JP5235457B2 - 記録再生装置、ディスク組立体、及びディスクカートリッジ - Google Patents

記録再生装置、ディスク組立体、及びディスクカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP5235457B2
JP5235457B2 JP2008066750A JP2008066750A JP5235457B2 JP 5235457 B2 JP5235457 B2 JP 5235457B2 JP 2008066750 A JP2008066750 A JP 2008066750A JP 2008066750 A JP2008066750 A JP 2008066750A JP 5235457 B2 JP5235457 B2 JP 5235457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
stabilizing member
recording
reproducing apparatus
disc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008066750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009223945A (ja
Inventor
康知 阿萬
伸晃 小名木
春樹 徳丸
大一 小出
善道 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd, Japan Broadcasting Corp filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2008066750A priority Critical patent/JP5235457B2/ja
Priority to EP20090718584 priority patent/EP2263231B1/en
Priority to KR1020097023485A priority patent/KR101105861B1/ko
Priority to PCT/JP2009/055385 priority patent/WO2009113731A1/en
Priority to CN2009800003257A priority patent/CN101681660B/zh
Priority to US12/594,912 priority patent/US8495669B2/en
Publication of JP2009223945A publication Critical patent/JP2009223945A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5235457B2 publication Critical patent/JP5235457B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Description

本発明は、記録再生装置、ディスク組立体、及びディスクカートリッジに関する。
近年、テレビ放送のデジタル化が始まるなど、大容量のデジタルデータを記録することが情報記録媒体に求められている。例えば、ディスクの分野においては、情報の記録再生のためにディスクに集光される光スポット径を小さくすることが、高密度化のための基本的な方法の一つに挙げられる。なお、以下においてディスクを代表として説明するが、本発明が対象とする記録再生装置に用いられるディスクは、相変化メモリ,光磁気メモリ,ホログラムメモリなどのディスク状の記録媒体すべてを対象にし、特にディスクに限定するものではない。
レーザーを絞り込んで高密度の記録再生を行う上では、ディスク回転時のディスク面の振れ、すなわち面振れが小さいことが重要である。記録情報の大容量化に伴いデータ転送レートの高速化が求められているが、例えば、放送用HDTVの映像録画における転送レートは、250Mbps以上が一つの目安と言われている。この転送レートをディスクの記録面全面での実現する場合、内周部での転送レートを確保するために、ディスクは15000rpm以上の高速回転が必要となる。このような高速回転においても、記録再生時のディスク面へのフォーカスサーボ追従の観点から、高速回転に伴うディスクの面振れを小さくすることが必要である。
剛体のディスクの振動による面振れ対策としては、従来から、弾性体によりディスクをターンテーブル上に保持して回転させるディスクの振動防止装置が知られている。これらの振動防止装置では、通常用いられている剛体材料製のディスクを、弾性材料を介してターンテーブル(スピンドル)に固定している。そして、弾性材料により、ディスクを回転させた場合の振動(共振)の抑制や、ディスク保持部のゴミの挟み込みによる結合不良による振動を防止している。しかし、剛体材料製のディスクでは、10000RPMを超えるような高速回転の記録再生には不向きである。
高速回転に適するディスクとして可撓性を有するディスクがある。可撓性を有するディスクの高速回転に伴う面振れ対策としては、ディスクを高速回転させたときの空気力学的な安定化手段を用いる方法が提案されている。可撓性を有するディスクにおいては、高速回転させると、剛体材料製のディスクのような共振による面振れではなく、可撓性で円盤状のディスクの高速回転にともなう波打ち現象のような面振れが起こり易い。この面振れに対しては、空気力学的な安定化手段を用いる方法が知られている。例えば、特許文献1〜3に開示された安定化部材(スタビライザー)がある。特許文献1〜3に開示された記録再生装置によれば、可撓性のディスクに対し、ディスク面周辺に配置する安定化部材(スタビライザー)の形態を工夫することにより、ディスクと安定化部材との空気力学的な作用を利用してディスク面を安定化させ、安定したディスク面上の位置での情報の記録再生を実現可能としている。
具体的に、特許文献1、2に開示されている情報の記録再生装置においては、平面状の安定化部材を可撓性を有する記録ディスク面に作用させる形態、あるいは凹状に湾曲した安定化部材をディスク面に作用させる形態としている。そして、安定化部材と記録ディスク面との間の距離を例えば0.05〜0.30mmに調整することにより、1000rpmを超える高速回転時においてもディスクの回転駆動を安定化することができるとしている。
特許文献3に開示されている情報の記録再生装置おいては、可撓性ディスクと安定化板の間に任意の厚みのスペーサを挿入し、内周に形成した空気導入孔から流れ込む空気流によりディスクの振動を抑制する方法がとられている。また、特許文献4に開示されている記録再生装置おいては、実際に記録再生を行う重要箇所におけるディスク面の安定化は、磁気ヘッド(トランスデューサ)により、連結した2枚の可撓性ディスクを挟み込むことにより実現しており、磁気ヘッドによる空気力学的な作用を利用している。
特開2006−107699号公報 特開2007−149311号公報 特開2006−344291号公報 特許第2607577号公報
上述の特許文献に開示された記録再生装置においては、記録ディスクが可撓性を有し、かつ安定化部材によるディスク振動の抑制効果が得られることから、これまでの剛体を用いたCD,DVD,BD,HD−DVD等の記録ディスクでは実用化が困難であった、10000rpm以上の高速回転域で駆動できるポテンシャルを有すると考えられる。実際に、特許文献1〜2では15000rpm付近までの高速駆動についての記述がなされている。
しかし、実用的には、可撓性を有する記録ディスクを、10000rpmを越える高速で回転させて記録再生をする記録再生システムは、これまでに前例がなく、実用上の課題は未知の領域にあった。
特許文献1〜2に示すような、平面上の安定化部材を記録ディスク全面に作用させる形態、あるいは凹状に湾曲した安定化部材をディスク全面に作用させる形態においては、安定化部材と記録ディスクの間の距離を例えば0.05〜0.30mmに調整することにより、10000rpmを超える高速回転時においても、ディスクの回転駆動を安定化することができる。しかし、ディスクの回転開始時あるいは停止時にこの動作距離でディスクを回転させると、ディスクと安定化部材が接触摺動し、ディスク面振れが悪化し、記録再生の信号品質を劣化させる。あるいは、回転・停止の動作の繰り返しによりディスクが安定化部材にくっつき、停止してしまうといった不具合が生じる。このため、回転開始及び停止動作時には、ディスクを安定化部材から離して待避させ、任意回転数に到達後にディスクを安定化部材に近づけて、あるいは安定化部材をディスクに近づけて、その位置を前記の距離に精密制御し、作用させるという手順が必要であった。
一方、特許文献3に示すような、可撓性のディスクを剛体からなる安定化部材とを連動させて(相対速度零で)回転させて、空気の流体力学的作用を利用して安定化するような構成においては、回転・停止時にディスクと安定化部材が接触・摺動するという、前述の問題は回避できるが、ディスク面振れ特性が安定化部材自体の機械精度に依存するため、10000rpmを超える高速駆動に対応するのが極めて困難であり、対応できる回転数域は限られてしまう。例えば、平坦性の良好なガラス基板を用いたとしても、ディスク面振れ特性は20〜50ミクロン程度であり、10000rpmでの最大面振れ加速度(1.6kHz未満の周波数成分の最大振幅)は数10ms−2のオーダーとなる。
また、特許文献4に開示された安定化部材による空気安定化の作用を利用した例においては、実際に記録再生を行う重要箇所におけるディスク面の安定化は、磁気ヘッド(トランスデューサ)により、連結した2枚の可撓性ディスクを挟み込むことにより実現しており、磁気ヘッドによる空気力学的な作用が必要不可欠である。このため、この形態の対象は、ディスク面と記録再生ヘッドを近接させる磁気ディスクの様な記録再生方式に限られる。この記録再生方式は、ディスクのような、光学的かつ巨視的に離れた位置でアクセスするタイプの方式に適用することは非常に困難である。仮に、この課題をクリアできたとしても、ディスクに作用させる平板状の安定化部材(ベルヌーイ面35)内に、記録再生ヘッドにより連結した2枚の可撓性ディスクを挟み込むための開口部を形成することが必要要件であるため、この開口部によって発生する乱流が原因となって、ディスクの高速回転限界が制限されてしまい、本発明の目的とする、10000rpmを超える高速での回転駆動を達成することはできない。
本発明の目的は、上述の課題を踏まえ、可撓性を有するディスクを安定化部材により空気安定化させて回転駆動させるシステムにおいて、10000rpmを超える高速でディスクを回転駆動すると共に、ディスクの回転停止時においても、情報を記録したディスクにダメージを与えることのない、記録再生装置、ディスク組立体、ディスクカートリッジを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明者等は、以下の発明を完成した。
本発明は、可撓性を有するディスクに対し、情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う記録再生装置であって、前記ディスクを回転させる回転機構と;前記ディスクに近接配置して対向するように前記回転機構の回転軸に前記ディスクと同軸回転可能に保持された可撓性を有する円盤状の第一の安定化部材と;第一の安定化部材を介して、前記ディスクに対向して配置された第二の安定化部材と;を備えることを特徴とする記録再生装置である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、前記ディスクの情報記録領域に対向する部分よりも内側の面にスペーサを備えることを特徴とする前記記録再生装置である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、前記ディスクの情報記録領域に対向する部分よりも内側の面に、開口を有することを特徴とする前記記録再生装置である。
好ましい本発明は、第二の安定化部材は、少なくとも前記ディスクの情報記録領域の全面に対向する対向面を有することを特徴とする前記記録再生装置である。
好ましい本発明は、第二の安定化部材の前記対向面は、一方向に湾曲した凹面であることを特徴とする前記記録再生装置である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、両面に導電性を有することを特徴とする前記記録再生装置である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、高分子フィルムを含むことを特徴とする前記記録再生装置である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、金属箔を含むことを特徴とする前記記録再生装置である。
本発明は、情報を記録可能な可撓性を有するディスクと;可撓性を有する円盤状の第一の安定化部材と;同軸回転可能に近接配置され、中心部でスペーサを介して固定されていることを特徴とするディスク組立体である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材と前記ディスクは、前記ディスクの情報記録領域よりも内側でスペーサを介して連結していることを特徴とする前記ディスク組立体である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、前記ディスクの情報記録領域に対向する部分よりも内側の面に、開口を有することを特徴とする前記ディスク組立体である。
好ましい本発明は、前記ディスクは、情報記録領域よりも内側の面に、開口を有することを特徴とする前記ディスク組立体である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、両面に導電性を有することを特徴とする前記ディスク組立体である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、高分子フィルムを含むことを特徴とする前記ディスク組立体である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材は、金属箔を含むことを特徴とする前記ディスク組立体である。
好ましい本発明は、第一の安定化部材を介して、前記ディスクに対向して配置された第二の安定化部材を備えたことを特徴とする前記ディスク組立体である。
好ましい本発明は、第二の安定化部材は、少なくとも前記ディスクの情報記録領域の全面に対向する対向面を有することを特徴とする前記ディスク組立体である。
好ましい本発明は、第二の安定化部材の前記対向面は、一方向に湾曲した凹面であることを特徴とする前記ディスク組立体である。
本発明は、いずれかの前記ディスク組立体を、記録再生装置に着脱自在に収納したことを特徴とするディスクカートリッジである。
本発明によれば、可撓性を有するディスクを安定化部材により空気安定化させて回転駆動させるシステムにおいて、10000rpmを超える高速でディスクを回転駆動すると共に、ディスクの回転停止時においても、情報を記録したディスクにダメージを与えることのない、記録再生装置、ディスク組立体、ディスクカートリッジを提供することができる。
本発明の実施形態とその構成動作について、図面を参照して説明する。本発明を実施するための最良の形態を必要に応じて図面を参照にして説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい形態における例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の記録再生装置のディスクを回転させる回転機構及びディスク組立体を説明するための平面図であり、図2は図1のC−C'断面の断面図である。符号1は可撓性を有する記録媒体であるディスクである。なお、この実施形態では、ディスクは光ディスクを想定して説明するが、本発明は光ディスクに限られるものではない。符号2はディスク1の回転中心(中央)部分に装着されたディスク1を回転させるために保持する一方の保持部材であるハブである。符号3はスピンドル、4はディスク1の半径方向に移動してディスク1に対して光ビームを集光させ、情報の記録再生処理を行うためディスク1に対し動線Rに沿って光走査を行う記録/再生手段である光ピックアップである。
符号30はディスク1と共に回転しディスク1を安定駆動させるための可撓性部材からなる第一の安定化部材であり、符号31は第一の安定化部材30の回転駆動を安定させるための第二の安定化部材である。符号32はディスク1と第一の安定化部材30を連結しかつ双方のZ軸方向の相対位置を規定するためのスペーサ、符号33はディスク1と第一の安定化部材30の回転駆動において、ディスク1と第一の安定化部材30の間に空気流を導入するための開口である。第一の安定化部材30は、ディスク1と同じような形状の円盤状をしていることが好ましく、ディスク1と同じか少し大きめの直径をしていることが好ましい。これにより、ディスク1の安定回転が確保しやすい。
第二の安定化部材31の形態としては、図2の断面図に示すようなディスク1との対向面31aが平面の他にも凹面や凸面としてもよい。例えば、図3の断面図や図5の平面図に示すようなC−C'方向に湾曲した円筒状凹面や、この逆の円筒状凸面としてもよい。また、すり鉢状の凹面や、これを逆転させた凸面といった様々な形態が考えられる。第二の安定化部材31は、ディスクとの対向面31aがディスク1と同じ程度の直径をしていることが好ましく、第一の安定化部材30と同じか少し大きめの直径をしていることがより好ましい。これにより、ディスク1及び第一の安定化部材30の安定回転が確保しやすい。
図1,2に示した記録再生装置とディスクの組み合わせを代表にして、ディスク1を安定して回転駆動させる動作について説明する。なお、以下説明する動作は、第二の安定化部材を図3にしめした形態としたり、あるいは、その他の形態とした場合にも適用できる。
ディスク1はスペーサ32を介して、第一の安定化部材30と連結され、スピンドル3の回転軸にハブ2とディスクキャップ6(ディスククランパともいう。)により固定されている。なお、図4に、可撓性を有し円盤状の第一の安定化部材30の形態を平面図として示す。第一の安定化部材30と第二の安定化部材31のギャップ、より詳しくは、「スピンドル3付近における第二の安定化部材上のディスク1との対向面31a」と、「スピンドル3の回転軸の第一の安定化部材30の保持面3a」とのZ軸方向のギャップ (図中のCbd)が、0.05〜0.30mm近傍の値となるように、スピンドル3と第二の安定化部材31のZ軸方向の相対位置をあらかじめ設定しておく。
この状態で、スピンドル3により、第一の安定化部材30とディスク1をスピンドル3に保持したまま回転させると、第一の安定化部材30と第二の安定化部材31の間に空気軸受けが形成され、可撓性を持たせた第一の安定化部材30が、第二の安定化部材の表面に沿って一定の間隔を保ちながら回転する。さらに、これに伴い、ディスク1は第一の安定化部材30に沿って一定の間隔を保ちながら安定して回転する。この近接状態での回転駆動においては、回転起動時と停止時の過渡的な状態では、第一の安定化部材30と第二の安定化部材31が接触する可能性がある。しかし、仮に第一の安定化部材30と第二の安定化部材31が接触・摺動したとしても、情報を記録保持するディスク1は第一の安定化部材30を介して第二の安定化部材31と面しているため、ディスク1が第二の安定化部材31と接触・摺動する恐れはない。また、ディスク1と第一の安定化部材30と接触は、たとえ接触しても同軸回転をしているので、互いに摺動してディスク1の情報記録領域などを毀損することもない。
スペーサ32の作用の詳細は以下の通りである。スペーサ32の介在により、第一の安定化部材30とディスク1の間に隙間を持たせ、ディスクの回転駆動時における第一の安定化部材30とディスク1の両部材間の接触を軽減することができる。これにより、接触によるディスク1へのダメージを減らすと共に、接触した部位が密着してしまった場合に発生する可能性のあるディスク1の変形を回避し、これに伴うディスク1の振動を回避することができる。
図4に示すような、内周部近傍に開口33を有する第一の安定化部材30を用いることが好適である。開口33は、スビンドル3の回転軸が挿入される開口34ではなく、中心からずれた位置に配置される。開口33は、複数個形成することが好ましく、その際、それぞれの開口33は中心に対し点対称に配置されることがさらに好ましい。また、この開口33は、回転機構としてスピンドル3やディスク1と組み合わされたときに、空気の流通が可能な位置に形成されている必要がある。
図4に示すような、開口33を形成した第一の安定化部材30を用いた場合には、スペーサ32の介在が効果的に作用する。具体的には、この開口33の存在により、ディスクの回転駆動時において、開口33から空気が吸引され、第一の安定化部材30とディスク1の間を流れる空気流を発生させ、第一の安定化部材30とディスク1の間に一定の隙間を保たせることになる。そして、両部材間の接触を回避すると共に、ディスク面振れを抑制し、安定したディスクの回転駆動を実現することができる。なお、この開口33は、第一の安定化部材30の代わりに、または第一の安定化部材30とともにディスク1に形成してもよく、上記と同様の効果を奏することができる。
なお、スペーサ32は、ディスク1よりも径が小さく、厚みを正確に規定したものであればよい。スペーサ32の適正な厚み範囲はディスク1と第一の安定化部材30の材質と厚み、また第二の安定化部材31のディスク1との対向面31aの形状により異なるが、おおよそ0.05〜0.40mmの範囲が妥当である。また、開口33は、第一の安定化部材30上の、ディスク1の情報記録領域の内径よりも内側の部分に形成されていればよく、その形状、個数について特に限定するものではない。(なお、通常、ディスク1の情報記録領域は、図10の符号1bに示されるように、ディスク1の内周部と外周部を除く領域に設定されている。)例えば、直径35mmの円周上に直径5mmの開口を等間隔に8つ形成するような形態とするなど、様々な構成が考えられる。
第二の安定化部材のディスク1との対向面31aは、最も単純なのは、図2に示す平面状の形態であり、図中Cbdで示す間隔をおおよそ0.05〜0.30mm(この設定範囲は第一の安定化部材の材質と厚みにより異なる)に設定することにより、本発明の効果を容易に得ることができる。ディスク1の高速駆動に対しては、図3に示すように、前記対向面31aの形状を一方向に湾曲させた円筒状凹面とした形態が好適である。第一の安定化部材30と第二の安定化部材31の間に有効に作用する空気軸受けを形成するためには、これら近接距離の設定が重要であり、形状により上限値が存在する。前記の円筒状凹面には、この上限値を広げると共に、安定化部材が有効に作用する高速側の限界を高める効果がある。第二の安定化部材31の円筒状湾曲面は、例えば、図5(a)の第二の安定化部材31の平面図に示すように、中心部に幅Wcfの平坦部31aを有し、両翼に円筒状の湾曲凹面31bとすることも可能である。この場合には、この中心母線31cよりもディスク回転方向の上流側に記録再生ヘッド4を走査させることが好ましい。また、記録再生ヘッド4の位置は、ディスク回転中心を基準とした点対称の位置(180度逆側)にとることもでき、1枚のディスクに対して2つの記録再生ヘッド4を使用して転送速度の高速化を図ることも可能である。
第一の安定化部材30は、例えば、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド他の高分子フィルムにより構成することが可能である。第一の安定化部材として機能させるために必要な厚みは、ポリカーボネイトの場合でおおよそ75〜300μμmの範囲、ポリエチレンテレフタレートの場合でおおよそ50〜200μμmの範囲である。このような高分子フィルムからなる第一の安定化部材30は、カットパンチ機等の利用により簡便かつ安価に作製可能である。また、これら高分子フィルムには導電性を付与することが好適である。例えば、フィルム生産プロセス中に導電性の粒子を添加する等の方法により導電性を付与することかできる。また、スパッタあるいは真空蒸着等の手法により高分子フィルム上に金属、あるいは合金膜を形成することによっても、容易に導電性を付与することができる。この導電性の付与により、第一の安定化部材30と、ディスク1あるいは第二の安定化部材31との吸着等(静電気の発生が要因となる)の不具合を回避することができる。
第一の安定化部材30は金属箔によって構成することも可能である。例えば、30〜100μm厚程度のステンレス箔、銅箔等が好適である。金属泊の採用により、第一の安定化部材と、ディスクあるいは第二の安定化部材との吸着等(静電気の発生が要因となる)の不具合を回避すると共に、第一の安定化部材の耐久性を向上させることができる。
上述の説明においては、第一の安定化部材30とディスク1の間にスペーサ32を挿入する場合について述べた。スペーサ32がなくても、本発明の目的である、高速駆動と、回転停止時のディスクダメージの回避は、十分に達成可能である。第一の安定化部材30とディスク1の間にスペーサ32を挿入しない場合は、ディスク1は第一の安定化部材30は回転中に接触する可能性が高いが、上述のようにディスク1と第一の安定化部材30とは、同軸回転をしているので、ディスク1の情報記録領域にダメージを与えない。そして、第一の安定化部材30は、ディスク1の保護シートの役目を果たし、ディスク1の振動を抑制する場合もある。
(第一の実施形態)
本発明の記録再生装置である第一の実施形態を、図6に示す回転機構を参照にして説明する。図6は、本発明の記録再生装置のドライブ装置にディスク組立体をセットする直前の状態を表しており、図2に示した回転機構の分解説明図の一つとも言える。符号8はディスク1を中心として構成したディスク組立体、符号20は本発明の記録再生装置におけるドライブ装置である。第一の実施形態は、スピンドル3を含む回転機構の他に、第二の安定化部材31、第一の安定化部材30、及びスペーサ32をドライブ装置20側に具備している。そして、ハブ2とディスク1を連結したディスク組立体8を、図示しないローディング機構によりドライブ装置20にローディングして回転駆動させるものである。この形態においては、第二の安定化部材31による第一の安定化部材30の空気安定化に必要な条件である、第二の安定化部材31と第一の安定化部材30の間隙の設定値Cbdと、第一の安定化部材30によりディスク1を安定駆動させるための条件であるスペーサ32と開口33の形状パラメータがドライブ装置20側の設計により決定される。
このように、ディスク1と静止した第二の安定化部材31との間に。ディスク1と同時回転する第一の安定化部材30を介在させておけば、ディスク1は、第二の安定化部材31と接触摺動することがない。このため、ディスク1の情報を記録する機能部に関係なく、空気軸受けを形成する第一の安定化部材30のみの修理あるいは交換により、容易にメンテナンスできるというメリットもある。
また、第二の安定化部材31は、少なくともディスク1の情報記録領域(図10に示す符号1bに相当する領域)の全面を覆う対向面31aを有していることが好ましい。このようにすることによって、10000rpmを超える高速回転においても、少なくともディスク1の情報記録領域における安定駆動が実現でき、記録再生ヘッドにより安定的に情報を記録再生できる。
(第二の実施形態)
本発明の記録再生装置である第二の実施形態を、図7に示す回転機構を参照にして説明する。図7も、本発明の記録再生装置のドライブ装置にディスク組立体をセットする直前の状態を表しており、図2に示した回転機構の分解説明図の一つと言える。第二の実施形態は、第二の安定化部材31及び第一の安定化部材30をドライブ装置20側に具備させ、ハブ2とスペーサ32とディスク1を連結したディスク組立体8を、図示しないローディング機構によりドライブ装置20にローディングして回転駆動させるものである。この形態においては、第二の安定化部材31による第一の安定化部材30の空気安定化に必要な条件である、第二の安定化部材31と第一の安定化部材30の間隙の設定値Cbdと、第一の安定化部材30によりディスク1を安定駆動させるための条件である開口33の形状パラメータがドライブ装置20側で、また第一の安定化部材30によりディスク1を安定駆動させるための条件であるスペーサ32の形状パラメータがディスク組立体8側で決定される。
(第三の実施形態)
本発明のディスク組立体である第三の実施形態を、図8に示す回転機構を参照にして説明する。図8は、記録再生装置のドライブ装置に本発明のディスク組立体をセットする直前の状態を表しており、図2に示した回転機構の分解説明図の一つと言える。第三の実施形態は、第二の安定化部材31をドライブ装置20側に具備させ、ディスク組立体8にハブ2、スペーサ32、ディスク1、及び第一の安定化部材30を連結している。このディスク組立体8は、本発明のディスク組立体に相当する。ディスク組立体8は、図示しないローディング機構によりドライブ装置20にローディングして回転駆動させるものである。この形態においては、第二の安定化部材31による第一の安定化部材30の空気安定化に必要な条件である、第二の安定化部材31と第一の安定化部材30の間隙の設定値Cbdがドライブ装置20側で、また、第一の安定化部材30によりディスク1を安定駆動させるための条件であるスペーサ32と開口33の形状パラメータがディスク組立体8側で決定される。
(第四の実施形態)
本発明のディスクカートリッジである第四の実施形態を、図9、10に示す回転機構の断面図とディスクカートリッジの平面図を参照にして説明する。図9は、記録再生装置のドライブ装置に本発明のディスクカートリッジをセットする直前の状態を表しており、本発明のディスクカートリッジをセットした回転機構の分解説明図とも言える。符号12はスピンドル3とディスクカートリッジ11のZ軸方向の相対位置を位置決め、第二の安定化部材31と第一の安定化部材30の間隙の設定値Cbdを設定するための、ディスクカートリッジ11のZ軸位置の位置を決めるディスクカートリッジ位置決め機構である。
図10は、本発明のディスクカートリッジの平面図であり、点線部はディスクカートリッジ内部の形状を示している。図9は、図10におけるA−A'断面に対応した断面図である。ディスク1の情報記録領域1bは、図9に示すように、通常のディスクと同様ディスク面の中心近くの内周部と外周部とを除いたドーナツ状の領域である。
符号13は光ピックアップに代表される記録再生ヘッド4をディスク1にアクセスさせるための記録再生ヘッドアクセス用開口である。符号14はスピンドル3をディスク組立体8に連結させるためのスピンドルアクセス用開口である。第四の実施形態は、ディスク固定用キャップ6,ハブ2、スペーサ32、ディスク1、及び第一の安定化部材30を連結したディスク組立体8を収納した本発明のディスクカートリッジ11を、図示しないローディング機構によりドライブ装置20にローディングして、ディスクカートリッジ位置決め機構12により、スピンドル3とディスクカートリッジ11のZ軸方向の相対位置を位置決めして、前記ディスク組立体8を回転駆動するものである。
この形態においては、第二の安定化部材31による第一の安定化部材30の空気安定化に必要な条件である、第二の安定化部材31と第一の安定化部材30の間隙の設定値Cbdが、ディスクカートリッジ11の構造設計(第二の安定化部材31とディスクカートリッジ11の厚み設計)と、ドライブ装置20側の構造設計(ディスクカートリッジ位置決め機構12とスピンドル3のZ軸位置設計)により決定される。また、第一の安定化部材30によりディスク1を安定駆動させるための条件であるスペーサ32と開口33の形状パラメータがディスク組立体8側で決定される。なお、記録再生ヘッドアクセス用開口13、スピンドルアクセス用開口14は、ディスクカートリッジ11をアンロードした状態においては、図示しない部材により閉じられ、保管時においてゴミ、埃等が侵入しない構造になっている。
なお、この実施形態のようにディスク1側に第一の安定化部材30が連結している場合においても、ディスク1の情報記録領域は第一の安定化部材30により保護されている。また、第一の安定化部材30は、ディスク組立体8又はディスクカートリッジから容易に取り外して修理、取り替えることもができる。この為、重要な情報を記録されているディスク1を破損することなく、容易にディスク組立体8又はディスクカートリッジを補修できる。
(実施例−1)
本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。実施例−1において、図6の第一の実施形態に示す構成で、ディスク組立体8をドライブ装置20にローディングし、ディスク1の回転・停止の繰り返し試験を実施した。
第二の安定化部材は、ステンレス材で構成した外径φ130mmの平板状とし、中心に内径φ35mmの貫通孔を形成して、図示するようにスピンドル3を配置した。この際、スピンドル3の第一の安定化部材を設置する面と、第二の安定化部材31の作用面のZ軸方向位置の距離である設定値Cbdが0.20mmとなるように、スピンドル3と第二の安定化部材31をドライブ装置20に固定した。このスピンドル3の回転軸に第一の安定化部材30とスペーサ32を固定し、ドライブ装置20を組み上げた。なお、スピンドル3の回転軸上の設置面の外径はφ29mmとした。
第一の安定化部材は、125μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムをベースにして、外径φ128mm、中心径φ15mmに加工、また、直径φ35mmの円周上に外径φ5mmの開口を等間隔に8つ形成し、更に両面にAgPdCuをスパッタ成膜した形態とした。スペーサ32は200μm厚のステンレス材により構成し、外径φ29mm、中心径φ15mmとした。
このドライブ装置20に、ハブ2とディスク1を連結したディスク組立体8を図示しないローディング機構によりローディングし、ディスク固定用キャップ6により固定した。その後、ディスク1をスピンドル3により、第一の安定化部材30と共に回転させ、回転・停止動作の繰り返しを行った。ディスク1の回転・停止操作とその評価結果については後述する。
なお、ディスク組立体8は、以下の手順で準備した。ディスク1の母材には直径120mm、厚さ80μmのポリカーボネイト製シートを用いた。まず、前記シートに、熱転写でスタンパのピッチ0.6μm、幅0.3μmのグルーブ(厚さ15μm)を転写し、その後、スパッタリングでシート/Si 10nm/ZnS−SiO 25nm/AgInSbTeGe 10nm/(ZrO−Y)−SiO 7nm/Ag反射層 120nmの順番に成膜した。情報記録領域は内周直径50mmから外周直径116mmまで(半径25mm〜58mm)の範囲に設定した。その後、UV樹脂をスピンコートし、紫外線照射で硬化させて厚さ10μmの透明保護膜を形成した。また、逆側の面には10μm厚のハードコートを施した。こうして作製したディスク1の中心部の片面(情報記録層形成側と逆側)に、外径φ29mm,内径φ15mm、厚み0.1mmのステンレス箔製のハブ2を接着剤(厚み0.03mm)により取り付けた。この組み付けは、各部材を同軸に合わせた上で行った。
(実施例−2)
実施例−2においては、図7の第二の実施形態に示す構成で、ディスク組立体8をドライブ装置20にローディングし、ディスク1の回転・停止の繰り返し試験を実施した。
第二の安定化部材は、ステンレス材で構成した外径φ130mmの平板状とし、中心に内径φ35mmの貫通孔を形成して、図7に示すようにスピンドル3を配置した。この際、スピンドル3の第一の安定化部材を設置する面と、第二の安定化部材31の作用面のZ軸方向位置の間隙の設定値Cbdが0.20mmとなるように、スピンドル3と第二の安定化部材31をドライブ装置20に固定した。このスピンドル3の回転軸に第一の安定化部材30を固定し、ドライブ装置20を組み上げた。なお、スピンドル3の回転軸上の設置面の外径はφ29mmとした。第一の安定化部材30は、30μm厚のステンレス箔を外径φ128mm、中心径φ15mmに加工し、直径φ30mmの円周上に外径φ5mmの開口33を等間隔に8つ形成した形態とした。
このドライブ装置20に、ハブ2、ディスク1、及びスペーサ32を連結したディスク組立体8を図示しないローディング機構によりローディングし、ディスク固定用キャップ6により固定した。その後、ディスク1をスピンドル3により、第一の安定化部材30と共に回転させ、回転・停止動作の繰り返しを行った。ディスク1の回転・停止操作とその評価結果については後述する。
なお、ディスク組立体8は、以下の手順で準備した。ディスク1を実施例−1と同様の手順で準備し、その中心部の片面(情報記録層形成側と逆側)に、外径φ29mm,内径φ15mm、厚み0.1mmのステンレス箔製のハブ2を接着剤(厚み0.03mm)により取り付けた。また、逆側の片面(情報記録層形成側)に外径φ29mm,内径φ15mm、厚み0.15mmのステンレス箔製のスペーサ32を接着剤(厚み0.05mm)により取り付けた。これらの組み付けは、各部材を同軸に合わせた上で行った。
(実施例−3)
実施例−3においては、図8に示す第三の実施形態の構成で、ディスク組立体8をドライブ装置20にローディングし、ディスク1の回転・停止の繰り返し試験を実施した。
第二の安定化部材は、ステンレス材で構成した、図5に示す湾曲凹面を有する形態とした。より具体的には、外径φ130mm、内径φ35mm、中心母線付近の平坦部31b幅Wcf30mm、円筒状湾曲凹面31cの曲率半径R1000mmとした。この第二の安定化部材31の中心部貫通孔に、図8に示すようにスピンドル3を配置した。この際、スピンドル3の第一の安定化部材を設置する面と、第二の安定化部材31の作用面(中心母線31d付近の平坦面)のZ軸方向位置の距離の設定値Cbdが0.20mmとなるように、スピンドル3と第二の安定化部材31をドライブ装置20に固定した。なお、スピンドル3の回転軸上の設置面の外径はφ29mmとした。
このドライブ装置20に、ハブ2、ディスク1、スペーサ32、及び第一の安定化部材30を連結したディスク組立体8を図示しないローディング機構によりローディングし、ディスク固定用キャップ6により固定した。その後、ディスク1をスピンドル3により回転させ、回転・停止動作の繰り返しを行った。ディスク1の回転・停止操作とその評価結果については後述する。
なお、ディスク組立体8は、以下の手順で準備した。ディスク1を実施例−1と同様の手順で準備し、その中心部の片面(情報記録層形成側と逆側)に、外径φ29mm,内径φ15mm、厚み0.1mmのステンレス箔製のハブ2を接着剤(厚み0.03mm)により取り付けた。また、逆側の片面(情報記録層形成側)に外径φ29mm,内径φ15mm、厚み0.10mmのステンレス箔製のスペーサ32を接着剤(厚み0.05mm)により取り付けた。このスペーサ32の逆面に第一の安定化部材30を接着剤(厚み0.05mm)により取り付けた。なお、第一の安定化部材は、30μm厚のステンレス箔を外径φ128mm、中心径φ15mmに加工し、直径φ35mmの円周上に外径φ5mmの開口を等間隔に8つ形成した形態とした。これらの組み付けは、各部材を同軸に合わせた上で行った。
(実施例−4)
実施例−4においては、図9、10の第四の実施形態に示す構成で、ディスク組立体8を収納したディスクカートリッジ11をドライブ装置20にローディングし、ディスク1の回転・停止の繰り返し試験を実施した。ディスク1の回転・停止操作とその評価結果については後述する。
ディスクカートリッジ11は、内壁に第二の安定化部材31を具備し、ディスク組立体8を収納する形態とし、図示しない手段により、スピンドルアクセス用開口部14と、記録/再生ヘッドアクセス用開口部13の開閉が行える形態とした。
第二の安定化部材31は、アクリルで構成した外径φ130mmの平板状とし、中心に内径φ35mmの貫通孔(ディスクカートリッジ11のスピンドルアクセス用開口部14に通じる開口)を形成した形態とした。また、その作用表面にはAgPdCuをスパッタ成膜した。
ディスク組立体8は、実施例−3のディスク組立体に、ディスク固定用キャップ6を接着剤(厚み0.03mm)により取り付けた形態とした。
ドライブ装置20には、カートリッジZ軸位置の位置決め機構12を具備させ、これにディスクカートリッジ11の外壁を突き当てた状態で、スピンドル3の第一の安定化部材を設置する面と、第二の安定化部材31の作用面のZ軸方向位置の差Cbdが0.20mmとなるように設計した。なお、スピンドル3の回転軸上の設置面の外径はφ29mmとした。
このドライブ装置20に、ディスク固定用キャップ6、ハブ2、ディスク1、スペーサ32、及び第一の安定化部材30を連結したディスク組立体8を収納したディスクカートリッジ11を、図示しないローディング機構によりローディングし、ディスクカートリッジ11の外壁をカートリッジZ軸位置の位置決め機構12に突き当て、またディスク組立体8をスピンドル3の回転軸に固定し、回転・停止動作の繰り返しを行った。
(比較例)
比較例において、図11に示す従来の記録再生装置のドライブ装置に従来のディスクを配置した構成で、ディスク1の回転・停止の繰り返し試験を実施した。なお、この構成は、図2に示す本発明の実施形態から、第一の安定化部材30とスペーサ32を除いた形態に相当する。
ディスク1とハブ2を連結したディスク組立体は、実施例−1と同様とした。また、スピンドル3のディスク設置面と、安定化部材35の作用面のZ軸方向位置の差Cbdが0.20mmとなるように、スピンドル3と安定化部材35をドライブ装置に固定した。安定化部材35はステンレス材により構成し、その形状は実施例−1の第二の安定化部材と同様とした。スピンドル3の回転軸上の設置面の外径、ハブ2の外径はいずれもφ29mmとした。この状態で、ディスク1の回転・停止動作の繰り返しを行った。
(回転・停止動作と評価)
回転数13000rpmでディスク1を回転させて予備実験をした。実施例−1〜4、及び比較例において、ディスク1は正常に回転した。しかし、回転数14000rpmでディスク1を回転させると、実施例−3以外はディスク1の外周部に異常振動が重畳し、これを超える回転数においては安定駆動できなかった。実施例−3においては、回転数15000rpmとしてもディスク1は正常に回転した。なお、これ以上の高回転数では実験を行っていない。実施例−3においては、第二の安定化部材の対向面31aが特殊な凹面をしていることが効果を発揮したものと考えられる。
各実施例、比較例において、回転数13000rpmでディスク1を回転させる、停止させる回転・停止操作の繰り返しを行った。回転・停止操作は、回転数13000rpmまでの回転数加速時間 5秒、回転数13000rpmの定速回転 5秒、回転数0rpmまでの回転数減速時間 5秒、回転停止時間 3秒を1サイクルとして繰り返した。
各実施例、比較例について、回転・停止操作を繰り返した結果を示す。実施例−1,実施例−4においては、回転・停止の繰り返し操作を数百回経た状態で、第一の安定化部材30と第二の安定化部材31の接触・摺動により、回転できなくなる場合があった。これは、第一の安定化部材、あるいは第二の安定化部材に形成した金属膜(AgPdCu膜)が、摺動により徐々に剥がれ、母材のプラスチックが表面に露出、かつ摩耗されたためであるが、この状況においても、ディスク1は第一の安定化部材によって確実に守られ、比較例のように記録再生ができなくなる重大な事態に陥ることはなかった。また、第一の安定化部材、あるいは第二の安定化部材のプラスチックが露出した部材を交換することにより、容易に状態回復を図ることができた。
実施例−2,実施例−3においては、このような問題は発生せず、終始安定した高速での回転駆動と停止動作の繰り返しが実現できた。
比較例においては、おおよそ数十回の繰り返し操作で、ディスク1と安定化部材35が接触・摺動し、最終的には、ディスク1と安定化部材35の吸着により、回転できなくなった(図11参照)。この摺動により、ディスク1の安定化部材35側の面には、多数の摺動傷がつき、また場合によってはディスク自身が局所的に変形することがあった。このダメージにより、ディスク1に、フォーカスサーボが追従できないほどの高周波振動が重畳し、記録再生ができない状態に陥る場合もあった。
このように、本実施形態,本実施例では、可撓性を有する記録ディスクを安定化部材により空気安定化させて回転駆動させるシステムにおいて、10000rpmを超える高速でディスクを回転駆動すると共に、ディスクの回転・停止時においても、情報を記録したディスクにダメージを与えることのない、記録再生装置、ディスク組立体、ディスクカートリッジを提供することができる。なお、本実施形態,本実施例では、光ディスクを想定して説明しているが、本発明が対象とするディスクは、相変化メモリ,光磁気メモリ,ホログラムメモリなどのディスク状の記録ディスクで活用するものすべてに適用できる。
本発明は、可撓性を有するディスクに対して記録および/または再生処理を行う記録再生装置、ディスク組立体、ディスクカートリッジに適用され、特に、今後開発される高速大容量記録再生用のディスクやそのカートリッジ、記録再生装置に好適に適用できる。
ディスクを載せたディスク回転機構の平面図 図1におけるディスク回転機構のC−C'断面の断面図(1) 図1におけるディスク回転機構のC−C'断面の断面図(2) 第一の安定化部材の平面図 第二の安定化部材の平面図(a)及び正面図(b) 図1におけるディスク回転機構のC−C'断面の分解断面図(1) 図1におけるディスク回転機構のC−C'断面の分解断面図(2) 図1におけるディスク回転機構のC−C'断面の分解断面図(3) ディスク回転機構の分解断面図(4) ディスクカートリッジの平面図 従来のディスク回転機構の断面図
符号の説明
1:ディスク
1a:保持部
1b:情報記録領域
2:ハブ
3:スピンドル(スピンドル)
3a:ディスク保持部
4:記録再生ヘッド
6:ディスクキャップ(ディスククランパ)
8:ディスク組立体
11:ディスクカートリッジ
12:ディスクカートリッジ位置決め機構
13:記録再生ヘッドアクセス用開口
14:スピンドルアクセス用開口
20:ディスクドライブ装置
30:第一の安定化部材
30a:保持部
31:第二の安定化部材
31a:対向面
31b:平坦部
31c:円筒状湾曲凹面
31d:中心母線
32:スペーサ
33:開口
34:中心孔

Claims (19)

  1. 可撓性を有するディスクに対し、情報の記録及び再生の少なくとも一方を行う記録再生装置であって、
    前記ディスクを回転させる回転機構と;
    前記ディスクに近接配置して対向するように前記回転機構の回転軸に前記ディスクと同軸回転可能に保持された、可撓性を有する円盤状の第一の安定化部材と;
    第一の安定化部材を介して、前記ディスクに対向して配置された第二の安定化部材と;を備えることを特徴とする記録再生装置。
  2. 第一の安定化部材は、前記ディスクの情報記録領域に対向する部分よりも内側の面にスペーサを備えることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 第一の安定化部材は、前記ディスクの情報記録領域に対向する部分よりも内側の面に、開口を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録再生装置。
  4. 第二の安定化部材は、少なくとも前記ディスクの情報記録領域の全面に対向する対向面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録再生装置。
  5. 第二の安定化部材の前記対向面は、一方向に湾曲した凹面であることを特徴とする請求項に記載の記録再生装置。
  6. 第一の安定化部材は、両面に導電性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録再生装置。
  7. 第一の安定化部材は、高分子フィルムを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録再生装置。
  8. 第一の安定化部材は、金属箔を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録再生装置。
  9. 情報を記録可能な可撓性を有するディスクと;
    可撓性を有する円盤状の第一の安定化部材と;が同軸回転可能に近接配置され、中心部でスペーサを介して固定されていることを特徴とするディスク組立体。
  10. 第一の安定化部材と前記ディスクは、前記ディスクの情報記録領域よりも内側で前記スペーサを介して連結していることを特徴とする請求項9に記載のディスク組立体。
  11. 第一の安定化部材は、前記ディスクの情報記録領域に対向する部分よりも内側の面に、開口を有することを特徴とする請求項9又は10に記載のディスク組立体。
  12. 前記ディスクは、情報記録領域よりも内側の面に、開口を有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載のディスク組立体。
  13. 第一の安定化部材は、両面に導電性を有することを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載のディスク組立体。
  14. 第一の安定化部材は、高分子フィルムを含むことを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のディスク組立体。
  15. 第一の安定化部材は、金属箔を含むことを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載のディスク組立体。
  16. 第一の安定化部材を介して、前記ディスクに対向して配置された第二の安定化部材を備えたことを特徴とする請求項9〜15のいずれか一項に記載のディスク組立体。
  17. 第二の安定化部材は、少なくとも前記ディスクの情報記録領域の全面に対向する対向面を有することを特徴とする請求項16に記載のディスク組立体。
  18. 第二の安定化部材の前記対向面は、一方向に湾曲した凹面であることを特徴とする請求項17に記載のディスク組立体。
  19. 請求項9〜18のいずれか一項に記載のディスク組立体を、記録再生装置に着脱自在に収納したことを特徴とするディスクカートリッジ。
JP2008066750A 2008-03-13 2008-03-14 記録再生装置、ディスク組立体、及びディスクカートリッジ Expired - Fee Related JP5235457B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008066750A JP5235457B2 (ja) 2008-03-14 2008-03-14 記録再生装置、ディスク組立体、及びディスクカートリッジ
EP20090718584 EP2263231B1 (en) 2008-03-13 2009-03-12 Flexible recordable disk
KR1020097023485A KR101105861B1 (ko) 2008-03-13 2009-03-12 디스크 회전 장치, 기록 재생 장치 및 가요성 디스크
PCT/JP2009/055385 WO2009113731A1 (en) 2008-03-13 2009-03-12 Disk rotating device, disk, disk assembly, disk cartridge, and recording and reproducing device
CN2009800003257A CN101681660B (zh) 2008-03-13 2009-03-12 光盘旋转设备与记录和复制设备
US12/594,912 US8495669B2 (en) 2008-03-13 2009-03-12 Disk rotating device, disk, disk assembly, disk cartridge, and recording and reproducing device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008066750A JP5235457B2 (ja) 2008-03-14 2008-03-14 記録再生装置、ディスク組立体、及びディスクカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009223945A JP2009223945A (ja) 2009-10-01
JP5235457B2 true JP5235457B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=41240567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008066750A Expired - Fee Related JP5235457B2 (ja) 2008-03-13 2008-03-14 記録再生装置、ディスク組立体、及びディスクカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5235457B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4769733A (en) * 1982-11-09 1988-09-06 Iomega Corporation Wipers for pair of stabilized magnetic disks
JPS59125792U (ja) * 1983-02-09 1984-08-24 アルプス電気株式会社 デイスクドライブのクランプ機構
JPS6198279U (ja) * 1984-11-28 1986-06-24
JPS6280264U (ja) * 1985-11-06 1987-05-22
JP4688217B2 (ja) * 2005-09-13 2011-05-25 株式会社リコー ディスク装置及びディスクカートリッジ
JP4803806B2 (ja) * 2006-06-28 2011-10-26 株式会社リコー ディスク駆動方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009223945A (ja) 2009-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3961549B2 (ja) 光情報記録媒体
US8495669B2 (en) Disk rotating device, disk, disk assembly, disk cartridge, and recording and reproducing device
JP5235457B2 (ja) 記録再生装置、ディスク組立体、及びディスクカートリッジ
JP5249613B2 (ja) ディスク回転機構、ディスク、記録再生装置、及び記録再生方法
US20050046689A1 (en) Optical disk medium, optical disk medium production method, turntable and optical disk apparatus
JP4166630B2 (ja) 光学的情報記録装置および光学的情報再生装置
JP4108436B2 (ja) 光ディスク
JP5014216B2 (ja) ディスク駆動装置、ディスク組立体、及び記録再生装置
JP5524545B2 (ja) フレキシブルディスクシステムおよびフレキシブルディスクの製造方法
JP4199059B2 (ja) 記録/再生装置および安定化調整方法
JP4996564B2 (ja) 記録再生装置及びその駆動方法
JP4181053B2 (ja) 記録/再生装置
JP2002251864A (ja) ディスク状記録媒体、その反り矯正機構、及び記録再生装置
JPH065038A (ja) フレキシブルディスクカートリッジ
JP2010165388A (ja) 対物レンズプロテクタおよび光ピックアップ装置
JPH11306594A (ja) ディスク状記録媒体及びその記録及び/又は再生装置
JPH07141712A (ja) 光記録媒体
JPH1027338A (ja) 磁気ディスク及びこれを用いた磁気ディスク装置
JP2004030718A (ja) 磁気ディスクおよび磁気ディスク装置
JP2008192229A (ja) 薄型フレキシブル光ディスク、及び光情報記録再生装置
JP2000173214A (ja) フレシキブルディスク記録再生装置
JP2004227711A (ja) 光ディスク
JPH09153236A (ja) 光磁気ディスク
JP2005044401A (ja) 記録/再生装置およびディスクカートリッジ
JP2003317434A (ja) 光ディスク駆動安定化装置および光ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees