JP5236420B2 - アークスポット溶接装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数枚の被溶接材を重ねたワークをアークスポット溶接するときに、ワークの裏面ナゲット径を適正化するための溶接電流及び溶接時間の設定を自動化することができるアークスポット溶接装置に関するものである。
ティグ溶接、プラズマ溶接等の非消耗電極アークによるアークスポット溶接では、複数枚の被溶接材を重ねたワークに対して溶接トーチ先端のノズルを押し付けて、所定の溶接電流Iwを所定の溶接時間Twだけ通電してアークを発生させ、ワークを溶接するものである。
図12は、一般的なアークスポット溶接装置の構成図である。溶接電源PSは、非消耗電極アーク3を発生させるための溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。この溶接電源PSは、定電流特性を有しているので、設定された溶接電流Iwが通電し、溶接電圧Vwはアーク長に略比例した値となる。アークスポット溶接を行うので、溶接電源PSでは溶接電流Iwと、その通電時間である溶接時間Twが設定される。
溶接トーチ4の先端にはタングステン電極等の非消耗電極1(単に電極と記載する場合もある)が取り付けられており、その外側にノズル5が設けられている。このノズル5の内側にはアルゴンガス等のシールドガスが流れている。ワーク2は、複数枚の被溶接材が重ねられて形成されている。
アークスポット溶接は、上記のノズル5をワーク2に押し付けた状態で、所定の溶接電流Iwを所定の溶接時間Twだけ通電してアーク3を発生させ、ワーク2を溶接するものである。
図13は、上述したアークスポット溶接を行ったワーク2の溶接部を示す図である。同図(A)は横断面図を示し、同図(B)はワーク2の裏面を示す。同図(A)に示すように、2枚の被溶接材を貫通して溶接金属が形成されて接合されている。また、同図(B)に示すように、裏面には直径D(以下、裏面ナゲット径Dという)の溶融部が形成されている。この裏面ナゲット径Dは、接合強度に大きく影響を与える。したがって、所望の接合強度を得るためには、適正な裏面ナゲット径Dを形成する必要がある。このためには、アークスポット溶接の溶接電流Iw及び溶接時間Twを適正値に設定する必要がある(従来技術としては、例えば、特許文献1、2参照)。
特開平7−251266号公報 特開平5−169262号公報
上述したように、所望の接合強度を得るためには、適正な裏面ナゲット径Dを形成する必要がある。このためには、溶接電流Iw及び溶接時間Twを適正値に設定する必要がある。しかし、適正な裏面ナゲット径Dを得るためには、被溶接材の材質、板厚、重ねた枚数等の溶接条件ごとに溶接電流Iw及び溶接時間Twを調整しながら何度も溶接を繰り返して適正な条件を見つけなければならない。このために、生産準備に時間がかかり生産効率が低下していた。さらに、未熟練工にとってはこの条件設定はとても難しい作業であった。
そこで、本発明は、適正な裏面ナゲット径を形成するための溶接電流及び溶接時間の設定を容易にすることができるアークスポット溶接装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、
複数枚の被溶接材を重ねて形成されるワークと電極との間にアークを発生させ、このアークに所定の溶接電流を所定の溶接時間だけ通電して溶接するアークスポット溶接装置において、
前記ワークを形成する前記被溶接材のそれぞれの板厚の合算値である板厚を設定する板厚設定部と、
前記ワークの裏面ナゲット径を設定する裏面ナゲット径設定部と、
前記板厚及び前記裏面ナゲット径と前記溶接電流値及び前記溶接時間との関係を予め設定した条件テーブルと、
前記設定された板厚及び前記設定された裏面ナゲット径を入力として前記条件テーブルから前記溶接電流値及び前記溶接時間を出力し、これら両値に前記ワークを形成する被溶接材の枚数に応じた係数を乗じて前記溶接電流及び前記溶接時間を補正して設定する条件設定部と、
を備えたことを特徴とするアークスポット溶接装置である。
第2の発明は、前記電極と前記ワークとの距離を設定する電極・ワーク間距離設定部と、
前記条件設定部によって設定された前記溶接時間に、前記設定された電極・ワーク間距離に応じた係数を乗じて補正する補正部と、
をさらに備えたことを特徴とする第1の発明記載のアークスポット溶接装置である。
第3の発明は、前記電極と前記ワークとの距離を設定する電極・ワーク間距離設定部と、
前記条件設定部によって設定された前記溶接電流値に、前記設定された電極・ワーク間距離に応じた係数を乗じて補正する補正部と、
をさらに備えたことを特徴とする第1の発明記載のアークスポット溶接装置である。
第4の発明は
溶接電圧を検出して溶接電圧検出値を出力する電圧検出部を備え、
前記電極・ワーク間距離設定部は、前記溶接電圧検出値に基づいて電極・ワーク間距離を算出して自動的に設定する、
ことを特徴とする第2又は第3の発明記載のアークスポット溶接装置である。
上記第1の発明によれば、被溶接材の板厚及びワークの裏面ナゲット径を入力として、板厚及び裏面ナゲット径と溶接電流値及び溶接時間との関係を予め設定した条件テーブルから溶接電流及び溶接時間を出力することができる。このために、所望の裏面ナゲット径が得られるアークスポット溶接における溶接電流及び溶接時間を自動的に設定することができ、条件設定に必要な工数が削減されて生産効率が向上する。さらに、未熟練工であっても条件設定が容易になり、アークスポット溶接装置の操作性が向上する。
さらに、上記第1の発明によれば、条件テーブルにおける板厚を板厚合算値にすることによって、ワークが板厚違いの被溶接材から形成されている場合にも1つの条件テーブルから溶接電流及び溶接時間を自動的に設定することができる。このために、予め設定すべき条件テーブルの数を削減することができ、条件テーブル作成時間が短縮される。さらに、板厚違いのワークの条件設定を行う場合でも、板厚合算値を設定するだけでよく、それぞれの板厚を設定する必要がなく、条件設定における操作性が向上する。
さらに、上記第1の発明によれば、条件テーブルから溶接電流値及び溶接時間を出力し、これら両値にワークを形成する被溶接材の枚数に応じた係数を乗じて溶接電流及び溶接時間を補正して設定する。このために、同一の条件テーブルを使用して2枚重ね、3枚重ね等のように重ねる枚数が異なっても裏面ナゲット径を所望値にすることができる。したがって、予め設定すべき条件テーブルの数を削減することができ、条件テーブル作成時間を短縮することができる。
上記第2の発明によれば、電極・ワーク間距離が変化しても、第1の発明の方法で設定された溶接時間を補正することによって、所望の裏面ナゲット径を形成することができる。
上記第3の発明によれば、電極・ワーク間距離が変化しても、第1の発明の方法で設定された溶接電流値を補正することによって、所望の裏面ナゲット径を形成することができる。
上記第4の発明によれば、溶接電圧検出値から電極・ワーク間距離を自動的に設定することができる。このために、第2の発明及び第3の発明において、電極・ワーク間距離を手動で入力する必要がなく、操作性が向上する。

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御等の出力制御を行い、アーク3を発生させるための溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。この電源主回路PMは、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトルから構成される。
溶接トーチ4の先端に取り付けられた非消耗電極1とワーク2との間にアーク3が発生する。非消耗電極1の外側にはノズル5が取り囲み、ノズル5はワーク2に押し付けられた状態にある。
材質設定回路MSは、ワーク2を形成する被溶接材の材質を設定するための材質設定信号Msを出力する。例えば、材質設定信号Msは、ステンレス鋼のときはHighレベルになり、鉄鋼のときはLowレベルになる信号である。板厚設定回路ASは、ワーク2を形成する被溶接材の板厚を設定するための板厚設定信号Asを出力する。例えば、板厚設定信号Asの値は、0.8、1.0、1.2、1.4等の板厚(mm)を表す数字である。裏面ナゲット径設定回路DSは、所望の裏面ナゲット径を設定するための裏面ナゲット径設定信号Dsを出力する。例えば、裏面ナゲット径設定信号Dsの値は1、2、3等の直径(mm)を表す数字である。
条件設定回路CSは、条件テーブルを内蔵しており、上記の材質設定信号Ms、板厚設定信号As及び裏面ナゲット径設定信号Dsを入力として条件テーブルから溶接電流設定値及び溶接時間設定値を抽出して、溶接電流設定信号Ir及び溶接時間設定信号Trを出力する。この条件テーブルの詳細については後述する。
溶接電流検出回路IDは、溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の溶接電流設定信号Irと上記の溶接電流検出信号Idとの誤差を増幅して電流誤差増幅信号Eiを出力する。
起動回路ONは、上記の溶接時間設定信号Trを入力として、溶接トーチ4等に設けられた起動スイッチ(図示は省略)からの溶接開始信号Stが入力されると、溶接時間設定信号Trによって定まる時間だけHighレベルになる起動信号Onを出力する。駆動回路DVは、この起動信号OnがHighレベルの間は、上記の電流誤差増幅信号Eiを入力としてパルス幅変調制御を行い、駆動信号Dvを出力する。
図2は、上述した条件テーブルの一例である。同図はワーク2の材質がステンレス鋼の場合である。同図は同じ板厚の被溶接材を2枚重ねた場合である。テーブルにおいて、1列目の0.8〜1.4mmはワーク2を形成する被溶接材の板厚を示す。また、1行目の1〜3mmは裏面ナゲット径を示す。上記の材質設定信号MsがHighレベル(ステンレス鋼)であり、上記の板厚設定信号Asが1.0mmであり、上記の裏面ナゲット径設定信号Dsが2mmであるときは、この条件テーブルから溶接電流設定信号Irの値は100Aとなり、溶接時間設定信号Trの値は1.5秒となる。このようにして、所望の裏面ナゲット径が得られる溶接電流及び溶接時間を自動的に設定することができる。
図3は、上述した条件テーブルの図2とは別の一例である。同図はワーク2の材質が鉄鋼の場合である。同図は同じ板厚の被溶接材を2枚重ねた場合である。テーブルにおいて、1列目の0.8〜1.6mmはワーク2を形成する被溶接材の板厚を示す。また、1行目の1〜3mmは裏面ナゲット径を示す。上記の材質設定信号MsがLowレベル(鉄鋼)であり、上記の板厚設定信号Asが1.0mmであり、上記の裏面ナゲット径設定信号Dsが2mmであるときは、この条件テーブルから溶接電流設定信号Irの値は120Aとなり、溶接時間設定信号Trの値は1.5秒となる。このようにして、所望の裏面ナゲット径が得られる溶接電流及び溶接時間を自動的に設定することができる。
上記において、ワーク2の材質がステンレス鋼又は鉄鋼以外の場合には、その材質に対応した条件テーブルを予め設定しておく。さらに、ワーク2が被溶接材の2枚重ね以外の例えば3枚重ねである場合には、これに対応する条件テーブルを予め設定しておく。所望のナゲット径がテーブルの中間値であるときは、その前後の値から補間計算をして溶接電流及び溶接時間を設定する。補間計算は以下のように行う。板厚がA1mm、裏面ナゲット径がd1mmのときテーブルから溶接電流がI1であり、溶接時間がT1であるとする。また、板厚がA1mm裏面ナゲット径がD2mmのときテーブルから溶接電流がI1であり、溶接時間がT2であるとする。このときに、板厚がA1mm、裏面ナゲット径がD3(D1<D3<D2)であるときの溶接電流I3は計算を簡単にするためにI3=(I1+I2)/2とし、溶接時間T3はT3=(T1+T2)/2として設定する。補間計算をより精密に行うときには、直線補間して比例配分によって溶接電流及び溶接時間を算出しても良い。
上述した実施の形態1によれば、被溶接材の板厚及びワークの裏面ナゲット径を入力として、板厚及び裏面ナゲット径と溶接電流値及び溶接時間との関係を予め設定した条件テーブルから溶接電流及び溶接時間を出力することができる。このために、所望の裏面ナゲット径が得られるアークスポット溶接における溶接電流及び溶接時間を自動的に設定することができ、条件設定に必要な工数が削減されて生産効率が向上する。さらに、未熟練工であっても条件設定が容易になり、アークスポット溶接装置の操作性が向上する。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係るアークスポット溶接装置は、上述した条件テーブルの構造が異なるものである。したがって、ブロック図は上述した図1と同一である。但し、条件設定回路CSに内蔵されている条件テーブルの構造が異なっている。また、本実施の形態では、板厚設定回路ASで設定されるのは、ワーク2を形成する複数の被溶接材の板厚の合算値である。すなわち、板厚設定信号Asは、板厚合算値を設定する。
図4は、本実施の形態に係る条件テーブルの一例を示す図である。同図は図2と対応している。同図は被溶接材の材質がステンレス鋼の場合である。
この条件テーブルでは、1列目は板厚合算値を表し、1.6、2.0、2.4、2.8mmから成る。また、1行目は、裏面ナゲット径を表し、1、2、3mmから成る。例えば、ワーク2が1.0mmの被溶接材の2枚重ねであり、裏面ナゲット径が2mmであるときを考える。この場合、板厚合算値は2.0mmとなるので、条件テーブルから溶接電流は100Aとなり、溶接時間は1.5秒となる。これらの値が、溶接電流設定信号Ir及び溶接時間設定信号Trとして出力される。
条件テーブルを板厚合算値で構成することによって板厚違いのワーク2にも対応することができる。例えば、ワーク2が0.8mmの被溶接材と1.2mmの被溶接材とから形成される場合、板厚合算値は2.0mmとなる。裏面ナゲット径が2mmであるときは、条件テーブルから溶接電流は100Aとなり、溶接時間は1.5秒となる。このように、板厚違いの被溶接材からワーク2が形成される場合でも、1つの条件テーブルで対応することができ、予め設定する条件テーブルの数を少なくすることができる。
上述した実施の形態2によれば、条件テーブルにおける板厚を板厚合算値にすることによって、ワークが板厚違いの被溶接材から形成されている場合にも1つの条件テーブルから溶接電流及び溶接時間を自動的に設定することができる。このために、予め設定すべき条件テーブルの数を削減することができ、条件テーブル作成時間が短縮される。さらに、板厚違いのワークの条件設定を行う場合でも、板厚合算値を設定するだけでよく、それぞれの板厚を設定する必要がなく、条件設定における操作性が向上する。
[実施の形態3]
図5は、本発明の実施の形態3に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。同図は上述した図1と対応しており、同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。同図は破線で示す枚数設定回路NS及び補正回路HCを追加したものである。以下、同図を参照して図1とは異なる点について説明する。
板厚設定回路ASは、上述した実施の形態2と同様に板厚合算値を設定するための板厚設定信号Asを出力する。条件設定回路CSに内蔵されている条件テーブルは上述した図3と同一となり、溶接電流設定信号Ir及び溶接時間設定信号Trは補正回路HCに入力される。枚数設定回路NSは、ワーク2を形成する被溶接材の重ね枚数を設定するための枚数設定信号Nsを出力する。補正回路HCは、上記の溶接電流設定信号Ir、溶接時間設定信号Tr及び枚数設定信号Nsを入力として、枚数設定信号Nsの値に応じて定まる係数Kを溶接電流設定信号Irの値及び溶接時間設定信号Trの値に乗じて補正を行い、溶接電流補正設定信号Ihr及び溶接時間補正設定信号Thrを出力する。この溶接電流補正設定信号Ihrは電流誤差増幅回路EIに入力され、溶接時間補正設定信号Thrは起動回路ONに入力される。すなわち、Ihr=K・Irであり、Thr=K・Trである。係数Kは、枚数設定信号Nsの値に応じて異なる値となる。例えば、枚数設定信号Ns=2(2枚重ね)のときは係数K=1.0とし、枚数設定信号Ns=3(3枚重ね)のときは係数K=0.9にする。補正する理由は以下のとおりである。すなわち、板厚合算値が2.4mmであっても、2枚重ねのときは1.2mmの被溶接材を重ねていることになり、3枚重ねのときは0.8mmの被溶接材を3枚重ねていることになる。板厚合算値が同一値であっても重ね枚数が多くなるほど溶接電流及び溶接時間を小さくしないと裏面ナゲット径は同一にはならない。このために、重ね枚数に応じた係数Kによってこの補正を行っている。溶接電流と溶接時間とで係数Kを異なる値に設定しても良い。
上述した実施の形態3によれば、条件テーブルから溶接電流値及び溶接時間を出力し、これら両値にワークを形成する被溶接材の枚数に応じた係数を乗じて溶接電流及び溶接時間を補正して設定する。このために、同一の条件テーブルを使用して2枚重ね、3枚重ね等のように重ねる枚数が異なっても裏面ナゲット径を所望値にすることができる。したがって、予め設定すべき条件テーブルの数を削減することができ、生産準備時間が短縮される。
[実施の形態4]
図6は、本発明の実施の形態4に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。同図は上述した図1と対応しており、同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。同図は、破線で示す電極・ワーク間距離設定回路LR及び破線で示す時間補正回路THCを追加したものである。以下、同図を参照して図1とは異なる点について説明する。
電極・ワーク間距離設定回路LRは、非消耗電極1とワーク2との間の距離を設定して、電極・ワーク間距離設定信号Lrを出力する。時間補正回路THCは、この電極・ワーク間距離設定信号Lr及び溶接時間設定信号Trを入力として、上記の電極・ワーク間距離設定信号Lrの値に応じて定まる時間補正係数Kt(%)と上記の溶接時間設定信号Trの値を乗算して、溶接時間補正設定信号Thrを起動回路ONに出力する。電極・ワーク間距離設定信号Lrの値と時間補正係数Ktとの関係については、図7に例示する。他方、条件設定回路CSから出力される溶接電流設定信号Irは、補正されずに直接電流誤差増幅回路EIに入力される。
図7は、上述した電極・ワーク間距離設定信号Lrと時間補正係数Ktとの関係を例示する図である。同図の横軸は電極・ワーク間距離設定信号Lr(mm)を示し、縦軸は時間補正係数Kt(%)を示す。同図に示すように、Lr=2mmのときはKt=100%となり、Lr=1.5mmのときはKt=75%となる。この時間補正係数Ktを溶接時間設定信号Trに乗じて溶接時間補正設定信号Thrが算出される。
上記において、溶接時間を補正する理由は以下のとおりである。すなわち、電極・ワーク間距離が変化すると、同じ裏面ナゲット径を形成するための溶接時間も変化するためである。実施の形態4は、実施の形態1を基にした場合であるが、実施の形態2及び3を基にしても同様である。実施の形態3を基にする場合には、図5の補正回路HCの出力信号を図6の時間補正回路THCに入力するようにする。
上述した実施の形態4によれば、電極・ワーク間距離が変化しても、実施の形態1〜3の方法で設定された溶接時間を補正することによって、所望の裏面ナゲット径を形成することができる。
[実施の形態5]
図8は、本発明の実施の形態5に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。同図は上述した図6と対応しており、同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。同図は、図6の時間補正回路THCを破線で示す電流補正回路IHCに置換したものである。以下、同図を参照して図6とは異なる点について説明する。
電流補正回路IHCは、電極・ワーク間距離設定信号Lr及び溶接電流設定信号Irを入力として、上記の電極・ワーク間距離設定信号Lrの値に応じて定まる電流補正係数Ki(%)と上記の溶接電流設定信号Irの値を乗算して、溶接電流補正設定信号Ihrを電流誤差増幅回路EIに出力する。電極・ワーク間距離設定信号Lrの値と電流補正係数Kiとの関係については、図9に例示する。他方、条件設定回路CSから出力される溶接時間設定信号Trは、補正されずに直接起動回路ONに入力される。
図9は、上述した電極・ワーク間距離設定信号Lrと電流補正係数Kiとの関係を例示する図である。同図の横軸は電極・ワーク間距離設定信号Lr(mm)を示し、縦軸は電流補正係数Ki(%)を示す。同図に示すように、Lr=2mmのときはKi=100%となり、Lr=1.5mmのときはKi=75%となる。この電流補正係数Kiを溶接電流設定信号Irに乗じて溶接電流補正設定信号Ihrが算出される。
上記において、溶接電流を補正する理由は以下のとおりである。すなわち、電極・ワーク間距離が変化すると、同じ裏面ナゲット径を形成するための溶接電流も変化するためである。実施の形態5は、実施の形態1を基にした場合であるが、実施の形態2及び3を基にしても同様である。実施の形態3を基にする場合には、図5の補正回路HCの出力信号を図8の電流補正回路IHCに入力するようにする。
上述した実施の形態5によれば、電極・ワーク間距離が変化しても、実施の形態1〜3の方法で設定された溶接電流を補正することによって、所望の裏面ナゲット径を形成することができる。
[実施の形態6]
図10は、本発明の実施の形態6に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。同図は上述した図6と対応しており、同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。同図は、図6の電極・ワーク間距離設定回路LRを破線で示す第2電極・ワーク間距離設定回路LR2に置換し、破線で示す溶接電圧検出回路VDを追加したものである。以下、同図を参照して図6とは異なる点について説明する。
溶接電圧検出回路VDは、非消耗電極1と母材2との間の溶接電圧Vwを検出して、溶接電圧検出信号Vdを出力する。図11で後述するように、この溶接電圧検出信号Vdの値と電極・ワーク間距離(アーク長)とは相関関係があるために、溶接電圧検出信号Vdの値によって電極・ワーク間距離を検出することができる。第2電極・ワーク間距離設定回路LR2は、この溶接電圧検出信号Vdを入力として、予め定めた電圧距離変換関数に従って電極・ワーク間距離を算出して、電極・ワーク間距離設定信号Lrを出力する。
図11は、上述した電圧距離変換関数を例示する図である。同図の横軸は溶接電圧検出信号Vd(V)を示し、縦軸は電極・ワーク間距離設定信号Lr(mm)を示す。同図から、溶接電圧検出信号Vdの値に対応した電極・ワーク間距離設定信号Lrの値が算出される。
上記においては、実施の形態4を基にして、それに溶接電圧検出信号Vdによって電極・ワーク間距離設定信号Lrを設定する場合を説明したが、実施の形態5を基にしても同様である。
上述した実施の形態6によれば、溶接電圧検出値から電極・ワーク間距離を自動的に設定することができる。このために、実施の形態4及び実施の形態5において、電極・ワーク間距離を手動で入力する必要がなく、操作性が向上する。
本発明の実施の形態1に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。 図1における条件設定回路CSに内蔵される条件テーブルの一例を示す図である。 図1における条件設定回路CSに内蔵される条件テーブルの図2とは別の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るアークスポット溶接装置における条件テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。 本発明の実施の形態4に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。 図6の時間補正回路THCに内蔵されている電極・ワーク間距離設定信号Lrと時間補正係数Ktとの関係を例示する図である。 本発明の実施の形態5に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。 図8の電流補正回路IHCに内蔵されている電極・ワーク間距離設定信号Lrと電流補正係数Kiとの関係を例示する図である。 本発明の実施の形態6に係るアークスポット溶接装置のブロック図である。 図10の第2電極・ワーク間距離設定回路LR2に内蔵されている電圧距離変換関数を例示する図である。 従来技術のアークスポット溶接装置の構成図である。 アークスポット溶接による溶接部を示す図である。
符号の説明
1 非消耗電極
2 ワーク
3 アーク
4 溶接トーチ
5 ノズル
AS 板厚設定回路
As 板厚設定信号
CS 条件設定回路
D 裏面ナゲット径
DS裏面ナゲット径設定回路
DS 裏面ナゲット径設定信号
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
HC 補正回路
I1〜I3 溶接電流
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
IHC 電流補正回路
Ihr 溶接電流補正設定信号
Ir 溶接電流設定信号
Iw 溶接電流
K 係数
Ki 電流補正係数
Kt 時間補正係数
LR 電極・ワーク間距離設定回路
Lr 電極・ワーク間距離設定信号
LR2 第2電極・ワーク間距離設定回路
MS 材質設定回路
Ms 材質設定信号
NS 枚数設定回路
Ns 枚数設定信号
ON 起動回路
On 起動信号
PM 電源主回路
PS 溶接電源
St 溶接開始信号
T1〜T3 溶接時間
THC 時間補正回路
Thr 溶接時間補正設定信号
Tr 溶接時間設定信号
Tw 溶接時間
VD 溶接電圧検出回路
Vd 溶接電圧検出信号
Vw 溶接電圧

Claims (4)

  1. 複数枚の被溶接材を重ねて形成されるワークと電極との間にアークを発生させ、このアークに所定の溶接電流を所定の溶接時間だけ通電して溶接するアークスポット溶接装置において、
    前記ワークを形成する前記被溶接材のそれぞれの板厚の合算値である板厚を設定する板厚設定部と、
    前記ワークの裏面ナゲット径を設定する裏面ナゲット径設定部と、
    前記板厚及び前記裏面ナゲット径と前記溶接電流値及び前記溶接時間との関係を予め設定した条件テーブルと、
    前記設定された板厚及び前記設定された裏面ナゲット径を入力として前記条件テーブルから前記溶接電流値及び前記溶接時間を出力し、これら両値に前記ワークを形成する被溶接材の枚数に応じた係数を乗じて前記溶接電流及び前記溶接時間を補正して設定する条件設定部と、
    を備えたことを特徴とするアークスポット溶接装置。
  2. 前記電極と前記ワークとの距離を設定する電極・ワーク間距離設定部と、
    前記条件設定部によって設定された前記溶接時間に、前記設定された電極・ワーク間距離に応じた係数を乗じて補正する補正部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のアークスポット溶接装置。
  3. 前記電極と前記ワークとの距離を設定する電極・ワーク間距離設定部と、
    前記条件設定部によって設定された前記溶接電流値に、前記設定された電極・ワーク間距離に応じた係数を乗じて補正する補正部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のアークスポット溶接装置。
  4. 溶接電圧を検出して溶接電圧検出値を出力する電圧検出部を備え、
    前記電極・ワーク間距離設定部は、前記溶接電圧検出値に基づいて電極・ワーク間距離を算出して自動的に設定する、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のアークスポット溶接装置。
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