JP6198326B2 - アーク溶接方法 - Google Patents

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本発明は、溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接方法における磁気吹き対策に関するものである。
図5は、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返す消耗電極式アーク溶接における電流・電圧波形図である。同図(A)は溶接電流Iwの波形を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの波形を示し、同図(C)は溶接ワイヤの送給速度Fwの波形を示す。以下、同図を参照して説明する。
消耗電極式アーク溶接には定電圧制御の溶接電源が使用される。同図(C)に示すように、送給速度Fwは一定値であり、溶接ワイヤは定速送給されている。
時刻t1〜t2の短絡期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは次第に増加し、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値になる。
時刻t2〜t3のアーク期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは次第に減少し、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値となり、次第に減少する。
アーク期間中に溶接ワイヤの先端に溶滴が形成され、短絡期間中に溶滴は溶融池へと移行する。
ところで、消耗電極式アーク溶接においては、母材を通電する溶接電流によってアーク周辺部に磁界が形成されて、この磁界からアークは力を受けて偏向する場合がある。このような状態を、一般的に磁気吹き又はアークブローと呼んでいる。磁気吹きが発生するかは、母材に通電する溶接電流によって形成される磁界の形態によって決まる。溶接電流の値、溶接継手、母材への溶接ケーブルの接続位置等の条件によって磁気吹きが発生しやすくなる。溶接電流の値が小さくなると、アークの硬直性が弱くなるために、磁界から小さな力が作用しただけでアークの偏向が生じることになる。すなわち、溶接電流の値が小さくなると、磁気吹きが発生しやすくなる。このために、同図(A)に示すように、時刻t2〜t3のアーク期間の後半部では溶接電流Iwの値が小さくなるので、磁気吹きが発生しやすくなる。磁気吹きが発生すると、アークが偏向するために、ビードの蛇行、アーク切れ等が発生して溶接品質が悪くなる。
特許文献1の発明では、ピーク電流とベース電流との通電を繰り返す消耗電極パルスアーク溶接において、ベース電流の通電期間中に溶接電圧の上昇率が基準上昇率以上になったことによって磁気吹きの発生を判別し、磁気吹きの発生を判別したときはベース電流を増加させることによってアークの偏向を防止するものである。
特許文献2の発明では、アーク期間が予め定めた基準期間以上になったときは送給速度を速くして、短絡を早期に誘発するものである。これにより、溶滴の過熱及び巨大化を抑制することができるので、溶接品質を改善することができる。
特開2004−268081号公報 特開2012−6020号公報
短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接に対して、特許文献1の磁気吹き対策を採用した場合、磁気吹きを判別するとアーク期間の後半部に溶接電流を増加させることになる。しかし、アーク期間の後半部に溶接電流を増加させると、アークからの反発力によって溶滴が持ち上げられることになり、短絡期間へと円滑に移行しなくなる。このような状態になると、磁気吹きによるアークの偏向は抑制することができても、溶接状態が不安定になり、スパッタ発生量が増加することになる。
そこで、本発明では、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接において、アーク期間の後半部に発生しやすくなる磁気吹きによるアークの偏向を抑制し、かつ、良好な溶接状態を維持することができるアーク溶接方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
予め定めた溶接電流設定値に対応した送給速度で溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接方法において、
前記アーク期間中の溶接電流の値が前記溶接電流設定値に基づいて設定された基準電流値未満であることを判別したときは、前記送給速度を速くする、
ことを特徴とするアーク溶接方法である。
請求項2の発明は、前記アーク期間中の前記溶接電流の値が前記基準電流値未満であることを判別し、かつ、溶接電圧の上昇状態によって磁気吹きの発生を判別したときは、前記送給速度を早くする、
ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接方法である。
本発明によれば、送給速度を速くすることによってアーク長が急速に短くなるので、磁気吹きによるアークの偏向を抑制することができる。かつ、溶接電流は増加しないので、次の短絡へと円滑に移行させることができ、良好な溶接状態を維持することができる。このために、本発明では、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接において、アーク期間の後半部に発生しやすくなる磁気吹きによるアークの偏向を抑制し、かつ、良好な溶接状態を維持することができる。
本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を説明するための図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係るアーク溶接方法を説明するための図3の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。 従来技術において、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返す消耗電極式アーク溶接における電流・電圧波形図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、出力電圧Eを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器、上記の誤差増幅信号Eaを入力としてパルス幅変調制御を行う変調回路、パルス幅変調制御信号を入力としてインバータ回路のスイッチング素子を駆動するインバータ駆動回路を備えている。
リアクトルWLは、上記の出力電圧Eを平滑する。
送給モータWMは、後述する送給制御信号Fcを入力として、溶接ワイヤ1を送給速度Fwで送給する。溶接ワイヤ1は、上記の送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接トーチ4内の給電チップ(図示は省略)と母材2との間には溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号vdを出力する。短絡判別回路SDは、この電圧検出信号vdを入力として、この値が予め定めた短絡判別値未満のときは短絡期間であると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間であると判別してLowレベルとなる短絡判別信号Sdを出力する。この短絡判別値は、15V程度に設定される。
溶接電流設定回路IRは、予め定めた溶接電流設定信号Irを出力する。電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、電流検出信号Idを出力する。基準電流値設定回路ITは、上記の溶接電流設定信号Irを入力として、予め定めた基準電流値変換関数によって基準電流値を算出して、基準電流値信号Itを出力する。基準電流値変換関数It=f(Ir)は、例えばIt=α・Irであり、係数αは0.2〜0.4程度の範囲で設定される。この関数及び係数αは、溶接電流Iwの平均値と磁気吹きが発生しやすくなる電流値との関係を示す関数であり、予め実験によって算出しておく。関数及び係数αは、溶接継手、母材への溶接ケーブルの接続位置等の条件が溶接現場ごとに異なるので、溶接現場ごとに微調整することが望ましい。
電流比較回路CPは、上記の短絡判別信号Sd、上記の電流検出信号Id及び上記の基準電流値信号Itを入力として、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときにId<ItとなるとHighレベルにセットされ、その後に短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)になるとLowレベルにリセットされる電流比較信号Cpを出力する。この電流比較信号CpがHighレベルのときは、磁気吹きが発生しやすい溶接電流Iwの値であることを示している。
送給速度設定回路FRは、上記の溶接電流設定信号Irを入力として、予め定めた電流・送給速度変換関数によって送給速度を算出して、送給速度設定信号Frを出力する。電流・送給速度変換関数は、溶接電流の平均値と送給速度との関係を示す関数であり、溶接ワイヤの材質、直径及びシールドガスの種類の組合せ条件ごとに、予め実験によって算出しておく。
送給速度制御設定回路FCRは、この送給速度設定信号Fr及び上記の電流比較信号Cpを入力として、電流比較信号CpがLowレベルのときは送給速度設定信号Frをそのまま送給速度制御設定信号Fcrとして出力し、電流比較信号CpがHighレベルのときは送給速度設定信号Frの値に予め定めた加速値を加算して送給速度制御設定信号Fcrとして出力する。これにより、アーク期間中の溶接電流Iwの値が、溶接電流設定信号Irに対応して設定された基準電流値信号Itの値未満になったときは、送給速度Fwを速くしている。
送給制御回路FCは、この送給速度制御設定信号Fcrを入力として、この設定値に相当する送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。したがって、溶接ワイヤ1は、電流比較信号CpがHighレベルの期間以外の期間中は溶接電流設定信号Irに対応した送給速度で送給される。溶接電流設定信号Irは、溶接電流Iwの平均値を設定することになる。
出力電圧設定回路ERは、予め定めた出力電圧設定信号Erを出力する。出力電圧検出回路EDは、上記の出力電圧Eを検出し平滑して、出力電圧検出信号Edを出力する。
誤差増幅回路EAは、この出力電圧設定信号Er及び上記の出力電圧検出信号Edを入力として、出力電圧設定信号Er(+)と出力電圧検出信号Ed(−)との誤差を増幅して、誤差増幅信号Eaを出力する。この回路によって、溶接電源は定電圧制御される。
図2は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接方法を説明するための図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流Iw(実線)及び基準電流値信号It(破線)の時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(C)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(D)は電流比較信号Cpの時間変化を示す。同図は上述した図5と対応しており、同一の動作についての説明は繰り返さない。同図は、図5とは時刻t21〜t3の期間の動作のみが異なっている。以下、同図を参照してこの異なる動作の期間について説明する。
時刻t1〜t2の短絡期間中は、同図(C)に示すように、送給速度Fwは送給速度設定信号Frによって設定された送給速度となり、一定値となる。このために、短絡期間中の動作は、図5と同一となる。したがって、短絡期間中は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは次第に増加し、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値となる。
同図(A)の破線で示す基準電流値信号Itの値は、平均溶接電流値を設定するための溶接電流設定信号Irを入力とする基準電流値変換関数によって設定された所定値となっている。例えば、基準電流値変換関数をIt=0.3×Irとすると、基準電流値信号Itの値は、平均電流値の30%の値となる。
時刻t2〜t21のアーク期間の前半部は、同図(A)に示すように、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値よりも大きいので、同図(D)に示すように、電流比較信号CpはLowレベルのままである。このために、同図(C)に示すように、送給速度Fwは、短絡期間と同様に、送給速度設定信号Frによって設定された送給速度となり、一定値となる。したがって、この期間中の動作も図5と同一となり、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは次第に減少し、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値となり、次第に減少する。
時刻t21において、同図(A)に示すように、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となるので、同図(D)に示すように、電流比較信号CpはHighレベルに変化する。この電流比較信号Cpは、次の短絡が発生する時刻t3までHighレベルを維持する。すなわち、電流比較信号Cpは、時刻t21〜t3のアーク期間の後半部はHighレベルとなる。これに応動して、同図(C)に示すように、送給速度Fwは、送給速度設定信号Frの値に予め定めた加速値を加算した送給速度となる。このために、時刻t21〜t3の期間中は、送給速度Fwが速くなるためにアーク長が短くなる速度が速くなるので、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは時刻t21以前よりも急峻に減少し、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは時刻t21以前とあまり変化しない。
時刻t21〜t3のアーク期間の後半部では、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となるので、磁気吹きが発生した場合にアークが偏向しやすい状態にある。この状態において、送給速度Fwを速くするとアーク長が急峻に短くなるために、磁界から力を受けてもアークの偏向は生じにくくなる。すなわち、送給速度Fwを速くすることによって、磁気吹きによるアークの偏向を抑制することができる。かつ、溶接電流Iwは増加しないので、次の短絡期間に円滑に移行することができる。
上記の送給速度Fwを速くする加速値は、磁界からの力を受けてもアークの変更が溶接品質に影響を与えない程度になる値に設定される。例えば、加速値は送給速度設定信号Frの値の50%に設定される。
上述した実施の形態1によれば、アーク期間中の溶接電流の値が溶接電流設定信号の値に基づいて設定された基準電流値未満であることを判別したときは、送給速度を速くする。これにより、アーク長が急速に短くなるので、磁気吹きによるアークの偏向を抑制することができる。かつ、溶接電流は増加しないので、次の短絡へと円滑に移行させることができ、良好な溶接状態を維持することができる。このために、本実施の形態では、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接において、アーク期間の後半部に発生しやすくなる磁気吹きによるアークの偏向を抑制し、かつ、良好な溶接状態を維持することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2の発明は、アーク期間中の溶接電流の値が基準電流値未満であることを判別し、かつ、溶接電圧の上昇状態によって磁気吹きの発生を判別したときは、送給速度を速くするものである。
図3は、本発明の実施の形態2に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図は上述した図1と対応しており、同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は繰り返さない。同図は、図1の電流比較回路CPを第2電流比較回路CP2に置換したものである。以下、この異なるブロックについて同図を参照して説明する。
第2電流比較回路CP2は、短絡判別信号Sd、電流検出信号Id、基準電流値信号It及び電圧検出信号Vdを入力として、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときにId<Itとなり、かつ、電圧検出信号Vdの上昇率が予め定めた基準上昇率以上となったときはHighレベルにセットされ、その後に短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)になるとLowレベルにリセットされる電流比較信号Cpを出力する。この電流比較信号CpがHighレベルのときは、磁気吹きが発生しやすい溶接電流Iwの値であり、かつ、溶接電圧Vwの上昇率(微分値)が基準上昇値以上であり磁気吹きの発生の初期状態にあることを示している。
図4は、本発明の実施の形態2に係るアーク溶接方法を説明するための図2の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流Iw(実線)及び基準電流値信号It(破線)の時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(C)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(D)は電流比較信号Cpの時間変化を示す。同図は上述した図2と対応しており、同一の動作についての説明は繰り返さない。同図は、図2とは時刻t21〜t3の期間の動作のみが異なっている。以下、同図を参照してこの異なる動作の期間について説明する。
時刻t21において、同図(A)に示すように、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となる。さらに、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwが時刻t22の少し前から減少から上昇に変わり、時刻t22においてその上昇率が予め定めた基準上昇率に達すると、同図(D)に示すように、電流比較信号Cpは時刻t22においてHighレベルに変化する。この電流比較信号Cpは、次の短絡が発生する時刻t3までHighレベルを維持する。すなわち、電流比較信号Cpは、時刻t22〜t3のアーク期間の後半部はHighレベルとなる。これに応動して、同図(C)に示すように、送給速度Fwは、送給速度設定信号Frの値に予め定めた加速値を加算した送給速度となる。このために、時刻t22〜t3の期間中は、送給速度Fwが速くなるためにアーク長が短くなる速度が速くなるので、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは時刻t22の少し前から上昇していた状態から減少へと転じ、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは時刻t22以前とあまり変化しない。
時刻t22〜t3のアーク期間の後半部では、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となり、かつ、溶接電圧Vwの上昇率が基準上昇率以上となるので、磁気吹きの初期状態であり、このまま磁気吹きが進行するとアークが大きく偏向される状態にある。この状態において、送給速度Fwを速くするとアーク長が急峻に短くなるために、磁界から力を受けてもアークの偏向は生じにくくなる。すなわち、送給速度Fwを速くすることによって、磁気吹きによるアークの偏向を抑制することができる。かつ、溶接電流Iwは増加しないので、次の短絡期間に円滑に移行することができる。
実施の形態1では、溶接電流Iwの値が基準電流値信号It未満であれば、磁気吹きが発生していなくても送給速度Fwを速くすることになる。このような場合には、ビード外観が少し悪くなる場合が生じる。これに対して、実施の形態2では、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値未満となり、かつ、溶接電圧Vwの上昇率が基準上昇率以上となり磁気吹きの初期状態になったときにのみ送給速度Fwを速くするので、上記のような問題は発生しない。
また、溶接電流Iwの値が基準電流値信号Itの値以上のときに、溶接電圧Vwの上昇率が基準上昇率以上となっても、溶接電流Iwの値が大きいために、アークの硬直性が強いので、アークの偏向は大きくならない。しかも、溶接電流Iwの値が大きいときに送給速度Fwを速くすると、溶接状態が不安定になる。
上述した実施の形態2によれば、アーク期間中の溶接電流の値が基準電流値未満であることを判別し、かつ、溶接電圧の上昇状態によって磁気吹きの発生を判別したときは、送給速度を速くする。これにより、実施の形態1の効果に加えて、溶接電流の値が基準電流値未満であるが、磁気吹きが発生していないときは、送給速度を速くしないので、ビード外観が悪くなることを抑制することができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
CP 電流比較回路
Cp 電流比較信号
CP2 第2電流比較回路
E 出力電圧
EA 誤差増幅回路
Ea 誤差増幅信号
ED 出力電圧検出回路
Ed 出力電圧検出信号
ER 出力電圧設定回路
Er 出力電圧設定信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FCR 送給速度制御設定回路
Fcr 送給速度制御設定信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
IR 溶接電流設定回路
Ir 溶接電流設定信号
IT 基準電流値設定回路
It 基準電流値信号
Iw 溶接電流
PM 電源主回路
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
VD 電圧検出回路
vd 電圧検出信号
Vw 溶接電圧
WL リアクトル
WM 送給モータ
α 係数

Claims (2)

  1. 予め定めた溶接電流設定値に対応した送給速度で溶接ワイヤを送給し、短絡期間とアーク期間とを交互に繰り返すアーク溶接方法において、
    前記アーク期間中の溶接電流の値が前記溶接電流設定値に基づいて設定された基準電流値未満であることを判別したときは、前記送給速度を速くする、
    ことを特徴とするアーク溶接方法。
  2. 前記アーク期間中の前記溶接電流の値が前記基準電流値未満であることを判別し、かつ、溶接電圧の上昇状態によって磁気吹きの発生を判別したときは、前記送給速度を早くする、
    ことを特徴とする請求項1記載のアーク溶接方法。
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