以下、本発明の第一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態に係る低圧電気計器用ケーブル接続具(以下、単に接続具という。)の説明に先立ち、該接続具の接続対象となる低圧電気計器について概略説明する。
かかる低圧電気計器は、一般家庭や工場設備等に設置される従来からある既存の積算電力計やその他計器類であり、図1及び図2に示す如く、電源側(一次側)のケーブルL、及び、負荷側(二次側)のケーブルLを接続するためのケーブル接続部10を備えている。なお、低圧電気計器1は、ケーブル接続部10以外に、電力を計測するための計測手段(採番しない)や、計測手段によって取得された計測結果を表示するための表示部(採番しない)等を備えているが、これらの構成についての説明は割愛し、ここではケーブル接続部10についてのみ説明する。
ケーブル接続部10は、図2に示す如く、ケーブルLの導体Cを挿入する複数のケーブル挿入穴110…が横並びに形成された接続部本体11と、各ケーブル挿入穴110…に対応するように接続部本体11に螺入され、各ケーブル挿入穴110…内に先端部が出退可能に設けられた複数のケーブル押螺子12…とを備えている。
前記ケーブル挿入穴110…は、接続するケーブルLの数に対応して設けられるもので、単相二線式である場合には、電源側のケーブルL及び負荷側のケーブルLのそれぞれが二本ずつ接続されるため、ケーブル接続部10(接続部本体11)には、電源側のケーブルLを挿入する二つのケーブル挿入穴110…と、負荷側のケーブルLを挿入する二つのケーブル挿入穴110…とが形成され、単相三線式、又は三相である場合には、電源側のケーブルL及び負荷側のケーブルLのそれぞれが三本ずつ接続されるため、図2に示す如く、ケーブル接続部10(接続部本体11)には、電源側のケーブルLを挿入する三つのケーブル挿入穴110…と、負荷側のケーブルLを挿入する三つのケーブル挿入穴110…とが形成される。
上記構成のケーブル接続部10は、各ケーブル挿入穴110…内に挿入されたケーブルLの導体Cをケーブル押螺子12…で押さえてケーブルLを接続するように構成されている。
本実施形態に係る接続具は、上記構成のケーブル接続部10を備えた低圧電気計器1を接続対象とするもので、図3及び図4(a)に示す如く、低圧電気計器1に接続すべきケーブルL…の数(本実施形態においては六本)に対応して設けられた複数のケーブル接続体20…と、複数のケーブル接続体20…を保持する保持体25とを備えている。
そして、低圧電気計器1が単相二線式を対象とする場合、低圧電気計器1に対して電源側のケーブルL及び負荷側のケーブルLのそれぞれを二本ずつ接続しなければならないため、ケーブル接続体20…は、電源側として二つ、負荷側として二つ設けられる。これに対し、低圧電気計器1が単相三線式、又は三相を対象とする場合、低圧電気計器1に対して電源側のケーブルL及び負荷側のケーブルLのそれぞれを三本ずつ接続しなければならないため、ケーブル接続体20…は、電源側として三つ、負荷側として三つ設けられる。なお、図1及び図2に示す低圧電気計器1は、三相を対象としており、本実施形態に係る接続具2は、これを対象にしてケーブル接続体20…が六つ設けられている。
そして、各ケーブル接続体20…は、図4(b)に示す如く、ケーブル挿入穴110…に挿入される導電性を有する挿入部200と、挿入部200に対して電気的に接続されるとともに、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3(図3及び図5参照)が圧入可能な導電性を有する接続端子部210とを備えている。また、本実施形態に係るケーブル接続体20…は、それぞれ自己の接続端子部210を包囲する筒状の絶縁端子カバー部220を備えている。
より具体的に説明すると、本実施形態に係るケーブル接続体20…は、挿入部200及び接続端子部210が一体的に成型された導電部材21と、挿入部200を除いて導電部材21を覆う被覆部材22とを備えている。
前記導電部材21は、銅やアルミ等の導電性に優れた金属材料で成型されたもので、挿入部200、接続端子部210に加え、これらを接続する接続導電部215を備えている。前記挿入部200は、ケーブル挿入穴110…に挿入(遊挿)可能な外径に設定される。本実施形態に係る導電部材21は、挿入部200と接続導電部215とが連続して形成されており、これらが同径で且つ同心をなしている。すなわち、挿入部200及び接続導電部215は、一本の円柱体で形成されている。
前記接続端子部210は、所定の間隔をあけて配置された一対の導電性端子片211,211を備えている。一対の導電性端子片211,211は、絶縁端子カバー部220の開口端から進入させた接続子3を挟持可能に構成されている。すなわち、一対の導電性端子片211,211は、接続子3の厚みよりもやや狭い間隔をあけて配置されており、挿入された接続子3を自己の弾性によって挟み込んで挟持するようになっている。一対の導電性端子片211,211のそれぞれは、一端(基端部)が接続導電部215の端面に接続されている。また、一対の導電性端子片211,211は、他端部(先端部)が相手側の導電性端子片211,211から遠ざかるように折り曲げられており、先端部において、基端側から先端に向けて互いの間隔が拡大している。これにより、一対の導電性端子片211,211は、接続子3を他端側から容易に挿入できるようになっている。
前記被覆部材22は、絶縁材料(例えば、樹脂)を成型したもので、一面から接続端子部210を突出させるとともに、前記一面とは反対の面側から挿入部200を突出させるように、接続導電部215を被覆したブロック状の被覆部材本体221と、該被覆部材22の一面に突設され、接続端子部210を包囲した筒状の絶縁端子カバー部220とを備えている。なお、本実施形態に係る被覆部材22は、被覆部材本体221の挿入部200の突出した面上に筒状部222が形成されており、被覆部材本体221及び筒状部222で接続導電部215全体を被覆している。
前記絶縁端子カバー部220は、後述する絶縁接続子カバー4(図3、及び図5参照)と螺合可能に形成されており、本実施形態においては、外周に雄ネジが形成されている。
本実施形態に係る接続具2は、図3及び図4(a)に示す如く、被覆部材本体221同士を密接させるように複数のケーブル接続体20…を横並びに配置することで、各ケーブル接続体20…の挿入部200の配置が低圧電気計器1のケーブル挿入穴110…の配置に対応した配置になるように構成されている。すなわち、各ケーブル接続体20…の被覆部材本体221は、横並びに配置したときに隣り合うケーブル接続体20…と互いに位置決めし合い、各挿入部200が低圧電気計器1のケーブル挿入穴110…に挿入できる配置になるようにサイズが設定されている。
前記保持体25は、図3及び図4(b)に示す如く、複数のケーブル接続体20…を保持するように構成されている。すなわち、保持体25は、複数のケーブル接続体20…を横並び状態で維持させつつ保持するように構成されている。
本実施形態に係る保持体25は、当該接続具2のケーシングであり、各ケーブル接続体20…を保持する保持部250と、該保持部250に保持されたケーブル接続体20…の接続端子部210、及びこれを包囲した絶縁端子カバー部220を覆うカバー260とを備えている。
前記保持部250は、図3、図4(a)及び図4(b)に示す如く、一面を開放させた箱状に形成されている。そして、保持部250は、開放した一面と対向する壁部250aにケーブル接続体20…の挿入部200を挿通させるための挿通穴251…が穿設されている。該保持部250は、複数のケーブル接続体20…の被覆部材本体221を略密接状態で一列に配置した状態で収容できるようになっており、各壁部250a,250b,250c,250d,250eとの接触で、各被覆部材本体221の移動を拘束するようになっている。これに伴い、開放した一面と対向する保持部250の壁部250aには、複数の挿通穴251…がケーブル接続体20…の配置に対応した間隔で穿設されている。なお、本実施形態においては、上述の如く、被覆部材本体221に筒状部222が突設されているため、前記挿入穴110…は、筒状部222を挿通できるように、穴径が筒状部222の外径よりも大きく設定されている。
そして、カバー260は、接続端子部210に対する外部からのアクセスを制限するために設けられたもので、本実施形態においては、保持体25を箱状に形成すべく枠状をなす壁部250b,250c,250d,250e(挿通穴251の形成された壁部250aの外周に接続された四つの壁部250b,250c,250d,250e)のうち、一つの壁部250bの先端に連設されたベースカバー261と、ベースカバー261が連設された壁部250aの両側にある二つの壁部(側壁部)250c,250dの先端に延設されるとともに、ベースカバー261の両端に接続された一対の側部カバー262,262と、ベースカバー261が連設された壁部250bと対向する壁部250eの先端部に枢着され、一対の側部カバー262,262間を開放する状態と閉塞する状態とに切り換え可能に設けられた可動カバー263とを備えている。本実施形態において、ベースカバー261及び可動カバー263は、ケーブル接続体20…の横並び方向に延びる壁部250b,250eに対して接続されている。そして、ベースカバー261及び可動カバー263の先端には、貫通穴Hの穿設された突片264,264が突設されており、ケーブルLを接続しないときに可動カバー263が開閉されないよう、両突片264,264の貫通穴Hに挿通した線材で封印できるように形成されている。
本実施形態に係る接続具2は、以上の構成からなり、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続することを前提としている。そこで、上記構成の接続具2にケーブルLを接続すべく、ケーブルLの先端に取り付けられる構成について説明する。
上記構成の接続具2にケーブルLを接続するために、ケーブルLには、図5に示す如く、接続子3と、接続子3を包囲する筒状の絶縁接続子カバー4とが取り付けられる。前記接続子3は、導電性に優れたアルミや銅等の金属材料で形成されており、本実施形態においては平面視短冊状に形成されている。該接続子3は、ケーブルLの先端部における絶縁被覆が剥がされて露呈した導体Cに対して電気的に接続されればよく、例えば、半田付け等で導体Cに接続してもよいが、本実施形態においては、接続子3の基端に対し、該接続子3と同じ素材で形成された筒状のスリーブ30が連設されている。すなわち、接続子3及びスリーブ30は、金属材料から一体的に成形されており、スリーブ30を導体Cに圧着することで、接続子3がケーブルLの導体Cに電気的に接続された状態で固定されるようになっている。
そして、前記絶縁接続子カバー4は、電気絶縁性を有する樹脂で成形したもので、ケーブルLの軸心周りで回転可能に取り付けられるようになっている。より具体的に説明すると、絶縁接続子カバー4は、接続子3を包囲するために筒状に形成されたカバー本体40と、該カバー本体40の一端に連設されて先細りしたテーパー筒状部41と、カバー本体40又はテーパー筒状部41の外周から径方向外方に延出した鍔状の把持部42とを備えている。前記カバー本体40は、絶縁端子カバー部220に内嵌可能な外径又は外嵌可能な内径に設定される。本実施形態に係るカバー本体40は、絶縁端子カバー部220に外嵌可能な内径に設定される。より具体的には、本実施形態に係るカバー本体40は、絶縁端子カバー部220に螺合できるように構成されており、絶縁端子カバー部220に対し、螺合することで外嵌した状態になるように構成されている。そのため、カバー本体40の内周には、絶縁端子カバー部220の雄ネジと螺合する雌ネジが形成されている。
前記テーパー筒状部41は、カバー本体40と一体的に成型されたもので、先端の内径が基端側よりも小さく、ケーブルLの外径(絶縁被覆の外径)と同等、或いはそれよりもやや大径に設定されている。前記把持部42は、カバー本体40及びテーパー筒状部41と一体的に成型されたもので、周方向に間隔をあけて複数の凹部420…が形成されている。かかる凹部420…は、作業者の指の一部が嵌り込むように形成されており、絶縁接続子カバー4をケーブルLの軸心回りで回転させる際に滑り止めとして機能するようになっている。
そして、本実施形態において、絶縁接続子カバー4がケーブルLから脱落するのを阻止するために抜止部材5をケーブルLに取り付けるようにしている。かかる抜止部材5は、導電性に優れた金属材料で形成されており、塑性変形可能な薄肉筒状部50と、薄肉筒状の一端から径方向外方に延出した鍔部51とを備えている。薄肉筒状部50は、ケーブルLの導体Cに外嵌できるように内径が設定されている。本実施形態において、薄肉筒状部50の内径は、ケーブルLの絶縁被覆の外径よりも小さく、ケーブルLの導体Cの外径よりも大きく設定されている。上記構成の抜止部材5は、薄肉筒状部50を導体Cに圧着した状態で、鍔部51が絶縁接続子カバー4(テーパー筒状部41)の内面に干渉するように形成されており、これによって絶縁接続子カバー4がケーブルLから脱落するのを阻止できるようになっている。なお、本実施形態において、ケーブルLに抜止部材5を取り付けるため、前記スリーブ30は、抜止部材5の薄肉筒状部50に外嵌できる内径に設定されている。
次に、これらをケーブルLに取り付ける方法について説明すると、まず、図6(a)に示す如く、絶縁接続子カバー4に対してテーパー筒状部41側からケーブルLを挿通させる。このとき、予めケーブルLの先端部における絶縁被覆を剥がしておくか、絶縁接続子カバー4にケーブルLを挿通させた後に、ケーブルLの先端部における絶縁被覆を剥がして導体Cを露呈させる。次いで、図6(b)に示す如く、抜止部材5に対して鍔部51側から導体Cを挿通させる。そして、鍔部51が絶縁被覆の端面と接触(干渉)した状態で、薄肉筒状部50をかしめて導体Cに圧着させる。そして、図6(c)に示す如く、スリーブ30を導体C(薄肉筒状部50及び導体C)に外嵌した上で、該スリーブ30をかしめて導体Cに対して直接的又は抜止部材5を介して間接的に圧着されることになる。そして、絶縁接続子カバー4をスライドさせると、テーパー筒状部41の内周に抜止部材5の鍔部51が干渉し、絶縁接続子カバー4が適正な配置で位置決めされることになる。すなわち、抜止部材5の鍔部51がテーパー筒状部41の内周面に干渉した状態で、カバー本体40が接続子3を完全に包囲し、接続子3の先端が絶縁接続子カバー4(カバー本体40)の先端よりも奥まった位置になる。そして、図6(d)に示す如く、ケーブルLを接続具2に接続するまでの間、絶縁接続子カバー4(カバー本体40)の先端部にキャップTを取り付けておく。このようにしておくことで、例えば、ケーブルLが活線状態である場合に、何らか(導電性のあるもの)が接続子3に接触することがなく、短絡事故の発生が抑えられる。
次に、低圧電気計器1に対する接続具2の取り付け方、及び接続部に対するケーブルLの接続の仕方について説明する。
まず、図7(a)に示す如く、各ケーブル接続体20…の挿入部200を低圧電気計器1のケーブル挿入穴110…に挿入し、しかる後に、図7(b)に示す如く、ドライバー等の工具でケーブル押螺子12を操作し、ケーブル押螺子12…で挿入部200を押さえる。この状態で、ケーブル押螺子12…を操作するドライバー等の工具が、隣接するケーブル押螺子12…や周辺のケーブル押螺子12…に接触しても、充電状態にあるケーブルLが接続されていないため、短絡事故が発生することはない。
そして、図7(c)に示す如く、可動カバー263を開ける。なお、言うまでもないが、封印されている場合には封印を解いて可動カバー263を開ける。そうすると、可動カバー263に覆われていた絶縁端子カバー部220が露呈することになり、図8(a)及び図8(b)に示す如く、該絶縁端子カバー部220内の接続端子部210に対し、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続する。そうすると、接続端子部210を包囲した絶縁端子カバー部220に接続子3も包囲された状態になる。
本実施形態において、上述の如く、ケーブルLに絶縁接続子カバー4が取り付けられているため、把持部42を持って絶縁接続子カバー4をケーブルLの軸心周りで回転させ、カバー本体40を絶縁端子カバー部220に螺合させると、絶縁接続子カバー4と絶縁端子カバー部220とがケーブルLの軸心方向に相対的に移動することになり、これに伴って、接続子3が一対の導電性端子片211,211間に進入することになる。そうすると、一対の導電性端子片211,211が自己の弾性によって接続子3を両側から挟持することになる。すなわち、接続端子部210に対して接続子3が圧入されることになり、両者の圧接によってこれらが電気的に接続されることになる。そして、絶縁端子カバー部220と絶縁接続子カバー4との重なり合い(嵌合)で、導電性を有する接続端子部210や、接続子3、スリーブ30等が一切外部に露呈することなく絶縁性のある絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4によって覆われることになる。
以上のように、本実施形態に係る接続具2は、低圧電気計器1に接続すべきケーブルLの数に対応して設けられた複数のケーブル接続体20…と、複数のケーブル接続体20…を保持する保持体25とを備え、各ケーブル接続体20…は、ケーブル挿入穴110…に挿入される導電性を有する挿入部200と、挿入部200に対して電気的に接続されるとともに、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を圧入可能に形成された導電性を有する接続端子部210と、接続端子部210を包囲する筒状の絶縁端子カバー部220を備え、絶縁端子カバー部220が接続端子部210毎に設けられているので、各ケーブル接続部10の挿入部200を低圧電気計器1のケーブル挿入穴110…に挿入した上で、ケーブル押螺子12…で挿入部200を押さえることで、ケーブル接続体20…が低圧電気計器1に通電可能な状態で取り付けることができる。
また、低圧電気計器1に取り付けた低圧電気計器用ケーブル接続具2の接続端子部210に対し、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続すると、接続端子部210を包囲した絶縁端子カバー部220に接続子3も包囲された状態になるため、ケーブルLの接続部分(導電性のある部分)が外部に露呈することがなく、充電状態であったとしてもケーブルLの接続部分に何らかのものが接触して短絡するといった事態になることを確実に防止することができる。
その上、上記構成の接続具2は、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3が圧入可能な導電性を有する接続端子部210を備えているため、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続端子部210に圧入するとその圧(押圧力)で接続子3と接続端子部210とを電気的に接続した状態で維持することができる。従って、上記構成の低圧電気計器用ケーブル接続具2は、ドライバー等の工具を用いることなく接続端子部210に対して接続子3を抜き差しするだけで、ケーブルLの着脱を行うことができる。
また、接続端子部210は、所定の間隔をあけて配置された一対の導電性端子片211,211を備え、一対の導電性端子片211,211は、絶縁端子カバー部220の開口端から進入させた接続子3を挟持可能に構成されているので、接続端子部210に対する接続子3の挿入を円滑に行うことができる上に、接続子3と接続端子部210とを電気的に接続することができる。
さらに、ケーブルLの先端部に接続子3を包囲する筒状の絶縁接続子カバー4がケーブルLの軸心周りで回転可能に設けられ、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4は、互いに螺合可能に構成され、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4の螺合に伴って一対の導電性端子片211,211間に接続子3を挿入するように構成されているので、工具を用いることなくケーブルLを簡単に接続することができる上に、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4の螺合でケーブルL(接続子3)とケーブル接続体20…(接続端子部210)との接続を確実にすることができる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る低圧電気計器用ケーブル接続具は、基本構成が第一実施形態と同様であるため、以下の説明において、第一実施形態と対応関係にある構成や同一の構成については、同一符号及び同一名称を付すこととする。
本実施形態に係る接続具2は、図9〜図11に示す如く、第一実施形態と同様、低圧電気計器1に接続すべきケーブルL…の数(本実施形態においては六本)に対応して設けられた複数のケーブル接続体20…と、複数のケーブル接続体20…を保持する保持体25とを備えている。
本実施形態に係る接続具1においても、電源側のケーブルL及び負荷側のケーブルLのそれぞれが三本ずつ接続される低圧電気計器1(単相三線式、又は三相用の低圧電気計器1)を接続対象としており、ケーブル接続体20…が合計六つ設けられている。
各ケーブル接続体20…は、第一実施形態と同様に、ケーブル挿入穴110…に挿入される導電性を有する挿入部200と、挿入部200に対して電気的に接続されるとともに、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3が圧入可能な導電性を有する接続端子部210とを備えている。また、各ケーブル接続体20…は、それぞれ自己の接続端子部210を包囲する筒状の絶縁端子カバー部220を備えている。
より具体的に説明すると、本実施形態においても、ケーブル接続体20…は、図11(b)に示す如く、挿入部200及び接続端子部210が一体的に成型された導電部材21と、挿入部200を除いて導電部材21を覆う被覆部材22とを備えている。
前記導電部材21は、銅やアルミ等の導電性に優れた金属材料で成型されたもので、挿入部200、接続端子部210に加え、これらを接続する接続導電部215を備えている。前記挿入部200は、ケーブル挿入穴110…に挿入可能な外径に設定される。本実施形態に係る導電部材21は、挿入部200及び接続導電部215が連続して形成されており、これらが同径で且つ同心をなしている。すなわち、挿入部200及び接続導電部215は、一本の円柱体で形成されている。
前記接続端子部210は、所定の間隔をあけて配置された一対の導電性端子片211,211を備え、挿入された接続子3を自己の弾性によって挟み込んで挟持するようになっている。一対の導電性端子片211,211のそれぞれは、一端(基端部)が接続導電部215の端面に接続されている。また、一対の導電性端子片211,211は、他端部(先端部)が相手側の導電性端子片211,211から遠ざかるように折り曲げられており、先端部において、基端側から先端に向けて互いの間隔が拡大している。これにより、一対の導電性端子片211,211は、接続子3を他端側から容易に挿入できるようになっている。
前記被覆部材22は、絶縁材料(例えば、樹脂)を成型したもので、一面から接続端子部210を突出させるとともに、前記一面とは反対の面側から挿入部200を突出させるように、接続導電部215を被覆したブロック状の被覆部材本体221と、該被覆部材22の一面に突設され、接続端子部210を包囲した筒状の絶縁端子カバー部220とを備えている。前記絶縁端子カバー部220は、絶縁接続子カバー4と螺合可能に形成されており、本実施形態においては、外周に雄ネジが形成されている。
本実施形態に係る接続具2は、図12に示す如く、複数のケーブル接続体20…を横並びに配置した状態で、それぞれが横方向にスライドできるようになっている。すなわち、本実施形態に係る接続具2は、被覆部材本体221の横方向のサイズが第一実施形態よりも狭く設定されており、複数のケーブル接続体20…を保持体25の保持部250内で横並びに配置したときに、隣り合うケーブル接続体20…が位置決めし合うことのように(被覆部材本体221間に隙間が形成されるように)なっている。
前記保持体25は、複数のケーブル接続体20…を保持するように構成されている。すなわち、保持体25は、複数のケーブル接続体20…を横並び状態で維持させつつ横方向にスライド可能な状態で保持するように構成されている。
本実施形態に係る保持体25は、図9及び図11(b)に示す如く、当該接続具2のケーシングであり、各ケーブル接続体20…を保持する保持部250と、該保持部250に保持されたケーブル接続体20…の接続端子部210、及びこれを包囲した絶縁端子カバー部220を覆うカバー260とを備えている。
前記保持部250は、一面を開放させた箱状に形成されるとともに、その開放した一面と対向する壁部250aにケーブル接続体20…の挿入部200を挿通させるための挿通穴251…が穿設されている。本実施形態では、上述の如く、複数のケーブル接続体20…のスライドを許容すべく、開放した一面と対向する壁部250aに複数のケーブル接続体20…の挿入部200を挿通させるための挿通穴251…が長穴状に形成されている(図10参照)。
本実施形態に係る保持部250は、横並びに配置される複数のケーブル接続体20…の被覆部材本体221間に隙間をあけた状態で配置されるようになっている。
本実施形態に係る保持部250を箱状に形成すべく枠状をなす壁部250b,250c,250d,250e(挿通穴251の形成された壁部250aの外周に接続された四つの壁部250b,250c,250d,250e)のうち、一つの壁部250eには、ケーブル接続体20…が横並びに配置される方向に長手をなす窓270が形成されており、該窓270を介して内部のケーブル接続体20…(被覆部材本体221)の配置が把握できるようになっている。
そして、上述の如く、複数のケーブル接続体20…のスライドを許容しつつ、これらを保持部250内に維持させるべく、図10、図11(a)及び図11(b)に示す如く、窓270の形成された壁部250eの先端部の内面、及びその壁部250eと対向する壁部250bの先端部の内面には、ケーブル接続体20…の横並び方向に延びる突片265,265が設けられている。なお、図10には、窓270の形成された壁部250eの先端部の内面に突設された突片265は現れていない。これにより、保持部250内に配置された各ケーブル接続体20…の被覆部材本体221は、横並び方向のスライドが許容される一方、接続導電部215の軸心方向の移動が規制されている。すなわち、各ケーブル接続体20…は、被覆部材本体221における絶縁端子カバー部220の突設された一面の隅部が突片265,265にガイドされ、被覆部材本体221における前記一面とは反対側の隅部が長穴状の挿通穴251の形成された壁部250aによってガイドされており、これによって各ケーブル接続体20…は、接続部の軸心方向の移動が規制されつつ横並び方向のスライド可能になっている。
そして、カバー260は、図11(b)に示す如く、接続端子部210に対する外部からのアクセスを制限するために設けられたもので、本実施形態においては、保持体25を箱状に形成すべく枠状をなす壁部250b,250c,250d,250e(挿通穴251の形成された壁部250aの外周に接続された四つの壁部250b,250c,250d,250e)のうち、一つの壁部250bの先端に連設されたベースカバー261と、ベースカバー261が連設された壁部250aの両側にある二つの壁部(側壁部)250c,250dの先端に延設されるとともに、ベースカバー261の両端に接続された一対の側部カバー262,262と、ベースカバー261が連設された壁部250bと対向する壁部250eの先端部に枢着され、一対の側部カバー262,262間を開放する状態と閉塞する状態とに切り換え可能に設けられた可動カバー263とを備えている。
本実施形態において、ベースカバー261及び可動カバー263は、ケーブル接続体20…の横並び方向に延びる壁部250b,250eに対して接続されている。そして、ベースカバー261及び可動カバー263の先端には、貫通穴Hの穿設された突片264,264が突設されており、ケーブルLを接続しないときに可動カバー263が開閉されないよう、両突片264,264の貫通穴Hに挿通した線材で封印できるように形成されている。
なお、本実施形態に係る保持体25は、図9及び図10に示す如く、側壁部250c,250d、一対の側部カバー262,262、挿通穴251…の形成された壁部250aを通る線上で二つに分割されており、複数のケーブル接続体20…(被覆部材本体221)を挟み込むようにして二分割にされた部材25a,25bを組み合わせることで形成されている。なお、図10において、二つの部材25a,25bを組み合わせることで、上述した側壁部250c,250d、一対の側部カバー262,262、挿通穴251…の形成された壁部250aとなる部分については、組み合わせ後の構成の符号をかっこ書きで示している。
本実施形態に係る接続具2は、以上の構成からなり、次に、低圧電気計器1に対する接続具2の取り付け方、及び接続部に対するケーブルLの接続の仕方について説明する。
まず、本実施形態においては、図12に示す如く、接続具2の各ケーブル接続体20…を適宜横方向にスライドさせ、各ケーブル接続体20…の挿入部200を接続対象となる低圧電気計器1のケーブル挿入穴110…の配置に対応させる。そして、図11(b)に示す如く、第一実施形態と同様に、各ケーブル接続体20…の挿入部200を低圧電気計器1のケーブル挿入穴110…に挿入し、しかる後に、ケーブル押螺子12…で挿入部200を押さえる。この状態で、ケーブル押螺子12…を操作するドライバー等の工具が、隣接するケーブル押螺子12…や周辺のケーブル押螺子12…に接触しても、充電状態にあるケーブルLが接続されていないため、短絡事故が発生することはない。
そして、可動カバー263を開ける。なお、言うまでもないが、封印されている場合には封印を解いて可動カバー263を開ける。そうすると、可動カバー263に覆われていた絶縁端子カバー部220が露呈することになり、該絶縁端子カバー部220内の接続端子部210に対し、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続する。そうすると、接続端子部210を包囲した絶縁端子カバー部220に接続子3も包囲された状態になる。
本実施形態において、上述の如く、ケーブルLに絶縁接続子カバー4が取り付けられているため、把持部42を持って絶縁接続子カバー4をケーブルLの軸心周りで回転させ、カバー本体40を絶縁端子カバー部220に螺合させると、絶縁接続子カバー4と絶縁端子カバー部220とがケーブルLの軸心方向に相対的に移動することになり、これに伴って、接続子3が一対の導電性端子片211,211間に進入することになる。そうすると、一対の導電性端子片211,211が自己の弾性によって接続子3を両側から挟持することになる。すなわち、接続端部に対して接続子3が圧入されることになり、両者の圧接によってこれらが電気的に接続されることになる。そして、絶縁端子カバー部220と絶縁接続子カバー4との重なり合い(嵌合)で、導電性を有する接続端部や、接続子3、スリーブ30等が一切外部に露呈することなく絶縁性のある絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4によって覆われることになる。
以上のように、本実施形態に係る接続具2は、低圧電気計器1に接続すべきケーブルLの数に対応して設けられた複数のケーブル接続体20…と、複数のケーブル接続体20…を保持する保持体25とを備え、各ケーブル接続体20…は、ケーブル挿入穴110…に挿入される導電性を有する挿入部200と、挿入部200に対して電気的に接続されるとともに、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を圧入可能に形成された導電性を有する接続端子部210と、接続端子部210を包囲する筒状の絶縁端子カバー部220を備え、絶縁端子カバー部220が接続端子部210毎に設けられているので、各ケーブル接続部10の挿入部200を低圧電気計器1のケーブル挿入穴110…に挿入した上で、ケーブル押螺子12…で挿入部200を押さえることで、ケーブル接続体20…が低圧電気計器1に通電可能な状態で取り付けることができる。
また、低圧電気計器1に取り付けた低圧電気計器用ケーブル接続具2の接続端子部210に対し、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続すると、接続端子部210を包囲した絶縁端子カバー部220に接続子3も包囲された状態になるため、ケーブルLの接続部分(導電性のある部分)が外部に露呈することがなく、充電状態であったとしてもケーブルLの接続部分に何らかのものが接触して短絡するといった事態になることを確実に防止することができる。
その上、上記構成の接続具2は、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3が圧入可能な導電性を有する接続端子部210を備えているため、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続端子部210に圧入するとその圧(押圧力)で接続子3と接続端子部210とを電気的に接続した状態で維持することができる。従って、上記構成の低圧電気計器用ケーブル接続具2は、ドライバー等の工具を用いることなく接続端子部210に対して接続子3を抜き差しするだけで、ケーブルLの着脱を行うことができる。
また、接続端子部210は、所定の間隔をあけて配置された一対の導電性端子片211,211を備え、一対の導電性端子片211,211は、絶縁端子カバー部220の開口端から進入させた接続子3を挟持可能に構成されているので、接続端子部210に対する接続子3の挿入を円滑に行うことができる上に、接続子3と接続端子部210とを電気的に接続することができる。
さらに、本実施形態に係る接続具2は、低圧電気計器1に設けられた複数のケーブル接続部10が横並びに配置されていることを前提に、前記複数のケーブル接続体20…は、横並びに配置され、前記保持体25が複数のケーブル接続体20…のそれぞれを横方向にスライド可能に保持しているので、低圧電気計器1のメーカーや機種に関係なく低圧電気計器1に接続することができる。すなわち、低圧電気計器1は、メーカーや機種によってケーブル接続部10の配置(間隔)が様々であるが、上述の如く、前記保持体25が複数のケーブル接続体20…のそれぞれを横方向にスライド可能に保持することで、各ケーブル接続体20…の挿入部200をケーブル挿入穴110…の配置に対応させることができる。従って、上記構成の低圧電気計器用ケーブル接続具2は、低圧電気計器1のメーカーや機種に関係なく、低圧電気計器1に接続することができる。
さらに、ケーブルLの先端部に接続子3を覆う筒状の絶縁接続子カバー4がケーブルLの軸心周りで回転可能に設けられ、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4は、互いに螺合可能に構成され、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4の螺合に伴って一対の導電性端子片211,211間に接続子3を挿入するように構成されているので、工具を用いることなくケーブルLを簡単に接続することができる上に、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4の螺合でケーブルL(接続子3)とケーブル接続体20…(接続端子部210)との接続を確実にすることができる。
次に、参考例について説明する。参考例に係る低圧電気計器は、一般家庭や工場設備等に設置される積算電力計やその他計器類であり、図13(a)に示す如く、電源側(一次側)のケーブルL、及び、負荷側(二次側)のケーブルLを接続するためのケーブル接続部10を備えている。
なお、低圧電気計器1は、ケーブル接続部10以外に、電力を計測するための計測手段や、計測手段によって取得された計測結果を表示するための表示部等を備えているが、これらの構成についての説明は割愛し、ここではケーブル接続部10についてのみ説明する。また、参考例に係る低圧電気計器1は、第一実施形態及び第二実施形態と同様にケーブルLの先端に接続された接続子3を介してケーブルLを接続するようにしたものであり、第一及び第二実施形態で説明した接続子3や絶縁接続子カバー4等を取り付けたケーブルLを接続することを対象としているため、第一及び第二実施形態で説明した構成と対応する構成や同一の構成については、同一名称及び同一符号を付し、第一及び第二実施形態を参照してここでの説明を割愛することとする。
ケーブル接続部10は、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3が圧入可能な導電性を有する複数の接続端子部210と、各接続端子部210を包囲するように設けられた筒状の絶縁端子カバー部220とを備えている。そして、ケーブル接続部10は、接続端子部210、及び絶縁端子カバー部22を覆う可動カバー263が設けられており、該可動カバー263を開けることで接続端子部210、及び絶縁端子カバー部22が露呈するようになっている。
前記接続端子部210は、所定の間隔をあけて配置された一対の導電性端子片211,211を備えている。一対の導電性端子片211,211は、絶縁端子カバー部220の開口端から進入させた接続子3を挟持可能に構成されている(図4(b)参照)。すなわち、一対の導電性端子片211,211は、接続子3の厚みよりもやや狭い間隔をあけて配置されており、挿入された接続子3を自己の弾性によって挟み込んで挟持するようになっている。一対の導電性端子片211,211のそれぞれは、一端(基端部)が計測手段に電気的に接続接続されている。また、一対の導電性端子片211,211は、他端部(先端部)が相手側の導電性端子片211,211から遠ざかるように折り曲げられており、先端部において、基端側から先端に向けて互いの間隔が拡大している。これにより、一対の導電性端子片211,211は、接続子3を容易に進入させることができるようになっている。
前記絶縁端子カバー部220は、当該低圧電気計器1のフレームFに接続されている。そして、絶縁端子カバー部220は、ケーブルLに取り付けられた絶縁接続子カバー4と螺合可能に形成されており、本実施形態においては、外周に雄ネジが形成されている。なお、低圧電気計器1においても、ケーブルLを接続しないときに可動カバー263が開閉されないよう封印できるようになっている。
参考例に係る低圧電気計器1は、以上の構成からなり、次に、低圧電気計器1に対するケーブルLの接続の仕方について説明する。
まず、可動カバー263を開ける。なお、言うまでもないが、封印されている場合には封印を解いて可動カバー263を開ける。そうすると、可動カバー263に覆われていた絶縁端子カバー部220が露呈することになり、図13(b)、図14(a)及び図14(b)に示す如く、該絶縁端子カバー部220内の接続端子部210に対し、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続する。そうすると、接続端子部210を包囲した絶縁端子カバー部220に接続子3も包囲された状態になる。
参考例において、上述の如く、ケーブルLに絶縁接続子カバー4が取り付けられているため、把持部42を持って絶縁接続子カバー4をケーブルLの軸心周りで回転させ、カバー本体40を絶縁端子カバー部220に螺合させると、絶縁接続子カバー4と絶縁端子カバー部220とがケーブルLの軸心方向に相対的に移動することになり、これに伴って、接続子3が一対の導電性端子片211,211間に進入することになる。そうすると、一対の導電性端子片211,211が自己の弾性によって接続子3を両側から挟持することになる。すなわち、接続端部に対して接続子3が圧入されることになり、両者の圧接によってこれらが電気的に接続されることになる。そして、絶縁端子カバー部220と絶縁接続子カバー4との重なり合い(嵌合)で、導電性を有する接続端子部210や、接続子3、スリーブ30等が一切外部に露呈することなく絶縁性のある絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4によって覆われることになる。
以上のように、参考例に係る低圧電気計器1は、電源側のケーブルL、及び負荷側のケーブルLを接続するためのケーブル接続部10を備えた低圧電気計器1であって、ケーブル接続部10は、接続すべきケーブルLの数に対応して設けられ、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を圧入可能に形成された導電性を有する複数の接続端子部210…と、接続端子部210を包囲する筒状の絶縁端子カバー部220とを備え、絶縁端子カバー部220が接続端子部210毎に設けられているので、ケーブル接続部10の接続端子部210に対し、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続すると、接続端子部210を包囲した絶縁端子カバー部220に接続子3も包囲された状態になる。
これにより、ケーブルLの接続部分(導電性のある部分)が外部に露呈することがないため、充電状態であったとしてもケーブルLの接続部分に何らかが接触して短絡するといった事態になることを確実に防止することができる。
その上、上記構成の低圧電気計器1は、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3が圧入可能な導電性を有する接続端子部210を備えているため、ケーブルLの先端に取り付けられた接続子3を接続端子部210に圧入するとその圧(押圧力)で接続子3と接続端子部210とを電気的に接続した状態で維持することができる。従って、上記構成の低圧電気計器用ケーブル接続具2は、ドライバー等の工具を用いることなく接続端子部210に対して接続子3を抜き差しするだけで、ケーブルLの着脱を行うことができる。
また、接続端子部210は、所定の間隔をあけて配置された一対の導電性端子片211,211を備え、一対の導電性端子片211,211は、絶縁端子カバー部220の開口端から進入させた接続子3を挟持可能に構成されているので、接続端子部210に対する接続子3の挿入を円滑に行うことができる上に、接続子3と接続端子部210とを電気的に接続することができる。
さらに、ケーブルLの先端部に接続子3を包囲する筒状の絶縁接続子カバー4がケーブルLの軸心周りで回転可能に設けられ、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4は、互いに螺合可能に構成され、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4の螺合に伴って一対の導電性端子片211,211間に接続子3を挿入するように構成されているので、ドライバー等の工具を用いることなくケーブルLを簡単に接続することができる上に、絶縁端子カバー部220及び絶縁接続子カバー4の螺合でケーブルL(接続子3)とケーブル接続体20…(接続端子部210)との接続を確実にすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記各実施形態において、ケーブルLに対して回転可能な絶縁接続子カバー4を取り付け、これを絶縁端子カバー部220に螺合させることで、接続端子部210に接続子3が接続されるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ケーブルLの先端に接続子3のみを取り付け、その接続子3を接続端子部210(一対の導電性端子片211,211間)に圧入するようにしてもよい。このように接続子3を絶縁端子カバー部220に包囲された接続端子部210に圧入すると、接続子3も絶縁端子カバー部220に包囲された状態になる。従って、導電部分が露呈しなくなるため、不用意に短絡事故の発生を防止することができる。
また、接続端子部210に対して接続子3を抜き差しすることで、工具を用いることなくケーブルLを接続することができる。但し、上述の如く、接続端子部210に対する接続子3の接続を圧入のみに頼ると、ケーブルLの重さ等で接続子3が接続端子部210から脱落する虞があるため、上記実施形態のように絶縁端子カバー部220と絶縁接続子カバー4とを螺合させ、ケーブルLの固定を確実にするようにすることが好ましい。
上記各実施形態において、絶縁端子カバー部220に対して絶縁接続子カバー4が外嵌した状態になるようにしたが、これに限定されるものではなく、絶縁接続子カバー4に対して絶縁端子カバー部220が外嵌した状態になるようにしてもよい。
従って、絶縁端子カバー部220の内周に雌ネジを形成し、絶縁接続子カバー4の外周に雄ネジを形成し、これら雄雌の螺子を螺合させるようにしてもよい。
上記各実施形態において、ケーブルLに接続する接続子3を短冊状のものを採用したが、これに限定されるものではなく、断面多角形状或いは断面円形状の接続子3であってもよい。但し、接続端子部210を一対の導電性端子片211,211で構成する場合であって、接続子3に対する圧着を確実にする場合には、断面多角形状、すなわち、一対の導電性端子が挟持する部位が平面的(真っ直ぐ)な接続子3であることが好ましい。また、一対の導電性端子片211,211を先端側ほど間隔が大きくなるようにハの字状に配置するとともに、接続子3を楔状に形成したものを採用するようにしてもよい。
上記各実施形態において、接続端子部210を一対の導電性端子片211,211で構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、接続子3を棒状にするとともに、その棒状の接続子3が圧入される接続端子部210(例えば、内部に付勢手段が設けられ、挿入された接続子3に付勢手段が圧接するように構成された接続端子部210)であってもよい。また、接続子3にバナナ端子を採用すれば、接続端子部210を単なる筒状に形成してもよい。
上記第一及び第二実施形態において、挿入部200と接続導電部215とを一本の円柱体で構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、挿入部200と接続導電部215とを異径で形成したり、挿入部200と接続導電部215とを断面形状を異ならせて形成したりしてもよい。但し、挿入部200は、低圧電気計器1のケーブル挿入穴110に挿入でき、且つ、ケーブル押螺子12で固定できる形状であることは勿論のことである。また、接続具2及び低圧電気計器1は、接続子3を接続端子部210に横方向又は斜め下方から圧入できるようにしてもよい。すなわち、接続端子部210を接続導電部215に対して所定角度をなすように連設したり、接続導電部215に対して挿入部200が所定角度をなす(傾斜する)ように挿入部200と接続導電部215とを形成したりするようにしてもよい。このようにすれば、接続端子部210(絶縁端子カバー部220)の先端側とベースカバー261(或いは、ベースカバー261を設けない場合には建物等の壁面)との間隔が広くなるため、接続端子部210に対する接続子3の接続及び絶縁端子カバー部220に対する絶縁接続子カバー4の接続を行うため作業スペースが十分に確保され、ケーブルLの接続作業を容易に行うことができる。
上記第一実施形態において、ケーブル接続体20…を導電部材21と被覆部材22とで構成し、保持体(ケーシング)25で被腹部材22(被覆部材本体221)を保持するようにしたが、例えば、図15に示す如く、ケーブル接続体20…を導電部材21のみで構成し、複数の導電部材21が所定の配置になるように共通の被覆部材22で保持し、被覆部材22を保持体25としてもよい。従って、この場合においては、ケーブル接続体20が保持体25としての被覆部材22に保持されるため、ケーシング(第一実施形態における保持体25)を必ずしも採用する必要はない。そして、ケーシングを設けることなく、単一(共通)の被覆部材22(保持体25)でケーブル保持体20…を保持する場合、接続端子部210にケーブルTを接続するまでの間、絶縁端子カバー部220にキャップT1を取り付け、接続端子部210が外部に露呈させないようにすればよい。
上記第一及び第二実施形態において、ケーブル接続体20…を導電部材21と被覆部材22とで構成し、該被覆部材22の一構成として絶縁端子カバー部220を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、第二実施形態のように二分割された部材25a,25bを組み合わせることでケーシングとなるもので保持体25を構成し、その二つの部材25a,25bを組み合わせたときに、各接続端子部210を包囲した筒状の絶縁端子カバー部220が形成されるようにしてもよい。すなわち、分割された二つの部材25a,25bのそれぞれに半円筒状の部位を形成しておき、二つの部材25a,25bを組み合わせることで、半円筒状の部位同士が円筒状になって接続端子部210を包囲した絶縁端子カバー部220となるようにしてもよい。
また、二つの部材25a,25bを組み合わせることで、一部の絶縁端子カバー部220が形成され、残りの絶縁端子カバー部220がケーブル接続体20…を構成する被覆部材22の一構成とされてもよい。すなわち、ケーブル接続体20又は保持体25の少なくとも何れか一方が接続端子部210を包囲する筒状の絶縁端子カバー部220を備えていればよい。
上記各実施形態において、ケーブル接続体20の挿入部200を接続導電部215と一体的に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、挿入部200と接続導電部215とを別体で形成し、接続導電部215に対して金属成形品或いはケーブル(導体)を挿入部200として接続するようにしてもよい。