JP5239852B2 - 熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents
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Description
以上のような不安定な通板状態となる操業条件を明らかにするため、特許文献1や特許文献2に示すように、通板が安定した状態と不安定な状態との境界となる操業条件を鋼帯の運動方程式より導出した理論検討事例が見られるが、実際には冷却水の影響や設備起因の非定常な通板阻害要因が存在するため、通板不安定となる操業条件を完全に予測することは困難である。
さらに、鋼帯の通板を阻害する設備的要因も存在する。例えば、テーブルロールの磨耗による隣り合うロールとの高さ方向段差、鋼帯裏面を観察するためのセンサーを2つのテーブルロール間に配置するための部分的なロールピッチ拡大、冷却水ノズル詰まりによる冷却水の異常噴射などがこれに当たる。
このため、通板が極めて不安定となる板厚の薄い熱延鋼帯を製造する場合には、やむを得ずコイラーでの巻き取りが開始されるまでは冷却水の噴射を停止させることも少なくない。しかし、この場合には冷却水の停止による品質欠陥部位を切り捨てる追加工程が発生し、歩留まりおよび生産性を大きくロスさせる結果となる。
[1]熱間圧延機で圧延して得られた熱延鋼帯を、ランナウトテーブル上を通板させつつ、冷却水噴射手段から供給される冷却水で冷却した後、コイラーに巻き取る熱延鋼帯の製造方法において、ランナウトテーブル上を通板中の鋼帯について、検知手段でパスライン(但し、ランナウトテーブルの鋼帯搬送面)上方への鋼帯の異常変位を検知し、該鋼帯の異常変位の検知に基づき、少なくとも一部の冷却水噴射手段について、鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
[3]上記[1]または[2]の製造方法において、ランナウトテーブル長手方向に沿って間隔をおいて複数の検知手段を配置し、ライン上流側からn番目の検知手段が鋼帯の異常変位を検知した場合に、当該n番目の検知手段による検知位置よりもライン上流側に位置する冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、検知手段が、ランナウトテーブル上方に配置されるマイクロ波ドップラー速度計を備え、該マイクロ波ドップラー速度計で測定される鋼帯の鉛直方向速度変化に基づき、鋼帯の鉛直方向変位量を求めることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
図1は、冷却水噴射手段aの構成と、この冷却水噴射手段aからの冷却水の供給(噴射)状況を模式的に示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
各冷却水噴射手段aは、冷却水ヘッダ2と、この冷却水ヘッダ2にランナウトテーブル幅方向で間隔おいて設けられる複数の噴射ノズル3を有している。冷却水噴射手段aは、ランナウトテーブル1を構成するテーブルロール10に対して1:1の関係で配置されているが、通常、ランナウトテーブル1の上方の冷却水噴射手段aは、各テーブルロール10のほぼ真上に配置され、ランナウトテーブル1の下方の冷却水噴射手段aは、隣接するテーブルロール10間の下方に配置される。
図2は、一般的なランナウトテーブル設備におけるバンクA(冷却水噴射手段群)の配置例を模式的に示す説明図であり、複数のバンクA(バンクA1,バンクA2,・・・バンクAn-2,バンクAn-1,バンクAn,バンクAn+1,バンクAn+2,・・・)がランナウトテーブル長手方向で配置されている。
この検知手段6は、通常、ランナウトテーブル1の上方に配置される。この検知手段6の種類は問わないが、検知対象となる熱延鋼帯が赤熱した状態や、冷却水や蒸気が熱延鋼帯表面及びその周辺に充満した状況においても、安定した検知ができるものである必要がある。すなわち、ランナウトテーブル1は大量の冷却水が鋼帯に供給される環境であることから、図3に示すように、鋼帯上面への水乗りや水飛沫が生じるともに、冷却水が鋼帯と接触することにより生じた蒸気が充満した環境となる。また、鋼帯温度は、テーブル長手方向位置や鋼種によって異なるが、通常300〜800℃の間でコントロールされる。このため、検知手段6としては、水や蒸気外乱の影響を受けず、且つ測定対象物の温度の影響も極力受けない手段であることが望ましい。
マイクロ波ドップラー速度計により、ランナウトテーブル1上を走行している鋼帯の鉛直方向速度変化を測定し、この鉛直方向速度変化に基づき、鋼帯の鉛直方向変位量(パスライン上方への変位量)を求めることができる。具体的には、測定された鋼帯の鉛直方向速度データの時間積分演算を行うことで、鋼帯の鉛直方向変位量を算出することができる。
鋼帯のパスライン上方への変位が異常変位であるか否かの判定は、所望の通板状況に応じて任意の基準で行えばよいが、例えば、鉛直方向変位量の閾値として0.2mを設定し、検出された鋼帯の鉛直方向変位量が、その閾値以上となった場合に「異常変位」と判定し、特定の或いは全部の冷却水噴射手段aによる鋼帯への冷却水の供給を停止するような冷却水の噴射制御を行うことができる。
鋼帯の鉛直方向変位(変位高さ)の許容量は、製造する熱延鋼帯や設備によって異なるので、鉛直方向変位量の閾値は、製造する熱延鋼帯や設備に応じて任意の値に設定すればよいが、通常は、0.2〜0.5m程度の範囲の値とするのが適当である。
ランナウトテーブル1の長手方向において検知手段6を設置する位置は任意であるが、例えば、図2に示すような各バンクA毎に設けられる。
(i)ライン上流側からn番目の検知手段6が鋼帯の異常変位を検知した場合に、当該n番目の検知手段6による検知位置よりもライン上流側に位置する冷却水噴射手段aによる鋼帯への冷却水の供給(噴射)を停止する。
(ii)少なくとも1つの検知手段6が鋼帯の異常変位を検知した場合に、全部の冷却水噴射手段aによる鋼帯への冷却水の供給(噴射)を停止する。
以下、冷却水噴射手段aのバンクAが図2に示すように配置され、各バンクA毎に検知手段6が設けられたランナウテーブル設備において、本発明法を実施する場合の具体的な制御例について説明する。図4はそのフローチャートであり、図5は冷却水の供給(噴射)・停止状況を示す説明図である。なお、以下の説明において、鋼帯の異常変位が検知された場合とは、鋼帯の鉛直方向変位量の閾値(例えば0.2m)を設定し、検知手段6により検出された鋼帯の鉛直方向変位量がその閾値以上となった場合をいう。
勿論、n番目のバンクAnにおいて検知手段6により鋼帯の異常変位が検知された場合、通板状況に応じて、バンクAnよりも下流側の任意のバンクA(例えば、n+1番のバンクAn+1およびn+2番のバンクAn+2)での冷却水噴射を強制停止させてもよいし、全てのバンクAでの冷却水噴射を強制停止させてもよい。
2 冷却水ヘッダ
3 噴射ノズル
4 供給管
5 冷却水切替弁
6 検知手段
10 テーブルロール
a 冷却水噴射手段
A,A1,A2,A3,A4,An-2,An-1,An,An+1,An+2 バンク
Claims (5)
- 熱間圧延機で圧延して得られた熱延鋼帯を、ランナウトテーブル上を通板させつつ、冷却水噴射手段から供給される冷却水で冷却した後、コイラーに巻き取る熱延鋼帯の製造方法において、
ランナウトテーブル上を通板中の鋼帯について、検知手段でパスライン(但し、ランナウトテーブルの鋼帯搬送面)上方への鋼帯の異常変位を検知し、該鋼帯の異常変位の検知に基づき、少なくとも一部の冷却水噴射手段について、鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。 - 検知手段で検出された鋼帯の鉛直方向変位量が、予め設定された閾値以上である場合を異常変位とし、冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯の製造方法。
- ランナウトテーブル長手方向に沿って間隔をおいて複数の検知手段を配置し、ライン上流側からn番目の検知手段が鋼帯の異常変位を検知した場合に、当該n番目の検知手段による検知位置よりもライン上流側に位置する冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼帯の製造方法。
- ランナウトテーブル長手方向に沿って間隔をおいて複数の検知手段を配置し、少なくとも1つの検知手段が鋼帯の異常変位を検知した場合に、全冷却水噴射手段による鋼帯への冷却水の供給を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼帯の製造方法。
- 検知手段が、ランナウトテーブル上方に配置されるマイクロ波ドップラー速度計を備え、該マイクロ波ドップラー速度計で測定される鋼帯の鉛直方向速度変化に基づき、鋼帯の鉛直方向変位量を求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱延鋼帯の製造方法。
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