JP5240741B2 - パターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波、イオン又は電子を照射してパターンを形成するパターン形成方法に関するものである。
従来、電子回路等に用いられる金属パターンの形成は、主としてレジスト材料を用いた方法により行われてきた。
具体的には、金属薄層上にレジスト材料を塗布し、金属パターンを露光した後現像により不要なレジストを除去し、露出した金属薄をエッチングにより除去し、残存するレジスト部分を剥離することで金属パターンを記録した金属薄を形成していた(例えば、特許文献1参照)。
日本国公開特許公報「特開2008−251711号公報(2008年10月16日公開)」
しかしながら、上記従来の方法は、工程が多く複雑であり、生産時間が長く、生産効率が低いという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便に微細なパターンを形成することができるパターン形成方法を実現することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、従来、機器の故障の原因となるために液体を入れることはほとんど行われていなかった、真空下で用いられるイオンビーム装置の中に、金属イオンを溶解させたイオン液体を入れ、イオンビームを当該液体に照射することにより、金属を析出させてパターン形成できることを本発明者は見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係るパターン形成方法は、上記課題を解決するために、電磁波、イオン又は電子により化学反応を引き起こす反応性物質をイオン液体に溶解した溶液に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該反応性物質を化学反応させ、照射した部分に当該反応物を析出させることにより、当該反応物のパターンを形成するパターン形成工程を含むことを特徴としている。
上記方法によれば、上記溶液に電磁波、イオン又は電子を照射することにより、上記溶液中に二次電子が発生すると考えられる。そして当該二次電子により、反応性物質が反応を引き起こし、当該反応性物質の反応物が析出する。このため、例えば、上記溶液を任意の材料に塗布することにより、当該材料上に、任意の形状の反応物のパターンを形成することができる。従って、上記方法によれば、簡便に微細なパターンを形成することができるという効果を奏する。
また、液体中の反応性物質を反応させてパターン形成するため、パターン形成中、反応性物質は液体中を自由に移動できる。その結果、少ない反応性物質の量で多くの反応物のパターンを形成できる。更には、使用後のイオン液体溶液に、反応性物質を追加して添加すれば、当該溶液を廃棄したり、特別な処理を施したりすることなく繰り返し使用することができる。従って、上記方法では、原料の使用効率を高くすることが可能である。
更には、本発明に係るパターン形成方法は、上記課題を解決するために、電磁波、イオン又は電子により重合反応を引き起こす重合性化合物が結合したイオン液体に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該イオン液体を重合反応させ、照射した部分に当該重合物を析出させることにより、当該重合物のパターンを形成するパターン形成工程を含むことを特徴としている。
上記方法によれば、重合性化合物が結合した上記イオン液体に電磁波、イオン又は電子を照射することにより、上記イオン液体中に二次電子が発生すると考えられる。そして当該二次電子により、重合性化合物が反応を引き起こし、当該重合性化合物の重合物が析出する。このため、例えば、上記イオン液体を任意の材料に塗布することにより、当該材料上に、任意の形状の重合物のパターンを形成することができる。従って、上記方法によれば、簡便に微細なパターンを形成することができるという効果を奏する。
また、重合性化合物が結合したイオン液体を反応させてパターン形成するため、パターン形成中、重合性化合物が結合したイオン液体は当該液体中を自由に移動できる。その結果、少ない量で多くの重合物のパターンを形成できる。更には、重合性化合物が結合したイオン液体は、その使用後に、当該液体を廃棄したり、特別な処理を施したりすることなく繰り返し使用することができる。従って、上記方法では、原料の使用効率を高くすることが可能である。
本発明に係るパターン形成方法は、以上のように、電磁波、イオン又は電子により化学反応を引き起こす反応性物質がイオン液体に溶解した溶液に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該反応性物質を化学反応させ、照射した部分に当該反応物を析出させることにより、当該反応物のパターンを形成するパターン形成工程を含むことを特徴としている。
また、本発明に係るパターン形成方法は、電磁波、イオン又は電子により重合反応を引き起こす重合性化合物が結合したイオン液体に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該イオン液体を重合反応させ、照射した部分に当該重合物を析出させることにより、当該重合物のパターンを形成するパターン形成工程を含むことを特徴としている。
このため、簡便に微細なパターンを形成することができるという効果を奏する。
実施例1により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。 実施例1により得られたパターンの蛍光X線分析結果を示す図面である。 実施例2により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。 実施例2により得られたパターンの蛍光X線分析結果を示す図面である。 実施例3により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。 参考例1により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。 参考例1及び参考例2により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。 実施例6で描写したパターンを示す平面図である。 実施例6により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。 実施例7により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。 実施例8により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。 実施例9により得られたパターンをSEMにより測定した画像を示す図面である。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。尚、本実施の形態では、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。また、本明細書で挙げられている各種物性は、特に断りの無い限り後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。
本実施の形態に係るパターン形成方法は、電磁波、イオン又は電子により化学反応を引き起こす反応性物質がイオン液体に溶解した溶液に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該反応性物質を化学反応させ、照射した部分に当該反応物を析出させることにより、当該反応物のパターンを形成するパターン形成工程を含む。
上記電磁波の波長は、特には限定されないが、例えば、一般的な励起状態から反応が引き起こされる、可視光(約380〜800nm)以下の波長の範囲内が挙げられる。
また、本実施の形態に係るパターン形成方法は、反応性物質をイオン液体に溶解した上記溶液を調整する溶液調製工程や、調製した上記溶液を基材上に塗布する溶液塗布工程や、上記パターン形成工程の後に、上記溶液を除去する洗浄工程を更に含んでもよい。
以下に、本実施形態の一例として、上記照射にビームを用い、反応性物質として金属イオンを用い、溶液調製工程、溶液塗布工程及び洗浄工程を含む場合について詳細に説明する。
尚、本明細書における「パターン」とは、直線、曲線及びこれらの組合せから主に構成される図案や模様等の任意の形状を意味する。また、本明細書における「パターン形成する」とは、意図したパターンの形状を反応性物質により再現することを意味し、単に微粒子を形成するのみで、意図した形状を再現していない場合には、本発明における「パターン形成する」とはいえない。
(1)溶液調製工程
溶液調製工程は、イオン液体よりも還元され易い金属カチオンをイオン液体に溶解した溶液を調製する工程である。
本実施の形態で用いる上記イオン液体は、常温常圧下で液体であり、アニオンとカチオンとから構成される塩であり、且つ蒸気圧がほとんどゼロである物質を意味する。
上記イオン液体を構成するカチオンとしては、イミダゾリウム系カチオンや、ピリジニウム系カチオンや、テトラアルキルアンモニウム系カチオンや、テトラアルキルフォスフォニウム系カチオンが挙げられる。
尚、上記「A系カチオン」とは、特に断りのない限りAの構造を主骨格として含むカチオンを意味し、例えば、「イミダゾリウム系カチオン」とは、イミダゾリウム構造を主骨格として含むカチオンを意味する。
上記イミダゾリウム系カチオンとしては、例えば、1,3−ジアルキルイミダゾリウムカチオンが挙げられる。イミダゾリウム系カチオンを構成する上記アルキル基としては、特には限定されず、例えば、直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記ピリジニウム系カチオンとしては、例えば、N−アルキルピリジニウムカチオンが挙げられる。N−アルキルピリジニウムカチオンを構成する上記アルキル基としては、特には限定されず、例えば、直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記テトラアルキルアンモニウム系カチオンとしては、例えば、非対称なテトラアルキルアンモニウム系カチオンが挙げられる。テトラアルキルアンモニウム系カチオンを構成する上記アルキル基としては、特には限定されず、例えば、直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記テトラアルキルフォスフォニウム系カチオンとしては、例えば、非対称なテトラアルキルフォスフォニウム系カチオンが挙げられる。テトラアルキルフォスフォニウム系カチオンを構成する上記アルキル基としては、特には限定されず、例えば、直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記イオン液体を構成するアニオンとしては、CFSO 、CSO 等のフッ化アルキルスルホン酸アニオン、(CFSO、(CSO等のビス(フッ化アルキルスルホニル)イミドアニオン、CFCOO等のフッ化アルキルカルボン酸アニオン、BF 、PF 、SbF 、(HF)、等が挙げられる。
上記イオン液体は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、イオン液体を構成する上記カチオンのハロゲン塩を、イオン液体を構成する上記アニオンを含む金属塩やアンモニウム塩と反応させることにより製造することができる。
イオン液体よりも還元され易い上記金属カチオンとしては、用いるイオン液体よりも還元電位が低い金属カチオンであれば特に限定されない。当該カチオンを構成する金属としては、例えば、Mg、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Ir、Au、Ptが挙げられる。
上記溶液における上記金属カチオンの濃度は、使用するイオン液体や、基材の種類等により適宜変更することができ、例えば、0.001〜1Mの範囲内とすることができる。
本実施の形態では、イオン液体にカチオンを溶解した上記溶液に、更に、界面活性剤を溶解させてもかまわない。これにより、照射したパターンと実際に形成されるパターンとの形状の差を小さくすることができる。
上記界面活性剤としては、イオン液体に溶解し、親水性基と疎水性基とを有する化合物であれば特には限定されず、従来から知られている、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤の何れを用いてもよい。
また、高分子化合物を上記界面活性剤として用いてもよく、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルアルコール、多糖類等の、2以上の繰り返し構造単位を含む高分子化合物が挙げられる。
上記溶液における上記界面活性剤の濃度は、使用するイオン液体、金属カチオン、基材の種類等により適宜変更すればよく、特には限定されない。上記溶液における上記界面活性剤の濃度は、例えば、5〜20質量%の範囲内とすることができる。
(2)溶液塗布工程
溶液塗布工程では、調製した上記溶液を基材上に塗布する。用いる基材としては特には限定されず、例えば、シリコン基材等の半導体基材、金属基材等の導電体、ガラス基材や高分子基材等の絶縁体機材等が挙げられる。また、その形状についても特には限定されず、板状であってもよいし、球状であってもよい。
塗布方法としては、従来公知の膜作製技術を用いることができ、例えば、基材に溶液を滴下した後、スピンコート法により溶液を薄層化する方法が挙げられる。
上記溶液の塗布は、上記溶液調製工程で調整した溶液をそのまま塗布してもよいし、溶剤等で希釈して塗布した後に、溶剤を蒸発させることにより行ってもよい。
塗布する上記溶液の厚さとしては、形成するパターンの厚さ、用いる金属カチオンの種類、基材の種類等によって適宜変更すればよい。但し、上記溶液の厚さを薄くすると、還元したカチオンが発生する位置と基材表面との間の距離が短くなるため、還元したカチオンが、照射された基材上の位置とは異なる位置に析出することを抑制できる。このため、照射したパターンと実際に形成されるパターンとの形状の差を小さくすることができる。
(3)パターン形成工程
パターン形成工程では、上記基材に塗布した溶液に、ビームを照射して溶液中の金属カチオンを還元させ、ビームを照射した部分に金属を析出させることにより、当該金属のパターンを形成する。
上記ビームとしては、イオンビーム、電子ビーム、レーザー光等が挙げられ、イオンビーム、電子ビームがより好ましい。これらビームの照射条件は、特には限定されず、得られるパターンの形状、用いる金属カチオンの種類、イオン液体の種類等によって適宜変更すればよい。上記レーザー光の波長は、特には限定されないが、例えば、可視光(約380〜800nm)以下の波長の範囲内が挙げられる。
また、このようなビームを使用する場合、上記パターン形成工程は、真空中で行なうことが好ましい。
尚、本明細書における「真空」とは、大気よりも圧力の低い空間を意味し、好ましくは気圧が0である空間を意味する。
パターン形成中、基材は静置させてもよく、動かしてもかまわない。例えば、ビーム照射中に、基材を傾けることにより、3次元のパターンを形成することが可能となる。また反対に、基材を静置させ、ビームの照射角度を変化させることにより3次元のパターンを形成することも可能である。
更には、スポットでビームを当て、エネルギーを一点に集中させることにより、基材から3次元的に枝分かれして広がったようなパターンを形成することもできる。
また、形成するパターンに沿ってビームを繰り返し照射することにより、パターンの厚さを増加させることもでき、パターンのアスペクト比(高さ/幅)を当該スキャン回数(繰り返し回数)によって自由に制御することができる。
更には、形成するパターンに沿ってビームを繰り返し照射する場合において、少しずつビームの照射によって描写する形状を変化させれば、任意の3次元形状を形成することができる。具体的には、例えば、ビームの照射によって描写する形状の幅を小さくしていけば、パターンの積層方向に向かってテーパー状になったパターンを形成することができ、反対に、少しずつパターンの幅を大きくしていけば、パターンの積層方向に向かって逆テーパー状(先が広がった形状)のパターンを形成することができる。
(4)洗浄工程
洗浄工程では、上記イオン液体溶液を形成したパターンから除去する。
上記溶液の除去方法としては、例えば、パターン形成後の上記基材を、アセトン等の溶剤に浸漬させることにより、上記溶液を溶解して除去する方法や、パターン形成後の上記基材を、プラズマ炎等に導入して、上記溶液を熱分解させて除去する方法が挙げられる。特に、後者の方法では、金属パターン中に含まれるイオン液体や界面活性剤についても良好に除去することができる。
更には、上記の溶液を熱分解させて除去する方法を利用すれば、例えば、析出する金属に積極的に界面活性剤やイオン液体を混入させ、その後これら成分を熱分解させることにより、内部に細孔を有する金属パターンを形成することも可能である。
尚、上述の説明では、イオン液体よりも還元され易いカチオンが金属イオンである場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、他の還元性物質や、架橋性の高分子化合物や重合性化合物であってもよい。金属イオンをこれらのものに代えてもほぼ同様の効果が得られる。
上記架橋性の高分子化合物としては、電磁波、イオン又は電子の照射により架橋反応を引き起こす高分子化合物であれば特には限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノールが挙げられる。また、上記重合性化合物としては、電磁波、イオン又は電子の照射により重合反応を引き起こす有機化合物であれば特には限定されないが、例えば、アクリロニトリル誘導体、スチレン、重合性基を置換した上述のイオン液体等が挙げられる。
重合性基を置換した上記イオン液体としては、具体的には、上述したアニオン及びカチオンの少なくとも何れか一方に重合性基を置換したイオン液体が挙げられ、重合性基を置換したカチオンと、重合性基を置換していないアニオンとからなるイオン液体が好ましい。また、上記重合性基としては、電磁波、イオン又は電子により重合反応を引き起こす官能基であれば特には限定されず、例えば、エチレン基、アリル基等の不飽和炭化水素基が挙げられる。
架橋性の高分子化合物や重合性化合物を用いる場合には、金属を用いる場合に比べ、照射量を1ケタ程度低くすることができる。
また、上述の説明では、反応性物質をイオン液体に溶解した溶液に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該反応性物質を化学反応させ、照射した部分に当該反応物を析出させることにより、当該反応物のパターンを形成する場合について説明したが、本発明はこれには限られない。例えば、上記パターン形成工程において、電磁波、イオン又は電子により重合反応を引き起こす重合性化合物が結合したイオン液体に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該イオン液体を重合反応させ、照射した部分に当該重合物を析出させることにより、当該重合物のパターンを形成しても、ほぼ同様の効果が得られる。
係る場合には、上述した、溶液調製工程、溶液塗布工程、及び洗浄工程を、「反応性物質がイオン液体に溶解した溶液」の代わりに「重合性化合物が結合したイオン液体」を用いることによって同様に行うことができる。また、上記重合性化合物が結合したイオン液体としては、上述した「重合性基を置換したイオン液体」を用いることができる。
また、上述の説明では、電磁波、イオン又は電子の照射をビームの照射により行なう場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、ビーム状ではない電磁波を照射してもよい。この場合には、例えば、ビームのように任意のパターンを描写するのではなく、任意のパターンが刻まれたマスクパターンにより、上記基材に塗布した溶液に対して任意のパターンの光を照射して、基材上に任意のパターンを形成することができる。
更には、上述の説明では、パターン形成工程以外に、各工程を含む場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、基材上にパターンを析出させずに、イオン液体中に還元物を析出させ、パターンを形成させれば、溶液塗布工程を含まなくても本実施形態とほぼ同様の効果が得られる。
このように、イオン液体中に還元物を析出させ、パターンを形成させる方法としては、イオン液体溶液の層の厚さを厚くしたり、イオン液体溶液の粘度を高くしたりすること等が挙げられる。
以上のように、本発明に係るパターン形成方法は、電磁波、イオン又は電子により化学反応を引き起こす反応性物質がイオン液体に溶解した溶液に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該反応性物質を化学反応させ、照射した部分に当該反応物を析出させることにより、当該反応物のパターンを形成するパターン形成工程を含むことを特徴としている。
このため、簡便に微細なパターンを形成することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記反応性物質は還元性物質であり、上記パターン形成工程では、電磁波、イオン又は電子を照射して、還元性物質をイオン液体中の溶媒和電子により還元反応させ、照射した部分に当該還元物を析出させることにより、当該還元物のパターンを形成することが好ましい。
更には、本発明に係るパターン形成方法では、上記反応性物質は金属イオンであることが好ましい。
上記方法によれば、簡便に微細な金属パターンを形成することができる。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記反応性物質は高分子化合物であり、上記パターン形成工程では、電磁波、イオン又は電子を照射して、高分子化合物を架橋反応させ、照射した部分に当該架橋物を析出させることにより、当該架橋物のパターンを形成することが好ましい。
上記方法によれば、簡便に高分子化合物の架橋物の微細なパターンを形成することができる。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記反応性物質は、重合性化合物であり、上記パターン形成工程では、電磁波、イオン又は電子を照射して、重合性化合物を重合反応させ、照射した部分に当該重合物を析出させることにより、当該重合物のパターンを形成することが好ましい。
上記方法によれば、簡便に重合物の微細なパターンを形成することができる。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記パターン形成工程を真空中で行なうことが好ましい。
上記方法によれば、イオンビーム又は電子ビーム等のビームを照射することができ、より微細なパターンを形成することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記照射をビームにより行なうことが好ましい。
上記方法によれば、ビームでパターンを描写することにより、より簡便に任意のパターンを形成することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記ビームは、イオンビーム又は電子ビームであることが好ましい。
上記方法によれば、より微細なパターンを形成することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記パターン形成工程の前に、反応性物質をイオン液体に溶解した上記溶液を基材上に塗布する溶液塗布工程を更に含み、上記パターン形成方法では、上記反応物のパターンを上記基材上に形成することが好ましい。
上記方法によれば、基材上に、簡便に微細なパターンを形成することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、イオン液体に反応性物質を溶解した上記溶液に、界面活性剤を更に溶解させることが好ましい。
上記方法によれば、界面活性剤が上記溶液と基材との界面張力を低下させるため、上記反応物が上記基材上に接近し易くなり、上記反応物が上記基材上に析出し易くなる。その結果、反応物が、照射された基材上の位置とは異なる位置に析出することを抑制できるため、照射したパターンと実際に形成されるパターンとの形状の差を小さくすることができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、ビームの照射角度を変化させることにより、3次元的にパターンを形成することが好ましい。
上記方法によれば、簡便に3次元的なパターンを形成することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記基材を傾けることにより、3次元的にパターンを形成することが好ましい。
上記方法によれば、簡便に3次元的なパターンを形成することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記パターン形成工程では、形成するパターンに沿ってビームを繰り返し照射することが好ましい。
上記方法によれば、簡便に3次元的なパターンを形成することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係るパターン形成方法では、上記パターン形成工程では、形成するパターンに沿ってビームを繰り返し照射し、当該繰り返すビームの照射回数の増加に伴い、ビームの照射によって描写する形状を変化させることが好ましい。
上記方法によれば、簡便により複雑な3次元的なパターンを形成することができるという更なる効果を奏する。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
イオン液体である、下記構造
を有するBMI−TFSI(関東化学社製)50mLに、金属塩としてNa(AuClO)・2HOを0.1Mとなるように加え、ポリビニルピロリドンを5質量%となるように加えイオン液体溶液を調製した。
尚、ポリビニルピロリドンは、以下のように合成したものを用いた。
ビニルピロリドン(和光純薬工業製)を50質量%水溶液とし、アルゴンガスバブリングをおよそ10分間行った。この溶液をフラスコ中で、100℃還留下、およそ20時間反応させ、反応後、減圧加熱下で水を除去することにより、目的化合物であるポリビニルピロリドンを得た。
上記イオン液体溶液を、チタンコートされたシリコンウエハ基板(信越シリコン社製)上に、スピンコート(6000rpm)し、当該基板上に上記イオン液体溶液を厚さ約4μmに塗布した(厚さは、共焦点レーザー顕微鏡で測定)。塗布後の上記シリコンウエハに対して、真空中で集束イオンビームを照射することによりシリコンウエハ上に「KUWABATA」のパターンを描写した。
尚、集束イオンビームの上記照射は、集束イオンビーム装置(製品名:SMI−2040、SIIナノテクノロジー社製)を用い、加速電圧30keV、ビーム電流50pA、ドーズ50×1015個/cmの条件で行った。また、一点あたりのビーム照射時間はおよそ10マイクロ秒で行った。
パターン描写後、金属パターンを形成した上記基板をアセトンで洗浄し、基板上に形成した金属パターンをSEMにより観察した。SEMにより測定した画像を図1に示す。また、基板上のパターンの組成を蛍光X線分析装置により分析した。結果を図2に示す。
図1に示すように、「KUWABATA」の文字パターンがシリコンウエハ上に形成されていることが確認できた。また、図2に示すように、「KUWABATA」の文字パターンは、金(Au)から構成されていることが確認できた。
〔実施例2〕
チタンコートされた上記シリコンウエハ基板を、チタンコートしていないシリコンウエハ基板に変更したこと、並びに集束イオンビームで描写するパターンを十字パターンに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、基板上に金属パターンを形成した。
尚、集束イオンビームの上記照射は、実施例1と同様に、加速電圧30keV、ビーム電流50pA、ドーズ50×1015個/cmの条件で行った。形成した金属パターンのSEM画像を図3に示し、蛍光X線分析装置による分析結果を図4に示す。
その結果、図3に示すように、十字パターンがシリコンウエハ上に形成されていることが確認できた。また、図4に示すように、十字パターンは、金(Au)から構成されていることが確認できた。
〔実施例3〕
BMI−TFSI(関東化学社製)50mLに、金属塩としてNa(AuClO)・2HOを0.1Mとなるように加え、ポリビニルピロリドンを含有させずにシリコン基板上にスピンコート(6000rpm)した。
この試料に対し、幅10μm・長さ120μmの十字状の金属パターンを形成した。尚、集束イオンビームの上記照射は、実施例1と同様に、加速電圧30keV、ビーム電流50pA、ドーズ50×1015個/cmの条件で行い、実施例1,2と比べて照射時間を長くし、一点あたりのビーム照射時間は1ミリ秒で行った。
形成した金属パターンのSEM画像を図5に示す。その結果、図5に示すように、基板上の十字パターンから3次元的に枝分かれして成長したような形状が確認できた。
〔参考例1:ドーズ量の変化による影響〕
ポリビニルピロリドンを濃度が20質量%となるように加え、ドーズ量を2×1015、4×1015、8×1015、16×1015、32×1015、64×1015、128×1015、256×1015、512×1015、1024×1015個/cmにそれぞれ変化させて直線を描写したこと以外は実施例2と同様の操作を行い、基板上にパターンを描写した。
形成した金属パターンのSEM画像を図6に示す。その結果、図6に示すように、ドーズ量を変化させることにより、金の析出形態を制御できることを確認できた。具体的には、本実施例の系では、ドーズ量を増加させれば、還元した金属はスキャンした形状の通り連続した形状で析出する傾向を示した。これに対して、ドーズ量を減少させれば、還元した金属は連続した形状とならず、粒子状で析出する傾向を示した。
〔参考例2:界面活性剤の添加量の変化による影響〕
ポリビニルピロリドンの濃度を0質量%、10質量%にそれぞれ変化させたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、シリコンウエハ上にパターンを描写した。
形成した金属パターンのSEM画像を、参考例1のSEM画像と共に図7に示す。その結果、図7に示すように、界面活性剤の添加量を変化させることにより、金の析出形態を制御できることが確認できた。
具体的には、本実施例の系では、界面活性剤の添加量を増加させれば、還元した金属はスキャンした形状の通りに析出する傾向を示した。これに対して、界面活性剤の量を減少させれば、還元した金属は、スキャンした位置からずれた位置に析出し易い傾向を示した。
〔実施例4〕
BMI−TFSI(関東化学社製)50mLに、ポリ−4−ビニルフェノール(分子量1.17×10、Mw/Mn=1.2、アルドリッチ社製)を5〜20質量%となるように加え、シリコン基板上にスピンコート(6000rpm)した。
この試料に対し、幅2μm・長さ120μmの十字状のパターンを形成した。尚、集束イオンビームの上記照射は、実施例1と同様に、加速電圧30keV、ビーム電流50pA、ドーズ50×1015個/cmの条件で行った。その結果、十字パターンがシリコンウエハ上に形成されていることが確認できた。
〔実施例5〕
BMI−TFSI(関東化学社製)50mLに、糖鎖高分子であるβシクロデキストリン(ナカライテスク社製)を25質量%となるように加え、シリコン基板上にスピンコート(6000rpm)した。
この試料に対し、幅2μm・長さ120μmの十字状のパターンを形成した。尚、集束イオンビームの上記照射は、実施例1と同様に、加速電圧30keV、ビーム電流50pA、ドーズ50×1015個/cmの条件で行った。その結果、十字パターンがシリコンウエハ上に形成されていることが確認できた。
〔実施例6〕
重合性のイオン液体である、下記構造
を有するAEI−TFSA(1-allyl-3-ethylimidazolium bis(trifluoromethane sulfonyl)imide)(関東化学社製)を、チタンコートされたシリコンウエハ基板(信越シリコン社製)上に、スピンコート(6000rpm)し、当該基板上に上記イオン液体を厚さ約1μmに塗布した(厚さは、共焦点レーザー顕微鏡で測定)。塗布後の上記シリコンウエハに対して、真空中で集束イオンビームを照射することによりシリコンウエハ上に図8に示すパターンを描写し、更に、描写した当該パターン上に同一のパターンを繰り返し描写した。
尚、集束イオンビームの上記照射は、集束イオンビーム装置(製品名:SMI−2040、SIIナノテクノロジー社製)を用い、加速電圧30keV、ビーム電流48pA、ドーズ100×1015個/cmの条件で行った。また、一点あたりのビーム照射時間はおよそ250マイクロ秒で行い、パターンのスキャンは計150回行った。
パターン描写後、パターンを形成した上記基板をアセトンで洗浄し、基板上に形成したパターンをSEMにより観察した。SEMにより測定した画像を図9に示す。
図9に示すように、図8で示すパターンが立体的にシリコンウエハ上に形成されていることが確認できた。
〔実施例7〕
AEI−TFSA(関東化学社製)を、チタンコートされたシリコンウエハ基板(信越シリコン社製)上に、スピンコート(6000rpm)し、当該基板上に上記イオン液体を厚さ約1μmに塗布した(厚さは、共焦点レーザー顕微鏡で測定)。塗布後の上記シリコンウエハに対して、真空中で集束イオンビームを照射することによりシリコンウエハ上に幅、縦2μm・横5μmの「Osaka」の文字パターンを描写した。更に、描写した当該パターン上に同一のパターンを繰り返し描写した。
尚、集束イオンビームの上記照射は、集束イオンビーム装置(製品名:SMI−2040、SIIナノテクノロジー社製)を用い、加速電圧30keV、ビーム電流48pA、ドーズ100×1015個/cmの条件で行った。また、一点あたりのビーム照射時間はおよそ250マイクロ秒で行い、パターンのスキャンは計400回行った。
パターン描写後、パターンを形成した上記基板をアセトンで洗浄し、基板上に形成した金属パターンをSEMにより観察した。SEMにより測定した画像を図10に示す。
図10に示すように、「Osaka」の文字パターンが立体的にシリコンウエハ上に形成されていることが確認できた。
〔実施例8〕
集束イオンビームのドーズを300×1015個/cmとし、パターンのスキャンを計1200回としたこと以外は実施例7と同様の操作を行い、「Osaka」の文字パターンを繰り返し描写した。
パターン描写後、パターンを形成した上記基板をアセトンで洗浄し、基板上に形成した金属パターンをSEMにより観察した。SEMにより測定した画像を図11に示す。
図11に示すように、「Osaka」の文字パターンが立体的にシリコンウエハ上に形成されていることが確認できた。また、スキャン回数が400回である実施例7の結果(図10)と比較して、より厚さが増加したパターンを形成できることが確認できた。つまり、スキャン回数によって、パターンの厚さを制御することができることが確認できた。
〔実施例9〕
AEI−TFSA(関東化学社製)を、チタンコートされたシリコンウエハ基板(信越シリコン社製)上に、スピンコート(6000rpm)し、当該基板上に上記イオン液体を厚さ約1μmに塗布した(厚さは、共焦点レーザー顕微鏡で測定)。塗布後の上記シリコンウエハに対して、真空中で集束イオンビームを照射することによりシリコンウエハ上に、円のパターンを、その直径を2μmから2.5μmへと0.1μmづつ増加させながら、各円の中心位置を固定して繰り返し描写した(計6回スキャン)。
尚、集束イオンビームの上記照射は、集束イオンビーム装置(製品名:SMI−2040、SIIナノテクノロジー社製)を用い、ビーム径13nm、加速電圧30keV、ビーム電流48pA、ドーズ50×1015個/cmの条件で行った。また、一点あたりのビーム照射時間はおよそ100マイクロ秒で行った。
パターン描写後、パターンを形成した上記基板をアセトンで洗浄し、基板上に形成したパターンをSEMにより観察した。SEMにより測定した画像を図12に示す。
図12に示すように、基板に向かってテーパー状となった、リング形状が積み重なったパターンがシリコンウエハ上に形成されていることが確認できた。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明のパターン形成方法は、簡便に微細なパターンを形成することができる。このため、電子回路等に用いられる金属パターンの形成等の用途に好適に用いることができる。

Claims (17)

  1. 電磁波、イオン又は電子により化学反応を引き起こす反応性物質がイオン液体に溶解した溶液に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該反応性物質を化学反応させ、照射した部分に当該反応物を析出させることにより、当該反応物のパターンを形成するパターン形成工程を含み、
    上記反応性物質は還元性物質であり、
    上記パターン形成工程では、電磁波、イオン又は電子を照射して、還元性物質をイオン液体中の溶媒和電子により還元反応させ、照射した部分に当該還元物を析出させることにより、当該還元物のパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 上記反応性物質は金属イオンであることを特徴とする請求項に記載のパターン形成方法。
  3. 電磁波、イオン又は電子により化学反応を引き起こす反応性物質がイオン液体に溶解した溶液に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該反応性物質を化学反応させ、照射した部分に当該反応物を析出させることにより、当該反応物のパターンを形成するパターン形成工程を含み、
    上記反応性物質は、高分子化合物であり、
    上記パターン形成工程では、電磁波、イオン又は電子を照射して、高分子化合物を架橋反応させ、照射した部分に当該架橋物を析出させることにより、当該架橋物のパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  4. 電磁波、イオン又は電子により化学反応を引き起こす反応性物質がイオン液体に溶解した溶液(但し、モノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、ポリ(3価〜6価またはそれ以上)(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体、或いは、ジメチルポリシロキサンの主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するシロキサン重合体を含む溶液を除く)に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該反応性物質を化学反応させ、照射した部分に当該反応物を析出させることにより、当該反応物のパターンを形成するパターン形成工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  5. 上記反応性物質は、重合性化合物であり、
    上記パターン形成工程では、電磁波、イオン又は電子を照射して、重合性化合物を重合反応させ、照射した部分に当該重合物を析出させることにより、当該重合物のパターンを形成することを特徴とする請求項に記載のパターン形成方法。
  6. 上記パターン形成工程の前に、反応性物質をイオン液体に溶解した上記溶液を基材上に塗布する溶液塗布工程を更に含み、
    上記パターン形成方法では、上記反応物のパターンを上記基材上に形成することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパターン形成方法。
  7. イオン液体に反応性物質を溶解した上記溶液に、界面活性剤を更に溶解させることを特徴とする請求項6に記載のパターン形成方法。
  8. 上記基材を傾けることにより、3次元的にパターンを形成することを特徴とする請求項6又は7に記載のパターン形成方法。
  9. 上記パターン形成工程を真空中で行なうことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のパターン形成方法。
  10. 上記照射をビームにより行なうことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のパターン形成方法。
  11. 上記ビームは、イオンビーム又は電子ビームであることを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
  12. ビームの照射角度を変化させることにより、3次元的にパターンを形成することを特徴とする請求項10又は11に記載のパターン形成方法。
  13. 上記パターン形成工程では、形成するパターンに沿ってビームを繰り返し照射することを特徴とする請求項10又は11に記載のパターン形成方法。
  14. 上記パターン形成工程では、形成するパターンに沿ってビームを繰り返し照射し、当該繰り返すビームの照射回数の増加に伴い、ビームの照射によって描写する形状を変化させることを特徴とする請求項10又は11に記載のパターン形成方法。
  15. 電磁波、イオン又は電子により重合反応を引き起こす重合性基を、イオン液体を構成するアニオン及びカチオンの少なくとも何れか一方に置換したイオン液体に対して、電磁波、イオン又は電子を照射して、当該イオン液体を重合反応させ、照射した部分に当該重合物を析出させることにより、当該重合物のパターンを形成するパターン形成工程を含み、上記パターン形成工程では、当該照射をビームにより行なうとともに、形成するパターンに沿ってビームを繰り返し照射し、当該繰り返すビームの照射回数の増加に伴い、ビームの照射によって描写する形状を変化させることにより、パターンの積層方向に向かって、当該変化した形状のパターンが積み重なったパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  16. 上記パターン形成工程を真空中で行なうことを特徴とする請求項15に記載のパターン形成方法。
  17. 上記ビームは、イオンビーム又は電子ビームであることを特徴とする請求項15または16に記載のパターン形成方法。
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