(実施例1)
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
本発明の実施例に係る基地局装置が適用される無線通信システムについて、図1を参照して説明する。
無線通信システム1000は、例えばEvolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution、或いは、Super 3G)が適用されるシステムであり、基地局装置(eNB: eNode B)200と複数のユーザ装置(UE: User Equipment、あるいは、移動局とも呼ばれる)100n(1001、1002、1003、・・・100n、nはn>0の整数)とを備える。基地局装置200は、上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300と接続され、アクセスゲートウェイ装置300は、コアネットワーク400と接続される。ここで、ユーザ装置100nはセル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行う。
以下、ユーザ装置100n(1001、1002、1003、・・・100n)については、同一の構成、機能、状態を有するので、以下では特段の断りがない限りユーザ装置100nとして説明を進める。
無線通信システム1000は、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDM(直交周波数分割多元接続)、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。上述したように、OFDMは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各周波数帯上にデータを載せて伝送を行う方式である。SC−FDMAは、周波数帯域を分割し、複数の端末間で異なる周波数帯域を用いて伝送することで、端末間の干渉を低減することができる伝送方式である。
ここで、Evolved UTRA and UTRANにおける通信チャネルについて説明する。
下りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)と、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)とが用いられる。上記物理下りリンク制御チャネルは、DL L1/L2 Control Channelとも呼ばれる。下りリンクでは、物理下りリンク制御チャネルにより、下り共有物理チャネルにマッピングされるユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、上り共有物理チャネルにマッピングされるユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、上り共有物理チャネル(トランスポートチャネルとしてはUplink Shared Channel(UL−SCH))の送達確認情報などが通知される。または、物理下りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。上記ユーザデータは、トランスポートチャネルとしては、下りリンク共有チャネルDonwlink−Share Channel (DL−SCH)である。
上りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)と、LTE用の制御チャネルとが用いられる。制御チャネルには、物理上りリンク共有チャネルと時間多重されるチャネルと、周波数多重されるチャネルの2種類がある。周波数多重されるチャネルは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)と呼ばれる。
上りリンクでは、LTE用の制御チャネルにより、下りリンクにおける共有チャネルのスケジューリング、適応変復調・符号化(AMC: Adaptive Modulation and Coding)に用いるための下りリンクの品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)及び下りリンクの共有チャネルの送達確認情報(HARQ ACK information)が伝送される。また、物理上りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。上記ユーザデータは、トランスポートチャネルとしては、上りリンク共有チャネルUplink−Share Channel (UL−SCH)である。
[1. 上りリンクMAC通信制御方法]
次に、本実施例に係る基地局装置において実行される通信制御方法としての上りリンクMAC(UL MAC)制御手順について説明する。
本実施例において、論理チャネルは、例えば無線ベアラ(Radio bearer)に対応する。また、プライオリティクラス(Priority class)は、例えば優先度に対応する。
尚、「当該サブフレーム(Sub-frame)」とは、特に断りがなければ、スケジューリングの対象となる上りリンク共有チャネル(UL-SCH)が移動局により送信されるサブフレームを指す。
また、以下の説明において、ダイナミックスケジューリングとは、動的に無線リソースの割り当てを行う第1のリソース割り当て方法に相当する。ダイナミックスケジューリングが適用される上りリンク共有チャネル(UL-SCH)は、該ユーザ装置に対して任意のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられ、その場合の送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、送信電力に関する情報、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMO適用時のリファレンス信号の系列等のMIMOに関する情報等は、様々な値が設定される。
一方、パーシステントスケジューリングとは、データ種別、あるいは、データを送受信するアプリケーションの特徴に応じて、一定周期毎にデータの送信機会を割り当てるスケジューリング方法であり、一定周期毎に無線リソースの割り当てを行う第2のリソース割り当て方法に相当する。すなわち、パーシステントスケジューリングが適用される上りリンク共有チャネル(UL-SCH)は、該ユーザ装置に対して所定のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられ、その場合の送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、送信電力に関する情報、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMO適用時のリファレンス信号の系列等のMIMOに関する情報等は、所定の値が設定される。すなわち、予め決められたサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられ、予め決められた送信フォーマットで上りリンク共有チャネル(UL-SCH)が送信される。上記予め決められたサブフレームは、例えば、一定の周期となるように設定されてもよい。また、上記予め決められた送信フォーマットは、一種類である必要はなく、複数の種類が存在してもよい。
[2. 物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)の送信帯域の割当て単位]
本実施例では、周波数方向の送信帯域の割当て単位として、リソースブロック(RB:Resource Block)を用いる。1RBは、例えば、180kHzに相当し、システム帯域幅が5MHzの場合には、25個のRBが存在し、システム帯域幅が10MHzの場合には、50個のRBが存在し、システム帯域幅が20MHzの場合には、100個のRBが存在する。PUSCHの送信帯域の割当ては、RBを単位としてサブフレーム(Sub-frame)毎に行われる。また、DFT sizeは、その因数として2、3、5以外の数を含まないようにRBの割り当てが行われる。すなわち、DFT sizeは、2、3、5のみを因数とする数となる。
尚、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送においては、基地局装置200は、対応するUplink Scheduling Grantを送信してもよいし、送信しなくてもよい。基地局装置200が、上記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを送信する場合には、移動局は、上記Uplink Scheduling Grantに従って、上記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送を行う。ここで、Uplink Scheduling Grantとは、上述したように、当該サブフレームにおいて共有チャネルを用いて通信を行うユーザ装置の識別情報や、上記共有チャネルの送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、送信電力に関する情報、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMO適用時のリファレンス信号の系列等のMIMOに関する情報等のことである。尚、上記Uplink Scheduling Grantのうち、一部の情報のみが、初回送信から変更されるといった制御が行われてもよい。例えば、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報と、送信電力に関する情報のみが変更されるといった制御が行われてもよい。また、基地局装置200が、上記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを送信しない場合には、移動局は、初回送信のためのUplink Scheduling Grant、または、当該上りリンク共有チャネル(UL−SCH)に関する、その前に受信したUplink Scheduling Grantに従って、上記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送を行う。上記処理は、ダイナミックスケジューリングが適用されるPUSCH(トランスポートチャネルとしてはUL−SCH)に関して行われる。また、パーシステントスケジューリングが適用されるPUSCH(トランスポートチャネルとしてはUL−SCH)に関して行われてもよい。また、ランダムアクセス手順におけるMessage3に関しては、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送においては、基地局装置200は、常に、Uplink Scheduling Grantを送信しないという処理を行ってもよい。
ここで、ダイナミックスケジューリングは、動的に無線リソースの割り当てを行うリソースの第1の割り当て方法に相当する。
[3. UL MACデータ送信手順]
次に、上りリンクMAC(UL MAC)データ送信手順について、図2を参照して説明する。図2は、スケジューリング係数の計算によるスケジューリング処理から、トランスポートフォーマット(Transport format)及び割り当てられるRBを決定するUL TFR selection処理までの手順を示したものである。
[3.1. UL MAC最大多重NULMAX設定]
基地局装置200において、UL MAC最大多重数NULMAX設定が行われる(ステップS202)。UL MAC最大多重数NULMAXは、ダイナミックスケジューリング(Dynamic Scheduling)が適用される上りリンク共有チャネル(UL-SCH)の、1サブフレームにおける最大多重数(初回送信のUL-SCHと再送のUL-SCHの両方を含む値)であり、外部入力インタフェース(IF)より指定される。
[3.2. スケジューリング係数の計算(Calculation for Scheduling coefficients)]
次に、基地局装置200において、スケジューリング係数の計算(Calculation for Scheduling coefficients)が行われる(ステップS204)。当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEを選択する。上記当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEに対して、次の上りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択の処理が行われる。
当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数をNUL-SCHと定義する。
[3.4. 上りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択(Uplink Transport format and Resource selection)(UL TFR selection)]
次に、基地局装置200において、上りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択が行われる(ステップS208)。物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の無線リソース(RB)の確保、禁止無線リソース(RB)の確保、パーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)が適用されるUL-SCHの無線リソース(RB)の確保を行った後、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCH(初回送信と再送の両方を含む)に関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。
[4. Calculation for Scheduling coefficients]
次に、ステップS204において行われるスケジューリング係数の計算について、図3を参照して説明する。
[4.1. 処理フロー]
図3に、スケジューリング係数の計算により、Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの候補の選択を行う処理フローを示す。基地局装置200は、LTEアクティブ(LTE active)状態(RRC connected状態)にある全てのUEに対して以下の処理を実行する。
まず、n=1、NScheduling=0、NRetransmission=0に設定される(ステップS302)。ここで、nはユーザ装置100nのインデックスであり、n=1,・・・,N(N>0の整数)である。
[4.1.1. Renewal of HARQ Entity Status]
次に、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)エンティティステータスの更新(Renewal of HARQ Entity Status)が行われる(ステップS304)。ここでは、当該UEに関する、UL-SCHのCRC check結果がOKであったプロセスを解放する。
また、最大再送回数に達したプロセスを解放し、プロセス内のユーザデータを廃棄する。ここで、最大再送回数とは、「UEが送信する可能性のある全ての論理チャネルの中で、最も大きな最大再送回数の値」とする。
尚、UEは、MAC PDUに多重される論理チャネルの中で、最も優先度の高いPriority Classの論理チャネルの最大再送回数に基づいてHARQの再送を行う。すなわち、ユーザ装置は、共有チャネルを用いて、2つ以上の論理チャネルから構成されるトランスポートチャネルを送信する場合に、前記2つ以上の論理チャネルの内、最も優先度の高い論理チャネルの最大再送回数を、前記トランスポートチャネルの最大再送回数に設定する。
さらに、上りリンク共有チャネルの電力判定により、UEのUL-SCH未送信を検出したプロセスを解放する。
[4.1.2. HARQ再送信のチェック(HARQ Retransmission Check)]
次に、HARQ再送信のチェック(HARQ Retransmission Check)が行われる(ステップS306)。当該Sub-frameにおいて、当該UEが送信すべき再送データを有するか否かを判定する。ここで、「送信すべき再送データ」とは、以下の4つの条件を全て満たす再送データのことを指す。
・Synchronous HARQの再送タイミングである
・過去のUL-SCHのCRC check結果がOKでない
・最大再送回数に達していない
・上りリンク共有チャネルの電力判定で「UL-SCH未送信」と検出されていない
当該UEが送信すべき再送データを有する場合に「再送信有り(Retransmission)」を返し、それ以外の場合に「再送信無し(No retransmission)」を返す。HARQ Retransmission Checkの結果がNo retransmissionの場合には、メジャメントギャップのチェック(Measurement Gap Check)の処理に進む(ステップS310)。
尚、UL-SCHの最大再送回数は、論理チャネルのPriority class毎に設定されるため、eNBは、送信される可能性のある全ての論理チャネルのPriority classの最大再送回数の内、最も大きな最大再送回数を想定して本処理を行う。
HARQ Retransmission Checkの結果がRetransmissionの場合には、NRetransmission++として(ステップS308)、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。また、当該Sub-frameにおいて、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルにPersistent Resourceが割り当てられている場合には、上記Persistent Resourceを解放する。上記Persistent Resource内のRBは、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに関するUL TFR Selectionに用いられる。
結果として、Persistent schedulingの初回送信よりも、Dynamic schedulingの再送を優先することとする。
[4.1.3. メジャメントギャップのチェック(Measurement Gap Check)]
次に、メジャメントギャップのチェック(Measurement Gap Check)が行われる(ステップS310)。すなわち、UEが異なる周波数のセルの測定を行っている時間間隔が、下りリンクにおいて上りリンク共有チャネルのための物理下りリンク制御チャネルを送信するタイムフレーム、共有チャネルを受信するタイムフレーム又は上りリンク共有チャネルに対する送達確認情報を送信するタイムフレームと重なる場合には、当該UEに上りリンク共有チャネルを割り当てない。上記物理下りリンク制御チャネルにおいて、上記上りリンク共有チャネルに関するUL Scheduling Grantが送信される。
ここで、上記異なる周波数のセルとは、Evolved UTRA and UTRANのセルであってもよいし、異なるシステムのセルであってもよい。例えば、異なるシステムとして、GSM、WCDMA、TDD−CDMA、CDMA2000、WiMAX等が考えられる。
具体的には、当該UEの初回送信と2回目送信に関して、物理下りリンク制御チャネルを送信するSub-frameがMeasurement gapに含まれるか否か、または、当該UL-SCHを送信するSub-frameがMeasurement gapに含まれるか否か、または、上記UL-SCHに対するACK/NACKを送信するSub-frameがMeasurement gapに含まれるか否かを判定する。物理下りリンク制御チャネルを送信するSub-frameがMeasurement gapに含まれる、または、当該UL-SCHを送信するSub-frameがMeasurement gapに含まれる、または、上記UL-SCHに対するACK/NACKを送信するSub-frameがMeasurement gapに含まれると判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。Measurement gapは、UEが異周波ハンドオーバ、または、異システムハンドオーバを行うために、異なる周波数のセルの測定を行っている時間間隔であり、その時間には通信できないため、移動局は、物理下りリンク制御チャネルを受信できない。また、同様の理由で、上りリンク共有チャネルを送信できない、かつ、ACK/NACKを受信できない。Measurement Gap Checkの結果がNGの場合には、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。
3回目送信以降を考慮したMeasurement Gap Checkは行わない。尚、上述した例では、1回目と2回目の送信を考慮したが、代わりに、1回目と2回目と3回目の送信を考慮してもよい。
[4.1.4. 間欠受信のチェック(DRX Check)]
次に、間欠受信のチェック(DRX Check)が行われる(ステップS312)。UEが間欠受信を行っている場合に、すなわち、UEが間欠受信状態(DRX状態)である場合に、上りリンク共有チャネルを当該UEに割り当てない。
具体的には、当該UEがDRX状態か否かを判定する。DRX状態であると判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。DRX Checkの結果がNGの場合には、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。
[4.1.5. 上りリンクの同期状態のチェック(UL Sync Check)]
次に、上りリンクの同期状態のチェック(UL Sync Check)が行われる(ステップS314)。すなわち、UEが同期外れである場合に、上りリンク共有チャネルを当該UEに割り当てない。
具体的には、当該UEの上りリンクの同期状態が、「同期確立」、「同期外れ Type A」、「同期外れType B」のどの状態であるか否かを判定する。「同期外れ Type A」または「同期外れ Type B」であると判定した場合にNGを返し、「同期確立」であると判定した場合にOKを返す。UL Sync Checkの結果がNGの場合には、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。
尚、eNB200は、RRC_connected状態の各UE100nに関して、以下の2種類の上りリンクの同期状態の判定を行う。
セル半径を考慮したウインドウ1(Window1)、例えば、RACH Preambleを待ち受けるWindow程度の大きさ内で当該UEのSounding RSのPower判定を行う。すなわち、当該UEのPower判定におけるメトリック(metric)が所定の閾値を超える場合にはPower判定OKとし、超えない場合にはPower判定NGとする。尚、本判定における反映時間(OKと判定するまでの時間、あるいは、NGと判定するまでの時間)は、Sounding RSを連続受信している状態で200ms-1000msを目安とする。
また、FFT timingとCP長により定義されるWindow2内に、当該UEの信号が存在するか否かで判定を行う。すなわち、Window2内に、当該UEの信号が存在する場合にはFFT timing判定OKとし、当該UEのメインパスが存在しない場合にはFFT timing判定NGとする。尚、本判定における反映時間(OKと判定するまでの時間、あるいは、NGと判定するまでの時間)は、Sounding RSを連続受信している状態で1ms-200msを目安とする。
同期外れType Aとは、Power判定結果がOKでありFFT timingがNGであるUEの同期状態をいい、同期外れType Bとは、Power判定結果がNGでありFFT timingがNGであるUEの同期状態をいう。
HARQ Retransmission Checkの処理(S306の処理)が、本UL Sync Checkの処理(S314の処理)よりも先に行われるため、UL Sync Checkの結果がNGの場合のUEに関しても、HARQ Retransmission CheckがRetransmissionの場合には、その再送されるUL-SCHの受信を行う。
[4.1.6. 受信したSIRのチェック(Received SIR Check)]
次に、受信したSIRのチェック(Received SIR Check)が行われる(ステップS316)。すなわち、UEからリファレンス信号を受信していない場合に、上りリンク共有チャネルを当該UEに割り当てない。
具体的には、当該UEに関して、Sounding Reference Signalの送信帯域幅、周波数ホッピング間隔で定義される、「Sounding Reference Signalが送信されうる全てのRB」において、少なくとも1回はSounding Reference Signalを受信しているか否かを判定する。「Sounding Reference Signalが送信されうる全てのRB」において、少なくとも1回はSounding Reference Signalを受信している場合にはOKを返し、上記以外の場合にNGを返す。Received SIR Checkの結果がNGの場合には、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。
尚、上述した例においては、Sounding Reference Signalが送信されうる全てのRBにおいて、少なくとも1回はSounding Reference Signalを受信しているか否かを判定したが、代わりに、Sounding Reference Signalが送信されうる全てのRBの内の少なくとも1つのRBにおいて、少なくとも1回はSounding Reference Signalを受信しているか否かを判定してもよい。
なお、Sounding Reference Signalとは、上りリンク周波数スケジューリングのためのチャネル品質測定に用いる信号のことをいう。
[4.1.7. パーシステントスケジューリングのチェック(Persistent Scheduling Check)]
次に、パーシステントスケジューリングのチェック(Persistent Scheduling Check)が行われる(ステップS318)。パーシステントスケジューリングとは、データ種別、あるいは、データを送受信するアプリケーションの特徴に応じて、一定周期毎にデータの送信機会を割り当てるスケジューリング方法である。尚、上記データ種別とは例えば、Voice Over IPによるデータであったり、あるいは、Streamingによるデータであったりする。上記Voice Over IPまたはStreamingが、上記アプリケーションに相当する。
当該UEがPersistent schedulingが適用される論理チャネルを有するか否かを判定する。当該UEがPersistent schedulingが適用される論理チャネルを有する場合には、パーシステントスケジューリングサブフレームのチェック(Persistent scheduling Sub-frame check)の処理に進み(ステップS320)、上記以外の場合に上りリンクの伝送タイプのチェック(UL Low/High Fd Check)の処理に進む(ステップS328)。
[4.1.7.1. パーシステントスケジューリングサブフレームのチェック(Persistent Scheduling Sub-frame Check)]
次に、パーシステントスケジューリングサブフレームのチェック(Persistent Scheduling Sub-frame Check)が行われる(ステップS320)。当該Sub-frameにおいて、当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルにPersistent resourceが割り当てられるか否かを判定する。Persistent resourceが割り当てられると判定した場合には、割り当て/解放チェック(Assign/Release Check)の処理に進み(ステップS322)、パーシステントリソース(Persistent resource)が割り当てられないと判定した場合には、UL Low/High Fd Checkに進む(ステップS328)。ここで、Persistent Resourceとは、Persistent Scheduling用に確保されたResource blockのことを指す。
[4.1.7.2. 割り当て/解放チェック(Assign/Release Check)]
次に、割り当て/解放チェック(Assign/Release Check)が行われる(ステップS322)。当該UEから、当該Sub-frameにおいて当該UEに割り当てられているPersistent Resourceに関する解放リクエスト(Release request)を受信しているか否かを判定する。Release requestを受信している場合には、パーシステントリソースの解放(Persistent Resource Release)の処理に進み(ステップS326)、それ以外の場合には、パーシステントリソースの確保(Persistent Resource Reservation)の処理に進む(ステップS324)。
[4.1.7.3. パーシステントリソースの確保(Persistent Resource Reservation)]
次に、パーシステントリソースの確保(Persistent Resource Reservation)が行われる(ステップS324)。当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルに割り当てられるPersistent Resourceを確保する。
尚、当該Sub-frameにおいてPersistent Resourceが割り当てられるUEに関しても、4.1.10に記載のスケジューリング係数の計算を行い、当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingが適用される論理チャネルのために無線リソースが割り当てられた場合には、UEは、Persistent schedulingが適用される論理チャネルとDynamic schedulingが適用される論理チャネルを多重してMAC PDU(UL-SCH)の送信を行う。
あるいは、当該Sub-frameにおいてPersistent Resourceが割り当てられるUEに関しては、当該Sub-frameにおいてDynamic Schedulingが適用される論理チャネルのための無線リソースが割り当てられないという制御を行ってもよい。この場合、Persistent Resource Reservationの処理(S324)の後、S336の処理に進むことになる。
[4.1.7.4. パーシステントリソースの解放(Persistent Resource Release)]
次に、パーシステントリソースの解放(Persistent Resource Release)が行われる(ステップS326)。すなわち、UEからパーシステントスケジューリングにより割り当てられるリソースの解放を指示する信号を受信した場合に、パーシステントスケジューリングにより割り当てられるリソースをダイナミックスケジューリングにより割り当てられるリソースとして使用する。
具体的には、当該Sub-frameにおける当該UEが有するPersistent schedulingが適用される論理チャネルに割り当てられる予定のPersistent Resourceを解放する。尚、上記Persistent Resourceは、当該Sub-frameのみ解放されることとし、次のPersistent Resourceが割り当てられるタイミングにおいては、改めてAssign/Release Checkの処理を行うこととする。
[4.1.8. 上りリンクの伝送タイプのチェック(UL Low/High Fd Check)]
次に、上りリンクの伝送タイプのチェック(UL Low/High Fd Check)が行われる(ステップS328)。すなわち、当該UEの上りリンクの伝送タイプ(UL Transmission type)として、Low Fd/High Fdを判定する。尚、上記伝送タイプは、DLとULとで別々に管理する。
例えば、当該UEのPathlossの値が閾値ThresholdPL以下であり、かつ、当該UEのFd推定値が閾値ThresholdFd,UL以下である場合に、Low Fdと判定し、上記以外の場合をHigh Fdと判定する。
尚、上記Pathlossの値は、UEよりMeasurement report等により報告される値を用いてもよいし、UEより報告されるUPH(UE Power Headroom)と、UEより送信されるSounding用のリファレンス信号の受信レベルとから算出される値を用いてもよい。尚、上記Pathlossの値を、UEより報告されるUPHと、UEより送信されるSounding用のリファレンス信号(Sounding RS)の受信レベルとから算出される場合には、以下の計算式により算出されてもよい:
Pathloss = (UEの最大送信電力) - UPH -(Sounding RSの受信レベル);
(本計算は、単位をdBとして行われることとする)
尚、UPHは以下のように定義されることとする:
UPH = (UEの最大送信電力) - (Sounding RSの送信電力);
(本計算は、単位をdBとして行われることとする)
また、上記Fd推定値は、UEよりMeasurement report等により報告される値を用いてもよいし、UEより送信されるSounding用のリファレンス信号の時間相関値に基づいて算出される値を用いてもよい。
また、上述した例では、Pathlossの値とFd推定値の両方の値を用いて、伝送タイプを判定したが、代わりに、Pathlossの値のみで伝送タイプを判定してもよいし、あるいは、Fd推定値のみで伝送タイプを判定してもよい。
[4.1.9. バッファ状態のチェック(Buffer Status Check)(Highest priority)]
次に、バッファ状態のチェック(Buffer Status Check)が行われる(ステップS330)。すなわち、UEが送信すべきデータを有さない場合に、上りリンク共有チャネルを当該UEに割り当てない。
具体的には、当該UEの有する論理チャネルグループ(High priority groupとLow priority group)に関して、当該Sub-frameにおいて送信可能なデータが存在するか否かを判定する。送信可能なデータが存在しない場合にはNGを返し、送信可能なデータが存在する場合にはOKを返す。ここで、送信可能なデータとは、新規に送信可能なデータのことであり、UL Buffer滞留量が0より大きい場合に、「新規に送信可能なデータが存在する」と判定する。UL Buffer滞留量の定義は、4.1.10.2を参照すること。尚、上述した例においては、当該UEの有する論理チャネルグループとして、High priority groupとLow priority groupの2種類を考慮したが、3種類以上の論理チャネルグループが存在する場合にも同様の処理が適用される。あるいは、1種類の論理チャネルグループしか存在しない場合にも、同様の処理が適用される。
スケジューリングリクエスト(Scheduling request)により「PUSCHの割り当て要求:あり」を受信し、かつ、上記Scheduling requestを受信してから一度も上りリンクの無線リソース(PUSCH)を割り当てていない、すなわち、上りリンク共有チャネルを割り当てていない状態のUEに対しては、High priority groupの論理チャネルグループに関して送信可能なデータが存在すると仮定して、下記のスケジューリング処理を行う。
尚、eNBとして、Scheduling requestに対する上りリンクの無線リソース(PUSCH)の割り当てを行った、すなわち、上りリンク共有チャネルの割当を行ったとしても、上記PUSCH(トランスポートチャネルとしてはUL-SCH)の受信タイミングによって、バッファ内のデータ量に関する情報、すなわち、バッファステータスレポートを含んだデータを受信しなかった場合には、当該UEの状態を再び『Scheduling requestにより「PUSCHの割り当て要求:あり」を受信し、かつ、上記Scheduling requestを受信してから一度も上りリンクの無線リソース(PUSCH)を割り当てていない状態』に戻すこととする。このUEの状態の変更は、最大再送回数が満了するまで待つ必要はなく、初回送信のタイミングでバッファ内のデータ量に関する情報、すなわち、バッファステータスレポートを含んだデータを受信しなかった場合に行われることとする。
Buffer Status Checkの結果がNGの場合には、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。
Buffer Status Checkの結果がOKの場合には、以下の選択論理に基づいて、Highest priorityの論理チャネルグループを選択し、スケジューリング係数の計算(Scheduling Coefficient Calculation)の処理に進む(ステップS332)。すなわち、基地局装置は、ユーザ装置が有するデータ種別の内、最も優先度の高いデータ種別に基づいて、上記スケジューリング係数を計算する。
(選択論理1)High priority groupに送信可能なデータが存在する場合には、High priority groupをHighest priorityの論理チャネルグループとする。
(選択論理2)High priority groupに送信可能なデータが存在しない場合(Low priority groupにのみ送信可能なデータが存在する場合)には、Low priority groupをHighest priorityの論理チャネルグループとする。
[4.1.10. スケジューリング係数の計算(Scheduling Coefficient Calculation)]
次に、スケジューリング係数の計算が行われる(ステップS332)。具体的には、4.1.9において、Highest priorityと判定された論理チャネルグループに関して、評価式を用いてスケジューリング係数を算出する。
テーブル1−1及び1−2に外部I/Fより設定されるパラメータを示す。また、テーブル2に、Sub-frame単位で、各UEの各論理チャネルグループに与えられる入力パラメータを示す。
以上に示す入力パラメータに基づいて、UE #n, Highest Priorityの論理チャネル#hのスケジューリング係数C
nを下式の通り計算する。
すなわち、基地局装置は、無線リソースを割り当てるユーザ装置を選択するときに、ユーザ装置から上りリンクの共有チャネルの割り当てを要求する信号(スケジューリングリクエスト)を受信しているか否かに基づいてユーザ装置を選択してもよい。また、基地局装置は、データの優先度クラス;ユーザ装置から送信されるリファレンス信号の無線品質、例えば、サウンディング用のリファレンス信号の受信SIR;共有チャネルが割り当てられていない時間の大きさ;スケジューリングリクエストを受信しているか否か;割り当て頻度;平均の伝送速度;目標の伝送速度;のうち少なくとも1つに基づいて、無線リソースを割り当てる優先順位を示す係数を計算してもよい。
あるいは、上記UE #n、Highest Priorityの論理チャネル#hのスケジューリング係数Cnは、以下のように計算されてもよい。
式(1-2)は、式(1-1)に、「H(flag
gap_control)」の項が付け加えられている。flag
gap_controlは、当該UE #nが、Measurement gap control modeにあるか否かを示すフラッグである。ここで、Measurement gap control modeとは、異なる周波数のセルを行うためのMeasurement gapが適用されているか否かを示すモードであり、Measurement gap control modeがOnの場合には、所定のタイミングでMeasurement gapが設定される。上記Measurement gapは、基地局装置200より設定される。
一般に、Measurement gapが適用されているサブフレームにおいては、データの送受信を行うことができない。よって、Measurement gapが適用されていないサブフレームにおいて、優先的にデータの送受信を行うための無線リソースを、当該UE #nに割り当てる必要がある。例えば、flaggap_control=1(Measurement gap control mode:On)にある場合に、H(flaggap_control)=10とし、flaggap_control=0(Measurement gap control mode:Off)にある場合に、H(flaggap_control)=1とすることにより、上述した「Measurement gapが適用されていないサブフレームにおいて優先的にデータの送受信を行う」といった動作を実現することが可能となる。
尚、上述したステップS310のメジャメントギャップのチェックにより、Measurement gap control mode:Onにあり、かつ、下りリンクにおいて上りリンク共有チャネルのための物理下りリンク制御チャネルを送信するタイムフレームがMeasurement gap含まれるか否か、共有チャネルを受信するタイムフレーム又は上りリンク共有チャネルに対する送達確認情報を送信するタイムフレームがMeasurement gapに含まれる場合には、本処理(ステップS332)は行われない。言い換えれば、Measurement gap control mode:Onにあり、かつ、本処理(ステップS332)が行われる場合には、当該サブフレームは、異なる周波数のセルを測定するモードにおける、同じ周波数(本来の周波数)の信号を送受信するタイミングである。すなわち、「H(flaggap_control)」の項により、異なる周波数のセルを測定するモードにおける、同じ周波数(本来の周波数)の信号を送受信するタイミングにある移動局に対して優先的に共有チャネルを割り当てることが可能となる。
尚、Intra-eNB Hand Over (Intra-eNB HO)の際には、スケジューリングに用いる測定値、算出値は、Target eNB (ハンドオーバ先のeNB)に引き継ぐものとする。
[4.1.10.1. 平均データレート(Average Data Rate)の測定]
ステップS332では、平均データレート(Average Data Rate)の測定が行われる。Average Data Rateは、下式を用いて、求められる。
ただし、N
n,k(1, 2, …)は、Average Data Rateの更新回数である。但し、N
n,k= 0となるSub-frameにおいては、以下の式(3)とする。
また、忘却係数δ
n,kは、以下のように計算される。
δ
n,k=min(1−1/N
n,k, δ'
PCn,k)
Average Data Rateの更新周期は「各論理チャネルグループのUL Buffer滞留量が0以外の値であったSub-frame毎」とし、r
n,kの計算方法は「UEが送信したMAC SDU(初回送信と再送の両方を含む)のサイズ」とする。すなわち、Average Data Rateの計算は、Average Data Rateの更新機会のSub-frameにおいて、以下のいずれかの計算を行う。
1. 送信を行ったUEに対しては、「rn,k= 送信されたMAC SDUのサイズ」でAverage Data Rateの計算を行う。
2. 送信を行わなかったUEに対しては、「rn,k= 0」でAverage Data Rateの計算を行う。
再送時のMAC SDUのサイズは、当該論理チャネルグループに属する論理チャネルを含むUL-SCHのCRC check結果がOKとなった場合に、上記UL-SCHの過去の送信に遡って計算することとする。
尚、Average Data Rateは、Received SIR CheckがOK、かつ、更新機会の条件が一致した場合に計算を行う。(すなわち、Sounding Reference Signalを、全ての帯域において少なくとも一度は受信した後から計算が開始される。)
[4.1.10.2. UL MAC滞留量の定義]
UL Buffer滞留量の定義を以下に示す。
UE #nの論理チャネルグループ#kのUL Buffer滞留量Buffern,k (UL)は、以下のように算出される:
すなわち、基地局装置は、ユーザ装置から報告されるバッファ内のデータ量に関する情報(バッファステータスレポート、Buffer Status Report (BSR))と、この情報を受信したタイミング以降に前記ユーザ装置から受信したデータ量とに基づいて、ユーザ装置のバッファ内のデータ量を算出する。
[4.1.11. UEの選択(UE Selection)]
次に、スケジューリング係数の計算が行われたUE数を示すNSchedulingを1だけ増加させ(ステップS334)、UEインデックスを示すnを1だけ増加させる(ステップS336)。
次にnがNScheduling以下であるか否かを判定する(ステップS338)。NがNScheduling以下である場合、ステップS304に戻る。
一方、nがNSchedulingよりも大きい場合、ステップS340において、UEの選択(UE Selection)が行われる。当該Sub-frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE (初回送信のみ)を選択する。
まず、以下の式により、Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数NUL-SCHを算出する。ここで、NSchedulingは、Scheduling Coefficient Calculationが行われたUEの数を指す(図3を参照すること)。また、Nretransmissionは、当該Sub-frameにおいて再送を行うUEの数(図3を参照すること)を指す。
NUL-SCH,tmp=min(NScheduling, NULMAX−Nretransmission)
次に、Scheduling priority handling modeの値に基づき、以下のように「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」を選択する。
(Scheduling priority handling mode = 0)
High priority groupを優先して、論理チャネルグループ毎に、4.1.10で算出したスケジューリング係数の大きい順から、NUL-SCH台の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」を選択する。すなわち、以下の順序で上記UEを選択する。
High(1st)->High(2nd)->…->Low(1st)->Low(2nd)->…
(Scheduling priority handling mode = 1)
論理チャネルグループに関係なく、4.1.10で算出したスケジューリング係数の大きい順から、NUL-SCH,tmp台の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」を選択する。
上述したように、ユーザ装置のインデックス(UE index)であるnに関してループ処理を行うことにより、初回送信を行うことができると判断された各ユーザ装置に対して、スケジューリング係数を計算することが可能となる。そして、計算されたスケジューリング係数の大きいユーザ装置に対して、無線リソースを割り当てるという制御を行うことにより、データの優先度や、上りリンクの無線品質、共有チャネルが割り当てられていない時間の大きさ、スケジューリングリクエストを受信しているか否か、割り当て頻度、平均の伝送速度、目標の伝送速度を考慮して、無線リソース(上りリンクの共有チャネル)を割り当てるユーザ装置を決定することが可能となる。
[5. 上りリンクTFR選択処理(UL TFR selection)]
次に、ステップS208において行われる上りリンクTFR選択処理(UL TFR Selection)について、図4を参照して説明する。
図4にUL TFR selectionの処理フローを示す。本処理フローにより、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の無線リソース(RB)の確保、禁止無線リソース(RB)の確保、Persistent schedulingが適用されるUL-SCHの無線リソース(RB)の確保が行われ、最後にDynamic schedulingが適用されるUL-SCH(初回送信と再送の両方を含む)に関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てが行われる。
[5.1. PRACH、PUCCHに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for PRACH, PUCCH)]
ステップS402において、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)、物理上りリンク共有チャネルに周波数多重される物理上りリンク制御チャネルPUCCHに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for PRACH, PUCCH)が行われる。すなわち、共有チャネルに対して無線リソースを割り当てる前に、ランダムアクセスチャネル及び物理上りリンク制御チャネルに無線リソースを割り当てる。
具体的には、当該Sub-frameにおいてRACH preambleが送信される場合には、PRACHの無線リソース(RB)と上記PRACHの両脇のNRACH個のRB(合計6+2×NRACH個)を確保する。すなわち、PRACHの無線リソース(RB)と上記PRACHの両脇のNRACH個のRB(合計6+2×NRACH個)を、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当てられるRBの候補から除外する。NRACHは、例えば、外部入力インタフェース(IF)より入力される値であり、例えば、0、1、2、3の中から選択される。
尚、上記RACH preambleは、ランダムアクセス手順におけるMessage1に相当する。また、上記RACH preambleが送信されるリソースブロックの数は6である。
また、物理上りリンク制御チャネルPUCCHの無線リソース(RB)を確保する。すなわち、物理上りリンク制御チャネルPUCCHに割り当てられる無線リソース(RB)を、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当てられるRBの候補から除外する。
[5.2. ガードリソースブロックに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Guard RB)]
ステップS404において、ガードRBのRB割り当て(RB allocation for Guard RB)が行われる。例えば、異種の無線通信システム(WCDMA)と周波数的に隣接する場合に、異種の無線通信システムとの干渉を低減するために、システム帯域幅の端に位置するリソース以外の無線リソースを割り当てる。
具体的には、Guard RBのRBを確保する。すなわち、Guard RBのRBを、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当てられるRBの候補から除外する。
尚、上述した例では、異種の無線通信システムをWCDMAとしたが、代わりに、GSMやCDMA2000、PHS等としてもよい。
本機能は、周波数的に隣接するシステムへの隣接チャネル干渉を低減するためのGuard Band機能として実装する。また、両サイドの隣接システムに対応するために2つのGuard RBを設定できる構成とする。尚、物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、Guard RBの有無に関係なく、システム帯域の端にマッピングされる。
[5.3. パーシステントスケジューリングに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Persistent Scheduling)]
ステップS406において、パーシステントスケジューリングに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Persistent Scheduling)が行われる。すなわち、ダイナミックスケジューリングの割り当てが行われる前に、パーシステントスケジューリングの割り当てが行われる。
具体的には、4.1.7.3において確保したPersistent Resourceの無線リソース(RB)を確保する。
但し、当該Sub-frameにおいて、「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE(初回送信のみ)」にPersistent Resourceが割り当てられている場合には、上記Persistent Resourceを解放する。上記Persistent Resource内のRBは、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに関するUL TFR Selectionに用いられる。再送UEにPersistent Resourceが割り当てられている場合の処理は、4.1.2を参照すること。
ここで、eNBは、UEにおける「物理下りリンク制御チャネルにおけるUL Scheduling Grantの検出ミス(Miss detection)」または「物理下りリンク制御チャネルにおける、上りリンク共有チャネルに対する送達確認情報Acknowledgement Information、UL ACK/NACKの誤検出(False ACK (NACK -> ACK) detection)」による、複数UEからのPUSCHの衝突に対応するため、以下の3通りの処理を行ってもよい:
(1)「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われ(初回送信と再送の両方を含む)、かつ、Persistent Resourceが割り当てられているUE」に割り当てたDynamic schedulingの無線リソース(RB)が、Persistent Resourceの無線リソース(RB)内の全てのRBを含む場合
当該UEに関して、その受信タイミングにおいて、まずDynamic schedulingのUL-SCHの受信を行い、そのCRC check結果がNGの場合に、Persistent schedulingのUL-SCHの受信を行う。
(2)「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われ、かつ、Persistent Resourceが割り当てられているUE」に割り当てたDynamic schedulingの無線リソース(RB)が、Persistent Resourceの無線リソース(RB)内のRBを全く含まない場合
当該UEに関して、その受信タイミングにおいて、まずDynamic schedulingのUL-SCHの受信を行い、そのPower判定結果がDTXの場合に(UL-SCHの未送信を検出した場合に)、Persistent schedulingのUL-SCHの受信を行う。
上記Persistent schedulingの無線リソース(RB)が「他のUEに割り当てられたDynamic schedulingの無線リソース(RB)」と衝突していると検知し、かつ、「他のUEに割り当てられたDynamic schedulingの無線リソース(RB)」のCRC check結果がNGである場合には、当該Persistent schedulingのUL-SCHに対して、そのCRC check結果に関係なく、ACKをUEに送信する。
(3)上記2通り以外の場合
当該UEに関して、その受信タイミングにおいて、まずDynamic schedulingのUL-SCHの受信を行い、Persistent Resourceの無線リソース(RB)と重複していないRBのみを用いてPower判定を行い、上記Power判定結果がDTXの場合に(UL-SCHの未送信を検出した場合に)、Persistent schedulingのUL-SCHの受信を行う。
上記Persistent schedulingの無線リソース(RB)が「他のUEに割り当てられたDynamic schedulingの無線リソース(RB)」と衝突していると検知し、かつ、「他のUEに割り当てられたDynamic schedulingの無線リソース(RB)」のCRC check結果がNGである場合には、当該Persistent schedulingのUL-SCHに対して、そのCRC check結果に関係なく、ACKをUEに送信する。
[5.4. ランダムアクセス手順におけるMessage3に対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Message 3 (RACH))]
ステップS408において、ランダムアクセス手順におけるMessage3に対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Message 3 (RACH))が行われる。すなわち、共有チャネルに対して無線リソースを割り当てる前に、ランダムアクセス手順におけるMessage3に無線リソースを割り当てる。
ランダムアクセス手順におけるMessage3の無線リソース(RB)を確保する。すなわち、ランダムアクセス手順におけるMessage3(初回送信と再送の両方を含む)の無線リソース(RB)を、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当てられるRBの候補から除外する。
以下の説明では、ランダムアクセス手順におけるMessage3を単にMessage3と記載する。
また、初回送信のMessage3に関するRB割り当てを、以下の5ステップの手順に基づいて行う。再送のRB割り当ては、初回送信と同一とする。
(1)Message 3に割り当て可能なRBが存在するか否かを判定する。少なくとも1つ以上のMessage 3に割り当て可能なRBが存在する場合には次のステップ(2)に進み、それ以外の場合に本処理を終了する。ここで、「Message 3に割り当て可能なRB」とは、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、物理上りリンク制御チャネルPUCCH、Guard RB、Persistent schedulingが適用されるUL-SCHに割り当てられたRB以外のRBのことである。
(2)当該Sub-frameにおいて送信が行われるMessage 3を、品質情報の悪い方から順序付けを行う。尚、同じ品質情報を有する複数のMessage 3の順序は任意とする。品質情報の最も悪いMessage 3を#0として、#0, #1, #2, #3, …と番号付けを行う。
(3)Hopping modeに従って次の処理を行う。
Hopping modeは、外部入力インタフェース(IF)されるパラメータである。
Hopping mode == 0の場合、#0, #1, #2, #3, …の順番で、先頭から2個のMessage 3で1組とするMessage 3 setを作成する。上述したMessage 3 setを、先頭から#a, #b, #c, ….と番号付けを行う。Message 3の数が奇数の場合の最後のMessage 3は、1個でMessage 3 setを構成することとする。
#a, #b, #c, …の順番で、Message 3 setに「システム帯域の中心に鏡映対象のRB」を割り当てる。#a, #b, #c, …の順番に、システム帯域の端のRBから割り当てることとする。ここで、Message 3に割り当てるRB数は、品質情報に基づいて決定される値である。例えば、品質情報が「無線品質が高い」という値である場合には、2個のRBを割り当て、品質情報が「無線品質が低い」という値である場合には、4個のRBを割り当てるといった制御が行われる。尚、無線品質に関係なく、RB数が決定されてもよい。また、上記品質情報は、例えば、ランダムアクセス手順におけるMessage1に含まれる値である。
Message 3 set内の2つのMessage 3のRB数が異なる場合には、大きい方のRB数に合わせて「システム帯域幅の中心に鏡映対象のRB」を割り当てる。
尚、基地局装置200は、当該Message3がホッピングされて送信されるという情報を、例えば、物理下りリンク制御チャネルにマッピングされるUplink Scheduling Grantに含まれる1つ情報として、該ユーザ装置に通知してもよい。
Message 3より外側のRBにおいては、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHの割り当ては行わない。また、Message 3の数が奇数の場合の最後のMessage 3が送信されるRBにおいては、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHの割り当ては行わない。
Hopping mode== 0以外の場合、以下のようにMessage 3にRBを割り当てる。ここで、Message 3に割り当てるRB数は、品質情報に基づいて決定される値である。例えば、品質情報が「無線品質が高い」という値である場合には、2個のRBを割り当て、品質情報が「無線品質が低い」という値である場合には、4個のRBを割り当てるといった制御が行われる。尚、無線品質に関係なく、RB数が決定されてもよい。また、上記品質情報は、例えば、ランダムアクセス手順におけるMessage1に含まれる値である。
#0:Message 3に割り当て可能なRBの内、周波数の小さい方から
#1:Message 3に割り当て可能なRBの内、周波数の大きい方から
#2:Message 3に割り当て可能なRBの内、周波数の小さい方から
#3:Message 3に割り当て可能なRBの内、周波数の大きい方から
:
:
(以下、無線リソースを割り当てるべきMessage3がなくなるまで処理を行う)
(4)全てのMessage 3の変調方式をQPSKとする。
(5)各Message 3のためのUplink Scheduling Grantにおける送信電力の情報を、品質情報に基づいて決定する。例えば、品質情報が「無線品質が高い」という値である場合には、送信電力として小さい値を指定し、品質情報が「無線品質が低い」という値である場合には、送信電力として大きい値を指定するといった制御が行われる。尚、無線品質に関係なく、送信電力が指定されてもよい。また、上記品質情報は、例えば、ランダムアクセス手順におけるMessage1に含まれる値である。
上述した処理の途中で、Message 3に割り当てるRBがなくなった場合には、本処理を終了する。RBを割り当てることができなかったMessage 3を有するUEには、ランダムアクセス手順におけるMessage2(RACH response)を送信しないこととする。あるいは、次のサブフレームにおいて、ランダムアクセス手順におけるMessage2(RACH response)を送信する。
j=1とする(ステップS412)。
[5.5. 残りのリソースブロックのチェック(RB Remaining Check)]
ステップS410において、残りのリソースブロックのチェック(RB Remaining Check)が行われる。Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当て可能なRBが存在するか否かを判定する。割り当て可能なRBが存在する場合にはOKを返し、割り当て可能なRBが存在しない場合にはNGを返す。RB Remaining CheckがNGの場合にはUL TFR Selectionの処理を終了する。
尚、上記「Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当て可能なRB」とは、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、物理上りリンク制御チャネルPUCCH、Guard RB、Persistent schedulingが適用されるUL-SCH、ランダムアクセス手順におけるMessage 3、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるUL-SCH(再送と初回送信の両方を含む)に割り当てられたRB以外のRBのことである。また、上記「Dynamic schedulingが適用されるUL-SCH(再送と初回送信の両方を含む)に割り当て可能なRB」の総数をNremain (RB)とする。
ここで、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるUL-SCH(再送と初回送信の両方を含む)に割り当てられたRBとは、S410、S414、S416、S418で構成されるインデックスjによるループにおいて、jの値が現在の値よりも小さい時に、S414で決定されたRBのことである。
[5.6. 上りリンクTFR選択(UL TFR Selection)]
ステップS414において、上りリンクTFR選択(UL TFR Selection)が行われる(ステップS414)。3.2において決定された「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」のTransport formatの決定、RBの割り当てを行う。
[5.6.1. リソースブロック割り当てモード(RB allocation mode)の設定]
ステップS414では、リソースブロック割り当てモード(RB allocation mode)の設定が行われる。テーブル3に示すUL RB allocation modeは、外部入力インタフェース(IF)より設定されるパラメータである。インデックスjによるループは、UL RB allocation modeにより指定されるUEの選択順序に基づいて行われる。
例えば、周波数的に隣接するシステムの一方がWCDMAであり、他方がLTEである場合に、Mode2及びMode3を選択する。すなわち、周波数的に隣接するシステムの一方がWCDMAであり、他方がLTEである場合に、パスロスの小さいユーザ装置に対する共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)を、システム帯域内のWCDMA側の端に割り当てる。また、パスロスの大きいユーザ装置に対する共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)を、システム帯域内のLTE側の端に割り当てる。
また、例えば、周波数的に隣接するシステムの両方がWCDMAである場合には、Mode1を選択する。すなわち、パスロスの小さいユーザ装置に対する共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)をシステム帯域の端に割り当て、パスロスの大きいユーザ装置に対する共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)を、システム帯域幅の中央に割り当てる。
さらに、例えば、周波数的に隣接するシステムの両方がLTEである場合には、Mode0を選択する。すなわち、後述するように、該ユーザ装置から送信されるリファレンス信号の受信電力等に基づいて、無線リソース(周波数リソース)が割り当てられる。
[5.6.2. リソースブロック割り当て(RB allocation)]
ステップS414では、リソースブロック割り当て(RB allocation)が行われる。以下の処理を行うことにより、j番目の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」に対してRBの割り当てを行う。尚、TF_Related_tableのイメージを図5に示す。
図5に示すように、TF_Related_tableは、上りリンクの共有チャネルの送信に使用可能な無線リソースと、上りリンクの無線品質情報と、上りリンクの共有チャネルの送信に用いられる送信方法とを関連付けて記憶してもよい。基地局装置は、ユーザ装置から送信されるサウンディング用のリファレンス信号の無線品質、例えば、SIRから算出される無線品質情報と、上りリンクの共有チャネルに使用可能な無線リソースとに基づいて、TF_Related_tableを参照して、上りリンクの共有チャネルに用いられる送信方法を決定してもよい。また、TF_Related_tableは、上りリンクの共有チャネルに用いられるデータサイズを記憶してもよい。このデータサイズは、上りリンクの無線品質情報及び共有チャネルに使用可能な周波数リソースが固定されている場合に、所定の誤り率を満たし、かつ、最大値となるように設定される。さらに、TF_Related_tableは、送信方法として、上りリンクの共有チャネルの送信に用いられるデータサイズと、上りリンクの共有チャネルに用いられる変調方式と、上りリンクの共有チャネルに用いられる周波数リソース量とを記憶してもよい。
<処理>
(Temporary RBの算出処理)
Nremain (RB):残りのリソースブロック数(Number of Remaining RBs)
Ncapability:UE categoryより決定される最大RB数
Nmax,bit:UE categoryより決定される最大データサイズ(Payload size)
Nremain (UE)=NUL-SCH−j+1
ここで、j番目の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」に割り当て可能なRBは連続していることを前提とする。連続していない場合には、連続している割り当て可能なRBの集合の内で、最も数の多い割り当て可能なRBの集合を、本処理における「割り当て可能なRB」とする。最も数の多い「割り当て可能なRBの集合」が複数存在する場合には、周波数の小さい方を、「割り当て可能なRB」とする。
また、Nallocatedのサブキャリア数が、その因数として2、3、5以外の数を含む場合には、サブキャリア数が、2、3、5のみを因数とする数であり、かつ、Nallocatedより小さい整数の中で最大の整数をNallocatedとする。
(1) UL RB allocation mode == Mode 0且つUL Transmission type == High Fdである場合
5.5において判定した「Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の小さい方から、または、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
<初回送信の場合>
周波数の大きい方から割り当てるか、あるいは、周波数の小さい方から割り当てるかに関しては、割り当てた場合のRBの位置がシステム帯域の中心から遠い方を選択する。システム帯域の中心からの距離が同じ場合には、周波数の小さい方から割り当てる。
<再送の場合>
周波数の大きい方から割り当てるか、あるいは、周波数の小さい方から割り当てるかに関しては、前回割り当てられたRBを含むか否かに基づいて、以下のように決定される:
周波数の小さい方から割り当てた場合のRBの集合の中に含まれる、前回割り当てられたRBの数をNsmallとする。
周波数の大きい方から割り当てた場合のRBの集合の中に含まれる、前回割り当てられたRBの数をNlargeとする。
Nsmall>Nlargeである場合、周波数の大きい方から割り当てる。
Nsmall≦Nlargeである場合、周波数の小さい方から割り当てる。
例えば、複数のユーザ装置が用いる共有チャネルに対してシステム帯域幅の端から周波数リソース(RB)を割り当てる場合に、基地局装置は、共有チャネルが再送される場合に、システム帯域幅の両端の周波数リソース(RB)の内、前回の送信に用いられた周波数リソース(RB)と異なる周波数リソース(RB)を、ユーザ装置が用いる共有チャネルに対して割り当ててもよい。
(2) UL RB allocation mode == Mode 0且つUL Transmission type == Low Fdである場合
5.5において判定した「Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の小さい方から、または、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数が以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
周波数の大きい方から割り当てるか、あるいは、周波数の小さい方から割り当てるかに関しては、以下のように決定される:
周波数の小さい方から割り当てた場合のSIRestimated>周波数の大きい方から割り当てた場合のSIRestimatedである場合、周波数の小さい方から割り当てる。
周波数の小さい方から割り当てた場合のSIRestimated≦周波数の大きい方から割り当てた場合のSIRestimatedである場合、周波数の大きい方から割り当てる。
例えば、複数のユーザ装置が用いる共有チャネルに対してシステム帯域幅の端から周波数リソース(RB)を割り当てる場合に、基地局装置は、システム帯域幅の両端の周波数リソース(RB)の内、上りリンクの無線品質情報が大きい方の周波数リソース(RB)を、ユーザ装置が用いる共有チャネルに対して割り当ててもよい。
上記処理は、初回送信の場合にも再送の場合にも適用される。
(3) UL RB allocation mode == Mode 1である場合
5.5において判定した「Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の小さい方から、または、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
尚、周波数の大きい方から割り当てるか、あるいは、周波数の小さい方から割り当てるかに関しては、割り当てた場合のRBの位置がシステム帯域の中心から遠い方を選択する。システム帯域の中心からの距離が同じ場合には、周波数の小さい方から割り当てる。
(4) UL RB allocation mode == Mode 2である場合
5.5において判定した「Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の小さい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
(5) UL RB allocation modeがMode 0, 1, 2以外である場合
5.5において判定した「Dynamic schedulingが適用されるUL-SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
上記処理において「当該UEに割り当てられる」と判定されたRBの集合を以下でTemporary RB groupと呼び、また、Temporary RB groupにおけるSIRi,estimatedをSIRestimated (RB)と記載する。
尚、再送のUL-SCHを送信するUEであり、かつ、再送時のUplink Scheduling Grantの指定が行われない場合には、上記処理は行わず、その再送のUL-SCHに対して、前回の送信と同一のRBを割り当てることとする。
[SIRestimatedの算出処理]
尚、SIRestimatedは、次のように算出される。
(1)上りリンクのリファレンス信号の無線品質と、共有チャネルの目標の受信レベルと、上りリンクにおける干渉レベルとに基づいて、共有チャネルの無線品質情報を算出する。
(2)上りリンクの共有チャネルの復号結果と、上りリンクの所要品質とに基づいて、共有チャネルの無線品質情報に対して第1のオフセット処理を行う。
(3)データ種別により決定される優先度に基づいて、共有チャネルの無線品質情報に対して第2のオフセット処理を行う。この第1のオフセット処理と第2のオフセット処理とを行った後の、共有チャネルの無線品質情報が、SIRestimatedである。
具体的には、eNBは、以下の式により、Sounding RSに対するPUSCHの送信電力オフセット値Δi,data (eNB)を算出する(1 RBに換算した電力値に関するオフセット値とする)。ここで、UE #iのUPH(UE Power Headroom)をUPHiとし、Sounding reference signalの送信帯域幅をBi,ref、PUSCHの送信帯域幅をBi,dataとする。
式(6)のmin( , )は、Bi,ref = 1 RB (180 kHz)の場合に適用される
ここで、SRSP
iはサウンディング用のリファレンス信号の受信レベルとする。B
i,refは、サウンディング用のリファレンス信号が送信される帯域幅であり、B
i,dataは、該PUSCHが送信される帯域幅であり、上述したTemporary RB groupの帯域幅である。また、Target
i,RoTは、Pathloss
iとテーブル4を用いて算出される。ここで、Pathloss
iは、UPHに基づいて算出される値を用いてもよいし、Measurement reportによりUEから報告されるPathlossの値を用いてもよい。Pathloss
iの値として、UPHに基づいて算出される場合には、以下の式に基づいて算出される:
Pathloss=P
max−UPH−SRSP in dB (帯域を考慮する)
ここで、P
maxは、UEの定格電力(24 dBm)とする。
また、
UPH = (UEの低格電力)―(サウンディング用リファレンス信号の送信電力)
である。上記式は単位をdBとすること。
次に、eNBは、以下の式(7)により、UL-SCHの推定SIR(SIR
i,estimated)を求める:
ここで、SRSP
iはサウンディング用のリファレンス信号の受信レベルとする。Interferenceは、上りリンクにおける干渉レベルに相当する。
尚、eNBは、SIR estimated調節機能がOnの場合に、以下の式(8)に基づいてSIRi,estimatedの値を調節する。SIR_offsetiの算出方法は後述する。
また、物理下りリンク制御チャネルを用いてのUL Scheduling Grantにより、UEに通知される送信電力情報Δ
dataは以下のように算出される。ここで、上記送信電力情報Δ
dataは、サウンディング用のリファレンス信号に対するPUSCHの電力オフセットである。
[長区間で行う処理]
SIR_offset
iは以下の算出式により、当該UE #iのUL-SCHのCRC結果に基づいてOuter-loop的に調節される。SIR_offset
iは、Highest priorityの論理チャネルグループのPriorityがZ
i,adjustであるUL-SCHのCRC check結果に基づいてOuter-loop的に調節される(式(10)の処理)。Highest priorityの論理チャネルグループのPriorityがZ
i,adjustと異なる場合には、Outer-loop的なオフセットの調節(式(10)の処理)は行われない。
尚、eNBはCRC: OKになるまで、当該MAC PDUに含まれる論理チャネルを識別できないため、上記「Highest priorityの論理チャネルグループのPriority」は、本処理においては、UL MAC制御仕様4.1.10 Scheduling Coefficient Calculationで用いたHighest priorityの論理チャネルグループのPriorityを用いることとする。
SIR_offsetiは、UE毎に調節される。また、本処理の対象となるPriority Zi,adjustは、MTよりUE毎に設定される。
Δadj (P)、BLERtarget (P)は外部入力インタフェース(IF)より設定可能とすること。但し、SIR_offsetiの最大値をSIR_offsetP (max)、最小値をSIR_offsetP (min)とすること。SIR_offsetiが最大値あるいは最小値に張り付いた場合には、下記の計算を行わないこと。
[RB、データサイズ、変調方式の決定処理]
(1)当該Sub-frameにおいて当該UEは初回送信のUL-SCHを送信する場合
(UPHによる割り当て帯域幅の補正処理)
Temporary RB groupの帯域幅をB
i,data,tmpとする。
Targeti,RoT−SRSPi > UPHi+10×log10(Bi,ref/Bi,data,tmp)である場合、
とし、B
i,data内に含まれるRBの数を割り当てるRB数Num
RBとする。そして、当該UEに割り当てられるRBの数がNUM
RB未満とならない範囲内で、かつ、サブキャリア数が、2、3、5のみを因数する数となるように、Temporary RB group内のRBを削除する。
Temporary RB groupの割り当ての際に、周波数の大きい方から割り当てた場合には、周波数の小さい方からRBを削除し、周波数の小さい方から割り当てた場合には、周波数の大きい方からRBを削除することとする。
すなわち、ユーザ装置の送信電力情報(ユーザ装置から報告されるUE Power Headroom)が所定の閾値よりも小さい場合に、共有チャネルに割り当てる周波数リソースを小さくする。
Targeti,RoT−SRSPi ≦ UPHi+10×log10(Bi,ref/Bi,data,tmp)である場合、
NumRB = Nallocated
とする。
(論理チャネルグループの優先度によるオフセット処理)
Highest priorityの論理チャネルグループの優先度に基づくオフセットにより、上記SIR(SIRestimated (RB))が調整される。ΔLCGは、外部インタフェース(IF)より設定される。添え字のLCGは論理チャネルグループ(Logical Channel Group)を示す。
SIRestimated (RB)= SIRestimated (RB)−ΔLCG
(Transport format算出処理)
Temporary RB group内のRB数(RB_available)とSIRestimated (RB)を引数としてUL_TF_related_tableを参照することにより、MAC PDU size (Sizeと記載する)、変調方式(Modulationと記載する)を決定する:
Size = UL_Table_TF_SIZE (RB_available, SIRestimated (RB))
Modulation = UL_Table_TF_Mod (RB_available, SIRestimated (RB))
ここで、Size > Nmax,bitである場合には、Size ≦ Nmax,bitとなるまで、Sizeestimated (RB)の値を1 dBずつ小さくする(UL_TF_related_tableの、より小さいSIRのTableを参照する。この時、RB_availableの値は変えない)。Sizeが確定した値に、Modulationの値を、UL_TF_related_tableの対応する値に変更する。
次に、UL Buffer滞留量とSizeとの比較結果に基づき、当該UEに割り当てるRBの数を再計算する。UL Buffer滞留量は4.1.10.2を参照すること。αULTFRSは外部インタフェース(IF)より設定される係数であり、例えば、1.0や2.0といった値が設定される。
尚、当該UEが『Scheduling requestにより「PUSCHの割り当て要求:あり」を受信し、かつ、上記Scheduling requestを受信してから一度も上りリンクのリソース(PUSCH)を割り当てていない状態』にある場合には、下記の『Size≦αULTFRS・(Bufferj,h (UL)+Bufferj,l (UL)の場合』の処理を行うこと。
<Size≦αULTFRS・(Bufferj,h (UL)+Bufferj,l (UL)の場合>
UE buffer内に十分データがあると判断し、Temporary RB group内の全てのRBを当該UEに割り当てられるRBとする。
<Size>αULTFRS・(Bufferj,h (UL)+Bufferj,l (UL)の場合>
UE buffer内に十分データがないと判断し、αULTFRS・(Bufferj,h (UL)+Bufferj,l (UL)(以下、Sizebufferと記載する)とSIRestimated (RB)を引数としてUL_TF_related_tableを参照することにより、割り当てるRB数NumRBを再計算する:
NumRB = UL_Table_TF_RB (Sizebuffer, SIRestimated (RB))
Size = UL_Table_TF_SIZE (NumRB, SIRestimated (RB))
Modulation = UL_Table_TF_Mod (NumRB, SIRestimated (RB))
ここで、NumRBのサブキャリア数が、因数として2、3、5以外の数を含む場合には、サブキャリア数が、2、3、5のみを因数とする数であり、かつ、NumRBより大きい整数の中で最小の整数をNumRBとする。
当該UEに割り当てられるRBの数がNUMRB未満とならない範囲内で、Temporary RB group内のRBを削除する。Temporary RB groupの割り当ての際に、周波数の大きい方から割り当てた場合には、周波数の小さい方からRBを削除し、周波数の小さい方から割り当てた場合には、周波数の大きい方からRBを削除することとする。
すなわち、ユーザ装置のバッファ内のデータ量が送信方法として決定されたデータサイズより小さい場合に、送信方法として決定された周波数リソース量(RBの数)を低減する。
(2)当該Sub-frameにおいて当該UEは再送のUL-SCHを送信する場合
再送時において、物理上りリンク制御チャネルによりUplink Scheduling Grantの指定を行う場合、以下の式に基づき、UEに通知される送信電力に関する情報Δdataを調整する。ここで、Δdata (eNB)及び10・log10(Bdata/Bref)は、再送タイミングに改めて計算することとする。オフセット値ΔLCG (HARQ)は、外部インタフェース(IF)より論理チャネルグループ毎に設定される。
すなわち、基地局装置は、上りリンクのリファレンス信号の受信レベルと、前記共有チャネルの目標の受信レベルとに基づいて、前記共有チャネルの送信電力を算出し、そして、上記共有チャネルが再送データか初回送信のデータかに基づいて、前記共有チャネルの送信電力に対してオフセット処理を行う。
ステップS416において、jの値をインクリメントし、ステップS418において、jの値が、NUL−SCH以下であるか否かを判定する。jの値がNUL−SCH以下である場合(ステップS418の処理:YES)、ステップS410の前に戻る。一方、jの値がNUL−SCH以下でない場合(ステップS418の処理:NO)、処理を終了する。
次に、本実施例に係る基地局装置200について、図6を参照して説明する。
本実施例に係る基地局装置200は、選択手段としてのスケジューリング係数計算部206と、割り当て手段としてのトランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210と、レイヤー1処理部212とを備える。
スケジューリング係数計算部206は、上述したステップS204の処理を行う。具体的には、スケジューリング係数計算部206は、当該Sub-frameにおいてダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てが行われるユーザ装置を選択し、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数NUL-SCHをトランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210に入力する。
トランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210は、上述したステップS208の処理を行う。具体的には、トランスポートフォーマット・リソースブロック選択部210は、上りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択を行う。トランスポートフォーマット・リソースブロック選択部201は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の無線リソース(RB)の確保、禁止無線リソース(RB)の確保、パーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)が適用されるUL-SCHの無線リソース(RB)の確保を行った後、Dynamic schedulingが適用されるUL-SCH(初回送信と再送の両方を含む)に関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。
レイヤー1処理部212は、レイヤー1に関する処理を行う。
(実施例2)
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
本発明の実施例に係る基地局装置が適用される無線通信システムについて、図1を参照して説明する。
無線通信システム1000は、例えばEvolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution、或いは、Super 3G)が適用されるシステムであり、基地局装置(eNB: eNode B)200と複数のユーザ装置(UE: User Equipment、あるいは、移動局とも呼ばれる)100n(1001、1002、1003、・・・100n、nはn>0の整数)とを備える。基地局装置200は、上位局、例えばアクセスゲートウェイ装置300と接続され、アクセスゲートウェイ装置300は、コアネットワーク400と接続される。ここで、ユーザ装置100nはセル50において基地局装置200とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行う。
以下、ユーザ装置100n(1001、1002、1003、・・・100n)については、同一の構成、機能、状態を有するので、以下では特段の断りがない限りユーザ装置100nとして説明を進める。
無線通信システム1000は、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDM(直交周波数分割多元接続)、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。上述したように、OFDMは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各周波数帯上にデータを載せて伝送を行う方式である。SC−FDMAは、周波数帯域を分割し、複数の端末間で異なる周波数帯域を用いて伝送することで、端末間の干渉を低減することができる伝送方式である。
ここで、Evolved UTRA and UTRANにおける通信チャネルについて説明する。
下りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared Channel)と、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)とが用いられる。上記物理下りリンク制御チャネルは、DL L1/L2 Control Channelとも呼ばれる。下りリンクでは、物理下りリンク制御チャネルにより、下り共有物理チャネルにマッピングされるユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、上り共有物理チャネルにマッピングされるユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報、上り共有物理チャネル(トランスポートチャネルとしてはUplink Shared Channel(UL−SCH))の送達確認情報などが通知される。または、物理下りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。上記ユーザデータは、トランスポートチャネルとしては、下りリンク共有チャネルDonwlink−Share Channel (DL−SCH)である。また、上述した、物理下りリンク制御チャネルにより送信される、下り共有物理チャネルにマッピングされるユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報は、Downlink Scheduling Informationとも呼ばれる。上述した、物理下りリンク制御チャネルにより送信される、上り共有物理チャネルにマッピングされるユーザの情報やトランスポートフォーマットの情報は、Uplink Scheduling Grantとも呼ばれる。
上りリンクについては、各ユーザ装置100nで共有して使用される物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)と、LTE用の制御チャネルとが用いられる。制御チャネルには、物理上りリンク共有チャネルと時間多重されるチャネルと、周波数多重されるチャネルの2種類がある。周波数多重されるチャネルは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)と呼ばれる。
上りリンクでは、LTE用の制御チャネルにより、下りリンクにおける共有チャネルのスケジューリング、適応変復調・符号化(AMC: Adaptive Modulation and Coding)に用いるための下りリンクの品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)及び下りリンクの共有チャネルの送達確認情報(HARQ ACK information)が伝送される。また、物理上りリンク共有チャネルによりユーザデータが伝送される。上記ユーザデータは、トランスポートチャネルとしては、上りリンク共有チャネルUplink−Share Channel (UL−SCH)である。
[1. 上りリンクMAC通信制御方法]
次に、本実施例に係る基地局装置において実行される通信制御方法としての上りリンクMAC(UL MAC)制御手順について説明する。
本実施例において、論理チャネルは、例えば無線ベアラ(Radio bearer)に対応する。また、プライオリティクラス(Priority class)は、例えば優先度または論理チャネル優先度(Logical Channel Priority)に対応する。また、本実施例においては、前記論理チャネルは、4つの論理チャネルグループに分類されている。尚、どの論理チャネルがどの論理チャネルグループに属するかに関しては、任意に設定することが可能である。
尚、「当該サブフレーム(Sub−frame)」とは、特に断りがなければ、スケジューリングの対象となる上りリンク共有チャネル(UL−SCH)が移動局により送信されるサブフレームを指す。
また、以下の説明において、ダイナミックスケジューリングとは、動的に無線リソースの割り当てを行う第1のリソース割り当て方法に相当する。ダイナミックスケジューリングが適用される上りリンク共有チャネル(UL−SCH)は、該ユーザ装置に対して任意のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられ、その場合の送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、送信電力に関する情報、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMO適用時のリファレンス信号の系列等のMIMOに関する情報等は、様々な値が設定される。前記送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、送信電力に関する情報、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMO適用時のリファレンス信号の系列等のMIMOに関する情報等は、下りリンクの制御チャネルPDCCHにマッピングされるUL Scheduling GrantによりUEに対して通知される。
一方、パーシステントスケジューリングとは、データ種別、あるいは、データを送受信するアプリケーションの特徴に応じて、一定周期毎にデータの送信機会を割り当てるスケジューリング方法であり、一定周期毎に無線リソースの割り当てを行う第2のリソース割り当て方法に相当する。すなわち、パーシステントスケジューリングが適用される上りリンク共有チャネル(UL−SCH)は、該ユーザ装置に対して所定のサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられ、その場合の送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、送信電力に関する情報、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMO適用時のリファレンス信号の系列等のMIMOに関する情報等は、所定の値が設定される。すなわち、予め決められたサブフレームにおいて無線リソースが割り当てられ、予め決められた送信フォーマットで上りリンク共有チャネル(UL−SCH)が送信される。上記予め決められたサブフレームは、例えば、一定の周期となるように設定されてもよい。また、上記予め決められた送信フォーマットは、一種類である必要はなく、複数の種類が存在してもよい。
[2. 物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)の送信帯域の割当て単位]
本実施例では、周波数方向の送信帯域の割当て単位として、リソースブロック(RB:Resource Block)を用いる。1RBは、例えば、180kHzに相当し、システム帯域幅が5MHzの場合には、25個のRBが存在し、システム帯域幅が10MHzの場合には、50個のRBが存在し、システム帯域幅が20MHzの場合には、100個のRBが存在する。PUSCHの送信帯域の割当ては、RBを単位としてサブフレーム(Sub-frame)毎に行われる。また、DFT sizeは、その因数として2、3、5以外の数を含まないようにRBの割り当てが行われる。すなわち、DFT sizeは、2、3、5のみを因数とする数となる。
尚、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送においては、基地局装置200は、対応するUplink Scheduling Grantを送信してもよいし、送信しなくてもよい。例えば、基地局装置200は、前記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantが送信可能である場合には、前記Uplink Scheduling Grantを送信するという処理を行ってもよい。尚、Uplink Scheduling Grantが送信可能であるとは、例えば、Uplink Scheduling Grantを送信するための無線リソース、すなわち、周波数リソースまたは時間的なリソースまたは電力リソース、が存在するという意味であってもよい。基地局装置200が、上記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを送信する場合には、移動局は、上記Uplink Scheduling Grantに従って、上記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送を行う。ここで、Uplink Scheduling Grantとは、上述したように、当該サブフレームにおいて共有チャネルを用いて通信を行うユーザ装置の識別情報や、上記共有チャネルの送信フォーマット、すなわち、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報や変調方式、ペイロードサイズ、送信電力に関する情報、Redundancy versionパラメータやプロセス番号等のHARQに関する情報や、MIMO適用時のリファレンス信号の系列等のMIMOに関する情報等のことである。
尚、上記Uplink Scheduling Grantのうち、一部の情報のみが、初回送信から変更されるといった制御が行われてもよい。例えば、周波数リソースであるリソースブロックの割り当て情報と、送信電力に関する情報のみが変更されるといった制御が行われてもよい。
ここで、ダイナミックスケジューリングは、動的に無線リソースの割り当てを行うリソースの第1の割り当て方法に相当する。
また、基地局装置200は、前記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを送信する際に、同時に、PHICHによりACKを送信してもよい。以下に、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを送信する際に、PHICHによりACKを送信する効果を説明する。UEは、前記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを正しく受信できなかった場合、PHICHにより通知される情報、すなわち、ACK/NACKに従う。そして、UEは、上記PHICHにより通知される情報がACKの場合は当該UL−SCHの再送を停止し、NACKの場合は、当該UL−SCHを、前回の送信と同じ周波数リソースで再送する。このとき、前回の送信の周波数リソースと、前記UL Scheduling Grantで指定する周波数リソースが異なっていて、かつ、基地局装置が、前記前回の送信の周波数リソースにおいて、他のUEがUL−SCHを送信することを指示していた場合、当該UEが送信する再送の上りリンクの共有チャネル(UL−SCH)と前記他のUEが送信する上りリンクの共有チャネル(UL−SCH)が衝突することになり、結果として、伝送特性が劣化する。よって、基地局装置200は、前記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを送信する際に、同時に、PHICHによりACKを送信することにより、上述した伝送特性の劣化を防ぐことが可能となる。尚、上述した、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを送信する際に、同時に、PHICHによりACKを送信するという処理は、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の新規送信のためのUplink Scheduling GrantとPHICH(ACK)を同時に送信する場合にも同様のことが言える。
上述したように、UL Scheduling GrantとPHICHを適切に送信することにより、より信頼度の高い制御チャネルの通信を実現することが可能となり、結果として、伝送特性を高めることが可能となる。図7Aに、UL Scheduling GrantとPHICHの送信方法のフローチャートを示す。図7Aを用いて、UL Scheduling GrantとPHICHの送信方法を示す。
まず、ステップS902において、当該Sub−frameにおいて,再送すべきUL−SCHが存在するか否かを判定する。当該Sub−frameにおいて,再送すべきUL−SCHが存在する場合(ステップS902:YES)、ステップS904において、送信可能なUL Scheduling Grantが存在するか否かを判定する。送信可能なUL Scheduling Grantが存在する場合(ステップS904:YES)、ステップS906に進む。一方、送信可能なUL Scheduling Grantが存在しない場合(ステップS904:NO)、ステップS910に進む。尚、再送可能なUplink Scheduling Grantが存在するとは、上述した、当該UEに対してUplink Scheduling Grantが送信可能であるということと同じ意味であり、例えば、Uplink Scheduling Grantを送信するための無線リソース、すなわち、周波数リソースまたは時間的なリソースまたは電力リソース、が存在するという意味であってもよい。
次に、ステップS906において、後述するRB Remaining Check(ステップS810)がOKであるか否かを判定する。RB Remaining Check(ステップS810)がOKである場合(ステップS906:YES)、ステップS908に進む。一方、RB Remaining Check(ステップS810)がNGである場合(ステップS906:NO)、ステップS910に進む。
ステップS908において、再送を指示するUL Scheduling GrantとPHICH (ACK)を送信すると決定する.前記PHICH (ACK)は、上述したようにUL Scheduling GrantがUEにおいてMissed detectionとなった場合に,UL−SCHの再送を一旦停止させるために使用される。一方、ステップS910において、PHICH (ACK)を送信すると決定する。この場合、前記PHICH(ACK)により、UL−SCHの再送を一旦停止させる。
一方、当該Sub−frameにおいて,再送すべきUL−SCHが存在しない場合(ステップS902:NO)、ステップS912において、送信すべきPHICH(ACK)が存在するか否かを判定する。ここで、送信すべきPHICH(ACK)が存在するとは、1つ前のHARQの送信タイミング、すなわち、HARQ RTT前の送信タイミングで、当該UEがUL−SCHを送信し、前記UL−SCHが正しく復号できた、すなわち、CRCチェック結果がOKであったことを指す。送信すべきPHICH(ACK)が存在する場合、すなわち,HARQの1RTT前に送信されたUL−SCHのCRCがOKであった場合(ステップS912:YES)、ステップS914に進む。
ステップS914において、当該Sub−frameにおける新規送信を指示するUL Scheduling Grantを送信するか否かを判定し、当該Sub−frameにおける新規送信を指示するUL Scheduling Grantを送信する場合には(ステップS914:YES)、ステップS916に進み、当該Sub−frameにおける新規送信を指示するUL Scheduling Grantを送信しない場合には(ステップS914:NO)、ステップS918に進む。
ステップS916において、新規送信を指示するUL Scheduling GrantとPHICH (ACK)を送信すると決定する。前記PHICH(ACK)は、上述したようにUL Scheduling GrantがUEにおいてMissed detectionとなった場合に,UL−SCHの再送を一旦停止させるために使用される。一方、ステップS918においては、PHICH(ACK)を送信する。
一方、送信すべきPHICH(ACK)が存在しない場合、すなわち,HARQの1RTT前に送信されたUL−SCHのCRCがOKでなかった場合(ステップS912:NO)、ステップS920に進む。尚、この「送信すべきPHICH(ACK)が存在しない場合」とは、HARQの1RTT前にUL−SCHが送信されなかったことに相当する。
ステップS920において、当該Sub-frameにおける新規送信を指示するUL Scheduling Grantを送信するか否かを判定し、当該Sub-frameにおける新規送信を指示するUL Scheduling Grantを送信すると判定した場合には(ステップS920:YES)、ステップS922に進む。ステップS922において、新規送信のためのUL Scheduling Grantを送信すると決定する。一方、当該Sub−frameにおける新規送信を指示するUL Scheduling Grantを送信しないと判定した場合には(ステップS920:NO)、PHICHもUL Scheduling Grantも送信しないと決定する。
[3. UL MACデータ送信手順]
次に、上りリンクMAC(UL MAC)データ送信手順について、図2を参照して説明する。図2は、スケジューリング係数の計算によるスケジューリング処理から、トランスポートフォーマット(Transport format)及び割り当てられるRBを決定するUL TFR selection処理までの手順を示したものである。
[3.1. UL MAC最大多重NULMAX設定]
基地局装置200において、UL MAC最大多重数NULMAX設定が行われる(ステップS202)。UL MAC最大多重数NULMAXは、ダイナミックスケジューリング(Dynamic Scheduling)が適用される上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の、1サブフレームにおける最大多重数(初回送信のUL−SCHと再送のUL−SCHの両方を含む値)であり、外部入力インタフェース(IF)より指定される。尚、外部入力インタフェースにより指定されるとは、例えば、上位ノードやコアネットワーク内の他のノードからパラメータとして指定されたり、あるいは、装置内部のパラメータとして設定されたりすることを指す。
[3.2. スケジューリング係数の計算(Calculation for Scheduling coefficients)]
次に、基地局装置200において、スケジューリング係数の計算(Calculation for Scheduling coefficients)が行われる(ステップS204)。すなわち、当該Sub−frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEを選択する。上記当該Sub−frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEに対して、次の上りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択の処理が行われる。尚、上記当該Sub−frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEとは、当該Sub−frameにおいて送信すべき再送データを有するUEと、当該Sub−frameにおいて、スケジューリング係数の計算により選択された、新規データを送信するUEとを含む。
当該Sub−frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数をNUL−SCHと定義する。
[3.4. 上りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択(Uplink Transport format and Resource selection)(UL TFR selection)]
次に、基地局装置200において、上りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択が行われる(ステップS208)。物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の無線リソース(RB)の確保、禁止無線リソース(RB)の確保、パーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)が適用されるUL−SCHの無線リソース(RB)の確保を行った後、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCH(初回送信と再送の両方を含む)に関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。尚、上記上りリンクトランスポートフォーマット及びリソース選択には、上りリンクの送信電力制御も含まれる。
[4. Calculation for Scheduling coefficients]
次に、ステップS204において行われるスケジューリング係数の計算について、図7Bを参照して説明する。
[4.1. 処理フロー]
図7Bに、スケジューリング係数の計算により、Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの候補の選択を行う処理フローを示す。基地局装置200は、LTEアクティブ(LTE active)状態(RRC connected状態)にある全てのUEに対して以下の処理を実行する。
まず、n=1、NScheduling=0、NRetransmission=0に設定される(ステップS701)。ここで、nはユーザ装置100nのインデックスであり、n=1,・・・,N(N>0の整数)である。
次に、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)エンティティステータスの更新(Renewal of HARQ Entity Status)が行われる(ステップS702)。ここでは、当該UEに関する、UL−SCHのCRC check結果がOKであったプロセスを解放する。
また、最大再送回数に達したプロセスを解放し、プロセス内のユーザデータを廃棄する。ここで、最大再送回数とは、UE毎に個別に設定される値とする。
さらに、上りリンク共有チャネルの電力判定により、UEのUL−SCH未送信を検出したプロセスを解放する。
次に、パーシステントスケジューリングの処理が行われる。パーシステントスケジューリングとは、データ種別、あるいは、データを送受信するアプリケーションの特徴に応じて、一定周期毎にデータの送信機会を割り当てるスケジューリング方法である。尚、上記データ種別とは例えば、Voice Over IPによるデータであったり、あるいは、Streamingによるデータであったりする。上記Voice Over IPまたはStreamingが、上記アプリケーションに相当する。
尚、上りリンクのパーシステントスケジューリングによるリソースの割り当ては、データ発生時、すなわち、サイレンス区間(Silence period)から会話区間(Talk spurt)への遷移時には、Scheduling Request及びBuffer Status Reportが送信されることを契機として、Persistent Resourceが割り当てられ、会話区間(Talk spurt)からサイレンス区間(Silence period)への遷移時には、Empty Buffer Status ReportがUEから基地局装置に送信されることにより、Persistent Resourceの解放が行われる。ここで、Empty Buffer Status Reportとは、Buffer内のデータ量が0であることを示す信号である。また、Persistent Resourceとは、Persistent schedulingにより割り当てられた無線リソース、具体的には、周波数リソースのことを指す。
基地局装置200は、当該Sub−frameにおいて、当該UEにPersistent Resourceが割り当てられるか否か、及び、Persistent Resourceが割り当てられる場合に、初回送信か再送かを判定する(ステップS703)。
ステップS703における判定結果が、Persistent Resourceが割り当てられ、かつ、送信すべきデータが再送であるという判定結果であった場合、NRetrans, persist++として(ステップS704)、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。尚、初回送信のためのスケジューリングの対象から除外するとは、後述するステップS732におけるスケジューリング係数の計算を行わないことに相当し、結果として、初回送信のためのスケジューリングが行われないということを意味する。
ステップS703における判定結果が、Persistent Resourceが割り当てられ、かつ、送信すべきデータが初回送信であるという判定結果であった場合、ステップS705において、Persistent Resourceの確保が行われる。
そして、その後、ステップS728のLow/High Fd Checkの処理に進む。すなわち、ステップS705において、Persistent Resourceが確保されたUEに関しても、後述するステップS730のBuffer Status Check及びステップS732のScheduling Coefficient Calculationを行う。そして当該Sub−frameにおいてDynamic Schedulingによる送信リソースの割り当てが行われた場合には、UEは、前記Dynamics Schedulingにより送信リソースに基づいて、MAC PDU(UL−SCH)の送信を行う。尚、上記Dynamic Schedulingによる送信リソースの割り当てが行われた場合にも、Persistent Resourceは確保したままとする。すなわち、上記Dynamic Schedulingによる送信リソースの割り当てが行われた場合にも、Persistent Resourceは解放しない。
尚、ステップS706におけるHARQ Retransmission Checkの前に、ステップS703の、当該Sub−frameにおいてPersistent Resourceが割り当てられるか否かの判定が行われるため、Persistent Schedulingの初回送信は、Dynamic Schedulingの再送よりも優先されることになる。Persistent Schedulingの初回送信により、Dynamic Schedulingの再送が行われない場合、その再送のDynamic Schedulingが適用される共有チャネルに対して、送達確認情報として、ACKを送信してもよい。前記ACKを送信することにより、前記再送のDynamic Schedulingが適用される共有チャネルが送信されることを確実に停止させることができる。
Persistent Resourceが割り当てられない場合、ステップS706のHARQ Retransmission Checkに進む。
HARQ再送信のチェック(HARQ Retransmission Check)が行われる(ステップS706)。当該Sub−frameにおいて、当該UEが送信すべき再送データを有するか否かを判定する。ここで、「送信すべき再送データ」とは、以下の4つの条件を全て満たす再送データのことを指す。
・Synchronous HARQの再送タイミングであり、当該Sub−frameのUL−SCH送信のためのNACKまたはUL Scheduling Grantを当該UEに対して送信している
・当該データ(UL−SCH)の過去のCRC check結果がOKでない
・最大再送回数に達していない
・上りリンク共有チャネルの電力判定で「UL−SCH未送信」と検出されていない
当該UEが送信すべき再送データを有する場合に「再送信有り(Retransmission)」を返し、それ以外の場合に「再送信無し(No retransmission)」を返す。HARQ Retransmission Checkの結果がNo retransmissionの場合には、メジャメントギャップのチェック(Measurement Gap Check)の処理に進む(ステップS710)。
尚,一度、ACKを送信したUE(HARQ Process)に関しても,最大再送回数に達していない場合には,Synchronous HARQのその次の送信タイミングにおいては,「送信すべき再送データ」が存在するとみなす。すなわち、上述した、ステップS902やステップS904の判定結果がNOであった場合に、当該データ(UL−SCH)の過去のCRC check結果がOKでないにもかかわらず、PHICH(ACK)を送信した場合には(ステップS910)、Synchronous HARQのその次の送信タイミングにおいては,「送信すべき再送データ」が存在するとみなす。この場合、PHICH(ACK)は、CRC OKを意味するのではなく、UL−SCHの再送を一旦停止するということを意味する。
HARQ Retransmission Checkの結果がRetransmissionの場合には、NRetransmission++として(ステップS708)、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。尚、初回送信のためのスケジューリングの対象から除外するとは、後述するステップS732におけるスケジューリング係数の計算を行わないことに相当し、結果として、初回送信のためのスケジューリングが行われないということを意味する。
次に、メジャメントギャップのチェック(Measurement Gap Check)が行われる(ステップS710)。すなわち、UEが異なる周波数のセルの測定を行っている時間間隔が、下りリンクにおいて上りリンク共有チャネルのための物理下りリンク制御チャネルを送信するタイムフレーム、共有チャネルを受信するタイムフレーム又は上りリンク共有チャネルに対する送達確認情報を送信するタイムフレームと重なる場合には、当該UEに上りリンク共有チャネルを割り当てない。尚、上記物理下りリンク制御チャネルにおいて、上記上りリンク共有チャネルに関するUL Scheduling Grantが送信される。また、前記上りリンク共有チャネルに対する送達確認情報は、PHICH(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)またはACK/NACKとも呼ばれる。
ここで、上記異なる周波数のセルとは、Evolved UTRA and UTRANのセルであってもよいし、異なるシステムのセルであってもよい。例えば、異なるシステムとして、GSM、WCDMA、TDD−CDMA、CDMA2000、WiMAX等が考えられる。
より具体的には、当該UEの初回送信と2回目送信に関して、物理下りリンク制御チャネルを送信するSub−frameがMeasurement gapに含まれるか否か、または、当該UL−SCHを送信するSub−frameがMeasurement gapに含まれるか否か、または、上記UL−SCHに対するACK/NACK(PHICH)を送信するSub−frameがMeasurement gapに含まれるか否かを判定する。物理下りリンク制御チャネルを送信するSub−frameがMeasurement gapに含まれる、または、当該UL−SCHを送信するSub−frameがMeasurement gapに含まれる、または、上記UL−SCHに対するACK/NACK(PHICH)を送信するSub−frameがMeasurement gapに含まれると判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。Measurement gapは、UEが異周波ハンドオーバ、または、異システムハンドオーバを行うために、異なる周波数のセルの測定を行っている時間間隔であり、その時間には通信できないため、移動局は、物理下りリンク制御チャネルを受信できない。また、同様の理由で、上りリンク共有チャネルを送信できない、かつ、ACK/NACK(PHICH)を受信できない。
Measurement Gap Checkの結果がNGの場合には、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。尚、初回送信のためのスケジューリングの対象から除外するとは、後述するステップS732におけるスケジューリング係数の計算を行わないことに相当し、結果として、初回送信のためのスケジューリングが行われないということを意味する。
Measurement Gap Checkの結果がNGの場合には、ステップS711のHalf Duplex Checkの処理に進む。
3回目送信以降を考慮したMeasurement Gap Checkは行わない。尚、上述した例では、1回目と2回目の送信を考慮したが、代わりに、1回目と2回目と3回目の送信を考慮してもよい。すなわち、何回目までの送信を考慮するかに関しては、上記以外の値を設定してもよい。
ステップS711において、Half Duplex Checkが行われる。尚、Half Duplexとは、上りリンクの送信と、下りリンクの受信を同時に行わない通信方式のことを指す。すなわち、Half Duplexにおいては、UEは、上りリンクの送信と下りリンクの受信とを別々のタイミングにおいて行う。
Half Duplex Checkにおいては、当該UEがHalf Duplexにより通信を行うUEである場合に、当該UEに関して、以下の6つの判定:
・当該Sub-frame、すなわち、上りリンクの共有チャネルを送信するサブフレームが、下りリンクの共通チャネル(SCH(同期チャネル)/P−BCH(プライマリ報知チャネル)/D−BCH(ダイナミック報知チャネル)/MBMSチャネル)が送信されるサブフレームと重なるか否か
・当該Sub-frame、すなわち、上りリンクの共有チャネルを送信するサブフレームが、以前にUEより送信された上りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報が送信されるサブフレームと重なるか否か
・当該Sub-frame、すなわち、上りリンクの共有チャネルを送信するサブフレームが、上りリンクまたは下りリンクのPersistent Schedulingのための制御情報(UL Scheduling Grant及びDL Scheduling Information)が送信されるサブフレームと重なるか否か
・当該Sub-frameにおいて送信される上りリンクの共有チャネルのための制御情報(UL Scheduling Grant)が送信されるサブフレームが、当該UEが上りリンクの共有チャネルを送信するSub−frameと重なるか否か
・当該Sub-frameにおいて送信される上りリンクの共有チャネルのための制御情報(UL Scheduling Grant)が送信されるサブフレームが、当該UEが上りリンクにおいてCQI(下りリンクの無線品質情報)またはSounding Reference Signal(サウンディング用のリファレンス信号)またはScheduling Request(スケジューリング要求信号)またはランダムアクセスチャネル(RACH Preamble)を送信するサブフレームと重なるか否か
・当該Sub-frameにおいて送信される上りリンクの共有チャネルのための制御情報(UL Scheduling Grant)が送信されるサブフレームが、当該UEが上りリンクにおいて下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報(ACK/NACK)を送信するサブフレームと重なるか否か
を行い、いずれか1つの判定において真である場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返してもよい。尚、上述した判定における上りリンク及び下りリンクのチャネルは、その全てが考慮されてもよいし、その一部が考慮されてもよい。Half Duplex Checkの結果がNGの場合(ステップS711:NG)、当該UEをスケジューリングの対象から除外する。一方、Half Duplex Checkの結果がOKの場合(ステップS711:OK)、ステップS712のDRX Checkに進む。
Half Duplexにより通信を行うUEは、下りリンクの受信を行う際に、上りリンクの送信を行うことができない。よって、本処理により、当該サブフレームにおいて、下りリンクの送信を行うか否かを判定し、下りリンクの受信を行うタイミングにおいて、上りリンクの共有チャネルを割り当てないという処理を行うことにより、Half DuplexのUEが、下りリンクの受信を行う際に、上りリンクの信号を送信できないという問題を回避することが可能となる。
上述した6つの判定において、UEにおけるDL受信とUL送信との間の切り替え時間を考慮して、上述した判定が行われてもよい。すなわち、UEにおける上りリンクの共有チャネルの送信タイミング、または、基地局における上りリンクの共有チャネルのための制御情報(UL Scheduling Grant)の送信タイミングが、切り替え時間に重なる場合には、当該Half Duplex CheckをNGと判定してもよい。
上述した例においては、Half Duplex Checkは、Half Duplexにより通信を行うUEに対して行われているが、上述した処理は、Half Duplexにより通信を行うUEに対してだけでなく、Full Duplexにより通信を行うUEに対して適用されてもよい。Full Duplexにより通信を行う全てのUEに対して、上記Half Duplex Checkが適用されてもよい。あるいは、当該UEと基地局装置200との間のパスロスが所定の閾値を超えている、Full Duplexにより通信を行うUEに関して、上述したHalf Duplex Checkが行われ、当該UEと基地局装置200との間のパスロスが所定の閾値を超えていない、Full Duplexにより通信を行うUEに関しては、上述したHalf Duplex Checkが行われないという処理が行われてもよい。この場合、UEにおいて上りリンクの送信と下りリンクの受信が同時に行われないため、後述する、「UE内における上りリンクの送信信号が、下りリンクの受信信号への干渉信号となり、結果として、下りリンクの受信信号の品質が劣化する」という問題を解決することが可能となる。尚、「UE内における上りリンクの送信信号が、下りリンクの受信信号への干渉信号となり、結果として、下りリンクの受信信号の品質が劣化する」という問題の影響が大きいセル、または、周波数帯域において、Full Duplexにより通信を行うUEに対しても、上述したHalf Duplex Checkが行い、それ以外のセル、または、周波数帯域においては、Full Duplexにより通信を行うUEに対しては、上述したHalf Duplex Checkが行わないという処理を行ってもよい。
次に、間欠受信のチェック(DRX Check)が行われる(ステップS712)。UEが間欠受信を行っている場合に、すなわち、UEが間欠受信状態(DRX状態)である場合に、上りリンク共有チャネルを当該UEに割り当てない。
具体的には、当該UEがDRX状態か否かを判定する。DRX状態であると判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。
DRX Checkの結果がNGの場合には、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。尚、初回送信のためのスケジューリングの対象から除外するとは、後述するステップS732におけるスケジューリング係数の計算を行わないことに相当し、結果として、初回送信のためのスケジューリングが行われないということを意味する。
DRX Checkの結果がOKの場合には、ステップS714におけるUL Sync Checkの処理に進む。
次に、上りリンクの同期状態のチェック(UL Sync Check)が行われる(ステップS714)。すなわち、当該UEの上りリンクの同期状態が同期外れである場合、または、上りリンクの個別リソースが解放されている場合、上りリンク共有チャネルを当該UEに割り当てない。ここで、上りリンクの個別リソースとは、上りリンクにおいて送信されるCQI、Scheduling Request、Sounding Reference Signalのリソースのことを指す。
具体的には、基地局装置200は、当該UEの上りリンクの同期状態が同期外れであるか否かを判定する。また、基地局装置200は、当該UEの上りリンクの個別リソースが解放されているか否かを判定する。上りリンクの同期状態が同期外れである、または、上りリンクの個別リソースが解放されていると判定した場合にNGを返し、それ以外の場合にOKを返す。
UL Sync Checkの結果がNGの場合には、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。尚、初回送信のためのスケジューリングの対象から除外するとは、後述するステップS732におけるスケジューリング係数の計算を行わないことに相当し、結果として、初回送信のためのスケジューリングが行われないということを意味する。
UL Sync Checkの結果がOKの場合には、ステップS728のLow/High Fd Checkの処理に進む。
尚、基地局装置200は、RRC_connected状態の各UE100nに関して、以下の上りリンクの同期状態の判定を行う。
基地局装置200は、当該UEのSounding RSの受信品質、例えば、SIRを測定し、前記受信品質がが所定の閾値を超える場合には上りリンクの同期状態をOKとし、超えない場合には上りリンクの同期状態をNG、すなわち、同期外れとする。尚、上述した例においては、Sounding RSの受信品質を測定したが、代わりに、CQIの受信品質に基づいて、上りリンクの同期状態を判定してもよい。あるいは、Sounding RSとCQIの受信品質の両方を用いて、上りリンクの同期状態を判定してもよい。
また、基地局装置200は、RRC_connected状態の各UE100nに関して、以下の上りリンクの個別リソースの状態の判定を行う。
基地局装置200は、当該UEに対して最後にTiming Advanceを送信したタイミングからの経過時間がUL Out−of−sync timerを超過している場合に、上りリンクの個別リソースが解放されたと判定する。また、基地局装置200は、当該UEに対して上りリンクの個別リソースの解放を指示したUEの個別リソースが解放されたと判定する。尚、当該UEに関しては、ランダムアクセス手順による上りリンクの同期の再確立が行われるまで、前記個別リソース状態を「解放されている」とみなす。
尚、HARQ Retransmission Checkの処理(S706の処理)が、本UL Sync Checkの処理(S714の処理)よりも先に行われるため、UL Sync Checkの結果がNGの場合のUEに関しても、HARQ Retransmission CheckがRetransmissionの場合には、その再送されるUL−SCHの受信を行う。
次に、伝送タイプのチェック(Low/High Fd Check)が行われる(ステップS728)。すなわち、当該UEの伝送タイプ(Transmission type)として、Low Fd/High Fdを判定する。尚、上記伝送タイプは、DLとULとで共通に管理する。
例えば、当該UEのFd推定値が閾値ThresholdFd,UL以下である場合に、Low Fdと判定し、上記以外の場合をHigh Fdと判定する。
上記Fd推定値は、UEよりMeasurement report等により報告される値を用いてもよいし、UEより送信されるSounding用のリファレンス信号の時間相関値やCQIのDemodulation用のリファレンス信号に基づいて算出される値を用いてもよい。
次に、バッファ状態のチェック(Buffer Status Check)が行われる(ステップS730)。すなわち、UEが送信すべきデータを持たない場合に、上りリンク共有チャネルを当該UEに割り当てない。
具体的には、当該UEの有する論理チャネルグループ(論理チャネルグループ#1、論理チャネルグループ#2、論理チャネルグループ#3、論理チャネルグループ#4)に関して、当該Sub−frameにおいて送信可能なデータが存在するか否かを判定する。全ての論理チャネルグループに関して送信可能なデータが存在しない場合にはNGを返し、送信可能なデータが存在する論理チャネルグループが1つでもが存在する場合にはOKを返す。ここで、送信可能なデータとは、新規に送信可能なデータのことであり、UL Buffer滞留量が0より大きい場合に、「新規に送信可能なデータが存在する」と判定する。UL Buffer滞留量の定義は後述する。尚、上述した例においては、当該UEの有する論理チャネルグループとして、論理チャネルグループ#1、論理チャネルグループ#2、論理チャネルグループ#3、論理チャネルグループ#4の4種類を考慮したが、5種類以上の論理チャネルグループが存在する場合や3種類以下の論理チャネルグループが存在する場合にも同様の処理が適用される。あるいは、1種類の論理チャネルグループしか存在しない場合にも、同様の処理が適用される。
但し、以下に、上記バッファ状態のチェックにおける例外的な処理を示す:
当該UEに対して、基地局装置間ハンドオーバを指示することが決まっている場合、当該UEに関しては送信可能なデータ(論理チャネルグループ#1, 論理チャネルグループ#2, 論理チャネルグループ#3, 論理チャネルグループ#4の全てのデータ)がないものとみなす。但し、再送データに関しては、ステップS706の処理により、本処理(ステップS730)がスキップされるため、当該UEからの送信が行われる。
Scheduling requestにより「UL−SCHのリソース割り当て要求:あり」を受信し、かつ、上記Scheduling requestを受信してから一度も上りリンク(UL−SCH)のリソースを割り当てていない状態のUEに対しては、論理チャネルグループ#1において送信可能なデータが存在するとみなす。
Scheduling requestに対する上りリンク(UL−SCH)のリソースの割り当てを行ったとしても、上記UL−SCHの受信タイミングにおいて、Buffer Status Reportを受信しなかった場合には、当該UEの状態を再び『Scheduling requestにより「UL−SCHのリソース割り当て要求:あり」を受信し、かつ、上記Scheduling requestを受信してから一度も上りリンク(UL−SCH)のリソースを割り当てていない状態』に戻す。このUEの状態の変更は、最大再送回数の満了を待つ必要はなく、初回送信及びそれ以降の送信のタイミングでBuffer Status Reportを受信しなかった場合に行われることとする。
当該Sub−frameにおいて、Persistent Resourceが確保されている場合(ステップS705の処理が行われている場合)と、当該Sub−frameにおいて、Persistent Resourceが確保されていない場合(ステップS705の処理が行われていない場合)の両方において、Persistent Schedulingが適用される論理チャネルグループに関しては、以下の処理を行う:
1) UL Buffer滞留量が閾値Thresholddata_size,UL以上である場合
当該論理チャネルグループに関して、「送信可能なデータが存在する」とみなす
2) UL Buffer滞留量が閾値Thresholddata_size,UL未満である場合
当該論理チャネルグループに関して、「送信可能なデータが存在しない」とみなす。
このように、UL Buffer滞留量が閾値Thresholddata_size,UL未満である場合に、当該論理チャネルグループに送信可能なデータが存在しないとみなすことにより、Persistent Resourceにより送信されるべきデータ、すなわち、データサイズの小さいデータが、Persistent Resourceが割り当てられるSub−frame以外で送信されることを防ぐことが可能となる。すなわち、Persistent Resourceが確保されていない場合(ステップS705の処理が行われていない場合)に、上述したデータサイズによる判定を行わない場合、Persistent Resourceで送信すべきデータが、Persistent Resourceが確保されていないSub−frameで送信されることになり、結果として、Persistent Resourceが確保されているSub−frameにおいて送信すべきデータがないという事象が発生し、結果として、伝送効率が下がることになる。尚、閾値Thresholddata_size,ULは、Persistent Resourceで送信可能な最大のデータサイズ、もしくは、前記データサイズよりも少し大きい値を設定してもよい。
Buffer Status Checkの結果がNGの場合には、当該UEを初回送信のためのスケジューリングの対象から除外する。尚、初回送信のためのスケジューリングの対象から除外するとは、後述するステップS732におけるスケジューリング係数の計算を行わないことに相当し、結果として、初回送信のためのスケジューリングが行われないということを意味する。
Buffer Status Checkの結果がOKの場合には、送信可能なデータが存在する論理チャネルグループの内、最も優先度の高い論理チャネルグループをHighest priorityの論理チャネルグループとして選択し、スケジューリング係数の計算(Scheduling Coefficient Calculation)の処理に進む(ステップS732)。すなわち、基地局装置は、ユーザ装置が有するデータ種別の内、最も優先度の高い論理チャネルグループに基づいて、上記スケジューリング係数を計算する。すなわち、あるUEに対して複数の論理チャネルグループが存在する場合に、前記複数の論理チャネルグループの内の全てに対して、スケジューリング係数の計算を行うのではなく、最も優先度の高い論理チャネルグループに対してスケジューリング係数の計算を行うことにより、基地局装置200の処理負荷を低減することが可能となる。
次に、スケジューリング係数の計算が行われる(ステップS732)。具体的には、ステップS730において、Highest priorityと判定された論理チャネルグループに関して、評価式を用いてスケジューリング係数を算出する。
テーブル5−1及び5−2に外部I/Fより設定されるパラメータを示す。また、テーブル6に、Sub−frame単位で、各UEの各論理チャネルグループに与えられる入力パラメータを示す。
以上に示す入力パラメータに基づいて、UE #n(Highest Priorityの論理チャネルグループ#h)のスケジューリング係数C
nを下式の通り計算する。
すなわち、基地局装置は、無線リソースを割り当てるユーザ装置を選択するときに、ユーザ装置から上りリンクの共有チャネルの割り当てを要求する信号(スケジューリングリクエスト)を受信しているか否かに基づいてユーザ装置を選択してもよい。また、基地局装置は、データの優先度クラス;ユーザ装置から送信されるリファレンス信号の無線品質、例えば、サウンディング用のリファレンス信号の受信SIR;共有チャネルが割り当てられていない時間の大きさ;スケジューリングリクエストを受信しているか否か;平均の伝送速度;目標の伝送速度;のうち少なくとも1つに基づいて、無線リソースを割り当てる優先順位を示す係数を計算してもよい。
尚、Intra−eNB Hand Over (Intra−eNB HO)の際には、スケジューリングに用いる測定値、算出値は、Target eNB (ハンドオーバ先のeNB)に引き継がないものとする。
尚、ステップS732では、平均データレート(Average Data Rate)の測定が行われる。Average Data Rateは、下式を用いて、求められる。
ただし、N
n,k(1, 2, …)は、Average Data Rateの更新回数である。但し、N
n,k= 0となるSub−frameにおいては、以下の式(3)とする。
また、忘却係数δ
n,kは、以下のように計算される。
δ
n,k=min(1−1/N
n,k, δ'
PCn,k)
Average Data Rateの更新周期は「各論理チャネルグループのUL Buffer滞留量が0以外の値であったSub−frame毎」とし、r
n,kの計算方法は「UEが送信すると想定されるPayload sizeとする。尚、r
n,kの計算は、当該Sub−frameにおける上りリンクの共有チャネルの送信が、初回送信である場合にも再送である場合にも同様に行われる。すなわち、Average Data Rateの更新機会であるSub−frame(論理チャネルグループ#kのUL Buffer滞留量が0以外の値であるSub−frame)において、以下のいずれかの計算を行う。
1) 送信を行ったUEに対しては、
r
n,LCG1 = min(Payload size, UL_Buffer
n,LCG1)
r
n,LCG2 = max(0, min(Payload size - r
n,LCG1, UL_Buffer
n,LCG2))
r
n,LCG3 = max(0, min(Payload size - r
n,LCG1 - r
n,LCG2, UL_Buffer
n,LCG3))
r
n,LCG4 = max(0, min(Payload size - r
n,LCG1 - r
n,LCG2 - r
n,LCG3, UL_Buffer
n,LCG4))
でAverage Data Rateの計算を行う。尚、Payload sizeは、UL Scheduling Grantで指定した値である。
2) 送信を行わなかったUEに対しては、「r
n,k= 0」でAverage Data Rateの計算を行う。
すなわち、Average Data Rateの計算は、UEが優先度の高い論理チャネルグループに属する論理チャネルを優先的にMAC PDU(UL−SCH)にマッピングするという仮定に基づいて、各論理チャネルグループに関するバッファ滞留量(Buffern,k)から推定された、各論理チャネルグループのデータサイズ(rn、k)に基づいて算出される。
また、以下に、UL Buffer滞留量の定義を以下に示す。UE #nの論理チャネルグループ#kのUL Buffer滞留量UL_Buffern,kは、以下のように算出される:
すなわち、基地局装置は、ユーザ装置から報告されるバッファ内のデータ量に関する情報(バッファステータスレポート、Buffer Status Report (BSR))と、この情報を受信したタイミング以降に前記ユーザ装置から受信したデータ量とに基づいて、ユーザ装置のバッファ内のデータ量を算出する。
次に、スケジューリング係数の計算が行われたUE数を示すNSchedulingを1だけ増加させ(ステップS734)、UEインデックスを示すnを1だけ増加させる(ステップS736)。
次にnがNScheduling以下であるか否かを判定する(ステップS738)。NがNScheduling以下である場合、ステップS704に戻る。
一方、nがNSchedulingよりも大きい場合、ステップS740において、UEの選択(UE Selection)が行われる。当該Sub−frameにおいてDynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE (初回送信のみ)を選択する。
まず、以下の式により、Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数NUL-SCHを算出する。ここで、NSchedulingは、Scheduling Coefficient Calculation(ステップS732の処理)が行われたUEの数を指す(図7Bを参照すること)。また、Nretransmissionは、当該Sub−frameにおいて再送を行うUEの数(図7Bを参照すること)を指す。
NUL-SCH,tmp=min(NScheduling, NULMAX−Nretransmission)
尚、min (x, y)とは、引数のxとyの内、小さい方の値を返す関数である。
次に、Highest priorityの論理チャネルグループのScheduling priority group毎に、ステップS732において算出されたスケジューリング係数の大きい順から、NUL-SCH,tmp台の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE(初回送信のみ)」を選択する。ここで、Scheduling priority groupとは、スケジューリングにおける優先度付けがされたグループであり、各論理チャネルグループに対して、属すべきScheduling priority groupが定義される。
すなわち、基地局装置200は、以下の順序で上記「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE(初回送信のみ)」を選択する:
High(1st)−>High(2nd)−>...−>Middle(1st)−>Middle(2nd)−>...−>Low(1st)−>Low(2nd)−>...
尚、上述した例においては、Scheduling priority groupは、High, Middle, Lowの3通りであったが、4通り以上のScheduling priority groupを用意してもよいし、2通り以下のScheduling priority groupを用意してもよい。
上述したように、ユーザ装置のインデックス(UE index)であるnに関してループ処理を行うことにより、初回送信を行うことができると判断された各ユーザ装置に対して、スケジューリング係数を計算することが可能となる。そして、計算されたスケジューリング係数の大きいユーザ装置に対して、無線リソースを割り当てるという制御を行うことにより、データの優先度や、上りリンクの無線品質、共有チャネルが割り当てられていない時間の大きさ、スケジューリングリクエストを受信しているか否か、平均の伝送速度、目標の伝送速度を考慮して、無線リソース(上りリンクの共有チャネル)を割り当てるユーザ装置を決定することが可能となる。
次に、ステップS208において行われる上りリンクTFR選択処理(UL TFR Selection)について、図8を参照して説明する。
図8にUL TFR selectionの処理フローを示す。本処理フローにより、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の無線リソース(RB)の確保、禁止無線リソース(RB)の確保、Persistent schedulingが適用されるUL−SCHの無線リソース(RB)の確保が行われ、最後にDynamic schedulingが適用されるUL−SCH(初回送信と再送の両方を含む)に関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てが行われる。
ステップS802において、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)、物理上りリンク共有チャネルに周波数多重される物理上りリンク制御チャネルPUCCHに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for PRACH, PUCCH)が行われる。すなわち、共有チャネルに対して無線リソースを割り当てる前に、ランダムアクセスチャネル及び物理上りリンク制御チャネルに無線リソースを割り当てる。
具体的には、当該Sub−frameにおいてRACH preambleが送信される場合には、PRACHの無線リソース(RB)と上記PRACHの両脇のNRACH個のRB(合計6+2×NRACH個)を確保する。すなわち、PRACHの無線リソース(RB)と上記PRACHの両脇のNRACH個のRB(合計6+2×NRACH個)を、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当てられるRBの候補から除外する。NRACHは、例えば、外部入力インタフェース(IF)より入力される値であり、例えば、0、1、2、3の中から選択される。
尚、上記RACH preambleは、ランダムアクセス手順におけるMessage1に相当する。また、上記RACH preambleが送信されるリソースブロックの数は6である。
また、物理上りリンク制御チャネルPUCCHの無線リソース(RB)を確保する。すなわち、物理上りリンク制御チャネルPUCCHに割り当てられる無線リソース(RB)を、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当てられるRBの候補から除外する。
ステップS804において、ガードRBのRB割り当て(RB allocation for Guard RB)が行われる。例えば、異種の無線通信システム(WCDMA)と周波数的に隣接する場合に、異種の無線通信システムとの干渉を低減するために、システム帯域幅の端に位置するリソース以外の無線リソースを割り当てる。
具体的には、Guard RBのRBを確保する。すなわち、Guard RBのRBを、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当てられるRBの候補から除外する。
尚、上述した例では、異種の無線通信システムをWCDMAとしたが、代わりに、GSMやCDMA2000、PHS等としてもよい。
本機能は、周波数的に隣接するシステムへの隣接チャネル干渉を低減するためのGuard Band機能として実装する。また、両サイドの隣接システムに対応するために2つのGuard RBを設定できる構成とする。尚、物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、Guard RBの有無に関係なく、システム帯域の端にマッピングされる。
あるいは、PUCCHのリソースを大きく確保することにより、異種の無線通信システムとの干渉を低減してもよい。すなわち、基地局装置は、システム帯域の端の周波数リソースを、上りリンクの共有チャネルの送信のために割り当てないことにより、異種の無線通信システムとの干渉を低減してもよい。
ステップS806において、パーシステントスケジューリングに対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Persistent Scheduling)が行われる。すなわち、ダイナミックスケジューリングの割り当てが行われる前に、パーシステントスケジューリングの割り当てが行われる。
具体的には、ステップS705において確保したPersistent Resourceの無線リソース(RB)を確保する。さらに、ステップS703の処理において、Persistent Resourceが割り当てられ、かつ、送信すべきデータが再送であると判定したUEに関しても、その無線リソース(RB)を確保する。尚、ステップS705において、再送のPersistent Schedulingが適用される上りリンクの共有チャネルに対しても無線リソースが確保されてもよい。
但し、当該Sub−frameにおいて、「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE(初回送信のみ)」にPersistent Resourceが割り当てられている場合にも、上記Persistent Resourceを確保する。すなわち、上記Persistent Resource内のRBは、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに関するUL TFR Selectionに用いられない。このように、当該Sub−frameにおいてPersistent Resourceの割り当てがあるUEに対してDynamic Schedulingによる無線リソースの割り当てが行われた場合にも、そのPersistent Resourceを確保することにより、当該UEに対して送信されたDynamic SchedulingのUL Scheduling Grantが、当該UEに対して正しく受信されなかった場合に発生する上りリンクの信号の衝突を防ぐことが可能となる。
以下では、図9、図10を用いて、当該Sub−frameにおいてPersistent Resourceの割り当てがあるUEに対してDynamic Schedulingによる無線リソースの割り当てが行われた場合にも、そのPersistent Resourceを確保することの効果を示す。図9、図10では、UE #AとUE #Bを仮定し、当該Sub−frameにおいてUE #AにPersistent Resourceが割り当てられ、また、UE #A及びUE #BにDynamic Schedulingによりリソースが割り当てられていると仮定する。
図9の(1)においては、UE #Aのパーシステントリソースを解放して、UE #A及びUE #Bの無線リソースを割り当てる。この場合、例えば、Dynamic SchedulingによりUE #Bに割り当てられた無線リソースは、UE #Aのパーシステントリソースと衝突するように割り当てられる。このとき、UE #Aが、Dynamic SchedulingのためのUL Scheduling Grantを正常に受信できなかった場合、UE #Aはパーシステントリソースを用いてUL−SCHの送信を行うため、図10(1)に示すように、UE #AのUL−SCHとUE #BのUL−SCHが衝突することになる。
一方、図9の(2)において、UE #Aのパーシステントリソースを確保して、UE #A及びUE #Bの無線リソースを割り当てる。この場合、例えば、Dynamic SchedulingによりUE #Bに割り当てられた無線リソースは、UE #Aのパーシステントリソースと衝突しないように割り当てられる。このとき、UE #Aが、Dynamic SchedulingのためのUL Scheduling Grantを正常に受信できなかった場合、UE #Aはパーシステントリソースを用いてUL−SCHの送信を行うが、図10(2)に示すように、UE #AのUL−SCHとUE #BのUL−SCHが衝突することはない。
尚、上述した例において、無線リソースとは、例えば、周波数リソースである。
尚、ステップS806において、再送のパーシステントスケジューリングが適用される上りリンクの共有チャネルに対するリソースブロックの割り当てが行うことができないユーザ装置に対しては、PHICHによりACKを送信してもよい。この場合、前記ACKは、パーシステントスケジューリングが適用される上りリンクの共有チャネルUL−SCHの再送を一旦停止することを意味する。
ステップS808において、ランダムアクセス手順におけるMessage3に対するリソースブロックの割り当て(RB allocation for Message 3 (RACH))が行われる。すなわち、Dynamic Schedulingにより無線リソースが割り当てられる上りリンクの共有チャネルに対して無線リソースを割り当てる前に、ランダムアクセス手順におけるMessage3に無線リソースを割り当てる。
ランダムアクセス手順におけるMessage3の無線リソース(RB)を確保する。すなわち、ランダムアクセス手順におけるMessage3(初回送信と再送の両方を含む)の無線リソース(RB)を、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当てられるRBの候補から除外する。
以下の説明では、ランダムアクセス手順におけるMessage3を単にMessage3と記載する。
また、初回送信のMessage3に関するRB割り当てを、以下の5ステップの手順に基づいて行う。再送のRB割り当ては、初回送信と同一とする。尚、Message 3に対する再送のRB割り当てを、初回送信と変えてもよい。
(1)Message 3に割り当て可能なRBが存在するか否かを判定する。少なくとも1つ以上のMessage 3に割り当て可能なRBが存在する場合には次のステップ(2)に進み、それ以外の場合に本処理を終了する。ここで、「Message 3に割り当て可能なRB」とは、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、物理上りリンク制御チャネルPUCCH、Guard RB、Persistent schedulingが適用されるUL−SCHに割り当てられたRB以外のRBのことである。
(2)当該Sub−frameにおいて送信が行われるMessage 3を、品質情報の悪い方から順序付けを行う。尚、同じ品質情報を有する複数のMessage 3の順序は任意とする。品質情報の最も悪いMessage 3を#0として、#0, #1, #2, #3, …と番号付けを行う。品質情報が一種類しかない場合には、複数のMessage 3の順序は任意とする。
(3)Hopping modeに従って次の処理を行う。
Hopping modeは、外部入力インタフェース(IF)されるパラメータである。
Hopping mode == 0の場合、#0, #1, #2, #3, …の順番で、先頭から2個のMessage 3で1組とするMessage 3 setを作成する。上述したMessage 3 setを、先頭から#a, #b, #c, ….と番号付けを行う。Message 3の数が奇数の場合の最後のMessage 3は、1個でMessage 3 setを構成することとする。
#a, #b, #c, ・・・の順番で、Message 3 setに「システム帯域の中心に鏡映対称のRB」を割り当てる。#a, #b, #c, …の順番に、システム帯域の端のRBから割り当てることとする。ここで、Message 3に割り当てるRB数は、品質情報に基づいて決定される値である。例えば、品質情報が「無線品質が高い」という値である場合には、2個のRBを割り当て、品質情報が「無線品質が低い」という値である場合には、4個のRBを割り当てるといった制御が行われる。尚、無線品質に関係なく、RB数が決定されてもよい。また、上記品質情報は、例えば、ランダムアクセス手順におけるMessage1に含まれる値である。
Message 3 set内の2つのMessage 3のRB数が異なる場合には、大きい方のRB数に合わせて「システム帯域幅の中心に鏡映対象のRB」を割り当てる。
尚、基地局装置200は、当該Message3がホッピングされて送信されるという情報を、例えば、物理下りリンク制御チャネルにマッピングされるUplink Scheduling Grantに含まれる1つ情報として、該ユーザ装置に通知してもよい。
Message 3より外側のRBにおいては、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHの割り当ては行わない。また、Message 3の数が奇数の場合の最後のMessage 3が送信されるRBにおいては、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHの割り当ては行わない。
尚、上述した例においては、ホッピング後の周波数リソース(RB)を、システム帯域幅の中心に鏡映対象のRBとする場合を示したが、代わりに、ホッピング後の周波数リソース(RB)を、もとのRBをシステム帯域幅の半分だけシフトさせてRBとしてもよい。
Hopping mode== 0以外の場合、以下のようにMessage 3にRBを割り当てる。ここで、Message 3に割り当てるRB数は、品質情報に基づいて決定される値である。例えば、品質情報が「無線品質が高い」という値である場合には、2個のRBを割り当て、品質情報が「無線品質が低い」という値である場合には、4個のRBを割り当てるといった制御が行われる。尚、無線品質に関係なく、RB数が決定されてもよい。また、上記品質情報は、例えば、ランダムアクセス手順におけるMessage1に含まれる値である。
#0:Message 3に割り当て可能なRBの内、周波数の小さい方から
#1:Message 3に割り当て可能なRBの内、周波数の大きい方から
#2:Message 3に割り当て可能なRBの内、周波数の小さい方から
#3:Message 3に割り当て可能なRBの内、周波数の大きい方から
:
:
(以下、無線リソースを割り当てるべきMessage3がなくなるまで処理を行う)
(4)全てのMessage 3の変調方式をQPSKとする。
(5)各Message 3のためのUplink Scheduling Grantにおける送信電力の情報を、品質情報に基づいて決定する。例えば、品質情報が「無線品質が高い」という値である場合には、送信電力として小さい値を指定し、品質情報が「無線品質が低い」という値である場合には、送信電力として大きい値を指定するといった制御が行われる。尚、無線品質に関係なく、送信電力が指定されてもよい。また、上記品質情報は、例えば、ランダムアクセス手順におけるMessage1に含まれる値である。
上述した処理の途中で、Message 3に割り当てるRBがなくなった場合には、本処理を終了する。RBを割り当てることができなかったMessage 3を有するUEには、ランダムアクセス手順におけるMessage2(RACH response)を送信しないこととする。あるいは、次のサブフレームにおいて、ランダムアクセス手順におけるMessage2(RACH response)を送信する。
ステップS809において、Setting RB allocation modeの処理を行う。すなわち、リソースブロック割り当てモード(RB allocation mode)の設定が行われる。テーブル7に示すUL RB allocation modeは、外部入力インタフェース(IF)より設定されるパラメータである。ステップS812、ステップS810、ステップS814、ステップS816、ステップS818におけるインデックスjによるループは、UL RB allocation modeにより指定されるUEの選択順序に基づいて行われる。
例えば、周波数的に隣接するシステムの一方がWCDMAであり、他方がLTEである場合に、Mode2及びMode3を選択する。すなわち、周波数的に隣接するシステムの一方がWCDMAであり、他方がLTEである場合に、パスロスの小さいユーザ装置の共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)を、システム帯域内のWCDMA側の端に割り当てる。また、パスロスの大きいユーザ装置に対する共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)を、システム帯域内のLTE側の端に割り当てる。
パスロスの小さいユーザ装置は、上りリンクの送信電力が小さいため、結果として、隣の周波数帯に漏れ出す干渉電力も小さくなる。より干渉信号に対する耐性が低いWCDMA側の端に、パスロスの小さいユーザの共有チャネルの無線リソースを割り当てることにより、WCDMAにおける特性の劣化を低減することが可能となる。
また、例えば、周波数的に隣接するシステムの両方がWCDMAである場合には、Mode1を選択する。すなわち、パスロスの小さいユーザ装置に対する共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)をシステム帯域の端に割り当て、パスロスの大きいユーザ装置に対する共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)を、システム帯域幅の中央に割り当てる。
パスロスの小さいユーザ装置は、上りリンクの送信電力が小さいため、結果として、隣の周波数帯に漏れ出す干渉電力も小さくなる。よって、パスロスの大きいユーザの共有チャネルの無線リソースをシステム帯域の中心に設定し、パスロスの小さいユーザの共有チャネルの無線リソースをシステム帯域の端に設定することにより、隣の周波数帯のWCDMAにおける特性の劣化を低減することが可能となる。
さらに、例えば、周波数的に隣接するシステムの両方がLTEである場合には、Mode0を選択する。すなわち、後述するように、該ユーザ装置から送信されるリファレンス信号の受信電力またはSIR等に基づいて、無線リソース(周波数リソース)が割り当てられる。
この場合、上りリンクの受信品質に基づいて無線リソースの割り当てを行うことが可能となり、結果として、システム容量を向上させることが可能となる。
さらに例えば、上りリンクに用いる周波数と下りリンクに用いる周波数が異なる場合に、Mode2及びMode3を選択してもよい。より具体的には、パスロスの小さいユーザ装置の共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)を、システム帯域内の、下りリンクに用いる周波数に近い方の端に割り当て、パスロスの大きいユーザ装置の共有チャネルの無線リソース(周波数リソース)を、システム帯域内の、下りリンクに用いる周波数から離れた方の端に割り当てる。
パスロスの小さいユーザ装置は、上りリンクの送信電力が小さいため、結果として、当該移動局の送信機、すなわち、上りリンクの周波数帯から、当該移動局の受信機、すなわち、下りリンクの周波数帯に漏れ出す干渉電力も小さくなる。よって、送信電力が低い移動局の上りリンクの共有チャネルの周波数帯を、下りリンクの周波数帯に近い方に割り当てることにより、当該ユーザ装置の送信機から受信機への干渉電力を低減することが可能となり、結果として、下りリンクの受信特性を向上させることが可能となる。
尚、上述した送信機から受信機への干渉電力は、上りリンクの送信帯域幅が大きくなった場合に大きくなるため、基地局装置200は、さらに、上りリンクの共有チャネルの送信帯域幅に上限値を設け、前記上りリンクの共有チャネルの送信帯域幅が前記上限値以下となるように、上りリンクの共有チャネルの周波数リソースの割り当てを行ってもよい。本処理を行うことにより、上述した当該ユーザ装置の送信機から受信機への干渉電力を低減することが可能となり、結果として、下りリンクの受信特性を向上させることが可能となる。
また、上述した送信機から受信機への干渉電力は、当該移動通信システムが適用される周波数バンドやシステム帯域幅、前記周波数バンドに割り当てられた上りリンクまたは下りリンクのトータルの帯域幅、上りリンクと下りリンクの周波数の間隔に依存するため、前記周波数バンドやシステム帯域幅、前記周波数バンドに割り当てられた上りリンクまたは下りリンクのトータルの帯域幅、上りリンクと下りリンクの周波数の間隔に基づいて、上述したMode2やMode3の選択を行ってもよいし、上述した上りリンクの共有チャネルの送信帯域幅の上限値の決定を行ってもよい。尚、前記周波数バンドとは、例えば、TS25.101に定義されているUTRA FDD frequency bandsであってもよい。
j=1とする(ステップS812)。
ステップS810において、残りのリソースブロックのチェック(RB Remaining Check)が行われる。Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当て可能なRBが存在するか否かを判定する。割り当て可能なRBが存在する場合にはOKを返し、割り当て可能なRBが存在しない場合にはNGを返す。
RB Remaining CheckがOKの場合には、UL TFR Selection(ステップS814)の処理に進む。
RB Remaining CheckがNGの場合にはUL TFR Selection(S208)の処理を終了する。
RB Remaining Check = NGにより,UL Scheduling Grantの送信を行うことができない、再送を行うUEに対して、PHICHによりACKを送信してもよい。尚、ACKを送信したUE(HARQ process)に関しても、最大再送回数に達していない場合には,Synchronous HARQのその次の送信タイミングにおいては,「送信すべき再送データ」が存在するとみなしてもよい。この場合、前記ACKは、上りリンクの共有チャネルUL−SCHの再送を一旦停止することを意味する。以下に、RB Remaining CheckがNGにより、UL Scheduling Grantの送信を行うことができない、再送を行うUEに対して、PHICHによりACKを送信する効果を説明する。UEは、前記上りリンク共有チャネル(UL−SCH)の再送のためのUplink Scheduling Grantを正しく受信できなかった場合、PHICHにより通知される情報、すなわち、ACK/NACKに従う。RB Remaining CheckがNGである場合、基地局装置200は、Uplink Scheduling Grantを送信しないため、必然的に、UEは、PHICHにより通知される情報、すなわち、ACK/NACKに従う。そして、UEは、上記PHICHにより通知される情報がACKの場合は当該UL−SCHの再送を停止し、NACKの場合は、当該UL−SCHを、前回の送信と同じ周波数リソースでUL−SCHを再送する。このとき、基地局装置が、前記前回の送信の周波数リソースにおいて、他のUEがUL−SCHを送信することを指示していた場合、当該UEが送信する再送の上りリンクの共有チャネル(UL−SCH)と前記他のUEが送信する上りリンクの共有チャネル(UL−SCH)が衝突することになり、結果として、伝送特性が劣化する。よって、基地局装置200は、RB Remaining CheckがNGである場合、PHICHによりACKを送信することにより、上述した伝送特性の劣化を防ぐことが可能となる。
尚、上記「Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当て可能なRB」とは、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、物理上りリンク制御チャネルPUCCH、Guard RB、Persistent schedulingが適用されるUL−SCH、ランダムアクセス手順におけるMessage 3、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるUL−SCH(再送と初回送信の両方を含む)に割り当てられたRB以外のRBのことである。また、上記「Dynamic schedulingが適用されるUL−SCH(再送と初回送信の両方を含む)に割り当て可能なRB」の総数をNremain (RB)とする。
ここで、すでにTFR Selectionが行われたDynamic schedulingが適用されるUL-SCH(再送と初回送信の両方を含む)に割り当てられたRBとは、S810、S814、S816、S818で構成されるインデックスjによるループにおいて、jの値が現在の値よりも小さい時に、S814で決定されたRBのことである。
ステップS814において、上りリンクTFR選択(UL TFR Selection)が行われる(ステップS814)。ステップS204において決定された「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE(初回送信のUE及び再送のUE)」のTransport formatの決定、RBの割り当てを行う。
ステップS814における上りリンクTFR選択の処理に関して、図11Aを用いて説明する。以下の処理を行うことにより、j番目の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」に対してRBの割り当てを行う。尚、TF_Related_tableのイメージを図12A、図12Bに示す。
図12A、図12Bに示すように、TF_Related_tableは、上りリンクの共有チャネルの送信に使用可能な無線リソース(リソースブロック数)と、上りリンクの無線品質情報と、上りリンクの共有チャネルの送信に用いられる変調方式と、データサイズを関連付けて記憶してもよい。基地局装置は、ユーザ装置から送信されるサウンディング用のリファレンス信号の無線品質、例えば、SIRから算出される無線品質情報と、上りリンクの共有チャネルに使用可能な無線リソース(リソースブロック数)とに基づいて、TF_Related_tableを参照して、上りリンクの共有チャネルに用いられる送信フォーマット(データサイズや変調方式)を決定してもよい。上記データサイズは、上りリンクの無線品質情報及び共有チャネルに使用可能な周波数リソースが固定されている場合に、所定の誤り率を満たし、かつ、最大値となるように設定される。さらに、TF_Related_tableは、送信フォーマットとして、上りリンクの共有チャネルの送信に用いられるデータサイズと、上りリンクの共有チャネルに用いられる変調方式と、上りリンクの共有チャネルに用いられる周波数リソース量とを記憶してもよい。尚、図12A、図12Bはあくまでも一例である、図12A、図12Bに記載されている以外の値であってもよい。また、図12A、図12Bにおいては、RB数=1の場合とRB数=2の場合を示しているが、RB数=3以上の場合にも同様のテーブルを用意することができる。
<処理>
ステップS504において以下のパラメータの設定を行う。
Nremain (RB):残りのリソースブロック数(Number of Remaining RBs)
Ncapability:最大RB数
Nmax,bit:UE categoryより決定される最大データサイズ(Payload size)
尚、前記Ncapabilityは、装置内部のパラメータとして設定されてもよいし、上位ノードから入力されるパラメータとして設定されてもよいし、UEから通知されるUE capabilityに含まれる情報に基づいて設定されてもよい。本パラメータNcapabilityにより、当該UEの上りリンクの送信に用いられる周波数リソースの上限を設定することが可能となる。
次に、ステップS505において、当該UEに割り当て可能なRB数Nallocated (RB)を算出する:
Nremain (UE)=NUL−SCH−j+1
ここで、j番目の「Dynamic schedulingによる無線リソースの割り当てが行われるUE」に割り当て可能なRBは連続していることを前提とする。連続していない場合には、連続している割り当て可能なRBの集合の内で、最も数の多い割り当て可能なRBの集合を、本処理における「割り当て可能なRB」とする。最も数の多い「割り当て可能なRBの集合」が複数存在する場合には、周波数の小さい方を、「割り当て可能なRB」とする。
また、Nallocatedのサブキャリア数が、その因数として2、3、5以外の数を含む場合には、サブキャリア数が、2、3、5のみを因数とする数であり、かつ、Nallocatedより小さい整数の中で最大の整数をNallocatedとする。
尚、Nallocated (RB)は、上記に示した式(数18)ではなく、以下の方法により、算出されてもよい。
閾値ThresholdPL, ULを定義し、UEと基地局装置200との間のパスロスが、前記閾値ThresholdPL, UL以上である場合に、
により、N
allocated (RB)を算出し、前記閾値Threshold
PL, UL未満である場合に、
により、N
allocated (RB)を算出してもよい。尚、一般に、N
UL,HighPL < N
UL,LowPLとする。尚、上記パスロスは、UEから報告されるUE Power Headroomと上りリンクの共有チャネルまたはサウンディング用のリファレンス信号の受信レベルから算出されてもよいし、UEから報告されるパスロスから算出されてもよい。尚、UEから報告されるUE Power Headroomと上りリンクの共有チャネルまたはサウンディング用のリファレンス信号の受信レベルから算出されるパスロスは、上りリンクのパスロスに相当し、UEから報告されるパスロスは下りリンクのパスロスに相当する。
閾値ThresholdPL, ULと、UEと基地局装置200との間のパスロスとに基づいて、Nallocated (RB)を算出する効果を以下に説明する。例えば、FDD方式が適用されるLTEにおいては、UE内における上りリンクの送信信号が、下りリンクの受信信号への干渉信号となり、結果として、下りリンクの受信信号の品質が劣化するという問題が存在する。一般に、UE内においては、Duplexerと呼ばれる機能部が存在し、上記Duplexerにより、UE内で、上りリンクの送信信号が、下りリンクの信号の受信、すなわち、復調や復号を行う機能部に漏れこむことを防いでいるが、完全に、その漏れこみを防ぐことはできない。図13Aに、UEにおける干渉のメカニズムのイメージ図を示す。図13Aに示すように、送信部で生成された送信信号が、Duplexerにおいてその電力を落としきれずに受信部に漏れこむことにより、干渉信号となり、結果として、受信信号の品質が劣化する。
上記漏れこみは、上りリンクの送信信号の周波数と下りリンクの受信信号の周波数が離れていれば離れているほど、また、上りリンクの送信信号の送信電力が小さければ小さいほど、小さくなる。さらに、上記漏れこみは、上りリンクの送信帯域幅が小さければ小さいほど、小さくなる。上りリンクにおいては、パスロスが大きいほど、その送信電力は大きくなる。よって、上述したように、パスロスが大きい場合に、上りリンクの送信帯域幅を小さくすることにより、上述した、上りリンクの送信信号による下りリンクの受信信号への干渉を低減することが可能となる。図13Bに、上述した、上りリンクの送信信号による下りリンクの受信信号への干渉のイメージ図を示す。図13Bには、パスロスが大きいUE(UE1)の送信信号と、パスロスが小さいUE(UE2)の送信信号とが示されている。すなわち、UE1の送信電力は大きく、UE2の送信電力は小さい。
さらに、上述した、上りリンクの送信信号による下りリンクの受信信号への干渉を低減する効果を大きくするため、ステップS809におけるRB allocation modeを、Mode2としてもよい。Mode2の場合、パスロスの大きいUEから順に、周波数の低い周波数リソースが割り当てられるため、結果として、送信電力の大きいUEほど、上りリンクの送信信号の周波数と下りリンクの受信信号の周波数が離れることになるため、上述した、上りリンクの送信信号による下りリンクの受信信号への干渉をより低減することが可能となる。例えば、図13Bに示すUE1の送信電力は高いが、送信帯域幅が小さいため、下りリンクの帯域への干渉は小さくなる。また、UE2の送信帯域幅は大きいが、送信電力が小さいため、下りリンクの帯域への干渉は小さくなる。
尚、上述した例においては、上りリンクの周波数が、下りリンクの周波数よりも低いことを前提に記載している。上りリンクの周波数が、下りリンクの周波数よりも高い場合には、ステップS809におけるRB allocation modeとしてMode2の代わりにMode3が設定されてもよい。
ステップS506において、Temporary RB groupを決定する。
以下に、各UL RB allocation modeにおけるTemporary RB groupの決定方法を示す。
(1)UL RB allocation mode == 0の場合、
図14を用いて説明する。
ステップS602において、伝送タイプはHigh Fdか否かを判定する。尚、伝送タイプは、ステップS728において算出される。
伝送タイプがHigh Fdである場合(ステップS602:YES)、ステップS604に進む。伝送タイプがHigh Fdである場合、ステップS810で算出した「Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の小さい方から、または、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
より具体的には、ステップS604において、当該Sub−frameにおけるUL−SCHの送信が初回送信であるか否かを判定し、初回送信である場合(ステップS604:YES)、割り当て可能RBの内、周波数の小さい方から割り当てた場合、あるいは、周波数の大きい方から割り当てた場合のRBの位置がシステム帯域の中心から遠い方のRBを割り当てる(ステップS606)。すなわち、周波数の小さい方から割り当てた方が、そのRBの位置がシステム帯域の中心から遠い場合には、周波数の小さい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。一方、周波数の大きい方から割り当てた方が、そのRBの位置がシステム帯域の中心から遠い場合には、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、周波数の大きい方から割り当てた場合と、周波数の小さい方から割り当てた場合とで、システム帯域の中心からの距離が同じである場合には、周波数の小さい方から割り当ててもよい。
一方、ステップS604において、当該Sub−frameにおけるUL−SCHの送信が初回送信でない場合(ステップS604:NO)、前回のHARQの送信で周波数の大きい方から割り当てた場合には、周波数の小さい方から割り当て、前回のHARQの送信で周波数の小さい方から割り当てた場合には、周波数の大きい方から割り当てる(ステップS608)。すなわち、前回のHARQの送信で周波数の大きい方から割り当てた場合には、周波数の小さい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。一方、前回のHARQの送信で周波数の小さい方から割り当てた場合には、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。
あるいは、ステップS608において、周波数の大きい方から割り当てるか、あるいは、周波数の小さい方から割り当てるかに関しては、前回のHARQの送信において割り当てられたRBを含むか否かに基づいて、以下のように決定されてもよい:
まず、周波数の小さい方から割り当てた場合のRBの集合の中に含まれる、前回のHARQの送信に割り当てられたRBの数をNsmallとする。また、周波数の大きい方から割り当てた場合のRBの集合の中に含まれる、前回のHARQの送信に割り当てられたRBの数をNlargeとする。そして、Nsmall>Nlargeである場合、周波数の大きい方から割り当てる。一方、Nsmall≦Nlargeである場合、周波数の小さい方から割り当てる。
このように、UEのフェージング周波数が大きい場合、すなわち、UEが高速移動を行っている場合に、周波数の小さい方からRBを割り当てるか、周波数の大きい方からRBを割り当てるかを、HARQの送信毎に切り替えることにより、周波数ダイバーシチを簡易に実現することが可能となり、結果として、伝送特性の向上、システム容量の増大を実現することが可能となる。
すなわち、複数のユーザ装置が用いる共有チャネルに対してシステム帯域幅の端から周波数リソース(RB)を割り当てる場合に、基地局装置は、共有チャネルが再送される場合に、システム帯域幅の両端の周波数リソース(RB)の内、前回の送信に用いられた周波数リソース(RB)と異なる周波数リソース(RB)を、ユーザ装置が用いる共有チャネルに対して割り当ててもよい。
一方、伝送タイプがLow Fdである場合(ステップS602:NO)、ステップS610に進む。伝送タイプがLow Fdである場合、ステップS810で算出した「Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の小さい方から、または、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数が以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。周波数の大きい方から割り当てるか、あるいは、周波数の小さい方から割り当てるかに関しては、Sounding RSの受信SIRが高い方のRBを割り当てる。
より具体的には、以下のように決定される:
周波数の小さい方から割り当てた場合のSIRestimated>周波数の大きい方から割り当てた場合のSIRestimatedである場合、周波数の小さい方から割り当てる。
周波数の小さい方から割り当てた場合のSIRestimated≦周波数の大きい方から割り当てた場合のSIRestimatedである場合、周波数の大きい方から割り当てる。
例えば、複数のユーザ装置が用いる共有チャネルに対してシステム帯域幅の端から周波数リソース(RB)を割り当てる場合に、基地局装置は、システム帯域幅の両端の周波数リソース(RB)の内、上りリンクの無線品質情報が大きい方の周波数リソース(RB)を、ユーザ装置が用いる共有チャネルに対して割り当ててもよい。
上記処理は、初回送信の場合にも再送の場合にも適用される。
このように、UEのフェージング周波数が小さい場合、すなわち、UEが低速移動を行っている場合に、周波数の小さい方からRBを割り当てるか、周波数の大きい方からRBを割り当てるかを、無線品質に基づいて切り替えることにより、より高品質の伝送を簡易に実現することが可能となり、結果として、伝送特性の向上、システム容量の増大を実現することが可能となる。
(2) UL RB allocation mode == Mode 1である場合
ステップ410において算出した「Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の小さい方から、または、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
尚、周波数の大きい方から割り当てるか、あるいは、周波数の小さい方から割り当てるかに関しては、割り当てた場合のRBの位置がシステム帯域の中心から遠い方を選択する。システム帯域の中心からの距離が同じ場合には、周波数の小さい方から割り当てる。
(3) UL RB allocation mode == Mode 2である場合
ステップS810において算出した「Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の小さい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
(4) UL RB allocation modeがMode 0, 1, 2以外である場合
ステップS810において算出した「Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに割り当て可能なRB(以下、『割り当て可能RB』と呼ぶ)」の中から、周波数の大きい方から、当該UEに割り当てられるRBの数がNallocated以上になるまで、RBを当該UEに割り当てる。尚、ホッピングはなしとする。
上記処理(ステップS506)において「当該UEに割り当てられる」と判定されたRBの集合を以下でTemporary RB groupと呼ぶ。
また、以下の処理では、NumRB = Nallocatedとする。
尚、再送のUL−SCHを送信するUEであり、かつ、再送時のUplink Scheduling Grantの指定が行われない場合には、上記処理は行わず、その再送のUL−SCHに対して、前回の送信と同一のRBを割り当てることとする。
そして、ステップS508において、当該UEが初回送信のUL−SCHを送信するか否かを判定する。当該UEが初回送信のUL−SCHを送信する場合(ステップS508:YES)には、ステップS510に進み、当該UEが初回送信のUL−SCHを送信しない場合(ステップS508:YES)には、ステップS530に進む。
ステップS510において、当該UEのMCSを選択する。例えば、基地局装置200は、基地局装置200と当該UEとの間のPathlossを算出し、前記Pathlossから図15の参照テーブルを参照することにより、MCSを選択する。以下の説明では、選択されたMCSをMCStmpとする。尚、図15はあくまで一例であり、図15に記載されている以外の値が記載されていてもよい。
あるいは、基地局装置200は、上記Pathlossの代わりに、「Pathloss+Sounding SIR − Target SIR」に基づいて、MCSを選択してもよい。ここで、Sounding SIRとは、サウンディング用のリファレンス信号の受信SIRであり、Target SIRは、サウンディング用のリファレンス信号の目標のSIRに相当する。このようにパスロスに加えて、サウンディング用のリファンレス信号の受信SIRを考慮することにより、レイリーフェージングによる変動など、瞬時の伝搬環境の変動に追従して、MCSを選択することが可能となる。
また、通信の開始時やハンドオーバの直後などで、当該UEのPathlossを算出することができない場合には、MCStmp=MCSREFとする。MCSREFは、例えば、基地局装置の内部データとして保持されてもよいし、外部のサーバ等から設定される値であってもよい。
上記Pathlossは、例えば、UEから報告されるPathlossであってもよい。UEから報告されるPathlossは、例えば、下りリンクのリファレンス信号の送信電力と、UEにおける下りリンクのリファレンス信号の受信電力より以下のように算出される。
Pathloss = (下りリンクのリファレンス信号の送信電力) − (下りリンクのリファレンス信号の受信電力)
あるいは、上記Pathlossは、UEから報告されるUE Power Headroom(UPH)から算出されてもよい。この場合、Pathlossは、以下のように算出される。尚、この場合、UPHは、PUSCHの送信電力に基づいて算出されていると仮定する。なお、PUSCHの受信電力とは、例えば、PUSCHのDemodulation Reference Signalの受信電力であってもよい。
Pathloss = UEの最大送信電力−UPH−PUSCHの受信電力
あるいは、上記Pathlossは、UEから報告される上りリンクの共有チャネルの送信電力から算出されてもよい。この場合、Pathlossは、以下のように算出される:
Pathloss = PUSCHの送信電力−PUSCHの受信電力
あるいは、上記パスロスは、
UPH =UEの最大送信電力―UEの送信電力
という式と、以下に示す(数22)により、
により算出されてもよい。尚、Max_powerは、UEの最大送信電力であり、UEの送信電力が(数22)におけるTxpowに相当する。
次に、ステップS512において、当該UEに通知する電力オフセットを算出する。尚、E−UTRAにおける上りリンクの共有チャネルの送信電力は、一般に、以下の式を用いて算出される(非特許文献:36.213):
ここで、P
PUSCH(i):Sub−frame#iにおけるPUSCHの送信電力
P
MAX:UEの最大送信電力
M
PUSCH:RB数
P
O_PUSCH:NWより指定されるパラメータ
α:NWより指定されるパラメータ
PL:Pathloss
Δ
MCS:MCS毎に設定されるオフセット値
f(i):調節用のオフセット値。f(i) = f(i-1) + Δ
ステップS512では、上記Δの算出を行う。すなわち、UL Scheduling GrantによりUEに対して通知するTPC command(Δ)の算出処理を行う。以下では、UEに通知するオフセットの値をΔと記載する。
ステップS512では、まず、Highest priorityの論理チャネルグループの優先度に基づくオフセットにより、Δの値を決定する。添え字のLCGは論理チャネルグループLogical Channel Groupを示す:
Δ=ΔLCG
例えば、優先度が高く、高品質に伝送したい論理チャネルグループに関しては、ΔLCGの値を大きくすることにより、受信SIRを向上させることが可能となり、結果として、誤り率を低減させることが可能となる。すなわち、基地局装置200は、優先度または論理チャネルまたは論理チャネルグループに基づいてオフセット値を調節することにより、その誤り率を調節することができる。
次に、以下に示すOuter−loop的なオフセット調節処理により算出されたSIR_offsetにより、Δの値を調節する。
Δ=Δ+SIR_offset
ここで、上記SIR_offsetのOuter−loop的な算出方法を示す。
SIR_offsetは、Highest priorityの論理チャネルグループがZadjustであるUL−SCHのCRC check結果と以下の式によりOuter−loop的に調節される。Highest priorityの論理チャネルグループがZadjustと異なる場合には、Outer−loop的なオフセットの調節行われない。
上記式に関して、より詳細に説明する。CRC Chcek結果がACKの場合、上記式に基づき、SIR_offsetを少し低減する。すなわち、UEの送信電力を低減することにより、不要な受信レベルの増大を防ぐことができる。一方、CRC Chcek結果がNACKの場合、上記式に基づき、SIR_offsetを増加させる。すなわち、UEの送信電力を増大させ、受信SIRを向上させることにより、誤り率を低減することが可能となる。また、DTXに関しては、UEはUL Scheduling Grantを正常に受信できなかったということを意味するため、SIR_offsetは調節しない。上述したようなACKとNACKに基づいて、上りリンクの送信電力を調節し、かつ、目標の誤り率に応じて、送信電力の設定のための上げ幅及び下げ幅設定することにより、UL−SCHの誤り率を目標の誤り率に近づけることが可能となる。
例えば、所要の誤り率BLERtarget (LCG) = 0.1、Δadj=0.5とすると、ACKの場合には、SIR_offset=SIR_offset−0.05dBとなり、NACKの場合には、SIR_offset=SIR_offset+0.45dBとなる。ここで、ACKの割合が90%でNACKの割合が10%となり、SIR_offsetの値は変動しない。言い換えれば、上記式を用いてSIR_offsetを微調整することにより、誤り率を所要の誤り率BLERtarget (LCG) に収束させることができる。
尚、基地局装置200はCRC: OKになるまで、当該上りリンクの共有チャネルにマッピングされたデータ(MAC PDU)に含まれる論理チャネルを識別できないため、上記「Highest priorityの論理チャネルグループ」は、ステップS730で用いたHighest priorityの論理チャネルグループを用いることとする。SIR_offsetは、UE毎に調節される。また、本処理の対象となる論理チャネルグループZadjustは、外部I/FよりUE毎に設定される。
このように、全て論理チャネルグループに関して、Outer−loop的なオフセットの調整を行うのではなく、予め設定された1つの論理チャネルグループに関して、Outer−loop的なオフセットの調整を行うことにより、基地局装置の処理負荷を低減することが可能となる。例えば、前記論理チャネルグループ Zadjustは、最も送信頻度の大きい論理チャネルグループが設定される。
Δadj、BLERtarget (LCGz)は外部I/Fより設定可能とすること。但し、SIR_Offsetの最大値をSIR_Offsetmax、最小値をSIR_Offsetminとすること。SIR_Offsetが最大値あるいは最小値に張り付いた場合には、上記の計算を行わないこと。
そして、最終的なΔの値と、UEにおいて保持されているf(i)の値を比較し、「Δ―f(i)」に最も近いTPC commandを、当該Sub−frameにおけるUL Scheduling GrantによりUEに送信する。基地局装置200は,TPC commandの誤り率が0であることを仮定して,各UEにおいて保持されているf(i)の値を推定してもよい。
尚、上述した例においては、AccumulatedのTPC commandを用いることを想定しているが、AbsoluteのTPC commandを用いる場合にも同様の考え方でTPC commandを算出することができる。
また、Outer−loop的なオフセット調節処理は、Highest priorityの論理チャネルグループがZadjustである場合のみに行われるが、「Δ=Δ+SIR_offset」の処理はHighest priorityの論理チャネルグループがZadjustedであるか否かに関係なく行われる。論理チャネルグループに基づいた誤り率の調整は、優先度に基づくオフセット処理により行われる。
次に、ステップS514、S516において、UPHによる割り当て帯域幅の補正処理を行う。
まず、ステップS514において、Temporary RB groupのRB数をBdata,tmpとし、そして、以下の式により、当該UEの送信電力の推定値を算出する:
P
O_PUSCH:NWにより指定される値(36.213参照)
f(i):当該Sub−frameまでに送信したTPC commandを足し合わせた値
PL:Pathloss。UPHとDemodulation RSの受信レベルにより推定される値。
そして、TxpowがPmaxよりも大きいか否かを判定する(S514)。ここで、Pmaxは、UEの最大送信電力である。TxpowがPmaxよりも大きい場合(ステップS514:YES)、ステップS516に進み、TxpowがPmaxよりも大きくない場合(ステップS514:NO)、ステップS518に進む。
ステップS516において、
とし、B
data,tmpを「割り当てるRB数Num
RB」とする。そして、当該UEに割り当てられるRBの数がNUM
RB未満とならない範囲内で、かつ、サブキャリア数が2,3,5のみを因数に持つように、Temporary RB group内のRBを削除する。上記式の計算において、UEにおけるMaximum Power Reductionは考慮してもよいし、考慮しなくてもよい。
ステップS506におけるTemporary RB groupの割り当ての際に、周波数の大きい方から割り当てた場合には、周波数の小さい方からRBを削除し、周波数の小さい方から割り当てた場合には、周波数の大きい方からRBを削除することとする。
次に、ステップS518、S520において、Nmax_bitによる割り当て帯域幅の補正処理を行う。
まず、ステップS518において、Temporary RB group内のRB数(NumRB)とMCStmpに基づきMAC PDU size (以下、Sizeと記載する)を算出し、Size>Nmax,bitであるか否かを判定する。
Size > Nmax,bitであると判定した場合(ステップS518:YES)、ステップS520において、Size ≦ Nmax,bitとなるまで、Temporary RB group内のRBを削除する。Temporary RB groupの割り当ての際に、周波数の大きい方から割り当てた場合には、周波数の小さい方からRBを削除し、周波数の小さい方から割り当てた場合には、周波数の大きい方からRBを削除することとする。
一方、Size ≦ Nmax,bitであると判定した場合(ステップS518:YES)、ステップS522の処理に進む。
ステップS522、S524において、Buffer滞留量による割り当て帯域幅の補正処理を行う。すなわち、UL Buffer滞留量とSizeとの比較結果に基づき、当該UEに割り当てるRBの数を再計算する。UL Buffer滞留量の推定方法はステップS204におけるステップS730、S732を参照すること。
尚、当該UEが『Scheduling requestにより「UL−SCHのリソース割り当て要求:あり」を受信し、かつ、上記Scheduling requestを受信してから一度も上りリンクのリソース(UL−SCHのリソース)を割り当てていない状態』にある場合には、下記の『十分にデータがある場合』の処理(ステップS5222:YES)を行うこと。
より具体的には、ステップS522において、以下の式を用いて、RLC Buffer内に十分データがあるか否かを判定する。αTFRSは外部I/Fより設定される係数とする。
RLC Buffer内に十分データがあると判定した場合(ステップS522:YES)、ステップS526に進む。この場合、Temporary RB group内の全てのRBが当該UEに割り当てられるRBとなる。
一方、RLC Buffer内に十分データがないと判定した場合(ステップS522:NO)、ステップS524に進む。
ステップS524において、
(以下、Size
bufferと記載する)とMCS
tmpに基づき、割り当てるRB数Num
RBを再計算する。
ここで、NumRBのサブキャリア数が2,3,5以外の因数を持つ場合には、サブキャリア数が2,3,5のみを因数に持ち、かつ、NumRBより大きい整数の中で最小の整数をNumRBとする。当該UEに割り当てられるRBの数がNUMRB未満とならない範囲内で、Temporary RB group内のRBを削除する。Temporary RB groupの割り当ての際に、周波数の大きい方から割り当てた場合には、周波数の小さい方からRBを削除し、周波数の小さい方から割り当てた場合には、周波数の大きい方からRBを削除することとする。
そして、ステップS526において、ステップS514〜S524の処理後のTemporary RB groupを、当該Sub−frameにおいて、当該UEに割り当てるRBとする。
ステップS528において、MCStmp及びステップS526で決定したRB(の集団)に基づき、当該UEに送信するUL Scheduling Grantを生成する。すなわち、当該UEに送信するUL−SCHの送信フォーマットを決定する。
一方、ステップS508において、当該UEが初回送信のUL−SCHを送信しない場合、すなわち、再送のUL−SCHを送信する場合(ステップS508:NO)、ステップS530に進む。
ステップS530において、再送時のRB数は、初回送信のRB数とTemporary RB groupのRB数の小さい方とする。初回送信のRB数が、Temporary RB groupのRB数よりも小さい場合には、当該UEに割り当てられるRBの数が、初回送信のRB数と同一になるまで、Temporary RB groupのRBを削除する。Temporary RB groupの割り当ての際に、周波数の大きい方から割り当てた場合には、周波数の小さい方からRBを削除し、周波数の小さい方から割り当てた場合には、周波数の大きい方からRBを削除することとする。
ステップS532において、UL Scheduling Grantにより、UEに通知されるTPC commandを設定する。
Δ=ΔLCG+SIR_offset+ΔLCG (HARQ)
オフセット値ΔLCG (HARQ)は、外部I/Fより論理チャネルグループ毎に設定される。再送時においても、ステップS512に記載した「Outer−loop的な処理」を行う。
このように、再送時に、UEに対して、より大きめの電力オフセットを通知することにより、再送時の誤り率を低減することができる。
そして、ステップS534において、当該UEに送信するUL Scheduling Grantを生成する。尚、周波数リソースに関しては、ステップ530で決定したリソースブロックを通知する。再送時のMCSは、初回送信のMCSと同一であってもよい。あるいは、再送時の変調方式は、新規送信と同一であってもよい。
尚、上述したステップS530、S532、S534は、再送時にUL Scheduling Grantの指定を行う場合の処理を示しているが、再送時にUL Scheduling Grantの指定を行わない場合は、上記処理をスキップする。但し、当該UEが使用する周波数リソースの確保は行う。
ステップS816において、jの値をインクリメントし、ステップS818において、jの値が、NUL−SCH以下であるか否かを判定する。jの値がNUL−SCH以下である場合(ステップS818の処理:YES)、ステップS810の前に戻る。一方、jの値がNUL−SCH以下でない場合(ステップS818の処理:NO)、処理を終了する。
尚、上述したステップS512及びステップS532において、UL Scheduling Grantを用いてUEに対してTPC commandを送信する処理を示した。尚、上記TPC commandを送信する処理は、UL Scheduling Grantを送信しないSub−frameにおける周期的なTPC commandの送信と組み合わせて行われてもよい。
以下に、上記UL Scheduling Grantを送信しないSub−frameにおける周期的なTPC commandの送信の一例を示す。
基地局装置200は、当該UEに対して周期的なTPC commandを送信する場合に、Sounding RSの受信SIRに基づき、TPC commandを算出する。より具体的には、Target SIRを設定し、以下のΔSoundingを計算する:
ΔSounding = Target_SIR −SIRSounding
そして、上記ΔSoundingに最も近いTPC commandをUEに送信する。前記TPC commandは、PDCCHの一部として送信される。
尚、上述したステップS814における上りリンクTFR選択の処理に関して、図11Aとは別の実施形態を、図11Bを用いて、以下に説明する。尚、図11Aを用いて説明した上りリンクのTFR選択の処理との相違点は、ステップS510、ステップS512、ステップS532であるため、上記相違点に関してのみ説明を行う。すなわち、図11BにおけるステップS504A、S505A、ステップS506A、S508A、ステップS514A、S516A、ステップS518A、S520A、ステップS522A、S524A、ステップS526A、S528A、ステップS530A、S534Aは、図11AにおけるステップS504、S505、ステップS506、S508、ステップS514、S516、ステップS518、S520、ステップS522、S524、ステップS526、S528、ステップS530、S534と同一であるため、その説明を省略する。
ステップS509Aにおいて、(数22)におけるΔの算出を行う。すなわち、UL Scheduling GrantによりUEに対して通知するTPC command(Δ)の算出処理を行う。以下では、UEに通知するオフセットの値をΔと記載する。
上記Δは、サウンディング用のリファレンス信号(Sounding RS)の受信SIR、R_SIRと、サウンディング用のリファレンス信号の目標SIR、T_SIRに基づき、以下のように算出される:
Δ=T_SIR−R_SIR
次に、ステップS510Aにおいて、当該UEが送信する上りリンクの共有チャネルのMCS(Modulation and Coding Scheme)を選択する。例えば、サウンディング用のリファレンス信号の受信SIRに基づき、上りリンクの共有チャネルの期待されるSIR、SIR_Expectedを算出し、上記SIR_Expectedと図12A、図12Bに示すようなTF_Related_tableとにより、MCS、より具体的には、データサイズや変調方式、符号化率が算出されてもよい。尚、符号化率は、データサイズと変調方式とRB数により、一意に算出される値である。
以下に、前記SIR_Expectedの算出方法を示す。一般に、E−UTRAにおけるサウンディング用のリファレンス信号の送信電力は、一般に、以下の式を用いて算出される(非特許文献:36.213):
ここで、P
SRS(i):Sub−frame#iにおけるサウンディング用のリファレンス信号の送信電力
P
MAX:UEの最大送信電力
P
SRS_OFFSET:上りリンクの共有チャネルとサウンディング用のリファレンス信号の電力オフセット
M
SRS:サウンディング用リファレンス信号のRB数
P
O_PUSCH:NWより指定されるパラメータ
α:NWより指定されるパラメータ
PL:Pathloss
Δ
MCS:MCS毎に設定されるオフセット値
MCS
REF:リファレンス用のMCS
f(i):調節用のオフセット値。f(i) = f(i-1) + Δ
ここで、P
O_PUSCH、α、PL、f(i)は、(数22)における値と同一である。ここで、(数22)及び上記式におけるΔ
MCSを0とすると、1RBあたりのPUSCHの送信電力は以下のように算出される:
P
PUSCH(i)= P
SRS−P
SRS_OFFSET
よって、前記SIR_Expectedは、サウンディング用のリファレンス信号における干渉電力と、上りリンクの共有チャネルのリファレンス信号における干渉電力が同一であると仮定すると、以下のように算出される:
SIR_Expected=R_SIR−P
SRS_OFFSET
尚、R_SIRは、上述したように、サウンディング用のリファレンス信号の受信SIRである。
ところで、上記上りリンクの共有チャネルとサウンディング用のリファレンス信号の電力オフセットであるPSRS_OFFSETは、当該ユーザ装置と基地局装置との間のパスロスに基づき、比較的長い周期で制御されてもよい。例えば、図11Cに示すように、パスロスの値に対するPSRS_OFFSETの値が定義され、パスロスが変化した場合に、図11Cを参照して、PSRS_OFFSETが変更されてもよい。尚、PSRS_OFFSETはRRC SignalingによりUEに通知されてもよい。尚、パスロスの算出方法に関しては、ステップS510における説明を参照すること。
尚、上記SIR_Expectedは、さらに以下に示すOuter−loop的な処理により調整されてもよい。
SIR_Expected=SIR_Expected+SIR_Offset
この場合、上記調整が行われた後のSIR_ExpectedによりMCSが選択される。ここで、上記SIR_Offsetは、(数11)における式(10)により算出されてもよい。
尚、上記SIR_offsetは、Highest priorityの論理チャネルグループがZadjustであるUL−SCHのCRC check結果に基づいて算出されてもよい。この場合、Highest priorityの論理チャネルグループがZadjustと異なる場合には、Outer−loop的なオフセットの調節行われない。
(数11)における式(10)に関して、より詳細に説明する。CRC Chcek結果がACKの場合、上記式に基づき、SIR_offsetを少し大きくする。すなわち、MCSレベルを上げる方向に調節することにより、スループットを増大させることができる。一方、CRC Chcek結果がNACKの場合、上記式に基づき、SIR_offsetを減少させる。すなわち、MCSレベルを下げる方向に調節し、所要のSIRを下げることにより、誤り率を低減することが可能となる。また、DTXに関しては、UEはUL Scheduling Grantを正常に受信できなかったということを意味するため、SIR_offsetは調節しない。上述したようなACKとNACKに基づいて、上りリンクの共有チャネルの無線品質情報、SIR_Expected、すなわち、MCSレベルを調節し、かつ、目標の誤り率に応じて、MCSレベルの決定のための上げ幅及び下げ幅を設定することにより、UL−SCHの誤り率を目標の誤り率に近づけることが可能となる。
例えば、所要の誤り率BLERtarget (LCG) = 0.1、Δadj=0.5とすると、ACKの場合には、SIR_offset=SIR_offset+0.05dBとなり、NACKの場合には、SIR_offset=SIR_offset−0.45dBとなる。ここで、ACKの割合が90%でNACKの割合が10%となり、SIR_offsetの値は変動しない。言い換えれば、上記式を用いてSIR_offsetを微調整することにより、誤り率を所要の誤り率BLERtarget (LCG) に収束させることができる。
尚、基地局装置200はCRC: OKになるまで、当該上りリンクの共有チャネルにマッピングされたデータ(MAC PDU)に含まれる論理チャネルを識別できないため、上記「Highest priorityの論理チャネルグループ」は、ステップS730で用いたHighest priorityの論理チャネルグループを用いることとする。SIR_offsetは、UE毎に調節される。また、本処理の対象となる論理チャネルグループZadjustは、外部I/FよりUE毎に設定される。
尚、全て論理チャネルグループに関して、Outer−loop的なオフセットの調整を行うのではなく、予め設定された1つの論理チャネルグループに関して、Outer−loop的なオフセットの調整を行うことにより、基地局装置の処理負荷を低減することが可能となる。例えば、前記論理チャネルグループ Zadjustは、最も送信頻度の大きい論理チャネルグループが設定される。
Δadj、BLERtarget (LCGz)は外部I/Fより設定可能とすること。但し、SIR_Offsetの最大値をSIR_Offsetmax、最小値をSIR_Offsetminとすること。SIR_Offsetが最大値あるいは最小値に張り付いた場合には、上記の計算を行わないこと。
あるいは、SIR_Expectedを調整する代わりに、(数28)におけるPSRS_OFFSETを調整してもよい。この場合、
PSRS_OFFSET=PSRS_OFFSET+SIR_Offset
となる。
あるいは、SIR_Expectedを調整する代わりに、(数22)におけるPO_USCH(i)を調整してもよい。この場合、
PO_USCH(i)=PO_USCH(i)+SIR_Offset
となる。この場合、(数23)の式を用いてSIR_Offsetの調節が行われる。
そして、ステップS511Aにおいて、優先度に基づいたMCSの再選択が行われる。すなわち、Highest priorityの論理チャネルグループの優先度に基づくオフセットΔLCGにより、ステップS510AにおけるSIR_Expectedを再計算し、再計算されたSIR_Expectedに基づいて、図12A、図12Bを参照することにより、MCSを再選択する。より具体的には、以下の式により、SIR_Expectedが再計算される:
SIR_Expected=SIR_Expected―ΔLCG
ここで、添え字のLCGは論理チャネルグループLogical Channel Groupを示す。例えば、優先度が高く、高品質に伝送したい論理チャネルグループに関しては、ΔLCGの値を大きくすることにより、MCSを下げ、結果として、誤り率を低減させることが可能となる。すなわち、基地局装置200は、優先度または論理チャネルまたは論理チャネルグループに基づいてオフセット値を調節することにより、その誤り率を調節することができる。
ステップS532Aにおいては、UL Scheduling Grantにより、UEに通知されるTPC commandを設定する。
Δ=T_SIR−R_SIR+ΔLCG (HARQ)
オフセット値ΔLCG (HARQ)は、外部I/Fより論理チャネルグループ毎に設定される。このように、再送時に、UEに対して、より大きめの電力オフセットを通知することにより、再送時の誤り率を低減することができる。
次に、本実施例に係る基地局装置200について、図16を参照して説明する。
本実施例に係る基地局装置200は、レイヤー1処理部202と、ユーザ装置状態管理部204と、スケジューリング係数計算部206と、UE選択部208と、TFR Selection部210と、Other CHリソース管理部212と、周波数リソース管理部214と、パーシステントリソース管理部216と、UE Buffer推定部218とから構成される。UE Buffer推定部218は、UE#1の論理チャネルグループ#1、UE #1の論理チャネルグループ2、…、UE #1の論理チャネルグループ#k、UE #2の論理チャネルグループ#1、…、UE #nの論理チャネルグループ#kに関するUE Buf22211,1、UE Buf22211,2、UE Buf22211,k、UE Buf22212,1、…、UE Buf2221n,kから構成される。尚、UE_Bufn,kは、実際にデータのバッファリングを行うのではなく、UEから報告されるBuffer Status Reportに基づいて、UEのバッファ内に滞留しているデータ量を推定する。
尚、図16においては、UE #nの論理チャネルグループ#kのUE_Bufn,kを、UE毎及び論理チャネル毎に備えているが、UE毎または論理チャネル毎に備える必要はなく、全UEに関して1つのUE_Buf推定部を備えていてもよいし、複数のUEに関して1つのUE_Buf推定部を備えていてもよい。あるいは、1UEに対して1つのUE Buf推定部を備え、論理チャネル毎にUE Buf推定部を備えなくてもよい。
レイヤー1処理部202は、レイヤー1に関する処理を行う。具体的には、レイヤー1処理部2081では、下りリンクで送信される共有チャネルのチャネル符号化やIFFT処理、上りリンクで送信される共有チャネルのFFT処理やチャネル復号化等の受信処理などが行われる。
また、レイヤー1処理部202は、下りリンクの共有チャネルのための制御情報であるDownlink Scheduling Informationや、上りリンクの共有チャネルのための制御情報であるUL Schedulin Grantの送信処理を行う。
また、レイヤー1処理部202は、上りリンクで送信される制御情報、すなわち、Channel Quality Indicator(CQI)や下りリンクの共有チャネルに関する送達確認情報の受信処理を行う。上記CQIや送達確認情報は、ユーザ装置状態管理部204に送信される。
また、レイヤー1処理部202は、上りリンクで送信されるサウンディング用のリファレンス信号や上記CQIの信号に基づき、上りリンクの同期状態を判定し、上記判定結果をユーザ装置状態管理部204に通知する。また、レイヤー1処理部202は、上りリンクで送信されるサウンディング用のリファレンス信号のSIRを測定し、その測定結果をユーザ装置状態管理部204に通知する。上記サウンディング用のリファレンス信号のSIRは、例えば、ステップS732の処理に使用される。
また、レイヤー1処理部202は、上りリンクで送信されるサウンディング用のリファレンス信号や上記CQIの信号に基づき、上りリンクの受信タイミングを推定してもよい。
また、レイヤー1処理部202は、上りリンクのUL−SCHが実際に送信されたか否かの判定を行ってもよい。上記判定結果は、例えば、ステップS706の処理に使用される。
また、レイヤー1処理部202は、パスロスを推定し、上記パスロスをユーザ状態管理部204に通知してもよい。上記パスロスは、例えば、S814のUL TFR Selectionの処理に使われてもよい。
尚、レイヤー1処理部202は無線インタフェースに接続されている。より具体的には、下りリンクに関しては、レイヤー1処理部202で生成されたベースバンド信号が無線周波数帯に変換され、その後、アンプにおいて増幅され、アンテナを介して、UEに信号が送信される。一方、上りリンクに関しては、アンテナで受信された無線周波数信号がアンプで増幅された後に、周波数変換されてベースバンド信号として、レイヤー1処理部202に入力される。
ユーザ状態管理部204は、各UEの状態管理を行う。例えば、ユーザ状態管理部204は、上りリンクにおけるHARQ Entityの状態の管理や、UEのMobilityの管理及び制御や、DRX状態の管理、上り同期状態の管理、パーシステントスケジューリングを適用するか否かの管理、MAC Control Blockの送信の有無の管理、伝送状態の管理、UE内のバッファ状態の推定を行い、かつ、ステップS732でスケジューリング係数の計算を行うための各メトリックの算出、及び、スケジューリング係数を計算するべきか否かの判定を行う。すなわち、ユーザ状態管理部204は、図7BにおけるステップS702〜S730の処理を行う。
尚、上記UEのMobilityとは、UEが通信するセルを切り替えるハンドオーバのことであり、同周波のハンドオーバ及び異周波のハンドオーバ及び異なるシステム間のハンドオーバを含む。異周波のハンドオーバ及び異システム間のハンドオーバの場合には、Measurement Gapの管理及び制御が、上記UEのMobilityの管理及び制御に含まれる。
さらに、ユーザ状態管理部204は、ステップS202、S204の処理を行う。具体的には、ユーザ状態管理部204は、当該Sub−frameのUL MACのSub−frameあたりの最大多重数を設定し、当該Sub−frameにおいて再送を行うUEの数をカウントする。
さらに、ユーザ状態管理部204は、上述した、Sounding RSのSIRに基づく、周期的なTPC commandの算出処理、送信処理を行ってもよい。
スケジューリング係数計算部206は、図7BにおけるステップS701、S732〜S740のの処理を行う。具体的には、スケジューリング係数計算部206は、当該Sub−frameにおいて各ユーザ装置のスケジューリング係数を計算する(数14)。そして、UE選択部208は、前記スケジューリング係数に基づき、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てが行われるユーザ装置(新規送信)を選択する。UE選択部208は、ダイナミックスケジューリングによる無線リソースの割り当てが行われるUEの数NDL−SCHをトランスポートフォーマット・リソースブロック選択(TFR Selection)部210に入力する。
TFR Selection部210は、ステップS809、ステップS810、ステップS812、ステップS814、ステップS816、ステップS818の処理を行う。具体的には、TFR Selection部210は、Dynamic schedulingが適用されるUL−SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当て、ULの送信電力制御等を行う。TFR Selection部210で決定されたDynamic schedulingが適用されるUL−SCHに関する送信フォーマットや無線リソースに関する情報は、レイヤー1処理部202に送られ、レイヤー1処理部202において、UL Scheduling Grantの送信処理や、上りリンクの共有チャネルの受信処理に用いられる。
Other CHリソース管理部212は、PRACH、PUCCH、Guard RB、RACH message 3に関する送信フォーマットの決定と無線リソースの割り当てを行う。そして、上記無線リソースの内、周波数リソースを周波数リソース管理部214に通知する。また、Other CHリソース管理部212において決定された、PRACH、PUCCH、RACH message 3に関する送信フォーマットや割り当てられた無線リソースは、周波数リソース管理部214、TFR Selection部210を介して、レイヤー1処理部202に送られ、レイヤー1処理部202において、PRACH、PUCCH、RACH message 3に関するレイヤー1の受信処理や、RACH Amessage 2の送信処理が行われる。
周波数リソース管理部214は、TFR Selection部210、Other CHリソース管理部212、パーシステントリソース管理部216と接続され、周波数リソースの管理を行う。より具体的には、Dynamic Schedulingが適用される上りリンクの共有チャネルに利用可能な残りの周波数リソースを監視し、TFR Selection部210におけるステップS810の処理に必要な情報をTFR Selection部210に提供する。
パーシステントリソース管理部216は、パーシステントスケジューリングが適用されるUL−SCHの状態管理及び無線リソースの管理を行う。より具体的には、パーシステントリソース管理部216は、パーシステントスケジューリングが適用されるUL−SCHに関する送信フォーマットの決定と無線リソースの管理を行う。そして、上記無線リソースの内、周波数リソースを周波数リソース管理部214に通知する。また、パーシステントリソース管理部216において決定された送信フォーマットや割り当てられた無線リソースは、周波数リソース部214、TFR Selection部210を介して、レイヤー1処理部202に送られ、レイヤー1処理部202において、上記パーシステントスケジューリングが適用されるUL−SCHのレイヤー1における受信処理が行われる。
また、パーシステントリソース管理部216は、ユーザ状態管理部204におけるステップS703、S704、S705の処理を行うための情報を、ユーザ状態管理部204に与える。
UE_Buffer推定部218は、UEから報告されるBuffer Status Reportに基づき、UE内の各論理チャネルグループのバッファ状態、すなわち、バッファの滞留量を推定する。より具体的には、ステップS730やS732のUEのバッファに関連する処理を行う。
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施例においては、Evolved UTRA and UTRAN(別名:Long Term Evolution,或いは,Super 3G)が適用されるシステムにおける例が説明されたが、本発明に係る移動局、基地局装置、移動通信システム及び通信制御方法は、共有チャネルを用いた通信を行う他のシステムにも適用可能である。
すなわち、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
説明の便宜上、本発明を幾つかの実施例に分けて説明したが、各実施例の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の実施例が必要に応じて使用されてよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明したが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
本国際出願は2007年3月1日に出願した日本国特許出願2007−052111号、2007年6月19日に出願した日本国特許出願2007−161940号及び2007年12月20日に出願した日本国特許出願2007−329028号に基づく優先権を主張するものであり、2007−052111号、2007−161940及び2007−329028号の全内容を本国際出願に援用する。