無線通信システム1000は、例えばEvolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムであり、基地局装置(eNB: eNode B)200と複数のユーザ装置(UE: User Equipment、あるいは、移動局とも呼ばれる)100n(1001、1002、1003、・・・100n、nはn>0の整数)とを備える。基地局装置200は、上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300と接続され、アクセスゲートウェイ装置300は、コアネットワーク400と接続される。ここで、ユーザ装置100nはセル50において基地局装置200とEvolved UTRA and
UTRANにより通信を行う。
以下、ユーザ装置100n(1001、1002、1003、・・・100n)については、同一の構成、機能、状態を有するので、以下では特段の断りがない限りユーザ装置100nとして説明を進める。
無線通信システム1000は、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDM(直交周波数分割多元接続)、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。上述したように、OFDMは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各周波数帯上にデータを載せて伝送を行う方式である。SC−FDMAは、周波数帯域を分割し、複数の端末間で異なる周波数帯域を用いて伝送することで、端末間の干渉を低減することができる伝送方式である。
ここで、Evolved UTRA and UTRANにおける通信チャネルについて説明する。
下りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)と、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)とが用いられる。下りリンクでは、物理下りリンク制御チャネルにより、下りリンクの共有チャネルに関するユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、上りリンクの共有チャネルに関するユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、上りリンクの共有チャネルの送達確認情報などが通知される。または、物理下りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。上記ユーザデータは、トランスポートチャネルとしては、下りリンク共有チャネルDonwlink−Share Channel (DL−SCH)である。
上りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)と、LTE用の制御チャネルとが用いられる。尚、LTE用の制御チャネルには、物理上りリンク共有チャネルと時間多重されるチャネルと、周波数多重されるチャネルの2種類がある。物理上りリンク共有チャネルと周波数多重される制御チャネルは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)と呼ばれる。
上りリンクでは、LTE用の制御チャネルにより、下りリンクにおける共有チャネルのスケジューリング、適応変復調・符号化(AMC: Adaptive Modulation and Coding)に用いるための下りリンクの品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)及び下りリンクの共有チャネルの送達確認情報(HARQ ACK information)が伝送される。また、物理上りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。上記ユーザデータは、トランスポートチャネルとしては、上りリンク共有チャネルUplink−Shared Channel(UL−SCH)である。
次に、本実施例に係る基地局装置において実行される通信制御方法としての下りリンクMAC(DL MAC)データ送信手順について説明する。
本実施例において、論理チャネルは、例えば無線ベアラ(Radio bearer)に対応する。また、プライオリティクラス(Priority class)は、例えば優先度に対応する。
物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)の送信帯域の割当て単位について説明する。PDSCHの送信帯域の割当ては、例えばシステムパラメータとして定義されるリソースブロックグループ(Resource block group)(以下、RB groupと呼ぶ)を単位として、サブフレーム(Sub-frame)毎に行われる。RB groupは、複数のResource Block (RB)から構成され、RBとRB groupの対応関係は、システムパラメータとして外部入力インタフェース(IF)より設定される。パーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)が適用されるPDSCHに対しても、上記RB group単位で送信帯域の割り当てが行われる。以下、Resource groupが構成される場合について説明するが、Resource groupを構成せずにResource Blockを単位としてPDSCHの送信帯域の割当てを行うようにしてもよい。
また、以下の説明において、ダイナミックスケジューリングとは、動的に無線リソースの割り当てを行う第1のリソース割り当て方法に相当する。ダイナミックスケジューリングが適用される下りリンク共有チャネル(DL−SCH)は、該ユーザ装置に対して任意のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられ、その場合の送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMOに関する情報等は様々な値が設定される。
一方、パーシステントスケジューリングとは、データ種別、あるいは、データを送受信するアプリケーションの特徴に応じて、一定周期毎にデータの送信機会を割り当てるスケジューリング方法であり、一定周期毎に無線リソースの割り当てを行う第2のリソース割り当て方法に相当する。すなわち、パーシステントスケジューリングが適用される下りリンク共有チャネル(DL−SCH)は、該ユーザ装置に対して所定のサブフレームにおいて下りリンクの共有チャネルが送信され、その場合の送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMOに関する情報等は、所定の値が設定される。すなわち、予め決められたサブフレームにおいて共有チャネル(無線リソース)が割り当てられ、予め決められた送信フォーマットで下りリンク共有チャネル(DL−SCH)が送信される。上記予め決められたサブフレームは、例えば、一定の周期となるように設定されてもよい。また、上記予め決められた送信フォーマットは、一種類である必要はなく、複数の種類が存在してもよい。
次に、ダウンリングMACデータ送信手順について、図2を参照して説明する。図2は、スケジューリング係数の計算によるスケジューリング処理から、トランスポートフォーマット(Transport format)及び割り当てられるRB groupを決定するDL TFR selection処理までの手順を示したものである。
基地局装置200において、DL MAC最大多重数NDLMAX設定が行われる(ステップS202)。DL MAC最大多重数NDLMAXは、ダイナミックスケジューリング(Dynamic Scheduling)が適用される下りリンク−共有チャネル(DL−SCH)の、1サブフレームにおける最大多重数であり、外部インタフェース(I/F)より指定される。
次に、基地局装置200は、ステップS206において、当該Sub-frameにおけるPCHおよびRACH responseの数をカウントし、その数をそれぞれNPCH、NRACHresとする。ここで、PCHおよびRACH responseの数として、実際のPCHやRACH responseの数ではなく、PCHのためのDownlink Scheuling Informationの数およびRACH responseのためのDownlink Scheduling Informationの数を算出してもよい。
次に、基地局装置200において、スケジューリング係数の計算(Calculation for Scheduling coefficients)が行われる(ステップS208)。当該Sub-frameにおいてダイナミックスケジューリング(Dynamic scheduling)による無線リソースの割り当てが行われるユーザ装置(UE: User Equipment)を選択する。当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数をNDL−SCHと定義する。
ステップS212では、下りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択(DL TFR selection: Downlink Transport format and Resource selection)が行われる。すなわち、同期信号(Synchronization Signal、同期チャネルSCHとも呼ばれる)、報知チャネル(BCH)、ページングチャネル(PCH)、ランダムアクセスチャネル応答(RACH response、あるいは、ランダムアクセス手順におけるMessage2)及びパーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)が適用されるDL−SCH,Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。
次に、ステップS208において行われるスケジューリング係数の計算について、図3を参照して説明する。
図3には、スケジューリング係数の計算により、Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの選択を行う処理フローを示す。基地局装置200は、LTE アクティブ(LTE active)状態、例えばRRC(Radio Resource Control)接続状態にある全てのUEに対して以下の処理を実行する。
n=1、Nscheduling=0に設定される(ステップS302)。ここで、nはユーザ装置100nのインデックスであり、n=1,・・・,N(N>0の整数)である。
次に、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)エンティティステータスの更新(Renewal of HARQ Entity Status)が行われる(ステップS304)。ここでは、当該UEの、下りリンク共有チャネルに対する送達確認情報としてACKを受信したプロセスを解放する。また、最大再送回数に達したプロセスも解放し、プロセス内のユーザデータを廃棄する。最大再送回数は、Priority class毎に外部入力インタフェース(IF)より設定される。また、複数の論理チャネルが多重されているMAC PDUの最大再送回数は、最も優先度の高いPriority Classの論理チャネルの最大再送回数に従うこととする。
次に、メジャメントギャップのチェック(Measurement Gap Check)が行われる(ステップS306)。当該UEに関して、当該Sub-frame、すなわち、下りリンクの共有チャネルを送信するサブフレームがMeasurement gapに含まれるか否か、または、上記下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報ACK/NACKを受信するSub-frameがMeasurement gapに含まれるか否かを判定する。当該Sub-frameがMeasurement gapに含まれるか否か、または、ACK/NACKを受信するSub-frameがMeasurement gapに含まれると判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。Measurement gapは、UEが異周波ハンドオーバを行うために、異なる周波数のセルの測定を行っている時間間隔であり、その時間には通信できないため、UEは、下りリンクの共有チャネルを受信できない。また、UEは、異なる周波数のセルの測定を行っている時間間隔において、上記ACK/NACKを送信できない、すなわち、基地局装置100nはACK/NACKを受信できない。Measurement gap Checkの結果がNGの場合(ステップS306:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。
ここで、上記異なる周波数のセルとは、Evolved UTRA and UTRANのセルであってもよいし、異なるシステムのセルであってもよい。例えば、異なるシステムとして、GSM、WCDMA、TDD−CDMA、CDMA2000、WiMAX等が考えられる。
次に、間欠受信(DRX)のチェックが行われる(ステップS308)。当該UEがDRX
状態か否か、及び、当該UEがDRX状態である場合に、当該Sub-frameがDRX受信タイミングであるか否かを判定する。DRX状態であり、かつ、DRX受信タイミングでないと判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。すなわち、「DRX状態でない場合」または「DRX状態で、かつ、DRX受信タイミングである場合」にOKを返す。「DRX状態でない場合」には後述するflagDRXを0とし、「DRX状態で、かつ、DRX受信タイミングである場合にflagDRXを1とする。ここで、DRX受信タイミングとは、間欠受信を行っている状態における、データを受信可能なタイミングのことを指す。また、DRX状態であり、かつ、DRX受信タイミングでないという状態は、下りリンクの信号を受信しないスリープ状態に相当する。
DRX Checkの結果がNGの場合(ステップS308:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。
次に、上りリンクの同期状態のチェック(UL Sync Check)が行われる(ステップS310)。当該UEの上りリンクの同期状態が同期外れType Bであるか否かを判定する。同期外れType Bであると判定した場合にNGを返し、同期外れType Bでないと判定した場合にOKを返す。
UL Sync Checkの結果がNGの場合(ステップS310:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。尚、同期外れType Aである場合には、当該UEをスケジューリングの対象から除外しない。
eNB200はRRC_connected状態の各UE100nに関して以下の2種類の上りリンクの同期状態の判定を行う。
セル半径を考慮したウインドウ1(Window1)、例えば、RACH preambleを待ち受けるWindow程度の大きさ内で当該UEのSounding RSのPower判定を行う。すなわち、当該UEのPower判定におけるメトリック(metric)が所定の閾値を超える場合にはPower判定OKとし、超えない場合にはPower判定NGとする。尚、本判定における反映時間(OKと判定するまでの時間、あるいは、NGと判定するまでの時間)は、Sounding RSを連続受信している状態で200ms−1000msを目安とする。
また、FFT timingとCP長により定義されるWindow2内に、当該UEの信号が存在するか否かで判定を行う。すなわち、Window2内に、当該UEの信号が存在する場合にはFFT timing判定OKとし、当該UEのメインパスが存在しない場合にはFFT timing判定NGとする。尚、本判定における反映時間(OKと判定するまでの時間、あるいは、NGと判定するまでの時間)は、Sounding RSを連続受信している状態で1ms−200msを目安とする。
同期外れタイプA(TypeA)とは、Power判定結果がOKでありFFT timingがNGであるUEの同期状態をいい、同期外れタイプB(TypeB)とは、Power判定結果がNGでありFFT timingがNGであるUEの同期状態をいう。
次に、受信したCQI(Channel Quality Indicater)のチェック(Received CQI Check)が行われる(ステップS312)。当該UEからの、システム帯域全体に関するCQIを受信しているか否かを判定する。当該Sub-frame、もしくは、当該Sub-frameより以前のSub-frameにおいて、当該UEから送信されたシステム帯域全体に関するCQIを受信し、かつ、システム帯域全体に関するCQIのCQI信頼度判定結果が少なくとも一度はOKである場合にOKを返し、上記以外の場合にNGを返す。ここで、上記CQI信頼度判定とは、例えば、CQIの受信信号のSIRを算出し、上記SIRに基づいてCQIの信頼度を判定する処理のことを指す。たとえば、上記SIRが所定の閾値よりも小さい場合に当該CQIの信頼度はNGであると判定し、上記SIRが所定の閾値以上の場合に当該CQIの信頼度はOKであると判定する。
Received CQI Checkの結果がNGの場合(ステップS312:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。Received CQI Checkの結果がNGの場合には、当該UEがPersistent Schedulingが適用される論理チャネルを有する場合にも、スケジューリングの対象から除外する。この時、当該Sub-frameにおいて、上記UEに割り当てられるパーシステントリソース(Persistent Resource)が存在する場合には、上記Persistent Resourceを解放する。ここで、Persistent Resourceとは、Persistent Scheduling用に確保されたResource blockのことを指す。
次に、パーシステントスケジューリングのチェック(Persistent Scheduling Check)が行われる(ステップS314)。パーシステントスケジューリングとは、データ種別、あるいは、データを送受信するアプリケーションの特徴に応じて、一定周期毎にデータの送信機会を割り当てるスケジューリング方法である。尚、上記データ種別とは例えば、Voice Over IPによるデータであったり、あるいは、Streamingによるデータであったりする。上記Voice Over IPまたはStreamingが、上記アプリケーションに相当する。
当該UEがPersistent schedulingが適用される論理チャネルを有するか否かを判定する。当該UEがPersistent schedulingが適用される論理チャネルを有する場合には、パーシステントスケジューリングサブフレームチェック(Persistent scheduling Sub−frame check)の処理(ステップS330)に進み、上記以外の場合にローカライズド(Localized)/ディストリビューティド(Distributed) checkの処理(ステップS316)に進む。ローカライズドとは、当該UEと基地局装置200の間の伝搬環境におけるフェージング周波数が小さいため、CQIに基づいて、比較的連続する周波数ブロック(リソースブロック)を割り当てた方が良い状態にあることを示し、ディストリビューティドとは、当該UEと基地局装置200の間の伝搬環境におけるフェージング周波数が大きいため、CQIの値に関係なく、比較的離散的に分散した周波数ブロック(リソースブロック)を割り当てた方が良い状態にあることを示す。
ステップS330では、当該Sub-frameにおいて、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルにPersistent resourceが割り当てられるか否かを判定する。Persistent resourceが割り当てられると判定した場合(ステップS330:OK)、割り当て/解放チェック(Assign/Release Check)の処理に進み(ステップS332)、Persistent resourceが割り当てられないと判定した場合(ステップS330:NG)、Localized/Distributed Checkに進む(ステップS316)。
ステップS332では、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルに送信可能なデータがあるか否かを判定する。すなわち、基地局装置200は、データバッファ内に、送信可能な、前記Persistent schedulingが適用される論理チャネルのデータが存在するか否かを判定する。送信可能なデータがある場合(ステップS332:Assign)、データサイズチェック(Data Size Check)の処理に進み(ステップS334)、送信可能なデータがない場合(ステップS332:Release)には、パーシステントリソースの解放(Persistent Resource Release)の処理に進む(ステップS336)。
ステップS334では、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルの送信可能なデータが閾値Thresholddata_size以上であるか否かを判定する。送信可能なデータがThresholddata_size以上である場合(ステップS334:NG)、パーシステントリソース解放(Persistent Resource Release)の処理に進み(ステップS336)、送信可能なデータがThresholddata_size未満である場合(ステップS334:OK)、パーシステントリソース確保(Persistent Resource Reservation)の処理に進む(ステップS338)。
ステップS338では、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルに割り当てられるPersistent Resourceを確保する。尚、当該Sub-frameにおいてPersistent Resourceが割り当てられるUEに関しても後述するスケジューリング係数の計算を行い、当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingが適用される論理チャネルのために無線リソースが割り当てられた場合には、Persistent schedulingが適用される論理チャネルとDynamic schedulingが適用される論理チャネルを多重してMAC PDU(DL−SCH)の送信を行う。
ステップS336では、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルに割り当てられる予定のPersistent Resourceを解放する。尚、上記Persistent Resourceは、当該Sub-frameのみ解放されることとし、次のPersistent Resourceが割り当てられるタイミングにおいては、改めてAssign/Release Checkの処理を行うこととする。
ステップS316では、当該UEの下りリンクの伝送タイプ(DL Transmission type)、すなわちLocalized送信/Distributed送信を判定する。尚、Transmission typeは、DLとULとで別々に管理される。
例えば、当該UEのシステム帯域全体に関するCQIが閾値ThresholdCQI以上であり、かつ、当該UEのFd推定値が閾値ThresholdFd,DL以下である場合にLocalized送信と判定し、上記以外の場合をDistributed送信と判定する。
上記Fd推定値は、UEよりメジャメント レポート(Measurement report)等のRRC messageにより報告される値を用いてもよいし、UEより送信されるSounding用のリファレンス信号の時間相関値に基づいて算出される値を用いてもよい。
また、上述した例では、システム帯域全体に関するCQIの値とFd推定値の両方の値を用いて、伝送タイプを判定したが、代わりに、システム帯域全体に関するCQIの値のみで伝送タイプを判定してもよいし、あるいは、Fd推定値のみで伝送タイプを判定してもよい。
次に、バッファ状態のチェック(Buffer Status Check)が行われる(ステップS318)。当該UEの有する論理チャネルに関して、当該Sub-frameにおいて送信可能なデータが存在するか否かを判定する。すなわち、基地局装置200は、当該UEの各論理チャネルに関して、データバッファ内に、送信可能なデータが存在するか否かを判定する。全ての論理チャネルに関して、送信可能なデータが存在しない場合にはNGを返し、少なくとも1つの論理チャネルに関して、送信可能なデータが存在する場合にはOKを返す。ここで、送信可能なデータとは、新規に送信可能なデータまたは再送可能なデータのことである。尚、上記論理チャネルの中に、ステップS338におけるPersistent Resourceが確保された論理チャネル」は含まない。すなわち、ステップS338においてPersistent Resourceが確保された論理チャネルのみが送信可能なデータを有する場合にはNGを返す。送信可能なデータとして、MACレイヤの制御情報のみが存在する場合には、個別制御チャネルDedicated Control Channel(DCCH)と同一のPriority classに属する論理チャネルとして扱ってもよい。Buffer Status Checkの結果がNGの場合(ステップS318:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。Buffer Status Checkの結果がOKの場合(ステップS318:OK)、以下の選択論理に基づいて、送信可能データが存在する論理チャネルの中からHighest priorityの論理チャネルを選択し、Scheduling Coefficient Calculationの処理に進む(ステップS320)。尚、このHighest priorityの論理チャネルを選択する際には、ステップS338においてPersistent Resourceが確保された論理チャネルも選択の対象とする。
(選択論理1) 最も優先度の高い論理チャネルをHighest priorityの論理チャネルとする。
(選択論理2) 選択論理1を満たす複数の論理チャネルが存在する場合には、送信可能な再送データを有する論理チャネルHighest priorityの論理チャネルとする。
(選択論理3) 選択論理2を満たす複数の論理チャネルが存在する場合には、個別制御チャネル(DCCH: Dedicated Control Channel)が存在するのであれば、DCCHをHighest priorityの論理チャネルとし、DCCHが存在しないのであれば、上記複数の論理チャネルの内、任意の論理チャネルをHighest priorityの論理チャネルとする。
本判断基準を適用する場合、優先度の低い論理チャネルの再送データではなく、優先度の高い論理チャネルの新規データが、より高い論理チャネルとして判定される。
尚、上述したステップS306、S308、S310、S312、S318における、当該UEをスケジューリングの対象から除外する、という処理は、後述するScheduling Coefficient Calculationの処理を行わないことを意味し、結果として、当該サブフレームにおいて、当該UEに対して下りリンクの共有チャネルは送信されない。言い換えれば、基地局装置200は、上述したステップS306、S308、S310、S312、S318において、当該UEをスケジューリングの対象から除外する、と判定されたUE以外のUEの中から、スケジューリングの処理を行い、すなわち、共有チャネルを送信するUEを選択し、そして、選択されたUEに対して下りリンクの共有チャネルを送信する。
ステップS320では、ステップS318において、Highest priorityと判定された論理チャネルに関して、後述する評価式を用いてスケジューリング係数を算出する。
テーブル1及び2に外部I/Fより設定されるパラメータを示す。
テーブル3及び4に、Sub-frame単位で、各UEの各論理チャネルに与えられる入力パラメータを示す。
テーブル1及び2に示す入力パラメータに基づいて、UE #n、Highest Priorityの論理チャネル#hのスケジューリング係数C
nを式(1)の通り計算する。
あるいは、上記UE #n、Highest Priorityの論理チャネル#hのスケジューリング係数C
nは、以下のように計算されてもよい。
式(1´)は、式(1)に、「H(flag
gap_control)」の項が付け加えられている。flag
gap_controlは,当該UE #nが、メジャーメント ギャップ コントロール モード(Measurement gap control mode)にあるか否かを示すフラッグである。ここで、Measurement gap control modeとは、異なる周波数のセルを行うためのMeasurement gapが適用されているか否かを示すモードであり、Measurement gap control modeがオン(On)の場合には、所定のタイミングでMeasurement gapが設定される。上記Measurement gapは、基地局装置200より設定される。
一般に、Measurement gapが適用されているサブフレームにおいては、データの送受信を行うことができない。よって、Measurement gapが適用されていないサブフレームにおいて、優先的にデータの送受信を行うための無線リソースを、当該UE #nに割り当てる必要がある。例えば、flaggap_control=1(Measurement gap control mode: On)にある場合に、H(flaggap_control)=10とし、flaggap_control=0(Measurement gap control mode: Off)にある場合に、H(flaggap_control)=1とすることにより、上述した「Measurement gapが適用されていないサブフレームにおいて優先的にデータの送受信を行う」といった動作を実現することが可能となる。
尚、上述したステップS306のメジャメントギャップのチェックにより、Measurement gap control mode: Onにあり、かつ、当該Sub-frameがMeasurement gapに含まれるか否か、または、ACK/NACKを受信するSub-frameがMeasurement gapに含まれる場合には、本処理(ステップS320)は行われない。言い換えれば、Measurement gap control mode: Onにあり、かつ、本処理(ステップS320)が行われる場合には、当該サブフレームは、異なる周波数のセルを測定するモードにおける、同じ周波数(本来の周波数)の信号を送受信するタイミングである。すなわち、「H(flaggap_control)」の項により、異なる周波数のセルを測定するモードにおける、同じ周波数(本来の周波数)の信号を送受信するタイミングにある移動局に対して優先的に共有チャネルを割り当てることが可能となる。
尚、Intra−eNB Hand Over (Intra−eNB HO)の際には、スケジューリングに用いる測定値、算出値は、Target eNB (ハンドオーバ先のeNB)に引き継ぐものとする。
ステップS320では、平均データレート(Average Data Rate)の測定が行われる。
Average Data Rateは、式(2)を用いて求められる。
ただし、N
n,k(1,2,・・・)は、Average Data Rateの更新回数である。但し、N
n,k=0となるSub-frameにおいては、式(3)とする。
また、忘却係数δ
n,kは、以下のように計算される。
δ
n,k=min(1−1/N
n,k,δ´
PCn,k)
Average Data Rateの更新周期は「基地局装置200内のデータバッファに送信すべきデータが存在したSub-frame毎」とし、r
n,kの計算方法は「送信されたMAC SDUのサイズ」とする。すなわち、Average Data Rateの計算は、Average Data Rateの更新機会のSub-frameにおいて、以下のいずれかの動作を行う。
1.送信を行ったUEに対しては、「rn,k=送信されたMAC SDUのサイズ」でAverage Data Rateの計算を行う。
2.送信を行わなかったUEに対しては、「rn,k=0」でAverage Data Rateの計算を行う。
尚、Average Data Rateは、Received CQI CheckがOK、かつ、更新機会の条件が一致した場合に計算を行う。すなわち、CQIを少なくとも一度は受信した後から計算が開始される。
次に、スケジューリング係数の計算が行われたUE数を示すNSchedulingを1だけ増加させ(ステップS322)、UEインデックスを示すnを1だけ増加させる(ステップS324)。
次に、nがNScheduling以下であるか否か判定する(ステップS326)。nがNScheduling以下であると判定した場合(ステップS326:YES)、ステップS304に戻る。
一方、nがNSchedulingよりも大きいと判定した場合(ステップS326:NO)、ステップS328において、ユーザ装置の選択(UE Selection)が行われる。すなわち、当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEを選択する。
まず、以下の式により、Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数、すなわち、下りリンクの共有チャネルが送信されるUEの数NDL−SCHを算出する。ここで、NSchedulingは、Scheduling Coefficient Calculationが行われたUEの数を指す(図3を参照)。
NDL−SCH=min(NScheduling,NDLMAX−NPCH−NRACHres)
次に、Highest priorityの論理チャネルのScheduling priority group毎に、ステップS320において算出されたスケジューリング係数の大きい順から、NDL−SCH台の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEを選択する。すなわち、Dynamic schedulingが適用される下りリンクの共有チャネルの送信先となるUEを選択する。ここで、Scheduling priority groupとは、スケジューリングにおける優先度付けがされたグループであり、各論理チャネルに対して、属すべきScheduling priority groupが定義される。
以下の順序で上記「UE」を選択する。尚、当該UEが当該Sub-frameにおいて送信すべきMACレイヤの制御情報を有する場合には、そのScheduling priority groupを、Highest priorityの論理チャネルのScheduling priority groupに関係なく、「High」とする。
High(1st)−>High(2nd)−>...−>Middle(1st)−>Middle(2nd)−>...−>Low(1st)−>Low(2nd)−>...
上述したように、ユーザ装置のインデックス(UE index)であるnに関してループ処
理を行うことにより、下りリンクの共有チャネルを送信することができると判断された各ユーザ装置に対して、スケジューリング係数を計算することが可能となる。そして、計算されたスケジューリング係数の大きいユーザ装置に対して、無線リソースを割り当てる、すなわち、下りリンクの共有チャネルを送信するという制御を行うことにより、データの優先度や、ユーザ装置から報告される無線品質情報、再送回数、MACレイヤの制御情報の
有無、割り当て頻度、平均の伝送速度、目標の伝送速度を考慮して、ハンドオーバ処理を行っているか否か、間欠受信処理の受信タイミングにあるか否か、RLCレイヤにおけるデータの滞留時間、異なる周波数のセルを測定するモードにおける受信タイミングにあるか否かを考慮して、無線リソース(下りリンクの共有チャネル)を割り当てるユーザ装置を決定し、上記ユーザ装置に対して下りリンクの共有チャネルを送信することが可能となる。
尚、上述した例においては、Scheduling priority groupは、High, Middle, Lowの3通りであったが、4通り以上のScheduling priority groupを用意してもよいし、2通り以下のScheduling priority groupを用意してもよい。
例えば、HighMAC, HighDRX, High, Middle, Lowの5通りのScheduling priority groupを用意し、優先度を、高い順から、HighMAC, HighDRX, High, Middle, Lowとする。そして、送信すべきMAC control blockを有するUEに対しては、そのScheduling priority groupを、Highest priorityの論理チャネルのScheduling priority groupに関係なく、「HighMAC」とし、DRX状態で,かつ,DRX受信タイミング時のUEに対しては、そのScheduling priority groupを、Highest priorityの論理チャネルのScheduling priority groupに関係なく、「HighDRX」としてもよい。送信すべきMAC control blockを有するUE、または、DRX状態で,かつ,DRX受信タイミング時のUEに対して、より優先的に共有チャネルを割り当てることが可能となる。例えば、MAC control blockを有するUEとMAC control blockを持たないUEが存在する場合には、式(1)におけるCnの値に関係なく、MAC control blockを有するUEに対して、優先的に共有チャネルを割り当てることが可能となる。
尚、上述した例においては、優先度を、高い順から、HighMAC, HighDRX, High, Middle, Lowとしたが、これは一例であり、その他の順番、例えば、High, HighMAC, HighDRX, Middle, Low等であってもよい。
次に、ステップS212において行われる下りリンクTFR選択処理について、図4を参照して説明する。
図4には、DL TFR selectionの処理フローを示す。本処理フローにより、共通チャネル(Common channel)、例えば同期信号(Synchronization Signal、あるいは、同期チャネルSCHとも呼ばれる)、報知チャネル(BCH)、ページングチャネル(PCH)、ランダムアクセスチャネル応答(RACH response、あるいは、ランダムアクセス手順におけるMessage2)及びPersistent schedulingが適用されるDL-SCH、Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てが行われる。
共通チャネルに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Common channel)が行われる(ステップS402)。
当該Sub-frameにおいて同期信号が送信される場合には、テーブル5に示すRBを同期信号に割り当てる。システム帯域幅が5MHzの場合には25個のリソースブロックにより構成され、10MHzの場合には50個のリソースブロックにより構成され、20MHzの場合には100個のリソースブロックにより構成される。各リソースブロックには、一端から#0で始まる識別番号が付される。同期信号に割り当てられたRBを含むRB groupは、Dynamic Schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられない。システム帯域幅が10MHz及び20MHzの場合には、システム帯域の中心に位置する6個のリソースブロックを同期信号に割り当てる。すなわち、システム帯域幅が10MHzの場合には、RB#22乃至RB#27を同期信号に割り当て、また、システム帯域幅が20MHzの場合には、RB#47乃至RB#52を同期信号に割り当てる。システム帯域幅が5MHzの場合には、図5に示すように、システム帯域幅の中心に位置する7個のリソースブロックを同期信号に割り当てる。すなわち、システム帯域幅が5MHzの場合には、RB#9乃至RB#15を同期信号に割り当てられる。
尚、上述した同期信号に割り当てられるリソースブロックは、他のチャネルがマッピングされないように、同期信号のために確保されたリソースブロックを意味し、同期信号が実際にマッピングされるリソースブロックあるいはサブキャリアを示すものではない。すなわち、同期信号は、上記同期信号のために割り当てられたリソースブロックの中の所定のサブキャリアにマッピングされる。例えば、同期信号は、システム帯域の中心に位置する72個のサブキャリアにマッピングされて送信される。この場合、同期信号がマッピングされるサブキャリア番号をkとすると、kは以下のように記載される。
ここで、N
BW DLは、システム帯域全体のサブキャリア数である。この場合、システム帯域幅が5MHzの場合には、同期信号がマッピングされるサブキャリアの集合は、下りリンクの共有チャネルがマッピングされるリソースブロックと一致しない(図5を参照)。すなわち、下りリンクの共有チャネルがマッピングされるリソースブロックに対して、90kHz(6サブキャリア)ずれたサブキャリアの集合で送信される。
尚、同期信号の送信電力(全てのresource element (sub−carrier)の送信電力の和。絶対値とし、単位をWとする)をP
SCHとする。
当該Sub-frameにおいてBCHが送信される場合には、テーブル6に示すRBをBCHに割り当てる。システム帯域幅が10MHz及び20MHzの場合には、システム帯域の中心に位置する6個のリソースブロックをBCHに割り当てる。すなわち、システム帯域幅が10MHzの場合には、RB#22乃至RB#27をSCHに割り当て、また、システム帯域幅が20MHzの場合には、RB#47乃至RB#52をSCHに割り当てる。システム帯域幅が5MHzの場合には、システム帯域幅の中心に位置する7個のリソースブロックをBCHに割り当てる。すなわち、システム帯域幅が5MHzの場合には、RB#9乃至RB#15をSCHに割り当てられる。
尚、上述したBCHに割り当てられるリソースブロックは、他のチャネルがマッピングされないように、BCHのために確保されたリソースブロックを意味し、BCHが実際にマッピングされるリソースブロックあるいはサブキャリアを示すものではない。すなわち、BCHは、上記BCHのために割り当てられたリソースブロックの中の所定のサブキャリアにマッピングされる。例えば、BCHは、同期信号がマッピングされるサブキャリアと同じサブキャリア番号にマッピングされてもよい。この場合、システム帯域幅が5MHzの場合には、同期信号がマッピングされるサブキャリアの集合は、下りリンクの共有チャネルがマッピングされるリソースブロックと一致しない。すなわち、下りリンクの共有チャネルがマッピングされるリソースブロックに対して、90kHz(6サブキャリア)ずれたサブキャリアの集合で送信される。
すなわち、基地局装置200は、システム帯域幅が5MHzである場合に、図5に示すように、下りリンクの共有チャネルがマッピングされるリソースブロックに対して、90kHz(6サブキャリア)ずれたサブキャリアの集合で報知チャネルを送信する。
また、ユーザ装置100nは、システム帯域幅が5MHzである場合に、図5に示すように、下りリンクの共有チャネルがマッピングされるリソースブロックに対して、90kHz(6サブキャリア)ずれたサブキャリアの集合で報知チャネルを受信する。
尚、BCHの送信電力(全てのresource element (sub−carr
ier)の送信電力の和。絶対値とし、単位をWとする)をPBCHとする。
尚、BCHはトランスポートチャネルとしての名前であり、物理チャネルとしては、Common Control Physical Channel (CCPCH)である。
当該Sub-frameにおいてPCHが送信される場合には、外部インタフェース(IF)より設定されるRB groupをPCHに割り当てる。尚、PCHのデータサイズまたはPCHが送信されるユーザ装置の数に応じたTFR Selectionを行うようにしてもよい。
当該Sub-frameにおいてRACH response(ランダムアクセスチャネル応答、あるいは、ランダムアクセス手順におけるMessage2)が送信される場合には、RACH response
のTFR selectionを行うためのCQI値CQIRACHres(i)と、RACH responseのサイズSizeRACHresに基づいて、RACH responseに割り当てるRB数NumRB,RACHresを決定する。
RACH responseのサイズSizeRACHresは、当該RACH respons
eに多重されるUEの数と、そのRACH送信目的により決定される。
上記CQI値CQIRACHres(i)は、RACH プリアンブル(RACH preamble)の品質情報毎に外部インタフェース(IF)より設定される。iは品質情報のIndexであり、RACH response内に多重されるUEの品質情報の中で、最も品質の低い値(Indexの値が最も小さい値)を設定する。
NumRB,RACHres=DL_Table_TF_RB(SizeRACHres,CQIRACHres(i)) (i=0,1,2,3)
そして、当該RACH responseに割り当てられるRBの数がNumRB,RACHres以上になるまで、RB group番号が小さいRB groupから順に、RB groupを当該RACH responseに割り当てる。
次にパーシステントスケジューリングに対するリソースブロック割り当て(RB allocation for Persistent Scheduling)が行われる(ステップS404)。ステップS338において確保されたPersistent Resourceを、当該Sub-frameにおいてPersistent schedulingが適用されるDL-SCHを有するUEに割り当てる。Persistent schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられるRBも、RB group単位で割り当てられる。尚、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHの送信電力(全てのresource element (sub−carrier)の送信電力の和。絶対値とし、単位をWとする)をPpersistとする。ここで、Ppersistは、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHを有するUEが2台以上存在する場合には、全UEのPersistent schedulingが適用されるDL-SCHの送信電力の合計値とする。
次に、物理下り共有チャネルのリソースブロック数の計算(Calculation for Number of RBs for PDSCH)が行われる(ステップS406)。基地局装置200の最大送信電力(以下、Pmaxと記載する。単位をWとする)、同期信号の送信電力PSCH、BCHの送信電力PBCH、PCHの送信電力PPCH、RACH responseの送信電力PRACHres,Persistent schedulingが適用されるDL-SCHの送信電力Ppersist、Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHの1RBあたりの送信電力Pdynamic (RB)に基づき、以下の式を用いてPDSCHに割り当て可能なRB数Ndynamic (RB)を算出する。ここで、Nsystem (RB)はシステム帯域全体のRB数であり、NBCH、NSCH、NPCH、NRACHres、Npersistは、それぞれ、当該Sub-frameにおいてBCH、同期信号、PCH、RACH response、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられるRBの数である。
N
dynamic (RB)<N
system (RB)−N
common−N
persistである場合には、当該Sub-frameにおいて、BCH、PCH、RACH response、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられたRB group以外のRB groupの内の一部のRB groupの送信を禁止することにより、基地局装置200の総送信電力を最大送信電力以下となるように制御する。(N
system (RB)−N
common−N
persist−N
dynamic (RB))個以上のRBの送信が禁止されるまで、以下の処理、すなわちRB数が最も小さいRB groupの送信を禁止し、RB数が最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合、RB group番号が小さいRB groupからRB groupの送信を禁止する処理を繰り返すことにより、送信を禁止するRB groupを決定する。
k=1とする(ステップS408)。
次に、リソースブロックが残っているか否かのチェック(RB Remaining Check)が行われる(ステップS410)。
ステップS410では、Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに割り当て可能なRB groupが存在するか否かを判定する。割り当て可能なRB groupが存在する場合にはOKを返し、割り当て可能なRB groupが存在しない場合にはNGを返す。RB Remaining CheckがNGの場合(ステップS410:NG)、DL TFR Selectionの処理を終了する。
尚、上記「Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに割り当て可能なRB group」とは、BCH、PCH、RACH response、Persistent schedulingが適用されるDL-SCH、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられRB group以外のRB groupのことである。また、上記「Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに割り当て可能なRB group」に含まれるRBの総数をNremain (RB)とする。
尚、上述した例においては、「Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに割り当て可能なRB group」を、BCH、PCH、RACH response、Persistent schedulingが適用されるDL-SCH、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられRB group以外のRB group、としたが、代わりに、同期信号、BCH、PCH、RACH response、Persistent schedulingが適用されるDL-SCH、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられRB group以外のRB groupとしてもよい。
一方、RB Remaining CheckがOKの場合(ステップS410:OK)、ステップS412に進む。
次に、下りリンクTFR選択(DL TFR Selection)が行われる(ステップS412)。
上述したステップS210において決定された「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE(PCH, RACH responseを含まない)」のTransport formatの決定、RB groupの割り当てを行う。
DL TFR Selectionでは、CQI調節(CQI adjustment)が行われる。TFR Selectionに用いられるCQIには、以下に示す、周波数
方向の読み替え処理、アウターループ(Outer-loop)的なオフセット調節処理、Highest priorityの論理チャネルの優先度に基づくオフセット処理が適用される。
周波数方向の読み替え処理について説明する。
UEより報告されるCQIのRB groupの定義と、DL TFR SelectionにおけるRB groupの定義が異なる場合には、UEより報告されるRB group毎のCQI(以下、CQIreceived(j)と記載する。jはRB group番号を示す)を、DL TFR SelectionにおけるRB group毎のCQI(以下、CQIcalibrated(i)と記載する。iはRB group番号を示す)に読み替える。尚、CQIの報告方法としてBest−M individual方法を適用している場合に、報告されたCQIが存在しないRB groupのCQIはシステム帯域幅全体のCQIと同一とする。Best−M individual方法とは、例えば、システム帯域を4リソースブロック毎に分割し、上記4リソースブロックからなるリソースブロックの集合に関してCQIを算出し、かつ、上記CQIの内、最も品質の良いM個のCQIを、ユーザ装置が基地局装置に報告する方法である。
尚、以下では、システム帯域全体に関するCQIを表現する際には、引数を「all」として記載する。
例えば、DL TFR SelectionにおけるRB group# i内に、UEより報告されるCQIのRB group#aのRBがNa個と、UEより報告されるCQIのRB group#bのRBがNb個とが存在する場合には、上記DL TFR SelectionにおけるRB group# iのCQIは以下のように算出される。
Outer-loop的なオフセット調節処理(CQI offset adjustment)について説明する。
CQI_offsetiは、Highest priorityの論理チャネルのpriority classがXi,adjustであるDL-SCHの送達確認情報(CRC check結果)に基づいて、式(4)に示すようにOuter-loop的に調節される。Highest priorityの論理チャネルのPriority classがXi,adjustと異なる場合には、Outer-loop的なオフセットの調節(式(4)の処理)は行われない。
CQI_offsetiは、UE毎に調節される。また、CQI offset adjustment処理の対象となるPriority class Xi,adjustは、外部入力インタフェース(IF)よりUE毎に設定される。
Δadj (PC)、BLERtarget (PC)は外部入力インタフェース(IF)より設定可能とするようにしてもよい。但し、CQI_offsetiの最大値をCQI_offsetPC (max)、最小値をCQI_offsetPC (min)とする。上記CQI_offsetiの最大値CQI_offsetPC (max)、最小値CQI_offsetPC (min)は、外部入力インタフェース(IF)より設定される。CQI_offsetiが最大値あるいは最小値に張り付いた場合には、式(4)の計算は行わない。
そして、上記CQI_offset
iが、電力オフセットとして、各RB groupのCQI値及びシステム帯域全体に関するCQIの値に加算される。式(5)の処理は、「当該Sub-frameにおいて、Highest priorityの論理チャネルのPriority classがX
i,adjustであるか否か」に依らず、DL TFR Selectionを行う全てのSub-frameにおいて行われる。
CQI
adjusted(i)=CQI
adjusted(i)+CQI_offset
i (5)
優先度に基づくオフセット処理について説明する。
Highest priorityの論理チャネルの優先度に基づくオフセットΔPCにより、各RB groupのCQI値及びシステム帯域全体に関するCQI値が調整される。ΔPCは例えば外部入力インタフェース(IF)より設定される。添え字のPCはPriority classを示す。
CQIadjust(i)=CQIadjust(i)−ΔPC
次に、リソースブロックグループ割り当て(RB group allocation)について説明する。以下の処理を行うことにより、k番目の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE(PCH、RACH responseを含まない)」に対して対してRB groupの割り当てを行う。尚、DL_TF_Related_tableのイメージを図6に示す。図6には、一例としてCQIが1である場合について示す。
<処理>
Nremain (RB):残りのリソースブロック数(Number of Remaining RBs)
Ncapability:UE categoryにより決定される最大RB数
Nmax,bit:UE categoryより決定される最大データサイズ(Payload
size)
Nremain (UE)=NDL−SCH−k+1
下りリンクの送信タイプがディストリビューティドである場合、当該UEに割り当てられるRBの数がN
allocated (RB)以上になるまで、システム帯域内において離散的に分散する周波数リソースが割り当てられるように、RB groupを選択する。例えば、RB group番号の小さいRB groupから順にRB groupを割り当てた場合、システム帯域内において離散的に分散する周波数リソースが割り当てられるようにRB groupを定義しておき、RB group番号が小さいRB groupから順に、RB groupを当該UEに割り当ててもよい。
下りリンクの送信タイプがディストリビューティドでない場合(すなわち、ローカライズドである場合)、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated (RB)以上になるまで、CQIadjustedの値が大きいRB groupから順にRB groupを当該UEに割り当てる。
上記処理において「当該UEに割り当てられる」と判定されたRB groupを以下ではTemporary RB groupと呼ぶ。
当該UEが「上述したステップS338においてPersistent Resourceが確保された論理チャネル」を有する場合には、Temporary RB groupに、上記Persistent Resourceを追加する。
Highest priorityの論理チャネルが再送可能なデータ有する場合、上記再送可能なデータ(MAC PDU)の内、Highest priorityの論理チャネルの「RLC SDUのバッファ滞留時間」が最大のRLC SDUを含むデータ(MAC PDU)を送信する。ここで、RLC SDUのバッファ滞留時間の定義は、上述したテーブル1の項番5におけるRLC SDUバッファ滞留時間と同一である。上記データの送信に使用されるRB groupは、Temporary RB groupと同一とする。変調方式は、初回送信と同一とする。
Highest priorityの論理チャネルが再送可能なデータを有さない場合、CQITFRを以下のように算出する。
下りリンク送信タイプがディストリビューティドである場合、CQITFR=CQIadjusted(all)とし、下りリンク送信タイプがディストリビュートでない場合(すなわち、ローカライズドである場合)、CQITFR=CQIadjusted(i)をTemporary RB groupの帯域で真値平均した値(但し、RB group毎のRB数の割合を考慮して平均すること)とする。
Temporary RB group内のRB数(RB_available)とCQITFRを引数としてTF_related_tableを参照することにより、下りリンクの共有チャネルのデータサイズ (Sizeと記載する)と、変調方式(Modulationと記載する)を決定する。
ここで、Size>N
max,bitである場合には、Size≦N
max,bitとなるまで、CQI
TFRの値を1ずつ小さくする(DL_TF_related_tableの、より小さいCQIのTableを参照する。この時、RB_availableの値は変えない)。Sizeが確定した値に、Modulationの値をDL_TF_related_tableの対応する値に変更する。
そして、以下の手順により、上記Sizeを有するMAC PDUに、MACレイヤの制御情報及びデータバッファ内の全論理チャネルのデータを多重する。ここで、上記データバッファとは、例えば、RLC bufferである。
RLC buffer内に十分データがある場合について説明する。
(手順1) まず、MACレイヤの制御情報が存在する場合には、最優先で上記MACレイヤの制御情報を多重する。
(手順2) 次に、優先度の高い論理チャネルから順に、RLC buffer内のデータを切り出して多重する。同一の優先度の論理チャネルが2つ以上存在する場合には、DCCHが存在するのであればDCCHを最優先とし、DCCHが存在しないのであれば、任意の論理チャネルから順に、RLC buffer内のデータを切り出して多重する。ここで、上記任意の論理チャネルを選択する方法として、ラウンドロビンを用いてもよい。
RLC buffer内に十分データがない場合について説明する。
MAC control block及び全論理チャネルRLC buffer内のデータの合計サイズSizeallとCQITFRを引数としてTF_related_tableを参照することにより、割り当てるRB数NUMRBを再計算する。
下りリンク送信タイプがディストリビューティドである場合、送信に用いるRB group内のRB数がNUM
RB未満とならない範囲内で、以下の処理、すなわちRB数が最も小さいRB groupを削除し、RB数が最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合、RB group番号が小さいRB groupからRB groupを削除する処理を繰り返すことにより、Temporary RB group 内のRB groupを削除する(削除されたRB groupはk+1番目以降のUEの無線リソースとして使用される)。上記処理を行った後の、Temporary RB group内のRB数を、Num
RB,Fとする。
下りリンク送信タイプがディストリビュートでない場合、送信に用いるRB group内のRB数がNUMRB未満とならない範囲内で、CQIadjustedの値が小さいRB groupから順にRB groupを削除する。CQIadjustedが最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合、RB数が小さいRB groupからRB groupを削除し、CQIadjustedが最も小さく、かつ、RB数が最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合、RB group番号が大きいRB groupからRB groupを削除する処理を繰り返すことにより、Temporary RB group 内のRB groupを削除してもよい。
上記の処理において削除されたRB groupはk+1番目以降のUEの無線リソースとして使用される。上記処理を行った後の、Temporary RB group内のRB数をNumRB,Fとする。
ステップS414におけるRV Selection (Redundancy Version Selection)について説明する。
各再送回数(初回送信を0とする値)におけるRV parameterは、外部インタフェース(IF)により設定される。eNBは、RSNの値に基づいてRV parameterを決定する。尚、RSNは、当該MAC PDUの推定受信回数に基づいて設定される。すなわち、ULにおいて受信する、下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報であるHARQ−ACK for DL−SCHのNACKの数に基づいて設定される(上記HARQ−ACK for DL−SCHのACK/NACK/DTX判定結果がDTXの場合には、RSNの値をインクリメントしない)。
ステップS416において、kの値をインクリメントし、ステップS418において、kの値が、NDL−SCH以下であるか否かを判定する。kの値がNDL−SCH以下である場合(ステップS418の処理:YES)、ステップS410の前に戻る。一方、kの値がNDL−SCH以下でない場合(ステップS418の処理:NO)、処理を終了する。
次に、本実施例に係る基地局装置200について、図7を参照して説明する。
本実施例に係る基地局装置200は、PCH、RACH応答判定部204と、選択手段としてのスケジューリング係数計算部206と、割り当て手段としてのトランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210と、レイヤー1処理部212とを備える。
PCH、RACH応答判定部204は、上述したステップS206の処理を行う。具体的には、PCH、RACH応答判定部204は、当該Sub-frameにおけるPCHおよびRACH responseの数をカウントし、その結果をスケジューリング係数計算部206に入力する。
スケジューリング係数計算部206は、上述したステップS208の処理を行う。具体的には、スケジューリング係数計算部206は、当該Sub-frameにおいてダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てが行われるユーザ装置を選択し、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数NDL−SCHをトランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210に入力する。
トランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210は、上述したステップS212及びステップS214の処理を行う。具体的には、トランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210は、下りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択を行う。トランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210は、共通チャネル(Common channel)、例えば同期チャネル(SCH)、報知チャネル(BCH)、ページングチャネル(PCH)、ランダムアクセスチャネル応答(RACH response)及びパーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)が適用されるDL-SCH,Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。
レイヤー1処理部212は、レイヤー1に関する処理を行う。
次に、本実施例に係るユーザ装置100nについて、図8を参照して説明する。
同図において、ユーザ装置100nは、送受信アンテナ102と、アンプ部104と、送受信部106と、ベースバンド信号処理部108と、アプリケーション部110とを具備する。
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ102で受信された無線周波数信号がアンプ部104で増幅され、送受信部106で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部108でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。上記下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部110に転送される。アプリケーション部110は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。
ここで、ベースバンド信号処理部108は、システム帯域幅が5MHzである場合に、図5で示される報知チャネルを受信する機能を有していてもよい。すなわち、下りリンクの共有チャネルがマッピングされるリソースブロックに対して、90kHz(6サブキャリア)ずれたサブキャリアの集合にマッピングされた報知チャネルBCH(物理チャネルとしてはCCPCH)を受信する機能を有していてもよい。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部110からベースバンド信号処理部108に入力される。ベースバンド信号処理部108では、再送制御(H−ARQ (Hybrid ARQ))の送信処理や、チャネル符号化、IFFT処理等が行われて送受信部106に転送される。送受信部106では、ベースバンド信号処理部108から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、その後、アンプ部104で増幅されて送受信アンテナ102より送信される。
本発明の実施例に係る基地局装置が適用される無線通信システムは、図1を参照して説明した無線通信システムと同様である。
上述した実施例と同様に、無線通信システム1000は、例えばEvolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムであり、基地局装置(eNB: eNode B)200と複数のユーザ装置(UE: User Equipment、あるいは、移動局とも呼ばれる)100n(1001、1002、1003、・・・100n、nはn>0の整数)とを備える。基地局装置200は、上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300と接続され、アクセスゲートウェイ装置300は、コアネットワーク400と接続される。ここで、ユーザ装置100nはセル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行う。
以下、ユーザ装置100n(1001、1002、1003、・・・100n)については、同一の構成、機能、状態を有するので、以下では特段の断りがない限りユーザ装置100nとして説明を進める。
無線通信システム1000は、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDM(直交周波数分割多元接続)、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。上述したように、OFDMは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各周波数帯上にデータを載せて伝送を行う方式である。SC−FDMAは、周波数帯域を分割し、複数の端末間で異なる周波数帯域を用いて伝送することで、端末間の干渉を低減することができる伝送方式である。
ここで、Evolved UTRA and UTRANにおける通信チャネルについて説明する。
下りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)と、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)とが用いられる。下りリンクでは、物理下りリンク制御チャネルにより、下りリンクの共有チャネルに関するユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、上りリンクの共有チャネルに関するユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、上りリンクの共有チャネルの送達確認情報などが通知される。または、物理下りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。上記ユーザデータは、トランスポートチャネルとしては、下りリンク共有チャネルDonwlink−Share Channel (DL−SCH)である。
上りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)と、LTE用の制御チャネルとが用いられる。尚、LTE用の制御チャネルには、物理上りリンク共有チャネルと時間多重されるチャネルと、周波数多重されるチャネルの2種類がある。物理上りリンク共有チャネルと周波数多重される制御チャネルは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)と呼ばれる。
上りリンクでは、LTE用の制御チャネルにより、下りリンクにおける共有チャネルのスケジューリング、適応変復調・符号化(AMC: Adaptive Modulation and Coding)に用いるための下りリンクの品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)及び下りリンクの共有チャネルの送達確認情報(HARQ ACK information)が伝送される。また、物理上りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。上記ユーザデータは、トランスポートチャネルとしては、上りリンク共有チャネルUplink−Shared Channel(UL−SCH)である。
次に、本実施例に係る基地局装置において実行される通信制御方法としての下りリンクMAC(DL MAC)データ送信手順について説明する。
本実施例において、論理チャネルは、例えば無線ベアラ(Radio bearer)に対応する。また、プライオリティクラス(Priority class)は、例えば優先度または論理チャネル優先度(Logical Channel Priority)に対応する。
物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)の送信帯域の割当て単位について説明する。PDSCHの送信帯域の割当ては、例えばシステムパラメータとして定義されるリソースブロックグループ(Resource block group)(以下、RB groupと呼ぶ)を単位として、サブフレーム(Sub-frame)毎に行われる。RB groupは、複数のResource Block (RB)から構成され、RBとRB groupの対応関係は、システムパラメータとして外部入力インタフェース(IF)より設定される。尚、上記RBとRB groupの関係は、システムパラメータであるため、装置内部の固定のパラメータであってもよい。パーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)が適用されるPDSCHに対しても、上記RB group単位で送信帯域の割り当てが行われてもよい。以下、Resource groupが構成される場合について説明するが、Resource groupを構成せずにResource Blockを単位としてPDSCHの送信帯域の割当てを行うようにしてもよい。
また、以下の説明において、ダイナミックスケジューリングとは、動的に無線リソースの割り当てを行う第1のリソース割り当て方法に相当する。ダイナミックスケジューリングが適用される下りリンク共有チャネル(DL−SCH)は、該ユーザ装置に対して任意のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられ、その場合の送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMOに関する情報等は様々な値が設定される。前記送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMOに関する情報等は、下りリンクの制御チャネルPDCCHにマッピングされるDL Scheduling InformationによりUEに対して通知される。
一方、パーシステントスケジューリングとは、データ種別、あるいは、データを送受信するアプリケーションの特徴に応じて、一定周期毎にデータの送信機会を割り当てるスケジューリング方法であり、一定周期毎に無線リソースの割り当てを行う第2のリソース割り当て方法に相当する。すなわち、パーシステントスケジューリングが適用される下りリンク共有チャネル(DL−SCH)は、該ユーザ装置に対して所定のサブフレームにおいて下りリンクの共有チャネルが送信され、その場合の送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMOに関する情報等は、所定の値が設定される。すなわち、予め決められたサブフレームにおいて共有チャネル(無線リソース)が割り当てられ、予め決められた送信フォーマットで下りリンク共有チャネル(DL−SCH)が送信される。上記予め決められたサブフレームは、例えば、一定の周期となるように設定されてもよい。また、上記予め決められた送信フォーマットは、一種類である必要はなく、複数の種類が存在してもよい。
次に、ダウンリングMACデータ送信手順について、図9を参照して説明する。図9は、スケジューリング係数の計算によるスケジューリング処理から、トランスポートフォーマット(Transport format)及び割り当てられるRB groupを決定するDL TFR selection処理までの手順を示したものである。
基地局装置200において、DL MAC最大多重数NDLMAX設定が行われる(ステップS902)。DL MAC最大多重数NDLMAXは、ダイナミックスケジューリング(Dynamic Scheduling)が適用される下りリンク−共有チャネル(DL−SCH)の、1サブフレームにおける最大多重数であり、外部インタフェース(I/F)より指定される。尚、上記DL MAC最大多重数NDLMAXは、1サブフレームにおいて送信されるDownlink Scheduling Informationの最大数であってもよい。
次に、基地局装置200は、ステップS904において、当該Sub−frameにおけるMCHの数をカウントし、その数をNMCHとする。ここで、MCHの数として、実際のMCHの数ではなく、MCHのためのDownlink Scheduling Informationの数を算出してもよい。
次に、基地局装置200は、ステップS906において、当該Sub−frameにおけるPCHおよびRACH responseおよびD-BCHおよびRACH message 4の数をカウントし、その数をそれぞれNPCH、NRACHres、ND―BCH、NRACHm4とする。ここで、PCHおよびRACH responseおよびD-BCHおよびMCHおよびRACH message 4の数として、実際のPCHやRACH responseやD-BCHやRACH message 4の数ではなく、PCHのためのDownlink Scheuling Informationの数およびRACH responseのためのDownlink Scheduling Informationの数およびD-BCHのためのDownlink Scheduling Informationの数及びRACH message 4のためのDownlink Scheduling Informationの数を算出してもよい。なお、本処理において、PCH、RACH response、D−BCH、RACH message 4のチャネルに関して、その数をカウントしたが、上記チャネルの内の一部に関してのみカウントを行ってもよいし、あるいは、上記チャネル以外の共通チャネルに関しても同様にカウントを行ってもよい。
次に、基地局装置200において、スケジューリング係数の計算(Calculation for Scheduling coefficients)が行われる(ステップS908)。当該Sub-frameにおいてダイナミックスケジューリング(Dynamic scheduling)による無線リソースの割り当てが行われるユーザ装置(UE: User Equipment)を選択する。当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数をNDL−SCHと定義する。
ステップS912では、下りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択(DL TFR selection: Downlink Transport format and Resource selection)が行われる。すなわち、同期信号(Synchronization Signal、同期チャネルSCHとも呼ばれる)、プライマリ報知チャネル(P−BCH)、ダイナミック報知チャネル(D−BCH)、ページングチャネル(PCH)、ランダムアクセスチャネル応答(RACH response、あるいは、ランダムアクセス手順におけるMessage2)、RACH Message 4、MCH及びパーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)が適用されるDL−SCH,Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。
次に、ステップS908において行われるスケジューリング係数の計算について、図10を参照して説明する。
図10には、スケジューリング係数の計算により、Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの選択を行う処理フローを示す。基地局装置200は、LTE アクティブ(LTE active)状態、例えばRRC(Radio Resource Control)接続状態にある全てのUEに対して以下の処理を実行する。
n=1、Nscheduling=0に設定される(ステップS1002)。ここで、nはユーザ装置100nのインデックスであり、n=1,・・・,N(N>0の整数)である。
次に、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)エンティティステータスの更新(Renewal of HARQ Entity Status)が行われる(ステップS1004)。ここでは、当該UEの、下りリンク共有チャネルに対する送達確認情報としてACKを受信したプロセスを解放する。また、最大再送回数に達したプロセスも解放し、プロセス内のユーザデータを廃棄する。最大再送回数は、Priority class毎に外部入力インタフェース(IF)より設定される。また、複数の論理チャネルが多重されているMAC PDUの最大再送回数は、最も優先度の高いPriority Classの論理チャネルの最大再送回数に従うこととする。
次に、メジャメントギャップのチェック(Measurement Gap Check)が行われる(ステップS1006)。当該UEに関して、当該Sub-frame、すなわち、下りリンクの共有チャネルを送信するサブフレームがMeasurement gapに含まれるか否か、または、上記下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報ACK/NACKを受信するSub-frameがMeasurement gapに含まれるか否かを判定する。当該Sub-frameがMeasurement gapに含まれるか否か、または、ACK/NACKを受信するSub-frameがMeasurement gapに含まれると判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。Measurement gapは、UEが異周波ハンドオーバを行うために、異なる周波数のセルの測定を行っている時間間隔であり、その時間には通信できないため、UEは、下りリンクの共有チャネルを受信できない。また、UEは、異なる周波数のセルの測定を行っている時間間隔において、上記ACK/NACKを送信できない、すなわち、基地局装置100nはACK/NACKを受信できない。Measurement gap Checkの結果がNGの場合(ステップS1006:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。
ここで、上記異なる周波数のセルとは、Evolved UTRA and UTRANのセルであってもよいし、異なるシステムのセルであってもよい。例えば、異なるシステムとして、GSM、WCDMA、TDD−CDMA、CDMA2000、WiMAX等が考えられる。
Measurement gap Checkの結果がOKの場合(ステップS1006:OK)、Half Duplex Checkが行われる(ステップS1007)。尚、Half Duplexとは、上りリンクの送信と、下りリンクの受信を同時に行わない通信方式のことを指す。すなわち、Half Duplexにおいては、UEは、上りリンクの送信と下りリンクの受信とを別々のタイミングにおいて行う。
Half Duplex Checkにおいては、当該UEがHalf Duplexにより通信を行うUEである場合に、当該UEに関して、以下の6つの判定:当該Sub-frame、すなわち、下りリンクの共有チャネルを送信するサブフレームが、当該UEが上りリンクの共有チャネルを送信するSub−frameと重なるか否か当該Sub-frame、すなわち、下りリンクの共有チャネルを送信するサブフレームが、当該UEが上りリンクにおいてCQI(下りリンクの無線品質情報)またはSounding Reference Signal(サウンディング用のリファレンス信号)またはScheduling Request(スケジューリング要求信号)またはランダムアクセスチャネル(RACH Preamble)を送信するサブフレームと重なるか否か当該Sub-frame、すなわち、下りリンクの共有チャネルを送信するサブフレームが、当該UEが上りリンクにおいて下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報(ACK/NACK)を送信するサブフレームと重なるか否か当該Sub−frameにおいて下りリンクの共有チャネルを送信した場合に、UEにより上りリンクにおいて前記下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報が送信されるサブフレームが、下りリンクの共通チャネル(SCH(同期信号)/P−BCH(プライマリ報知チャネル)/D−BCH(ダイナミック報知チャネル)/MBMSチャネル)が送信されるサブフレームと重なるか否か当該Sub−frameにおいて、下りリンクの共有チャネルを送信した場合に、UEにより上りリンクにおいて前記下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報が送信されるサブフレームが、以前にUEより送信された上りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報が送信されるサブフレームと重なるか否か当該Sub−frameにおいて、下りリンクの共有チャネルを送信した場合に、UEにより上りリンクにおいて前記下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報が送信されるサブフレームが、上りリンクまたは下りリンクのPersistent Schedulingのための制御情報(UL Scheduling Grant及びDL Scheduling Information)が送信されるサブフレームと重なるか否かを行い、いずれか1つの判定において真である場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返してもよい。尚、上述した判定における上りリンク及び下りリンクのチャネルは、その全てが考慮されてもよいし、その一部が考慮されてもよい。Half Duplex Checkの結果がNGの場合(ステップS1007:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。
Half DuplexのUEは、上りリンクの送信を行う際に、下りリンクの受信を行うことができない。よって、本処理により、当該サブフレームにおいて、上りリンクの送信を行うか否かを判定し、上りリンクの送信を行う際に、下りリンクの送信を行わないという処理を行うことにより、Half DuplexのUEが、上りリンクの送信を行う際に、下りリンクの信号を受信できないという問題を回避することが可能となる。
上述した6つの判定において、UEにおけるDL受信とUL送信との間の切り替え時間を考慮して、上述した判定が行われてもよい。すなわち、UEにおける下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報の送信タイミング、または、基地局装置における下りリンクの共有チャネルの送信タイミングが、切り替え時間に重なる場合には、当該Half Duplex Check結果をNGと判定してもよい。
上述した例においては、Half Duplex Checkは、Half Duplexにより通信を行うUEに対して行われているが、上述した処理は、Half Duplexにより通信を行うUEに対してだけでなく、Full Duplexにより通信を行うUEに対して適用されてもよい。Full Duplexにより通信を行う全てのUEに対して、上記Half Duplex Checkが適用されてもよい。あるいは、当該UEと基地局装置200との間のパスロスが所定の閾値を超えている、Full Duplexにより通信を行うUEに関して、上述したHalf Duplex Checkが行われ、当該UEと基地局装置200との間のパスロスが所定の閾値を超えていない、Full Duplexにより通信を行うUEに関しては、上述したHalf Duplex Checkが行われないという処理が行われてもよい。この場合、UEにおいて上りリンクの送信と下りリンクの受信が同時に行われないため、後述する、「UE内における上りリンクの送信信号が、下りリンクの受信信号への干渉信号となり、結果として、下りリンクの受信信号の品質が劣化する」という問題を解決することが可能となる。尚、「UE内における上りリンクの送信信号が、下りリンクの受信信号への干渉信号となり、結果として、下りリンクの受信信号の品質が劣化する」という問題の影響が大きいセル、または、周波数帯域において、Full Duplexにより通信を行うUEに対しても、上述したHalf Duplex Checkが行い、それ以外のセル、または、周波数帯域においては、Full Duplexにより通信を行うUEに対しては、上述したHalf Duplex Checkが行わないという処理を行ってもよい。
Half Duplex Checkの結果がOKの場合(ステップS1007:OK)、間欠受信(DRX)のチェックが行われる(ステップS1008)。当該UEがDRX状態か否か、及び、当該UEがDRX状態である場合に、当該Sub-frameがDRX受信タイミングであるか否かを判定する。DRX状態であり、かつ、DRX受信タイミングでないと判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。すなわち、「DRX状態でない場合」または「DRX状態で、かつ、DRX受信タイミングである場合」にOKを返す。「DRX状態でない場合」には後述するflagDRXを0とし、「DRX状態で、かつ、DRX受信タイミングである場合にflagDRXを1とする。ここで、DRX受信タイミングとは、間欠受信を行っている状態における、データを受信可能なタイミングのことを指す。DRX受信タイミングは、On-durationとも呼ばれる。また、DRX状態であり、かつ、DRX受信タイミングでないという状態は、下りリンクの信号を受信しないスリープ状態に相当する。
尚、DRX状態であり,かつ,Persistent resourceにより送信されたデータの再送タイミング(「初回送信のSub-frame + HARQ RTT」〜「初回送信のSub-frame + HARQ RTT + DRX Retransmission Timer」である場合には,「DRX状態で,かつ,DRX受信タイミングである場合」とみなす。ここで、DRX Retransmission Timerとは、前記初回送信に対する再送を行ってよい区間を示すパラメータであり、事前に、基地局と移動局の間で設定されるパラメータである。尚、上記例では、初回送信に限定したが、初回送信以外にも上記DRX Retransmission Timerが適用されてもよい。尚、上記HARQ RTTの値は、例えば、8Sub−frameであっても、また、DRX Retransmission Timerは3Sub−frameであってもよい。もちろん上述した8や3という値は一例であり、それ以外の値が設定されてもよい。
DRX Checkの結果がNGの場合(ステップS1008:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。
DRX Checkの結果がOKの場合(ステップS1008:OK)、受信したCQI(Channel Quality Indicater)のチェック(Received CQI Check)が行われる(ステップS1010)。すなわち、当該サブフレームにおいて用いられるCQIの値を求める。例えば、基地局装置200は、当該UEから過去に少なくとも1つのCQIを受信している場合には、最新のシステム帯域幅全体のCQI(Wideband CQI)及びUE Selected Sub−band CQIを、後述するステップS1024の処理、及び、ステップS912の処理に用いる。さらに、例えば、基地局装置200は、当該UEから過去に一度もCQIを受信していない場合には、外部インタフェースより設定される、予め決められた固定のシステム帯域幅全体のCQI(Wideband CQI)を、後述するステップS1024の処理、及び、ステップS912の処理に用いる。尚、前記外部インタフェースより設定される、予め決められた固定のシステム帯域幅全体のCQI(Wideband CQI)は、例えば、装置内部のパラメータとして保持されていてもよい。前記外部インタフェースより設定される、予め決められた固定のシステム帯域幅全体のCQI(Wideband CQI)は、例えば、当該セルのセル端に位置するUEの受信SIRに基づいて算出されていてもよい。
尚、基地局装置200は、受信したCQIの信頼度を判定し、上記信頼度が低い場合に、当該CQIを受信しなかったと判定してもよい。すなわち、前記「過去に少なくとも1つのCQIを受信している」とは、過去に少なくとも1つの信頼度の高いCQIを受信しているという意味であってもよい。あるいは、前記「最新のシステム帯域幅全体のCQI(Wideband CQI)及びUE Selected Sub−band CQI」とは、信頼度の高いCQIの内、最新のシステム帯域幅全体のCQI(Wideband CQI)及びUE Selected Sub−band CQIという意味であってもよい。あるいは、前記「過去に一度もCQIを受信していない」とは、過去に一度も信頼度の高いCQIを受信していないという意味であってもよい。尚、前記CQIの信頼度は、例えば、CQIの受信品質、例えば、CQIの信号のSIR、より具体的には、Demodulation Reference SignalのSIRに基づいて判定されてもよい。すなわち、前記CQIの受信品質が、所定の閾値以上の場合に、信頼度が高いと判定し、前記CQIの受信品質が、所定の閾値未満の場合に、信頼度が低いと判定してもよい。
ステップS1012では、当該サブフレームにおいて、当該UEにPersistent Resourceが割り当てられるか否かを判定する。ここで、Persistent Resourceとは、Persistent Scheduling用に確保されたResource blockのことを指す。Persistent Schedulingとは、データ種別、あるいは、データを送受信するアプリケーションの特徴に応じて、一定周期毎にデータの送信機会を割り当てるスケジューリング方法である。尚、上記データ種別とは例えば、Voice Over IP(VoIP)によるデータであったり、あるいは、Streamingによるデータであったりする。上記Voice Over IPまたはStreamingが、上記アプリケーションに相当する。
前記Persistent Resourceとは、HARQの初回送信のために割り当てられたリソースであってもよい。この場合、当該データが再送される場合には、Dynamic Schedulingが適用されるDL−SCHとして送信される。すなわち、再送されるデータに関しては、後述するステップS1032におけるUE選択の処理において当該データが送信されるUEが選択されることにより、送信が行われる。
Persistent resourceが割り当てられると判定した場合(ステップS1012:OK)、データサイズのチェック(Data Size Check)の処理に進み(ステップS1014)、Persistent resourceが割り当てられないと判定した場合(ステップS1012:NG)、Localized/Distributed Checkに進む(ステップS1020)。ローカライズドとは、当該UEと基地局装置200の間の伝搬環境におけるフェージング周波数が小さいため、CQIに基づいて、比較的連続する周波数ブロック(リソースブロック)を割り当てた方が良い状態にあることを示し、ディストリビューティドとは、当該UEと基地局装置200の間の伝搬環境におけるフェージング周波数が大きいため、CQIの値に関係なく、比較的離散的に分散した周波数ブロック(リソースブロック)を割り当てた方が良い状態にあることを示す。尚、ローカライズドは、Low Fd(フェージング周波数)と呼ばれてもよいし、ディストリビューティドはHigh Fd(フェージング周波数)と呼ばれてもよい。
ステップS1014では、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルの送信可能なデータが閾値Thresholddata_size以上であるか否かを判定する。送信可能なデータがThresholddata_size以上である場合(ステップS1014:NG)、パーシステントリソース解放(Persistent Resource Release)の処理に進み(ステップS1018)、送信可能なデータがThresholddata_size未満である場合(ステップS1014:OK)、パーシステントリソース確保(Persistent Resource Reservation)の処理に進む(ステップS1016)。尚、各論理チャネルに対して、Persistent Schedulingが適用されるか否かは、予め設定されていてもよい。例えば、VoIPのデータを伝送する論理チャネルを、Persistent Schedulingが適用される論理チャネルとし、それ以外の論理チャネルを、Dynamic Schedulingが適用される論理チャネルとする。
また、上述した閾値Thresholddata_sizeは、例えば、パーシステントリソースにより送信可能なデータの最大値が設定されてもよい。
ステップS1016では、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルに割り当てられるPersistent Resourceを確保する。尚、当該Sub-frameにおいてPersistent Resourceが割り当てられるUEに関しても後述するスケジューリング係数の計算を行い、当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingが適用される論理チャネルのために無線リソースが割り当てられた場合には、Persistent Resourceを解放し、Dynamic Schedulingが適用されるLogical Channelのために割り当てられたResourceに、Persistent schedulingが適用される論理チャネルとDynamic schedulingが適用される論理チャネルを多重してMAC PDU(DL−SCH)の送信を行う。
尚,当該Sub−frameにおいてPersistent Resourceが割り当てられるUEに関しても,後述するステップS1024に記載のスケジューリング係数の計算を行い、当該Sub−frameにおいてDynamic schedulingが適用されるLogical Channelのために送信リソースが割り当てられた場合には、Persistent Resourceを解放し、Dynamic schedulingが適用されるLogical Channelのために割り当てられたResourceを用いて,当該UEに対してMAC PDU (DL−SCH)の送信を行う。尚、MAC PDUに,MAC control block及び各Logical ChannelのRLC buffer内のデータの多重方法に関しては,ステップS912に示される。
尚、MAC control blockとは、MACレイヤの制御情報である。あるいは、MAC control blockは、MACレイヤのヘッダ情報であってもよい。
ステップS1018では、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルに割り当てられる予定のPersistent Resourceを解放する。尚、上記Persistent Resourceは、当該Sub−frameのみ解放されることとし、次のPersistent Resourceが割り当てられるタイミングにおいては、改めてData Size Check処理(ステップS1014)を行うこととする。
ステップS1020では、当該UEの下りリンクの伝送タイプ(DL Transmission type)、すなわちLocalized送信/Distributed送信を判定する。尚、Transmission typeは、DLとULとで共通に管理されてもよい。
例えば、当該UEのFd推定値が閾値ThresholdFd,DL以下である場合にLocalized送信と判定し、上記以外の場合をDistributed送信と判定する。前記Localized送信を、Low Fdと呼んでもよいし、前記Distributed送信を、High Fdと呼んでもよい。
上記Fd推定値は、UEよりMeasurement report等のRRC messageにより報告される値を用いてもよいし、UEより送信されるSounding用のリファレンス信号の時間相関値に基づいて算出される値を用いてもよい。あるいは、上記Fd推定値は、UEより送信されるPUSCHにおけるDemodulation Reference Signalの時間相関値に基づいて算出されてもよい。あるいは、上記Fd推定値は、UEより送信されるPUCCHにおけるDemodulation Reference Signalの時間相関値に基づいて算出されてもよい。前記PUCCHにより、下り共有チャネルに関する送達確認情報や下りリンクの品質情報(CQI,Channel Quality Indicator)が送信される。
次に、バッファ状態のチェック(Buffer Status Check)が行われる(ステップS1022)。当該UEの有する論理チャネルに関して、当該Sub−frameにおいて送信可能なデータが存在するか否かを判定する。すなわち、基地局装置200は、当該UEの各論理チャネルに関して、データバッファ内に、送信可能なデータが存在するか否かを判定する。全ての論理チャネルに関して、送信可能なデータが存在しない場合にはNGを返し、少なくとも1つの論理チャネルに関して、送信可能なデータが存在する場合にはOKを返す。ここで、送信可能なデータとは、新規に送信可能なデータまたは再送可能なデータのことである。
但し、以下に、上記バッファ状態のチェックにおける例外的な処理を示す。
RLCレイヤの送信ウィンドウがフル(Full)になり、ストール(Stall)状態となっているLogical Channelに関しては、送信可能なデータが存在しないとみなす。
当該UEに対して、基地局装置間のハンドオーバを指示することが決まっている場合、当該UEの論理チャネルの内、DTCHに関しては、送信可能なデータがないものとみなす。すなわち、当該UEの論理チャネルの内、DCCHのみを送信可能なデータとみなす。尚、MAC control blockに関しては、DCCH送信時に送信可能なMAC control blockが存在する場合のみ、送信を行う。尚、MAC control blockに関しては、DCCHの有無に関係なく、送信可能なデータが存在するとみなしてもよいし、あるいは、逆に、送信可能なデータが存在しないとみなしてもよい。
当該UEが他の基地局装置から当該基地局装置にハンドオーバしてきた場合には、当該UEへのデータ送信が可能である判断するまで、当該UEに対して送信可能なデータがないものとみなす。尚、基地局装置200は、例えば、前記他の基地局装置から当該基地局装置へのデータ転送が完了し、かつ、PDCPレイヤのステータス レポート(Status Report)を受信した場合に、当該UEへのデータ送信が可能であると判断してもよい。さらに、前記他の基地局装置から当該基地局装置へのデータ転送が完了するということを、例えば、タイマーを定義し、前記タイマーが満了することと定義してもよい。また、前記PDCPレイヤのStatus Reportを受信したか否かの判断は、前記PDCPレイヤのStatus Reportの送信を予め指定している論理チャネルに関してのみ行うこととする。
当該UEの上りリンクの同期状態が同期外れである場合、または、UL個別リソース状態がNGである場合には、当該UEのDTCHに関しては送信可能なデータがないものとみなし、DCCHまたはMAC control blockのみを送信可能なデータとみなす。
当該Sub−frameにおいて、Persistent Resourceが確保されている場合には(ステップS1016の処理が行われている場合には)、該当する論理チャネル(Persistent Schedulingが適用されている論理チャネル)に関しては、送信可能なデータは存在しないとみなす。但し、この場合も、ステップS912の処理における、MAC PDUにMAC control block及び各Logical ChannelのRLC buffer内のデータを多重する処理においては、送信可能なデータがあるとみなす。
送信可能なデータとして、MAC control blockのみが存在する場合には、DCCHと同一のプライオリティクラスに属する論理チャネルとして扱う。すなわち、送信可能なデータとして、MAC control blockのみが存在する場合には、送信可能なDCCH相当の信号が存在するとみなす。
当該サブフレームにおいて、Persistent Resourceが確保されていない場合(ステップS1016の処理が行われていない場合には)、Persistent Schedulingが適用されるLogical Channelに関しては、以下の処理を行う。
新規に送信可能なデータのData sizeが閾値Thresholddata_size以上である場合、または、再送可能なデータが存在する場合に、送信可能なデータが存在するとみなす。
送信可能なデータのData sizeが閾値Thresholddata_size未満である場合、送信可能なデータが存在しないとみなす。
尚、本処理により、Persistent Resourceが割り当てられていないSub−frameにおいて、Persistent Schedulingが適用されるべきデータに送信リソースが割り当てられることを防ぐことができる。尚、上記「各論理チャネルに関する送信可能なデータの存在する/しない」の判定結果は、特に断りがなければ、ステップS912の処理における、MAC PDUにMAC control block及び各Logical ChannelのRLC buffer内のデータを多重する処理においても適用される。すなわち、本判定において、「送信可能なデータ存在しない」と判定した場合には、ステップS912の処理における、MAC PDUにMAC control block及び各Logical ChannelのRLC buffer内のデータを多重する処理においても、送信可能なデータが存在しないとみなす。
Buffer Status Checkの結果がNGの場合(ステップS1022:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。Buffer Status Checkの結果がOKの場合(ステップS1022:OK)、以下の選択論理に基づいて、送信可能データが存在する論理チャネルの中からHighest priorityの論理チャネルを選択し、Scheduling Coefficient Calculationの処理に進む(ステップS1024)。
(選択論理1) 最も優先度の高い論理チャネルをHighest priorityの論理チャネルとする。
(選択論理2) 選択論理1を満たす複数の論理チャネルが存在する場合には、送信可能な再送データを有する論理チャネルHighest priorityの論理チャネルとする。
(選択論理3) 選択論理2を満たす複数の論理チャネルが存在する場合には、個別制御チャネル(DCCH: Dedicated Control Channel)が存在するのであれば、DCCHをHighest priorityの論理チャネルとし、DCCHが存在しないのであれば、上記複数の論理チャネルの内、任意の論理チャネルをHighest priorityの論理チャネルとする。
本判断基準を適用する場合、優先度の低い論理チャネルの再送データではなく、優先度の高い論理チャネルの新規データが、より高い論理チャネルとして判定される。
尚、上述したステップS1006、S1008、S1022における、当該UEをスケジューリングの対象から除外する、という処理は、後述するScheduling Coefficient Calculationの処理を行わないことを意味し、結果として、当該サブフレームにおいて、当該UEに対して下りリンクの共有チャネルは送信されない。言い換えれば、基地局装置200は、上述したステップS1006、S1008、S1022において、当該UEをスケジューリングの対象から除外する、と判定されたUE以外のUEの中から、スケジューリングの処理を行い、すなわち、共有チャネルを送信するUEを選択し、そして、選択されたUEに対して下りリンクの共有チャネルを送信する。
ステップS1024では、ステップS1022において、Highest priorityと判定された論理チャネルに関して、後述する評価式を用いてスケジューリング係数を算出する。すなわち、あるUEに対して複数の論理チャネルが存在する場合に、前記複数の論理チャネルの内の全てに対して、スケジューリング係数の計算を行うのではなく、最も優先度の高い論理チャネルに対してスケジューリング係数の計算を行うことにより、基地局装置200の処理負荷を低減することが可能となる。
テーブル5−8に外部I/Fより設定されるパラメータを示す。
テーブル9に、Sub-frame単位で、各UEの各論理チャネルに与えられる入力パラメータを示す。
テーブル5−8に示す入力パラメータに基づいて、UE #n、Highest Priorityの論理チャネル#hのスケジューリング係数C
nを式(1)の通り計算する。
尚、Intra−eNB Hand Over (Intra−eNB HO)の際には、スケジューリングに用いる測定値、算出値は、Target eNB (ハンドオーバ先のeNB)に引き継がないものとする。
ステップS1024では、平均データレート(Average Data Rate)の測定が行われる。
Average Data Rateは、上述した式(2)を用いて求められる。
ただし、Nn,k(1,2,・・・)は、Average Data Rateの更新回数である。但し、Nn,k=0となるSub-frameにおいては、上述した式(3)とする。
また、忘却係数δn,kは、以下のように計算される。
δn,k=min(1−1/Nn,k,δ´PCn,k)
Average Data Rateの更新周期は「基地局装置200内の論理チャネル#kのデータバッファに送信すべきデータが存在したSub-frame毎」とし、rn,kの計算方法は「送信されたMAC SDUのサイズ」とする。すなわち、Average Data Rateの計算は、Average Data Rateの更新機会のSub-frameにおいて、以下のいずれかの動作を行う。
1.送信を行ったUEに対しては、「rn,k=送信されたMAC SDUのサイズ」でAverage Data Rateの計算を行う。
2.送信を行わなかったUEに対しては、「rn,k=0」でAverage Data Rateの計算を行う。
尚、Average Data Rateは、Received CQI Checkにおいて、過去に少なくとも1つのCQIを受信していると判定し、かつ、更新機会の条件が一致した場合に計算を行う。すなわち、CQIを少なくとも一度は受信した後から計算が開始される。
次に、スケジューリング係数の計算が行われたUE数を示すNSchedulingを1だけ増加させ(ステップS1026)、UEインデックスを示すnを1だけ増加させる(ステップS1028)。
次に、nがNScheduling以下であるか否か判定する(ステップS1030)。nがNScheduling以下であると判定した場合(ステップS1030:YES)、ステップS1004に戻る。
一方、nがNSchedulingよりも大きいと判定した場合(ステップS1030:NO)、ステップS1032において、ユーザ装置の選択(UE Selection)が行われる。すなわち、当該Sub−frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEを選択する。
まず、以下の式により、Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数、すなわち、下りリンクの共有チャネルが送信されるUEの数NDL−SCHを算出する。ここで、NSchedulingは、Scheduling Coefficient Calculationが行われたUEの数を指す(図10を参照)。
NDL−SCH=min(NScheduling,NDLMAX−NPCH−NRACHres−ND−BCH−NRACHm4―NMCH)
尚、上述した下りリンクの共有チャネルが送信されるUEの数NDL−SCHを算出する際に、NDL−SCH<0になった場合には、RACH message 4、RACH response、MCH、PCH、D−BCHの順番に、当該Sub−frameにおける送信処理を禁止する。当該Sub−frameにおいて送信処理を禁止すると決定されたチャネルは、当該Sub−frameにおいて送信されないことになる。
次に、Highest priorityの論理チャネルのScheduling priority group毎に、ステップS1024において算出されたスケジューリング係数の大きい順から、NDL−SCH台の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEを選択する。すなわち、Dynamic schedulingが適用される下りリンクの共有チャネルの送信先となるUEを選択する。ここで、Scheduling priority groupとは、スケジューリングにおける優先度付けがされたグループであり、各論理チャネルに対して、属すべきScheduling priority groupが定義される。すなわち、各UEは、Highest priorityの論理チャネルに基づいて、上記Scheduling priority groupに階層化され、各階層の中で、ステップS1024において算出されたスケジューリング係数の大きい順から、Dynamic schedulingが適用される下りリンクの共有チャネルの送信先となるUEが選択される、すなわち、スケジューリングされる。
以下の順序で上記「UE」を選択する。
High(1st)−>High(2nd)−>...−>Middle(1st)−>Middle(2nd)−>...−>Low(1st)−>Low(2nd)−>...
尚、当該UEが当該Sub-frameにおいて送信すべきMACレイヤの制御情報を有する場合には、そのScheduling priority groupを、Highest priorityの論理チャネルのScheduling priority groupに関係なく、「High」とする。すなわち、基地局装置200は、当該Sub−frameにおいて、送信すべきMACレイヤの制御情報が存在するUEを、優先度の高いScheduling priority groupに属するとみなしてスケジューリングを行う。
また、上述した例においては、High、Middle、Lowの3種類のScheduling priority groupが定義される例を示したが、さらに、Super Highが定義されてもよい。例えば、セル内の混雑度が高い場合にのみ設定される優先度フラッグが定義され、上記優先度フラッグが設定されたUE、または、論理チャネルを、上記Super HighのScheduling priority groupに属するとみなしてもよい。上記優先度フラッグが設定されるUE、または、論理チャネルは、緊急呼であったり、あるいは、優先呼であったりする。基地局装置200は、上記優先度フラッグが設定されるUE、または、論理チャネルのために、セル内の混雑度が高い場合には、基地局装置200内のリソースを確保するといった処理を行ってもよい。尚、上記リソースとは、例えば、CPU能力やメモリ量、ベースバンドリソースや送信電力リソース、周波数リソース、時間方向のリソースであってもよい。あるいは、上記リソースを確保するために、セル内のUE数に制約を設けてもよい。すなわち、セル内に最大で接続されるUEの数を低減されてもよい。
また、上記優先度フラッグが設定されたUE、または、上記優先度フラッグが設定された論理チャネルを有するUEに関して、上記UEに設定されている全ての論理チャネルが、Super HighのScheduling priority groupに属すると設定されてもよい。この場合、上記UEに設定されているどのような論理チャネルに対して、優先的にリソースが割り当てられる、すなわち、共有チャネルが割り当てられることになる。
上記優先度フラッグは、コアネットワークから通知されてもよい。
上述したように、ユーザ装置のインデックス(UE index)であるnに関してループ処理を行うことにより、下りリンクの共有チャネルを送信することができると判断された各ユーザ装置に対して、スケジューリング係数を計算することが可能となる。そして、計算されたスケジューリング係数の大きいユーザ装置に対して、無線リソースを割り当てる。すなわち、下りリンクの共有チャネルを送信するという制御を行うことにより、データの優先度や、ユーザ装置から報告される無線品質情報、再送回数、MACレイヤの制御情報の有無、割り当て頻度、平均の伝送速度、目標の伝送速度を考慮して、ハンドオーバ処理を行っているか否か、間欠受信処理の受信タイミングにあるか否か、RLCレイヤにおけるデータの滞留時間、異なる周波数のセルを測定するモードにおける受信タイミングにあるか否かを考慮して、無線リソース(下りリンクの共有チャネル)を割り当てるユーザ装置を決定し、上記ユーザ装置に対して下りリンクの共有チャネルを送信することが可能となる。
尚、上述した例においては、Scheduling priority groupは、High, Middle, Lowの3通りであったが、4通り以上のScheduling priority groupを用意してもよいし、2通り以下のScheduling priority groupを用意してもよい。
例えば、HighMAC, HighDRX, High, Middle, Lowの5通りのScheduling priority groupを用意し、優先度を、高い順から、HighMAC, HighDRX, High, Middle, Lowとする。そして、送信すべきMAC control blockを有するUEに対しては、そのScheduling priority groupを、Highest priorityの論理チャネルのScheduling priority groupに関係なく、「HighMAC」とし、DRX状態で,かつ,DRX受信タイミング時のUEに対しては、そのScheduling priority groupを、Highest priorityの論理チャネルのScheduling priority groupに関係なく、「HighDRX」としてもよい。送信すべきMAC control blockを有するUE、または、DRX状態で,かつ,DRX受信タイミング時のUEに対して、より優先的に共有チャネルを割り当てることが可能となる。例えば、MAC control blockを有するUEとMAC control blockを持たないUEが存在する場合には、式(1)におけるCnの値に関係なく、MAC control blockを有するUEに対して、優先的に共有チャネルを割り当てることが可能となる。
尚、上述した例においては、優先度を、高い順から、HighMAC, HighDRX, High, Middle, Lowとしたが、これは一例であり、その他の順番、例えば、High, HighMAC, HighDRX, Middle, Low等であってもよい。
次に、ステップS912において行われる下りリンクTFR選択処理について、図11を参照して説明する。
図11には、DL TFR selectionの処理フローを示す。本処理フローにより、同期信号(Synchronization Signal、あるいは、同期チャネルSCHとも呼ばれる)、プライマリ報知チャネル(P−BCH)、ページングチャネル(PCH)、ダイナミック報知チャネル(D−BCH)、ランダムアクセスチャネル応答(RACH response、あるいは、ランダムアクセス手順におけるMessage2)、ランダムアクセス手順におけるMessage 4、MBMSチャネル(MCH)、及びPersistent schedulingが適用されるDL-SCH、Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てが行われる。上述した、SCHやP−BCH、PCH、D−BCH、RACH response、RACH message 4は共通チャネルと呼ばれる。
共通チャネルに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Common channel)が行われる(ステップS1102)。
当該Sub-frameにおいて同期信号が送信される場合には、ほぼシステム帯域幅の中心に位置する6または7リソースブロックを同期信号に割り当てる。同期信号に割り当てられたRBを含むRB groupは、Dynamic Schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられない。
尚、上述した同期信号に割り当てられるリソースブロックは、他のチャネルがマッピングされないように、同期信号のために確保されたリソースブロックを意味し、同期信号が実際にマッピングされるリソースブロックあるいはサブキャリアを示すものではない。すなわち、同期信号は、上記同期信号のために割り当てられたリソースブロックの中の所定のサブキャリアにマッピングされる。
尚、同期信号の送信電力(全てのresource element (sub−carrier)の送信電力の和。絶対値とし、単位をWとする)をPSCHとする。
当該Sub-frameにおいてP−BCHが送信される場合には、ほぼシステム帯域幅の中心に位置する6または7リソースブロックをP−BCHに割り当てる。尚、上述したP−BCHに割り当てられるリソースブロックは、他のチャネルがマッピングされないように、P−BCHのために確保されたリソースブロックを意味し、P−BCHが実際にマッピングされるリソースブロックあるいはサブキャリアを示すものではない。すなわち、P−BCHは、上記P−BCHのために割り当てられたリソースブロックの中の所定のサブキャリアにマッピングされる。例えば、P−BCHは、同期信号がマッピングされるサブキャリアと同じサブキャリア番号にマッピングされてもよい。
尚、P−BCHの送信電力(全てのresource element (sub−carrier)の送信電力の和。絶対値とし、単位をWとする)をPP−BCHとする。
当該Sub-frameにおいてPCHが送信される場合には、予め決められたRB groupをPCHに割り当てる。あるいは、PCHのデータサイズまたはPCHが送信されるユーザ装置の数に応じて、または、利用可能なRB groupに応じて、PCHへのRB groupの割り当てを行ってもよい。例えば、利用可能なRB groupの内、PCHのデータサイズに基づいて決定されるRB数を超えるまで、システム帯域の両端から順番にRB groupを選択し、選択されたRB groupを、PCHに割り当てるRB groupとしてもよい。ここで、利用可能なRB groupとは、当該処理を行う時点で、他のチャネルに割り当てると決定されていないRB groupのことである。
当該Sub-frameにおいてRACH response(ランダムアクセスチャネル応答、あるいは、ランダムアクセス手順におけるMessage2)が送信される場合には、予め決められたRB groupをRACH responseに割り当てる。あるいは、RACH responseのデータサイズまたはRACH responseが送信されるユーザ装置の数に応じて、または、利用可能なRB groupに応じて、RACH responseへのRB groupの割り当てを行ってもよい。例えば、利用可能なRB groupの内、RACH responseのデータサイズに基づいて決定されるRB数を超えるまで、システム帯域の両端から順番にRB groupを選択し、選択されたRB groupを、RACH responseに割り当てるRB groupとしてもよい。ここで、利用可能なRB groupとは、当該処理を行う時点で、他のチャネルに割り当てると決定されていないRB groupのことである。
当該Sub-frameにおいてD−BCHが送信される場合には、予め決められたRB groupをD−BCHに割り当てる。あるいは、D−BCHのデータサイズに応じて、または、利用可能なRB groupに応じて、D−BCHへのRB groupの割り当てを行ってもよい。例えば、利用可能なRB groupの内、D−BCHのデータサイズに基づいて決定されるRB数を超えるまで、システム帯域の両端から順番にRB groupを選択し、選択されたRB groupを、D−BCHに割り当てるRB groupとしてもよい。ここで、利用可能なRB groupとは、当該処理を行う時点で、他のチャネルに割り当てると決定されていないRB groupのことである。
当該Sub-frameにおいてRACH message 4が送信される場合には、予め決められたRB groupをRACH message 4に割り当てる。あるいは、RACH message 4のデータサイズまたはRACH message 4が送信されるユーザ装置の数に応じて、または、利用可能なRB groupに応じて、RACH message 4へのRB groupの割り当てを行ってもよい。例えば、利用可能なRB groupの内、RACH message 4のデータサイズに基づいて決定されるRB数を超えるまで、システム帯域の両端から順番にRB groupを選択し、選択されたRB groupを、RACH message 4に割り当てるRB groupとしてもよい。ここで、利用可能なRB groupとは、当該処理を行う時点で、他のチャネルに割り当てると決定されていないRB groupのことである。
MBMSチャネル、すなわち、MCHに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for MCH)が行われる(ステップS1104)。すなわち、当該Sub−frameにおいてMCHが送信される場合には、予め決められたRB groupをMCHに割り当てる。あるいは、MCHのデータサイズに応じて、または、利用可能なRB groupに応じて、MCHへのRB groupの割り当てを行ってもよい。例えば、利用可能なRB groupの内、MCHのデータサイズに基づいて決定されるRB数を超えるまで、システム帯域の両端から順番にRB groupを選択し、選択されたRB groupを、MCHに割り当てるRB groupとしてもよい。ここで、利用可能なRB groupとは、当該処理を行う時点で、他のチャネルに割り当てると決定されていないRB groupのことである。
次にパーシステントスケジューリングに対するリソースブロック割り当て(RB allocation for Persistent Scheduling)が行われる(ステップS1106)。ステップS1016において確保されたPersistent Resourceを、当該Sub-frameにおいてPersistent schedulingが適用されるDL-SCHを有するUEに割り当てる。
但し、当該Sub-frameにおいてPersistent Resourceが割り当てられるUEに関しても,ステップS1024に記載のスケジューリング係数の計算を行い、当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingが適用されるLogical Channelのために送信リソースが割り当てられた場合には、基地局装置200は、Persistent Resourceを解放し、Dynamic schedulingが適用されるLogical Channelのために割り当てられたResourceを用いて、当該UEに対してMAC PDU(DL−SCH)の送信を行う。尚、MAC PDUに、MAC control block及び各Logical ChannelのRLC buffer内のデータの多重方法に関しては後述する。
尚、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHの送信電力(全てのresource element (sub−carrier)の送信電力の和。絶対値とし、単位をWとする)をPpersistとする。ここで、Ppersistは、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHを有するUEが2台以上存在する場合には、全UEのPersistent schedulingが適用されるDL-SCHの送信電力の合計値とする。
次に、物理下り共有チャネルのリソースブロック数の計算(Calculation for Number of RBs for PDSCH)が行われる(ステップS1108)。基地局装置200の最大送信電力(以下、Pmaxと記載する。単位をWとする)、同期信号の送信電力PSCH、P−BCHの送信電力PP−BCH、PCHの送信電力PPCH、RACH responseの送信電力PRACHres、D−BCHの送信電力PD−BCH、RACH message 4の送信電力PRACHm4、MCHの送信電力PMCH、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHの送信電力Ppersist、Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHの1RBあたりの送信電力Pdynamic (RB)に基づき、以下の式を用いてPDSCHに割り当て可能なRB数Ndynamic (RB)を算出する。ここで、Nsystem (RB)はシステム帯域全体のRB数であり、NP−BCH、NSCH、NPCH、NRACHres、Npersist、ND−BCH、NRACHm4、NMCHは、それぞれ、当該Sub-frameにおいてP−BCH、同期信号、PCH、RACH response、D−BCH、RACH message 4、MCH、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられるRBの数である。
N
dynamic (RB)<N
system (RB)−N
common−N
persistである場合には、当該Sub-frameにおいて、P−BCH、PCH、RACH response、D−BCH、MCH、RACH message 4、Persistent schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられたRB group以外のRB groupの内の一部のRB groupの送信を禁止することにより、基地局装置200の総送信電力を最大送信電力以下となるように制御する。(N
system (RB)−N
common−N
persist−N
dynamic (RB))個以上のRBの送信が禁止されるまで、以下の処理、すなわちRB数が最も小さいRB groupの送信を禁止し、RB数が最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合、RB group番号が小さいRB groupからRB groupの送信を禁止する処理を繰り返すことにより、送信を禁止するRB groupを決定する。尚、上述した例では、RB group番号が小さいRB groupからRB groupの送信を禁止するという処理を行ったが、RB group番号の大きいRB groupからRB groupの送信を禁止する処理を行ってもよく、あるいは、システム帯域の中心に近いRB groupからRB groupの送信を禁止する処理を行ってもよく、あるいは、上記以外の順番でRB groupの送信を禁止する処理を行ってもよい。
k=1とする(ステップS1110)。
次に、リソースブロックが残っているか否かのチェック(RB Remaining Check)が行われる(ステップS1112)。
ステップS1112では、Dynamic schedulingが適用されるDL−SCHに割り当て可能なRB groupが存在するか否かを判定する。割り当て可能なRB groupが存在する場合にはOKを返し、割り当て可能なRB groupが存在しない場合にはNGを返す。RB Remaining CheckがNGの場合(ステップS1112:NG)、DL TFR Selectionの処理を終了する。
尚、上記「Dynamic schedulingが適用されるDL−SCHに割り当て可能なRB group」とは、P−BCH、PCH、RACH response、D−BCH、RACH message 4、MCH、Persistent schedulingが適用されるDL−SCH、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるDL−SCHに割り当てられRB group以外のRB groupのことである。また、上記「Dynamic schedulingが適用されるDL−SCHに割り当て可能なRB group」に含まれるRBの総数をNremain (RB)とする。
尚、上述した例においては、「Dynamic schedulingが適用されるDL−SCHに割り当て可能なRB group」を、P−BCH、PCH、RACH response、D−BCH、RACH message 4、MCH、Persistent schedulingが適用されるDL−SCH、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるDL-SCHに割り当てられRB group以外のRB group、としたが、代わりに、同期信号、P−BCH、PCH、RACH response、D−BCH,RACH message 4、MCH、Persistent schedulingが適用されるDL−SCH、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるDL−SCHに割り当てられRB group以外のRB groupとしてもよい。
一方、RB Remaining CheckがOKの場合(ステップS1112:OK)、ステップS1114に進む。
次に、下りリンクTFR選択(DL TFR Selection)が行われる(ステップS1114)。
上述したステップS1032において決定された「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」のTransport formatの決定、RB groupの割り当てを行う。
尚、S1110〜S1120におけるkのループは、ステップS1032において決定された、「Dynamic Schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」として選択された順に行う。
DL TFR Selectionでは、CQI調節(CQI adjustment)が行われる。TFR Selectionに用いられるCQIには、以下に示す、周波数
方向の読み替え処理、アウターループ(Outer−loop)的なオフセット調節処理、Highest priorityの論理チャネルの優先度に基づくオフセット処理が適用される。
周波数方向の読み替え処理について説明する。
UEより報告されるCQIに基づき、各RB groupのCQIを算出する。システム帯域幅全体のCQI(Wideband CQI)が報告され、UE selected Sub−bandのCQIが存在しないRB groupは、システム帯域幅全体のCQI(Wideband CQI)と同一とする。尚、ステップS1020において、伝送タイプがDistributed送信と判定されたUEに対しては、全てのRB groupのCQIを、システム帯域幅全体のCQIと同一であるとみなしてもよい。
尚、以下では、システム帯域全体に関するCQIを表現する際には、引数を「all」として記載する。
Outer-loop的なオフセット調節処理(CQI offset adjustment)について説明する。
CQI_offsetiは、Highest priorityの論理チャネルのpriority classがXi,adjustであるDL-SCHの送達確認情報(CRC check結果)に基づいて、上述した式(4)に示すようにOuter-loop的に調節される。Highest priorityの論理チャネルのPriority classがXi,adjustと異なる場合には、Outer-loop的なオフセットの調節(式(4)の処理)は行われない。
尚、当該UEに対して、1Sub−frame内に2つ以上のMAC PDUを送信する場合には、前記2つ以上のMAC PDUのそれぞれに関して、上記Outer−loop的なオフセットの調節を行う。ここで、2つ以上のMAC PDUを送信するとは、MIMO適用時に2つ以上のCodewordで送信を行うことに該当する。
CQI_offsetiは、UE毎に調節される。また、CQI offset adjustment処理の対象となるPriority class Xi,adjustは、外部入力インタフェース(IF)よりUE毎に設定される。このように、全てプライオリティクラスに関して、Outer−loop的なオフセットの調整を行うのではなく、予め設定された1つのプライオリティクラスに関して、Outer−loop的なオフセットの調整を行うことにより、基地局装置の処理負荷を低減することが可能となる。例えば、前記Priority class Xi,adjustは、最も送信頻度の大きい論理チャネルが属するPriority classが設定される。
Δadj (PC)、BLERtarget (PC)は外部入力インタフェース(IF)より設定可能とするようにしてもよい。但し、CQI_offsetiの最大値をCQI_offsetPC (max)、最小値をCQI_offsetPC (min)とする。上記CQI_offsetiの最大値CQI_offsetPC (max)、最小値CQI_offsetPC (min)は、外部入力インタフェース(IF)より設定される。CQI_offsetiが最大値あるいは最小値に張り付いた場合には、式(4)の計算は行わない。
そして、上記CQI_offsetiが、電力オフセットとして、各RB groupのCQIの値及びシステム帯域全体に関するCQIの値に加算される。上述した式(5)の処理は、「当該Sub-frameにおいて、Highest priorityの論理チャネルのPriority classがXi,adjustであるか否か」に依らず、DL TFR Selectionを行う全てのSub-frameにおいて行われる。
優先度に基づくオフセット処理について説明する。
Highest priorityの論理チャネルの優先度に基づくオフセットΔPCにより、各RB groupのCQIの値及びシステム帯域全体に関するCQIの値が調整される。ΔPCは例えば外部入力インタフェース(IF)より設定される。添え字のPCはPriority classを示す。
CQIadjust(i)=CQIadjust(i)−ΔPC
次に、リソースブロックグループ割り当て(RB group allocation)について、図12を用いて説明する。以下の処理を行うことにより、k番目の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」に対して対してRB groupの割り当てを行う。尚、DL_TF_Related_tableのイメージを図6に示す。図6には、一例としてCQIが1である場合について示す。
<処理>
ステップS1202において以下のパラメータの設定を行う。
Nremain (RB):残りのリソースブロック数(Number of Remaining RBs)
Ncapability:最大RB数
Nmax,bit:UE categoryより決定される最大データサイズ(Payload size)
尚、前記Ncapabilityは、装置内部のパラメータとして設定されてもよいし、上位ノードから入力されるパラメータとして設定されてもよいし、UEから通知されるUE capabilityに含まれる情報に基づいて設定されてもよい。
尚、前記Ncapabilityは、UEから伝送速度を下げることを指示された場合に、以下のように計算されてもよい。
Ncapability = Ncapability * α
ここで、αは、伝送速度を下げる場合の、UEが受信可能な最大のスループットに対する比であってもよい。例えば、基地局装置200は、UEから、UEが受信可能な最大のスループットの80%以下となるように下りリンクの共有チャネルの送信を行うことを指示された場合に、α=0.8としてもよい。尚、UEが上記報告を行う方法は、伝送速度を下げるということを意味するのであれば、UEが受信可能な最大のスループットに対する比であってもよいし、絶対的なスループットの値であってもよい。いずれの場合においても、基地局装置200は、UEから指示に基づき、UEが受信可能な最大のスループットに対する比に読み替えることにより、上記αを算出し、上記計算を行ってもよい。
尚、前記Nmax,bitは、UEから伝送速度を下げることを指示された場合に、以下のように計算されてもよい。
Nmax, bit = Nmax,bit * α
ここで、αは、伝送速度を下げる場合の、UEが受信可能な最大のスループットに対する比であってもよい。例えば、基地局装置200は、UEから、UEが受信可能な最大のスループットの80%以下となるように下りリンクの共有チャネルの送信を行うことを指示された場合に、α=0.8としてもよい。尚、UEが上記報告を行う方法は、伝送速度を下げるということを意味するのであれば、UEが受信可能な最大のスループットに対する比であってもよいし、絶対的なスループットの値であってもよい。いずれの場合においても、基地局装置200は、UEから指示に基づき、UEが受信可能な最大のスループットに対する比に読み替えることにより、上記αを算出し、上記計算を行ってもよい。
次に、ステップS1204において、当該UEに割り当て可能なRB数Nallocated (RB)を算出する:
Nremain (UE)=min (NDL−SCH−k+1, Ncapability)
本式により、当該UEに割り当てられるRB数を、Ncapability以下に制限することが可能となる。尚、min(A, B)とは、AとBの内、より小さい方を出力する関数である。
ステップS1206において、下りリンクの送信タイプがローカライズドであるかディストリビューティドであるかを判定する。
下りリンクの送信タイプがディストリビューティドである場合(ステップS1206の判定結果:Distributed)、ステップS1208に進む。ステップS1208において、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated (RB)以上になるまで、システム帯域内において離散的に分散する周波数リソースが割り当てられるように、RB groupを選択する。例えば、システム帯域の両端から交互にRB groupを割り当てることにより、システム帯域内において離散的に分散する周波数リソースが割り当てられるように、RB groupを選択してもよい。あるいは、RB group番号の小さいRB groupとRB group番号の大きいRB groupを交互に順番に当該UEに割り当てることにより、システム帯域内において離散的に分散する周波数リソースが割り当てられるように、RB groupを選択してもよい。
下りリンクの送信タイプがディストリビューティドでない場合(すなわち、ローカライズドである場合、ステップS1206の判定結果:Localized)、ステップS1210に進む。ステップS1210において、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated (RB)以上になるまで、CQIadjustedの値が大きいRB groupから順にRB groupを当該UEに割り当てる。
尚、ステップS1206において、下りリンクの送信タイプがローカライズドであるかディストリビューティドであるかを判定するかを判定する前に、当該UEと基地局装置200との間のパスロスに基づいて、当該UEに対してRB groupを割り当てる方法を決定してもよい。例えば、閾値ThrehosldDL,PLを定義し、UEと基地局装置200との間のパスロスが、閾値ThrehosldDL,PLよりも大きい場合には、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated (RB)以上になるまで、周波数の高いRB groupから順にRB groupを当該UEに割り当てるという処理を行い、上記パスロスが、閾値ThrehosldDL,PL以下である場合には、上述した、下りリンクの送信タイプがローカライズドであるかディストリビューティドであるかを判定し、その判定結果に基づいたRB groupの割り当て処理を行ってもよい。あるいは、上述した処理において、上記パスロスが閾値ThrehosldDL,PL以下である場合に、下りリンクの送信タイプがローカライズドであるかディストリビューティドであるかの判定を行うのではなく、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated (RB)以上になるまで、周波数の低いRB groupから順にRB groupを当該UEに割り当てるという処理を行ってもよい。尚、上記パスロスは、UEから報告されるUE Power Headroomと上りリンクの共有チャネルまたはサウンディング用のリファレンス信号の受信レベルから算出されてもよいし、UEから報告されるパスロスから算出されてもよい。尚、UEから報告されるUE Power Headroomと上りリンクの共有チャネルまたはサウンディング用のリファレンス信号の受信レベルから算出されるパスロスは、上りリンクのパスロスに相当し、UEから報告されるパスロスは下りリンクのパスロスに相当する。
例えば、FDD方式が適用されるLTEにおいては、UE内における上りリンクの送信信号が、下りリンクの受信信号への干渉信号となり、結果として、下りリンクの受信信号の品質が劣化するという問題が存在する。一般に、UE内においては、Duplexerと呼ばれる機能部が存在し、上記Duplexerにより、UE内で、上りリンクの送信信号が、下りリンクの信号の受信、すなわち、復調や復号を行う機能部に漏れこむことを防いでいるが、完全に、その洩れこみを防ぐことはできない。図14に、UEにおける干渉のメカニズムのイメージ図を示す。図14に示すように、送信部で生成された送信信号が、Duplexerにおいてその電力を落としきれずに受信部に漏れこむことにより、干渉信号となり、結果として、受信信号の品質が劣化する。
上記漏れこみは、上りリンクの送信信号の周波数と下りリンクの受信信号の周波数が離れていれば離れているほど、また、上りリンクの送信信号の送信電力が小さければ小さいほど、小さくなる。上りリンクにおいては、パスロスが大きいほど、その送信電力は大きくなる。よって、上述したように、パスロスが大きい場合に、下りリンクの共有チャネルの周波数リソースとして、周波数の高い周波数リソースを割り当てることにより、上述した、上りリンクの送信信号による下りリンクの受信信号への干渉を低減することが可能となる。図15に、上述した、上りリンクの送信信号による下りリンクの受信信号への干渉を低減する効果に関するイメージ図を示す。図15によれば、パスロスが大きい場合には、DLとULとの間隔を大きくする。すなわち、パスロスが大きいUEに対する下りリンク(DL)の送信信号は、ULの送信帯域から離れた周波数帯域を割り当てる。結果として、上りリンクの信号による干渉が低減される。また、パスロスが小さい場合には、DLとULとの間隔を小さくする。すなわち、パスロスが小さいUEに対する下りリンク(DL)の送信信号は、ULの送信帯域に近い周波数帯域を割り当てる。ULの送信電力が小さいため、上りリンクの信号による干渉は問題にならないためである。
尚、上述した例においては、上りリンクの周波数が、下りリンクの周波数よりも低いことを前提に記載している。上りリンクの周波数が、下りリンクの周波数よりも高い場合には、逆に、上記パスロスが、閾値ThrehosldDL,PLよりも大きい場合には、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated (RB)以上になるまで、周波数の低いRB groupから順にRB groupを当該UEに割り当てるという処理となる。
さらに、上述した処理においては、ステップS1110〜ステップS1120の処理を行うUEの順番(kのループの順番)を、ステップS1032において決定された、「Dynamic Schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」として選択された順で行っているが、代わりに、ステップS1110〜ステップS1120の処理を行うUEの順番(kのループの順番)を、パスロスの大きい順としてもよい。すなわち、パスロスの大きいUEから順に、ステップS1110〜ステップS1120の処理が行われる。この場合、確実に、パスロスの大きいUEから順に、上りリンクの送信周波数からより離れた周波数リソース、すなわち、周波数の高い周波数リソースが割り当てられるため、結果として、上述した、上りリンクの送信信号による下りリンクの受信信号への干渉を低減する効果を大きくすることが可能となる。
上記処理(ステップS1208及びステップS1210)において「当該UEに割り当てられる」と判定されたRB groupを以下ではTemporary RB groupと呼ぶ。
ステップS1212において、Highest priorityの論理チャネルが再送可能なデータ有するか否かを判定する。
Highest priorityの論理チャネルが再送可能なデータを有すると判定した場合(ステップS1212の判定結果:YES)、ステップS1214に進む。一方、 Highest priorityの論理チャネルが再送可能なデータを有しないと判定した場合(ステップS1212の判定結果:NO)、ステップS1213に進む。
ステップS1213において、新規送信のためのHARQ processが存在しないか否かを判定する。新規送信のためのHARQprocessが存在しない場合(ステップS1213の判定結果:YES)、ステップS1215に進む。
ステップS1214において、上記再送可能なデータ(MAC PDU)の内、Highest priorityの論理チャネルの「RLC SDUのバッファ滞留時間」が最大のRLC SDUを含むデータ(MAC PDU)を、当該Sub−frameにおいて送信するMACPDUとして選択する。すなわち、上記Highest priorityの論理チャネルの「RLC SDUのバッファ滞留時間」が最大のRLC SDUを含むデータ(MAC PDU)を送信する。ここで、RLC SDUのバッファ滞留時間の定義は、上述したテーブル7の項番5におけるRLC SDUバッファ滞留時間と同一である。
ステップS1215においては、再送可能なデータ(MAC PDU)の内,最も優先度の高い再送データ(MAC PDU)を送信する.上記優先度は,上記再送データ(MAC PDU)に多重されている論理チャネル(Logical Channel)の内,最も優先度の高い論理チャネル(Logical Channel)の優先度とする。
また,最も優先度の高い再送データ(MAC PDU)が複数存在する場合には,最も優先度の高い論理チャネル(Logical Channel)の「RLC SDUのバッファ滞留時間」が最大のRLC SDUを含むデータ(MAC PDU)を送信する.ここで,RLC SDUのバッファ滞留時間の定義は、上述したテーブル7の項番5におけるRLC SDUバッファ滞留時間と同一である。
そして、ステップS1216において、当該Sub−frameの送信に使用されるRB group及び変調方式を決定する。すなわち、上記データの送信に使用されるRB groupは、Temporary RB groupと同一とする。変調方式は、初回送信と同一とする。尚、上述した例では、上記データの送信に使用されるRB groupを、Temporary RB groupと同一とする場合を示したが、代わりに、上記データの送信に使用されるRB groupに含まれるRB数が、初回送信時に割り当てられたRB数よりも大きい場合には、当該Sub−frameの送信に使用されるRB groupの一部を、RB数が初回送信時に割り当てられたRB数と同一になるまで割り当てない、という処理を行ってもよい。
尚、上記データの送信に使用されるRB groupを、テンポラリ リソースブロック グループ(Temporary RB group)とする代わりに、RB group内のRB数に基づいて、RB group内のRB数を低減してもよい。具体的には、Temporary RB group内のRB数が、初回送信のRB group内のRB数を2倍した値よりも大きい場合には、Temporary RB group内のRB数が、初回送信のRB group内のRB数を2倍した値以下となるように、Temporary RB group内のRB数を低減してもよい。尚、RB数の低減の仕方は、ステップS1224やステップS1232と同様の方法であってもよい。尚、上述した例における2倍という値は、1倍や3倍など、2倍以外の値であってもよい。
一方、新規送信のためのHARQprocessが存在する場合(ステップS1213の判定結果:NO)、ステップS1218に進む。
ステップS1218において、Temporary RB groupにおけるCQI値、CQITFRを以下のように算出する。
下りリンク送信タイプがディストリビューティドである場合、CQITFR=CQIadjusted(all)とし、下りリンク送信タイプがディストリビュートでない場合(すなわち、ローカライズドである場合)、CQITFR=「Temporary RB Group内のRB group毎のCQIadjustedをTemporary RB groupの帯域で真値平均した値(但し、RB group毎のRB数の割合を考慮して平均すること)」とする。
そして、ステップS1220において、Temporary RB group内のRB数(RB_available)とCQITFRを引数としてTF_related_tableを参照することにより、下りリンクの共有チャネルのデータサイズ (Sizeと記載する)と、変調方式(Modulationと記載する)を決定する。
ステップS1222において、Size>N
max,bitが真であるか否かを判定する。
Size>Nmax,bitである場合(ステップS1222の判定結果:YES)には、ステップS1224において、Size≦Nmax,bitとなるまで、Temporary RB group内のRB数(RB available)を低減する.すなわち,Nmax,bitとCQITFRを引数としてTF related tableを参照することにより,割り当てるRB数NUMRBを再計算する。
そして、下りリンク送信タイプがディストリビューティドである場合、送信に用いるRB group内のRB数がNUM
RB以下となるまで、以下の処理を繰り返すことにより,Temporary RB group内のRB groupを削除する(削除されたRB groupはk+1番目以降のUEの送信リソースとして使用される)。
(処理)Temporary RB groupの内,RB group番号が小さいRB groupとRB group番号が大きいRB groupを,交互に順番に削除する
上記処理を行った後の,Temporary RB group内のRB数を,NumRBとする。上記処理は、RB groupを削除した後に残ったRB groupが、システム帯域内において離散的に分散されることを意図して行われる。
一方、下りリンク送信タイプがローカライズドである場合、送信に用いるRB group内のRB数がNUMRB以下となるまで,以下の処理を繰り返すことにより、Temporary RB group内のRB groupを削除する(削除されたRB groupはk+1番目以降のUEの送信リソースとして使用される)
(処理)CQIadjustedが最も小さいRB groupを削除する。CQIadjustedが最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合、RB数が小さいRB groupからRB groupを削除する。CQIadjustedが最も小さく、かつ,RB数が最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合,RB group番号が大きいRB groupからRB groupを削除する。
上記処理を行った後のTemporary RB groupを、以下の処理ではTemporary RB groupとして用いる。また、上記処理を行った後のTemporary RB group内のRB数をNumRBとする。そして、Temporary RB group内のRB数(RB_available)とCQITFRを引数としてTF_related_tableを参照することにより、下りリンクの共有チャネルのデータサイズ (Sizeと記載する)と、変調方式(Modulationと記載する)を再度決定する。
ステップS1224の処理の後、ステップS1226に進む。
一方、Size≦Nmax,bitである場合(ステップS1222の判定結果:NO)、ステップS1226に進む。
次に、ステップS1226において、RLC Buffer内に十分データがあるか否かを判定する。
RLC Buffer内に十分データがあると判定した場合(ステップS1226の判定結果:YES)、ステップS1228において、以下の手順により、上記Sizeを有するMAC PDUに、MACレイヤの制御情報及びRLC Buffer内の全論理チャネルのデータを多重する。
(手順1) まず、MACレイヤの制御情報が存在する場合には、最優先で上記MACレイヤの制御情報を多重する。
(手順2) 次に、優先度の高い論理チャネルから順に、RLC buffer内のデータを切り出して多重する。同一の優先度の論理チャネルが2つ以上存在する場合には、DCCHが存在するのであればDCCHを最優先とし、DCCHが存在しないのであれば、任意の論理チャネルから順に、RLC buffer内のデータを切り出して多重する。ここで、上記任意の論理チャネルを選択する方法として、ラウンドロビンを用いてもよい。
そして、ステップS1230において、当該Sub−frameの送信に使用されるRB group及び変調方式、ペイロードサイズを決定する。すなわち、上記データの送信に使用されるRB groupは、Temporary RB groupと同一とする。上記データの送信に使用される変調方式は、Modulationと同一とする。上記データのペイロードサイズは、Sizeと同一とする。
一方、RLC Buffer内に十分データがないと判定した場合(ステップS1226の判定結果:NO)、ステップS1232において、Size≦Sizeallとなるまで、割り当てるRB数を減らす。ここで、Sizeallは、MAC control block及び全LogicalChannelのRLC Buffer内のデータの合計サイズである。以下に詳細な処理方法を示す。
まず、MAC control block及び全論理チャネルRLC buffer内のデータの合計サイズSizeallとCQITFRを引数としてTF_related_tableを参照することにより、割り当てるRB数NUMRBを再計算する。
下りリンク送信タイプがディストリビューティドである場合、送信に用いるRB group内のRB数がNUM
RB未満とならない範囲内で、以下の処理を繰り返すことにより、Temporary RB group内のRB groupを削除する。
(処理)Temporary RB group内のRB groupの内、RB group番号が小さいRB groupとRB group番号が大きいRB groupを、交互に順番に削除する。
上記処理を行った後のTemporary RB groupを、以下の処理ではTemporary RB groupとして用いる。また、上記処理を行った後のTemporary RB group内のRB数をNumRB、Fとする。
下りリンク送信タイプがディストリビュートでない場合、すなわち、下りリンク送信タイプがローカライズドである場合、送信に用いるRB group内のRB数がNUMRB未満とならない範囲内で、以下の処理を繰り返すことにより、Temporary RB group内のRB groupを削除する。
(処理)CQIadjustedの値が小さいRB groupから順にRB groupを削除する。CQIadjustedが最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合、RB数が小さいRB groupからRB groupを削除し、CQIadjustedが最も小さく、かつ、RB数が最も小さいRB groupが2つ以上存在する場合、RB group番号が大きいRB groupからRB groupを削除する。
上記処理を行った後のTemporary RB groupを、以下の処理ではTemporary RB groupとして用いる。また、上記処理を行った後のTemporary RB group内のRB数をNumRB、Fとする。
上記の処理において削除されたRB groupはk+1番目以降のUEの無線リソースとして使用される。
そして、上記Temporary RB group内のRB数NumRB、Fと、CQITFRを引数としてTF_related_tableを参照することにより、下りリンクの共有チャネルのデータサイズ (Sizeと記載する)と、変調方式(Modulationと記載する)を再度決定する。
そして、ステップS1234において、前記Sizeを有するMAC PDUに、MACレイヤの制御情報及びRLC Buffer内の全論理チャネルのデータを多重する。
そして、ステップS1230において、当該Sub−frameの送信に使用されるRB group及び変調方式、ペイロードサイズを決定する。すなわち、上記データの送信に使用されるRB groupは、Temporary RB groupと同一とする。上記データの送信に使用される変調方式は、Modulationと同一とする。上記データのペイロードサイズは、Sizeと同一とする。
尚、上述した例におけるRLC Bufferは、一般には、データバッファである。また、RLC Bufferではなく、PDCP Bufferに関して同様の処理を行ってもよい。
ステップS1116において、RV Selection (Redundancy Version Selection)を行う。
ステップS1118において、kの値をインクリメントし、ステップS1120において、kの値が、NDL−SCH以下であるか否かを判定する。kの値がNDL−SCH以下である場合(ステップS1120の処理:YES)、ステップS1112の前に戻る。一方、kの値がNDL−SCH以下でない場合(ステップS1120の処理:NO)、処理を終了する。
次に、本実施例に係る基地局装置200について、図13を参照して説明する。
本実施例に係る基地局装置200は、レイヤー1処理部252と、ユーザ装置状態管理部254と、スケジューリング係数計算部256と、UE選択部258と、TFR Selection部268と、MAC制御信号生成部260と、共通CH、MCHリソース管理部262と、周波数リソース管理部264と、パーシステントリソース管理部266と、HARQ制御部270(2701、2702、・・・、270n)と、RLC/PDCP処理部272とを備える。HARQ制御部270は、UE#1、#2、…、UE#nに関するHARQ制御部2701、HARQ制御部2702、…、HARQ制御部270nから構成される。RLC/PDCP処理部272は、UE#1の論理チャネル#1、UE #1の論理チャネル2、…、UE #1の論理チャネル#k、UE #2の論理チャネル#1、…、UE #nの論理チャネル#kに関するRLC Buf27211,1、RLC Buf27211,2、RLC Buf27211,k、RLC Buf27212,1、…、RLC Buf2721n,kから構成される。
尚、図13においては、UE #nのHARQ制御部nを、UE毎に備えているが、UE毎に備える必要はなく、全UEに関して1つのHARQ制御部を備えていてもよいし、複数のUEに関して1つのHARQ制御部を備えていてもよい。RLC Buffn,kに関しても、1UEに対して1つのRLC Bufとし、論理チャネル毎にRLC Bufを備えなくてもよいし、あるいは、全UEに関して1つのRLC Bufを備えていてもよい。
レイヤー1処理部252は、レイヤー1に関する処理を行う。具体的には、レイヤー1処理部252では、下りリンクで送信される共有チャネルのチャネル符号化やIFFT処理、上りリンクで送信される共有チャネルのFFT処理やチャネル復号化等の受信処理などが行われる。上記下りリンクで送信される共有チャネルとは、例えば、Dynamic Schedulingが適用される共有チャネルと、Persistent Schedulingが適用される共有チャネルである。
また、レイヤー1処理部252は、下りリンクの共有チャネルのための制御情報であるDownlink Scheduling Informationや、上りリンクの共有チャネルのための制御情報であるUL Schedulin Grantの送信処理を行う。
また、レイヤー1処理部252は、上りリンクで送信される制御情報、すなわち、Channel Quality Indicator(CQI)や下りリンクの共有チャネルに関する送達確認情報の受信処理を行う。上記CQIや送達確認情報は、ユーザ装置状態管理部254に送信される。
また、レイヤー1処理部252は、上りリンクで送信されるサウンディング用のリファレンス信号や上記CQIの信号に基づき、上りリンクの同期状態を判定し、上記判定結果をユーザ装置状態管理部254に通知する。
また、レイヤー1処理部252は、上りリンクで送信されるサウンディング用のリファレンス信号や上記CQIの信号に基づき、上りリンクの受信タイミングを推定してもよい。上記上りリンクの受信タイミングの推定結果は、例えば、ユーザ装置状態管理部254を介して、MAC制御信号生成部260に送信される。
尚、レイヤー1処理部252は無線インタフェースに接続されている。より具体的には、下りリンクに関しては、レイヤー1処理部252で生成されたベースバンド信号が無線周波数帯に変換され、その後、アンプにおいて増幅され、アンテナを介して、UEに信号が送信される。一方、上りリンクに関しては、アンテナで受信された無線周波数信号がアンプで増幅された後に、周波数変換されてベースバンド信号として、レイヤー1処理部252に入力される。
ユーザ装置状態管理部254は、各UEの状態管理を行う。例えば、ユーザ装置状態管理部254は、HARQ Entityの状態の管理や、UEのMobilityの管理及び制御や、DRX状態の管理、上り同期状態の管理、パーシステントスケジューリングを適用するか否かの管理、MAC Control Blockの送信の有無の管理、下りリンク送信状態の管理、バッファ状態の管理を行い、かつ、ステップS1024でスケジューリング係数の計算を行うための各メトリックの算出、及び、スケジューリング係数を計算するべきか否かの判定を行う。すなわち、ユーザ装置状態管理部254は、図10におけるステップS1004〜S1022の処理を行う。
尚、上記UEのMobilityとは、UEが通信するセルを切り替えるハンドオーバのことであり、同周波のハンドオーバ及び異周波のハンドオーバ及び異なるシステム間のハンドオーバを含む。異周波のハンドオーバ及び異システム間のハンドオーバの場合には、Measurement Gapの管理及び制御が、上記UEのMobilityの管理及び制御に含まれる。
さらに、ユーザ装置状態管理部254は、ステップS902、S904、S906の処理を行う。具体的には、ユーザ装置状態管理部254は、当該Sub−frameのDL MACのSub−frameあたりの最大多重数を設定し、当該Sub−frameにおけるMCHの数をカウントし、当該Sub−frameにおけるD−BCHおよびPCHおよびRACH responseおよびRACH message 4の数をカウントする。
スケジューリング係数計算部256は、図10におけるステップS1002、S1024〜S1032の処理を行う。具体的には、スケジューリング係数計算部206は、当該Sub−frameにおいて各ユーザ装置のスケジューリング係数を計算する(図11参照)。そして、UE選択部258は、前記スケジューリング係数に基づき、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てが行われるユーザ装置を選択する。UE選択部258は、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数NDL−SCHをトランスポートフォーマット・リソースブロック選択(TFR Selection)部268に入力する。
TFR Selection部268は、ステップS1110、ステップS1112、ステップS1114、ステップS1116、ステップS1120の処理を行う。具体的には、TFR Selection部268は、Dynamic schedulingが適用されるDL-SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。TFR Selection部268で決定されたDynamic schedulingが適用されるDL−SCHに関する送信フォーマットや無線リソースに関する情報は、レイヤー1処理部252に送られ、レイヤー1処理部252において、DL Scheduling Informationの送信処理や、下りリンクの共有チャネルの送信処理に用いられる。
共通CH、MCHリソース管理部262は、MCHや共通チャネル(Common channel)、例えば同期チャネル(SCH)、プライマリ報知チャネル(P−BCH)、D−BCH、ページングチャネル(PCH)、ランダムアクセスチャネル応答(RACH response)、RACH message 4に関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。そして、上記無線リソースの内、周波数リソースを周波数リソース管理部264に通知する。また、共通CH、MCHリソース管理部262において決定された送信フォーマットや割り当てられた無線リソースは、周波数リソース管理部264、TFR Selection部268を介して、レイヤー1処理部252に送られ、レイヤー1処理部252において、上記MCHや共通チャネル(Common channel)のレイヤー1の処理が行われる。
周波数リソース管理部264は、TFR Selection部268、共通CH、MCHリソース管理部262、パーシステントリソース管理部266と接続され、周波数リソースの管理を行う。より具体的には、Dynamic Schedulingが適用される下りリンクの共有チャネルに利用可能な残りの周波数リソースを監視し、TFR Selection部268におけるステップS1110の処理に必要な情報をTFR Selection部268に提供する。
パーシステントリソース管理部266は、パーシステントスケジューリングが適用されるDL−SCHの状態管理及び無線リソースの管理を行う。より具体的には、パーシステントリソース管理部266は、パーシステントスケジューリングが適用されるDL−SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの管理を行う。そして、上記無線リソースの内、周波数リソースを周波数リソース管理部264に通知する。また、パーシステントリソース管理部266において決定された送信フォーマットや割り当てられた無線リソースは、周波数リソース部264、TFR Selection部268を介して、レイヤー1処理部252に送られ、レイヤー1処理部252において、上記パーシステントスケジューリングが適用されるDL−SCHのレイヤー1の処理が行われる。
また、パーシステントリソース管理部266は、ユーザ装置状態管理部254におけるステップS1012〜S1016の処理を行うための情報を、ユーザ装置状態管理部254に与える。
MAC制御信号生成部260は、各UEに関して、MAC制御信号を送信すべきか否かを判定し、MAC制御信号を送信すべきであると判定した場合には、その情報をユーザ装置状態管理部254に通知する。また、上記MAC制御信号が実際にMAC PDUにマッピングされる場合には、TFR Selection部268に、上記MAC制御信号を与える。
尚、MAC制御信号には、上りリンクの信号の送信タイミングを調節するタイミングアドバンスや上り同期の確立を指示する制御信号やDRX状態に入ることを指示する制御信号等がある。各制御信号を送信するか否かの判断は、ユーザ装置状態管理部254やレイヤー1処理部252からの情報に基づいて行われる。
HARQ制御部270は、各UEのHARQの制御を行う。
RLC/PDCP処理部272は、各UEのRLCレイヤ及びPDCPレイヤの制御を行う。さらに、RLC/PDCP処理部272は、UE#nの論理チャネル#kに関するRLC Buffer、すなわち、RLC Buf2721n,kを備え、下りリンクにおいて送信すべきRLCレイヤのデータのバッファリングを行う。
尚、RLC Buf2721n,kは、上述した例では、RLCレイヤのデータのバッファリングを行っているが、代わりに、RLCレイヤとPDCPレイヤのデータのバッファリングを行ってもよい。
すなわち、当該Sub−frameにおいて下りリンクの共有チャネルにより送信されるデータは、RLC/PDCP処理部272において、そのバッファRLC Buf2721n,kより切り出され、HARQ制御部270においてHARQの処理が行われ、UE選択部258、TFR Selection部268を介して、レイヤー1処理部252に送られ、レイヤー1処理部252において、符号化やIFFT等の送信処理が行われる。
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施例においては、Evolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムにおける例が説明されたが、本発明に係る移動局、基地局装置、移動通信システム及び通信制御方法は、共有チャネルを用いた通信を行う他のシステムにも適用可能である。
すなわち、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
説明の便宜上、本発明を幾つかの実施例に分けて説明したが、各実施例の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の実施例が必要に応じて使用されてよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明したが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
本国際出願は、2007年3月1日に出願した日本国特許出願2007−052115号、2007年6月19日に出願した日本国特許出願2007−161938号及び2007年12月20日に出願した日本国特許出願2007−329024号に基づく優先権を主張するものであり、2007−052115号、2007−161938号及び2007−329024号の全内容を本国際出願に援用する。