以下、本発明に係る画像形成用ブラシ及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施形態1
本実施形態1においては、本発明に係る画像形成装置の概略構成を説明する。図1及び図2には、本発明に係る画像形成装置の第1及び第2の実施例を示す。
先ず、図1に示す第1の実施例の画像形成装置は、矢印方向(反時計回り)に回転する、画像形成プロセス部材の一つを構成する像担持体1を備えている。像担持体1の回りには、更に他の画像形成プロセス部材を構成する帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段5、クリーニング手段9が配置される。
像担持体1は、帯電手段2によって帯電された後、情報書き込み手段(像露光手段)3によって画像情報に応じて露光することで、像担持体上に静電潜像(静電像)が形成される。像担持体1は、その表面上に形成した静電潜像を、現像手段4により現像剤のトナーを付着させることでトナー像(現像剤像)として現像する。
そして、像担持体上に形成されたトナー像を転写手段5により被転写体に転写させた後、定着手段6により転写材上の現像剤を定着させる。
図2に示す第2の実施例の画像形成装置も同様の構成とされる。図1に示す画像形成装置と同じ構成及び作用をなす部材には同じ参照番号が付されている。
図1に示す実施例においては、転写に寄与せず像担持体1の表面に残留する残留現像剤(転写残トナー)をクリーニング手段であるクリーニング装置9によって除去、回収する。クリーニング装置9は、像担持体1に当接したファーブラシ7やクリーニングブレード8や等のクリーニング部材(清掃手段)によって像担持体上からトナーを掻き落とし、回収トナー容器9aに回収する。
図2に示す実施例においては、画像形成装置はクリーナレス方式を採用しており、転写材Pに対するトナー画像転写後の像担持体面に若干量残留する転写残トナーを除去する専用のクリーニング装置を具備していない。そのため、転写後の像担持体上の転写残トナーは引き続く像担持体の回転に伴い帯電部a、露後部bを通って現像部cに持ち運ばれて、現像装置4により現像同時クリーニング(回収)される。
[各構成要素の説明]
次に、図1及び図2に示す画像形成装置の実施例において使用した各構成要素について更に詳しく説明する。
(1)像担持体(感光ドラム)
画像形成装置は、像担持体として回転ドラム型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を備えている。本実施例では、感光ドラム1は、負帯電特性のOPC(有機光導電体)で形成された感光層を有している。即ち、感光ドラムは、概略、導電性基体上に、有機光導電体を主成分とする光導電層を備えた感光層(感光膜)が形成されて成る。OPC感光体は、一般的には導電性基体としての金属基体(感光体用支持体)の上に有機材料から成る電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層が積層されて構成される。
尚、感光ドラムとしては、OPC感光体に限らず、例えばa−Si(アモルファスシリコン)感光体を用いることができる。又、a−Si感光体は、導電性基体上に、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)を主成分とする光導電層を備えた感光層(感光膜)を有する。
又、本実施例では感光ドラムは、直径約30mmに形成されており、中心支軸(図示せず)を中心に図1中矢印方向(反時計回り)に回転駆動される。
(2)帯電手段
感光ドラム1の周面を一様に帯電処理する帯電手段としての接触帯電装置(接触帯電器)2は、本実施例は帯電ローラ(ローラ帯電器)である。図3に示すように、この帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ不図示の軸受け部材により回転自在に保持される。同時に、押し圧ばね2eによって感光ドラム方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させており、感光ドラム1の回転に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。この帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより回転感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。
本実施例において、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−500V、交流電圧;周波数f=1kHz、ピーク間電圧Vpp1.4kV、正弦波とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
帯電ローラ2の長手長さは320mmであり、図3の層構成模型図のように芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。本実施例における帯電ローラ2の仕様は下記の通りとした。
a.芯金2a ;直径6mmのステンレス丸棒
b.下層2b ;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm、長さ320mm
c.中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
d.表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫、カーボンを分散、体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格 10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
図3において、特に、図2に示すクリーナレス方式の画像形成装置においては、帯電ローラクリーニング部材2fが配置されている。帯電ローラクリーニング部材2fは、本実施例では可撓性を持つクリーニングフィルムである。このクリーニングフィルム2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され且つ同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。支持部材2gがプリンタの駆動モーターによりギア列を介して長手方向に対し一定量の往復運動駆動されて帯電ローラ表層2dがクリーニングフィルム2fで摺擦される。これにより帯電ローラ表面2dの付着物汚染(微粉トナー、外添剤など)の除去がなされる。
(3)情報書き込み手段
帯電処理された感光ドラム1の面に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置3は、本実施例では半導体レーザを用いたレーザビームスキャナである。不図示の画像読み取り装置等のホスト処理からプリンタ側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して回転感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいてレーザ走査露光E(イメージ露光)する。このレーザ走査露光Eにより感光ドラム面のレーザ光で照射されたところの電位が低下することで回転感光ドラム面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されている。
(4)現像手段
感光ドラム上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給し静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置4は、本実施例では二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置である。
現像装置4は、現像容器4aを有しており、現像容器4a内には、非磁性の現像スリーブ4bが、その外周面の一部を外部に露呈させて回転可能に配置してある。現像スリーブ4b内には、非回転に固定してマグネットローラ4cが挿設されており、現像剤コーティングブレード4dが現像スリーブ4bに近接或いは当接して配置されている。現像容器4aには二成分現像剤4eが収容されており、また、現像容器4a内の底部側に現像剤攪拌部材4fが配置されている。トナーホッパー4gには、補給用トナーを収容させてある。現像容器4a内の二成分現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、現像剤攪拌部材4fにより攪拌される。
本実施例において磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径は40μmである。トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
現像スリーブ4bは、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgapと称する)を350μmに保たせて感光ドラム1に近接させて対向配設してある。この感光ドラム1と現像スリーブ4aとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4bは現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動される。この現像スリーブ4bの外周面に該スリーブ内のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持され、該スリーブの回転に伴い回転搬送される。スリーブ上の現像剤は、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。
現像スリーブ4bには電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施例において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。本実施例では、直流電圧;−350V、交流電圧;1600Vとを重畳した振動電圧を用いた。これにより回転する現像スリーブ4bの面に薄層としてコーティングされ、現像部cに搬送された現像剤中のトナー分が現像バイアスによる電界によって感光ドラム面に静電潜像に対応して選択的に付着することで静電潜像がトナー画像として現像される。本実施例の場合は感光ドラム面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。この時感光ドラム上に現像されたトナーの帯電量は約−25μC/gである。現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度を所定の略一定範囲内に維持させるために、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度が不図示の例えば光学式トナー濃度センサによって検知され、その検知情報に応じてトナーホッパー4gが駆動制御されて、トナーホッパー内のトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。二成分現像剤4eに補給されたトナーは攪拌部材4fにより攪拌される。
(5)転写手段・定着手段
本実施例では、転写装置5は、転写ローラとされる。この転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接させてあり、その圧接ニップ部が転写部dである。この転写部dに不図示の給紙機構部から所定の制御タイミングにて転写材(被転写部材、記録材)Pが給送される。転写部dに給送された転写材Pは、回転する感光ドラム1と転写ローラ5の間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラ5に電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス本例では+2kVが印加される。これにより、転写部dを挟持搬送されていく転写材Pの面に感光ドラム面側のトナー画像が順次に静電転写されていく。
転写部dを通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは、回転感光ドラム面から順次に分離されて定着装置6(例えば熱ローラ定着装置)へ搬送されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物(プリント、コピー)として出力される。
(6)クリーニング装置
図1に示す本実施例では、クリーニング手段としてのクリーニング装置9は、クリーニング部材(清掃手段)としてファーブラシ7とクリーニングブレード8とを使用する。
ファーブラシ7により、1次転写工程後に感光ドラム上に残留した残留現像剤(1次転写残トナー)を回収トナー容器9aに回収する。
又、本実施例ではウレタンゴムの弾性体からなるクリーニングブレード8は、感光ドラム1の表面に所定の押圧力をもって圧接されている。そして、クリーニングブレード8は、ファーブラシ7で回収できなかった1次転写残トナーを感光ドラム1上から除去し、回収トナー容器9aに回収する。
(7)クリーナレスシステム
図2に示す本実施例の画像形成装置は、クリーナレス方式のプリンタであり、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光ドラム面に若干量残留する転写残トナーを除去する専用のクリーニング装置を具備していない。
転写後の感光ドラム面上の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の回転に伴い帯電部a、露後部bを通って現像部cに持ち運ばれて、現像装置4により現像同時クリーニング(回収)される(クリーナレスシステム)。
本実施例においては、現像装置4の現像スリーブ4bは、前述したように現像部cにおいて、感光ドラム面の進行方向とは逆方向に回転させており、これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。
感光ドラム面上の転写残トナーは露光部bを通るので、露光工程はその転写残トナー上からなされるが、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
ただ前述のように、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着する。これによって、帯電ローラ2が許容以上にトナー汚染して帯電不良を生じることになる。
また、感光ドラム面上の転写残トナーの現像装置4による現像同時クリーニングを効果的に行わせるためには、トナー帯電量は、重要である。つまり、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって感光ドラムの静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。
反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光ドラム上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
また、近年ユーザニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高印字率な画像などの連続の印字動作などにより、一度に大量の転写残トナーの発生により、上述のような問題を更に助長させてしまうのである。
そこで本実施例においては、転写部dよりも感光ドラム回転方向下流側の位置において、感光ドラム上の転写残トナーを均一化するための、転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段70を設けている。また、この転写残トナー均一化手段70よりも感光ドラム回転方向下流側で、帯電部aよりも感光ドラム回転方向上流側の位置において、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるためのトナー(現像剤)帯電量制御手段80を設けている。
(8)画像形成用ブラシについて
本発明に係る画像形成用ブラシについて説明する。ここでは、画像形成用ブラシを、図2に示す画像形成装置に適用した場合について説明する。
図2に示す画像形成装置にて、上記の転写残トナー均一化手段70とトナー帯電量制御手段80は、適度の導電性を持ったブラシ部材であり、ブラシ部材を感光ドラム面に接触させて配設してある。
図5は、本実施例にて使用したパイル織物、即ち、導電性ブラシ(画像形成用ブラシ)13の植毛状態を示すイメージ図である。
導電性ブラシ13は、互いに交差する方向に延びる複数本の経糸15a及び緯糸15bを織り上げて得られる織布よりなる基布15を有している。この基布15には、前記経糸15a及び緯糸15bのいずれか一方を絡糸として同絡糸を回り込むように屈曲状態で織り込まれて基布上に起毛された複数本のパイル糸17から成るパイル糸束16を形成している。導電性ブラシ13は、このパイル糸束16を複数、所定配列にて基布上に配置することにより形成される。
文言上、経糸とは、織物の縦方向に通っている糸のことであり、緯糸とは、織物の横方向に通っている糸のことであり、織布とは、上記経糸及び緯糸にて織った布を指す。基布とは、さらに織り布に対して糸を編みこむ際におけるベースとなる布を示し、絡糸とは基本と成る糸の配列に対して織り込んでいく糸のことを示す。また、パイル糸は、タオル、絨毯などの毛羽等のようにループを有する生地織物を示しこれらを形成するための糸を指す。
前記パイル糸17は、耐久性、柔軟性が高く、耐磨耗性に優れるとともに、摺動性の良い複数本の繊維を撚糸加工することにより形成されている。加えて、繊維としては導電性を有するものが用いられ、本実施例では導電性ナイロン繊維が使用されている。また基布15を形成する経糸15a及び緯糸15bには、耐久性、柔軟性の高い糸が使用され、このような糸としてはフィラメント糸または紡績糸及び錦糸等が挙げられる。本実施例では柔軟性が高く嵩高い紡績糸が使用されている。パイル糸17は前記経糸15a及び緯糸15bを絡ませるようにW字状に織り込まれている。
本実施形態2においては、実施態様1で説明した本発明に係る画像形成装置の第1及び第2の実施例においてに使用される画像形成用ブラシの具体的構成を実施例1〜8について説明する。本発明に従って構成される画像形成用ブラシは、画像形成プロセス部材に付着した現像剤を除去するか、又は、この付着現像剤に電荷を付与する機能を有している。
本発明の画像形成用ブラシの第一の特徴は、前記各パイル糸束16の形状において、パイル糸束16が接触する画像形成プロセス部材の移動方向と交差する方向の長さが、パイル糸束16が接触する画像形成プロセス部材の移動方向の長さより長い形状とされることを特徴としている。実施例1〜4により説明する。
更に、本発明の画像形成用ブラシの第二の特徴は、前記経糸15a及び緯糸15bにより形成される空間において、パイル糸束16が接触する画像形成プロセス部材の移動方向と交差する方向の長さが、パイル糸束16が接触する画像形成プロセス部材の移動方向の長さより長い空間とされることを特徴としている。実施例5〜8により説明する。
(実施例1)
本実施例では、上述のように、画像形成用ブラシは、前記パイル糸束が前記画像形成装置内において接触する画像形成プロセス部材に対して、該部材の長手方向に長い形状であることを特徴としている。
実施例1では、図5に示す画像形成用ブラシ13の構成を、図1に示す画像形成装置における像担持体用クリーニング装置9のブラシ7に適用した。図6(a)、(b)は、本実施例の像担持体用クリーニング装置9のブラシ7(7A、7B)を画像形成プロセス部材である感光ドラム1に対向して配設した図である。
図6(a)には、像担持体用クリーニング装置9のブラシは、ファーブラシ7Aとされ、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属製の丸棒よりなる支持軸7aと、この支持軸7aの表面に接合された帯状をなすパイル織物(ブラシ)13とにより構成されている。支持軸7aの上にパイル織物13を螺旋状に巻回することによりファーブラシ7Aが形成されている。図6(b)には、金属等の並行平板の支持板7bにパイル織物(ブラシ)13を接合したデッキブラシ7Bが示されている。
図7(a)、(b)は、実施例1で使用するパイル糸束16の1束の形状を示し、図8(a)、(b)は、像担持体の移動方向、即ち、感光ドラムの回転方向に対するパイル糸束16の起毛の状態を俯瞰したものである。
図7(b)は、実施例1において接触する画像形成プロセス部材(実施例1では感光ドラム)に対して長手方向に長い形状のパイル糸束16の1束であり、図8(b)の形態として起毛している。図7(a)は比較例として、逆に長手方向に短い形状のパイル糸束16の1束を示しており、図8(a)の形態として起毛している。即ち、本実施例では、感光ドラムの長手方向にパイル糸束16の長軸Lが配向される。また、長手方向に交差する方向に短軸Sが位置している。一方、比較例では、感光ドラムの長手方向にパイル糸束16の短軸Sが配向され、長手方向に交差する方向に長軸Lが位置している。
図7(a)、(b)は、上述のように、パイル糸束16を回転している感光ドラムに接触させた時の1束の様子を示したものであり、どちらもパイル糸束16における繊度、植毛密度、原糸抵抗は同じとして評価した。
その結果、本実施例を適用することにより、感光ドラム1の長手方向に対して毛倒れ量が多く、比較対象(比較例)に比べより均一に感光ドラムと接触していることが明らかとなり、本発明の効果があることが示された。
上記実施例では図6(a)に示すファーブラシ7Aとして適用したが、図6(b)に示すデッキブラシ7Bとしてのブラシ形状においても適用でき、同様の効果を確認した。加えて、本実施例を適用したデッキブラシ7Bでは短軸Sを短くすることが出来るため省スペースとしての効果も併せ持つ結果となった。
しかし、本実施例を適用した形状において長軸Lの割合を大きくしても均一性自身は高くなるが、疎になる部分が多くなるため、実画像形成時残留現像剤がすり抜けてしまい、画像不良を引き起こす結果となった。
そこで、長軸Lと短軸Sとの関係について最適化を行い、表1からL:S=2〜3:1の関係が最も効果があることが分かった。即ち、S=1としたとき、2≦L≦3である。
この結果を基にデッキブラシにて上記条件を適用し、さらにブラシの条件を振り、実画像耐久におけるクリーニング性を確かめた。
表2は、本実施例で使用したパイル糸束16に対する諸条件を示したものである。画像評価の試験方法としては、図1に示す画像形成装置により部分的にベタ画像を含んだ画像(図11)を出力し5000枚中におけるクリーニング不良を目視にて確認した。
結果として上記条件において5000枚実画像耐久においても画像不良の発生は見られなかったことから本発明における一実施例として提供できることを確認した。
尚本実施例では表2の条件にて試行したが是に限定されない
(実施例2)
実施例1と同様に、本発明における第一の特徴を有する上記ブラシを転写後の転写手段上の残留現像剤を除去する清掃装置(クリーニング手段)として適用した場合にも、本発明における特長を活かすことができる。
つまり、実施例2では、図1、図2に示す画像形成装置にて、上記実施例1と同様に、図5に示す構成の画像形成用ブラシ13であって、本発明における第一の特徴を有するブラシを、転写手段としての転写ローラ5のクリーニング手段に適用した。即ち、図10(a)、(b)に示すように、転写ローラ5のクリーニング手段は、転写ローラ5に当接して転写ローラ5に付着した現像剤を除去するブラシ状の帯電清掃部材(清掃手段)10を備えている。
図10(a)に示す本実施例では、ファーブラシ10は、転写ローラ5の回転に対して従動させたが、是に限定することは無く周速比を持たせるなどの設定も可能である。また、図10(b)に示すデッキブラシ10に関しては、本実施例では転写ローラ5に対して当接した形状としたが、是に限定する必要はなく、レシプロ動作を持たせるなどの設定も可能である。
転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接させてあり、その圧接ニップ部dが転写部となる。この転写部dに不図示の給紙機構部から所定の制御タイミングにて転写材(被転写部材、記録材)Pが給送される。転写部dに給送された転写材Pは、回転する感光ドラム1と転写ローラ5の間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラ5に電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス本例では+2kVが印加される。これにより、転写部dを挟持搬送されていく転写材Pの面に感光ドラム面側のトナー画像が順次に静電転写されていく。
本実施例を適用しない場合、ジャム等が発生した場合、本来転写材Pに静電転写されるべきトナー像が転写ローラ5に転写されてしまい転写ローラ5を汚染させ次の動作にて転写材裏面を汚す裏汚れなる画像不良を発生させる。また、経時耐久により転写ローラ5が転写材Pとの接触により、部分的抵抗斑を発生させ、転写不良なる画像不良が発生する結果となった。
本実施例では図10(a)、(b)によるファーブラシ及びデッキブラシ構成を図1及び図2の画像形成装置に適用し、実画像耐久におけるクリーニング性を確かめた。諸条件に関しては上記実施例1を適用した。
図1及び図2に示す画像形成装置により部分的にベタ画像(図11)を含んだ画像を出力し5000枚中における画像不良を目視にて確認した。また、意図的にジャムを発生させその後のジョブにおける動作において画像不良が発生するかどうかを確認した。結果、両評価において画像不良の発生は見られなかった。
加えて本実施例を適用した転写ローラ5に関して本実施例を適用した場合と非適用に分別しローラ表面上の汚れを比較した。分析は、上記画像評価に付随して行いHORIBA社製 X線分析顕微鏡 XGT−5000にて行った。
計測した結果を図12に示す。横軸に測定ポイント、縦軸に汚れの指標としてTiの光強度を規格化したものである。
画像Dutyに対応して値が大きくなることは共通として言えるが、非適用時においてある画像Dutyが連続で通紙された部分に関してある一定値以上になり、転写不良と見られる画像不良が発生した。
それに対して、本実施例を適用時においては上記不良が発生することは無く、また画像Dutyに依存せず均一にトナーを散らしながらクリーニングを行い保持していることが判明した。
上記結果から、本発明における一実施例として提供できることを確認し長期にわたり高画質、高品質の画像を安定して維持することができた。
尚、本実施例では表2の条件を有するブラシにて試行したが是に限定されない。
(実施例3)
上記実施例1と同様に、本発明における第一の特徴を有する上記ブラシを図2に示すクリーナレス方式の画像形成装置における導電性ブラシである補助ブラシ70、80に適用した場合にも本発明における特徴を活かすことができる。
つまり、実施例3では、上記実施例1と同様に、図5に示す構成の画像形成用ブラシ13であって、本発明における第一の特徴を有するブラシを図2に示すクリーナレス方式の画像形成装置における導電性ブラシである補助ブラシ70、80に適用した。
図2は、本実施例を適用した画像形成装置であり、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光ドラム面に若干量残留する転写残トナーを除去する専用のクリーニング装置は具備していない。
転写後の感光ドラム面上の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の回転に伴い帯電部a、露後部bを通って現像部cに持ち運ばれて、現像装置4により現像同時クリーニング(回収)される(クリーナレスシステム)。
本実施例においては現像装置4の現像スリーブ4bは、前述したように、現像部cにおいて、感光ドラム面の進行方向とは逆方向に回転させており、これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。
感光ドラム面上の転写残トナーは、露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
ただ前述のように、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在している。その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで帯電ローラ2が許容以上にトナー汚染して帯電不良を生じることになる。
また、感光ドラム面上の転写残トナーの現像装置4による現像同時クリーニングを効果的に行わせるためには、トナー帯電量が適切であることが重要である。つまり、トナー帯電量は、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつ、その帯電量が現像装置4によって感光ドラム1の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。
反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光ドラム上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
また、近年ユーザニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高印字率な画像などの連続の印字動作などにより、一度に大量の転写残トナーの発生により、上述のような問題を更に助長させてしまう。
そこで、本実施例においては、転写部dよりも感光ドラム回転方向下流側の位置において、感光ドラム1上の転写残トナーを均一化するための、転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段70を設ける。この転写残トナー均一化手段70よりも感光ドラム回転方向下流側で、帯電部aよりも感光ドラム回転方向上流側の位置において、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるためのトナー(現像剤)帯電量制御手段80を設けている。
転写残トナー均一化手段70には電圧印加電源S4によって正極性の電圧、本実施例では+300Vが印加されている。また帯電量制御手段80には電圧印加電源S5によって負極性、本実施例では−800vが印加されている。
転写部dPにおいて転写材Pにトナー像を転写した後、感光ドラム1に残留している転写残トナーは、引き続いて回転している感光ドラム1の回転に伴って転写残トナー均一化手段70と感光ドラム1との接触部eに到達する。そして、転写残トナーは接触部において、一旦、転写残トナー均一化手段70によって正極性に揃えられる。
また、転写残トナー均一化手段70は下流側に配設された帯電量制御手段80での放電を確実に行わせるため感光ドラム1の表面電位を0v近傍にする。
転写残トナー均一化手段70で正極性に揃えられた感光ドラム表面の転写残トナーは、引き続いて回転している感光ドラム1の回転に伴って、帯電量制御手段80と感光ドラム1との接触部fに到達する。接触部fに到達した感光ドラム表面の転写残トナーは、帯電量制御手段80を通過する時、その帯電極性が正規極性である負極性に揃えられる。
帯電量制御手段通過後のトナーの帯電量は、本実施例では約−70μC/gとなる。上記構成において本実施例の画像形成装置では部分的にベタ画像(図11)を含んだ画像を出力し5000枚中における画像不良を目視にて確認した。その結果、画像不良の発生は見られなかった。
加えて、本実施例を適用した感光ドラム1に関して本実施例を適用した場合と非適用に分別し、感光ドラム上のフィルミングを東京精密製 小坂製のSE−30Dにて表面粗さにて評価した。
図13は、フィルミングに厳しい条件である図11における計測ポイント(4)を経時的に追い推移を比較したものである。
本実施例では安定した推移にて多少の粗さは上昇しているものの本評価内において画像不良が発生することはなかった。しかし非適用に関しては、約1500枚以降フィルミングが発生し、以降回復傾向は見られなかった。
上記結果から、本発明における一実施例として提供できることを確認し長期にわたり高画質、高品質の画像を安定して維持することができる手法を提案することが出来た。
尚、本実施例では表2の条件を有するブラシにて試行したが是に限定されない。
(実施例4)
上記実施例1と同様に、本発明における第一の特徴を有する上記ブラシを帯電手段における清掃装置(クリーニング手段)に適用した場合にも本発明における特徴を活かすことができる。
つまり、実施例4では、上記実施例1と同様に、図5に示す構成の画像形成用ブラシ13であって、本発明における第一の特徴を有するブラシを図2に示すクリーナレス方式の画像形成装置における帯電ローラ2のクリーニング手段に適用した。
図4は、図2の画像形成装置にて帯電ローラ2に対するクリーニング手段としては、従来のクリーニング部材2fの代わりに本実施例の清掃手段としてのブラシ状帯電清掃部材10を配設した図である。
帯電ローラ2は、図3を参照して上述したように、芯金2aの両端部をそれぞれ不図示の軸受け部材により回転自在に保持されると共に、押し圧ばね2eによって感光ドラム方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させている。そのため、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
この帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより回転感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。
本実施例において、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−500V、交流電圧;周波数f=1kHz、ピーク間電圧Vpp1.4kV、正弦波とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
帯電ローラ2の長手方向(回転軸線方向)長さは320mmである。図3の層構成模型図のように芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。本実施例における帯電ローラ2の仕様は下記の通りとした。
a.芯金2a ;直径6mmのステンレス丸棒
b.下層2b ;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm、長さ320mm
c.中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
d.表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫、カーボンを分散、体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格 10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
図2のクリーナレス方式の画像形成装置においては、転写残トナー均一化手段70と帯電量制御手段80にバイアスを印加すると、感光ドラム上の電位が上がる。それにより、帯電ローラ直前のドラム表面と帯電ローラの表面との電位差により感光ドラム上にある微小なトナーが帯電ローラの表面に付着する。これは、ローラの汚染に繋がり、周方向の汚れ斑となり、周方向に帯電ローラ表面の抵抗斑が生じることから正常な放電電流制御を行うことが出来なくなる。
本実施例では帯電ローラ2の表面に付着したトナーを除去するための清掃手段である帯電清掃部材に本実施例の画像形成用ブラシ13の構成を適用することにより、汚れ斑を防止することができる。
図14は、本実施例を適用した場合と非適用時のグラフであり、帯電ローラ直前の感光ドラム表面電位が−300(V)時においての、放電電流制御時の帯電ローラ2の周方向汚れ濃度と、放電電流制御時に帯電ローラ2に印加するDC電圧との関係を示す。
帯電ローラ2の汚れはTOKYO DENSHOKU CO.LTD製の濃度計T−DSにより、帯電ローラ上の汚れを透明のテープで採取し、白紙上に貼り付け、(汚れ部+テープ+白紙)の反射濃度と、(テープ+白紙)の反射濃度を求めた。汚れ濃度(%)は、次式、
汚れ濃度(%)=(汚れ部反射濃度+テープの反射濃度)−テープの反射濃度
にて算出した。
帯電ローラ2の周方向汚れ濃度差は、汚れ濃度の最大値と最小値との差を示している。
その結果、帯電ローラ2の周方向汚れの濃度差が0.05%以下の場合、放電電流制御時に測定される交流電流値の誤差が微小になり適正な放電電流量を算出することが分かった。
また、帯電ローラ直前の感光ドラム表面電位と放電電流制御時に帯電ローラ2に印加するDC値の差が±100v(望ましくは±50v)以下において、放電電流制御時の汚れ斑が無視できるほど小さくなることが実験結果から分かった。
更に、本実施例を適用することにより従来よりもロバスト性が向上し、±150v以下でも性能を維持できる結果となった。
本実施例の画像形成装置は、放電電流制御時において、帯電ローラ直前の感光ドラム表面電位と放電電流制御時に印加するDC値を近傍に設定することで、放電電流制御時の帯電ローラへのトナーの汚染、また汚れ斑を防止することができる。そして、帯電ローラの寿命も著しく延ばすことができる。さらに、安定した放電電流制御を提供することができる。
従って、画像形成装置は、過剰放電を起こさず、常に一定量の放電が生じることにより感光ドラムにトナーが融着することなく長期にわたり高画質、高品質の画像を安定して維持することができる。
また、転写残トナーは、現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用するため、回収トナーをなくし、またメンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。
また、本実施例では従来よりも省スペースにて提供することができるため小型化にも有利である。
尚、本実施例では表2の条件を有するブラシにて試行したが是に限定されない。
上記実施例1〜4とは異なり、本実施例では図5に示す画像形成用ブラシ13であって、且つ、前記経糸15a及び緯糸15bより形成される空間Vが画像形成装置内において接触する部材に対して長手方向に長い形状の空間Vであることを特徴としている。
基布15を形成する経糸15a及び緯糸15bには、耐久性、柔軟性の高い糸が使用され、このような糸としてはフィラメント糸または紡績糸及び錦糸等が挙げられる。
本実施例では柔軟性が高く嵩高い紡績糸が使用されている。パイル糸17は、前記経糸15a及び緯糸15bを絡ませるようにW字状に織り込まれており、上記空間Vから突出した状態で起毛している。
実施例5では、図1に示す画像形成装置内における像担持体用クリーニング装置9のファーブラシ7A或いはデッキブラシ7Bに適用した。
図6(a)に示すように、ファーブラシ7Aは、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属製の丸棒よりなる支持軸7aとこの支持軸7aの表面に接合された帯状をなすパイル織物(ブラシ)13とにより構成されている。その上にパイル織物を螺旋状に巻回することによりファーブラシ7Aが形成されている。図6(b)に示すデッキブラシ7Bは同様に金属等の並行平板7bにパイル織物13を接合することにより形成されている。
図9は、前記経糸15a及び緯糸15bより形成される空間Vを簡略化して表現した図である。
図9(a)に示す、感光ドラム回転方向に対して垂直方向に長軸Lが位置した形状が本実施例である。比較例は、図9(b)に示すように、ドラム回転方向に対して垂直方向に短軸Sが位置した形状である。即ち、本実施例では、感光ドラムの長手方向に、前記経糸15a及び緯糸15bより形成される空間Vの長軸Lが配向される。また、長手方向に交差する方向に短軸Sが位置している。空間Vの形状は、矩形状でも良く、楕円形状でも良い。
一方、比較例では、感光ドラムの長手方向に、前記経糸15a及び緯糸15bより形成される空間Vの短軸Sが配向され、長手方向に交差する方向に長軸Lが位置している。
尚、柔軟性のある糸を使用することにより、確実な成形はできないが、図15に示すように、基布15において使用する糸15a、15bに関して、ドラム回転方向に対して垂直方向に織り込まれている糸15bを他方の糸15aより多く織りこみ締め付けることにより上記形状を成形可能である(図15(a))。比較例は上記方法とは逆の手法にて成形している(図15(b))。
尚、本実施例では上記方法にて成形したが是に限定するものではない。この空間形状内にパイル糸束16を起毛させることにより、締め付けられた形状にパイル糸束16が変形し、実施例1で示したように図7(b)の様子になることが分かった。この形状は、実施した形態に近い形で、図7(b)はパイル糸束16を回転している感光ドラム1に接触させた時の1束の様子を示したものである。
どちらもパイル糸束16における繊度、植毛密度、原糸抵抗は同じとし起毛した空間形状のみが異なる。上述したように、図7(b)は本発明における実施例を、図7(a)は比較例を示す。
その結果、本実施例を適用することにより長手方向に対して毛倒れ量が多く比較対象に比べより均一に感光ドラム1と接触していることが明らかとなり、本発明の効果があることが示された。
本実施例では、図6(a)に示す、ファーブラシ7Aとして適用したが、図6(b)に示す金属等の並行平板の支持板にパイル織物を接合したデッキブラシ7Bとしてのブラシ形状においても適用でき、同様の効果を確認した。
加えて本実施例を適用したデッキブラシ7Bでは短軸Sを短くすることが出来るためドラム回転方向に対する織段数も減ることから省スペースとしての効果も併せ持つ結果となった。
しかし、本実施例を適用した形状において長軸Lの割合を大きくしても均一性自身は高くなるが、疎になる部分が多くなるため、実画像形成時残留現像剤がすり抜けてしまい、画像不良を引き起こす結果となった。
そこで、長軸Lと短軸Sとの関係について最適化を行い、表3からL:S=2〜3:1と同等の関係を得た。即ち、S=1としたとき、2≦L≦3である。
これは、実施例1では糸束自身の形状を最適化したのに対して、実施例5は起毛するための空間Vを最適化することにより実施例1と同等の形状となり本発明の効果を得た結果となった。
この結果を基にデッキブラシ7Bにて上記条件を適用し、さらにブラシの条件を振り実画像耐久におけるクリーニング性を確かめた。
表2は、本実施例で使用したパイル糸束に対する諸条件を示したものである。画像評価の試験方法としては、本実施例の画像形成装置により部分的にベタ画像を含んだ画像(図11)を出力し5000枚中におけるクリーニング不良を目視にて確認した。
結果として上記条件において5000枚実画像耐久においても画像不良の発生は見られなかったことから、本発明における一実施例として提供できることを確認した。
尚、本実施例では表2の条件にて試行したが是に限定されない。
(実施例6)
実施例6では、上記実施例5と同様の本発明における第二の特徴を有するブラシを転写後の転写手段に対しての清掃装置(クリーニング手段)として適用した。
本実施例では、図1、図2に示す画像形成装置にて、図5に示す構成の画像形成用ブラシ13であって、本発明における第2の特徴を有するブラシを、図10(a)、(b)に示す転写手段としての転写ローラ5に当接するブラシ(清掃手段)10に適用した。
図10(a)に示す本実施例では、ファーブラシ10は、転写ローラ5の回転に対して従動させたが、是に限定することは無く周速比を持たせるなどの設定も可能である。また、図10(b)に示すデッキブラシ10に関しては、本実施例では転写ローラ5に対して当接した形状としたが、是に限定する必要はなく、レシプロ動作を持たせるなどの設定も可能である。
転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接させてあり、その圧接ニップ部dが転写部となる。この転写部dに不図示の給紙機構部から所定の制御タイミングにて転写材(被転写部材、記録材)Pが給送される。転写部dに給送された転写材Pは、回転する感光ドラム1と転写ローラ5の間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラ5に電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス本例では+2kVが印加される。これにより、転写部dを挟持搬送されていく転写材Pの面に感光ドラム面側のトナー画像が順次に静電転写されていく。
本実施例を適用しない場合、ジャム等が発生した場合、本来転写材Pに静電転写されるべきトナー像が転写ローラ5に転写されてしまい転写ローラ5を汚染させ次の動作にて転写材裏面を汚す裏汚れなる画像不良を発生させる。また、経時耐久により転写ローラ5が転写材Pとの接触により、部分的抵抗斑を発生させ、転写不良なる画像不良が発生する結果となった。
本実施例では図10(a)、(b)によるファーブラシ及びデッキブラシ構成を図1及び図2の画像形成装置に適用し、実画像耐久におけるクリーニング性を確かめた。諸条件に関しては上記実施例1を適用した。
図1、図2に示す画像形成装置により部分的にベタ画像(図11)を含んだ画像を出力し5000枚中における画像不良を目視にて確認した。また、意図的にジャムを発生させその後のジョブにおける動作において画像不良が発生するかどうかを確認した。結果、両評価において画像不良の発生は見られなかった。
加えて本実施例を適用した転写ローラ5に関して本実施例を適用した場合と非適用に分別しローラ表面上の汚れを比較した。分析は、上記画像評価に付随して行いHORIBA社製 X線分析顕微鏡 XGT−5000にて行った。
計測した結果を図16に示す。横軸に測定ポイント、縦軸に汚れの指標としてTiの光強度を規格化したものである。
画像Dutyに対応して値が大きくなることは共通として言えるが、非適用時においてある画像Dutyが連続で通紙された部分に関してある一定値以上になり、転写不良と見られる画像不良が発生した。
それに対して、本実施例を適用時においては上記不良が発生することは無くまた画像Dutyに依存せず均一にトナーを散らしながらクリーニングを行い保持していることが判明した。
上記結果から、本発明における一実施例として提供できることを確認し長期にわたり高画質、高品質の画像を安定して維持することができた。
尚、本実施例では表2の条件を有するブラシにて試行したが是に限定されない。
(実施例7)
上記実施例5と同様に、本発明における第二の特徴を有する上記ブラシを図2に示すクリーナレス方式の画像形成装置における導電性ブラシである補助ブラシ70、80に適用した場合にも本発明における特徴を活かすことができる。
つまり、実施例7では、上記実施例5と同様に、図5に示す構成の画像形成用ブラシ13であって、本発明における第二の特徴を有するブラシを図2に示すクリーナレス方式の画像形成装置における補助ブラシ70、80に適用した。
図2は、本実施例を適用した画像形成装置であり、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光ドラム面に若干量残留する転写残トナーを除去する専用のクリーニング装置は具備していない。
転写後の感光ドラム面上の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の回転に伴い帯電部a、露後部bを通って現像部cに持ち運ばれて、現像装置4により現像同時クリーニング(回収)される(クリーナレスシステム)。
本実施例においては現像装置4の現像スリーブ4bは、前述したように、現像部cにおいて、感光ドラム面の進行方向とは逆方向に回転させており、これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。
感光ドラム面上の転写残トナーは、露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
ただ前述のように、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在している。その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで帯電ローラ2が許容以上にトナー汚染して帯電不良を生じることになる。
また、感光ドラム面上の転写残トナーの現像装置4による現像同時クリーニングを効果的に行わせるためには、トナー帯電量が適切であることが重要である。つまり、トナー帯電量は、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつ、その帯電量が現像装置4によって感光ドラム1の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。
反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光ドラム上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
また、近年ユーザニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高印字率な画像などの連続の印字動作などにより、一度に大量の転写残トナーの発生により、上述のような問題を更に助長させてしまう。
そこで、本実施例においては、転写部dよりも感光ドラム回転方向下流側の位置において、感光ドラム1上の転写残トナーを均一化するための、転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段70を設ける。この転写残トナー均一化手段70よりも感光ドラム回転方向下流側で、帯電部aよりも感光ドラム回転方向上流側の位置において、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるためのトナー(現像剤)帯電量制御手段80を設けている。
転写残トナー均一化手段70には電圧印加電源S4によって正極性の電圧、本実施例では+300Vが印加されている。また帯電量制御手段には電圧印加電源S5によって負極性、本実施例では−800vが印加されている。
転写部dPにおいて転写材にトナー像を転写した後、感光ドラム1に残留している転写残トナーは、引き続いて回転している感光ドラム1の回転に伴って転写残トナー均一化手段70と感光ドラム1との接触部eに到達する。そして、転写残トナーは接触部において、一旦、転写残トナー均一化手段70によって正極性に揃えられる。
また、転写残トナー均一化手段70は下流側に配設された帯電量制御手段80での放電を確実に行わせるため感光ドラム1の表面電位を0v近傍にする。
転写残トナー均一化手段70で正極性に揃えられた感光ドラム表面の転写残トナーは、引き続いて回転している感光ドラムの回転に伴って、帯電量制御手段80と感光ドラム1との接触部fに到達する。接触部fに到達した感光ドラム表面の転写残トナーは、帯電量制御手段80を通過する時、その帯電極性が正規極性である負極性に揃えられる。帯電量制御手段通過後のトナーの帯電量は、本実施例では約−70μC/gとなる。
上記構成において本実施例の画像形成装置では部分的にベタ画像(図11)を含んだ画像を出力し5000枚中における画像不良を目視にて確認した。その結果、画像不良の発生は見られなかった。
加えて本実施例を適用した感光ドラム1に関して本実施例を適用した場合と非適用に分別し、感光ドラム上のフィルミングを東京精密製 小坂製のSE−30Dにて表面粗さにて評価した。
図17は、フィルミングに厳しい条件である図11における計測ポイント(4)を経時的に追い推移を比較したものである。
本実施例では安定した推移にて多少の粗さは上昇しているものの本評価内において画像不良が発生することはなかった。しかし非適用に関しては、約1500枚以降フィルミングが発生し、以降回復傾向は見られなかった。
上記結果から、本発明における一実施例として提供できることを確認し長期にわたり高画質、高品質の画像を安定して維持することができる手法を提案することが出来た。
尚、本実施例では表2の条件を有するブラシにて試行したが是に限定されない。
(実施例8)
上記実施例5と同様に、本発明における第二の特徴を有する上記ブラシを帯電手段における清掃装置(クリーニング手段)に適用した場合にも本発明における特徴を活かすことができる。
つまり、実施例8では、上記実施例5と同様に、図5に示す構成の画像形成用ブラシ13であって、本発明における第二の特徴を有するブラシを図2に示すクリーナレス方式の画像形成装置における帯電ローラ2のクリーニング手段に適用した。
図4は、図2の画像形成装置にて帯電ローラ2に対するクリーニング手段として、従来のクリーニング部材2fの代わりに本実施例の清掃手段としてのブラシ状帯電清掃部材10を配設した図である。
帯電ローラ2は、図3を参照して上述したように、芯金2aの両端部をそれぞれ不図示の軸受け部材により回転自在に保持されると共に、押し圧ばね2eによって感光ドラム方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させている。そのため、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
この帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより回転感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。
本実施例において、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧;−500V、交流電圧;周波数f=1kHz、ピーク間電圧Vpp1.4kV、正弦波とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
帯電ローラ2の長手方向(回転軸線方向)長さは320mmである。図3の層構成模型図のように芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
本実施例における帯電ローラ2の仕様は下記の通りとした。
a.芯金2a ;直径6mmのステンレス丸棒
b.下層2b ;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm、長さ320mm
c.中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
d.表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫、カーボンを分散、体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格 10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
図2のクリーナレス方式の画像形成装置においては、転写残トナー均一化手段70と帯電量制御手段80にバイアスを印加すると、感光ドラム上の電位が上がる。それにより、帯電ローラ直前のドラム表面と帯電ローラの表面との電位差により感光ドラム上にある微小なトナーが帯電ローラの表面に付着する。これは、ローラの汚染に繋がり、周方向の汚れ斑となり、周方向に帯電ローラ表面の抵抗斑が生じることから正常な放電電流制御を行うことが出来なくなる。
本実施例では帯電ローラ2の表面に付着したトナーを除去するための清掃手段である帯電清掃部材に本実施例の画像形成用ブラシ13の構成を適用することにより、汚れ斑を防止することができる。
図18は、本実施例を適用した場合と非適用時のグラフであり、帯電ローラ直前の感光ドラム表面電位が−300(V)時においての、放電電流制御時の帯電ローラ2の周方向汚れ濃度と、放電電流制御時に帯電ローラ2に印加するDC電圧との関係を示す。
帯電ローラ2の汚れはTOKYO DENSHOKU CO.LTD製の濃度計T−DSにより、帯電ローラ上の汚れを透明のテープで採取し、白紙上に貼り付け、(汚れ部+テープ+白紙)の反射濃度と、(テープ+白紙)の反射濃度を求めた。汚れ濃度(%)は、次式、
汚れ濃度(%)=(汚れ部反射濃度+テープの反射濃度)−テープの反射濃度
にて算出した。
帯電ローラ2の周方向汚れ濃度差は、汚れ濃度の最大値と最小値との差を示している。
その結果、帯電ローラ2の周奉公汚れの濃度差が0.05%以下の場合、放電電流制御時に測定される交流電流値の誤差が微小になり適正な放電電流量を算出することが分かった。
また、帯電ローラ直前の感光ドラム表面電位と放電電流制御時に帯電ローラ2に印加するDC値の差が±100v(望ましくは±50v)以下において、放電電流制御時の汚れ斑が無視できるほど小さくなることが実験結果から分かった。
更に、本実施例を適用することにより従来よりもロバスト性が向上し、±150v以下でも性能を維持できる結果となった。
本実施例の画像形成装置は、放電電流制御時において、帯電ローラ直前の感光ドラム表面電位と放電電流制御時に印加するDC値を近傍に設定することで、放電電流制御時の帯電ローラへのトナーの汚染、また汚れ斑を防止することができる。そして、帯電ローラの寿命も著しく延ばすことができる。さらに、安定した放電電流制御を提供することができる。
従って、画像形成装置は、過剰放電を起こさず、常に一定量の放電が生じることにより感光ドラムにトナーが融着することなく長期にわたり高画質、高品質の画像を安定して維持することができる。
また、転写残トナーは、現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用するため、回収トナーをなくし、またメンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。
また、本実施例では従来よりも省スペースにて提供することができるため小型化にも有利である。
尚、本実施例では表2の条件を有するブラシにて試行したが是に限定されない。
上述のように、本発明を各実施例について説明したが、本発明における実施例はこれに限定されず、以下の形態を含んでも本発明の効果を妨げる要因とはならない。
1)転写残トナー均一化手段70とトナー帯電量制御手段80は、実施例ではブラシ状部材であるが、ブラシ回転体、弾性ローラ体、シート状部材など任意の形態の部材にすることができる。またレシプロさせる方向は同方向でも逆方向でもかまわない。
2)像担持体は、表面抵抗が109〜1014Ω・cmの電荷注入層を設けた直接注入帯電性のものであってもよい。電荷注入層を用いていない場合でも、例えば電荷輸送層が上記の抵抗範囲にある場合も同等の効果がえられる。表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体でもよい。
3)可撓性の接触帯電部材は、帯電ローラの他に、ファーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使用可能である。また各種材質のものの組み合わせでより適切な弾性、導電性、表面性、耐久性のものを得ることもできる。
4)接触帯電部材や現像部材に印加する振動電界の交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変化する電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。
5)像担持体としての感光体の帯電面に対する情報書き込み手段としての像露光手段は、実施例のレーザ走査手段以外にも、例えば、LEDのような固体発光素子アレイを用いたデジタル露光手段であってもよい。ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。要するに、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであればよい。
6)像担持体は、静電記録誘電体などであってもよい。この場合は該誘電体面を一様に帯電した後、その帯電面を除電針ヘッドや電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の画像情報に対応した静電潜像を書き込み形成する。
7)静電潜像のトナー現像方式・手段は、任意である。反転現像方式でも正規現像方式でもよい。一般的に、静電潜像の現像方法は非磁性トナーについては、
(a)トナーをブレード等でスリーブ等の現像剤担持搬送部材上にコーティングし、磁性トナーについてはこれを現像剤担持搬送部材上に磁気力によってコーティングして搬送して像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(1成分非接触現像)、
(b)上記のように現像剤担持搬送部材上にコーティングしたトナーを像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(1成分接触現像)、
(c)トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したものを現像剤(2成分現像剤)として用いて磁気力によって搬送して像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分接触現像)、
(d)上記の2成分現像剤を像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分非接触現像)、
の4種類に大別される。
8)転写手段は、ローラ転写に限られず、ブレード転写、ベルト転写、その他の接触転写帯電方式であってもよいし、コロナ帯電器を使用した非接触転写帯電方式でもよい。
9)転写ドラムや転写ベルトなどの中間転写体を用いて、単色画像形成ばかりでなく、多重転写等により多色、フルカラー画像を形成する画像形成装置にも本発明は適用できる。
上記各実施例において説明したように、本発明に従った構成の画像形成用ブラシは、ブラシに接触する部材に対して省スペースで安定した清掃能力、或いは、現像剤に対する電荷付与能力をもたらすことができる。それによって、本発明に従った構成の画像形成用ブラシを備えた画像形成装置は、高品質の良好な画像を得ることができる。