JP4636358B2 - ロボット制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属加工ツールを把持した作業ロボットのロボット制御装置、特に、教示作業の簡易化に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属加工ツールを把持した作業ロボットにおいて、教示作業は非常に重要な管理項目である。教示作業の良し悪しによって、作業結果の良否が影響される。
以下、従来の教示作業について溶接トーチを把持した溶接ロボットを例に説明する。図13は、非消耗電極式アーク溶接ロボットシステムの構成図である。ロボット制御装置1は、ロボット指令ケーブル8を通じロボット2に動作指令、溶接指令ケーブル9を通じ溶接電源3に溶接指令を与え各種制御する。ロボット2のアーム先端には、非消耗電極5を有した溶接トーチ4が装着されている。母材6および母材7からなる溶接ワークと非消耗電極5間にはパワーケーブル10を通じて溶接電源3によって電圧が印加され、母材6と母材7が接合される。ロボット2の動作軌跡や溶接条件を設定し記憶した作業プログラムは、作業プログラム表示手段30に表示され確認できる。
図14は、ロボット制御装置1の内部機能構成を簡単に表した図である。ロボット制御装置1は、ロボット位置を登録するロボット位置登録手段15、溶接条件および溶接区間を設定する溶接条件設定手段14、教示作業で作成したプログラムを記憶する作業プログラム記憶手段11、ロボット2に動作指令を出力するロボット動作指令出力手段13、溶接電源3に溶接指令を出力する溶接指令出力手段12を有している。さらに作業プログラム記憶手段11は、溶接条件記憶手段16、ロボット軌跡記憶手段17からなる。
【0003】
教示時において、ロボット位置はロボット位置登録手段15により登録され、作業プログラム記憶手段11内のロボット軌跡記憶手段17に記憶される。又、溶接条件および溶接区間は溶接条件設定手段14により設定され、設定内容は作業プログラム記憶手段11内の溶接条件記憶手段16に記憶される。
自動運転時は、ロボット軌跡記憶手段17に記憶された内容に従って、ロボット動作指令出力手段13によりロボット2に動作指令が出力され、ロボット2が動作する。又、溶接区間では溶接条件記憶手段16に記憶された設定内容に従って、溶接指令出力手段12により溶接指令が溶接電源3に出力され、溶接が行われる。
【0004】
次に、教示作業の手順について図11を用いて説明する。図11は溶接進行方向に面直な方向で母材7側から見た溶接ワークの状態を示している。まず、ロボット2を手動動作にて、溶接トーチ4の非消耗電極5先端をA点に移動させ、A点を位置登録する。次に母材6と母材7の溶接線上に存在するB'点の上方のB点に、溶接トーチ4の非消耗電極5先端を動作させる。図12に示すように、溶接ワークの溶接線と溶接トーチ4の非消耗電極5先端が作業ツール高さ方向の軸上に存在するようにロボット2を手動動作させる。この時、溶接トーチ4の非消耗電極5先端と溶接ワークのツール母材間距離(B点とB'点の間隔)すなわちアーク長が所望の値となるように目測にて管理し、溶接トーチ4の非消耗電極5先端をB点に手動動作させて位置登録する。このツール母材間距離は、通常2〜3mm程度を設定する。同様に、溶接トーチ4の非消耗電極5先端を溶接線上に存在するC'点の上方のC点に手動動作させ、ツール母材間距離が所望の値となるように目測にて管理しながらC点を位置登録する。B点は溶接開始点、C点は溶接終了点に相当する。最後に、D点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端を手動動作させD点を位置登録する。
【0005】
このように教示して作成したプログラムを図15に示す。ステップ1にて溶接トーチ4の非消耗電極5先端はA点へ動作、ステップ2にて溶接開始点であるB点に動作する。次に、ステップ3にて溶接開始指令を溶接電源3に出力し溶接作業が開始する。ステップ4にてC点へ動作しながら溶接作業が実行される。ステップ5にて溶接終了指令を溶接電源3に出力し溶接作業が終了する。ステップ6にてD点に動作する。尚、溶接区間はステップ3からステップ5である。
以上述べてきたように、従来技術では目測によってツール母材間距離を管理し教示作業をしてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のロボット制御装置による教示方法ではツール母材間距離を目測で管理しているためツール母材間距離が所望の設定値にならない場合や、又、溶接線から離れた空間上で教示するため溶接線の狙い位置ずれが生じる場合があった。図16は、ツール母材間距離を目測で管理し教示した場合の教示位置を示している。このようにツール母材間距離が設定どおりでなく溶接線の狙い位置ずれが生じていると、良好な溶接結果が得られず破れや溶込み不良等が生じるという問題があった。又、溶接線から離れた空間上に教示するため、所望の教示点に動作させるのに時間がかかるという問題があった。特に、溶接トーチの高さ方向がロボットの手動動作の一軸方向に平行でない場合はロボットを多軸動作させる必要があり、教示作業が難しく面倒であった。
【0007】
本発明はツール母材間距離が設定値どおりに管理され、溶接線の狙い位置ずれを発生させることなく良好な溶接結果が得られ、短時間で容易にロボット軌跡を教示することができるロボット制御装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載のロボット制御装置は、非消耗電極式の溶接トーチをアーム先端に把持して溶接ワークを溶接するアーク溶接ロボットのロボット制御装置であって、予めロボット軌跡と溶接条件および溶接区間が記憶された作業プログラムによって、前記ロボットと、前記溶接トーチと前記溶接ワークとの間に電圧を印加する溶接電源と、を制御するロボット制御装置において、前記溶接電源の溶接電流と前記溶接トーチのアーク長との関係を記憶するツール母材間距離最適条件記憶手段と、前記溶接電流が設定されると前記ツール母材間距離最適条件記憶手段から最適な前記溶接トーチのアーク長を決定するワーク母材間距離設定手段と、前記ワーク母材間距離設定手段で設定された前記アーク長をベクトル長さとし、前記溶接トーチの高さ方向をベクトル方向としたベクトルを演算する作業ツール高さ方向ベクトル演算手段と、前記溶接ワークと前記溶接トーチの先端とが接触している状態で教示された前記溶接区間の開始点B’と終了点C’に、前記作業ツール高さ方向ベクトル演算手段により演算された前記ベクトルをそれぞれ加算した点Bと点Cを算出するツール母材間距離加算手段と、前記作業プログラムを表示する作業プログラム表示手段と、を備え、前記溶接区間を自動運転する際、前記ツール母材間距離加算手段によって算出された前記点Bと点Cを結ぶ前記ロボット軌跡を再生するとともに、前記作業プログラム表示手段が、前記溶接区間内でのステップ毎に、前記ツール母材間距離加算手段によって加算された前記ベクトルの長さを前記ステップ毎の動作命令に付加して表示すること、を特徴としている。
【0009】
請求項2記載のロボット制御装置は、前記溶接ワークと前記溶接トーチの接触を検出する力検出手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1は、本発明の第1の実施例における構成図である。金属加工ツールに非消耗電極の溶接トーチを使用したアーク溶接の例で説明する。本発明の第1の実施例では、図14で示す従来技術の構成にツール母材間距離設定手段21、作業ツール高さ方向ベクトル演算手段22、ツール母材間距離加算手段23を付加した点が特徴である。作業ツール高さ方向ベクトルについて、図17を用いて説明する。図17に示すように、作業ツール高さ方向ベクトルとは、非消耗電極5から母材6、7に対してアークが発生する方向と逆方向の向きを持つベクトルである。
図1の作業ツール高さ方向ベクトル演算手段22は、ツール母材間距離設定手段21により設定されたツール母材間距離(アーク長)をベクトル長として、作業ツール高さ方向のベクトルを演算する。ツール母材間距離加算手段23は、ロボット軌跡に作業ツール高さ方向ベクトル演算手段22で演算された作業ツール高さ方向のベクトルを加算し、軌跡修正する。
【0015】
次に、本発明の教示作業の手順について図7を用いて説明する。図7は溶接進行方向に面直な方向で母材7側から見た溶接ワークの状態を示している。まず、ロボット2を手動動作にて、溶接トーチ4の非消耗電極5先端をA点に移動させ、A点を位置登録する。次に溶接線上のB'点を教示点として位置登録する。溶接トーチ4の非消耗電極5先端は図8に示すように溶接ワークの溶接線に接触しているため、従来技術の図16で見られるような狙い位置ずれが生じる恐れがない。同様に、溶接トーチ4の非消耗電極5先端を手動動作させ溶接線上のC'点を教示点として位置登録する。B'点は溶接開始点、C'点は溶接終了点に相当する。最後に、D点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端を手動動作させD点を位置登録する。又、溶接区間であるB'点C'点を作業ツール高さ方向に軌跡修正する量すなわちツール母材間距離をツール母材間距離設定手段21により所望の値に設定する。このように、教示時において溶接区間では溶接ワークの溶接線と溶接トーチ4の非消耗電極5先端を接触させて教示点を位置登録し、ツール母材間距離を設定するだけで良い。
【0016】
次に、自動運転においてのロボット2の動作について図11を用いて説明する。図11は溶接進行方向に面直な方向で母材7側から見た溶接ワークの状態を示している。自動運転時は、まず溶接トーチ4の非消耗電極5先端はA点に動作する。次に、教示したB'点からツール母材間距離設定手段21により設定された量だけ溶接トーチ4の非消耗電極5先端をツール母材間距離加算手段23により軌跡修正し、B点に動作する。同様に、教示したC'点からツール母材間距離設定手段21により設定された量だけ溶接トーチ4の非消耗電極5先端をツール母材間距離加算手段23により軌跡修正し、C点に動作する。最後にD点に動作する。このように、溶接区間においてロボット軌跡が作業ツール高さ方向に設定されたツール母材間距離だけ軌跡修正されたロボット動作となる。以上述べたように本発明の第1の実施例では、教示時は図7や図8に示すように溶接区間では溶接ワークと溶接トーチ4の非消耗電極5が接触するように教示し、自動運転時は溶接区間では教示点が設定されたツール母材間距離だけ軌跡修正されて図11に示すように動作するのが特徴である。このような教示方法では、溶接線の狙い位置ずれが発生することなく、又、正確なツール母材間距離を確保した軌跡教示となるので、溶接品質が向上し安定した溶接が実現できる。又、教示作業が容易となり、教示時間が短縮される。
【0017】
(実施例2)本発明の第2の実施例を図2に示す。図2は、本発明の第1の実施例で示した教示方法で作成した作業プログラムである。溶接区間において軌跡修正するツール母材間距離の設定値を作業プログラム表示手段に付加表示した状態を示している。図2のステップ2からステップ5の区間すなわち溶接区間の命令において"+2"と付加表示されているが、これは設定されたツール母材間距離(単位mm)の値を示している。このように本発明の第2の実施例では自動運転において溶接区間の軌跡修正されるステップや軌跡修正する量を容易に把握できることを特徴としている。
【0018】
(実施例3)本発明の第3の実施例における構成図を図3に示す。図14で示す従来技術の構成に、ツール母材間距離設定手段21、作業ツール高さ方向ベクトル演算手段22、ツール母材間距離加算手段23、ロボット位置修正要求手段24、ロボット位置記憶手段25、ロボット現在位置読込手段29を付加した点が特徴である。
作業ツール高さ方向ベクトル演算手段22は、ツール母材間距離設定手段21により設定されたツール母材間距離(アーク長)をベクトル長として、作業ツール高さ方向のベクトルを演算する。ツール母材間距離加算手段23は、ロボット位置に作業ツール高さ方向ベクトル演算手段22で演算された作業ツール高さ方向のベクトルを加算し、軌跡修正する。
ロボット位置修正要求手段24は、作業ツール高さ方向ベクトル演算手段22により算出された作業ツール高さベクトル方向へのロボットの移動要求指令を与え、ロボット現在位置読込手段29はロボット位置修正要求手段24が実行される直前のロボットの現在位置を読み込み、ロボット位置記憶手段25はそのロボット位置を記憶する。記憶されたロボット位置に、ツール母材間距離加算手段23は作業ツール高さ方向ベクトル演算手段22で演算された作業ツール高さ方向のベクトルを加算し軌跡修正し、ロボット動作指令出力手段13によりロボットは動作する。
【0019】
次に、本発明の教示作業の手順について図9を用いて説明する。図9は溶接進行方向に面直な方向で母材7側から見た溶接ワークの状態を示している。まず、B'点C'点を作業ツール高さ方向に軌跡修正する量すなわちツール母材間距離をツール母材間距離設定手段21により所望の値に設定する。ロボット2を手動動作にて、溶接トーチ4の非消耗電極5の先端をA点に移動させ、A点を位置登録する。次に溶接線上のB'点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端を手動動作させる。溶接トーチ4の非消耗電極5先端は図8に示すように溶接ワークの溶接線に接触しているため、従来技術の図16で見られるような狙い位置ずれが生じる恐れがない。B'点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端が位置した時ロボット位置修正要求手段24を実行すると、ロボット現在位置読込手段29よりロボットの現在位置がロボット位置記憶手段25に記憶され、記憶されたロボット位置にツール母材間距離設定手段21により設定されたツール母材間距離を加算してロボット位置を修正し、設定されたツール母材間距離を確保するように作業ツール高さ方向に動作しロボット2は停止する。この停止点がB点に相当するので、教示点として位置登録する。
同様に、溶接線上のC'点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端を手動動作させる。C'点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端が位置した時ロボット位置修正要求手段24を実行すると、ロボット現在位置読込手段29よりロボットの現在位置がロボット位置記憶手段25に記憶され、記憶されたロボット位置にツール母材間距離設定手段21により設定されたツール母材間距離を加算してロボット位置を修正し、設定されたツール母材間距離を確保するように作業ツール高さ方向に動作しロボット2は停止する。この停止点がC点に相当するので、教示点として位置登録する。最後に、D点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端を手動動作させD点を位置登録する。
【0020】
このように、教示時において溶接区間では溶接ワークの溶接線と溶接トーチ4の非消耗電極5先端を接触させて基準点とし、作業ツール高さ方向ベクトルを演算して所望のツール母材間距離となるようにロボットが動作し停止するので、停止点を教示点として位置登録すれば良い。このような教示方法では、溶接線の狙い位置ずれが発生することなく、又、正確なツール母材間距離を確保した軌跡教示となるので、溶接品質が向上し安定した溶接が実現できる。又、教示作業が容易となり、教示時間が短縮される。尚、このような教示方法にて作成した作業プログラムは、図11に示す従来技術で精度良く教示され作成された作業プログラムと全く同等である。自動運転時の動作に関しては、従来技術と同等なので省略する。
【0021】
(実施例4)本発明の第4の実施例における構成図を図4に示す。図3で示す第3の実施例の構成に、ロボット位置復帰要求手段26を付加した点が特徴である。例えば、本発明は教示時に図9においてB点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端を動作させ位置登録した後、再度B点の基準点であるB'点が溶接線上に存在し狙い位置ずれがないかを確認する上で有効である。
B点の教示手順を例として以下に説明する。まず手動動作にて溶接線上のB'点に溶接トーチ4の非消耗電極5先端を動作させる。ロボット位置修正要求手段24にてB点への移動を指令すると同時に、ロボット現在位置読込手段29によりB'点のロボット位置を読込み、ロボット位置記憶装置25に記憶する。ツール母材間距離加算手段23によりB'点のロボット位置に作業ツール高さ方向ベクトルが加算されて軌跡修正され、溶接トーチ4の非消耗電極5先端はB点に動作し、B点を教示点として位置登録する。ここで、もう一度B'点の位置が溶接線上に存在するか確認したい場合がある。このような場合、ロボット位置復帰要求手段26を実行すると、ツール母材間距離加算手段23の作業ツール高さ方向ベクトルの入力部が切り離されて、ロボット位置記憶手段25に記憶されたロボット位置のみがツール母材間距離加算手段23に入力される。すなわち、基準点であるB'点への移動指令がロボット動作指令出力手段13に与えられ、基準点であるB'点にロボット2が復帰動作するのである。このような方法により、B点の基準点であるB'点の位置を容易に確認でき、溶接線の狙い位置を管理することができる。
【0022】
(実施例5)本発明の第5の実施例を図5に示す。第5の実施例ではこれまでに述べてきた実施例、例えば第1の実施例にツール母材間距離最適条件記憶手段27を付加した構成となっている。まず、ツール母材間距離最適条件記憶手段27について説明する。図10は、溶接電流に対する溶接電圧およびツール母材間距離(アーク長)の関係を示している。非消耗電極式アーク溶接では定電流特性の溶接電源を使用しているため、オペレータは溶接電流のみを設定すれば良く、溶接電圧はアーク長によって決定される。したがって、溶接条件は使用溶接電流およびツール母材間距離(アーク長)を設定すればよい。図10中、楕円で囲まれた領域が最適な溶接条件領域である。使用溶接電流I1に対しアーク長L1、使用溶接電流I2に対しアーク長L2、使用溶接電流I3に対しアーク長L3が最適条件である。このような使用溶接電流に対するツール母材間距離の関係を記憶しているのが、ツール母材間距離最適条件記憶手段27である。したがって、本発明の第5の実施例では使用溶接電流を設定すれば、自動的に最適なツール母材間距離が決定されてツール母材間距離設定手段21に設定される。このようにオペレータがツール母材間距離を設定しなくても、最適なツール母材間距離を導出し設定することが特徴である。
【0023】
(実施例6)本発明の第6の実施例を図6に示す。第6の実施例ではこれまでに述べてきた実施例、例えば第1の実施例に力検出手段28を付加した構成となっている。力検出手段28は、溶接トーチ4の非消耗電極5と溶接ワークが接触した時に生じる力の変化を検出して、非消耗電極5と溶接ワークの接触を検知する。力検出手段28で溶接トーチ4の非消耗電極5と溶接ワークの接触を検知し、ロボット動作指令出力手段13とロボット2間を切り離して、瞬時にロボットを停止させる。これによって、オペレータが誤って非消耗電極を溶接ワークに強く衝突させる教示ミスが防止でき、非消耗電極を保護することができる。
【0024】
(その他の応用例)金属加工ツールとして、レーザ切断、レーザ溶接、プラズマ切断、プラズマ溶接に用いるツールを使用した場合についても、同様な効果を達成するものである。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のロボット制御装置によれば、溶接線上に基準点を設け、基準点から作業ツール高さ方向に設定されたツール母材間距離だけ演算した作業ツール高さ方向に軌跡修正し、ロボットを動作させることにより、設定どおりのツール母材間距離を維持でき、溶接線の狙い位置ずれが発生することなく溶接軌跡を教示できるので、溶接品質が向上する。又、設定されたツール母材間距離を有する作業ツール高さ方向ベクトルを演算することにより、ツール母材間距離を目測で確認して教示する必要がないので、教示作業が容易となり教示時間が短縮される。又、作業プログラム表示手段により、自動運転において溶接区間の軌跡修正されるステップや軌跡修正する量を容易に把握することができる。又、溶接線上に基準点を設け、基準点から作業ツール高さ方向に設定されたツール母材間距離だけ演算した作業ツール高さ方向に軌跡修正し、ロボットを動作させることにより、設定どおりのツール母材間距離を維持でき、溶接線の狙い位置ずれが発生することなく溶接軌跡を教示できるので、溶接品質が向上する。又、設定されたツール母材間距離を有する作業ツール高さ方向ベクトルを演算することにより、ツール母材間距離を目測で確認して教示する必要がないので、教示作業が容易となり教示時間が短縮される。又、ロボット位置復帰要求手段によりロボットを基準点に移動させ、基準点の位置を容易に再確認することができ、溶接線の狙い位置を管理することができる。又、ツール母材間距離最適条件記憶手段を有することにより、設定溶接電流に対して最適なツール母材間距離を自動選択することができる。又、力検出手段を有することにより、金属加工ツールとワークの接触を検知しロボット動作を停止させるので、誤って金属加工ツールを強打することがなくなり金属加工ツールを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成図
【図2】本発明の第2の実施例を示す図
【図3】本発明の第3の実施例の構成図
【図4】本発明の第4の実施例の構成図
【図5】本発明の第5の実施例の構成図
【図6】本発明の第6の実施例の構成図
【図7】本発明の第1の実施例による教示作業を示す図
【図8】本発明の第1の実施例による教示点を示す図
【図9】本発明の第3の実施例による教示作業を示す図
【図10】溶接電流、溶接電圧、ツール母材間距離の関係を示す図
【図11】教示内容および自動運転のロボット動作を表す図
【図12】正しい教示内容を表す図
【図13】非消耗電極式アーク溶接ロボットシステムの構成図
【図14】従来のロボット制御装置の構成図
【図15】教示した作業プログラム
【図16】誤った教示内容を表す図
【図17】作業ツール高さ方向ベクトルを示す図
【符号の説明】
1:ロボット制御装置
2:ロボット
3:溶接電源
4:溶接トーチ
5:非消耗電極
6:母材
7:母材
8:ロボット指令ケーブル
9:溶接指令ケーブル
10:パワーケーブル
11:作業プログラム記憶手段
12:溶接指令出力手段
13:ロボット動作指令出力手段
14:溶接条件設定手段
15:ロボット位置登録手段
16:溶接条件記憶手段
17:ロボット軌跡記憶手段
21:ツール母材間距離設定手段
22:作業ツール高さ方向ベクトル演算手段
23:ツール母材間距離加算手段
24:ロボット位置修正要求手段
25:ロボット位置記憶手段
26:ロボット位置復帰要求手段
27:ツール母材間距離最適条件記憶手段
28:力検出手段
29:ロボット現在位置読込手段
30:作業プログラム表示手段
Claims (2)
- 非消耗電極式の溶接トーチをアーム先端に把持して溶接ワークを溶接するアーク溶接ロボットのロボット制御装置であって、予めロボット軌跡と溶接条件および溶接区間が記憶された作業プログラムによって、前記ロボットと、前記溶接トーチと前記溶接ワークとの間に電圧を印加する溶接電源と、を制御するロボット制御装置において、
前記溶接電源の溶接電流と前記溶接トーチのアーク長との関係を記憶するツール母材間距離最適条件記憶手段と、
前記溶接電流が設定されると前記ツール母材間距離最適条件記憶手段から最適な前記溶接トーチのアーク長を決定するワーク母材間距離設定手段と、
前記ワーク母材間距離設定手段で設定された前記アーク長をベクトル長さとし、前記溶接トーチの高さ方向をベクトル方向としたベクトルを演算する作業ツール高さ方向ベクトル演算手段と、
前記溶接ワークと前記溶接トーチの先端とが接触している状態で教示された前記溶接区間の開始点B’と終了点C’に、前記作業ツール高さ方向ベクトル演算手段により演算された前記ベクトルをそれぞれ加算した点Bと点Cを算出するツール母材間距離加算手段と、
前記作業プログラムを表示する作業プログラム表示手段と、
を備え、
前記溶接区間を自動運転する際、前記ツール母材間距離加算手段によって算出された前記点Bと点Cを結ぶ前記ロボット軌跡を再生するとともに、前記作業プログラム表示手段が、前記溶接区間内でのステップ毎に、前記ツール母材間距離加算手段によって加算された前記ベクトルの長さを前記ステップ毎の動作命令に付加して表示すること、を特徴とするロボット制御装置。 - 前記溶接ワークと前記溶接トーチの接触を検出する力検出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のロボット制御装置。
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