本実施形態の情報提供システム10000は、車両に搭載され、通信機能を備える車載の通信装置100と、通信装置100と情報の授受を行うサーバ2000とを備える。
図1は、情報提供システム10000の構成例を示す図である。図1に示すように、通信装置100とサーバ2000と、外部装置3000は、通信ネットワークを介して相互に情報の授受を行う。
この車載の通信装置100は、同じ車両に搭載された車両のナビゲーション装置1000、及び車両コントローラ4000と情報の授受を行う。
また、図1に示すように、通信機能を有する外部装置3000の態様は特に限定されず、移動しないオフィスのコンピュータ(外部装置A)3000、車両に搭載されたナビゲーション装置(外部装置B)3000、又は携帯電話若しくはPDA(Personal Digital Assistants)その他の携帯端末(外部装置C)3000であってもよい。
≪第1実施形態≫
以下、図面に基づいて第1実施形態について説明する。
図2は、通信装置100を含む車載のナビゲーション装置1000のブロック構成の一例、サーバ2000のブロック構成の一例、外部装置3000のブロック構成の一例を示す図である。
第一に、通信装置100を含むナビゲーション装置1000について説明する。
図2に示すように、本実施形態のナビゲーション装置1000は、通信装置100と、車両の現在位置を検出する位置検出部200と、走行履歴301などの情報を記憶する記憶装置300と、地図情報400と、自車両の走行経路を探索する経路探索部500と、目的地などの所定の地点に至る到着時刻算出部600と、経路の案内を行う案内部700と、情報を出力するとともに、ユーザからの入力を受け付ける入出力部800とを備える。
通信装置100は、ナビゲーション装置1000を構成する各部、並びに車両及び車載通信装置の情報を集中的に管理する車両コントローラ4000と情報の授受を行う。また、これらは、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続される。
なお、通信装置100、この通信装置100を含むナビゲーション装置1000、及び車両コントローラ4000、サーバ2000、及び外部装置3000は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの動作回路を組み合わせて構成される。
以下、通信装置100が備える各構成と、それに関連する構成について説明する。
本実施形態の通信装置100は、通信部10と、記憶部20、目的地特定部30と、情報作成部40と、送信制御部50とを備える。なお、具体的な構成は特に限定されないが、目的地特定部30、情報作成部40、送信制御部50は、例えば、マイクロコンピュータとメモリから構成されて動作するプログラムや、それぞれの処理を回路として組み込んだASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成することができる。
まず、記憶部20について説明する。記憶部20は、サーバ2000その他の外部装置3000との通信に用いられるアドレスデータ21を格納する。アドレスデータ21には、サーバ2000を特定する識別子に対応づけられた情報送受信用のアドレスデータ21と、各外部装置3000を特定する識別子に対応づけられた情報送受信用のアドレスデータ21と、自身である通信装置100を特定する識別子に対応づけられた情報送受信用のアドレスデータとを含む。アドレスデータ21は、情報の授受に用いられる電話番号、電子メールアドレスを含むアドレス帳として機能する。なお、外部装置3000は、他車両に搭載される通信装置100を含む。
次に、目的地特定部30について説明する。目的地特定部30は、自車両の目的地を特定する。目的地の特定手法は特に限定されず、ナビゲーション装置1000の入出力部800を介してユーザが入力した目的地を取得し、これを目的地として特定してもよい。
また、本実施形態の目的地特定部30は、ユーザにより目的地が入力されなかった場合であっても目的地を推測する目的地推測機能31を有する。
この目的地推測機能31について説明する。目的地推測機能31は、車両の出発地から目的地に至るまでの現在位置の変化が時間に対応づけて蓄積された走行履歴301を参照し、車両の出発地点が共通する走行履歴Xを抽出し、この抽出された走行履歴Xにおける目的地の分析結果に基づいて自車両の目的地を推測する。
走行履歴301は、ナビゲーション装置100の記憶装置300に蓄積される。この走行履歴は車両の現在位置の経時的な変化を記録したものである。ここで車両の現在位置は、ナビゲーション装置1000の位置検出部200が検出し、走行開始から走行終了までの走行ごとに現在位置と時間とを対応づけて走行履歴301に蓄積する。
本実施形態の位置検出装置200は、GPSシステム201を備え、測位衛星から発信される電波をGPSアンテナで受信し、自車両の現在位置を取得する。また、位置検出装置200は、ジャイロセンサ及び車輪に取り付けられた距離センサから入力される測位データに基づいて累積計算法によって現在位置を推定する自律航法を用いて車両の位置を測位する。なお、車両の現在位置の表現態様は特に限定されず、緯度・経度、その他の地図座標に基づいて表現することができる。
目的地推測機能31は、このように蓄積された走行履歴301を参照し、今回の走行における出発地と共通する地点を出発地とする走行履歴Xを抽出する。そして、抽出された一又は複数の走行履歴Xにおける目的地を分析する。本実施形態では、出発地が同じ場合は同じ目的地へ向かう傾向があることに着目し、抽出された走行履歴Xにおいて目的地となった(走行終了の地点となった)回数の最も多い地点を目的地として推測する。目的地の推測手法は、これに限定されず、目的地推測機能31は、抽出された走行履歴Xのうち最近の走行履歴Xにおいて目的地となった(走行終了の地点となった)地点を目的地として推測してもよい。
次に、通信部10について説明する。通信部10は、サーバ2000、外部装置3000と相互に情報の授受を行う。
本実施形態の通信部10は、目的地特定部30により特定された自車両の目的地と、記憶部20に格納された外部装置3000のアドレスデータ21とを情報センタに送出する。このアドレスデータ21は、通信装置100のアドレス、及び通信装置100が情報を送受信する外部装置3000のアドレスを含む。
本例の通信部10は、通信ネットワーク上に構成されたサーバ2000、及び外部装置3000との間の通信を行う広域通信機能を備える。通信部10は特に限定されず、携帯電話網、UWB(Ultra Wide Band)やDSRC(Dedicated Short Range Communication)などの無線LAN、地上波データ放送波、衛星放送波などを用いることができる。また、外部装置3000が車載装置である場合には、通信部10は、自車両と他車両との間の通信を行う車車間通信機能を有する無線LANを備えてもよい。この無線LANは特に限定されないが、例えば、ISM(Industry Science Medical)バンド(2.4GHz帯)を利用するIEEE802.11系無線LAN規格に従う無線通信デバイス、Bluetooth規格に従う無線通信デバイスなどを用いることができる。
本実施形態の通信部10は、通信機能を利用して、サーバ2000、外部装置3000と電話、電子メールによる通信を行う。
通信部10は、メール送信機能11を有し、所定のアドレスデータに宛てた電子メールを送信する。本実施形態の通信部10は、後述するサーバ2000から取得した、通信先として推測された外部装置3000のアドレスデータを用いて自車両側の情報を含む電子メールを送信する。
続いて、情報作成部40について説明する。情報作成部40は、到着予想時刻取得機能41を有し、この到着予想時刻取得機能41により取得された到着予想時刻を含む通信情報を作成する。
到着予想時刻取得機能41は、車両側で検出された自車両の現在位置と、目的地特定部30により特定された目的地と、アクセス可能な地図情報400とに基づいて、自車両が目的地に至る到着予想時刻を取得する。そして、情報作成部40は、到着予想時刻取得機能41により取得された到着予想時刻を含む通信情報を作成する。
ここで、情報作成部40の到着予想時刻取得機能41が到着予想時刻を取得する手法の一例を説明する。先述したように、自車両の現在位置は位置検出部200により検出される。また、ナビゲーション装置1000が備える地図情報400は到着予想時刻取得機能41のアクセスを受け付ける。到着予想時刻取得機能41は、地図情報400を参照し、現在位置から特定された目的地へ至る経路を探索し、自車両の車速又は経路ごとに設定された平均速度に基づいて、現在位置から目的地に至るまでに要する時間を算出し、その時間と現在時刻とから自車両が目的地に到着する時刻を求める。ちなみに、到着予想時刻取得機能41は、自車両の車速を、車両コントローラ4000から車載LANを介して取得することができる。
また、情報作成部40の到着予想時刻取得機能41は、ナビゲーション装置1000の到着時刻算出部600により算出された目的地に至る到着時刻を取得することができる。ナビゲーション装置1000の到着時刻算出部600は、経路探索部500が探索した経路を通過し、自車両が目的地に到着する時刻を算出する。具体的に、ナビゲーション装置1000の経路探索部500は、位置検出部200により検出された現在位置から入出力部800を介して入力された目的地に至る経路を、地図情報400を参照して探索する。そして、到着時刻算出部600は、地図情報400に記録された経路の平均速度、車両コントローラ4000から取得した走行速度、及び外部から取得した渋滞情報(VICS情報)などに基づいて、現在位置から目的地に至るまでに要する時間と、目的地に至る時刻を算出する。
なお、この経路探索部500による経路探索処理、及び到着時刻算出部600による到着時刻の算出処理には、通常のナビゲーション装置において用いられる経路探索手法、所要時間算出手法等を用いることができる。
さらに、本実施形態の情報作成部40は、所定の周期で目的地に至る到着予想時刻を取得し、その変化に応じた通信情報を作成する。
具体的に、本実施形態の情報作成部40は、所定間隔で到着予想時刻を取得するとともに、前回取得された到着予想時刻と今回取得された到着予想時刻を比較し、両者の時間差が所定値以上である場合は、今回取得された到着予想時刻を含む更新通信情報を作成する。
このように、到着予想時刻の変化が大きい場合に、新しい到着予想時刻を含む更新通信情報を自動的に作成することにより、渋滞や事故の影響で目的地に至るまでの所要時間が延び、先に外部装置3000に通知した到着予想時刻よりも遅れる場合が生じても、到着予想時刻が更新された更新通信情報を外部装置3000に自動的に通知することができる。
さらにまた、本実施形態の情報作成部40は、現在位置が目的地に接近したことを外部装置3000に通知する通信情報を作成する。具体的に、情報作成部40は、取得した到着予想時刻と現在時刻とを比較し、到着予想時刻と現在時刻との差が所定値未満である場合は、自車両が目的地に到着する旨を含む通信情報を作成する。本実施形態によれば、目的地で待機する通信相手に対し、自己の到着のタイミングを自動的に知らせることができる。
また、情報作成部40は、到着予想時刻の比較に代えて、車両側で検出された自車両の現在位置と目的地特定部30により特定された目的地とを比較し、自車両の現在位置が目的地の所定距離以内である場合に、自車両が目的地に到着する旨を含む通信情報を作成する。なお、この処理において、情報作成部40は、位置検出部200から自車両の現在位置を取得する。
次に、送信制御部50について説明する。送信制御部50は、情報作成部40が作成した通信情報の送信処理を制御する。送信制御部50は、通信部10を介して、情報作成部40により作成された通信情報を、後述するサーバ2000の通信支援部2040により通知されたアドレスデータを用いて、通信先として推測された外部端末に送出させる。
また、送信制御部50は、情報作成部40が到着予想時刻の変化に応じて更新通信情報を作成した場合は、その作成された更新通信情報を、後述するサーバ2000の通信支援部2040により通知されたアドレスデータを用いて、通信先として推測された外部端末に送出させる。
同じく、送信制御部50は、情報作成部40が目的地に到着する旨を含む通信情報を作成した場合は、その作成された更新通信情報を、後述するサーバ2000の通信支援部2040により通知されたアドレスデータを用いて、通信先として推測された外部端末に送出させる。
第二に、サーバ2000について説明する。図2に示すように、本実施形態のサーバ2000は、サーバ側通信部2010と、サーバ側記憶部2020と、通信先推測部2030と、通信支援部2040とを有する。
サーバ側通信部2010は、通信装置100(自車両に搭載された通信装置100、外部装置3000に含まれる通信装置100を含む)と相互に通信可能な通信機能を備える。サーバ側通信部2010の通信手法は特に限定されず、通信装置100の通信部10と同様に、携帯電話網、UWB(Ultra Wide Band)やDSRC(Dedicated Short Range Communication)などの無線LAN、地上波データ放送波、衛星放送波などを用いることができる。
サーバ側通信部2010は、目的地取得機能2011と、アドレスデータ取得機能2012を有する。目的地取得機能2011は、通信装置100から送出された各車両の目的地を取得し、サーバ側記憶部2020に記憶する。また、アドレスデータ取得機能2012は、通信装置100から送出されたアドレスデータを取得し、サーバ側記憶部2020に記憶する。
また、サーバ側通信部2010は、後述する外部装置3000から、外部装置3000の位置情報とアドレスデータを取得し、後述する外部データベースに格納する機能を有する。外部装置3000がオフィスのコンピュータなどの移動しないものである場合は、その外部装置3000の位置情報を外部データベース2021に格納しておくことができるが、外部装置3000が車載のナビゲーション装置などの移動体である場合は、サーバ側通信部2010が外部装置3000側で検出された現在位置情報を取得し、その外部装置3000の識別子と、外部装置300の位置とを対応づけて外部データベース2021に格納する。
さらに、サーバ側通信部2010は、外部装置300の現在位置の検出時刻を取得し、その外部装置3000の識別子と、外部装置300の現在位置と、現在位置の検出時刻とを対応づけて外部データベース2021に格納する。
次に、サーバ側記憶部2020について説明する。サーバ側記憶部2020は、外部装置3000の位置を少なくとも含む外部データベース2021を有する。外部データベース2021は、外部装置3000の識別子とその外部装置3000の位置情報とが対応づけられた情報を含む。先述したように、外部データベース2021は、移動する外部装置3000の識別子と、外部装置300の現在位置と、現在位置の検出時刻とが対応づけられた情報を含む。
また、サーバ側記憶部2020は、サーバ側通信部2010を介して取得した目的地及びアドレスデータを少なくとも一時的に記憶する。
次に、通信先推測部2030について説明する。通信先推測部2030は、通信装置100を搭載する車両の目的地に応じた通信先を推測する。本実施形態の通信先推測部2030は、外部装置3000の位置を含む外部データベース2021を参照し、通信装置100から受信した自車両の目的地と所定の位置関係にあるとともに、通信装置100から受信したアドレスデータに含まれる外部装置3000を通信先として推測する。
具体的に、本実施形態の通信先推測部2030は、外部装置3000の位置を含む外部データベース2021を参照し、通信装置100から受信した自車両の目的地と所定距離以内に位置する外部端末であって、かつ通信装置100から受信したアドレスデータに含まれる外部装置3000を通信先として推測する。
このように本実施形態の通信先推測部2030は、自車両が向かう目的地の近傍に位置する外部装置3000のうち、自車両の通信装置100が通信相手としてアドレスデータを有する外部装置3000を、自車両の通信装置100の通信先として推測する。
通信装置100の目的地近傍に位置するという条件だけでは、通信装置100のユーザには全く関係のない外部装置3000も含まれてしまうが、通信装置100が有するアドレスデータ21にアドレスが含まれる条件を付加することにより、ユーザの目的地の応じた通信先を正確に推測することができる。
これにより、ユーザの目的地に応じて、ユーザが連絡する可能性の高い通信先を自動的に提案することができる。
次に、通信支援部2040について説明する。通信支援部2040は、通信先推測部2030により推測された外部装置3000のアドレスデータを、通信装置100へ向けて送出する。送信したアドレスデータは、通信装置100において通信情報の送信処理に用いられる。
このとき通信支援部2040は、通信装置100に対して、推測されたアドレスデータとともに、このアドレスデータを用いた通信情報の作成命令を送信してもよい。具体的に、通信支援部2040は、通信先推測部2030により推測された外部装置3000のアドレスデータを用いて、通信先として推測された外部装置3000に自車両側の情報を送出させる命令を、通信装置100に向けて送出する。これにより、サーバ2000側がユーザの通信先を推測したタイミングで、通信装置100に、推測された通信先に通信情報を送信する準備を実行させることができる。
第三に、外部装置3000について説明する。先述したように、外部装置3000は、オフィスのコンピュータ、他車両に搭載されたナビゲーション装置、又はユーザに携帯された携帯端末などである。もちろん、外部装置300は、本実施形態の通信装置100を搭載することができる。
図2に示すように、本実施形態の外部装置3000は、外部側通信部3010と、外部側記憶部3020と、外部側位置検出機能3030を有する。
外部側通信部3010は、通信装置100と相互に通信可能な通信機能を備える。さらに、外部側通信部3010は、サーバ側通信部2010と相互に通信可能な通信機能を備えてもよい。外部側通信部3010の通信手法は特に限定されず、通信装置100の通信部10と同様に、携帯電話網、UWB(Ultra Wide Band)やDSRC(Dedicated Short Range Communication)などの無線LAN、地上波データ放送波、衛星放送波などを用いることができる。
外部側通信部3010は、後述する外部側位置検出機能3030により検出された外部装置3000の位置情報と、後述する外部側記憶装置3020に記憶されたアドレスデータ3021をサーバ2000に送出することができる。
外部側記憶装置3020は、外部装置3000と通信する際に用いられるアドレスデータ3021を読み込み可能な態様で記憶する。アドレスデータ3021は、外部装置3000の識別子と、この外部装置3000の通信用のアドレスデータを含む。さらに、アドレスデータ3021は、外部装置3000の固定的な存在位置を含むことができる。
外部側位置検出機能3030は、外部装置3000の現在位置を検出する。外部側位置検出機能3030は、先述したナビゲーション装置1000の位置検出部200と同様の機能を有する。ここでは重複した説明を避け、位置検出部200の説明を援用する。
続いて、図3のフローチャートに基づいて、以上のように構成された情報通信システム10000の動作制御手順を説明する。
通信装置100は、車両コントローラ4000から取得したイグニッションスイッチオン情報、車速情報などに基づいて、車両の運転開始を監視する(S100)。通信装置100は、車両が運転を開始したと判断した場合は、ステップ101へ進む。一方、車両の運転開始を検知できなかった場合は再びステップS100へ戻り、運転開始の監視を継続する。
目的地特定部30は目的地が設定されたか否かを判断する。ナビゲーション装置1000の入出力部800を介して、目的地が設定(入力)されるとS103へ進み、走行開始から所定時間を経過しても目的地が設定されない場合は、S102へ進む(S101)。
目的地が設定されない場合は、目的地の推測処理を行う(S102)。図4は、目的地の推測処理の手順を説明するためのフローチャート図である。
図4に示すように、目的地推測機能31は、目的地が設定された際における現在位置と、その現在位置が検出された日時情報(日時、時刻、曜日)を位置検出部200から取得する(S1)。この目的地が設定された際のおける現在位置は、その走行における出発地点として扱うことができる。
目的地推測機能31は、車両の出発地から目的地に至るまでの現在位置の変化が時間に対応づけて蓄積された走行履歴301を参照し、自車両の目的地を推測する。
図5は、記憶装置300に蓄積された走行履歴301の一態様を示す。図5に示すように、本実施形態の走行履歴は、走行のあった日時、曜日、時刻と、走行の出発地点と、その走行の到着地(目的地)が対応づけられている。
本実施形態の目的地推測機能31は、走行履歴301を参照し、S1で取得した現在位置(車両の出発地点)が共通する走行履歴Xを抽出し、抽出された走行履歴Xにおける目的地の分析結果に基づいて自車両の目的地を推測する。
目的地推測機能31は、図5に示す、前回の走行についてまで記録された走行履歴(走行の出発日時、出発地点、および到着地点)のうち、出発地点が自車両の走行開始直後の現在地(出発地点)と等しいものを検索する(S2)。
検索により抽出された走行履歴の数が所定数以上である場合は、さらに、その走行履歴における到着地点(目的地)への訪問回数を算出する(S3)。そして、目的地推測機能31は、訪問回数の最も多い到着地点(目的地)を今回の走行における目的地として推測する(S4)。
このとき、走行履歴に曜日、天候などの情報が蓄積されている場合には、目的地推測機能31は、さらに曜日が共通する走行履歴、天候が共通する(雨が降っているときの走行)走行履歴を抽出し、その走行履歴における到着地(目的地)を、今回の走行における目的地として推測することができる。
図3に戻り、目的地が設定又は推測された後の処理を説明する。通信部10は、記憶部20に格納されたアドレスデータ21を読み込む(S103)。このアドレスデータ21は、自車両がサーバ2000その他の外部装置3000と通信するために用いられる電話番号又は電子メールアドレスの情報である。
通信部10は、アドレスデータ21に含まれるサーバ2000のアドレスを用いて、目的地特定部30により特定された自車両の目的地と記憶部20に格納されたアドレスデータとをサーバ2000に送出する(S104)。
サーバ2000側の通信部2010は、通信装置100から自車両の目的地とアドレスデータとを受信する。
なお、通信装置100から目的地を受信する前において、サーバ側通信部2010は、外部装置300からその現在位置と、その外部装置300のアドレスデータ3021を取得し、外部データベース2021に蓄積することができる(2100)。つまり、移動する外部装置3000の外部側位置検出機能3030は、現在位置を検出し(S3100)、同じく外部装置3000の外部側通信部3010は、検出された現在位置と、外部側記憶部3020に記憶された外部装置3000のアドレスを、サーバ2000に向けて送出する(S3101)。
そして、サーバ側通信部2010は、受信した外部装置3000の現在位置と、その外部装置3000のアドレスとを対応づけて外部データベース2021に蓄積する(S2100)。
サーバ2000の通信先推測部2030は、通信装置100から目的地とアドレスデータとを取得した場合は、外部データベース2021を読み込み(2101)、通信先の推測処理を実行する(2102)。
ここで、通信先の推測処理の制御手順を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
通信先推測部2030は、外部データベースを読み込んだ後(S2101)、通信装置100から取得した目的地と所定の位置関係にある地点に位置する外部装置300を検索する。具体的に、通信先推測部2030は、受信した自車両の目的地と所定距離以内に位置する外部装置を検索する(S11)。
例えば、図7に示すように、自車両とともに通信装置100が目的地T3に向かって走行する場合、サーバ2000は、通信装置100から目的地T3を取得し、目的地T3の所定距離内(破線で示す楕円内)に存在する外部装置T4、T5を検索する。この目的地の周辺の範囲は、任意に設定することができ、目的地の敷地内としてもよいし、目的地の位置から半径10m以内としてもよいし、運転者が範囲を指定できるようにしてもよい。
自車両の目的地の近傍(所定距離以内)に外部装置があるか否かを判断する(S12)。目的地の近傍に外部装置があればステップS13に進む。そして、通信先推測部2030は、自車両の目的地から所定距離以内に位置する外部端末のアドレスが、通信装置100から受信したアドレスデータに含まれるか否かを判断する(S13)。
通信先推測部2030は、自車両の目的地から所定距離以内に位置する外部装置3000であって(S12でYes)、その外部装置3000のアドレスが通信装置100の有するアドレスデータに含まれている場合は(S13でYes)、その外部装置3000を通信装置100の通信先と推測し、その外部装置3000のアドレスを通信装置100へ送信する(S14)。
さらに、通信先推測部2030は、通信先として推測された外部端末に自車両側の情報を含む通信情報を作成し、送出させる命令を送信する(S15)。
再度、図3に戻り、通信先が推測された後の処理を説明する。サーバ側通信部2010は、通信先として推測された外部装置3000のアドレスと、この外部装置300を宛先とする電子メールの作成命令を、通信装置100へ送出する(S2103)。
続いて、通信装置100の情報作成部40は、外部装置3000に自車両側の情報を伝えるための通信情報を作成する(S105)。
この通信情報の作成処理を図8に基づいて説明する。図8は、通信情報の作成処理の手順を示すフローチャート図である。
本実施形態の情報作成部40は三種類のメールを作成し、通信制御部50はメールの種別に応じて適切なタイミングで送信処理を行う。
第一のメールは、自車両が出発した時点において予測される、目的地への到着予想時刻を知らせるメールであり、第二のメールは、到着予想時刻が前回送信した時刻から大幅に変更された場合に再計算した到着予想時刻を知らせるメールであり、第三のメールは目的地付近まで到着した際に、目的地に到着した旨を送信するメールである。以下、3種類のメールの作成処理と、送信処理の制御手法について説明する。
図8に示すように、まず、情報作成部40は、通信先となる外部装置3000のアドレスの受信を待機する(S31)。アドレスを受信したら、到着予想時刻取得機能41は、自車両が目的地に至る到着予想時刻を取得する(S32)。到着予想時刻取得機能41は、現在位置と目的地と地図情報と走行速度とに基づいて、到着予想時刻を自ら算出してもよいし、ナビゲーション装置1000の到着時刻算出部600により算出された到着時刻を取得してもよい。
ステップS33では、ユーザに、推測された連絡先に対して到着予想時刻(通信情報)を送信するか否かの確認をする。情報作成部40は、ナビゲーション装置のディスプレイ801又はスピーカ802を介して連絡先と通信情報の内容をユーザに提示し、ユーザの確認を促す。この提示を受けたユーザは、入力デバイス803を介して、提示された連絡先へ到着予想時刻を含む通信情報のメール送信要否を入力する(S33)。
ユーザがメールの送信を了承した場合はステップS34へ進む。一方、ユーザがメールの送信を拒否した場合は処理を終了する。
ステップS34の処理において、送信制御部50は、通信部10を介して、情報作成部40により作成された通信情報を含むメールを、サーバ2000の通信支援部2040により通知されたアドレスデータを用いて送信させる。これにより、通信情報を含むメールは、送出信先として推測された外部装置300に送信される。
通信情報を含むメールの送信が完了したら、S35へ進む。
ステップS35の処理では、前回到着予想時刻を算出してから一定時間経過したことを確認し、再度到着予想時刻を算出する。この到着予想時刻を算出する時間の間隔は、任意に設定することができ、5分でもよいし、10分でもよいし、ユーザが走行ごとに設定してもよい。
続く、ステップS36では、前記算出された到着予想時刻と現在時刻との差を算出し、到着までに要する時間が所定値未満となったか否かを判断する。目的地へ到着を判断するための所定値は任意に設定することができ、5分でもよいし、10分でもよいし、運転者が自由に設定できるようにしてもよい。
ステップS36において、到着までの時間が所定値未満であると判断された場合は、ステップS37へ進む。そして、ステップS37において、到着までに要する時間が所定時間未満となったため、情報作成部40は、自車両がもうすぐ目的地に到着する旨を含む通信情報を作成する。
ステップS37では、ユーザに、目的地に到着する旨の通信情報を送信するか否かの確認をする。情報作成部40は、ナビゲーション装置のディスプレイ801又はスピーカ802を介して連絡先と通信情報の内容をユーザに提示し、ユーザに確認を促す。この提示を受けたユーザは、入力デバイス803を介して、提示された連絡先へ目的地に到着する旨の通信情報のメール送信要否を入力する(S37)。
ユーザがメールの送信を了承した場合はステップS38へ進む。一方、ユーザがメールの送信を拒否した場合は処理を終了する。
ステップS38の処理において、送信制御部50は、通信部10を介して、情報作成部40により作成された通信情報を含むメールを、サーバ2000の通信支援部2040により通知されたアドレスデータを用いて送信させる。これにより、通信情報を含むメールは、送出信先として推測された外部装置300に送信される。通信情報を含むメールの送信が完了したら、処理を終了する。
ステップS36に戻り、到着までの時間が所定値以上であると判断された場合は、ステップS39へ進む。情報作成部40は、所定間隔で到着予想時刻を取得(算出を含む)するとともに、前回取得された到着予想時刻と今回取得された到着予想時刻を比較する。到着予想時刻の時間差は任意に設定することができ、5分、10分又は、ユーザが任意に設定することができる(S39)。
ステップS39において、両者の時間差が所定値以上である場合は、ステップS40に進む。他方、両者の時間差が所定値未満である場合は、ステップS35へ戻る。
情報作成部40は、前回取得された到着予想時刻と今回取得された到着予想時刻の時間差が所定値以上であると判断された場合、今回取得された到着予想時刻を含む更新通信情報を作成する。
ステップS40では、ユーザに、前回送信した到着予測時刻の変更通知メール(更新通知情報)を送信するか否かの確認をする。情報作成部40は、ナビゲーション装置のディスプレイ801又はスピーカ802を介して連絡先と通信情報の内容をユーザに提示し、ユーザに確認を促す。この提示を受けたユーザは、入力デバイス803を介して、提示された連絡先へ更新された到着予想時刻を含む更新通信情報のメール送信要否を入力する(S40)。
ユーザがメールの送信を了承した場合はステップS41へ進む。一方、ユーザがメールの送信を拒否した場合は、ステップS35の処理に戻る。
ステップS41の処理において、送信制御部50は、通信部10を介して、情報作成部40により作成された更新通信情報を含むメールを、サーバ2000の通信支援部2040により通知されたアドレスデータを用いて送信させる。これにより、更新通信情報を含むメールは、送出信先として推測された外部装置300に送信される。更新通信情報を含むメールの送信が完了したら、処理を終了する。
本実施形態の通信装置100は以上のように構成され動作するので、以下の効果を奏する。
本実施形態の通信装置100によれば、車両の目的地に応じた位置にある外部端装置3000のアドレスデータを推測するので、情報送信時において利用者が送信先アドレスを選択するといった操作をする必要がなく、利用者の煩わしさを低減させることができる。
つまり、ユーザが向かおうとしている目的地周辺に位置する外部装置3000、すなわち目的地周辺に位置するオフィスのコンピュータ、友人・知人の利用するカーナビゲーションや携帯端末を通信先として自動的に選定することにより、車両を運転するユーザがアドレス帳から目的のアドレスを探索し、宛先に指定するといった操作を不要にすることができる。
これにより、例えば、ユーザが会社へ向かう通勤途中に事故・渋滞等に遭遇し、予定の到着時間よりも遅れる場合などにおいて、予めアドレスデータに登録されている会社の同僚・上司のコンピュータ(外部装置)3000が通信先として自動的に推測されることにより、アドレス検索などの煩雑な操作を行うことなく、通信情報を送信することができる。
通信装置100は、目的地に応じて推測された通信先のアドレスデータを取得することにより、自らアドレス検索などを行うことなく、メールを送信するなどの連絡手段を利用することができる。
また、通信装置100は、目的地に応じて推測された通信先のアドレスデータとともに、そのアドレスデータを宛先とするメールを送信する命令をサーバ2000から取得することにより、メールの作成、メールの送信なども自動化することができる。
走行中に生じた情報や緊急に伝えたい情報は、ユーザがこれから向かう目的地にいる相手に関係する確率が高いという傾向に着目し、本実施形態の情報通信システム10000は、自車両の目的地と所定の位置関係、特に、目的地から所定距離以内に位置する外部装置3000を、自車両搭載の通信装置100の通信先と推測する。これにより、推測された通信先がユーザの意図に合致する確率を高め、ユーザが推測された通信先をキャンセルして通信先を選びなおすといった煩わしい操作を低減させることができる。
また、本実施形態の情報通信システム10000は、走行履歴を参照し、自車両の出発地点に基づいて目的地を推測するため、目的地が設定されない場合であっても、目的地に応じて推測された通信先を得ることができる。これにより、勤務先などのユーザがよく行く場所であって、わざわざ目的地の設定などを行わないことが常であるような場合であっても、通信先を自動的に推測することができ、アドレス検索などの煩雑な操作を行うことなく、通信情報を送信することができる。つまり、推測された通信先のアドレスデータを得るために、目的地の設定が求められるといったことがない。
本実施形態の情報通信システム10000は、目的地に応じて推測された通信先に対して、その目的地に至る到着予想時刻を含む通信情報を自動的に作成し、通信情報が作成されたタイミングで外部装置3000に送出する。これにより、出発時などのタイミングにおける到着予想時刻を、通信先を検索するなどの操作をすることなく、目的地に応じて推測された通信先に予め知らせることができる。
また、本実施形態の情報通信システム10000は、前回の到着予想時刻と今回の到着予想時刻に所定値以上の差が生じた場合は、新たな到着予想時刻を含む更新通信情報を自動的に作成し、更新通信情報が作成されたタイミングで外部装置3000に送出する。これにより、渋滞、事故、交通規制などによる遅延が発生し、到着時刻に遅れが生じることが判明したタイミングで、通信先を検索するなどの操作をすることなく、新たな到着予想時刻を目的地に応じて推測された通信先に予め知らせることができる。
交通状況による遅れの度合いは時間の経過に応じて変化することが多いため、その状況の変化の度に通信先に連絡する必要が生じるが、本実施形態の情報通信システム10000によれば、到着予想時刻が変化したタイミングごとに、通信先を検索するなどの操作をすることなく、新たな到着予想時刻を自動的に知らせることができる。
さらにまた、本実施形態の情報通信システム10000は、到着予想時刻と現在時刻との差が所定値未満となった場合は、自車両が目的地に到着する旨を含む通信情報を作成し、通信情報が作成されたタイミングで外部装置3000に送出する。これにより、目的地に到着乃至到着間近となったタイミングで、通信先を検索するなどの操作をすることなく、目的地に到着した旨を、目的地に応じて推測された通信先に予め知らせることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
図9は、通信装置100を含む車載のナビゲーション装置1000のブロック構成の一例と、サーバ2001のブロック構成の一例を示す図である。本実施形態の外部装置3000は、他車両に搭載された通信装置100+nであり、通信装置100と同じ構成を有する。
第2実施形態は、過去に共通の目的地に存在した外部装置3000(他車両に搭載された通信装置100+nを含む)があった場合に、再度その目的地に向かうときにはその外部装置3000を通信先として推測する点を特徴とする。
具体的に、サーバ2001は、共通の目的地に所在した外部装置3000のアドレスデータを抽出する地点共通アドレス抽出部2050を備える。
そして、通信装置100は地点共通アドレス抽出部2050により抽出されたアドレスデータに基づいて作成された地点別アドレスデータ22と、この地点別アドレスデータに基づいて通信先を推測する第2通信先推測部60とを備える。
第2実施形態の情報通信システム10000Aの構成は、図1及び図2に示す第1実施形態の情報通信システム10000と基本的に共通する。ここでは重複した説明を避けるため、異なる点を中心に説明する。
図9に示すように、本実施形態の通信装置100は、通信部10と、記憶部20と、目的地特定部30と、第2通信先推測部60と、情報作成部40と、送信制御部50とを有する。
本実施形態の通信部10は、車両の走行が終了したときの当該車両の現在位置をその車両から取得するとともに、取得した車両の現在位置の位置情報と記憶部20に格納されたアドレスデータ21とをサーバ2001に送出する。通信機能などは、第1実施形態の通信部10と同様である。
通信部10は、自車両の走行が終了したタイミングを、車両コントローラ4000から取得するイグニッションスイッチ情報、ACCオンオフ情報、エンジン情報に基づいて得る。具体的に、通信部10は、イグニッションスイッチのオフ情報、車速ゼロ情報、ACCオフ情報、ブレーキ動作情報、エンジンオフ情報から、車両が停車し、走行が終了したことを示す車両情報を取得することができる。すなわち、通信部10は、車両コントローラ4000から取得した、イグニッションスイッチのオフ情報、ACCオフ情報、エンジンの停止情報の受信をタイミングに基づいて、自車両の走行が終了したタイミングを判断する。
そして、通信部10は、自車両の走行が終了したタイミングにおける現在位置を位置検出部200から取得する。
また、外部装置3000との通信に用いられるアドレスデータは、外部装置3000の電話番号又は電子メールアドレスのみならず、自身の電話番号又は電子メールアドレスを含む。
自車両に搭載された通信装置100の走行終了時の現在位置とそのアドレスデータと、他車両に搭載された通信装置100(外部装置3000)の走行終了時の現在位置とそのアドレスデータは、サーバ2001へ送出される。
これを受信したサーバ側通信部2010は、外部装置3000の位置と当該外部装置のアドレスデータを含む外部データベース2022に格納する。
地点共通アドレス抽出部2050は、外部データベース2022を参照し、通信装置100から取得した車両の走行が終了した際の現在位置と共通する位置情報に対応づけられた外部装置3000(他車両搭載の通信装置100+nを含む)のアドレスデータであって、自車両の通信装置100から受信したアドレスデータ21に含まれる外部装置(他車両搭載の通信装置100+nを含む)のアドレスデータを抽出する。
地点共通アドレス抽出部2050は、抽出した外部端末のアドレスデータと車両の走行が終了した際の現在位置とを対応づけて、自車両の通信装置100へ向けて送出する。
車両が走行を終了した地点は、車両の目的地と推測することができる。本実施形態では、過去の走行において、走行終了時の地点が共通する車両同士は、共通の目的地に存在した可能性が高いという観点から、自車両の通信装置100から受信した車両の走行が終了した際の現在位置と共通する地点に対応づけられたアドレスデータを通信先の候補として抽出する。
しかし、走行終了地点(目的地)が共通するというだけで通信先として推測すると、偶然に居合わせた車載の通信装置101〜100+nや外部装置3000までも通信先の候補としてしまう可能性がある。
そのため、本実施形態では、さらに通信装置100から受信した外部装置のアドレスデータに含まれている場合に、そのアドレスデータを目的地に応じた通信先の候補として抽出する。アドレスデータに含まれていれば、通信装置100のユーザが普段から連絡する相手とみなすことができるためである。
さらに、外部データベース2022に車両の走行が終了した際の日時が含まれる場合は、自車両と同時期に共通の目的地(走行終了地点)に停車した外部装置3000のアドレスデータを通信先の候補として抽出するという条件を付加してもよい。これにより、同時期に共通の目的地に存在した可能性の高い外部装置3000のアドレスデータを通信先の候補として抽出することができる。
通信支援部2040は、地点共通アドレス抽出部2050により抽出された外部装置3000(他車両の通信装置100+nを含む)のアドレスデータと、走行終了時の位置情報を対応づけて、自車両搭載の通信装置100へ向けて送出させる。
サーバ2001から、通信先の候補として抽出されたアドレスデータを受信した通信装置100の通信部10は、これを、地点別アドレスデータ22として記憶部20に格納する。地点別アドレスデータ22は、サーバ2001から取得したアドレスデータを、自車両の走行終了時における位置情報に対応づけた情報である。
図10に地点別アドレスデータ22の一態様を示す。図10に示すように、各車両の走行が終了したタイミングにおける地点を示す経度及び緯度と、その車両に搭載された通信装置100+nの電話番号及び/又はメールアドレスを含むアドレスデータとが対応づけられている。図示はしないが、車両の走行が終了したときの現在位置に、車両の走行が終了したタイミングを対応づけてもよい。これにより、自車両搭載の通信装置100と同時期に同じ位置で走行を終了した他車両搭載の通信装置101〜100+nのアドレスデータ、すなわち、同時期に同じ目的地に所在した者のアドレスデータを特定することができる。
第2通信先推測部60は、地点別アドレスデータ22を参照し、目的地特定部30により特定された目的地と共通する地点に対応づけられたアドレスデータを通信先として推測する。
なお、目的地特定部30、情報作成部40、送信制御部50の機能は、第1実施形態における目的地特定部30、情報作成部40、送信制御部50と共通する。
続いて、図11のフローチャートに基づいて、地点別アドレスデータ22の蓄積処理を説明する。図11に示すように、まず、ステップS51において、通信部10は、車両の走行が終了したか、すなわち、車両が停車したか否かを判断する。この判断は、車両コントローラ4000から取得した、イグニッションスイッチのオフ情報、ACCオフ情報、エンジンの停止情報に基づいて、自車両の走行が終了したか否かを判断する。
車両が停車したと判断された場合は、ステップS52へ進む。一方、車両が停車したと判断されなかった場合は、再びステップS51へ戻り、処理を繰り返す。
ステップS52において、通信装置100の通信部10は、車両の走行が終了したとき、たとえば車両が停車したときの現在位置と外部装置3000との連絡に用いられるアドレスデータ21とをサーバ2001へ送出する。
サーバ2001のサーバ側通信部2010は、車両の通信装置100から車両が停車したときの位置情報とアドレスデータ21を取得する。
ステップS53において、サーバ2001の地点共通アドレス抽出部2050は、通信装置100から取得した車両の走行が終了した際の現在位置と共通する位置情報に対応づけられた外部装置3000のアドレスデータを探索する。つまり、走行終了地点(目的地)が共通する他車両搭載の通信装置100+nその他の外部装置3000を探索する。
なお、共通する地点であるか否かの判断は任意に定義することができる。たとえば、判断対象となる両地点がある施設の敷地内に属している場合は共通する地点であると判断してもよいし、判断対象となる両地点の距離が所定値以内である場合は共通する地点であると判断してもよい。また、走行終了時の現在位置から半径10m以内に位置すれば位置が共通する地点であると判断してもよいし、運転者が、地点が共通すると判断できる範囲を指定してもよい。
ステップS54において、走行終了地点が共通する外部装置3000があった場合はステップS55に進み、走行終了地点が共通する外部装置3000がなかった場合は終了する(S54)。
続いて、ステップS55において、地点共通アドレス抽出部2050は、通信装置100から取得した車両の走行が終了した際の現在位置と共通する位置情報に対応づけられた外部装置3000のアドレスデータのうち、ステップ52において通信装置100から受信したアドレスデータに含まれる外部装置3000のアドレスデータを抽出する。そして、通信支援部2040は、地点共通アドレス抽出部2050により抽出されたアドレスデータを、通信部10を介して通信装置100へ送出する。本実施形態では、抽出されたアドレスデータとともに、走行終了地点の位置情報を通信装置100へ送出する。
通信装置100の通信部10は、抽出されたアドレスデータと走行終了地点の位置情報を受信し、このアドレスデータを走行が終了した際の位置情報に対応づけた地点別アドレスデータ22として蓄積し、地点別アドレスデータの蓄積処理を終了する。
次に、図12のフローチャートに基づいて、通信先の推測処理を説明する。
図12に示すように、ステップS61において、目的地特定部30により目的地が特定されたか否かを監視し、目的地が特定されたらステップS62へ進む。
ステップS62において、第2通信先推測部60は、地点別アドレスデータ22を参照し、目的地特定部30により特定された目的地と共通する地点に対応づけられたアドレスデータを検索する。地点が共通するか否かの判断は、任意に定義することができる。たとえば、判断対象となる両地点がある施設の敷地内に属している場合は共通する地点であると判断してもよいし、判断対象となる両地点の距離が所定値以内である場合は共通する地点であると判断してもよい。また、走行終了時の現在位置から半径10m以内に位置すれば位置が共通する地点であると判断してもよいし、運転者が、地点が共通すると判断できる範囲を指定してもよい。
目的地と共通する地点に対応づけられたアドレスデータがあったか否かを判断する(S63)。該当するアドレスデータがあればステップS64へ進み、なければ処理を終了する。
ステップS64において、第2通信先推測部60は、抽出したアドレスデータを通信先として推測する。
これに続いて、通信情報の作成、送信が実行される。通信情報の作成及び送信は第1実施形態と共通する。
本実施形態は、以上のように構成され動作するので、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、過去に共通の場所に居た相手がある場合に、再度その場所を目的地とするときにはその相手を通信先として推測することができる。
すなわち、運転者が過去に滞在した地点に共に位置した外部装置(他車両に搭載された通信装置100+nを含む)が存在した場合、つまり、過去に運転者と同じ場所に友人・知人が居た場合には、次回に運転者がその地点を目的地とする際には、自動的にその外部装置(その友人・知人)を通信先として推測して通信を行うことにより、運転者がアドレス帳と探索する操作を省くことができる。
たとえば、過去に、運転者がゴルフ仲間とともにあるゴルフ場へ行った場合に、次回再び同じゴルフ場へ向かう際に、過去にそのゴルフ場にともに訪れたゴルフ仲間を通信先として自動的に選択することができる。
このため、運転者がそのゴルフ場に向かうときの連絡において、アドレス帳と探索する操作を省くことができる。すなわち、そのゴルフ場に向かうときに事故・渋滞が発生し、遅延を連絡しなければならない場合に、アドレスの探索作業を行うことなく連絡したい相手と通信をすることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。
図13は、通信装置100Aを含む車載のナビゲーション装置1000のブロック構成の一例を示す図である。本実施形態の通信装置100Aは、サーバとの連絡を行うことなく、通信先の推測処理を行う。
第3実施形態は、過去にある目的地に向かうときに通信をした外部装置3000(他車両に搭載された通信装置100+nを含む)があった場合に、再度その目的地に向かうときにはその外部装置3000を通信先として推測する点を特徴とする。
具体的に、通信装置100は走行別アドレスデータ23と、この走行別アドレスデータに基づいて通信先を推測する第3通信先推測部70とを備える。
第3実施形態の通信装置100Aの構成は、図1及び図2に示す第1実施形態の通信装置100、図9に示す第2実施形態の通信装置100と基本的に共通する。ここでは重複した説明を避けるため、異なる点を中心に説明する。
図13に示すように、本実施形態の通信装置100は、通信部10と、記憶部20と、目的地特定部30と、第3通信先推測部70と、情報作成部40と、送信制御部50とを有する。
通信部10は、車両が走行を開始してから走行を終了するまでに外部装置3000との通信に用いられたアドレスデータを、各走行履歴に対応づけた走行別アドレスデータ23に蓄積する。
車両の走行の開始及び走行の終了のタイミングは、第2実施形態と同様に、車両コントローラ4000のから取得したイグニッションスイッチのオンオフ情報等から取得する。通信部10は、走行の開始から走行の終了までの間に通信をした外部装置3000のアドレスデータを各走行履歴(走行開始から走行終了まで)の識別子に対応づけて走行別アドレスデータ23に蓄積する。なお、走行別アドレスデータ23は記憶部20に格納される。
次に第3通信先推測部70について説明する。第3通信先推測部70は、記憶部20に格納された外部装置3000の走行別アドレスデータ23を参照し、目的地特定部30により特定された自車両の目的地と共通する地点で走行が終了した走行履歴に対応づけられたアドレスデータを通信先として推測する。なお、目的地特定部30、情報作成部40、送信制御部50の機能は、第1実施形態における目的地特定部30、情報作成部40、送信制御部50と共通する。
続いて、図14のフローチャートに基づいて、走行別アドレスデータの蓄積処理を説明する。
図14に示すように、まず、ステップS51において、通信部10は、ステップS71において、車両が運転を開始したかどうかを判別する。運転が開始された場合には、ステップS72の処理へ進む。一方、運転が開始されない場合は再びステップS71へ戻り、処理を繰り返す。
ステップS72において、走行開始後に外部装置3000との通信があったかどうか判断する。走行開始後に通信がなかったと判断された場合にはステップS74へ進む。一方、走行開始後に通信があった場合はステップS73の処理へ進み、通信を行った外部装置3000のアドレスデータを一時的に保存してからステップS74へ進む。
ステップS74の処理において、車両が停車したかどうかを判断する。車両が停車、すなわち、走行が終了したと判断した場合は、ステップS75へ進み、車両の走行が終了した地点とその走行中に通信を行った外部装置3000のアドレスデータを対応づけて走行別アドレスデータ23に蓄積し、登録処理を終了する。
ステップS74において、車両が停車していないと判断された場合は、再びステップS72の処理へ戻り、処理を繰り返す。
次に、図15のフローチャートに基づいて、通信先の推測処理を説明する。図15に示すように、ステップS81において、目的地特定部30により目的地が特定されたか否かを監視し、目的地が特定されたらステップS82へ進む。
ステップS82において、第3通信先推測部70は、走行別アドレスデータ23を参照し、目的地特定部30により特定された目的地と共通する地点に対応づけられたアドレスデータを検索する。地点が共通するか否かの判断は、任意に定義することができる。たとえば、判断対象となる両地点がある施設の敷地内に属している場合は共通する地点であると判断してもよいし、判断対象となる両地点の距離が所定値以内である場合は共通する地点であると判断してもよい。また、走行終了時の現在位置から半径10m以内に位置すれば位置が共通する地点であると判断してもよいし、運転者が、地点が共通すると判断できる範囲を指定してもよい。
目的地と共通する地点に対応づけられたアドレスデータがあったか否かを判断する(S83)。該当するアドレスデータがあればステップS84へ進み、なければ処理を終了する。
ステップS84において、第2通信先推測部60は、抽出したアドレスデータを通信先として推測する。
これに続いて、通信情報の作成、送信が実行される。通信情報の作成及び送信は第1実施形態と共通する。
本実施形態は、以上のように構成され動作するので、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、車両が目的地(走行終了地点)に到着するまでの間に連絡した外部装置3000については、次回再び同じ目的地へ向かうときに自動的に通信先として選出することにより、運転者がアドレス帳を探索する手間を削減することが出来る。
本実施形態によれば、過去にある目的地に向かう場合に連絡をした相手がある場合に、再度その場所を目的地とするときにはその相手を通信先として推測することができる。
すなわち、運転者が過去にある目的地に向かう際に連絡をした外部装置(他車両に搭載された通信装置100+nを含む)が存在した場合、すなわち、過去に運転者が目的地に向かうときに連絡をした友人・知人が居た場合には、次回に運転者がその地点を目的地とする際には、自動的にその外部装置(その友人・知人)を通信先として推測して通信を行うことにより、運転者がアドレス帳と探索する操作を省くことができる。
たとえば、過去に、運転者がゴルフ仲間とともにあるゴルフ場へ行く行程で連絡を取り合ったことがある場合に、次回再び同じゴルフ場へ向かう際に、過去にそのゴルフ場に行くときに連絡をとりあったゴルフ仲間を通信先として自動的に選択することができる。
このため、運転者がそのゴルフ場に向かうときの連絡において、アドレス帳と探索する操作を省くことができる。すなわち、そのゴルフ場に向かうときに事故・渋滞が発生し、遅延を連絡しなければならない場合に、アドレスの探索作業を行うことなく連絡したい相手と通信をすることができる。
なお、以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
すなわち、本明細書では、本発明に係る情報通信システムの一例である情報通信システム10000,10000Aの一態様として、車載通信装置の一例としての通信装置100…100+nと、情報センタの一例としてのサーバ2000又は2001とを備えるシステムを説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
もちろん、第3実施形態のように、外部データベース2021、通信先推測部2030を車載装置側に設け、車載装置側で目的地の推測、通信情報の送信を実行させるように構成することもできる。
また、本実施形態では通信装置100等が、ナビゲーション装置1000に含まれる態様を説明したが、ナビゲーション装置とは独立の装置として構成することもできる。加えて、この通信装置100は、ナビゲーション装置1000、車両コントローラ400、その他の車載装置とCANシステムなどの車載無線LANを介して相互に情報の授受を行うことができる。
さらに、本明細書では、ナビゲーション装置1000の一態様として、位置検出装置200と、記憶装置300と、地図情報400と、経路探索部500と、到着時刻算出部600と、案内部700と、入出力部800とを備える態様を説明したが、これに限定されるものではない。
また、本明細書では、車載通信装置の一例として、記憶手段の一態様としての記憶部20と、目的地特定手段の一態様としての目的地特定部30と、通信手段の一態様としての通信部10とを有する通信装置100…100+nを説明するが、これに限定されるものではない。
これに加えて、情報作成手段の一態様としての情報作成部40と、送信制御手段の一態様としての送信制御部50とをさらに有する通信装置100…100+nを説明するが、これに限定されるものではない。
さらに、第2通信先推測手段の一態様としての第2通信先推測部60を有する通信装置100…100+nを説明するが、これに限定されるものではない。
さらにまた、第3通信先推測手段の一態様としての第3通信先推測部70を有する通信装置100…100+nを説明するが、これに限定されるものではない。
また、本明細書では、情報センタの一例として、通信先推測手段の一態様としての通信先推測部2030と、通信支援手段の一態様としての通信支援部2040とを有するサーバ2000を説明するが、これに限定されるものではない。
さらにまた、本明細書では、情報センタの一例として、地点共通アドレス抽出手段の一態様としての地点共通アドレス抽出部2050と、通信支援手段の一態様としての通信支援部2040とを有するサーバ2001を説明するが、これに限定されるものではない。