JP5240413B2 - 炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法 - Google Patents

炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5240413B2
JP5240413B2 JP2012525352A JP2012525352A JP5240413B2 JP 5240413 B2 JP5240413 B2 JP 5240413B2 JP 2012525352 A JP2012525352 A JP 2012525352A JP 2012525352 A JP2012525352 A JP 2012525352A JP 5240413 B2 JP5240413 B2 JP 5240413B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispersant
calcium carbonate
concentration
mass
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012525352A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012011368A1 (ja
Inventor
正裕 藤原
健史 佐藤
敏之 若山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2012525352A priority Critical patent/JP5240413B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5240413B2 publication Critical patent/JP5240413B2/ja
Publication of JPWO2012011368A1 publication Critical patent/JPWO2012011368A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/20Aqueous medium with the aid of macromolecular dispersing agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/44Polymerisation in the presence of compounding ingredients, e.g. plasticisers, dyestuffs, fillers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/04Acids, Metal salts or ammonium salts thereof
    • C08F20/06Acrylic acid; Methacrylic acid; Metal salts or ammonium salts thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K23/00Use of substances as emulsifying, wetting, dispersing, or foam-producing agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

本発明は、炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法に関する。さらに詳しくは、湿式粉砕により得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制される炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法に関する。
炭酸カルシウムを湿式粉砕して得られる炭酸カルシウムスラリーは、製紙用塗工剤、及び塗料用顔料等に広く用いられている。この炭酸カルシウムスラリーの製造においては、得られる炭酸カルシウムスラリーの粘度を低くするために、炭酸カルシウム用分散剤が用いられる。
この炭酸カルシウム用分散剤としては、粘度の低いスラリーを得るため、アクリル系重合体を含む分散剤が用いられる。
この分散剤を得る方法としては、例えば、特許文献1には、水を溶媒とし、次亜リン酸ナトリウム等の分子量調整剤を多く使用することにより、分子量の小さい重合体を製造する方法が開示されている。しかし、この方法で得られる分散剤を使用した場合、得られる炭酸カルシウムスラリーの粘度は高く、また、経時により粘度が顕著に上昇する場合があった。
一方、次亜リン酸ナトリウム等の分子量調整剤を使用しない方法として、例えば、特許文献2には、重量平均分子量が4,000〜40,000であり、Mw/Mnが1.2〜2.0であるビニル基含有モノカルボン酸(塩)を構成単位に含む重合体からなる分散剤を、重合開始剤として過硫酸塩、及び反応溶媒兼分子量調整剤としてイソプロピルアルコールを用いて製造する方法が開示されている。また、特許文献3及び4においても、特許文献2と同様に、重合開始剤として過硫酸塩、及び反応溶媒兼分子量調整剤としてイソプロピルアルコールを用いて分散剤を製造する方法が開示されている。
特開昭60−174793号公報 特開2004−306022号公報 特開2004−315359号公報 WO2004/087574号公報
しかし、上記特許文献2〜4に記載されている製造方法で得られる分散剤の性能は、いまだ十分満足できるものではない。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであって、得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制され、長期分散安定性に優れる炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、湿式粉砕等により得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度上昇が少ない炭酸カルシウム用分散剤とするため、アクリル酸を含む単量体、イソプロピルアルコール水溶液、次亜リン酸塩、過硫酸塩及び水酸化ナトリウムを連続的に反応器に供給し、それらの供給量が、上記単量体100質量部に対して、上記イソプロピルアルコールが15〜100質量部、上記次亜リン酸塩が2.0〜5.0質量部、上記過硫酸塩が0.5〜2.0重量部及び上記水酸化ナトリウムが5.0〜20質量部であり、反応温度を68〜82℃として、上記単量体を連続的に重合させる重合工程と、得られた重合体を構成する上記単量体由来の構成単位が有するカルボキシル基の15〜95モル%を中和させる中和工程と、を備えることにより、得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制される炭酸カルシウム用分散剤を得ることを見いだした。
本発明は以下の通りである。
1.重合工程と中和工程とを順次備えることにより得られる炭酸カルシウム用分散剤であって、
上記重合工程は、アクリル酸を含む単量体、イソプロピルアルコール水溶液、次亜リン酸塩、過硫酸塩及び水酸化ナトリウムが連続的に反応器に供給され、上記単量体を連続的に重合させる工程であり、
上記重合工程における、上記イソプロピルアルコール水溶液に含まれるイソプロピルアルコール、上記次亜リン酸塩、上記過硫酸塩及び上記水酸化ナトリウムの供給量は、上記単量体100質量部に対して、上記イソプロピルアルコールが15〜100質量部、上記次亜リン酸塩が2.0〜5.0質量部、上記過硫酸塩が0.5〜2.0重量部及び上記水酸化ナトリウムが5.0〜20質量部であり、
上記重合工程の反応温度は、68〜82℃であり、
上記中和工程は、上記重合工程により得られた重合体を構成する上記単量体由来の構成単位が有するカルボキシル基の15〜95モル%を中和させる工程であることを特徴とする炭酸カルシウム用分散剤。
2.上記重合工程と上記中和工程との間に、イソプロピルアルコールを留去する濃縮工程を備える上記1.に記載の炭酸カルシウム用分散剤。
3.上記濃縮工程において、上記留去により回収されたイソプロピルアルコールを上記重合工程で用いる上記2.に記載の炭酸カルシウム用分散剤。
4.上記イソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコール濃度が、15〜55質量%である上記1.乃至3.のいずれかに記載の炭酸カルシウム用分散剤。
5.上記単量体における上記アクリル酸の含有量が、該単量体全量100質量%に対して、80〜100質量%である上記1.乃至4.のいずれかに記載の炭酸カルシウム用分散剤。
6.上記1.に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法であって、
重合工程と中和工程とを順次備え、
上記重合工程は、アクリル酸を含む単量体、イソプロピルアルコール水溶液、次亜リン酸塩、過硫酸塩及び水酸化ナトリウムが連続的に反応器に供給され、上記単量体を連続的に重合させる工程であり、
上記重合工程における、上記イソプロピルアルコール水溶液に含まれるイソプロピルアルコール、上記次亜リン酸塩、上記過硫酸塩及び上記水酸化ナトリウムの供給量は、上記単量体100質量部に対して、上記イソプロピルアルコールが15〜100質量部、上記次亜リン酸塩が2.0〜5.0質量部、上記過硫酸塩が0.5〜2.0重量部及び上記水酸化ナトリウムが5.0〜20質量部であり、
上記重合工程の反応温度は、68〜82℃であり、
上記中和工程は、上記重合工程により得られた重合体を構成する上記単量体由来の構成単位が有するカルボキシル基の15〜95モル%を中和させる工程であることを特徴とする炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
7.上記重合工程は、連続槽型反応器を直列に2基以上設置して行う上記6.に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
8.上記重合工程と上記中和工程との間に、イソプロピルアルコールを留去する濃縮工程を備える上記6.又7.に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
9.上記濃縮工程は、薄膜蒸発機を用いる上記8.に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
10.上記濃縮工程において、上記留去により回収されたイソプロピルアルコールを上記重合工程で用いる上記8.又は9.に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
11.上記イソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコール濃度が、15〜55質量%である上記6.乃至10.のいずれかに記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
12.上記単量体における上記アクリル酸の含有量が、該単量体全量100質量%に対して、80〜100質量%である上記6.乃至11.のいずれかに記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
本発明の炭酸カルシウム用分散剤によれば、炭酸カルシウムの分散性に優れ、特に炭酸カルシウムの湿式粉砕用の分散剤として、優れた分散性及び長期分散安定性を発揮する。本発明の炭酸カルシウム用分散剤は、分子量調整剤の作用を有するイソプロピルアルコールを溶媒に用い、且つ、分子量調整剤の次亜リン酸塩と、重合開始剤の過硫酸塩とを併用し、水酸化ナトリウムも添加することにより、次亜リン酸塩から副生される亜リン酸塩及びリン酸塩、並びに、過硫酸塩から副生される硫酸塩等の副生成物が少ない炭酸カルシウム用分散剤とすることができる。本発明の炭酸カルシウム用分散剤を使用することにより、得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制される炭酸カルシウムスラリーとすることができる。
また、上記単量体における上記アクリル酸の含有量が、該単量体全量100質量%に対して、80〜100質量%である場合には、炭酸カルシウムの分散性が、更に優れる炭酸カルシウム用分散剤とすることができる。
本発明の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法は、炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制される炭酸カルシウムスラリーを形成する炭酸カルシウム用分散剤を効率良く製造することができる。
また、上記重合工程の後に、イソプロピルアルコールを留去する濃縮工程を備える場合には、イソプロピルアルコールが低減された炭酸カルシウム用分散剤を効率良く製造することができる。
また、上記濃縮工程において、上記留去により回収されたイソプロピルアルコールを上記重合工程で用いる場合には、留去されたイソプロピルアルコールは重合工程で再利用され、廃棄の必要がなく、コストが削減でき、生産効率に優れ、且つ、環境保全に優れた炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法にすることができる。
また、上記単量体における上記アクリル酸の含有量が、該単量体全量100質量%に対して、80〜100質量%である場合には、炭酸カルシウムの分散性が、更に優れる炭酸カルシウム用分散剤を効率良く製造することができる。
以下、本発明の炭酸カルシウム用分散剤(以下、単に「分散剤」ともいう)、及び、本発明の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法について詳しく説明する。
本発明は、重合工程と中和工程とを順次備える製造方法(連続生産方法)により得られる炭酸カルシウム用分散剤であって、上記重合工程は、アクリル酸を含む単量体、イソプロピルアルコール水溶液、次亜リン酸塩、過硫酸塩及び水酸化ナトリウムが連続的に反応器に供給され、上記単量体を連続的に重合させる工程であり、上記重合工程における、上記イソプロピルアルコール水溶液に含まれるイソプロピルアルコール、上記次亜リン酸塩、上記過硫酸塩及び上記水酸化ナトリウムの供給量は、上記単量体100質量部に対して、上記イソプロピルアルコールが15〜100質量部、上記次亜リン酸塩が2.0〜5.0質量部、上記過硫酸塩が0.5〜2.0重量部及び上記水酸化ナトリウムが5.0〜20質量部であり、上記重合工程の反応温度は、68〜82℃であり、上記中和工程は、上記重合工程により得られた重合体(以下、「第1重合体」ともいう)を構成する上記単量体由来の構成単位が有するカルボキシル基の15〜95モル%を中和させる工程であることを特徴とする。
また、上記供給量は、連続生産方法においては、単位時間あたりの供給量とすることができる。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの一方又は両方を含む意味に用いる。
本発明の分散剤は、上記重合工程及び上記中和工程を備えることにより得られる。本発明の分散剤の形成に用いられる原料について、説明する。
上記重合工程において、重合反応により重合される単量体としては、少なくともアクリル酸を含む単量体である。従って、上記単量体は、全量をアクリル酸としてもよく、単量体の一部にアクリル酸を含むものでもよい。
アクリル酸以外の単量体(以下、「他の単量体」ともいう)としては、アクリル酸と共重合可能な単量体であれば、特に限定されない。具体的には、ラジカル重合性を有するビニル系単量体(重合性不飽和化合物)が挙げられる。上記ビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸以外のエチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の中和塩、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物、芳香族ビニル化合物、酸無水物、アミノ基含有ビニル化合物、アミド基含有ビニル化合物、スルホン酸基含有ビニル化合物、ポリオキシアルキレン基含有ビニル化合物、アルコキシル基含有ビニル化合物、シアノ基含有ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、共役ジエン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、得られる分散剤の物性(分散安定性、着色抑制等)の面から(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物、及び、ポリオキシアルキレン基含有ビニル化合物が好ましい。
上記アクリル酸以外のエチレン性不飽和カルボン酸としては、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水フタル酸をアルキルアルコールでハーフエステル化したもの、及び、無水イタコン酸をアルキルアルコールでハーフエステル化したもの等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和カルボン酸の中和塩としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びクロトン酸等のカルボキシル基が中和されたエチレン性不飽和カルボン酸塩が挙げられる。また、このエチレン性不飽和カルボン酸塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及び、有機アミン塩等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ハロゲン化スチレン、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸等が挙げられる。
上記酸無水物単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
上記アミノ基含有ビニル化合物としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸3−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル等が挙げられる。
上記アミド基含有ビニル化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記スルホン酸基含有ビニル化合物としては、メタリルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチル−2−プロパンスルホン酸等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレン基含有ビニル化合物としては、ポリオキシエチレン基、及び/または、ポリオキシプロピレン基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記アルコキシル基含有ビニル化合物としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−(n−プロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)プロピル等が挙げられる。
上記シアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸1−シアノエチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸2−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸3−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸4−シアノブチル、(メタ)アクリル酸6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸8−シアノオクチル等が挙げられる。
上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
ビニルエステル単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
上記共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
その他、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系化合物;マレイン酸エステル化合物;イタコン酸エステル化合物;ビニルピリジン等のN−ビニル複素環化合物等が挙げられる。
これらの他の単量体のうち、好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等である。アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等をアクリル酸と併用することにより、着色の抑制に優れる分散剤が得られる。
上記重合工程において、単量体がアクリル酸以外の他の単量体を含む場合、アクリル酸の含有量は、上記単量体全量100質量%に対して、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%である。本発明では、特に好ましくは100質量%として単量体全量をアクリル酸とする場合である。アクリル酸の含有量が80質量%以上であると、得られる分散剤の水への溶解度を十分なものにすることができる。
上記重合工程において、連鎖移動剤として次亜リン酸塩を用いる。この次亜リン酸塩は、連鎖移動作用を有する化合物であれば特に限定されないが、具体的には、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、及び次亜リン酸バリウム等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、次亜リン酸ナトリウムが好ましい。
上記重合工程における上記次亜リン酸塩の供給量(使用量)は、単量体100質量部に対して、2.0〜5.0質量部であり、好ましくは2.5〜4.5質量部、より好ましく3.0〜4.5質量部である。次亜リン酸塩の供給量が上記範囲内であると、単量体の連続重合が効率的に行われる。尚、次亜リン酸塩の使用量が、5.0質量部以下の場合では、副生する亜リン酸塩及びリン酸塩の含有量が少ない分散剤が得られ、これにより、湿式粉砕により得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制され、長期分散安定性に優れる分散剤とすることができる。また、次亜リン酸塩の供給量が多い(例えば、5.0質量部より多く使用)と、炭酸カルシウムスラリーの初期粘度は高くなり、経時による粘度の顕著な上昇が生じる。これは、次亜リン酸塩から生じる副生物である亜リン酸塩及びリン酸塩が増加し、この副生物が炭酸カルシウムと難溶解性化合物を形成することにより粘度上昇が生じるものと推察される。
また、上記重合工程において、重合開始剤(ラジカル重合開始剤)として、過硫酸塩を用いる。この過硫酸塩は、特に限定されないが、具体的には、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、重合工程の後に行われる中和工程において、揮発成分が発生し難いことから、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムが好ましい。
上記重合工程における上記過硫酸塩の供給量(使用量)は、単量体100質量部に対して、0.5〜2.0質量部であり、好ましくは0.6〜1.8質量部、より好ましく0.8〜1.5質量部である。過硫酸塩の供給量が上記範囲内であると、未反応の単量体を低減できる。更に、過硫酸塩の供給量が2.0質量部以下の場合では、副生する硫酸塩の含有量が少ない分散剤とすることができる。尚、過硫酸塩の供給量が多い(例えば、2.0質量部より多く使用)と、炭酸カルシウムスラリーの初期粘度は高くなり、経時による粘度の顕著な上昇が生じる。これは、次亜リン酸塩の場合と同様に、過硫酸塩から生じる副生物の硫酸塩が増加し、この副生物が炭酸カルシウムと難溶解性化合物を形成することにより粘度上昇が生じるものと推察される。
また、上記重合工程において、塩基性化合物として、水酸化ナトリウムを用いる。この水酸化ナトリウムは、重合工程において、上記次亜リン酸塩の酸化を防ぐために添加される。次亜リン酸塩は、酸化されて副生物である亜リン酸塩及びリン酸塩を生じる。本発明では、重合工程で、水酸化ナトリウムを用いることにより、連鎖移動剤として使用される次亜リン酸塩の酸化を効率的に抑制することができる。
上記重合工程における上記水酸化ナトリウムの供給量(使用量)は、単量体100質量部に対して、5.0〜20質量部であり、好ましくは7.0〜15質量部である。水酸化ナトリウムの供給量が上記範囲内であると、重合工程における次亜リン酸塩の酸化を効率的に抑制することができ、湿式粉砕により得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制され、長期分散安定性に優れる分散剤とすることができる。
上記重合工程において、溶媒としてイソプロピルアルコールの水溶液を用いる。
また、イソプロピルアルコールは、上記重合工程においては、連鎖移動剤としても作用する。従って、イソプロピルアルコール水溶液は、反応溶媒及び連鎖移動剤として用いられる。
イソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコール濃度は、好ましくは5質量%以上、90%質量%以下であり、より好ましくは10〜80質量%、更に好ましくは15〜60質量%であり、特に好ましくは15〜55質量%であり、17〜50質量%若しくは20〜40質量%とすることもできる。
イソプロピルアルコールの濃度が5質量%以上であれば、イソプロピルアルコールが有する連鎖移動剤としての連鎖移動効果が有効に作用する。
また、上記重合工程において、上記イソプロピルアルコール水溶液に含まれるイソプロピルアルコールの供給量(使用量)は、単量体100質量部に対して、15〜100質量部であり、好ましくは16〜90質量部であり、より好ましくは17〜80質量部である。イソプロピルアルコールの供給量が、15質量部以上であると、イソプロピルアルコールの連鎖移動効果が有効に作用する。また、イソプロピルアルコールの供給量が、100質量部以下であると、原料の溶解性が向上する。
上記重合工程では、アクリル酸を含む単量体を、反応溶媒としてイソプロピルアルコールの水溶液を用いて、次亜リン酸塩、過硫酸塩及び水酸化ナトリウムの存在下で、アクリル酸を含む単量体を重合させて、上記単量体由来の構成単位を有する第1重合体が得られる。第1重合体の重量平均分子量は、好ましくは3000〜20000であり、より好ましくは4000〜10000であり、更に好ましくは4500〜8500である。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリアクリル酸ナトリウム等の標準物質を用いて測定することができる。
また、上記第1重合体の重量平均分子量が、上記範囲内であると、炭酸カルシウムを分散させる分散性能に優れた分散剤となり、得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、更に、経時による粘度上昇が少ない分散剤とすることができる。
上記重合工程において、分子量調整剤の作用を有するイソプロピルアルコールを溶媒に用い、分子量調整剤の次亜リン酸塩と、重合開始剤の過硫酸塩とを併用し、且つ、次亜リン酸塩の酸化を抑制する水酸化ナトリウムを用いることにより、分散剤が連続重合により効率的に得られ、この分散剤を用いた場合、得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制される炭酸カルシウムスラリーとすることができる。これは、使用する次亜リン酸塩及び過硫酸塩の添加量が低減され、且つ水酸化ナトリウムの添加により、次亜リン酸塩から副生される亜リン酸塩及びリン酸塩、並びに、過硫酸塩から副生される硫酸塩等の副生成物が少ないことから、上記副生成物と炭酸カルシウムとの難溶解性化合物の形成が抑制され、それにより、スラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制される。
上記重合工程における反応温度としては、68〜82℃であり、好ましくは70〜80℃である。反応温度を82℃以下にすることにより、重合を円滑に進めると共に、分子量調整剤の次亜リン酸が亜リン酸塩やリン酸塩へ酸化されるのを抑制することができ、副生成物の亜リン酸塩及びリン酸塩の含有量の少ない分散剤とすることができる。また、反応温度を68℃以上にすることで、未反応の単量体が少ない分散剤を得ることができる。
本発明では、上記重合工程は、反応器を用いて行われる。また、上記重合工程では、単量体を連続して重合させていくことから、反応器を複数用いて、直列に連結して単量体の重合を行うことが好ましい。連結される反応器(連続反応器)を用いる場合、上記反応器の数は、好ましくは2基以上であり、通常、10基以内である。反応器が2基以上直列的に連結した連続反応器を用いることにより、重合工程における単量体の滞留時間が均一化され、未反応の単量体を少なくすることができる。即ち、反応器が1基の場合には、重合工程における単量体の重合が十分完了しないうちに、重合工程を経る単量体(未反応の単量体)が生じる場合がある。また、連続反応器を10基よりも多く設置した場合には経済性に乏しくなる。
上記反応器としては、槽型反応器を用いることができる。本発明の重合工程において、槽型反応器を用いることにより、単量体の重合反応を効率的に行うことができる。また、本発明では、槽型反応器を複数基(個)、直列的に連結して行うことが好ましい。本発明では、重合工程において、槽型反応器を複数個、直列的に連結して行う(以下、単に「連続槽型反応器」という)ことにより、単量体の連続重合を効率的に行うことができる。
上記槽型反応器としては公知の反応器を使用することができ、撹拌機及び温調用装置を有するものが好ましい。攪拌機は公知の攪拌翼が設置されたものであれば特に制限はなく、当該撹拌翼としてはアンカー翼、パドル翼、プロペラ翼、タービン翼、リボン翼又は大型平板翼等が挙げられる。また、上記温調用装置としては、ジャケットや内部コイル又はプレート式熱交等、公知の内部及び/又は外部熱交換器を採用することができる。さらに、反応器には攪拌効率等を高める目的で、必要に応じてバッフル等を配設しても良い。
また、重合工程において、用いる反応器の数が、例えば、n基である場合、重合工程での最初の反応器を第1反応器(上流側)、次の反応器を第2反応器、そして、重合工程の最後の反応器を第n反応器(下流側)とする。第1反応器には、少なくとも、原料として、上記単量体、上記イソプロピルアルコール水溶液、上記次亜リン酸塩、上記過硫酸塩及び上記水酸化ナトリウムが連続的に供給される。
反応器への原料の供給割合は、供給する原料の全てを第1反応器へ供給してもよく、原料の一部を第1反応器へ供給し、第1反応器に供給した残部を他の反応器に供給してもよい。これらのうち、好ましくは原料の全てを第1反応器へ供給することである。
また、第2反応器〜第n反応器は、それぞれ、上流側に連結している第1反応器〜第(n−1)反応器からの反応液、及び第1反応器への原料の供給が一部である場合、その残部が供給される。また、第2反応器〜第n反応器には、重合工程を開始する前に、あらかじめ、イソプロピルアルコール水溶液を投入しておいてもよい。
そして、第n反応器から得られる反応液が、重合工程で得られる、第1重合体を含む反応液となる。
また、第1反応器〜第n反応器において、それぞれの反応器内の温度(重合温度)は、68〜82℃の範囲内であれば、同一でもよく、それぞれ異なっていてもよい。
重合工程において、n基の連続槽型反応器を用いる場合、反応液の全連続槽型反応器における全体の平均滞留時間は、好ましくは100〜450分であり、より好ましくは140〜330分である。また、各反応器の平均滞留時間は、特に限定されず、全連続槽型反応器における全体の平均滞留時間が、上記範囲内となるように適宜選択される。
例えば、2基の連続槽型反応器を用いる場合、第1反応器の平均滞留時間は、好ましくは60〜240分であり、より好ましくは80〜180分である。また、第2反応器の平均滞留時間は、好ましくは40〜210分であり、より好ましくは60〜150分である。この場合、第1反応器及び第2反応器の平均滞留時間が上記範囲内にあると、未反応の単量体を低減することができ、且つ、次亜リン酸の酸化を抑制することができる。
上記中和工程は、上記重合工程により得られた第1重合体を構成する上記単量体由来の構成単位が有するカルボキシル基を中和する工程である。この中和工程により、上記カルボキシル基の一部が中和されたアクリル系重合体を含む分散剤を得ることができる。また、この中和工程により、pHが3〜8の分散剤とすることができる。
上記中和工程における上記カルボキシル基の中和は、塩基性化合物により行うことができる。上記塩基性化合物としては、カルボキシル基を中和できる化合物であれば特に限定されないが、例えば、無機塩基性化合物、有機塩基性化合物が挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記無機塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、並びにアンモニア水等が挙げられる。
上記有機塩基性化合物としては、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等の有機アミン化合物が挙げられる。これらの塩基性化合物のうち、揮発成分の発生が少ない、アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
上記中和工程において、上記第1重合体が有する上記カルボキシル基を中和させる量(中和率)は、15〜95モル%であり、好ましくは20〜90モル%である。上記中和率が、15〜95モル%であると、炭酸カルシウムを分散させる分散性能に優れた分散剤とすることができる。
本発明では、上記中和工程においても反応器を用いることができる。反応器としては、重合工程で用いられる反応器と同様に槽型反応器を用いることができる。
また、上記中和工程で、槽型反応器を用い、且つ上記重合工程で2基以上の連続槽型反応器を用いる場合、重合工程で用いられる連続槽型反応器(第n基)に、中和工程で用いられる槽型反応器を連結し、3基以上の連続槽型反応器を直列に連結し、重合工程と中和工程とを連続して、効率的に行うことができる。そして、重合工程及び中和工程を、3基以上を直列に連結した連続槽型反応器によることにより、効率よく分散剤を得ることができる。
分散剤に含有される上記アクリル系重合体は、アクリル酸を含む単量体が重合されて、上記単量体由来のカルボキシル基の一部が中和された重合体であり、その末端等の一部に、上記重合に用いた次亜リン酸塩及び過硫酸塩由来の構成を含む場合もある。
上記アクリル系重合体の重量平均分子量は、好ましくは4500〜8500であり、より好ましくは5000〜8000である。上記重量平均分子量は、GPCにより、ポリアクリル酸ナトリウム等の標準物質を用いて測定することができる。アクリル系重合体の重量平均分子量が、上記範囲内にあると、炭酸カルシウムを分散させる分散性能に優れた分散剤となり、得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、更に、経時による粘度上昇が少ない分散剤とすることができる。
また、本発明の分散剤としては、上記重合工程及び上記中和工程に加えて、更に、上記重合工程の後に、濃縮工程を備えることができる。また、上記濃縮工程は、上記重合工程と上記中和工程との間に備えることが好ましい。
上記濃縮工程は、上記重合工程により得られた第1重合体を含む反応液から、イソプロピルアルコールを留去して、イソプロピルアルコールを低減させた濃縮組成物を得る工程である。
上記濃縮工程では、例えば、反応系を減圧すること及び/又は反応系を加熱することにより、イソプロピルアルコールを系外へ留出させることができる。これにより、反応液からイソプロピルアルコールを留去することができる。また、イソプロピルアルコールは、通常、水との共沸混合物として留去される。従って、上記濃縮工程において、イソプロピルアルコールは、水溶液として反応液から留去され、イソプロピルアルコール及び水を低減させた濃縮組成物となる。
また、上記濃縮工程におけるイソプロピルアルコールの留去の方法は、特に限定されない。例えば、反応系を減圧に供し、その内温をイソプロピルアルコールの共沸温度以上に保つことで水とイソプロピルアルコールとを系外へ留出させることができる。
また、上記濃縮工程では、薄膜蒸発機を用いて、イソプロピルアルコール水溶液を留去することができる。上記薄膜蒸発機は、重合工程で得られた反応液を薄膜にして、真空下でより低い温度で熱影響を抑制して蒸発及び蒸留させる装置である。
上記濃縮工程では、薄膜蒸発機を用いる場合、薄膜蒸発機に適宜水を添加し、イソプロピルアルコールを水との共沸混合物として留去することができる。薄膜蒸発機を用いることにより、濃縮工程における反応液の変性を抑制し、効率的にイソプロピルアルコールの留去を行うことができる。
濃縮工程により、得られる濃縮組成物に含まれるイソプロピルアルコールの含有量は、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは質量5000質量ppm以下であり、更に好ましくは2000質量ppm以下、特に好ましくは1000質量ppm以下である。
また、濃縮工程において、留去されるイソプロピルアルコール水溶液は、回収することができる。そして、この回収されたイソプロピルアルコール水溶液は、重合工程において繰り返し使用することができる。イソプロピルアルコール水溶液を再利用する場合には、留去されたイソプロピルアルコールを廃棄する必要がなく、コストが低減され、生産効率に優れ、且つ、環境保全に優れた炭酸カルシウム用分散剤、及び炭酸カルシウム用分散剤の製造方法とすることができる。
また、イソプロピルアルコール水溶液を回収する場合、イソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコールの濃度は、回収前と回収後とでは変化する場合がある。これは、回収されるイソプロピルアルコールは、イソプロピルアルコールと水との共沸混合物として、留去の後、回収されるため、重合工程で、高濃度のイソプロピルアルコール水溶液を使用した場合であっても、回収されるイソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコール濃度は、通常、60質量%程度以下となるためである。
一方、上記重合工程においては、製造工程の効率化のため、回収したイソプロピルアルコール水溶液を再利用する場合であっても、イソプロピルアルコール水溶液の濃度は一定の濃度で使用することが好ましい。即ち、イソプロピルアルコールの濃度を60質量%以上の高い濃度で重合工程を行った場合、回収されるイソプロピルアルコール水溶液の濃度は、留去により、回収前より低くなる場合ある。その場合は、回収したイソプロピルアルコール水溶液をその高い濃度となるように濃縮する必要がある。また、イソプロピルアルコール水溶液の濃度によっては、回収したイソプロピルアルコール水溶液の濃度が回収前より高くなる場合もある。回収したイソプロピルアルコール水溶液の濃度が回収前より高くなる場合には、新たに水を添加して、濃度を調節すればよい。しかし、回収したイソプロピルアルコール水溶液をその高い濃度となるように濃縮する場合、濃縮設備が必要となり、製造効率が劣るものとなる。
従って、イソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコールの濃度は、濃縮工程において、回収されるイソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコールの濃度より低い濃度となるようにすることにより、イソプロピルアルコール水溶液をリサイクル利用することができる。このイソプロピルアルコール水溶液を回収して用いるためのイソプロピルアルコールの濃度としては、好ましくは15〜55質量%であり、より好ましくは17〜50質量%以下であり、更に好ましくは20〜40質量%である。尚、回収されるイソプロピルアルコール水溶液を再利用する場合、イソプロピルアルコール水溶液は、好ましくはイソプロピルアルコール濃度を調節して、重合工程で再利用される。
上記濃縮工程により得られた、濃縮組成物を上記中和工程に供して、上記第1重合体が有するカルボキシル基の一部が中和して、アクリル系重合体を含む分散剤を得ることができる。
また、本願発明において、重合工程、濃縮工程及び中和工程からなる連続生産方法(製造システム)としては、複数の槽型反応器と薄膜蒸発機とを直列に連結して行う方法が挙げられる。
本発明の好ましい態様としては、重合工程として、2基以上の連結した連続槽型反応基を用い、濃縮工程としては薄膜蒸発機を用いることができる。また、中和工程としては槽型反応基を用いることができる。そして、本願発明としては、重合工程の連続槽型反応基と、濃縮工程の薄膜蒸発機と、中和工程の槽型反応基と、をこの順に直列に連結した連続生産方法(製造システム)にするのが好ましい。このような連続生産方法にすることで、分散剤を連続して、効率的に製造することができる。
本発明の分散剤は、上記重合工程及び上記中和工程等を備えることにより得られるものであり、上記アクリル系重合体が水系媒体に溶解した溶液、又はアクリル系重合体が水系媒体に分散した分散液とすることができる。尚、上記水系媒体とは、水を含む媒体であり、水のみであってよいし、水を含む混合物であってもよい。
また、本発明の分散剤としては、上記重合工程及び上記中和工程を備えることにより得られた反応液(a)、あるいは、上記重合工程、上記濃縮工程及び上記中和工程を備えることにより得られた反応液(b)を、本発明の分散剤とすることができる。これらのうち、分散剤を効率的に得られる観点から反応液(b)を分散剤とするのが好ましい。また、これの分散剤は、更に、水系媒体を加えたものでもよい。
また、上記反応液(b)は、アクリル系重合体が水系媒体に溶解した水溶液となっており、上記重合工程に用いた、次亜リン酸塩及び/又はその副生成物、過硫酸塩及び/又はその副生成物、中和工程に用いた塩基性化合物を含む場合がある。更に、反応液(b)には、イソプロピルアルコールも濃縮工程後の含有量分のイソプロピルアルコールが含まれる場合がある。
尚、反応液(b)に含まれるイソプロピルアルコールの含有量は、1質量%以下にすることができ、好ましくは5000質量ppm以下であり、より好ましくは2000質量ppm以下、更に好ましくは1000質量ppm以下である。
本発明の分散剤が、上記反応液(b)である場合、pH及び固形分濃度は、特に限定されない。pHとしては、好ましくは3〜8であり、より好ましくは3〜7である。また、固形分濃度としては、好ましくは35〜55%であり、より好ましくは40〜50%である。
また、本発明の分散剤は、更に、消泡剤、及び、防腐剤等のその他成分を含有することができる。
上記消泡剤としては、ポリエーテル系、鉱物油系、シリコーン系、及び、アマイド系等が挙げられる。本発明の分散剤が、上記消泡剤を含有する場合、その含有量は、アクリル系重合体100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.0質量部である。
上記防腐剤としては、イソチアゾリン系、及び、パラベン等が挙げられる。本発明の分散剤が、上記防腐剤を含有する場合、その含有量は、アクリル系重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜1.0質量部である。
本発明の分散剤は、アクリル系重合体及び必要に応じて配合される上記その他成分が水系媒体に含まれる溶液又は分散液であってもよい。
また、本発明の分散剤が、上記その他成分を含有する場合、その他成分を添加して混合する。尚、上記混合方法は、特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
本発明の分散剤を用いて炭酸カルシウムスラリーを得る場合、分散剤の配合量としては、特に限定されないが、炭酸カルシウム100質量部に対して、アクリル系重合体が0.1〜10.0質量部、及び水系媒体が25〜100質量部となるように配合することが好ましい。
そして、上記の通り配合した、炭酸カルシウム及びアクリル系重合体を含む分散剤の混合物を公知の方法により、湿式粉砕することにより、炭酸カルシウムスラリーを得ることができる。
本発明の分散剤は、炭酸カルシウムの分散性に優れ、炭酸カルシウムを湿式粉砕して、炭酸カルシウムスラリーを得る場合の炭酸カルシウム用分散剤として好適に用いられる。本発明の分散剤を用いて得られる炭酸カルシウムスラリーは、初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制され、長期分散安定性に優れたスラリーとすることができる。
また、本発明の分散剤が、上記その他成分を含有する場合、アクリル系重合体と必要に応じて添加されるその他成分を混合することができる。また、本発明の分散剤が、アクリル系重合体を含有する水系媒体による水溶液あるいは分散液である場合、この水溶液及び分散液に、その他成分を必要に応じて添加して混合する。尚、上記混合は、特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
以下に本発明の実施例を合成例、比較例と共に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。尚、以下において、「部」及び「%」は特に断らない限り質量基準である。
また、合成例、実施例及び比較例における「Mw」は、重量平均分子量を意味する。この「Mw」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。このGPCの測定条件は、GPCの装置として、HLC8020システム(東ソー株式会社製)を使い、カラムは、G4000PWxl、G3000PWxl及びG2500PWxl(カラムはいずれも東ソー株式会社製)を連結して使用した。また、溶離液は、0.1MNaCl+リン酸バッファー(pH7)とし、検量線はポリアクリル酸Na(創和科学株式会社製)を使用して作成した。
また、合成例、実施例及び比較例において、湿式粉砕後の重質炭酸カルシウムのスラリーの粘度、及び、25℃で7日間静置後のスラリーの粘度は、B型粘度計を用いて25℃、60rpmの条件で測定した。
また、湿式粉砕後の重質炭酸カルシウムのスラリーのメジアン径、及び、スラリーの湿式粉砕後のスラリーの1.32μmアンダー積算値は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所株式会社製)を用いて測定した。
<炭酸カルシウム用分散剤の調製及び重質炭酸カルシウムスラリーの調製>
実施例1−1(分散剤1−1の調製及び分散剤1−1を用いたスラリーの調製)
攪拌機及びコンデンサを備えたフラスコ3基、及び薄膜蒸発機を用意し、3基のフラスコを第1〜第3フラスコとした。3基のフラスコ及び薄膜蒸発機は、第1フラスコ、第2フラスコ、薄膜蒸発基、及び第3フラスコの順に直列に配置し、原料組成物から反応生成物への流れは、この順になるように行った。
まず、第1フラスコ内へ、イソプロピルアルコール(以下、単に「IPA」ともいう)濃度35%のIPA水溶液1360gを仕込み80℃に保持した。また、第2フラスコ内へ、IPA濃度35%の水溶液1360gを仕込み80℃に保持した。また、第3フラスコ内へ、脱イオン水1360gを仕込み80℃に保持した。
そして、第1フラスコ内へ、アクリル酸(以下、単に「AA」ともいう)を4.5g/分、IPA濃度35%の水溶液を9.0g/分、次亜リン酸ナトリウム濃度30%の水溶液を0.55g/分、水酸化ナトリウム濃度48%の水溶液を0.70g/分、及び過硫酸ナトリウム濃度15%の水溶液を0.30g/分で供給した。また、第1フラスコ内の反応液を、15.1g/分で第2フラスコへ移液した。
こうして、第1フラスコの液量を1360gとなるように保ち、第1フラスコにおける反応液の平均滞留時間を90分とした。また。第2フラスコも、液量を1360kgに保ちながら15.1g/分で薄膜蒸発機へ移液し、第2フラスコにおける反応液の平均滞留時間を90分とした。一方、薄膜蒸発機では、脱イオン水を4.9g/分で供給しながら、7.9g/分でIPAを減圧留去し、薄膜蒸発機から排出される(IPA水溶液が低減された)濃縮液を第3のフラスコへ移液した。そして、第3フラスコでは、反応液の中和率が22モル%になるように、水酸化ナトリウム濃度48%の水溶液を供給した。第3のフラスコの液は、液量を1360gに保つように系外への排出を行った。この運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、固形分濃度が40%、PHが4、の分散剤1−1を得た。分散剤1−1に含まれるアクリル系重合体1−1のMwは6200であった。また、分散剤の調製に用いた、各原料の使用量、各原料の濃度、及び単量体100部に対する原料の割合等を表1に示す。
上記により得られた分散剤1−1を17g、イオン交換水320g、及び重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム株式会社製、「炭カルA」)900gを、円筒形容器へ投入し、軽く攪拌して均一になじませた。次いで、メディア(1mmφセラミックビーズ)3000gを上記円筒形容器に投入し、1000rpmで50分攪拌することで湿式粉砕した。
その後、200目濾布を通してスラリーを回収し、イオン交換水を添加して固形分を75%に調整し、重質炭酸カルシウムのスラリーを得た。そして、このスラリーの湿式粉砕当日の粘度、及び25℃で7日間静置後の粘度を、B型粘度計を用いて25℃、60rpmの条件で測定した。湿式粉砕当日の粘度は210mPa・s、7日後の粘度は2000mPa・sであった。
また、このスラリーの湿式粉砕当日のメジアン径と1.32μmアンダー積算値を、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所(株)製)を用いて測定した。メジアン径は0.67μm、1.32μmアンダー値は100%であった。これらの結果を表1に示した。
尚、以下の実施例及び比較例において、分散剤の調製に用いた、各原料の使用量、各原料の濃度、及び単量体100部に対する原料の割合等を表1〜4に示す。また、以下の実施例及び比較例において、実施例1−1と同様にして、分散剤に含まれるアクリル系重合体のMw、湿式粉砕後の重質炭酸カルシウムのスラリーの粘度、25℃で7日間静置後のスラリーの粘度、湿式粉砕後の重質炭酸カルシウムのスラリーのメジアン径、及び、スラリーの湿式粉砕後のスラリーの1.32μmアンダー積算値を測定し、それぞれの測定結果を表1〜4に示す。また、得られる分散剤の固形分濃度が40%となるように、各重合条件に応じて、薄膜蒸発機におけるIPA留去量、並びに脱イオン水供給量を調整した。
実施例1−2(分散剤1−2の調製及び分散剤1−2を用いたスラリーの調製)
実施例1−2では、上記実施例1−1において、分散剤1−1の調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤1−2を調製した。
上記実施例1−1にて回収したIPA水溶液のIPA濃度を測定したところ40%であった。この回収したIPA水溶液を、実施例1−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、実施例1−1を継続した。そして、この運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体1−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤1−2を得た。
そして、得られた分散剤1−2を用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例2−1(分散剤2−1の調製及び分散剤2−1を用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへのIPA濃度35%の水溶液の供給を、IPA濃度が22%の水溶液に代えて9.0g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体2−1を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤2−1を得た。
そして、得られた分散剤2−1を用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例2−2(分散剤2−2の調製及び分散剤2−2を用いたスラリーの調製)
実施例2−2では、上記実施例2−1において、分散剤2−1の調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤2−2を調製した。
上記実施例1−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は25%であった。この回収したIPA水溶液を、実施例2−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度22%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、実施例2−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体2−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤2−2を得た。
そして、得られた分散剤2−2を用いて、実施例2−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た
実施例3−1(分散剤3−1の調製及び分散剤3−1を用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの次亜リン酸ナトリウム濃度30%の水溶液の供給を0.55g/分に代えて、0.65g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体3−1を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤3−1を得た。
そして、得られた分散剤3−1を用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例3−2(分散剤3−2の調製及び分散剤3−2を用いたスラリーの調製)
実施例3−2では、上記実施例3−1において、分散剤3−1の調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤3−2を調製した。
上記実施例3−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、実施例3−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、実施例3−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体3−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤3−2を得た。
そして、得られた分散剤3−2を用いて、実施例3−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例4−1(分散剤4−1の調製及び分散剤4−1を用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの水酸化ナトリウム濃度48%の水溶液の供給量を0.7g/分に代えて、1.08g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体4−1を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤4−1を得た。
そして、得られた分散剤4−1を用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例4−2(分散剤4−2の調製及び分散剤4−2を用いたスラリーの調製)
実施例4−2では、上記実施例4−1において、分散剤4−1の調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤4−2を調製した。
上記実施例4−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、実施例4−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、実施例4−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体4−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤4−2を得た。
そして、得られた分散剤4−2を用いて、実施例4−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例5−1(分散剤5−1の調製及び分散剤5−1を用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの過硫酸ナトリウム濃度15%の水溶液の供給量を0.30g/分に代えて、0.45g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体5−1を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤5−1を得た。
そして、得られた分散剤5−1を用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例5−2(分散剤5−2の調製及び分散剤5−2を用いたスラリーの調製)
実施例5−2では、上記実施例5−1において、分散剤5−1の調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤5−2を調製した。
上記実施例5−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、実施例5−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、実施例5−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体5−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤5−2を得た。
そして、得られた分散剤5−2を用いて、実施例5−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例6−1(分散剤6−1の調製及び分散剤6−1を用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコ内、第2フラスコ内及び第3フラスコ内の保持温度(重合温度)の80℃を、75℃に代えて実施した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体6−1を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤6−1を得た。
そして、得られた分散剤6−1を用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例6−2(分散剤6−2の調製及び分散剤6−2を用いたスラリーの調製)
実施例6−2では、上記実施例6−1において、分散剤6−1の調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤6−2を調製した。
上記実施例6−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、実施例6−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、実施例6−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体6−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤6−2を得た。
そして、得られた分散剤6−2を用いて、実施例6−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例7−1(分散剤7−1の調製及び分散剤7−1を用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第3フラスコ内での48%水酸化ナトリウム水溶液による中和率を22モル%から中和率40モル%に変更した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体7−1を含む、固形分濃度が40%及びpHが5である分散剤7−1を得た。
そして、得られた分散剤7−1を用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
実施例7−2(分散剤7−2の調製及び分散剤7−2を用いたスラリーの調製)
実施例7−2では、上記実施例7−1において、分散剤7−1の調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤7−2を調製した。
上記実施例7−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、実施例7−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、実施例7−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体7−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが5である分散剤7−2を得た。
そして、得られた分散剤7−2を用いて、実施例7−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例1−1(分散剤1−1Cの調製及び分散剤1−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1におけるIPA濃度35%の水溶液を、IPA濃度が6.7%の水溶液に代えて用いた以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体1−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤1−1Cを得た。
そして、得られた分散剤1−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例1−2(分散剤1−2Cの調製及び分散剤1−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例1−2では、上記比較例1−1において、分散剤1−1Cの調製時に留去し、回収したIPAを用いて分散剤1−2Cを調製した。
上記比較例1−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は10
%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例1−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度6.7%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例1−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体1−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤1−2Cを得た。
そして、得られた分散剤1−2Cを用いて、比較例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例2−1(分散剤2−1Cの調製及び分散剤2−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1におけるIPA濃度35%の水溶液を、IPA濃度が65%の水溶液に代え、8.0g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体2−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤2−1Cを得た。
そして、得られた分散剤2−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例2−2(分散剤2−2Cの調製及び分散剤2−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例2−2では、上記比較例2−1において、分散剤2−1Cの調製時に留去し、回収したIPAを用いて分散剤2−2Cを調製した。
上記比較例2−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は55%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例2−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、回収したIPA水溶液を濃縮して、IPA濃度65%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例2−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体2−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤2−2Cを得た。
そして、得られた分散剤2−2Cを用いて、比較例2−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例3−1(分散剤3−1Cの調製及び分散剤3−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの次亜リン酸ナトリウム濃度30%の水溶液の供給量を0.55g/分に代えて、0.20g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体3−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤3−1Cを得た。
そして、得られた分散剤3−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例3−2(分散剤3−2Cの調製及び分散剤3−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例3−2では、上記比較例3−1において、分散剤3−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤3−2Cを調製した。
上記比較例3−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例3−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例3−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体3−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤3−2Cを得た。
そして、得られた分散剤3−2Cを用いて、比較例3−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例4−1(分散剤4−1Cの調製及び分散剤4−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの次亜リン酸ナトリウム濃度30%の水溶液の供給量を0.55g/分に代えて、0.90g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体4−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤4−1Cを得た。
そして、得られた分散剤4−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例4−2(分散剤4−2Cの調製及び分散剤4−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例4−2では、上記比較例4−1において、分散剤4−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤4−2Cを調製した。
上記比較例4−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例4−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例4−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体4−2を含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤4−2Cを得た。
そして、得られた分散剤4−2Cを用いて、比較例4−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例5−1(分散剤5−1Cの調製及び分散剤5−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの水酸化ナトリウム濃度48%の水溶液の供給量を0.7g/分に代えて、0.2g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体5−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤5−1Cを得た。
そして、得られた分散剤5−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例5−2(分散剤5−2Cの調製及び分散剤5−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例5−2では、上記比較例5−1において、分散剤5−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤5−2Cを調製した。
上記実施例5−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例5−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例5−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体5−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤5−2Cを得た。
そして、得られた分散剤5−2Cを用いて、比較例5−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例6−1(分散剤6−1Cの調製及び分散剤6−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの水酸化ナトリウム濃度48%の水溶液の供給量を0.7g/分に代えて、2.5g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取したが、その液は、2層分離した不均一な状態であり、外観が均一な液としての分散剤は得られなかった。
尚、第3フラスコでは水酸化ナトリウムの供給は行わなかったが、反応液の中和率は50モル%に相当する。
比較例6−2(分散剤6−2Cの調製及び分散剤6−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例6−2では、上記比較例6−1において、分散剤6−1の調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤6−2Cを調製した。
上記実施例6−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例6−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例6−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取したが、その液は、2層分離した不均一な状態であり、外観が均一な液としての分散剤は得られなかった。
尚、第3フラスコでは水酸化ナトリウムの供給は行わなかったが、反応液の中和率は50モル%に相当する。
比較例7−1(分散剤7−1Cの調製及び分散剤7−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの過硫酸ナトリウム濃度15%の水溶液の供給量を0.30g/分に代えて、0.10g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体7−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤7−1Cを得た。尚、分散剤7−1Cには未反応のAAが多量に残存していた。
そして、得られた分散剤7−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例7−2(分散剤7−2Cの調製及び分散剤7−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例7−2では、上記比較例7−1において、分散剤7−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤7−2Cを調製した。
上記比較例7−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。尚、回収したIPA水溶液中にはAAの混入が認められた。この回収したIPA水溶液を、比較例7−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例7−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体7−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤7−2Cを得た。
そして、得られた分散剤7−2Cを用いて、比較例7−2と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例8−1(分散剤8−1Cの調製及び分散剤8−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの過硫酸ナトリウム濃度15%の水溶液の供給量を0.30g/分に代えて、0.80g/分で供給した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体8−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤8−1Cを得た。
そして、得られた分散剤8−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例8−2(分散剤8−2Cの調製及び分散剤8−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例8−2では、上記比較例8−1において、分散剤8−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤8−2Cを調製した。
上記比較例8−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例8−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例8−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体8−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤8−2Cを得た。
そして、得られた分散剤8−2Cを用いて、比較例8−2と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例9−1(分散剤9−1Cの調製及び分散剤9−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコ内、第2フラスコ内及び第3フラスコ内の保持温度(重合温度)の80℃を、60℃に代えて実施した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体9−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤9−1Cを得た。尚、分散剤9−1Cには未反応のAAが多量に残存していた。
そして、得られた分散剤9−1Cを用いて、実施例1−1Cと同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例9−2(分散剤9−2Cの調製及び分散剤9−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例9−2では、上記比較例9−1において、分散剤9−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤9−2Cを調製した。
上記実施例9−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。尚、回収したIPA水溶液中にはAAの混入が認められた。この回収したIPA水溶液を、実施例9−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例9−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体9−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤9−2Cを得た。
そして、得られた分散剤9−2Cを用いて、比較例9−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例10−1(分散剤10−1Cの調製及び分散剤10−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコ内、第2フラスコ内及び第3フラスコ内の保持温度(重合温度)の80℃を、89℃に代えて実施した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体10−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤10−1Cを得た。
そして、得られた分散剤10−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例10−2(分散剤10−2Cの調製及び分散剤10−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例10−2では、上記比較例10−1において、分散剤10−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤10−2Cを調製した。
上記実施例10−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例10−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例10−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体10−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤10−2Cを得た。
そして、得られた分散剤10−2Cを用いて、比較例10−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例11−1(分散剤11−1Cの調製及び分散剤11−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第1フラスコへの水酸化ナトリウム濃度48%の水溶液の供給量を0.7g/分に代えて、0.6g/分で供給し、第3フラスコでは水酸化ナトリウムの供給を行わなかった以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体11−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが2である分散剤11−1Cを得た。尚、上記とおり、水酸化ナトリウム水溶液の供給量を0.6g/分とし、第3フラスコでの水酸化ナトリウムの供給を行わなかったことにより、中和率は13モル%になった。
そして、得られた分散剤11−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして湿式粉砕を行ったが、スラリーの粘度が高く、予定通り粉砕できなかった。
比較例11−2(分散剤11−2Cの調製及び分散剤11−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例11−2では、上記比較例11−1において、分散剤11−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤11−2Cを調製した。
上記比較例11−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例11−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例11−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体11−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが2である分散剤11−2Cを得た。尚、比較例11−2においても、比較例11−1と同様に、中和率は13モル%になった。
そして、得られた分散剤11−2Cを用いて、比較例11−1と同様にして湿式粉砕を行ったが、スラリーの粘度が高く、予定通り粉砕できなかった。
比較例12−1(分散剤12−1Cの調製及び分散剤12−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1において、第3フラスコ内での48%水酸化ナトリウム水溶液による中和率を22モル%から中和率98モル%に変更した以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体12−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが9である分散剤12−1Cを得た。
そして、得られた分散剤12−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例12−2(分散剤12−2Cの調製及び分散剤12−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例12−2では、上記比較例12−1において、分散剤12−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤12−2Cを調製した。
上記比較例12−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例12−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例12−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体12−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが9である分散剤12−2Cを得た。
そして、得られた分散剤12−2Cを用いて、比較例12−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例13−1(分散剤13−1Cの調製及び分散剤13−1Cを用いたスラリーの調製)
実施例1−1における、第1フラスコへの水酸化ナトリウム濃度48%の水溶液の供給について、比較例13−1では、第1フラスコへの水酸化ナトリウム濃度48%の水溶液の供給をしなかった。それ以外は、実施例1−1と同様に実施して、上記運転を20時間継続した時点で、第3フラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体13−1Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤13−1Cを得た。
そして、得られた分散剤13−1Cを用いて、実施例1−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
比較例13−2(分散剤13−2Cの調製及び分散剤13−2Cを用いたスラリーの調製)
比較例13−2では、上記比較例13−1において、分散剤13−1Cの調製時に留去し、回収したIPA水溶液を用いて分散剤13−2Cを調製した。
上記比較例13−1にて回収したIPA水溶液の濃度を測定したところIPA濃度は40%であった。この回収したIPA水溶液を、比較例13−1で使用したIPA水溶液の濃度と同じにするため、脱イオン水を添加して、IPA濃度35%の水溶液に調整した。そして、この濃度調節したIPA水溶液を使用して、比較例13−1を継続した。そして、上記運転を20時間継続した時点で、第3のフラスコから排出される液を採取し、アクリル系重合体13−2Cを含む、固形分濃度が40%及びpHが4である分散剤13−2Cを得た。
そして、得られた分散剤13−2Cを用いて、比較例13−1と同様にして、重質炭酸カルシウムスラリーを得た。
Figure 0005240413
Figure 0005240413
Figure 0005240413
Figure 0005240413
実施例1−1〜7−2では、イソプロピルアルコール、次亜リン酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、及び水酸化ナトリウムの使用量が、単量体100部に対して、それぞれ15〜100部、2.0〜5.0部、0.5〜2.0部、及び5.0〜20部の範囲内であり、重合工程の反応温度が68〜82℃の範囲であり、且つ、カルボキシル基の中和率も15〜95モル%であった。そして、上記の結果より、実施例1−1〜7−2の分散剤は、湿式粉砕により得られる炭酸カルシウムスラリーの初期粘度が低く、経時による粘度の顕著な上昇が抑制される分散剤であることが分かった。
一方、比較例1−1及び1−2では、IPAの使用量が、単量体100部に対して、13部と少なかった。また、分散剤に含有されるアクリル系重合体の重量平均分子量が12000であり、好ましい範囲(4500〜8500)より大きかった。これらのことから、比較例1−1及び1−2の分散剤を用いた場合、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。
また、比較例2−1及び2−2では、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度は低かった。しかし、IPAの使用量が、単量体100部に対して、116部と多いことから、分散剤に含有されるアクリル系重合体の重量平均分子量は4300前後であり、好ましい範囲より小さかった。このため、7日後のスラリー粘度については、顕著な上昇が見られた。尚、比較例2−1及び2−2で用いたIPA水溶液濃度は、65%の高濃度であるため、回収したIPAを再利用する際には、その回収したIPA水溶液(共沸混合物)は、濃縮が必要であった。
また、比較例3−1及び3−2では、次亜リン酸ナトリウムの使用量が、単量体100部に対して、1.3部と少なく、アクリル系重合体の重量平均分子量も10000前後と若干大きくなった。これらのことから、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。
また、比較例4−1及び4−2では、次亜リン酸ナトリウムの使用量が、単量体100部に対して、6.0部と多かったため、アクリル系重合体の重量平均分子量は、好ましい範囲より小さくなったが、次亜リン酸ナトリウムの使用量が多いため、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。
また、比較例5−1及び5−2では、アクリル系重合体の重量平均分子量は好ましい範囲内であったが、水酸化ナトリウムの使用量が、単量体100部に対して、2.1部と少ないため、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。
また、比較例6−1及び6−2では、水酸化ナトリウムの使用量が、単量体100部に対して、26.7部と多いため、得られた反応液(分散剤)は、2層分離し不均一な状態であり、分散剤としては使用できなかった。
また、比較例7−1及び7−2では、過硫酸ナトリウムの使用量が、単量体100部に対して、0.3部と少なかったため、アクリル系重合体の重量平均分子量も9300前後と若干大きくなり、また、未反応のアクリル酸が多くなり、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。そして、比較例7−2で使用した、比較例7−1の回収IPA水溶液中には、未反応のアクリル酸の混入が見られた。
また、比較例8−1及び8−2では、過硫酸ナトリウムの使用量が、単量体100部に対して、2.7部と多かったため、アクリル系重合体の重量平均分子量は、好ましい範囲内であるが、過硫酸ナトリウムの使用量が多いため、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。
また、比較例9−1及び9−2では、重合工程における反応温度が、60℃と低かったため、アクリル系重合体の重量平均分子量が若干大きくなり、また、未反応のアクリル酸が多くなり、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。そして、比較例9−2で使用した、比較例9−1の回収IPA水溶液中には、未反応のアクリル酸の混入が見られた。
また、比較例10−1及び10−2では、アクリル系重合体の重量平均分子量は好ましい範囲内であったが、重合工程における反応温度が、89℃と高かったことから、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。
また、比較例11−1及び11−2では、カルボキシル基の中和率が13モル%と低かったため、得られるスラリーの粘度が高くなり、炭酸カルシウムの粉砕ができなかった。
また、比較例12−1及び12−2は、炭酸カルシウムの粉砕はできたが、カルボキシル基の中和率が98モル%と高かったため、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。
また、比較例13−1及び13−2では、重合工程で、水酸化ナトリウムを使用しなかったため、炭酸カルシウムの粉砕時のスラリー粘度が高く、また、7日後のスラリー粘度についても顕著な上昇が見られた。これは、重合工程での次亜リン酸ナトリウムの酸化反応が抑制されなかったためと考えられる。
以上のように、本発明の炭酸カルシウム用分散剤は優れた炭酸カルシウム分散性及び長期分散安定性を発揮するため、特に炭酸カルシウムの湿式粉砕用分散剤として有効に使用できるものである。
また、本発明の炭酸カルシウム用分散剤の製造方法によれば、上記炭酸カルシウム用分散剤を生産性良く製造することができる。さらに、本発明の濃縮工程において回収されたイソプロピルアルコールを重合工程で用いる場合は、留去されたイソプロピルアルコールを廃棄する必要がなく、コストが削減でき、生産効率に優れ、且つ、環境保全の面でも優れた炭酸カルシウム用分散剤の製造方法とすることができる。

Claims (12)

  1. 重合工程と中和工程とを順次備えることにより得られる炭酸カルシウム用分散剤であって、
    上記重合工程は、アクリル酸を含む単量体、イソプロピルアルコール水溶液、次亜リン酸塩、過硫酸塩及び水酸化ナトリウムが連続的に反応器に供給され、上記単量体を連続的に重合させる工程であり、
    上記重合工程における、上記イソプロピルアルコール水溶液に含まれるイソプロピルアルコール、上記次亜リン酸塩、上記過硫酸塩及び上記水酸化ナトリウムの供給量は、上記単量体100質量部に対して、上記イソプロピルアルコールが15〜100質量部、上記次亜リン酸塩が2.0〜5.0質量部、上記過硫酸塩が0.5〜2.0重量部及び上記水酸化ナトリウムが5.0〜20質量部であり、
    上記重合工程の反応温度は、68〜82℃であり、
    上記中和工程は、上記重合工程により得られた重合体を構成する上記単量体由来の構成単位が有するカルボキシル基の15〜95モル%を中和させる工程であることを特徴とする炭酸カルシウム用分散剤。
  2. 上記重合工程と上記中和工程との間に、イソプロピルアルコールを留去する濃縮工程を備える請求項1に記載の炭酸カルシウム用分散剤。
  3. 上記濃縮工程において、上記留去により回収されたイソプロピルアルコールを上記重合工程で用いる請求項2に記載の炭酸カルシウム用分散剤。
  4. 上記イソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコール濃度が、15〜55質量%である請求項1乃至3のいずれかに記載の炭酸カルシウム用分散剤。
  5. 上記単量体における上記アクリル酸の含有量が、該単量体全量100質量%に対して、80〜100質量%である請求項1乃至4のいずれかに記載の炭酸カルシウム用分散剤。
  6. 請求項1に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法であって、
    重合工程と中和工程とを順次備え、
    上記重合工程は、アクリル酸を含む単量体、イソプロピルアルコール水溶液、次亜リン酸塩、過硫酸塩及び水酸化ナトリウムが連続的に反応器に供給され、上記単量体を連続的に重合させる工程であり、
    上記重合工程における、上記イソプロピルアルコール水溶液に含まれるイソプロピルアルコール、上記次亜リン酸塩、上記過硫酸塩及び上記水酸化ナトリウムの供給量は、上記単量体100質量部に対して、上記イソプロピルアルコールが15〜100質量部、上記次亜リン酸塩が2.0〜5.0質量部、上記過硫酸塩が0.5〜2.0重量部及び上記水酸化ナトリウムが5.0〜20質量部であり、
    上記重合工程の反応温度は、68〜82℃であり、
    上記中和工程は、上記重合工程により得られた重合体を構成する上記単量体由来の構成単位が有するカルボキシル基の15〜95モル%を中和させる工程であることを特徴とする炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
  7. 上記重合工程は、連続槽型反応器を直列に2基以上設置して行う請求項6に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
  8. 上記重合工程と上記中和工程との間に、イソプロピルアルコールを留去する濃縮工程を備える請求項6又7に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
  9. 上記濃縮工程は、薄膜蒸発機を用いる請求項8に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
  10. 上記濃縮工程において、上記留去により回収されたイソプロピルアルコールを上記重合工程で用いる請求項8又は9に記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
  11. 上記イソプロピルアルコール水溶液のイソプロピルアルコール濃度が、15〜55質量%である請求項6乃至10のいずれかに記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
  12. 上記単量体における上記アクリル酸の含有量が、該単量体全量100質量%に対して、80〜100質量%である請求項6乃至11のいずれかに記載の炭酸カルシウム用分散剤の連続生産方法。
JP2012525352A 2010-07-23 2011-06-28 炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法 Active JP5240413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012525352A JP5240413B2 (ja) 2010-07-23 2011-06-28 炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010166441 2010-07-23
JP2010166441 2010-07-23
JP2012525352A JP5240413B2 (ja) 2010-07-23 2011-06-28 炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法
PCT/JP2011/064729 WO2012011368A1 (ja) 2010-07-23 2011-06-28 炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5240413B2 true JP5240413B2 (ja) 2013-07-17
JPWO2012011368A1 JPWO2012011368A1 (ja) 2013-09-09

Family

ID=45496796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012525352A Active JP5240413B2 (ja) 2010-07-23 2011-06-28 炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5240413B2 (ja)
KR (1) KR101771771B1 (ja)
CN (1) CN103025416B (ja)
SG (1) SG187092A1 (ja)
WO (1) WO2012011368A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104744970A (zh) * 2015-02-13 2015-07-01 江苏苏博特新材料股份有限公司 碳酸钙/梳状聚醚嵌段聚丙烯酸共聚物浆料及其制备方法
JP6500659B2 (ja) * 2015-07-13 2019-04-17 東亞合成株式会社 アクリル酸系重合体塩水溶液の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11128715A (ja) * 1997-11-04 1999-05-18 Nippon Shokubai Co Ltd 無機顔料分散剤
JP2000038491A (ja) * 1998-07-23 2000-02-08 Toagosei Co Ltd 無機顔料分散剤及び分散方法
JP2001087640A (ja) * 1995-07-24 2001-04-03 Sanyo Chem Ind Ltd 分散剤

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0942015B1 (en) * 1998-03-06 2004-05-12 Nippon Shokubai Co., Ltd. (Meth)acrylic acid polymer and manufacturing method thereof
CN101323654A (zh) * 2008-07-24 2008-12-17 上海东升新材料有限公司 低分子量丙烯酸系聚合物及其制备方法
CN101423577B (zh) * 2008-12-10 2010-06-23 娄底市裕德科技有限公司 聚丙烯酸或聚丙烯酸钠的制备方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001087640A (ja) * 1995-07-24 2001-04-03 Sanyo Chem Ind Ltd 分散剤
JPH11128715A (ja) * 1997-11-04 1999-05-18 Nippon Shokubai Co Ltd 無機顔料分散剤
JP2000038491A (ja) * 1998-07-23 2000-02-08 Toagosei Co Ltd 無機顔料分散剤及び分散方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR101771771B1 (ko) 2017-08-25
WO2012011368A1 (ja) 2012-01-26
CN103025416B (zh) 2015-08-05
CN103025416A (zh) 2013-04-03
JPWO2012011368A1 (ja) 2013-09-09
KR20130099007A (ko) 2013-09-05
SG187092A1 (en) 2013-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103468028B (zh) 一种高效钙浆分散剂及其制备方法
JP5915750B2 (ja) アクリル酸系重合体組成物及びその製造方法、並びにその用途
JP6119850B2 (ja) 炭酸カルシウム用分散剤及びその製造方法
JP5240413B2 (ja) 炭酸カルシウム用分散剤及びその連続生産方法
JP5240411B2 (ja) 炭酸カルシウム用分散剤及びその製造方法
JP5794308B2 (ja) アクリル酸系重合体の製造方法及びその用途
CN105294947A (zh) 一种造纸用高性能丁苯胶乳的制备方法
CN107849185B (zh) 水溶性聚合物组合物及其制造方法、以及其利用
CN102050889A (zh) 一种超大粒径聚丁二烯胶乳的制备方法
WO2009142088A1 (ja) 顔料分散剤
CN102358766B (zh) 一种粘土改性室温自交联核壳聚丙烯酸酯乳液的合成方法
JP2022034316A (ja) カーボンナノチューブ分散体、およびそれを用いた塗料
JP5036325B2 (ja) 水性エマルションおよびその用途
JP5336813B2 (ja) ポリマー粒子の製造方法
JP2007262331A (ja) ポリマー粒子の製造方法
JPH04110302A (ja) 水性樹脂分散体組成物
JP3949032B2 (ja) 製鉄用原料の造粒処理方法及び製鉄用造粒処理剤の運搬方法
JP6258745B2 (ja) (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法
JP2012224848A (ja) 水分散ポリマーの製造方法
JP2003002910A (ja) 重合体の製造方法、分散剤、およびこれを用いた懸濁重合方法
JP2016108400A (ja) ポリアクリル酸塩及び水酸化カリウムを含む透明な水溶液
JP2008239828A (ja) 水系熱硬化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5240413

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250