JP5239852B2 - 熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延ラインにおける熱延鋼帯の製造方法に関するものである。
一般の熱間圧延ラインでは、熱間圧延機群で圧延して得られた熱延鋼帯を、ランナウトテーブル上を通板させつつ、冷却水噴射手段から噴射される冷却水で所定の温度となるように冷却した後、コイラーに巻き取る。このような熱間圧延ラインでは、熱延鋼帯の先端部が複数のテーブルロールからなるランナウトテーブル上を通過する際、鋼帯は張力のない非定常的で不安定な状態で通板しているので、図9(a)に示すように、先端部が浮き上がるバウンド20が発生し、最終的には図9(b)に示すように手前に折れ曲がる頭折れ21が発生する。このように通板中の鋼帯にバウンド20や頭折れ21が発生すると、鋼帯先端部がコイラー手前のピンチロール間に進入できず、コイラーによる鋼帯の巻き取りが不可能な状態になるだけでなく、バウンド20、頭折れ21の部分が衝突することによりピンチロール、コイラーを含む周辺の構成部材を破損する恐れもある。
また、同じく熱延鋼帯がランナウトテーブル上を通過する際、テーブル下流側の鋼帯部分の通板速度がテーブル上流側の鋼帯部分の通板速度よりも遅くなったとき、図9(c)に示すようにループ22が発生し、最終的には図9(d)に示すように手前に折れ曲がる腰折れ23が発生する。このような腰折れ23が発生すると、コイラーではZ状に折れ曲がった状態で巻き取られてしまう欠陥となるため、折れ曲がり部位を切り取るための追加工程を経る必要が発生し、生産性の低下を招く結果となる。
以上のような不安定な通板状態となる操業条件を明らかにするため、特許文献1や特許文献2に示すように、通板が安定した状態と不安定な状態との境界となる操業条件を鋼帯の運動方程式より導出した理論検討事例が見られるが、実際には冷却水の影響や設備起因の非定常な通板阻害要因が存在するため、通板不安定となる操業条件を完全に予測することは困難である。
例えば、鋼帯に噴射される冷却水による作用も熱延鋼帯の通板を阻害する要因となる。すなわち、走行する鋼帯とその表面に接している冷却水との相対速度に応じた粘性抵抗、鋼帯に噴射される冷却水の衝突力、鋼帯上に滞留した冷却水の質量などがこれに当たる。
さらに、鋼帯の通板を阻害する設備的要因も存在する。例えば、テーブルロールの磨耗による隣り合うロールとの高さ方向段差、鋼帯裏面を観察するためのセンサーを2つのテーブルロール間に配置するための部分的なロールピッチ拡大、冷却水ノズル詰まりによる冷却水の異常噴射などがこれに当たる。
特開2000−225409号公報 特開2000−225410号公報
以上のように通板中の熱延鋼帯に不安定現象が発生する理由は、熱延鋼帯が無張力の不安定な状態で通板することのほか、ユーザの要求により益々板厚の薄い熱延鋼帯を製造する必要が生じているためである。しかも、さらに設備的要因も加わるため、このような不安定現象の発生は確率的なものであり、何時、どの個所で発生するのかその特定は非常に難しい。
このため、通板が極めて不安定となる板厚の薄い熱延鋼帯を製造する場合には、やむを得ずコイラーでの巻き取りが開始されるまでは冷却水の噴射を停止させることも少なくない。しかし、この場合には冷却水の停止による品質欠陥部位を切り捨てる追加工程が発生し、歩留まりおよび生産性を大きくロスさせる結果となる。
したがって本発明の目的は、熱間圧延機で圧延して得られた熱延鋼帯を、ランナウトテーブル上を通板させつつ、冷却水噴射手段から供給される冷却水で冷却した後、コイラーに巻き取る熱延鋼帯の製造方法において、鋼帯の不安定通板に起因した操業トラブルを適切に回避することができるとともに、鋼帯への冷却水の供給停止を必要最小限にとどめ、冷却水の供給停止による品質欠陥の発生を最小限に抑えることができる熱延鋼帯の製造方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の骨子は、ランナウトテーブル上での熱延鋼帯の通板状況を検知手段で検知し、この通板状況に基づき、冷却水噴射手段からの冷却水の供給停止のタイミングを決定することにより、鋼帯の不安定通板に起因した設備損傷などの操業トラブルを適切に回避するとともに、鋼帯への冷却水の供給停止による鋼帯の品質欠陥の発生を最小限に抑えることができるようにしたものであり、以下を要旨とするものである。
[1]熱間圧延機で圧延して得られた熱延鋼帯を、ランナウトテーブル上を通板させつつ、冷却水噴射手段から供給される冷却水で冷却した後、コイラーに巻き取る熱延鋼帯の製造方法において、ランナウトテーブル上を通板中の鋼帯について、検知手段でパスライン(但し、ランナウトテーブルの鋼帯搬送面)上方への鋼帯の異常変位を検知し、該鋼帯の異常変位の検知に基づき、少なくとも一部の冷却水噴射手段について、鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、検知手段で検出された鋼帯の鉛直方向変位量が、予め設定された閾値以上である場合を異常変位とし、冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
[3]上記[1]または[2]の製造方法において、ランナウトテーブル長手方向に沿って間隔をおいて複数の検知手段を配置し、ライン上流側からn番目の検知手段が鋼帯の異常変位を検知した場合に、当該n番目の検知手段による検知位置よりもライン上流側に位置する冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
[4]上記[1]または[2]の製造方法において、ランナウトテーブル長手方向に沿って間隔をおいて複数の検知手段を配置し、少なくとも1つの検知手段が鋼帯の異常変位を検知した場合に、全冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、検知手段が、ランナウトテーブル上方に配置されるマイクロ波ドップラー速度計を備え、該マイクロ波ドップラー速度計で測定される鋼帯の鉛直方向速度変化に基づき、鋼帯の鉛直方向変位量を求めることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
本発明によれば、鋼帯の通板が不安定化し、検知手段によりパスライン上方への鋼帯の異常変位が検知された際に、鋼帯への冷却水の供給を停止することで、鋼帯の不安定通板に起因した設備損傷などの操業トラブルを適切に回避することができ、一方において、鋼帯への冷却水の供給を不必要に停止する必要がないため、冷却水の供給停止による鋼帯の品質欠陥発生を最小限に抑えることができる。
本発明は、熱間圧延機で圧延して得られた熱延鋼帯を、ランナウトテーブル上を通板させつつ、冷却水噴射手段から供給される冷却水で冷却した後、コイラーに巻き取る熱延鋼帯の製造方法において、ランナウトテーブル上を通板中の鋼帯について、検知手段でパスライン(但し、ランナウトテーブルの鋼帯搬送面)上方への鋼帯の異常変位を検知し、この鋼帯の異常変位の検知に基づき、少なくとも一部の冷却水噴射手段について、鋼帯への冷却水の供給を停止するものである。
図1は、冷却水噴射手段aの構成と、この冷却水噴射手段aからの冷却水の供給(噴射)状況を模式的に示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
ランナウトテーブル1は複数(通常、200〜400本)のテーブルロール10からなり、このランナウトテーブル1の上方と下方に、それぞれ複数の冷却水噴射手段aがランナウトテーブル長手方向で間隔をおいて配置されている。
各冷却水噴射手段aは、冷却水ヘッダ2と、この冷却水ヘッダ2にランナウトテーブル幅方向で間隔おいて設けられる複数の噴射ノズル3を有している。冷却水噴射手段aは、ランナウトテーブル1を構成するテーブルロール10に対して1:1の関係で配置されているが、通常、ランナウトテーブル1の上方の冷却水噴射手段aは、各テーブルロール10のほぼ真上に配置され、ランナウトテーブル1の下方の冷却水噴射手段aは、隣接するテーブルロール10間の下方に配置される。
鋼帯を所望の温度となるように冷却制御するためには、ランナウトテーブル1の略全長に配置された複数の冷却水噴射手段a(冷却水ヘッダ2)による冷却水の噴射・停止を適切に制御する必要がある。但し、通常、ランナウトテーブル1は200〜400本のテーブルロール10からなるため、このロールと同数×2倍(上下)の冷却水噴射手段aについて、それらを1本毎に噴射制御するための冷却水切替弁を設けることは、設備コストに加えてメンテナンスのために多大なコストを要し、実操業においては非効率である。このため通常は、図1に示すように、ランナウトテーブル長手方向で隣り合う複数(通常、十数本程度)の冷却水噴射手段aが1つのバンクA(冷却水噴射手段群)を構成し、このバンク単位で1つの供給管4(供給系)から冷却水が供給されるようになっている。各バンクAの供給管4には、複数の冷却水噴射手段a(冷却水ヘッダ2)への冷却水の供給・停止を行う冷却水切替弁5が設けられ、バンク単位での冷却水噴射制御が行われるようになっている。
図2は、一般的なランナウトテーブル設備におけるバンクA(冷却水噴射手段群)の配置例を模式的に示す説明図であり、複数のバンクA(バンクA,バンクA,・・・バンクAn-2,バンクAn-1,バンクA,バンクAn+1,バンクAn+2,・・・)がランナウトテーブル長手方向で配置されている。
図3に、ランナウトテーブル1における通板挙動検知の外乱となる要因と、ランナウトテーブル1上を通板中の鋼帯のパスライン上方への異常変位を検知するための検知手段6の配置例を示す。
この検知手段6は、通常、ランナウトテーブル1の上方に配置される。この検知手段6の種類は問わないが、検知対象となる熱延鋼帯が赤熱した状態や、冷却水や蒸気が熱延鋼帯表面及びその周辺に充満した状況においても、安定した検知ができるものである必要がある。すなわち、ランナウトテーブル1は大量の冷却水が鋼帯に供給される環境であることから、図3に示すように、鋼帯上面への水乗りや水飛沫が生じるともに、冷却水が鋼帯と接触することにより生じた蒸気が充満した環境となる。また、鋼帯温度は、テーブル長手方向位置や鋼種によって異なるが、通常300〜800℃の間でコントロールされる。このため、検知手段6としては、水や蒸気外乱の影響を受けず、且つ測定対象物の温度の影響も極力受けない手段であることが望ましい。
このような観点からは、検知手段6としては、マイクロ波ドップラー速度計を用いるものが特に望ましい。マイクロ波は、霧状水滴の大きさに比べて長い波長を有している(霧状水滴はμmオーダーであるのに対して、マイクロ波の波長はcmオーダー)ため、霧状水滴による散乱が生じにくく、霧状水滴が充満する環境下で安定して使用することができる。また、マイクロ波は赤熱した鋼帯が発する赤外線の周波数領域よりも高い周波数領域であることから、高温の測定対象物に対しても安定した測定が可能である。
マイクロ波ドップラー速度計により、ランナウトテーブル1上を走行している鋼帯の鉛直方向速度変化を測定し、この鉛直方向速度変化に基づき、鋼帯の鉛直方向変位量(パスライン上方への変位量)を求めることができる。具体的には、測定された鋼帯の鉛直方向速度データの時間積分演算を行うことで、鋼帯の鉛直方向変位量を算出することができる。
検知手段6としては、上記マイクロ波ドップラー速度計以外に、例えば、鋼帯の直上に配置したレーザー距離計を用い、このレーザー距離計により鋼帯の鉛直方向変位を直接測定してもよい。但し、この場合には、水切りスプレーやエアパージを併用し、測定外乱を極力小さく抑えることが必要となる。
鋼帯のパスライン上方への変位が異常変位であるか否かの判定は、所望の通板状況に応じて任意の基準で行えばよいが、例えば、鉛直方向変位量の閾値として0.2mを設定し、検出された鋼帯の鉛直方向変位量が、その閾値以上となった場合に「異常変位」と判定し、特定の或いは全部の冷却水噴射手段aによる鋼帯への冷却水の供給を停止するような冷却水の噴射制御を行うことができる。
鋼帯の鉛直方向変位(変位高さ)の許容量は、製造する熱延鋼帯や設備によって異なるので、鉛直方向変位量の閾値は、製造する熱延鋼帯や設備に応じて任意の値に設定すればよいが、通常は、0.2〜0.5m程度の範囲の値とするのが適当である。
ランナウトテーブル1の長手方向において検知手段6を設置する位置は任意であるが、例えば、図2に示すような各バンクA毎に設けられる。
本発明では、検知手段6が鋼帯の異常変位を検知した場合に、例えば、以下のような冷却水噴射制御が行われる。
(i)ライン上流側からn番目の検知手段6が鋼帯の異常変位を検知した場合に、当該n番目の検知手段6による検知位置よりもライン上流側に位置する冷却水噴射手段aによる鋼帯への冷却水の供給(噴射)を停止する。
(ii)少なくとも1つの検知手段6が鋼帯の異常変位を検知した場合に、全部の冷却水噴射手段aによる鋼帯への冷却水の供給(噴射)を停止する。
以下、冷却水噴射手段aのバンクAが図2に示すように配置され、各バンクA毎に検知手段6が設けられたランナウテーブル設備において、本発明法を実施する場合の具体的な制御例について説明する。図4はそのフローチャートであり、図5は冷却水の供給(噴射)・停止状況を示す説明図である。なお、以下の説明において、鋼帯の異常変位が検知された場合とは、鋼帯の鉛直方向変位量の閾値(例えば0.2m)を設定し、検知手段6により検出された鋼帯の鉛直方向変位量がその閾値以上となった場合をいう。
まず、ランナウトテーブル1上での鋼帯の通板開始初期においては、図5(イ)に示すように、鋼帯が目標温度となるように所定のバンクA(=バンクAn-2よりもライン下流側のバンクA)で冷却水の噴射が行われるが、図5(ロ)に示すように、例えば、ライン上流側からn番目のバンクAにおいて検知手段により鋼帯(鋼帯先端側の部分)の異常変位が検知された場合、バンクAよりもライン上流側での冷却水による通板外乱を除外する目的で、図5(ハ)に示すように、バンクAとその上流側のバンクAn-1,バンクAn-2の冷却水切替弁を「閉」とし、冷却水噴射を強制停止させる。また、例えば、n番目のバンクAとn−2番目のバンクAn-2において鋼帯(鋼帯先端側の部分)の異常変位が検知された場合にも、異常変位が検知された最下流側のバンクAよりもライン上流側での冷却水による通板外乱を除外する目的で、上記と同様に、バンクAとその上流側のバンクAn-1,バンクAn-2の冷却水切替弁を「閉」とし、冷却水噴射を強制停止させる。
検知手段6によって検知されていた鋼帯の異常変位が解消した場合には、異常変位の検知で停止していたバンクA,An-1,An-2での冷却水の噴射を再開して定常的な温度制御に戻し、コイラーでの巻き取りに到る。一方、異常変位が解消しない場合には、通常、ライン下流側への通板不安定挙動が伝播するため、さらに下流側のバンクAでの冷却水噴射を停止させ、最も通板挙動が不安定である場合にはコイラー巻き取り開始まで、全てのバンクAで冷却水噴射を停止させる。
勿論、n番目のバンクAにおいて検知手段6により鋼帯の異常変位が検知された場合、通板状況に応じて、バンクAよりも下流側の任意のバンクA(例えば、n+1番のバンクAn+1およびn+2番のバンクAn+2)での冷却水噴射を強制停止させてもよいし、全てのバンクAでの冷却水噴射を強制停止させてもよい。
また、ランナウトテーブル長手方向の一部(通常、ランナウトテーブル下流側)に、通常の冷却水噴射よりも水量密度が高い冷却水を噴射し、高い冷却能力が得られるようにした冷却水噴射設備が設けられる場合があり、この場合には、当該冷却水噴射設備において、通板不安定要因となる鋼帯に噴射される冷却水の衝突力が特に大きく、その冷却水噴射設備内で通板不安定挙動がさらに助長され、通板トラブルに到る可能性がより高くなる。本発明は、このような特殊な冷却水噴射設備を有する熱間圧延ラインでの熱延鋼帯の製造にも適用可能である。例えば、そのような特殊な冷却水噴射設備の上流側での鋼帯の異常変位を抑えることにより、鋼帯先端を安定した通板状態で当該冷却水噴射設備に進入させることができる。また、当該冷却水噴射設備の下流側での鋼帯の異常変位を抑えることにより、ランナウトテーブル全体での安定通板を確保できる。
図6に、図5に示すn番目のバンクAに設置した検知手段6(マイクロ波ドップラ速度計)にて測定した、鋼帯(薄物材)の鉛直方向変位速度のチャートとその変位速度を時間積分して算出した鉛直方向変位量のチャートを示す。図において、破線は本発明を適用する前の従来例のデータを示しており、実線は本発明例のデータを示している。本発明例において、鋼帯の鉛直方向変位量の閾値は0.2mに設定されている。時刻零はバンクAに設置した検知手段6(マイクロ波ドップラ速度計)直下を鋼帯先端が通過した時刻を示す。同図に示すように、本発明例では、鋼帯の鉛直方向変位量は閾値(0.2m)未満となるように制御されており、通板の外乱となる冷却水の噴射制御が適確になされていることが判る。
また、設備の制約上、マイクロ波ドップラー速度計を備えた検知手段6をランナウトテーブル1の上方に設置することが困難である場合には、例えば、図7および図8に示すように検知手段6をランナウトテーブル1の側方に配置し、マイクロ波ドップラー速度計による速度検知方向(マイクロ波ビームの中心線)がライン中心方向に対して適当な迎え角θを有するようにして、水平方向から鋼帯の異常変位を検知するようにしてもよい。図7は、鋼帯が安定通板している場合を模式的に示すもので、図7(ハ)は側面図、図7(ロ)は平面図である。また、図8は、不安定通板により鋼帯に異常変位が生じた場合を模式的に示すもので、図8(ハ)は側面図、図8(ロ)は平面図である。
図7に示すように通板が安定している場合には、マイクロ波ドップラー速度計からみた見かけの通板速度は定常状態であるため、検出速度は0となる。一方、図8に示すように不安定通板となって鋼帯の鉛直方向変位が発生し、その変位によるたわみ形状部が通板速度vで下流に移動する場合には、たわみ形状部でのマイクロ波の反射が得られ、v・cosθの速度が検出される。この場合には、さきに述べた方法とは異なり、鉛直方向変位量そのものは測定できないが、マイクロ波ドップラー速度計から放射されるマイクロ波ビームの絞り角を考慮しつつ、鋼帯の鉛直方向変位が所定の高さに達した場合(=異常変位が生じた場合)に、マイクロ波ビームが反射して鉛直方向変位が検知されるように、放射されるマイクロ波ビームの高さレベル等を設定・調整することにより、鉛直方向での鋼帯の異常変位を検知することが可能である。
また、マイクロ波ドップラー速度計の設置数を極力少なく抑えるために、広域での測定を実施する場合には、マイクロ波ビームの絞り角の制限上、測定全領域で一律な鉛直方向変位を検知することが困難となる場合がある。このような場合は、例えば、マイクロ波ビームの高さレベル等を鋼帯通板レベル(パスラインレベル)とほぼ同等とし、オペレータにアラームを出力する等、安定/不安定の指標としてのみ用いることもできる。
冷却水噴射手段の構成とこの冷却水噴射手段からの冷却水の供給(噴射)状況を模式的に示すもので、図1(イ)は平面図、図1(ロ)は側面図 一般的なランナウトテーブル設備におけるバンク(冷却水噴射手段群)の配置例を模式的に示す説明図 ランナウトテーブルにおける通板挙動検知の外乱となる要因と、ランナウトテーブル上を通板中の鋼帯のパスライン上方への異常変位を検知するための検知手段の配置例を示す説明図 本発明法の具体的な制御例を示すフローチャート 図4の制御例における冷却水の供給(噴射)・停止状況を示す説明図 図5に示すn番目のバンクAに設置した検知手段(マイクロ波ドップラ速度計)にて測定した鋼帯の鉛直方向変位速度と、その変位速度から算出した鋼帯の鉛直方向変位量を示すグラフ 本発明法において、マイクロ波ドップラー速度計を備えた検知手段をランナウトテーブルの側方に配置した実施形態であって、鋼帯が安定通板している場合を模式的に示すもので、図7(イ)は側面図、図7(ロ)は平面図 本発明法において、マイクロ波ドップラー速度計を備えた検知手段をランナウトテーブルの側方に配置した実施形態であって、不安定通板により鋼帯に異常変位が生じた場合を模式的に示すもので、図8(イ)は側面図、図8(ロ)は平面図 ランナウトテーブル上において発生する通板不安定現象の例を示す説明図
符号の説明
1 ランナウトテーブル
2 冷却水ヘッダ
3 噴射ノズル
4 供給管
5 冷却水切替弁
6 検知手段
10 テーブルロール
a 冷却水噴射手段
A,A,A,A,A,An-2,An-1,A,An+1,An+2 バンク

Claims (5)

  1. 熱間圧延機で圧延して得られた熱延鋼帯を、ランナウトテーブル上を通板させつつ、冷却水噴射手段から供給される冷却水で冷却した後、コイラーに巻き取る熱延鋼帯の製造方法において、
    ランナウトテーブル上を通板中の鋼帯について、検知手段でパスライン(但し、ランナウトテーブルの鋼帯搬送面)上方への鋼帯の異常変位を検知し、該鋼帯の異常変位の検知に基づき、少なくとも一部の冷却水噴射手段について、鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
  2. 検知手段で検出された鋼帯の鉛直方向変位量が、予め設定された閾値以上である場合を異常変位とし、冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯の製造方法。
  3. ランナウトテーブル長手方向に沿って間隔をおいて複数の検知手段を配置し、ライン上流側からn番目の検知手段が鋼帯の異常変位を検知した場合に、当該n番目の検知手段による検知位置よりもライン上流側に位置する冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼帯の製造方法。
  4. ランナウトテーブル長手方向に沿って間隔をおいて複数の検知手段を配置し、少なくとも1つの検知手段が鋼帯の異常変位を検知した場合に、全冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼帯の製造方法。
  5. 検知手段が、ランナウトテーブル上方に配置されるマイクロ波ドップラー速度計を備え、該マイクロ波ドップラー速度計で測定される鋼帯の鉛直方向速度変化に基づき、鋼帯の鉛直方向変位量を求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱延鋼帯の製造方法。
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