JP2004131806A - 導電性高分子上への金属粒子の光析出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中で、導電性高分子上へ金属粒子を析出する方法であって、導電性高分子に光照射することで、価電子帯の電子を伝導帯に励起し価電子帯に正孔を形成する正孔形成工程と、励起された電子によって、上記金属イオンを還元する還元工程とを含む導電性高分子への金属粒子の光析出方法とする。そしてこの方法によって金属粒子が析出された導電性高分子を、触媒として利用する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性高分子上への金属粒子の光析出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電池の電流値を大きくするには、電極反応の速度や効率を高める必要がある。例えば、電極上に触媒が存在すると、この触媒の働きによって、速い速度で電極反応が起こる。また、電極反応の速度は電極面積に比例するので、より大きな面積を有する電極を使用すれば、電極反応の速度や効率を高めることができる。しかしながら、大きな電極面積とするには、電池を大きくしなければならない。そこで、従来は、触媒となる白金粒子を化学反応で析出させたカーボン粉末を高分子に分散し、この高分子によってカーボン粉末を固定したものを電極として用いていた。カーボン粉末は、電気を通す物質であり、このカーボン粉末を多量に存在させれば、広範囲にわたって凹凸を形成することで、大きな面積の電極とすることができる。
(なお、本発明者が調査した限りでは、本発明にかかる、金属イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中で導電性高分子上へ金属粒子を光析出する方法に関する従来技術文献は見出されなかった。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電極では、カーボン粉末を高分子に分散させることで、高分子中に完全に埋まってしまい、触媒として利用できない白金粒子が生じるという問題がある。また、白金は高価な貴金属であるゆえ、上記従来の電極を用いた場合には、コストの上昇にもつながる。
【0004】
本発明の目的は、析出した金属粒子の全てを触媒として利用するための方法を提供することにある。そこで本発明では、導電性高分子上への金属粒子の光析出方法、およびこの方法によって金属粒子が析出された導電性高分子、並びにこの導電性高分子を触媒として用いてなる、触媒能を有する電極を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者は、導電性高分子の半導体触媒反応に着目した。そしてこの反応を利用して、導電性高分子上に金属粒子を析出する方法と、この方法によって金属粒子が析出された導電性高分子からなる触媒を、従来の電極の代わりとなる新規な電極として利用することを発案した。
【0006】
本発明では、まず導電性高分子上への金属粒子の光析出方法を提供する。この方法は、具体的には、金属イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中で、導電性高分子上へ金属粒子を析出する方法であって、導電性高分子に光照射することで、価電子帯の電子を伝導帯に励起し価電子帯に正孔を形成する正孔形成工程と、励起された電子によって、上記金属イオンを還元する還元工程とを含むことを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、導電性高分子に光照射すると、価電子帯の電子は伝導帯に励起され、価電子帯に正孔が形成される。形成された正孔は、電解液中に含まれる正孔捕捉剤と選択的に反応することで、正孔が埋め合わされる(正孔が消費される)。この反応により、励起された電子が正孔に戻ることがなくなるので、電子を励起状態として安定に保つことができる。そしてこの励起された電子(励起電子)によって、電解液中に含まれる金属イオンを還元することで、導電性高分子上に金属粒子が析出される。
【0008】
上記の構成によれば、電解液と直接接触している導電性高分子の部分にのみ、金属粒子が析出されることになる。これによれば、電解液中に含まれる金属イオンの濃度や、導電性高分子と電解液との接触箇所を調整することで、導電性高分子上に析出される金属粒子の量や、金属粒子が析出される位置を調整することができる。
【0009】
また本発明にかかる導電性高分子上への金属粒子の光析出方法は、上記金属イオンが、白金イオンであることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、導電性高分子上に白金粒子を析出させることができる。
【0011】
また、本発明では、金属粒子が析出された新規な導電性高分子も提供する。この新規な導電性高分子は、具体的には、上記いずれかの方法によって金属粒子が析出された導電性高分子であることを特徴としている。
【0012】
また、本発明にかかる導電性高分子は、上記導電性高分子が、該導電性以外の他の高分子と複合化していることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、他の高分子と複合化している導電性高分子のうち、他の高分子から露出した部分の導電性高分子上にのみ金属粒子が析出された導電性高分子を提供することができる。
【0014】
さらに、本発明では、新規な触媒、およびこの触媒を用いてなる新規な電極を提供する。新規な触媒とは、具体的には、酸化および還元反応の触媒として用いられる触媒であって、上記新規な導電性高分子からなると共に、該導電性高分子上に析出された金属粒子が白金粒子であることを特徴としている。また、新規な電極とは、上記新規な触媒を用いてなる触媒能を有する電極であることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、上記新規な触媒は、本発明にかかる導電性高分子上への金属粒子の光析出方法によって白金粒子が析出された導電性高分子からなる。この導電性高分子上の白金粒子は、酸化および還元反応において、反応速度や反応効率を高める触媒として機能する。したがって、この導電性高分子を触媒として用いることができる。また、本発明にかかる光析出方法によって析出された白金粒子は、導電性高分子上に析出されるために、白金粒子が導電性高分子中に埋まってしまうことはない。これによれば、析出された全ての白金粒子を無駄なく利用することができる(用いる白金粒子の量を必要最小限に抑えることができる)と共に、充分な触媒活性の発現が可能な触媒とすることができる。
【0016】
また、上記の構成によれば、上記新規な電極は、触媒となる白金粒子の量が必要最小限に抑えられた触媒を用いてなる、触媒能を有する電極である。したがって、この新規な電極を、例えば燃料電池の電極として使用すれば、燃料電池の低コスト化を好適に実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。本発明にかかる導電性高分子上への金属粒子の光析出方法(以下、「本光析出方法」という)は、金属イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中で、導電性高分子上へ金属粒子を析出する方法であって、導電性高分子に光照射することで、価電子帯の電子を伝導帯に励起し価電子帯に正孔(ホール)を形成する正孔形成工程と、励起された電子によって、上記金属イオンを還元する還元工程とを含む構成である。
【0018】
本光析出方法における「導電性高分子」とは、半導体的な導電性を示す高分子であり、鎖状共役系導電性高分子を示す。導電性高分子としては、具体的には、例えば、ポリピロールや、ポリ−N−メチルピロール、ポリ−3−メチルピロール等のポリピロールの誘導体;ポリアニリンや、ポリアニリンの誘導体;ポリチオフェンや、ポリチオフォエンの誘導体;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0019】
上記電解液としては、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、過塩素酸等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、電解液の濃度は、特に限定されるものではないが、0.1モル〜1モルの範囲内とすることが好ましい。電解液の濃度が、上記の好ましい範囲を外れると、還元工程において、金属イオンを還元する速度(反応速度)が低下するおそれがある。
【0020】
上記金属イオンとしては、具体的には、例えば、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)等の金属イオンが挙げられるが、特に限定されるものではない。これら金属イオンは、例えば、白金イオンであれば、H2PtCl6や、H2PtCl4等の白金酸塩;銀であれば、AgNO3やAg2SO4等の銀塩(あるいは銀化合物);銅であれば、CuCl2やCu2SO4等の銅塩(あるいは銅化合物);金であれば、HAuCl4、HAuCl2等の金酸塩;の金属酸塩を、上記電解液に混合させて、金属酸塩の加水分解を行なうことで得ればよい。これらの金属酸塩を用いることで、導電性高分子上に、白金、銀、銅、金等の金属粒子を析出することができる。
【0021】
電解液中に含まれる金属イオンの濃度は、特に限定されるものではないが、該金属イオンの濃度の下限値は、0.01モルとすることが好ましい。金属イオン濃度の下限値が、0.01モルを下回ると、還元工程において、金属イオンを還元する速度が低下するおそれがある。また、金属イオンの濃度の上限値は、特に限定されるものではないが、上述した電解液の濃度以下とすることが好ましい。金属イオンの濃度の上限値が、電解液の濃度を上回る場合にも、還元工程において、金属イオンを還元する速度が低下するおそれがある。
【0022】
本光析出方法において、正孔捕捉剤とは、導電性高分子に光照射を行なうことで、価電子帯に形成される正孔と選択的に反応する化合物を示す。正孔捕捉剤としては、具体的には、例えば、アスコルビン酸;エタノール、ブタノール、プロピルアルコール等のアルコール類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;臭素イオン、ヨウ素イオン、鉄イオン(Fe2+)、フェロセン等のレドックス試薬;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0023】
電解液中に含まれる正孔捕捉剤の濃度は、特に限定されるものではないが、該正孔捕捉剤の濃度は、上述した金属イオン濃度の数倍から、電解液の濃度の範囲内とすることが好ましい。正孔捕捉剤の濃度が上記の好ましい範囲と外れると、還元工程において、金属イオンを還元する速度が低下するおそれがある。
【0024】
本光析出方法では、正孔形成工程において、上述した金属イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中で、導電性高分子に光照射を行なう。光照射の具体的な方法は、特に限定されるものではなく、キセノン(Xe)等のハロゲンランプ、水銀灯、蛍光灯;等の汎用のランプを用いて行なえばよい。また、光照射時間は、特に限定されるものではない。光照射時間が長いほど、励起される電子数が増えるので、その結果、還元工程において、金属イオンを還元する速度(反応速度)は速くなる。
【0025】
また、導電性高分子へ照射する光の波長の下限値を400nm、上限値を600nmとすることが好ましい。波長の下限値が400nmを下回ると、光照射によって導電性高分子の劣化が生じるため、好ましくない。また波長の上限値が600nmを上回ると、光照射により励起される電子数が減少し、その結果、還元工程において、金属イオンを還元する速度が低下するおそれがあるため、好ましくない。
【0026】
導電性高分子に光照射することで、導電性高分子における価電子帯の電子は、伝導帯に励起される。そして、これにより、価電子帯には正孔が形成される。この正孔は、電解液中に含まれる正孔捕捉剤と選択的に反応することで、正孔は埋め合わされる(消費される)ので、励起された電子が正孔に戻ることはない。この反応により、励起された電子を、励起状態として安定に保つことができる(励起電子として安定に保つことができる)。そして、本光析出方法では、還元工程において、励起された電子で電解液中に含まれる金属イオンを還元することで、導電性高分子上に金属粒子が析出される。
【0027】
本光析出方法によれば、電解液と直接接触している導電性高分子の部分にのみ、金属粒子が析出されることになる。したがって、電解液中に含まれる金属イオンの濃度を調整すれば、導電性高分子上に析出される金属粒子の量を調整することができる。また、導電性高分子と電解液との接触箇所を調整すれば、導電性高分子上に析出される金属粒子の位置を調整することができる。これによって、金属粒子が析出された導電性高分子を得ることができる。
【0028】
本光析出方法によって、導電性高分子上に金属粒子が析出される挙動を図1に示す。この図は、金属酸塩としてのH2PtCl6と、正孔捕捉剤としてのアスコルビン酸とを含む電解液中において、導電性高分子に光照射することで、導電性高分子上に金属粒子が析出される挙動を示している。導電性高分子に光照射することで、導電性高分子の価電子帯から伝導帯に電子(e−)が励起されると共に、価電子帯には正孔(h+)が形成される。正孔は、アスコルビン酸と選択的に反応する結果、励起された電子は励起状態として安定に保たれる。また、金属酸塩であるH2PtCl6は、電解液中で加水分解されることで、電解液中にはPtCl6 2−が存在している。上記励起された電子は、PtCl6 2−を還元することで、導電性高分子上に白金(Pt)が析出される。
【0029】
なお、本発明にかかる他の実施の形態として、上記導電性高分子は、該導電性高分子以外の他の高分子(以下、単に「他の高分子」という)と複合化していてもよい。上記他の高分子としては、具体的には、例えば、ナフィオン(Nafion:フッ素化イオマーの商品名)、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等の陰イオン基をもつイオン性高分子;ポリエチレン、ポリスチレン等の汎用の高分子;等、高分子全般が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、上記複合化は、導電性高分子に他の高分子を分散させればよいものとし、分散させる方法は、特に限定されるものではない。
【0030】
導電性高分子と他の高分子とを複合化した場合には、他の高分子と複合化している導電性高分子のうち、他の高分子から露出した部分の導電性高分子上にのみ、金属粒子が析出された導電性高分子を提供することができる。金属粒子が析出された導電性高分子はカチオン性を有しているので、他の高分子として、アニオン性の高分子を用いれば、複合化によって、他の高分子中に導電性ネットワークを形成することができる。図2に、導電性高分子と、他の高分子としてのナフィオンとを複合化させてなる複合体に、金属粒子を析出させたときの様子を示す。図2では、ナフィオンを介して、導電性高分子は集電体に接着されている。そして、電解液と直接接触している導電性高分子の部分に金属粒子(図中、星印で示す)が析出されている(なお、図2では、図面の都合上、金属粒子の析出される箇所を1箇所としているが、金属粒子は、導電性高分子と電解液とが直接接触する、全ての箇所に析出される)。
【0031】
本光析出方法によって白金粒子が析出された導電性高分子を、例えば、触媒として用いることができる。本発明にかかる導電性高分子(以下、「本導電性高分子」という)上に析出された白金粒子は、水素発生;水素酸化反応;アルコール(メタノール、エタノール等)、カルボン酸(ギ酸、酢酸等)の有機分子の酸化および還元反応;等、種々の反応において、反応速度や反応効率を高める触媒として機能する。したがって、金属粒子が析出された本導電性高分子を、触媒として用いることができる。また、本光析出方法によって白金粒子が析出された導電性高分子からなる触媒では、白金粒子が導電性高分子中に埋まってしまうことはない。したがって、本導電性高分子を触媒とすれば、全ての白金粒子を無駄なく利用することができる(用いる白金粒子を最小限に抑えることができる)と共に、充分な触媒活性の発現が可能な触媒とすることができる。
【0032】
また、上記触媒を用いて、触媒能を有する電極(触媒電極)を作製することもできる。触媒電極の作製方法について、以下に具体的に説明する。
(触媒電極の作製方法)
触媒電極は、導電性高分子をカーボン電極に被覆した後、金属イオンとしての白金イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中で、上記導電性高分子に光照射し、導電性高分子上に金属粒子を析出させることで作製すればよい。ただし、導電性高分子を直接カーボン電極に被覆することはできないので、触媒電極の作製する際には、ナフィオン等、上述した他の高分子をバインダーとして用い、他の高分子を介して、導電性高分子をカーボン電極に被覆する。具体的な手順は以下の通りである。
【0033】
まず、導電性高分子と他の高分子とを混合する。このとき、導電性高分子と他の高分子との混合割合は、使用する導電性高分子および他の高分子の種類に応じて、適宜設定すればよい。
【0034】
例えば、他の高分子として、ナフィオン懸濁液(5wt%,アルコール懸濁液)を用いた場合、その混合比は、導電性高分子1gに対して、ナフィオン懸濁液を0.20g〜7.0gの範囲内で用いることが好ましく、0.25g〜4.0gの範囲内で用いることが、より好ましい。導電性高分子1gに対して、ナフィオン懸濁液を上記好ましい範囲内で用いることで、導電性高分子がカーボン電極から脱落するのを防ぐことができ、安定した触媒電極を作製することができる。また、導電性高分子1gに対して用いるナフィオン懸濁液が、上記好ましい範囲を上回ると、導電性高分子の量が少なくなり、触媒電極としての特性が低下してしまうので、好ましくない。
【0035】
このようにして、導電性高分子と他の高分子とを混合することで複合体を形成した後、この複合体をカーボン電極に塗布し、乾燥させる。
【0036】
乾燥温度は、特に限定されるものではないが、常温〜80℃の範囲内で行なうことが好ましい。乾燥温度が100℃以上になると、導電性高分子の劣化が徐々に生じるおそれがあるため、好ましくない。
【0037】
乾燥時間は、長い分には、特に問題は生じない。しかしながら、乾燥しないまま触媒電極を使用すれば、塗布した導電性高分子が剥がれてしまう。したがって、乾燥時間を1時間以上設けることが好ましい。これによれば、塗布した導電性高分子を充分に乾燥させることができる。
【0038】
そして、乾燥後、複合体の塗布されたカーボン電極を、白金イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中に入れる。そして、カーボン電極に光照射して、導電性高分子上に白金粒子を析出させれば、触媒能を有する触媒電極を得ることができる。
【0039】
なお、触媒電極における触媒能は、カーボン電極に被覆した複合体の厚さに依存する。例えば、上述した導電性高分子とナフィオン懸濁液とからなる複合体を1.4μL塗布してなるカーボン電極では、2分間の光照射で白金粒子を析出すれば、最適な反応速度を実現できる触媒電極をとすることができる。これに対し、上記複合体を4μL塗布してなるカーボン電極では、60分間の光照射で白金粒子を析出させれば、最適な反応速度を実現できる触媒電極とすることができる。
【0040】
このようにして作製した触媒電極(以下、この触媒電極を「触媒電極A」という)を、気体(反応ガス)と、電解液(例えばナフィオン等)と組み合わせることで、燃料電池を作製することができる。また、上記電解液の代わりに、市販のアシプレックス(Aciplex)、フレミオン(Flemion)、ダウ(Dow)膜等等のペルフルオロスルホン酸系カチオン交換膜を電解質として組み合わせてもよい。
【0041】
これにより、従来では、100μgcm−2以上の白金粒子を用いなければ、充分な電極反応を得られなかったのに対して、上記触媒電極Aでは、12μgcm−2程度の白金粒子を用いれば、充分な反応速度が得られる。したがって、このような触媒電極Aを、例えば燃料電池に使用すれば、用いる白金粒子の量を抑えることで、燃料電池の低コスト化を好適に実現することができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0043】
〔実施例1〕
本実施例では、導電性高分子としてポリピロール(PPy)を用い、PPyとナフィオンとを複合化してなる複合体(以下、この複合体を単に「PPy−ナフィオン」という)について、白金(Pt)の光析出挙動、およびPtを析出させた上記複合体からなる膜(複合膜)による酸素還元反応について調べた。
(実験方法)
1モルのHCl水溶液に、0.1モルのピロールと、0.08モルの(NH4)2S2O8とを混合することにより、PPy粉末を合成した。
【0044】
次に、合成したPPy粉末と、市販のナフィオン懸濁液(5wt%,アルコール懸濁液)を混合し、グラッシーカーボン回転電極(GC−RDE)に滴下した後に、70℃で真空乾燥させることによって、PPy−ナフィオンを被覆した電極(PPy−ナフィオン/GC)を調製した。
【0045】
調製した電極を、50ミリモルのH2PtCl6と、500ミリモルのアスコルビン酸とを含む1モルのHCl水溶液中に入れ、キセノン(Xe)ランプ光を所定の時間照射した。電極の酸素還元活性は、0.5モルのH2SO4水溶液中で、対流ボルタンメトリー(回転ディスク電極測定)によって評価した。
(結果)
0.05gのPPy粉末を、12.5μLのナフィオン懸濁液と混合し、1cm2の面積に塗布することによって調製したPPy−ナフィオン複合膜(膜厚1)と、高分子の全量を1/5にして調製した電極(膜厚1/5)について、H2PtCl6とアスコルビン酸とを含むHCl水溶液中で光照射を行い、蛍光X線測定によって、析出したPt量を見積もった。得られたPt量と、光照射時間との関係を図3に示す。
【0046】
Pt量は、光照射時間にともなって増加し、光照射によりPPy中に生成した励起電子がPtCl6 2−を還元することで、Pt析出が進行することを示す結果が得られた。
【0047】
図4に、異なる光照射時間でPt析出を行なったPPy−ナフィオン/GC電極を回転電極として用いて測定したときの、ポテンシャルと電流密度との関係を示す。複合膜は、上記の膜厚1の条件で調製した。
【0048】
光照射を行なわない電極では、窒素下と酸素下で電流の差異はみられず、PPy−ナフィオン自身は、酸素還元に対して触媒活性が全くないことが確認された。
【0049】
一方、光照射を行なった電極は、窒素下では現われない還元電流が、酸素下では観察され、電極の回転数の増加にともなって増加した。さらに、光照射時間が長くなるほど還元電流値は大きくなり、PPyが電子ネットワークとして働き、その上に析出させたPtが、酸素還元反応の触媒として機能することが明らかとなった。
【0050】
〔実施例2〕
導電性高分子の半導体触媒反応の研究において、ポリピロールよりもポリアニリン(PAn)のほうが、反応に対する活性が高いことが知られている。このことを踏まえて、照射時間に対する酸素還元反応の活性変化について、ポリピロールとの差異を調べた。
(実験方法)
0℃に冷やした0.3モルのアニリンを含む1モルのHCl水溶液に、酸化剤としてペルオキソニ硫酸アンモニウムを0.3モル溶解し、アニリンの化学重合を行なうことで、ポリアニリン(PAn)粉末を合成した。そして、合成したPAn粉末を蒸留水で洗浄し、50℃で真空乾燥した。
【0051】
次に、PAn粉末と、市販のナフィオン117懸濁液(5wt%,アルコール懸濁液)とを、両高分子が同量となるように混合し、グラッシーカーボン(GC)電極に塗布して70℃で真空乾燥することによって、PAn−ナフィオン複合膜(0.05gcm−2)を被覆したGC電極を調製した。
【0052】
次に、GC電極を、0.5モルのH2PtCl6と、0.5モルのアスコルビン酸とを含む1モルのHCl水溶液中に入れ、500WのXeランプを照射することでPt析出した。析出したPt量は、蛍光X線により定量した。
(結果)
図5に、PAn−ナフィオン膜を被覆したGC電極(PAn−ナフィオン/GC)に光照射を行なった際の、光照射時間に対するPt析出量を示す。
【0053】
照射時間とともにPt量は増加し、120分の光照射で、20μgcm−2のPt量を得た。これは、PPy−ナフィオン膜の場合よりも速い析出速度であり、PAnのほうが光触媒としての活性が高いことを示している。
【0054】
PAn−ナフィオン/GC電極、および2分間の光照射によってPtを析出させたPt−析出PAn−ナフィオン/GC電極のサイクリックボルタンメトリーを、酸素で飽和した0.5モルのH2SO4溶液中で行なった。両者の結果を図6に示す。
【0055】
PAn−ナフィオン/GC電極は、酸素還元反応に対する電極触媒能はなく、PAnのレドックス反応を示す酸化還元波が観察された。一方、2分間のPt析出を行なった電極は、明確な酸素還元反応に対する触媒能を示し、0.1V vs.Ag/AgClにピークを有する還元波を示した。それと同時に、PAnの酸化波の消失も見られた。
【0056】
このことは、PAn上に析出したPtの触媒反応に対して、PAnが電子のネットワークとして機能し、迅速な電子供給を行なっていることを示している。
【0057】
GCディスク電極上にPAn−ナフィオン膜を被覆し、酸素還元反応を回転電極によって調べた。Ptの光析出を、種々の析出時間(光照射時間)で行なった電極を用い、4,000rpmで回転しながら測定した酸素還元反応のボルタモグラムを図7に示す。
【0058】
Ptの光析出における照射時間の増加とともに、還元電流に増大がみられ、わずか2分の光照射で、最大の電流値に達した。このときのPt析出量は、約2μgcm−2であった。
【0059】
PAn−ナフィオン膜へのPt析出を、H2PtCl6溶液中で電解還元によって行なった場合、電解時間とともにPt析出量が増加し、それにともなってO2還元電流の増大が見られたが、図7に示す、2分間の光照射によってPt析出を行なった電極と同等の還元電流値を得るためには、200μgcm−2のPtが必要であった。
【0060】
このことにより、Ptを光析出で行なった場合は、電極に被覆されたPAnのうち、電解液と直接に接触している部分にのみPtを析出させることができ、最小限のPt量で、充分な触媒活性を発現させることが可能になったことがわかる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の導電性高分子上への金属粒子の光析出方法は、以上のように、金属イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中で、導電性高分子上へ金属粒子を析出する方法であって、導電性高分子に光照射することで、価電子帯の電子を伝導帯に励起し価電子帯に正孔を形成する正孔形成工程と、励起された電子によって、上記金属イオンを還元する還元工程とを含む構成である。
【0062】
それゆえ、導電性高分子に光照射すると、価電子帯の電子は伝導帯に励起され、価電子帯に正孔が形成される。形成された正孔は、電解液中に含まれる正孔捕捉剤と選択的に反応することで、正孔が埋め合わされる(正孔が消費される)。この反応により、励起された電子が正孔に戻ることがなくなるので、電子を励起状態として安定に保つことができる。そしてこの励起された電子(励起電子)によって、電解液中に含まれる金属イオンを還元することで、導電性高分子上に金属粒子が析出される。したがって、電解液と直接接触している導電性高分子の部分にのみ、金属粒子が析出されることになる。これによれば、電解液中に含まれる金属イオンの濃度や、導電性高分子と電解液との接触箇所を調整することで、導電性高分子上に析出される金属粒子の量や、金属粒子が析出される位置を調整することができるという効果を奏する。
【0063】
本発明の導電性高分子上への金属粒子の光析出方法は、以上のように、上記金属イオンが、白金イオンである構成である。
【0064】
それゆえ、導電性高分子上に白金粒子を析出させることができるという効果を奏する。
【0065】
本発明の導電性高分子は、以上のように、上記いずれかの方法によって金属粒子が析出された導電性高分子である構成である。
【0066】
また、本発明の導電性高分子は、以上のように、上記導電性高分子が、該導電性以外の他の高分子と複合化している構成である。
【0067】
それゆえ、他の高分子と複合化している導電性高分子のうち、他の高分子から露出した部分の導電性高分子上にのみ金属粒子が析出された導電性高分子を提供することができるという効果を奏する。
【0068】
本発明の触媒は、以上のように、酸化および還元反応の触媒として用いられる触媒であって、上記導電性高分子からなると共に、該導電性高分子上に析出された金属粒子が白金粒子である構成である。
【0069】
それゆえ、析出された全ての白金粒子を無駄なく利用することができる(用いる白金粒子を必要最小限に抑えることができる)と共に、充分な触媒活性の発現が可能な触媒とすることができるという効果を奏する。
【0070】
本発明の電極は、上記触媒を用いてなる触媒能を有する電極である構成である。
【0071】
それゆえ、上記電極を、例えば燃料電池の電極として使用すれば、燃料電池の低コスト化を好適に実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる、金属酸塩としてのH2PtCl6と、正孔捕捉剤としてのアスコルビン酸とを含む電解液中において、導電性高分子に光照射することで、導電性高分子上に金属粒子が析出される挙動を示す図である。
【図2】導電性高分子と、他の高分子としてのナフィオンとを複合化させてなる複合体に、金属粒子を析出させたときの様子を示す図である。
【図3】実施例1における、PPy−ナフィオン複合膜(膜厚1)と、高分子の全量を1/5にして調製した電極(膜厚1/5)について、H2PtCl6とアスコルビン酸とを含むHCl水溶液中で光照射を行なうことで得られたPt量と、光照射時間との関係を示す図である。
【図4】実施例1における、異なる光照射時間でPt析出を行なったPPy−ナフィオン/GC電極を回転電極として用いて測定したときの、ポテンシャルと電流密度との関係を示す図である。
【図5】実施例2において、PAn−ナフィオン膜を被覆したGC電極(PAn−ナフィオン/GC)に光照射を行なった際の、光照射時間に対するPt析出量を示す図である。
【図6】実施例2において、PAn−ナフィオン/GC電極、および2分間の光照射によってPtを析出させたPt−析出PAn−ナフィオン/GC電極の、0.5モル H2SO4水溶液中におけるサイクリックボルタモグラム(電位走査速度5mVs−1)を示す図である。
【図7】Ptの析出を、種々の析出時間(光照射時間)で行なった電極を用い、4,000rpmで回転しながら測定した、酸素還元反応のボルタモグラム(電位走査速度5mVs−1)を示す図である。
Claims (6)
- 金属イオンと正孔捕捉剤とを含む電解液中で、導電性高分子上へ金属粒子を析出する方法であって、
導電性高分子に光照射することで、価電子帯の電子を伝導帯に励起し価電子帯に正孔を形成する正孔形成工程と、
励起された電子によって、上記金属イオンを還元する還元工程とを含むことを特徴とする導電性高分子上への金属粒子の光析出方法。 - 上記金属イオンが、白金イオンであることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子上への金属粒子の光析出方法。
- 請求項1または2に記載の方法によって金属粒子が析出された導電性高分子。
- 上記導電性高分子が、該導電性高分子以外の他の高分子と複合化していることを特徴とする請求項3に記載の導電性高分子。
- 酸化および還元反応の触媒として用いられる触媒であって、請求項3に記載の導電性高分子からなると共に、該導電性高分子上に析出された金属粒子が白金粒子であることを特徴とする触媒。
- 請求項5に記載の触媒を用いてなる触媒能を有する電極。
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