電圧安定化制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 SVC、12,16 リアクトル、14 サイリスタ、18 コンデンサ、20
SVC制御部、30,30A 協調制御部、40,40A 電圧比較器、42,44 電圧センサ、50 遮断器制御部、100 制御装置、200 リセットフィルタ、202 電圧センサ、204 一次遅れ回路、206,208 減算器、210 電圧制御部
、212 ゲートパルス出力部、302 無効電力検出部、304〜310,308A,310A 比較部、312 容量制御回路、502〜508 AND回路、CB1〜CB3,CB11,CB12,CB13,CB22,CB23 遮断器、CT 電流センサ、PL 送電線、PL1〜PL3 母線、PT1〜PT3 計器用変成器、SC1〜SC3
進相コンデンサ、Shr1〜Shr3 遅相リアクトル、T変圧器。

Claims (8)

  1. 電力系統の変電所の母線に接続され、母線電圧の変動に応じて無効電力量を補償する静止形無効電力補償装置と、
    前記母線に遮断器を介して前記静止形無効電力補償装置と並列に接続される第1の進相コンデンサと、
    前記母線に遮断器を介して前記静止形無効電力補償装置と並列に接続される第1の遅相リアクトルと、
    前記母線電圧を検出する母線電圧検出手段と、
    検出された前記母線電圧に応じて、前記静止形無効電力補償装置が補償する無効電力量を調整する無効電力補償制御手段と、
    検出された前記母線電圧が予め設定された所定の電圧変動範囲を超えた場合に、前記第1の進相コンデンサの進相無効電力量または前記第1の遅相リアクトルの遅相無効電力量を補償するように前記遮断器を開閉操作するための制御指令を出力する協調制御手段と、
    検出された前記母線電圧が、前記所定の電圧変動範囲の下限値よりも低い所定の閾値電圧を下回る場合には、前記協調制御手段の制御指令の出力をロックする出力ロック手段とを備える、電力系統制御装置。
  2. 前記協調制御手段は、前記静止形無効電力補償装置の無効電力量を検出する無効電力検出手段を含み、検出された前記静止形無効電力補償装置の無効電力量が予め設定された所定の許容電力量を超えた場合、もしくは、検出された前記母線電圧が予め設定された所定の電圧変動範囲を超えた場合には、前記第1の進相コンデンサの進相無効電力量または前記第1の遅相リアクトルの遅相無効電力量を補償するように前記遮断器を開閉操作するための制御指令を出力する、請求項1に記載の電力系統制御装置。
  3. 前記所定の電圧変動範囲は、前記電力系統が定常状態のときの電圧変動範囲に基づいて設定され、前記所定の閾値電圧は、前記電力系統に擾乱が発生したときの電圧変動範囲に基づいて設定される、請求項1または請求項2に記載の電力系統制御装置。
  4. 前記電力系統における他変電所の母線に遮断器を介して接続される第2の進相コンデンサと、
    前記他変電所の母線に遮断器を介して接続される第2の遅相リアクトルと、
    前記他変電所の母線電圧を検出する他変電所母線電圧検出手段とをさらに備え、
    前記協調制御手段は、検出された前記他変電所の母線電圧が前記所定の電圧変動範囲を超えた場合に、前記第1および第2の進相コンデンサの進相無効電力量または前記第1および第2の遅相リアクトルの遅相無効電力量を補償するように前記遮断器を開閉操作するための制御指令を出力し、
    前記出力ロック手段は、検出された前記他変電所の母線電圧が前記所定の閾値電圧を下回る場合には、前記協調制御手段の制御指令の出力をロックする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力系統制御装置。
  5. 電力系統の制御方法であって、
    前記電力系統は、
    変電所の母線に接続され、母線電圧の変動に応じて無効電力量を補償する静止形無効電力補償装置と、
    前記母線に遮断器を介して前記静止形無効電力補償装置と並列に接続される第1の進相コンデンサと、
    前記母線に遮断器を介して前記静止形無効電力補償装置と並列に接続される第1の遅相リアクトルと、
    前記母線電圧を検出する母線電圧検出手段とを含み、
    前記制御方法は、
    検出された前記母線電圧に応じて、前記静止形無効電力補償装置が補償する無効電力量を調整するステップと、
    検出された前記母線電圧が予め設定された所定の電圧変動範囲を超えた場合に、前記第1の進相コンデンサの進相無効電力量または前記第1の遅相リアクトルの遅相無効電力量を補償するように前記遮断器を開閉操作するための制御指令を出力するステップと、
    検出された前記母線電圧が、前記所定の電圧変動範囲の下限値よりも低い所定の閾値電圧を下回る場合には、前記制御指令の出力をロックするステップとを備える、電力系統制御方法。
  6. 前記制御指令を出力するステップは、前記静止形無効電力補償装置の無効電力量を検出するステップを含み、検出された前記静止形無効電力補償装置の無効電力量が予め設定された所定の許容電力量を超えた場合、もしくは、検出された前記母線電圧が予め設定された所定の電圧変動範囲を超えた場合には、前記第1の進相コンデンサの進相無効電力量または前記第1の遅相リアクトルの遅相無効電力量を補償するように前記遮断器を開閉操作するための制御指令を出力する、請求項5に記載の電力系統制御方法。
  7. 前記所定の電圧変動範囲は、前記電力系統が定常状態のときの電圧変動範囲に基づいて設定され、前記所定の閾値電圧は、前記電力系統に擾乱が発生したときの電圧変動範囲に基づいて設定される、請求項5または請求項6に記載の電力系統制御方法。
  8. 前記電力系統は、
    他変電所の母線に遮断器を介して接続される第2の進相コンデンサと、
    前記他変電所の母線に遮断器を介して接続される第2の遅相リアクトルと、
    前記他変電所の母線電圧を検出する他変電所母線電圧検出手段とをさらに含み、
    前記制御指令を出力するステップは、検出された前記他変電所の母線電圧が前記所定の電圧変動範囲を超えた場合に、前記第1および第2の進相コンデンサの進相無効電力量または前記第1および第2の遅相リアクトルの遅相無効電力量を補償するように前記遮断器を開閉操作するための制御指令を出力し、
    前記制御指令の出力をロックするステップは、検出された前記他変電所の母線電圧が前記所定の閾値電圧を下回る場合には、前記制御指令の出力をロックする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の電力系統制御方法。
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