JP6198324B2 - アーク溶接方法 - Google Patents

アーク溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6198324B2
JP6198324B2 JP2014023192A JP2014023192A JP6198324B2 JP 6198324 B2 JP6198324 B2 JP 6198324B2 JP 2014023192 A JP2014023192 A JP 2014023192A JP 2014023192 A JP2014023192 A JP 2014023192A JP 6198324 B2 JP6198324 B2 JP 6198324B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
value
current
arc
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014023192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015147245A (ja
Inventor
賢人 高田
賢人 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2014023192A priority Critical patent/JP6198324B2/ja
Publication of JP2015147245A publication Critical patent/JP2015147245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6198324B2 publication Critical patent/JP6198324B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接方法における磁気吹き対策に関するものである。
図5は、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返す消耗電極式アーク溶接における電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流Iwの波形を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの波形を示し、同図(C)は定電圧制御の電圧目標値である出力電圧設定信号Erの波形を示す。以下、同図を参照して説明する。
消耗電極式アーク溶接には定電圧制御の溶接電源が使用される。この定電圧制御は、溶接電源の出力電圧が予め定めた出力電圧設定信号Erと等しくなるようにフィードバック制御されることによって行なわれる。同図(C)に示すように、出力電圧設定信号Erは溶接中は一定値であるので、定電圧制御によって一定の出力電圧が出力される。
時刻t1〜t2の短絡期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは次第に増加し、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値になる。
時刻t2〜t3のアーク期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは次第に減少し、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値となり、次第に減少する。
アーク期間中に溶接ワイヤの先端に溶滴が形成され、短絡期間中に溶滴は溶融池へと移行する。
ところで、消耗電極式アーク溶接においては、母材を通電する溶接電流によってアーク周辺部に磁界が形成されて、この磁界からアークは力を受けて偏向する場合がある。このような状態を、一般的に磁気吹き又はアークブローと呼んでいる。磁気吹きが発生するかは、母材に通電する溶接電流によって形成される磁界の形態によって決まる。溶接電流の値、溶接継手、母材への溶接ケーブルの接続位置等の条件によって磁気吹きが発生しやすくなる。溶接電流の値が小さくなると、アークの硬直性が弱くなるために、磁界から小さな力が作用しただけでアークの偏向が生じることになる。すなわち、溶接電流の値が小さくなると、磁気吹きが発生しやすくなる。このために、同図(A)に示すように、時刻t2〜t3のアーク期間の後半部では溶接電流Iwの値が小さくなるので、磁気吹きが発生しやすくなる。磁気吹きが発生すると、アークが偏向するために、ビードの蛇行、アーク切れ等が発生して溶接品質が悪くなる。
特許文献1の発明では、ピーク電流とベース電流との通電を繰り返す消耗電極パルスアーク溶接において、ベース電流の通電期間中に溶接電圧の上昇率が基準上昇率以上になったことによって磁気吹きの発生を判別し、磁気吹きの発生を判別したときはベース電流を増加させることによってアークの偏向を防止するものである。
特開2004−268081号公報
短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接に対して、特許文献1の磁気吹き対策を採用した場合、磁気吹きを判別するとアーク期間の後半部に溶接電流を増加させることになる。しかし、アーク期間の後半部に溶接電流を増加させると、アークからの反発力によって溶滴が持ち上げられることになり、短絡期間へと円滑に移行しなくなる。このような状態になると、磁気吹きによるアークの偏向は抑制することができても、溶接状態が不安定になり、スパッタ発生量が増加することになる。
そこで、本発明では、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接において、アーク期間の後半部に発生しやすくなる磁気吹きによるアークの偏向を抑制し、かつ、良好な溶接状態を維持することができるアーク溶接方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
予め定めた溶接電流設定値に対応した送給速度で溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接方法において、
前記アーク期間中の溶接電流の値が前記溶接電流設定値に基づいて設定された基準電流値未満であることを判別したときは、前記溶接電流を振動波形にする、
ことを特徴とするアーク溶接方法である。
請求項2の発明は、前記アーク期間中の前記溶接電流の値が前記基準電流値未満であることを判別し、かつ、溶接電圧の上昇状態によって磁気吹きの発生を判別したときは、前記溶接電流を振動波形にする、
ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接方法である。
本発明によれば、溶接電流を振動波形にすることによってアークの硬直性が強くなるので、磁気吹きによるアークの偏向を抑制することができる。かつ、振動周期ごとの平均溶接電流値は増加しないので、次の短絡へと円滑に移行させることができ、良好な溶接状態を維持することができる。このために、本発明では、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接において、アーク期間の後半部に発生しやすくなる磁気吹きによるアークの偏向を抑制し、かつ、良好な溶接状態を維持することができる。
本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を説明するための図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係るアーク溶接方法を説明するための図3の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。 従来技術において、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返す消耗電極式アーク溶接における電流・電圧波形図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、出力電圧Eを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器、上記の誤差増幅信号Eaを入力としてパルス幅変調制御を行う変調回路、パルス幅変調制御信号を入力としてインバータ回路のスイッチング素子を駆動するインバータ駆動回路を備えている。
リアクトルWLは、上記の出力電圧Eを平滑する。
送給モータWMは、後述する送給制御信号Fcを入力として、溶接ワイヤ1を定速で送給する。溶接ワイヤ1は、上記の送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接トーチ4内の給電チップ(図示は省略)と母材2との間には溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号Vdを出力する。短絡判別回路SDは、この電圧検出信号vdを入力として、この値が予め定めた短絡判別値未満のときは短絡期間であると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間であると判別してLowレベルとなる短絡判別信号Sdを出力する。この短絡判別値は、15V程度に設定される。
溶接電流設定回路IRは、予め定めた溶接電流設定信号Irを出力する。送給速度設定回路FRは、この溶接電流設定信号Irを入力として、予め定めた電流・送給速度変換関数によって送給速度を算出して、送給速度設定信号Frを出力する。電流・送給速度変換関数は、溶接電流の平均値と送給速度との関係を示す関数であり、溶接ワイヤの材質、直径及びシールドガスの種類の組合せ条件ごとに、予め実験によって算出しておく。送給制御回路FCは、この送給速度設定信号Frを入力として、この設定値に相当する送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。したがって、溶接ワイヤ1は、溶接電流設定信号Irに対応した送給速度で送給される。溶接電流設定信号Irは、溶接電流Iwの平均値を設定することになる。
電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、電流検出信号Idを出力する。基準電流値設定回路ITは、上記の溶接電流設定信号Irを入力として、予め定めた基準電流値変換関数によって基準電流値を算出して、基準電流値信号Itを出力する。基準電流値変換関数It=f(Ir)は、例えばIt=α・Irであり、係数αは0.2〜0.4程度の範囲で設定される。この関数及び係数αは、溶接電流Iwの平均値と磁気吹きが発生しやすくなる電流値との関係を示す関数であり、予め実験によって算出しておく。関数及び係数αは、溶接継手、母材への溶接ケーブルの接続位置等の条件が溶接現場ごとに異なるので、溶接現場ごとに微調整することが望ましい。
電流比較回路CPは、上記の短絡判別信号Sd、上記の電流検出信号Id及び上記の基準電流値信号Itを入力として、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときにId<ItとなるとHighレベルにセットされ、その後に短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)になるとLowレベルにリセットされる電流比較信号Cpを出力する。この電流比較信号CpがHighレベルのときは、磁気吹きが発生しやすい溶接電流Iwの値であることを示している。
出力電圧設定回路ERは、予め定めた出力電圧設定信号Erを出力する。出力電圧検出回路EDは、上記の出力電圧Eを検出し平滑して、出力電圧検出信号Edを出力する。
振動周期設定回路TRは、予め定めた振動周期設定信号Trを出力する。振動振幅設定回路WRは、予め定めた振動振幅設定信号Wrを出力する。
出力電圧制御設定回路ECRは、上記の出力電圧設定信号Er、上記の電流比較信号Cp、上記の振動周期設定信号Tr及び上記の振動振幅設定信号Wrを入力として、電流比較信号CpがLowレベルのときは出力電圧設定信号Erをそのまま出力電圧制御設定信号Ecrとして出力し、電流比較信号CpがHighレベルのときは振動周期設定信号Trによって設定された振動周期及び振動振幅設定信号Wrによって設定された振動振幅によって振動する波形を出力電圧設定信号Erに重畳して出力電圧制御設定信号Ecrとして出力する。これにより、アーク期間中の溶接電流Iwの値が、溶接電流設定信号Irに対応して設定された基準電流値信号Itの値未満になったときは、溶接電圧Vwを振動波形にすることによって、溶接電流Iwを振動波形にしている。この出力電圧制御設定信号Ecrが、定電圧制御の電圧目標値となる。
誤差増幅回路EAは、この出力電圧制御設定信号Ecr及び上記の出力電圧検出信号Edを入力として、出力電圧制御設定信号Ecr(+)と出力電圧検出信号Ed(−)との誤差を増幅して、誤差増幅信号Eaを出力する。この回路によって、溶接電源は定電圧制御される。
図2は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を説明するための図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流Iw(実線)及び基準電流値信号It(破線)の時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(C)は定電圧制御の電圧目標値である出力電圧制御設定信号Ecrの時間変化を示し、同図(D)は電流比較信号Cpの時間変化を示す。同図は上述した図5と対応しており、同一の動作についての説明は繰り返さない。同図は、図5とは時刻t21〜t3の期間の動作のみが異なっている。以下、同図を参照してこの異なる動作の期間について説明する。
時刻t1〜t2の短絡期間中は、同図(C)に示すように、出力電圧制御設定信号Ecrの値は出力電圧設定信号Erの値と同一値であり、一定値となる。このために、短絡期間中の動作は、図5と同一となる。したがって、短絡期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは次第に増加し、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値となる。
同図(A)の破線で示す基準電流値信号Itの値は、平均溶接電流値を設定するための溶接電流設定信号Irを入力とする基準電流値変換関数によって設定された所定値となっている。例えば、基準電流値変換関数をIt=0.3×Irとすると、基準電流値信号Itの値は、平均電流値の30%の値となる。
時刻t2〜t21のアーク期間の前半部は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値よりも大きいので、同図(D)に示すように、電流比較信号CpはLowレベルのままである。このために、同図(C)に示すように、出力電圧制御設定信号Ecr=Erのままであり、一定値である。したがって、この期間中の動作も図5と同一となり、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは次第に減少し、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値となり、次第に減少する。
時刻t21において、同図(A)に示すように、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となるので、同図(D)に示すように、電流比較信号CpはHighレベルに変化する。この電流比較信号Cpは、次の短絡が発生する時刻t3までHighレベルを維持する。すなわち、電流比較信号Cpは、時刻t21〜t3のアーク期間の後半部はHighレベルとなる。これに応動して、同図(C)に示すように、出力電圧制御設定信号Ecrは、出力電圧設定信号Erの値を中心値として、振動周期設定信号Trによって設定された振動周期及び振動振幅設定信号Wrによって設定された振動振幅で矩形波状に振動する波形となる。このために、時刻t21〜t3の期間中は、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは三角波状に振動する波形となるので、同図(A)に示すように、溶接電流Iwも三角波状に振動する波形となる。出力電圧制御設定信号Ecrが矩形波であるにもかかわらず、溶接電圧Vw及び溶接電流Iwが三角波となるのは、リアクトルWLのインダクタンスによって波形が鈍るためである。したがって、出力電圧制御設定信号Ecrは、三角波状、正弦波状、台形波状等に振動する波形でも良い。
時刻t21〜t3のアーク期間の後半部では、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となるので、磁気吹きが発生した場合にアークが偏向しやすい状態にある。この状態において、溶接電流Iwを振動波形にすると、平均値が同一であってもアークの硬直性が強くなる。この結果、磁界から偏向する力を受けても対抗することができ、アークの偏向を抑制することができる。すなわち、溶接電流Iwを振動波形にすることによって、磁気吹きによるアークの偏向を抑制することができる。かつ、溶接電流Iwの振動周期ごとの平均値は増加しないので、次の短絡期間に円滑に移行することができる。
アーク期間の全期間中の溶接電流Iwを振動波形にすることも考えられるが、このようにすると電流値が大きいときにスパッタ発生量が増加する欠点がある。このために、スパッタ発生量が増加することがない基準電流値信号Itの値未満で振動波形になるようにしている。
上記の振動周期設定信号Tr及び振動振幅設定信号Wrは、アークの硬直性が磁界からの力に対抗することができる状態となる値に設定される。振動周期設定信号Trは500〜5000Hzの範囲に設定され、振動振幅設定信号Wrは30〜50Aの範囲に設定される。
上述した実施の形態1によれば、アーク期間中の溶接電流の値が溶接電流設定信号の値に基づいて設定された基準電流値未満であることを判別したときは、溶接電流を振動波形にする。これにより、アークの硬直性が強くなるので、磁気吹きによるアークの偏向を抑制することができる。かつ、振動周期ごとの平均溶接電流値は増加しないので、次の短絡へと円滑に移行させることができ、良好な溶接状態を維持することができる。このために、本実施の形態では、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接において、アーク期間の後半部に発生しやすくなる磁気吹きによるアークの偏向を抑制し、かつ、良好な溶接状態を維持することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2の発明は、アーク期間中の溶接電流の値が基準電流値未満であることを判別し、かつ、溶接電圧の上昇状態によって磁気吹きの発生を判別したときは、溶接電流を振動波形にするものである。
図3は、本発明の実施の形態2に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図は上述した図1と対応しており、同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は繰り返さない。同図は、図1の電流比較回路CPを第2電流比較回路CP2に置換したものである。以下、この異なるブロックについて同図を参照して説明する。
第2電流比較回路CP2は、短絡判別信号Sd、電流検出信号Id、基準電流値信号It及び電圧検出信号Vdを入力として、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときにId<Itとなり、かつ、電圧検出信号Vdの上昇率が予め定めた基準上昇率以上となったときはHighレベルにセットされ、その後に短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)になるとLowレベルにリセットされる電流比較信号Cpを出力する。この電流比較信号CpがHighレベルのときは、磁気吹きが発生しやすい溶接電流Iwの値であり、かつ、溶接電圧Vwの上昇率(微分値)が基準上昇値以上であり磁気吹きの発生の初期状態にあることを示している。
図4は、本発明の実施の形態2に係るアーク溶接方法を説明するための図2の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流Iw(実線)及び基準電流値信号It(破線)の時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(C)は定電圧制御の電圧目標値である出力電圧制御設定信号Ecrの時間変化を示し、同図(D)は電流比較信号Cpの時間変化を示す。同図は上述した図2と対応しており、同一の動作についての説明は繰り返さない。同図は、図2とは時刻t21〜t3の期間の動作のみが異なっている。以下、同図を参照してこの異なる動作の期間について説明する。
時刻t21において、同図(A)に示すように、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となる。さらに、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwが時刻t22の少し前から減少から上昇に変わり、時刻t22においてその上昇率が予め定めた基準上昇率に達すると、同図(D)に示すように、電流比較信号Cpは時刻t22においてHighレベルに変化する。この電流比較信号Cpは、次の短絡が発生する時刻t3までHighレベルを維持する。すなわち、電流比較信号Cpは、時刻t22〜t3のアーク期間の後半部はHighレベルとなる。これに応動して、同図(C)に示すように、出力電圧制御設定信号Ecrは矩形波状に振動する波形となる。このために、時刻t22〜t3の期間中は、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは三角波状に振動する波形となるので、同図(A)に示すように、溶接電流Iwも三角波状に振動する波形となる。
時刻t22〜t3のアーク期間の後半部では、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となり、かつ、溶接電圧Vwの上昇率が基準上昇率以上となるので、磁気吹きの初期状態であり、このまま磁気吹きが進行するとアークが大きく偏向される状態にある。この状態において、溶接電流Iwを振動波形にすると、平均値が同一であってもアークの硬直性が強くなる。この結果、磁界から偏向する力を受けても対抗することができ、アークの偏向を抑制することができる。すなわち、溶接電流Iwを振動波形にすることによって、磁気吹きによるアークの偏向を抑制することができる。かつ、溶接電流Iwの振動周期ごとの平均値は増加しないので、次の短絡期間に円滑に移行させることができる。
実施の形態1では、溶接電流Iwの値が基準電流値信号It未満であれば、磁気吹きが発生していなくても溶接電流Iwを振動波形にすることになる。このような場合には、ビード外観が少し悪くなる場合が生じる。これに対して、実施の形態2では、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となり、かつ、溶接電圧Vwの上昇率が基準上昇率以上となり磁気吹きの初期状態になったときにのみ溶接電流Iwを振動波形にするので、上記のような問題は発生しない。
また、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値以上のときに、溶接電圧Vwの上昇率が基準上昇率以上となっても、溶接電流Iwの値が大きいために、アークの硬直性が強いので、アークの偏向は大きくならない。したがって、この場合には、溶接電流Iwを振動波形にして、スパッタ発生量が増加するようにしても意味がない。
上述した実施の形態2によれば、アーク期間中の溶接電流の値が基準電流値未満であることを判別し、かつ、溶接電圧の上昇状態によって磁気吹きの発生を判別したときは、溶接電流を振動波形にする。これにより、実施の形態1の効果に加えて、溶接電流の値が基準電流値未満であるが、磁気吹きが発生していないときは、溶接電流を振動波形にしないので、ビード外観が悪くなることを抑制することができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
CP 電流比較回路
Cp 電流比較信号
CP2 第2電流比較回路
E 出力電圧
EA 誤差増幅回路
Ea 誤差増幅信号
ECR 出力電圧制御設定回路
Ecr 出力電圧制御設定信号
ED 出力電圧検出回路
Ed 出力電圧検出信号
ER 出力電圧設定回路
Er 出力電圧設定信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
IR 溶接電流設定回路
Ir 溶接電流設定信号
IT 基準電流値設定回路
It 基準電流値信号
Iw 溶接電流
PM 電源主回路
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
TR 振動周期設定回路
Tr 振動周期設定信号
VD 電圧検出回路
vd 電圧検出信号
Vw 溶接電圧
WL リアクトル
WM 送給モータ
WR 振動振幅設定回路
Wr 振動振幅設定信号
α 係数

Claims (2)

  1. 予め定めた溶接電流設定値に対応した送給速度で溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接方法において、
    前記アーク期間中の溶接電流の値が前記溶接電流設定値に基づいて設定された基準電流値未満であることを判別したときは、前記溶接電流を振動波形にする、
    ことを特徴とするアーク溶接方法。
  2. 前記アーク期間中の前記溶接電流の値が前記基準電流値未満であることを判別し、かつ、溶接電圧の上昇状態によって磁気吹きの発生を判別したときは、前記溶接電流を振動波形にする、
    ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接方法。
JP2014023192A 2014-02-10 2014-02-10 アーク溶接方法 Active JP6198324B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014023192A JP6198324B2 (ja) 2014-02-10 2014-02-10 アーク溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014023192A JP6198324B2 (ja) 2014-02-10 2014-02-10 アーク溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015147245A JP2015147245A (ja) 2015-08-20
JP6198324B2 true JP6198324B2 (ja) 2017-09-20

Family

ID=53891073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014023192A Active JP6198324B2 (ja) 2014-02-10 2014-02-10 アーク溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6198324B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5985370A (ja) * 1982-11-05 1984-05-17 Mitsubishi Electric Corp パルスア−ク溶接のア−クブロ−抑制方法
JPS59218273A (ja) * 1983-05-27 1984-12-08 Hitachi Seiko Ltd 消耗電極式パルスア−ク溶接機
JPH0259176A (ja) * 1988-08-26 1990-02-28 Sansha Electric Mfg Co Ltd 消耗電極式アーク溶接用電源の出力制御方法
US8723081B2 (en) * 2007-02-28 2014-05-13 Panasonic Corporation Welding output control method and arc welding equipment

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015147245A (ja) 2015-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6555818B2 (ja) アーク溶接制御方法
JP2010234441A (ja) 交流パルスアーク溶接制御方法
JP2012006020A (ja) アーク溶接制御方法
JP6537137B2 (ja) 正逆送給アーク溶接方法
JP2018001270A (ja) アーク溶接制御方法
JP6472387B2 (ja) アーク溶接制御方法
US20220032388A1 (en) Welding power source, welding system, welding power source control method, and program
JP2014024077A (ja) パルスアーク溶接制御方法
US11724329B2 (en) Arc welding control method
WO2015141664A1 (ja) アーク溶接制御方法
JP6396162B2 (ja) アーク溶接制御方法
JP6198324B2 (ja) アーク溶接方法
JP5943460B2 (ja) 消耗電極アーク溶接のアークスタート制御方法
JP5851798B2 (ja) 消耗電極アーク溶接のくびれ検出時電流制御方法
WO2015166793A1 (ja) アーク溶接制御方法
JP6198326B2 (ja) アーク溶接方法
JP6261614B2 (ja) アーク溶接制御方法
JP6347721B2 (ja) アーク溶接制御方法
JP2016087610A (ja) アーク溶接の状態監視方法
JP6516291B2 (ja) 正逆送給アーク溶接方法
JP6198327B2 (ja) アーク溶接制御方法
JP6941410B2 (ja) パルスアーク溶接制御方法
JP6396139B2 (ja) アーク溶接方法
JP6593919B2 (ja) 正逆送給交流アーク溶接方法
JP2015231632A (ja) アーク溶接制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6198324

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250