以下、発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
<1.実施の形態>
[番組送出制御システムの構成例]
図1は、実施の形態としての番組送出制御システム100の構成例を示している。この番組送出制御システム100は、Automation制御ブロック10と、ニュースルームコントロールシステム(NRCS:News Room Computer System)ブロック20と、MOS機器ブロック30と、Automation制御機器ブロック40とを有している。
制御ブロック10は、複数の構成からなるプレイリスト(キューシート)に基づいて番組送出を制御する。ここで、プレイリストは番組送出プログラムを構成し、このプレイリストの各キュー(各構成)は番組送出プログラムの各項目に対応する。NRCSブロック20は、取材手配から素材発注、番組構成作成まで、ニュース番組に関する管理運営を行う。MOS( Media Object Server)機器ブロック30には、NRCSブロック20にネットワーク(MOS Protocol)接続された、プレイアウトサーバ(Play OutServer)31、CG/スチルストア32等が配されている。制御機器ブロック40には、制御ブロック10に接続された、スイッチャ(Switcher)41、デバイスコントロールユニット(DCU)42、ビデオクリップサーバ(Clip Server)43、オーディオクリップサーバ(Audio Clip Server)44が配されている。また、制御機器ブロック40には、ビデオテープレコーダ(VTR)45、遠隔制御カメラ(Robotics Camera)46、オーディオミキサ(Audio Mixer)47が配されている。
NRCSブロック20は、MOSプロトコルのNRCSネットワークを介して、制御ブロック10およびMOS機器ブロック30に接続されている。MOSプロトコルは、主に、NRCSからニュースルームに置かれているビデオ系サーバをリモートコントロールするためのプロトコルであって、XML(Extensible Markup Language)ベースで独自拡張タグが許されている。
NRCSクライアント上には、Automation用プラグイン(NRCS Plug-in)とプレイリストビューア(Playlist Viewer)がインストールされている。MOS機器ブロック30の各MOS機器に対して、Automation制御機器ブロック40のデバイスコントロールユニット42から、Tally/GPI等のトリガ(Trigger)によりオンエアタイミングが発行される。
ここで、プレイアウトサーバ31は、日々入れ替わる素材をストアしておくビデオサーバであって、編集用途に使用されるため高機能が求められる。また、このプレイアウトサーバ31は、プレイリストとMOSインタフェースを持っている。プレイアウトサーバ31は、素材のフィードや編集を迅速に行う必要があるため、ビデオクリップサーバ43よりも性能の高いサーバが使用されることが多い。なお、プレイアウトサーバ31の種類によっては、続けて同じチャネルを使用して異なる素材を出力することが不可能なため、それを考慮したチャネルアサインコントロールが必要となる。
[番組送出制御システムのソフトウエアブロックの構成例]
図2は、番組送出制御システム100のソフトウエアブロックの構成例を示している。すなわち、番組送出制御システム100は、データベース(DB)部101、NRCSプラグイン/プレイリストビューア(Plug-in/Playlist Viewer)部102、NRCSインタフェース(NRCSIF)部103を有している。また、番組送出制御システム100は、オンエアープレイリスト/セットアップ(OA Playlist/Setup)部104、デバイス制御(DeviceController)部105、ログ/アラーム管理(Log/Alarm Manager)部106を有している。番組送出制御システム100では、以上の各部により、Automationシステムが構築されている。
Automationは、コンピュータ装置上のTDA(Technical Director Assist)用のソフトウエアであって、NRCSの下でスイッチャを含む機器を制御する。一方、Automation中のサーバもプレイリストを持つ。一般に、ニュース番組の全体の構成をプロデューサ(P)が行い、その中の各ストーリの機器のアサイン、設定をテクニカルディレクタ(TD)が行う。そのテクニカルディレクタの手助けをして、機器のコントロールを行うのがAutomationシステムである。プレイリストは、番組の進行の詳細を時系列に保持するリストである。
Automationシステムでは、(1)NRCSプラグイン/プレイリストビューア部102のNRCSで作成されたプレイリストデータは、NRCSインタフェース部103のMOSゲートウエイ(MOS GW)103Aを経由して、(2)データベース部101に送られる。そして、このプレイリストデータは、データベース部101のデータベース(DB)に格納される。
(3)プレイリストデータは、NRCSプラグイン/プレイリストビューア部102のプレイリストビューア(Playlist Viewer)102Aに表示されると共に、オンエアー時はデバイス制御部105に送られる。(4)デバイス(Device)がプレイリストに従ってオンエアー制御されると共に、(5)、(6)機器の状態がデータベース部101のデータベース(DB)に通知される。そして、(7)プレイリストや機器の状態が、オンエアープレイリスト/セットアップ部104に送られ、表示される。ログ(log)やワーニング(Warning)は、Automationシステムの中で発生され、ログ/アラーム管理部106に送られる。
[番組送出制御システムのソフトウエアブロックの実装例]
Automationシステムにおける上述の各ソフトウエアブロックは、ソフトウエアブロック毎に、各パーソナルコンピュータに分割してインストールすることができ、カスタマーのシステム規模に合わせ、スケーラブルなシステムを提供する。
図3は、番組送出制御システム100のソフトウエアブロックの実装例を示している。この実装例においては、データベース部101、NRCSインタフェース部103、オンエアープレイリスト/セットアップ部104、デバイス制御部105、ログ/アラーム管理部106は、1台のコンピュータ装置110にインストールされる。また、NRCSプラグイン/プレイリストビューア部102は、NRCSクライアントがインストールされているカスタマーのコンピュータ装置120にインストールされる。
図4は、番組送出制御システム100のソフトウエアブロックの他の実装例を示している。この実装例においては、データベース部101は、1台のコンピュータ装置110Aにインストールされる。また、ログ/アラーム管理部106は、他の1台のコンピュータ装置110Eにインストールされる。さらに、NRCSインタフェース部103、オンエアープレイリスト/セットアップ部104、デバイス制御部105は、さらに他の1台のコンピュータ装置110Bにインストールされる。また、NRCSプラグイン/プレイリストビューア部102は、NRCSクライアントがインストールされているカスタマーのコンピュータ装置120にインストールされる。
図5は、番組送出制御システム100のソフトウエアブロックのさらに他の実装例を示している。この実装例においては、データベース部101は、1台のコンピュータ装置110Aにインストールされる。また、ログ/アラーム管理部106は、他の1台のコンピュータ装置110Eにインストールされる。さらに、NRCSインタフェース部103、オンエアープレイリスト/セットアップ部104、デバイス制御部105は、それぞれ、別個の1台の1台のコンピュータ装置110B,110C,110Dにインストールされる。また、NRCSプラグイン/プレイリストビューア部102は、NRCSクライアントがインストールされているカスタマーのコンピュータ装置120にインストールされる。
上述のように、ログ/アラーム管理部106を独立したコンピュータ装置110Eにインストールすることで、異常系の検知に独立性を持たせることができる。また、データベース部101を独立したコンピュータ装置110Eにインストールすることで、データベースのシステム構成の自由度を持たせることができる。
[データベースサーバを中心としたブロック構成の詳細]
ここで、Automationシステムにおけるデータベース部101のデータベースサーバ(DB Serve)を中心としたブロック構成の詳細を説明する。図6は、データベースサーバを中心としたブロック構成例を示している。
NRCSインタフェース部103は、MOSゲートウエイ(MOS GW)103Aと、オブジェクトエディタ(Object Editor)103Bと、オブジェクトマネージャ(Object Manager)103Cと、MOSデバイスインタフェース(MOSDevice I/F)103Dを含んでいる。
MOSゲートウエイ103Aは、NRCSブロック20とMOSプロトコルで通信を行い、データベース部101を更新する。すなわち、このMOSゲートウエイ103Aは、NRCSブロックからRUNDOWN(Running Order) を受け取り、このRUNDOWNをプレイリスストに変換して、データベース部101に書き込む。
オブジェクトエディタ103Bは、Automationシステムにつながっているデバイスのオブジェクトに対する設定を行う。ここで、Automationシステムにつながっているデバイスは、スイッチャ41、オーディミキサ47、遠隔制御カメラ46、ビデオクリップサーバ43等である。このオブジェクトエディタ103Bは、NRCSブロック20から起動され、データベース上のオブジェクトの表示、作成、変更を行う。また、このオブジェクトエディタ103Bは、オブジェクトマネージャ103Cを介して、データベース部101とオブジェクトのやりとりを行う。
オブジェクトマネージャ103Cは、オブジェクトエディタ103Bが編集するオブジェクトを管理し、データベース部101からオブジェクトを読み出し、また、データベース部101にオブジェクトを書き込む。MOSデバイスインタフェース103Dは、MOSデバイスのステータス、チャネルアサインの情報などを取得し、データベース部101に書き込む。
また、NRCSプラグイン/プレイリストビューア部102は、作成したプレイリストやオンエアー中のプレイリストの状態をグラフィカルに表示する。このNRCSプラグイン/プレイリストビューア部102は、Automationのプレイリストを表示するプレイリストビューア(PlaylistViewer)102Aと、オンエアー中のプレイリストを表示するオンエアープレイリスト(OA Playlist)102Bを含んでいる。
プレイリストビューア102Aは、NRCSブロック20で作成、変更されたプレイリストの詳細を表示する。オンエアープレイリスト102Bは、プレイリストのオンエアーの進行を表示し管理する。このオンエアープレイリスト102Bは、オンエアー中のプレイリストを表示し、現在のオンエアー位置を表示する。また、オンエアープレイリスト102Bは、ビデオやオーディオ等の素材のスタンバイ状況を表示する。さらに、オンエアープレイリスト102Bは、次項目/構成の指定を行う。
デバイス制御部105は、操作卓(MVSCCP、JL Cooper Modules)を通じてプレイリストに基づいた各種デバイスを制御する。このデバイス制御部105は、オンエアーマネージャ(OA Manager)105Aと、イベントコントローラ(EventController)105Bと、デバイスコントローラ(Device Controller)105Cと、マニュアルコントローラ(Manual Controller)105Dを含んでいる。
オンエアーマネージャ105Aは、オンエアーの管理を行う。すなわち、このオンエアーマネージャ105Aは、プレイリストの起動やプレイリストの終了操作により、デバイス制御部105へ起動通知を行い、プレイリストのスタンバイ・終了処理を実施する。
イベントコントローラ105Bは、プレイリスト中の1イベントを実行する。すなわち、イベントコントローラ105Bは、データベース部101上のプレイリストに基づいて、デバイスコントローラ105Cに、次のスタンバイ時に必要な動作を指示する。
また、イベントコントローラ105Bは、オンエアー(TAKE)時に行う一連の動作を指示する。すなわち、イベントコントローラ105Bは、オンエアーのタイミング(Take Trigger)をデバイスコントローラ105Cへ送る。この場合、上記イベントコントローラ105Bは、シンボリックコマンド/タイムライン生成、送信によって、オンエアーのタイミングをデバイスコントローラ105Cに送信する。
また、イベントコントローラ105Bは、デバイスのステータスをデータベース部101へ格納する。
マニュアルコントローラ105Dは、手動またはマスター(Master Switcher)からの通知や時間により、オンエアーのタイミング(TakeTrigger)を発生する。また、マニュアルコントローラ105Dは、ユーティリティ/ショットボックスモジュール(Utirty/Shotbox Module)等によるアサイナブルなイベント/デバイス制御を行う。また、マニュアルコントローラ105Dは、TAKE操作や掛け合いなどプレイリスト運行に必要な制御を行う。また、マニュアルコントローラ105Dは、クイックリコール(Quick Recall)による一時イベントの実行を行う。さらに、マニュアルコントローラ105Dは、デバイスの単独制御を行う。
デバイスコントローラ105Cは、デバイスの制御を行う。すなわち、このデバイスコントローラ105Cは、抽象化されたシンボリックコマンドを解釈し、所定のプロトコルに変換して、デバイスの制御を行う。また、デバイスコントローラ105Cは、プロトコルを抽象化されたステータスに変換し、イベントコントローラ105Bへ通知する。また、デバイスコントローラ105Cは、シンボリックコマンドのタイムラインを保持し、オンエアーのタイミング(Take Trigger)によって同期制御を行う。
オンエアープレイリスト/セットアップ部104は、セットアップ/コンフィグ(Setup/Config)104Aにより、Automationコアシステムの設定、および制御デバイスの構成を行う。ログ/アラーム管理部106は、ログ/アラームマネージャ(Log/Alarm Manager)106Aにより、各端末に散らばった各種ログやアラームを収集し、障害が発生した場合、必要に応じ、SNMPマネージャ(SNMP Manager)へ通知する。データベース部101は、プレイリスト/イベント/セッティング/ステータスなどの情報の一元管理を行う。
[番組送出制御システム100の要部構成、要部ソフトウエア・モジュール構成]
図7は、番組送出制御システム100の要部構成例を示している。また、図8は、番組送出制御システム100における要部ソフトウエア・モジュールの構成例を示している。
すなわち、番組送出制御システム100は、Automation制御ブロック10と、NRCSブロック20を備えている。Automation制御ブロック10は、第一のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110にインストールされたソフトウエアブロックに基づいて、プログラムされた番組送出を制御する。NRCSブロック20は、第二のコンピュータ装置120にインストールされたソフトウエアブロックに基づいて、取材手配から素材発注、番組構成作成まで、ニュース番組に関する管理運営を行う。
また、番組送出制御システム100は、プレイアウトサーバ31、CG/スチルストア32等のMOS機器からなるMOS機器ブロック30を備える。このMOS機器ブロック30は、第二のコンピュータ装置120とネットワーク接続されている。
また、番組送出制御システム100は、スイッチャ41、デバイスコントローラ(DCU)42、ビデオクリップサーバ43、オーディオクリップサーバ44、VTR45、遠隔制御カメラ46、オーディオミキサ47等からなるAutomation制御機器ブロック40を備える。このAutomation制御機器ブロック40は、第一のコンピュータ装置110にネットワーク接続されている。
また、番組送出制御システム100は、ビデオ・リファレンス入力を有するコントロールユニット(SCU)130を備えている。また、番組送出制御システム100は、コントロールユニット130と第一のコンピュータ装置110との間を接続する通信路140と、第一のコンピュータ装置110と第二のコンピュータ装置120とを結ぶネットワーク150とを備えている。
コントロールユニット130には、ビデオ信号のリファレンス(Ref. In)を、通信路140を介して第一のコンピュータ装置110へ送る実行管理モジュールであるイベントイクスキュータ(Event Executor)105Eが搭載されている。
第一のコンピュータ装置110には、プレイリスト情報を管理するソフトウエア・モジュールと、被制御ビデオ機器に対応したデバイスドライバ・ソフトウエア・モジュールが搭載されている。また、この第一のコンピュータ装置110には、イベント実行・モジュールが搭載されている。このイベント実行・モジュールは、デバイスドライバ・ソフトウエア・モジュールを追加可能なソフトウエア・インタフェースと、コントロールユニット130中のデバイスコントロール・モジュールとのソフトウエア・インタフェースを有する。
イベントイクスキュータ105Eは、コントロールユニット130のマイクロコンピュータで動作するソフトウエア・モジュールである。Ref. Inは、リファレンス入力であり、コントロールユニット130に設備全体のリファレンス信号(例えばブラック・バースト信号)が供給されている。コントロールユニット130は、リファレンス信号により、1フィールド間隔で、内蔵のマイクロコンピュータに割り込みを掛けるように構成されている。
イベントイクスキュータ105Eは、その割り込みが発生すると、同じマイクロコンピュータ上の他のソフトウエア・モジュール、例えばマニュアルイベントコントローラ(Manual Event Controller)105Fにそのことを通知する。同時に、イベントイクスキュータ105Eは、第一のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110にも通信路140を介して通知する。より詳しくは、イベントイクスキュータ105Eは、タスク待ちの状態に入っており、リファレンス信号による割り込み処理ルーチンから待ちの解除を受けて、タスクの実行を再開し、上述の処理を行い、終わると再び待ちの状態に入る。
マニュアルイベントコントローラ105Fは、割り込みの通知を受けることで、1フィールド間隔で幾つかの処理をまとめる。例えば、コントロールユニット130はスイッチャを制御する押しボタンを備えている。マニュアルイベントコントローラ105Fは、当該押しボタンの押下があったことを、Automation制御機器ブロック40内のAutomation制御機器であるスイッチャ41に、通信路を介してコマンドとして送信する。
この送信を1フィールド間隔とすることで、制御に遅延無く、かつ通信が頻繁すぎて効率を落とさないようできる。マニュアルイベントコントローラ105Fは、押下されたボタンの情報を蓄積していき、割り込み通知により、1フィールド分の押下情報として、コマンドの形式にして、スイッチャ41に送信する。また、マニュアルイベントコントローラ105Fは、スイッチャ41にコマンドを送信するのみでなく、押下されたボタンの情報などを第一のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110にも送信する。
第一のコンピュータ装置(AutomationCtrl PC)110中のソフトウエア・モジュールであるイベントコントローラ105Bは、プレイリスト情報に従い、各種機器の制御イベントの実行の制御を行う。プレイリストの進行は、タイムコードに従って行われる。イベントコントローラ105Bは、コントロールユニット130から1フィールド間隔で通知を受信することにより、当該通知を時計情報として、進行を制御できる。インターレース方式で稼働している場合は、2フィールドで1フレームとなるから、通知を2回受信するとタイムコードが1だけ増える。
タイムコードがプレイリストにある所定位置(時間位置)にくると、その位置の動作を実行する。ここで、第一のコンピュータ装置110上のソフトウエア・モジュールであるデバイスコントローラを第1のデバイスコントローラとし、コントロールユニット130上のソフトウエア・モジュールであるデバイスコントローラを第2のデバイスコントローラとする。イベントコントローラ105Bは、第1のデバイスコントローラ、第2のデバイスコントローラの少なくともいずれかに、プレイリストに従った指示を送る。
それぞれのデバイスコントローラは、指示を被制御機器のネイティブプロトコル(各機器の制御プロトコル)に変換して、各ポート(RS422や、イーサネット(登録商標)など)から送信する。RS422や専用LANなどの、PCが通常備えていないインタフェースで制御する機器は、コントロールユニット130のポート部分を担うDCU42に接続して、制御できる。一方、汎用のイーサネットに接続されている機器は、PCに接続して、同様に制御できる。
コントロールユニット130上のデバイスコントローラ(第2のデバイスコントローラ)は、Automation制御機器ブロック40内のスイッチャ(Switcher)41、ビデオテープレコーダ45などを制御するために、リファレンス信号に同期して制御を行う。この結果、番組送出制御システム100では、第一のコンピュータ装置 (Automation Ctrl PC)110側から制御する機器についても、コントロールユニット130側と同期して動作させることができる。
第一のコンピュータ装置(AutomationCtrl PC)110に、リファレンス信号を受け取るハードウェアを装備する必要が無く、イーサネットによる通信路を用いることで、コストを抑えることができる。また、図3、図4、図5に示した様な、柔軟な構成が可能となり、コンピュータ装置を交換する際も汎用品が使用可能となり、経済的である。
コントロールユニット130に接続されている機器のネイティブプロトコルへの変換は、コントロールユニット130で行う。そのため、第一のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110側に負荷が集中せず、負荷を分散させて、経済的にリファレンス信号との同期に遅れることなく機器の制御を実行できる。
図8において、イベントイクスキュータ105Eに接続されているマスターは、マスタースイッチャ(Master Switcher)のことである。マスタースイッチャは、放送局内で、スイッチャや本システムよりも上位にある切り換え装置であり、本システムが特定のスタジオなどに付属するのに対して、放送局全体でのビデオ信号の分配を行う。
コントロールユニット(SCU)130は、マスター(Master)からGPI(General Purpose Interface)等のポートを介して、指示やタイミングを受ける。GPIは、パラレルポートに単純なOn/Offなどを受けて、指示、トリガを受けるためのポートである。マスターは、局からの出力をスタジオの出力やCMに切替えたりする。CMからスタジオ出力に切り替える際に、AutomationがGPIによりトリガを受けて、CM明けの構成を開始する。この場合、切り替えはマスター(Master)側主導となる。逆に、構成の中に「CM」という枠を設けて、スタジオからマスター(Master)に対してGPIからの出力で逆方向にトリガを与えCMに切替えさせる運用も可能である。
また、イベントイクスキュータ105Eは、マスタースイッチャと、他のソフトウエア・モジュール、および第一のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110との間の中継も行う。中継の遅延は、規定のフィールド単位以上とならない事を保証する必要がある。そのために、リファレンス信号によるタイミングで動作を開始する際に、GPI入力を読む。レベルの変化があれば、そのGPIポートの設定に従ってどの様な指示であるか判断し、それに応じて、他のソフトウエア・モジュールおよび・あるいは第一のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110に通知する。
GPIから出力を行う場合は、イベントイクスキュータ105Eが他のソフトウエア・モジュールおよび第一のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110から受け取った指示を、フィールド単位で処理する。すなわち、リファレンス信号によるタイミングで動作を開始する際に、受け取った指示をまとめ、各GPIポートの設定に従ってGPI出力のレベルを変化させる。
イベントイクスキュータ105Eがリファレンス信号によるタイミングで行う処理は複数ある。毎フィールド実行することが、そこでの遅延を1フィールド以下(受信から送信完了までは2フィールド以下)にするために必須である。処理の間の順番は、厳密に規定しなくても、遅延の上限を守ることができる。
図6において、データベース部101のデータサーバとして、Microsoft SQLServerを使用できる。あるアプリケーションがデータベース部101を書き換えた際に、データサーバは、MSSQLの機能を使って、他のアプリケーションに変更された項目を通知する。これは、ディスパチャー(Dispatcher)と呼ばれている。正確には、各アプリケーションは通知して欲しい項目を登録し、変更通知を受けた後に、データベース部101に読みに行く。第一のコンピュータ装置110は、プレイリストで現時点よりも先の構成に変更があったり、構成の順序が変更になったりした場合、この機能を使って制御の変更に備える。
このように、番組送出制御システム100では、リファレンス入力を有するコントロールユニット130は、リファレンスのタイミングを第一のコンピュータ装置110に送る。そして、このリファレンスタイミングを受けたイベントイクスキュータ105Eは、第一のコンピュータ装置110中のデバイスドライバ・ソフトウエア・モジュールおよびコントロールユニット130中のデバイスコントロール・モジュールを制御する。
これにより、番組送出制御システム100では、種々の制御インタフェースを持つビデオ機器をリファレンスのタイミングに同期してプレイリストに従って制御し、NRCSブロック20とも連携した、タイミングずれのない、送出制御を実現できる。
[スイッチャの構成]
次に、スイッチャ41について説明する。図9は、スイッチャ41の構成例を示している。スイッチャ41は、主ユニット440と、この主ユニット440に通信路450を介して接続された選択入力部460とを備える。主ユニット440は、マトリクススイッチャ部410、第1の画像処理部420A、第2の画像処理部420Bおよび制御部430を有している。第1の画像処理部420Aおよびそれに対応したマトリクススイッチャ部410の部分は、第1のMEバンクを構成している。また、第2の画像処理部420Bおよびそれに対応したマトリクススイッチャ部410の部分は、第2のMEバンクを構成している。
マトリクススイッチャ部410は、入力ラインL1〜L12に入力された映像信号(ビデオ信号)を選択する。第1の画像処理部420Aおよび第2の画像処理部420Bには、入力ラインL1〜L12に入力された映像信号がマトリクススイッチャ部410を介して供給される。制御部430は、マトリクススイッチャ部410、第1の画像処理部420Aおよび第2の画像処理部420Bの動作を制御する。
スイッチャ41の入力ラインL1〜L12には、キーソース信号またはキーフィル信号となる映像信号および背景映像信号となる映像信号が入力される。マトリクススイッチャ部410は、キーソース交点列412A1,412A2を備える。このキーソース交点列412A1,412A2は、入力ラインL1〜L12に入力される映像信号のうちの1つをキーソース信号として第1の画像処理部420Aに供給する、キーソース信号選択入力バス411A1,411A2に接続されたスイッチからなる。
また、マトリクススイッチャ部410は、キーフィル交点列414A1,414A2を備える。このキーフィル交点列414A1,414A2は、入力ラインL1〜L12に入力される映像信号のうちの1つをキーフィル信号として第1の画像処理部420Aに供給する、キーフィル信号選択入力バス413A1,413A2に接続されたスイッチからなる。
また、マトリクススイッチャ部410は、第1の背景交点列416Aを備える。この第1の背景交点列416Aは、入力ラインL1〜L12に入力される映像信号のうちの1つを第1の背景信号として第1の画像処理部420Aに供給する、第1の背景信号選択入力バス415Aに接続されたスイッチからなる。また、このマトリクススイッチャ部410は、第2の背景交点列418Aを備える。この第2の背景交点列418Aは、入力ラインL1〜L12に入力される映像信号のうちの1つを第2の背景信号として第1の画像処理部420Aに供給する、第2の背景信号選択入力バス417Aに接続されたスイッチからなる。
また、マトリクススイッチャ部410は、キーソース交点列412B1,412B2を備える。キーソース交点列412B1,412B2は、入力ラインL1〜L12および第1のMEバンクの出力ラインの映像信号の1つをキーソース信号として第2の画像処理部420Bに供給する、キーソース信号選択入力バス411B1,411B2に接続されたスイッチからなる。
また、マトリクススイッチャ部410は、キーフィル交点列414B1,414B2を備える。キーフィル交点列414B1,414B2は、入力ラインL1〜L12および第1のMEバンクの出力ラインの映像信号の1つをキーフィル信号として第2の画像処理部420Bに供給する、キーフィル信号選択入力バス413B1,413B2に接続されたスイッチからなる。
また、マトリクススイッチャ部410は、第1の背景交点列416Bを備える。この第1の背景交点列416Bは、入力ラインL1〜L12および第1のMEバンクの出力ラインに入力される映像信号のうちの1つを第1の背景信号として第2の画像処理部420Bに供給する、第1の背景信号選択入力バス415Bに接続されたスイッチからなる。また、このマトリクススイッチャ部410は、第2の背景交点列418Bを備える。この第2の背景交点列418Bは、入力ラインL1〜L12および第1のMEバンクの出力ラインに入力される映像信号のうちの1つを第2の背景信号として第2の画像処理部420Bに供給する、第2の背景信号選択入力バス417Bに接続されたスイッチからなる。
第1の画像処理部420Aは、キー処理回路421A1,421A2と、合成回路422Aからなる。キー処理回路421A1,421A2は、キーソース信号選択入力バス411A1,411A2と、キーフィル信号選択入力バス413A1,413A2に接続されている。キー処理回路421A1,421A2には、入力ラインL1〜L12に入力される映像信号から選択されたキーソース信号とキーフィル信号が、キーソース信号選択入力バス411A1,411A2およびキーフィル信号選択入力バス413A1,413A2を介して入力される。キー処理回路421A1,421A2は、制御部430からの制御信号に応じたキー信号を、入力されたキーソース信号あるいは内蔵する波形生成回路(ワイプパターン生成回路)によって生成する。そして、キー処理回路421A1,421A2は、キー信号とキーフィル信号を合成回路422Aに供給する。
合成回路422Aは、キー処理回路421A1,421A2に接続されているとともに、第1の背景信号選択入力バス415Aと第2の背景信号選択入力バス417Aに接続されている。この合成回路422Aには、キー処理回路421A1,421A2からキー信号とキーフィル信号が入力される。また、合成回路422Aには、入力ラインL1〜L12に入力される映像信号から選択された第1の背景信号と第2の背景信号が、第1の背景信号選択入力バス415Aおよび第2の背景信号選択入力バス417Aを介して入力される。合成回路422Aは、キー処理回路421A1またはキー処理回路421A1から供給されるキー信号およびキーフィル信号を、制御部430の制御により、選択的に使用する。そして、合成回路422Aは、制御部430の制御により、キー信号で示される領域は第1の背景信号または第2の背景信号に置き換えてキーフィル信号を合成するキーイング処理を行う。
第2の画像処理部420Bは、キー処理回路421B1,421B2と、合成回路422Bからなる。キー処理回路421B1,421B2は、キーソース信号選択入力バス411B1,411B2と、キーフィル信号選択入力バス413B1,413B2に接続されている。キー処理回路421B1,421B2には、入力ラインL1〜L12および第1のMEバンクの出力ラインの映像信号から選択されたキーソース信号とキーフィル信号が、バス411B1,411B2およびキーフィル信号選択入力バス413B1,413B2を介して入力される。キー処理回路421B1,421B2は、制御部430からの制御信号に応じたキー信号を、入力されたキーソース信号あるいは内蔵する波形生成回路(ワイプパターン生成回路)によって生成する。そして、キー処理回路421B1,421B2は、キー信号とキーフィル信号を合成回路422Bに供給する。
合成回路422Bは、キー処理回路421B1,421B2に接続されているとともに、第1の背景信号選択入力バス415Bと第2の背景信号選択入力バス417Bに接続されている。この合成回路422Bには、キー処理回路421B1,421B2からキー信号とキーフィル信号が入力される。合成回路422Bには、入力ラインL1〜L12および第1のMEバンクの出力ラインの映像信号から選択された第1の背景信号と第2の背景信号が、第1の背景信号選択入力バス415Bおよび第2の背景信号選択入力バス417Bを介して入力される。合成回路422Bは、キー処理回路421B1またはキー処理回路421B1から供給されるキー信号およびキーフィル信号を、制御部430の制御により、選択的に使用する。そして、合成回路422Bは、制御部430の制御により、キー信号で示される領域は第1の背景信号または第2の背景信号に置き換えてキーフィル信号を合成するキーイング処理を行う。
上述の説明では、キー信号が二値で、背景信号かキーフィル信号かを指定するように説明をした。しかし、実際には、キー信号は、二値ではなく、キーフィル信号を背景信号に重ねる濃度を多値で示す。したがって、背景が見えたまま、キーフィル信号が半透過的に見える様な部分を持つ画像処理を行うことも可能である。
制御部430は、例えば、マイクロコンピュータにより構成される。制御部430は、選択入力部460から通信路450を介して与えられる選択入力信号に応じた制御信号を生成し、制御線435A,435Bを介してマトリクススイッチャ部410、第1の画像処理部420Aおよび第2の画像処理部420Bの各動作を制御する。
選択入力部460は、ボタン配置部461、キーボード462、マウスなどのポインティングデバイス463、グラフィカルディスプレイ464などが接続されたマイクロコンピュータ465からなる。ボタン配置部461のボタンで入力の選択が操作されると、主ユニット440のマトリクススイッチャ部410では、該当する入力バスに接続された交点列が制御されて入力を選択し、該当する画像処理部に映像信号を供給する。そして画像処理部において指定された合成などの加工がされて、選択された入力の映像信号を含む画面となる映像信号が出力される。
なお、プログレッシブ方式の映像信号を対で処理するデュアルリンク方式の場合は、画像の経路はA側とB側との二重になるように対で設けられ、対になる入力をA側とB側でそれぞれ選択する様に動作する。
図9に示すスイッチャ41では、選択入力部460が主ユニット440の制御部430と通信路450を介して通信を行い、各種処理の実行を指示する。合成回路422Aは、第1の背景信号選択入力バス415Aと第2の背景信号選択入力バス417Aとから、背景信号の入力を受け、選択入力部460からの指示に従い、いずれかの背景信号を、キーイング処理に用いる背景信号とする。あるいは、合成回路422Aは、選択入力部460からの指示に従い、2つの背景信号を指示された比率で合成して、キーイング処理に用いる背景信号とする。
比率は、選択入力部のフェーダー・レバーなどにより手動で指示され、あるいは自動遷移(自動進行)動作の場合は、時間とともに変化して、一方の背景信号から他方の背景信号へ切り替わるように制御される。合成方法の一例として、例えば、上述の比率で2つの背景信号を画素毎に重み付け加算する方法がある。例えば、比率が30%ならば、第1の背景信号の値に0.3を乗算した値と、第2の背景信号の値に0.7を乗算した値とを加算する。
また、合成方法の他の例として、ワイプキー波形生成回路(WKG:Wipe Key Generator)から供給されるワイプ用キー信号によって、第1の背景信号に第2の背景信号をキーイングで重ねる方法がある。ワイプキー波形生成回路で生成されるキー信号は、上述の比率とともに変化するものであり、自動遷移ならば進行の時刻を入力パラメータとしてワイプの境界線を決めるようにキー信号が生成される。自動遷移でない場合は、時刻の代わりに指示された比率を用いて、キー信号が生成される。以上は、合成回路422Bの場合も同様である。
図10は、スイッチャ41の操作卓400の外観図を示している。この操作卓400は、デュアルリンク方式ではない場合は、主ユニット440の画像処理部の一つに対応する操作部分となる。デュアルリンク方式の場合は、画像処理部の対に対応する操作部分となる。
図10に示すように、操作卓400には、第1背景ボタン列401、第2背景ボタン列402、キーボタン列403-1,403-2が設けられている。また、操作卓400には、ソース名表示器列404、遷移対象ボタン405A,405B、方向指定ボタン406A,406B、往復モード指定ボタン407、フェーダー・レバー408などが設けられている。
第1背景ボタン列401は、第1の背景信号選択入力バス415Aが背景映像信号とされる映像信号を合成回路422Aに供給する入力ラインを選択するとき操作される。第2背景ボタン列402は、第2の背景信号選択入力バス417Aが背景映像信号とされる映像信号を合成回路422Aに供給する入力ラインを選択するとき操作される。
キーボタン列403-1,403-2は、それぞれ、キーソース信号およびキーフィル信号とされる映像信号をキー処理回路421A1,421A2に供給する第1の入力ラインおよび第2のラインの組合せを選択するとき操作される。この場合、キーソース信号選択入力バス411A1,411A2が第1の入力ラインからキーソース信号とされる映像信号をキー処理回路421A1,421A2に供給する。また、キーフィル信号選択入力バス413A1,413A2が第2の入力ラインからキーフィル信号とされる映像信号をキー処理回路421A1,421A2に供給する。
ソース名表示器列404は、図10において、下方に配置されたボタンのボタン番号に対応するインデックス番号に対応付けられた文字情報を表示する。文字情報は制御部430に記憶されており、ユーザが文字情報を設定できる。なお、文字情報を入力ライン番号に対応付けて記憶させてもよい。その場合、ボタンのボタン番号に対応するインデックス番号に対応する第1の入力ライン番号に対応付けられた文字情報、またはインデックス番号に対応する第2の入力ライン番号に対応付けられた文字情報のいずれかを表示するようにする。
第1の入力ライン番号は、上記キーフィル信号とされる映像信号を選択する番号となり、第2の入力ライン番号は、上記キーソース信号とされる映像信号を選択する番号となる。そのため、第1の入力ライン番号と第2の入力ライン番号の対が、ボタン番号に対応するインデックス番号に対応づけられる。それにより、キーボタン列でのキーソース信号およびキーフィル信号とされる映像信号をキー処理回路に供給する第1、第2の入力ラインの組合せの選択が可能となる。
背景ボタン列を操作した場合には、第1の入力ライン番号によって、背景映像信号を選択する。ソース名表示器404には、通常は第1の入力ライン番号に対応づけられた文字情報を表示し、図示しない別に設けるボタンが押下されている間だけ、第2の入力ライン番号に対応づけられた文字情報を表示してもよい。これにより、操作者は、どちらの文字情報も確認できる。なお、ボタン番号に対応するインデックス番号およびインデックス番号に対応する入力ライン番号の対応付けのことを、クロスポイント・ボタン・アサインと呼ぶ。この操作卓400では、選択されているボタン(スイッチ)が点灯する。
番組送出制御システム100では、NRCSブロック20がプレイアウトサーバ31から取得したチャネルアサイン情報を入手し、Automation制御ブロック10のプレイリストに設定されたスイッチャ41の交点列(XPT:クロスポイント)を自動的に選択する。すなわち、MOSプロトコルにより、プレイアウトサーバ31のチャネルアサイン情報がNRCSブロック20に渡される。
Automation制御ブロック10は、MOSプロトコルのroStorySendやFTP等の手段により、プレイアウトサーバ31のチャネルアサイン情報を入手する。そして、Automation制御ブロック10は、チャネルアサイン情報を元に、スイッチャ41のクロスポイントを設定、変更する。
プレイリスト作成において、映像ソースの選択時、プレイアウトサーバ31とだけ設定し、チャネルは設定しない。すなわち、グラフィカルディスプレイ464の表示画面において、図11のパレット464AでSVRを選択すると、図12のプレイリスト464BにSVRが設定されるが、チャネルは設定されない。Automation制御ブロック10は、NRCSブロック20よりチャネル情報を入手すると、プレイリストにプレイアウトサーバ31のチャネル情報を表示し、スイッチャ41のクロスポイントを設定する。
すなわち、番組送出制御システム100において、第一のコンピュータ装置110に搭載されたAutomation制御ブロック10は、プレイリストを実行する。この場合、Automation制御ブロック10は、プレイアウトサーバ31がある素材を出力チャネルから出力する状態になる際にNRCSブロック20から渡された素材の情報とチャネルアサイン情報とプレイリストとを参照する。
そして、Automation制御ブロック10は、プレイリスト中の素材の選択予定とスイッチャ41の処理予定に応じて、スイッチャ41の適切なバスにプレイアウトサーバ31の出力チャネルに接続されている入力の選択を指示する処理を行う。例えば、プレイリスト中で、ある素材を背景の映像として使うことになっている場合は、適切なバスとしては、いずれかの背景信号選択入力バスが該当し、その交点列で、該当する入力を選択するように指示する。
あるいは、字幕の素材をキーイングする場合は、キーソース信号選択入力バスおよびキーフィル信号選択入力バスの交点列で、該当する入力を選択させ、素材を使用する。あるいは、ピクチャー・イン・ピクチャーにより子画面を出す場合は、キーフィル信号選択入力バスで該当する入力を選択させて素材の映像信号を得る。そして、この映像信号対して縮小処理などを施して子画面の部分のみのキー信号をキー処理回路内部で生成し、キーソース信号選択入力バスを経由した外部からの映像信号を用いず、子画面を形成してキーイングさせる。
そして、スイッチャ41の操作卓400のソース名表示器列404の、プレイアウトサーバ31の出力チャネルに接続されている入力を選択する操作子に対応する位置の表示部に、第一のコンピュータ装置110から得た素材の情報を表示する。ここで、プレイアウトサーバ31の出力チャネルに接続されている入力を選択する操作子は、第1背景ボタン列401、第2背景ボタン列402、キーボタン列403-1,403-2等である。
スイッチャ41は、操作卓400の操作子と当該スイッチャ41の入力との対応関係を設定可能な対応関係記憶部を制御部430に備えている。第一のコンピュータ装置110は、プレイアウトサーバ31の出力チャネルで、プログラムで使用予定のあるものに接続されているスイッチャ41の入力について、上述の対応関係の指示を送り、操作卓400の操作子に割り当てる。また、この対応関係の指示に素材の情報を含み、この素材の情報は操作卓400の操作子に対応して、この例ではソース名表示器404に表示される。
なお、プレイアウトサーバ31に関して以外に、ビデオクリップサーバ43、オーディクリップサーバ44などの素材サーバが、ある出力チャネルから出力する素材を変更する際にも、同様にして、対応の変更を行っても良い。
[番組送出の具体例]
次に、この番組送出制御システム100における番組送出の具体例を説明する。ここでは、素材サーバの出力チャネルをCH1,CH2とする。そして、この出力チャネルCH1,CH2から出力される素材をクリップA、クリップB、クリップCとする。素材サーバの出力チャネルCH1,CH2は、スイッチャ41の入力1,入力2に接続されているとする。また、プレイリスト(キューシート)において、スイッチャ41による画像加工では、表1に示す順で素材を使用するものとする。この場合、プレイリストの進行が時刻に従うとして例示している。
つまり、同時に使用するのは2つのチャネルまでだが、素材としては3種類を使用する。送出制御コンピュータは、上述のプレイリストを実行するが、素材サーバの出力チャネルは2つなので、表2に示す順に出力させる。この内容は、全時刻の出力チャネル情報である。
スイッチャ41の制御は、入力1、入力2として指示するので、表3に示す順となる。
結果として、スイッチャ41に対しては、表4に示す順に指示を出す。なお、表4において、数字は入力番号を示している。
自動制御としては、クロスポイント制御(マトリクス・スイッチャ部の制御)を上述のように実行すれば、予定された画を出力できる。手動操作に切り替わる可能性を考慮すると、スイッチャ41の操作卓400のクロスポイント・ボタンに対応したソースネーム・ディスプレイに、素材の名称(A,B,C)を表示することが好ましい。これを実現するには、ソースネーム情報をスイッチャ(操作卓を含むシステム)に供給し、素材名称との関連づけを実行する。ソースネーム情報は、各入力に対応する名称(文字列)をスイッチャ41に与えるものである。
表5は、スイッチャ41の入力と、そのソース(信号源)の一例を示している。
また、表6、表7は、クロスポイント・ボタン・アサインの設定例を示している。ここでは簡単に、ボタン番号に入力ライン番号が一つ対応づけられているとしている。
例えば、表6のアサインでは、ボタン番号1には入力ライン番号1が対応づけられているので、表5に従えば、例えばボタン番号1に対応する表示器には、「素材サーバ1のCH1」と表示される。また、例えばボタン番号5に対応する表示器には、「中継車1」と表示される。
このように、番組で使用する信号源のみをボタンにアサインするように、第一のコンピュータ装置110に搭載されたAutomation制御ブロック10から指示する。プレイアウトサーバ31の種類によっては、続けて同じチャネルを使用して異なる素材を出力することは不可能である。そのため、それを考慮したチャネルアサインコントロールが必要となる。
この場合は、例えば、常に一つの素材しか使用されないプログラム(番組)であっても、2つのチャネル(CH1,CH2)を使用して運用される。例えば、プレイアウトサーバ31においては、素材AがCH1から出力され、続いて素材BがCH2から出力され、続いて素材CがCH1から出力され、続いて素材AがCH2から出力されるように、制御される。
スイッチャ41のクロスポイントには、CH1とCH2にそれぞれ接続されている入力がアサインされる。そして、プログラムの進行で素材が使用される際に、該当する入力を選択する様に、クロスポイントが制御される。これにより、プログラム中では各時点で使用する素材が指定され、その素材がどのチャネルから出力されるかは操作者が意識する必要はなく、スイッチャで正しく選択される。
このような、どの素材がどのチャネルから出力されるかは、第一のコンピュータ装置110が、各切り替えのタイミングの前に、制御の準備ができる時間的な余裕をもって、プレイアウトサーバ31から取得できればよい。番組が始まる前でもよく、番組の進行中であっても、上述の余裕が確保できればよい。
Automation制御ブロック10は、プレイリストで使用する素材を知っているので、プレイリストから、使う素材を特定できる。また、使う素材がボタンに割り当てられているため、急に手動運用に移行しても、必要な素材を選択できる。
なお、スイッチャ41の操作卓400において、クロスポイント・ボタンは、「シフト」ボタンを使って、倍の入力を選べるようになっているのが一般的である。しかし、シフトを押した側の操作は手間が掛かるため、よく使う素材は、シフト側でない若い番号のボタンに割り当てられていると便利である。ボタンの数が十分であっても、その番組で使う入力は、若い番号のボタンに割り当てておくと、手動運用時の操作性がよくなる。
また、Automation制御ブロック10によりクロスポイント・ボタン・アサインが設定されても、スイッチャ41の操作卓400のソース名表示器列404に素材名称が表示されるので、VTR1,VTR2など含め手動での操作に支障をきたすことはない。
[素材サーバのビデオ素材の指定情報を持つスイッチャ制御データによる制御]
次に、プレイリスト(キューシート)のキュー(Cue)に、素材サーバのビデオ素材の指定情報を持つスイッチャ制御データを含む場合について説明する。この実施の形態においては、上述した第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110は、プレイリスト(キューシート)の各キューによるスイッチャ41の制御を行う際に、以下のように制御する。
第1のコンピュータ装置110は、キューに含まれるスイッチャ41の制御データとチャネル素材情報を照合する。そして、第1のコンピュータ装置110は、照合結果に基づいて、素材サーバのビデオ素材の入力が必要なスイッチャ41の入力バスに、そのビデオ素材が出力されるプレイアウトサーバ31等の素材サーバの出力チャネルに対応した入力ラインを選択させる。
ここで、チャネル素材情報は、素材サーバの各出力チャネルから出力されるビデオ素材を示す。つまり、このチャネル素材情報は、素材サーバの各出力チャネルと、その出力チャネルから出力されるビデオ素材との対応関係を示す情報である。この実施の形態において、第1のコンピュータ装置110は、このチャネル素材情報を、素材サーバから、NRCSを構成する第2のコンピュータ装置120を介して受信する。なお、第1のコンピュータ装置110は、このチャネル素材情報を、素材サーバから直接受信する構成であってもよい。
図13は、上述の図1に示す番組送出制御システム100において、素材サーバのビデオ素材の指定情報を持つスイッチャ制御データによる制御に関連した一部の構成例を示している。この図13において、図1、図2、図7と対応する部分には同一番号を付し、適宜、その詳細説明を省略する。
第2のコンピュータ装置(NRCSPC)120は、Automationネットワーク150を介して、第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110、遠隔制御カメラ46およびオーディオミキサ47に接続されている。
第1のコンピュータ装置110には、コントロールユニット130を介して、OTCパネル131、ビデオクリップサーバ43、オーディオクリップサーバ44およびVTR45が接続されている。第2のコンピュータ装置120は、プレイアウトサーバ31に接続されている。また、ビデオクリップサーバ43、オーディオクリップサーバ44、VTR45、プレイアウトサーバ31および遠隔制御カメラ46の出力信号は、スイッチャ41に供給される。
また、第1のコンピュータ装置110は、コントロールユニット130を介してスイッチャ41の動作を制御する。また、コントロールユニット130に、OTCパネル131が接続されている。OTCパネル131は、図示していないが、複数個の操作ボタンを備えている。操作者は、このOTCパネル131を用いて、例えば、スイッチャ41で構成されるピクチャー・イン・ピクチャーの画において、子画像の内容を切り替える等の操作をワンタッチ操作で行うことができる。
図13に示す番組送出制御システム100では、素材サーバとしてのプレイアウトサーバ31は、第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120によって制御される。第1のコンピュータ装置110は、第2のコンピュータ装置120と通信することで、間接的に、プレイアウトサーバ31と通信する。しかし、この発明の実施対象としては、このような構成に限らず、第1のコンピュータ装置110が、プレイアウトサーバ31と直接通信する構成であってもよい。
[プレイリストの説明]
プレイリスト(キューシート)について説明する。第1のコンピュータ装置(AutomationCtrl PC)110には、プレイリストと呼ばれる、番組送出プログラムが格納されている。このプレイリストは複数個の「構成」からからなっている。なお、この「構成」は、キュー(Cue)とも呼ばれる。一つのキューは、一つの放送状態、すなわち、ある時刻における放送システム全体の制御を決める。
プレイリストの仕込み作業では、各キューの持つ制御内容を決定していく。この場合、ビデオとオーディオ等の複数の要素を含む構成パターンを指定することで、ある時刻における放送システムの制御内容のすべてを決めるということも可能である。構成パターンは、例えば、素材等の構成要素を示す情報、各要素に対する時間情報、および各要素の順序などの情報からなる。
この実施の形態においては、ある時刻における放送システムの制御内容を、ひな型を用いて決定する場合について説明する。ここで、ひな型は、放送システムの一部分を制御するための制御データである。例えば、ビデオのひな型には、ビデオ素材に関する制御の指定が含まれる。また、例えば、オーディオのひな型には、オーディオ制御の指定が含まれる。ある時刻における放送システム全体の制御を決めるには、ビデオのひな型、オーディオのひな型、その他のひな型をそれぞれ指定する。このひな型を用いることで、制御の一部、例えば、画面を構成する複数の画素材のうち一つを変えたい場合に、より柔軟に対応できる。
第1のコンピュータ装置110は、予め複数の各種ひな型を作成しておき、例えば、内蔵のHDD(Hard Disk Drive)、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリ、その他の記憶媒体等に記憶しておく。この意味で、第1のコンピュータ装置110は、ひな型作成部およびひな型記憶部を構成している。
図14は、ひな型のデータ構造の一例を示している。ひな型の構造は一つではなく、どういう種類のひな型であるかを示す領域(フィールド)によって、それ以降のデータの構造、意味が決まるようになっている。図14は、種類が「スイッチャ」であり、スイッチャのひな型のデータ構造の一部を示している。このスイッチャのひな型は、スイッチャ41の制御内容を保持している。
このスイッチャのひな型では、対象M/Eバンクの指定や、メモリ機能のメモリ番号、各入力バスで選択する入力番号のほか、合成切り替えを行う回路の制御状態も記憶する。メモリ機能によって、メモリ番号で指定する制御データを適用する場合には、その制御データの中に対象M/Eバンクのすべての制御状態が含まれるため、他のデータは空でよい場合もある。
図15は、ひな型のデータ構造の他の例を示している。この図15は、種類が「オーディオミキサ」であり、オーディオミキサのひな型のデータ構造を示している。このオーディオミキサのひな型は、オーディオミキサの制御内容を保持している。このオーディオミキサのひな型では、対象チャネルの指定や、音声レベル、ステレオモードの制御状態等を記憶する。
図16は、第1のコンピュータ装置110が保持するプレイリストのデータ構造例を示している。プレイリストは、キュー(Cue)を単位として、複数のキューからなっている。各キューは、ある時刻における放送システム全体の制御を決める制御内容(制御情報)を保持している。第1のコンピュータ装置110は、運用時には、プレイリストの各キューを順に呼び出して、番組送出の制御を行う。
キューの中には、図示のように、ビデオひな型、オーディオひな型、スイッチャひな型等のいろいろな種類のひな型が含まれる。また、このキューの中には、ひな型だけでは指定しきれない細かい制御に関する詳細設定が、ひな型に付随して含まれる。
ビデオ(Video)ひな型は、どのビデオ素材(画像素材)を使用するか指定するものである。結果として、ビデオ(Video)ひな型に基づいて、スイッチャ41の入力を選択することになる。この場合、直接スイッチャ41の入力番号を指定することになるビデオひな型もあれば、プレイアウトサーバ31等の素材サーバのビデオ素材を指定し、具体的なスイッチャ41の入力番号は後述する動作で選択される場合もある。
運用に先立つ「仕込み」の段階においては、操作者は各キューの編集作成を行う。この場合、操作者は、この編集作成を、第1のコンピュータ装置110において、GUI(Graphical User Interface)画面を用いて行う。この場合、GUI画面には各種類の複数のひな型がアイコン表示され、操作者はその中から所望のひな型を選択して、キューに入れる。ここで、キューにひな型を入れるということは、キューに、当該ひな型の制御内容(制御状態)を登録することを意味する。
なお、そのひな型に関する制御に関して詳細な指示が必要であれば、設定画面から入力を行う。その結果、キューに各ひな型とその詳細設定が追加される。また、キューの編集作業として、あるひな型を削除して別のひな型を入れたり、詳細設定を変更したりすることもできる。この意味で、第1のコンピュータ装置110は、編集部を構成している。
あるキューで使うビデオ素材を指定するには2つの方法がある。一つは、ビデオひな型をキューに入れる方法である。もう一つは、スイッチャひな型の中にビデオ素材の指定を入れる方法であり、実装方法としては、ビデオひな型をスイッチャひな型に入れるという方式も可能である。
(1)ビデオひな型をキューに入れる方法は、図16に示すようなデータの持ち方で行う。ビデオひな型には、対象とするスイッチャの入力バスと、そこに取る素材(素材サーバの素材、あるいはその他の各種入力)の指定が含まれている。図16のように、一つのキューに複数のビデオひな型が含まれる場合、その順序によって、そのうちの素材サーバの素材同士での順序を示す方式もある。この順序を後述の機能で使うことも可能である。
(2)スイッチャひな型の中でビデオ素材の指定を行う方法は、例えばスイッチャひな型を、図17に示すように構成する方法である。この図17の詳細については後述する。
(3)スイッチャひな型の中にビデオひな型を入れる方式は、ひな型を入れ子にして使う方法である。ビデオひな型には、スイッチャの入力バス指定と素材指定が含まれる。このビデオひな型をスイッチャひな型に入れて、スイッチャひな型のみでの扱いを容易にすることができる。ビデオひな型を格納する順序に意味を持たせて、後述の機能で使うことも可能である。
なお、上述の各方法は排他的な方法ではなく、例えばスイッチャひな型の中にビデオ素材の指定があればそれを優先し、なければスイッチャひな型の外にあるビデオひな型を参照して動作する、というような仕様でシステムを組んでもよい。また、そのような場合も、素材間の順序は定義可能であり、例えばスイッチャひな型の中での順序を第一として、スイッチャひな型の外にあるビデオひな型は、それより後に位置すると定義すれば一意に決まる。
[出力素材リストと、チャネル素材情報]
図18は、素材サーバの出力チャネルとスイッチャの入力番号との対応関係を示している。この対応関係は、システム中の装置を設置した時点で、第1のコンピュータ装置110の中に保存される。第1のコンピュータ装置110は、この対応関係を参照することで、素材サーバの出力チャネルから、スイッチャ41で選択すべき入力番号を得ることができる。
プレイリストのキューに含まれるスイッチャ制御データにおいて、スイッチャ41の入力番号ではなく、素材サーバのビデオ素材が指定されている場合がある。第1のコンピュータ装置110は、そのキューに基づいてスイッチャ41の入力制御を行う場合、そのビデオ素材が素材サーバのどのチャネルから出力されるか事前に知る必要がある。
第1のコンピュータ装置110は、プレイリストの実行時に、キューに含まれるビデオ素材を素材サーバに出力させるため、出力素材リストを、第2のコンピュータ装置120を介して、プレイアウトサーバ31などの素材サーバに送る。これに対して、素材サーバは、出力チャネルの割り当てを決めた段階で、チャネル素材情報を、第2のコンピュータ装置120を介して、第1のコンピュータ装置110に送信する。このチャネル素材情報は、出力素材リスト内の各ビデオ素材が、素材サーバのどのチャネルから出力されるかを示す情報である。これにより、第1のコンピュータ装置110は、各キューで使用される素材サーバのビデオ素材の出力チャネルを知ることができる。
図19は、第1のコンピュータ装置110が素材サーバへ送る出力素材リストの一例を示している。図19の一行目は、名称が「30_2Box-2SVR」であるキューの中に、ビデオひな型による素材指定として、素材IDが「3224」、「5683」および「2781」であるビデオ素材が含まれていた場合を示している。また、図19の二行目は、名称が「21_SVR-full」であるキューの中に、例えば、ビデオひな型による素材指定として、素材IDが「6212」であるビデオ素材が含まれていた場合を示している。
図19に示す出力素材リストは、各ビデオ素材に順序を付けたものとなっている。第1のコンピュータ装置110は、図19に示すような出力素材リストを、第2のコンピュータ装置120を介して、素材サーバに送信する。ビデオひな型が素材サーバ以外の、例えばカメラ46から直接スイッチャ41に来ているラインを指定する場合は、素材サーバには関係ないので、それについては、この出力素材リストには含まれない。
なお、第1のコンピュータ装置110は、仕込み段階において、プレイリストの対応するキューに、素材1、素材2・・・等の素材の順番(序数)と、当該素材(素材ID)との対応情報INFを記憶しておく(図16参照)。例えば、この対応情報INFは、名称が「30_2Box-2SVR」であるキューにおいては、素材IDが「3224」、「5683」、「2781」であるビデオ素材は、それぞれ、順番(序数)が1、2、3であることを示す情報となる。
図20は、上述の図19に示す出力素材リストに対応した、チャネル素材情報の一例を示している。このチャネル素材情報は、出力素材リストの中の順序(番号)と出力チャネルとの対応を示す情報とされている。
図20(a)は、キュー「30_2Box-2SVR」において、素材番号1,2,3のビデオ素材はそれぞれ出力チャネルB,C,Aから出力されることを示している。第1のコンピュータ装置110は、上述したように、キューに、素材順番(序数)と素材(素材ID)の対応情報INFを記憶している。そのため、第1のコンピュータ装置110は、素材IDが「3224」、「5683」,「2781」であるビデオ素材がそれぞれ出力チャネルB,C,Aから出力されること、を知ることができる。
また、図20(b)は、キュー「21_SVR-full」において、素材番号1のビデオ素材は出力チャネルBから出力されることを示している。第1のコンピュータ装置110は、上述したように、キューに、素材順番(序数)と素材(素材ID)の対応情報INFを記憶しているので、結局、素材IDが「6212」のビデオ素材は出力チャネルBから出力されることを知ることができる。
上述したように、第1のコンピュータ装置110と素材サーバとの通信において、ビデオ素材を列挙して扱うルールである場合、列挙の順序でビデオ素材を管理してチャネル素材情報を構成するため、仕込み作業で入力した画構成を、確実に再現できる。
[全体の動作概要]
仕込み段階と、運用時(番組放送時)における、操作者の作業について説明する。仕込み段階とは、放送運用に先立ち、余裕のある時間に、準備として、システムを操作して、各種の記憶書き込みを行う段階である。
操作者は、第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110および第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120を操作して、仕込みを行う。操作者は、第1のコンピュータ装置110を操作して、その制御下の機器、すなわち、第1のコンピュータ装置110あるいはコントロールユニット130に接続されている機器に関する制御を、プレイリストとして記憶させる。
この仕込みにおいては、各機器を実際に操作してある状態を作り出し、それを各機器のメモリに記憶させ、それを呼び出す動作をキューに仕込むことも行う。あるいは、そのような状態に対応する、新しいひな型を作成する。あるいは、ひな型をキューに入れて、キューを構成していく。
また、操作者は、第2のコンピュータ装置120を操作して、その制御下の機器に関する制御を、当該第2のコンピュータ装置120に記憶させる。この記憶内容は、第二のプログラムであり、また、Rundown(NRCS Rundown)と呼ばれることもある。
運用時とは、放送においては、実際に放送を行っている時間帯を指す。運用開始時に操作者は第1のコンピュータ装置110のGUIを操作して第2のコンピュータ装置120のRundownリストを表示し、そのリストから一つを選択する。第1のコンピュータ装置110は、第2のコンピュータ装置120と通信をすることで、第2のコンピュータ装置120のRundown リストを表示できる。
操作者が Rundown リストの一つの Rundown を選択すると、第1のコンピュータ装置110は、第2のコンピュータ装置120にその Rundown をロードさせる。これと同時に、第1のコンピュータ装置110は、自身が保持するプレイリスト(番組送出プログラム)で、そのRundown に対応するものをロードする。操作者が開始準備を入力すると、第1のコンピュータ装置110は各機器に指示を送り、最初のキューを実行する準備を行う。キューの状態を実現するには、事前に各機器に準備をさせる必要があるためである。
操作者がOTCパネル131上のTakeボタンの押下によりTakeトリガを入力すると、第1のコンピュータ装置110は、プレイリストの先頭のキューから、キューを一つずつ進める。そして、第1のコンピュータ装置110は、該当キューの内容にしたがって制御下の機器に指示を送り、該当キューによるシステムの制御状態を実現する。第2のコンピュータ装置120側は、第1のコンピュータ装置110と同期して動作する。第1のコンピュータ装置110がTakeトリガを第2のコンピュータ装置120に送信すると、対応するRundownが、第1のコンピュータ装置110プレイリストと同様に進行される。
図21のフローチャートは、第1のコンピュータ装置110が、プレイリストの一つのキューを実行する際の処理手順を示している。
第1のコンピュータ装置110は、ステップST1において、処理を開始し、その後にステップST2の処理に移る。このステップST2において、第1のコンピュータ装置110は、第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120から、対象キューに該当するチャネル素材情報を受信する。このステップST2の受信処理は、対象キューの実行時点ではなく、それより前の時点となる。運用中のすべての素材出力が決定した時点で、素材サーバは出力チャネルの割り振りを決めるので、その時点で送信してくる。ただし、運用途中で、後の時刻のキューの削除などを行うと、その影響で割り振りが変化することがあり、そのような場合は改めて送信される。
次に、第1のコンピュータ装置110は、ステップST3において、対象キューへのTake入力待ちとなる。そして、第1のコンピュータ装置110は、ステップST4において、対象キューが使用する、素材サーバのビデオ素材の数をCとする。そして、第1のコンピュータ装置110は、ステップST4において、i=1に設定する。
次に、第1のコンピュータ装置110は、ステップST6において、対象キューが使用するi番目のビデオ素材について処理を開始する。そして、第1のコンピュータ装置110は、ステップST7において、i番目のビデオ素材を使うスイッチャ41の入力バスをB(変数名)とする。そして、第1のコンピュータ装置110は、ステップST8において、チャネル素材情報のi番目の素材番号に対応した出力チャネルを読み、これをTとする。
次に、第1のコンピュータ装置110は、ステップST9において、図18の対応関係を参照して、スイッチャ41に対して、入力バスBに、出力チャネルTを受けている入力番号の入力ラインを選択するように、指示を出す。そして、第1のコンピュータ装置110は、ステップST10において、i≧Cであるか否かを判断する。
i≧Cでないとき、対象キューが使用する素材サーバのビデオ素材のすべての処理が終わっていないので、第1のコンピュータ装置110は、ステップST11において、iをインクリメントした後、ステップST6に戻り、次のビデオ素材について処理を開始する。一方、i≧Cであるとき、対象キューが使用する素材サーバのビデオ素材のすべての処理が終わっているので、第1のコンピュータ装置110は、ステップST12において、対象キューに関するその他の制御を実行する。その他の制御は、例えば、素材サーバのビデオ素材以外に係るビデオ素材のスイッチャの入力選択、さらにはスイッチャ入力選択以外の制御である。第1のコンピュータ装置110は、ステップST12の処理の後、ステップST13において、処理を終了する。
[プレイリスト中の素材番号とひな型中の素材番号]
次に、プレイリスト中の素材番号とひな型中の素材番号について説明する。上述の図14に示すスイッチャひな型のデータ構造例では、各バスに対して入力番号が格納されている。これに対して、上述の図17のスイッチャひな型のデータ構造例では、別の領域において、各バスの序数が決められている。すなわち、図17において、Bバスが「1」、Key1バスが「2」、Aバスが「3」となっている。
この場合、各バスの欄に格納されている入力番号は無視され、上述の序数に従って、素材サーバの1番目の素材をBバスで、2番目の素材をKey1バスで、3番目の素材をAバスで取るように、制御が行われる。
上述の図20(a)の名称「30_2Box-2SVR」のキューに係るチャネル素材情報の場合、Bバスには出力チャネルB、Key1バスには出力チャネルC、Aバスには出力チャネルAに対応する入力番号を取るように、制御される。
ひな型に含まれる情報とは別に、同時に使用する複数の素材(識別ID)をプレイリストに登録する構成の場合、上述したように、プレイリストに登録される複数のビデオ素材と、ひな型によるスイッチャ41の制御データ内のビデオ素材との対応を序数により行うことができる。そのため、複数の素材を混同することなく、仕込み作業で入力した画構成を、確実に再現できる。
[ひな型アイコン中の素材番号]
第1のコンピュータ装置110において、仕込みの段階でキューの編集作成を行うGUI画面では、各種類の複数のひな型がアイコン表示される。図22(a)〜(g)は、GUI画面に表示されるアイコンの例である。
このひな型(スイッチャひな型)は、背景画面の上に、3つの子画面が組み合わされる特殊効果を制御する例である。素材サーバのビデオ素材を3つ子画面に使う場合の、画面上での子画面の見え方(順序(序数)と画面配置の関係)が直感的に分かるようなアイコンを例示している。
図示の例のように、序数(1,2,3)をアイコン中に表示することで、ビデオ素材を指定する際に、何番目に指定したビデオ素材がどの子画面になるのか、操作者は直感的に知ることができる。したがって、アイコンを選んでスイッチャひな型を指定した後、ビデオ素材をビデオひな型で指定する操作を行う際に、所望の画像を作るための素材の選択を、間違いなく行うことができる。
図22(f)の「特殊効果チャンネル表示」とあるアイコンは、各子画面を縮小してその位置に配置するスイッチャに付属の特殊効果装置の、該当チャンネルを示している。このような表示は、プレイリストによって作られた制御状態に対して、手動の操作を加えて微調整する場合に有効である。どのチャンネルを操作すれば、どの子画面の位置などを変えられるか、アイコンを見て知ることができる。
図22(g)の「バス名称表示」とあるアイコンは、各子画面の画を供給しているスイッチャ41のバス名称をアイコンに表示したものである。これにより、手動の操作を行う場合に、どのバスの入力選択(クロスポイント制御)を操作すれば、どの子画面の画が切り替わるかを、アイコンを見て知ることができる。
[ひな型中のソート規則]
上述では、ひな型アイコンにおいて、子画面に順番を付けて扱うことの利点を説明した。しかし、順番の付け方に規則性があれば、操作者がさらに容易に順番を認識できるようになり、キューの編集が容易となる。
一つの方法として、画を構成する複数のビデオ素材それぞれが画面上で配置される座標値(x,y)を使って子画面を順序付けする(ソートする)方法がある。この方法によれば、分かりやすく、一意に順序付けを行うことができる。
図23(a)〜(d)は、子画面への順序付けの一例を示している。この例においては、基本的には、例えば画面左上のy値の小さい方から順に番号付けをする。この場合、図23(a)に示すように、y値が同じ子画面が複数ある場合には、面左上のx値が小さい方から順に番号付けをする。また、この場合、図23(d)に示すように、画面左上のy値、x値が同じ子画面が複数ある場合には、大きな画面から順に番号付けをする。この場合、画面が重なっているので、番号表示も、見える位置まで移動する。
[ひな型中の順序組み込み]
スイッチャひな型が保持する制御データによるスイッチャ41の動作は、子画面を静止状態で画面を構成するものだけではなく、スイッチャ41の組み込みパターン(特殊効果パターン)によるトランジション(画の遷移)として動きを伴う場合がある。図24(a)〜(f)は、組み込みパターンの動作例を示している。
図24(a)に示す最初は全体が例えばスタジオカメラからの1の画1のみである。この状態から、組み込みパターンの動作により、画面が変化していく。すなわち、図24(b)に示すように1の画上に2の画、3の画が重畳された状態となる。その後に、図24(c)に示すように2の画、3の画が双方とも大きくなり、さらに、図24(d),(e)に示すように3の画が大きくなっていき、この3の画が2の画を覆い隠していく。そして、最終的な画は、図24(f)に示すように、全体が3の画のみで構成されたものとなる。
この場合、単純に子画面の座標を使って、当該子画面を順序付けしようとすると、動きの中のどの時点の座標を使えばよいか決めがたいため、子画面の順序付けは一意に決まらない。組み込みパターンはスイッチャ41の工場出荷時に組み込まれているものである。そこで、この組み込みパターンに、最初から付属させて、使われる画の順序を記憶しておく。
例えば、図24(a)〜(f)の動作例で示す組み込みパターンに対して、2の画、3の画に素材サーバのビデオ素材を使うときには、2の画、3の画の順序とされる。これにより、組み込みパターンの動作により、画面が変化していく場合であっても、素材サーバとの通信制御で使う順序を一意に決めることができる。
[ひな型中の順序登録]
ところで、スイッチャ41で使われるトランジションのパターンとしては、工場出荷時から組み込まれている組み込みパターンのみでなく、操作者が動作をプログラムして作成するユーザパターンも使用される。このようなユーザパターンの場合は、当初は画の順序が存在しない。このため、画の順序を操作者が入力する仕組みと、それを記憶するデータ構造が必要となる。この場合、第1のコンピュータ装置110は、バス番号記憶部と、バス番号編集部を構成する。
図25は、記憶するデータ構造の一例を示している。図25に示すように、パターン番号毎、そのパターンが使用するバス毎に、順序を記憶する。図示の例において、パターン番号1001のユーザパターンに関しては、Aバス(Aバスのビデオ素材を使用する画)の順番(序数)は「1」とされ、Bバス(Bバスのビデオ素材を使用する画)の順番は「2」とされている。
また、図示の例において、パターン番号3001のユーザパターンに関しては、Aバスの順番は「1」とされ、Bバスの順番は「4」とされ、Util1バスの順番は「2」とされ、DME−Utilバスの順番は「3」とされている。また、図示の例において、パターン番号1911のユーザパターンに関しては、Aバスの順番は「1」とされ、Bバスの順番は「3」とされ、Util1バスの順番は「2」とされている。
図26は、ユーザパターンに関して、操作者に画の順序を入力させるGUI表示の一例を示している。ユーザパターンであるパターン番号が選択肢になる。操作者がパターン番号の一つを選択すると、右側のリストにそのパターンで使用するバスが列挙される。操作者は、列挙されたバスのうち一つのバスを選んで、「上へ」あるいは「下へ」ボタンを操作することで、そのバスの順序を変えることができる。
このGUIが操作されることにより、パターンのうち、ユーザパターンについて、図25の記憶内容のうちバスの順序を変更できる。組み込みパターンについては変更させないので、図26のGUIでパターン番号を選択できるのは、ユーザパターンのみである。
図24で説明したように、入力バスに付けた順序は、各バスで選択する入力が素材サーバ以外である場合は無視され、素材サーバの出力を取るバスについて、順序付けに使われる。例えば、図25のパターン番号1911については、Aバス、Util1バス、Bバスの順序である。Util1バスで取る画が素材サーバではなくスタジオカメラなどであり、Aバス、Bバスで取る画が素材サーバの出力である場合、Aバスで取る素材が1番目、Bバスで取る素材が2番目として、上述の出力素材リストおよびチャネル素材情報で使用される。
[NRCS構成]
図13に示す番組送出制御システム100では、素材サーバとしてのプレイアウトサーバ31は第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120によって制御されている。第1のコンピュータ装置(AutomationCtrl PC)110は、第2のコンピュータ装置120と通信することで、間接的にプレイアウトサーバ31と通信する。
この構成では、第2のコンピュータ装置120側に、 Rundown(NRCS Rundown)と呼ばれるデータを保持する。 Rundown は、第1のコンピュータ装置110側のプレイリスト(番組送出プログラム)に対応したものである。このRundown は、第2のコンピュータ装置120側で扱う機器の制御に関する「プログラム」となる。
この構成では、第2のコンピュータ装置120側が Rundown で制御され、第1のコンピュータ装置110が制御する機器はプレイリスト(番組送出プログラム)で制御される。そして、双方のプログラムが同期して実行されることで、番組送出制御システム100全体の統合制御が実現されている。
図27は、 Rundown(NRCS Rundown)の一部を示している。この Rundown は、第1のコンピュータ装置110側のプレイリストと同期できるように、プレイリストのキュー(Cue)の名称を保持している。図27(a)は、作成時の Rundown の例である。Page 欄が項目を示すが、素材を指定するには Page 欄を一つ使用する。そのため、同時に使用する素材については、100に対して100A、100Bという Page 名を付けて、同時に使用されることを示している。すなわち、「3224」、「5683」、「2781」の素材は同時に使用される。
図27(a)のように、作成時においては各素材を出力する素材サーバの出力チャネルのいずれになるかは、不明である。各素材に対して素材サーバのどの出力チャネルを使うかは、その前の素材サーバの出力チャネルの動作状態に依存する。そのため、素材サーバでは、一連の動作が指定された後でないと、各素材をどの出力チャネルで出力するかは決まらない。また、運用開始後も、番組の途中に素材出力を追加することもあり、その場合、その後の素材の出力チャネルへの割り当てが変化する。
したがって、出力チャネルの割り当て(「送出CH」の欄)は、運用中(OA中)になって、初めて決まる。図27(b)は、運用中のRundown の例である。「送出CH」の欄には、運用中に決まった、使用する出力チャネルA、BあるいはCが格納されている。
第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120は、素材サーバから、決まったそれぞれの出力チャネル情報を得て、Rundown を完成させる。その次に、第2のコンピュータ装置120は、各ページにおける素材と出力チャネルの対応を、図28のようなチャネル素材情報として、第1のコンピュータ装置(AutomationCtrl PC)110に送信する。なお、図28では、Page 名称を使って識別しているが、第1のコンピュータ装置110との通信の取り決めによって、第1のコンピュータ装置110側のプレイリストのキュー(Cue)名称を使っても同じ結果が得られる。
第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120と、第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110が分かれているのは、純粋に技術的な理由ではなく、主に歴史的な経過や、導入する放送局の経済的な理由による。第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120が先に導入され、第1のコンピュータ装置(AutomationCtrl PC)110側はスイッチャ41などの制御を自動化、統合するために、後に導入されている。
図29は、放送運用時の通信シーケンスを示す図である。(a)第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110から、出力素材リストを、第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120に送る。(b)運用開始時には、第1のコンピュータ装置110から実行のトリガを第2のコンピュータ装置120に送る。(c)第2のコンピュータ装置120は、実行のトリガの前あるいは後に、決定したチャネル素材情報を、第1のコンピュータ装置110に送る。
なお、将来の出力素材リストに変更が発生し、例えば第1のコンピュータ装置110から指示された場合は、出力チャネルの割り当ても変化する。そのため、第2のコンピュータ装置120は、その結果のチャネル素材情報を、再び第1のコンピュータ装置110に送る場合もある。
(d)第1のコンピュータ装置110は、チャネル素材情報を受けると、素材サーバの出力チャネルとスイッチャ41の該当入力バスの対応関係を確認する。(e)そして、第1のコンピュータ装置110は、素材サーバの出力チャネルに対応するスイッチャ41の入力番号により、各バスの入力選択制御を行う。(f)また、第1のコンピュータ装置110は、メモリ機能の実行などの各種制御を行い、キューによるシステムの放送状態を実現する。
[NRCSプラグイン構成]
この実施の形態において、第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120には、第1のコンピュータ装置(AutomationCtrl PC)110内のプレイリスト(番組送出プログラム)を編集するソフトウエアが組み込まれる。このソフトウエアがないと、システム全体の仕込みを行うためには、第2のコンピュータ装置120による作業と共に、第1のコンピュータ装置110による作業が必要となる。
すなわち、第2のコンピュータ装置120でRundown(NRCS Rundown)を編集して、その制御下の機器の制御予定を作成することが必要となる。また、第1のコンピュータ装置110でプレイリスト(番組送出プログラム)を編集して、その制御下の機器の制御予定を作成する必要がある。このように二カ所で作業する必要があることから、手間がかかる上に、対応を間違える可能性も高くなる。
第2のコンピュータ装置120においては、上述したソフトウエアが組み込まれることで、GUIのマルチウィンドウ機能等により、Rundownの編集画面と、第1のコンピュータ装置110側のプレイリストの編集画面を同時に見ることができる。そのため、操作者は対応を視認しやすく、その操作性が向上する。
図30は、第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120側で、第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110側のプレイリスト(番組送出プログラム)を編集する際の通信シーケンスの概要を示している。
(a)第1のコンピュータ装置110内には、予め作成されたひな型が保持されている。(b)第2のコンピュータ装置120において、GUI画面にプレイリストのキューと共に、使用できるひな型のアイコンが表示される。その状態で、操作者によるひな型をキューに追加する操作等により、(c)第1のコンピュータ装置110内のプレイリストの編集(更新)が行われる。(d)第1のコンピュータ装置110内のプレイリストの編集結果は、第2のコンピュータ装置120のGUI画面に反映される。
また、この実施の形態においては、別の編集方式の提供として Rundown の編集画面と、第1のコンピュータ装置110のプレイリストの編集画面との連係動作がある。この場合、Rundown の中に、第1のコンピュータ装置110のプレイリストとの関連付けを記憶させることで、連係した編集と放送運用の動作を可能にする。
すなわち、第2のコンピュータ装置120上で動作するプラグインのソフトウエアを設ける。このソフトウエアにより、第2のコンピュータ120上に、第1のコンピュータ装置110内のQuick Cue がアイコン表示される。ここで、Quick Cue は、第1のコンピュータ装置110の制御下にある複数の機器の制御状態一式を保持している。 Quick Cue の一つを選ぶだけで、そのままプレイリストのキュー一つを作ることができる。
アイコン表示された Quick Cue は、第2のコンピュータ装置120側のソフトウエアが表示している、当該コンピュータ装置120の制御下の機器に関する動作プログラム(Rundown)の表示中へ、GUIの Drag & Drop 操作等により、入れることができる。これにより、第2のコンピュータ装置120側の Rundown に、第1のコンピュータ装置110側のキュー情報が入ったものが作成される。
その後、第2のコンピュータ装置120上で Rundown の保存操作を行うと、この第2のコンピュータ装置120から第1のコンピュータ装置110に更新通知が送られる。この更新通知には、 MOS プロトコルで roStorySend というメッセージが使用される。更新通知を受けた第1のコンピュータ装置110側では、その内容に従って、プレイリスト(番組送出プログラム)中の該当する箇所にキューの追加を行う。
このような動作により、操作者は、第2のコンピュータ装置120側の Rundownの編集に集中することができ、その編集の結果は、第1のコンピュータ装置110側においても、プレイリスト中の対応する位置に自動的に反映される。
以上説明したように、図1、図13のシステム100において、第1のコンピュータ装置110は、プレイリスト(番組送出プログラム)のキュー(Cue)に、素材サーバのビデオ素材の指定情報を持つスイッチャ制御データが含まれている場合、以下の制御を行う。すなわち、スイッチャ制御データ(図17参照)と素材サーバから送られてくるチャネル素材情報(図20参照)を照合してスイッチャの入力制御を行う。したがって、素材サーバの複数のビデオ素材を使用する場合でも、仕込み作業で入力した画構成を確実に再現でき、誤動作のない自動制御を実現できる。
また、図1、図13のシステム100において、第1のコンピュータ装置110は、プレイリストの各キューで使用する素材サーバの各ビデオ素材に順序を付けた出力素材リスト(図19参照)を素材サーバに送信して、各ビデオ素材の出力予定を指示する。そして、この第1のコンピュータ装置110は、素材サーバから、各ビデオ素材と出力チャネルとの対応関係を示すチャネル素材情報(図20参照)を受信する。このチャネル素材情報は、出力素材リストの中の順序と出力チャネルとの対応を示す情報とされる。このように、第1のコンピュータ装置110と素材サーバとの通信において、複数のビデオ素材を列挙して扱うルールである場合、列挙の順序で素材が管理されてチャネル素材情報が構成される。そのため、仕込み作業で入力した画構成を、確実に再現できる。
また、図1、図13のシステム100において、第1のコンピュータ装置110は、仕込み段階において、プレイリストの所定のキューで同時に使用する素材サーバの複数のビデオ素材のそれぞれに序数を付与して登録する。すなわち、第1のコンピュータ装置110は、仕込み段階において、プレイリストの対応するキューに、素材1、素材2・・・等の素材の順番(序数)と、当該素材(素材ID)との対応情報を記憶しておく(図16参照)。また、ひな型に格納する、複数のビデオ素材で画を構成するスイッチャ41の制御データは、複数の素材を序数で識別するデータ構造とされる(図17参照)。従って、プレイリストに登録される複数のビデオ素材と、スイッチャ41の制御データ内のビデオ素材との対応を序数により行うことができる。そのため、素材サーバの出力と、素材指定と、ひな型による制御を対応付けることができ、複数の素材を混同することなく、仕込み作業で入力した画構成を、確実に再現できる。
また、図1、図13のシステムにおいて、第1のコンピュータ装置110は、ひな型、例えばスイッチャひな型を作成する際に、その模型画像中に、使用する複数のビデオ素材の画面上の配置を、その模型画像中に序数を表示して示す(図22参照)。したがって、ひな型を操作対象としてプレイリストに制御状態の登録を行う際に、操作者は、プレイリストで扱うビデオ素材とひな型との関係を容易に認識でき、操作性が向上する。
また、図1、図13のシステムにおいて、第1のコンピュータ装置110は、ひな型、例えばスイッチャひな型を作成する際に、ビデオ素材が画面上で配置される座標値により、各ビデオ素材をソートして、各ビデオ素材の序数を決定する(図23参照)。従って、複数のビデオ素材を扱う場合にあっても、各ビデオ素材の画面上での配置が、操作者にとって直感的に把握しやすいものとなり、操作性が向上する。
また、図1、図13のシステムにおいて、第1のコンピュータ装置110は、ひな型、例えばスイッチャひな型を作成する際に、予めスイッチャ41に指示する特殊効果のパターン毎に、このスイッチャ41において使用する各入力バスに序数を付与する。そして、第1のコンピュータ装置110は、当該付与された序数をその入力バスで選択される各ビデオ素材の序数とする(図24、図25参照)。従って、スイッチャ41に組み込まれている特殊効果パターンを使ったひな型を用意してプレイリストを編集する際に、操作者が特殊効果パターンの種類毎のビデオ素材の順序を覚えておくことで、各素材の特殊効果パターン中の役割を把握でき、操作性が向上する。
また、図1、図13に示すシステム100において、第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120には、第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110内のプレイリスト(番組送出プログラム)を編集するソフトウエアが組み込まれる。そのため、第2のコンピュータ装置120においては、GUIのマルチウィンドウ機能等により、Rundownの編集画面と、第1のコンピュータ装置110側のプレイリストの編集画面を同時に見ることができる。そのため、操作者は対応を視認しやすく、その操作性が向上する。
<2.変形例>
[第1のコンピュータ装置で素材を選択しないシステム]
上述の実施の形態においては、素材サーバから出力させるビデオ素材の指定を、第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110のプレイリスト(番組送出プログラム)のキュー内に格納していた(図16の対応情報INF)。
しかし、図1、図13に示すシステム100においては、プレイリストには素材の順序が分かるようにしておけば、具体的な素材指定を格納しなくてもよい。例えば、素材サーバは第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120の管理下にあるため、この第2のコンピュータ装置120側で、各キューにおける素材サーバの複数の素材指定と、それに付与する順序を保持する、構成としてもよい。
操作者は、第2のコンピュータ装置120を操作して、素材指定とその順序を編集できる。第2のコンピュータ装置120は、第1のコンピュータ装置110に、各素材の順序(序数)と、割り当てられた出力チャネルの情報を、チャネル素材情報として送る。第1のコンピュータ装置110では、素材自体の情報がなくても、序数と出力チャネルの対応があれば、選択するスイッチャ41の入力を一意に決めることができる。
[素材を入力バス指定で対応付け]
上述実施の形態においては、素材サーバのビデオ素材を扱う際に順序で管理している。しかし、スイッチャ41の入力バス指定(A、B、Util1、Key1・・・)で対応付けることもできる。この場合、第2のコンピュータ装置120において、各キューにおける素材サーバの複数の素材指定と、それぞれに対応するスイッチャ41の入力バス指定を保持する。操作者は、第2のコンピュータ装置120を操作して、素材指定と入力バス指定を編集できる。
第2のコンピュータ装置120は、第1のコンピュータ装置110に、各素材が対応付けられたスイッチャ41の入力バス指定と、それが割り当てられた出力チャネルとの対応を、チャネル素材情報として送る。第1のコンピュータ装置110では、素材自体の情報がなくても、どのバスで使う素材がどの出力チャネルから供給されるか分かるので、選択するスイッチャの入力を一意に決めることができる。
[ひな型に素材識別子]
次に、素材の指定、参照に関して、さらに別の例を説明する。図31は、ひな形のデータ構造の別の例である。各バス入力の欄について説明する。カテゴリ欄は、続く選択欄の意味を示す。「維持」は、そのバスが取る入力を、これが入ったキューの前の状態のままとする、意味である。したがって、この場合は、選択欄は意味を持たず、選択欄はデータなしとなる。詳細欄には、特に調整を加える必要がなければ、ここも空欄となる。
カテゴリ欄が「プライマリ入力番号」の場合、選択欄には、スイッチャの入力番号がそのまま格納される。カテゴリ欄がサーバ類指定の場合は、選択欄には、素材の名称などの識別子を格納する。カテゴリ欄が Playout Server1 の場合、選択欄には、 Clip Tag 1 などの文字列が格納されている。この意味は後述する。
カテゴリ欄が Disk Recorder1 の例では、選択欄には、ディスクレコーダの持つ素材の名称である "Title Logo A" が格納されている。カテゴリ欄がServer2 の例では、選択欄には、 Server2 の持つ素材の名称である "Animation Fade" が格納されている。これは、Server2 で扱っている素材名称と同一のものである。
詳細欄は、素材の制御あるいはスイッチャの制御に関する詳細データを格納する領域である。「再生オプション」とあるのは、使用する素材のIn点(開始のタイムコード)などである。その他、詳細欄において、 OTC Panel での手動操作を認める、入力の選択肢を設定する場合もある。指定バスについて、指定入力を選択できる OTC Panel ボタンアサインを、指定されたキューが実行(Take)された時点で実現する機能である。
カテゴリ欄が Playout Server1 の場合、選択欄には「Clip Tag 1」などの文字列が格納されている。この「Clip Tag 1」は、第1のコンピュータ装置(Automation Ctrl PC)110内で素材を識別する識別子(用途名称)である。
図32は、第1のコンピュータ110からPlayout Server1(プレイアウトサーバ31)に送信する出力素材リストの一例である。あるキュー「Cue-Name-1」に対して指定する素材が、第1のコンピュータ装置110内での識別子で格納されている。一方、Playout Server1から実際に出力させる素材指定については、操作者が、第2のコンピュータ装置120を操作して指示する。すなわち、第1のコンピュータ110の操作とは別に行う構成である。
図33は、第2のコンピュータ装置(NRCS PC)120の操作で設定される、図32に対応する実際の出力素材のPlayout Server1中の名称である。第2のコンピュータ装置120において、出力素材リストに記載された Clip Tag 1 などの Automation 用タグ(識別子)のそれぞれに、素材サーバの実際のどの素材を対応させるかを、操作者に指定させる。その結果、図33のような Automation 用タグと素材名称の対応ができあがる。
第2のコンピュータ装置120を操作するものにとっては、 Automation 用タグが表示されれば、どういう用途の素材か認識しやすいので、素材の選択指定が、容易となる。これは、第2のコンピュータ装置120に、第1のコンピュータ装置110側のプレイリスト(番組送出プログラム)が表示される場合であっても、同様である。
図34は、チャネル素材情報の例である。この例では、出力チャネルに対して、素材の番号(図32の出力素材リストにおける順序)が示されている。別の例(方法)としては、出力チャネルと Automation 用タグとの対応表を、チャネル素材情報としてもよい。
上述したように、ひな型自体に素材を指定する情報(識別子)を含むデータ構造とすることで、同じ素材を使う画構成を繰り返し使用するプレイリストの編集が容易となる。また、この場合、素材サーバの出力と、素材指定と、ひな型による制御を対応付けることができ、複数の素材を混同することなく、仕込み作業で入力した画構成を、確実に再現できる。
10・・・Automation制御ブロック、20・・・ニュースルームコントロールシステムブロック、30・・・MOS機器ブロック、31・・・プレイアウトサーバ、32・・・CG/スチルストア、40・・・Automation制御機器ブロック、41・・・スイッチャ、42・・・デバイスコントロールユニット、43・・・ビデオクリップサーバ、44・・・オーディオクリップサーバ、45・・・ビデオテープレコーダ、46・・・遠隔制御カメラ、47・・・オーディオミキサ、100・・・番組送出制御システム、101・・・データベース部、102・・・NRCSプラグイン/プレイリストビューア部、103・・・NRCSインタフェース部、104・・・オンエアープレイリスト/セットアップ部、105・・・デバイス制御部、106・・・ログ/アラーム管理部、110・・・第1のコンピュータ装置、120・・・第2のコンピュータ装置、130・・・コントロールユニット、131・・・OTCパネル